JP5590002B2 - 金属汚染評価方法及びエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

金属汚染評価方法及びエピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコン基板製造プロセス又はデバイス製造プロセスにおける熱処理炉の金属汚染を評価する金属汚染評価方法に関する。さらには、金属汚染が低減されたエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
半導体シリコン基板(ウェーハ)の製造プロセスや半導体デバイスの製造プロセスにおいて、ウェーハが金属不純物などで汚染されると製品の性能に悪影響が生じるので、金属汚染の低減は極めて重要な課題である。
製造プロセス中の金属汚染を評価する方法として、マイクロ波光導電減衰法(μ―PCD法)による再結合ライフタイムの測定が広く用いられている。このμ―PCD法では、先ずシリコン単結晶のバンドギャップよりも大きなエネルギーの光パルスを照射し、ウェーハ中に過剰キャリアを発生させる。発生した過剰キャリアによりウェーハの導電率が増加するが、その後、時間経過に伴い過剰キャリアが再結合によって消滅することで導電率が減少する。この変化を反射マイクロ波パワーの時間変化として検出し、解析することにより再結合ライフタイムを求めることができる。再結合ライフタイムは、禁制帯中に再結合中心となる準位を形成する金属不純物や欠陥などが存在すると短くなる。このことから、再結合ライフタイムの測定により、ウェーハ中の金属不純物や結晶欠陥などを評価することができる(例えば、非特許文献1)。
評価対象の試料がウェーハ形状の場合、光パルスによって発生した過剰キャリアは、ウェーハ内部で再結合して消滅するだけではなく、ウェーハ表面及び裏面に拡散し、表面再結合により消滅する。従って、ウェーハ内部の金属汚染を評価するためには、表面及び裏面での表面再結合を抑制する必要がある。表面再結合を抑制する方法として、熱酸化処理(酸化膜パシベーション)や電解溶液処理(ケミカルパシベーション処理、CP処理と略称されることがある)が一般的に用いられている。酸化膜パシベーションでは、酸化膜を形成するための熱処理工程において、金属汚染や結晶欠陥を発生させないように注意する必要がある。そのため、酸化炉以外の熱処理炉、例えばエピタキシャルウェーハを製造するためのエピタキシャル成長炉の金属汚染を評価する場合は、ケミカルパシベーション処理が用いられる。
ケミカルパシベーション処理用の溶液としては、ヨウ素アルコール溶液(例えば、非特許文献2)とキンヒドロンアルコール溶液(例えば、特許文献1)が知られている。キンヒドロンアルコール溶液の場合は、表面パシベーション効果が安定するまでに時間がかかる(例えば、非特許文献3)。そのため、金属汚染の評価結果をできるだけ早く得たい場合には、ヨウ素アルコール溶液が用いられる。
特開2002−329692号公報
JEIDA−53−1997"シリコンウェーハの反射マイクロ波光導電減衰法による再結合ライフタイム測定方法" T. S. Horanyi et al., Appl. Surf. Sci. 63(1993)306. H. takato et al., Jpn. J. Appl. Phys. 41(2002)L870.
半導体デバイスの高性能化に伴い、微量な金属汚染でもデバイス性能に悪影響を及ぼすようになり、金属汚染を低減することが極めて重要な課題となっている。特に、CCDやCISなどの撮像素子においては、受光感度や解像度の向上に伴い、微弱な白キズや暗電流などが問題となり、極微量の金属汚染が悪影響を及ぼすことが懸念されている。そのため、撮像素子用基板として広く用いられているエピタキシャルウェーハでは、デバイス製造プロセスにおける金属汚染のみならず、エピタキシャルウェーハを製造するプロセスにおける金属汚染も低減することが強く望まれている。
金属汚染を低減するためには、まず、極微量な金属汚染を高感度、かつ高精度で評価する方法が必要である。また、金属汚染を評価した結果により製品製造の可否を判断するため、できるだけ迅速に評価結果が得られる必要がある。
前述したように、金属汚染を評価する方法として、μ―PCD法による再結合ライフタイム測定が広く用いられている。その再結合ライフタイムの測定において、表面再結合を抑制するケミカルパシベーション処理にヨウ素アルコール溶液を用いる場合は、ケミカルパシベーション処理後の時間経過に伴って再結合ライフタイムの測定値が低下してしまうため、測定値にばらつきが生じる問題があった。その問題を解決するために、再結合ライフタイム測定値の経時変化を補正するための補正値を時間の関数として表わした補正式を用いて、測定値を補正する方法が開示されている(特開2010−192809号公報)。しかし、この方法では、再結合ライフタイムの経時変化を測定する必要があるため、手間と時間がかかるという問題があった。
また、100〜10000Ω・cmの範囲の抵抗率を有するシリコン基板を用いれば、表面パシベーションの種類や条件によって測定値が変化することなしに、再結合ライフタイムの測定により金属汚染を高感度かつ高い信頼性をもって評価できることが開示されている(特開2010−040793号公報)。しかし、この方法では、ケミカルパシベーション処理にヨウ素エタノール溶液を使用した場合、抵抗率が高すぎると測定値が安定しない場合があるという問題が判明した。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、シリコン基板製造プロセスやデバイス製造プロセスにおける金属汚染を高感度かつ高精度で評価することができる金属汚染評価方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、金属汚染が極めて低減されるエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、金属汚染評価用シリコン基板の再結合ライフタイムの測定値を用いて熱処理炉の金属汚染を評価する方法であって、前記金属汚染評価用シリコン基板として、抵抗率が40〜150Ω・cmであり、かつ酸素濃度が5〜12ppmaであるシリコン基板を準備する工程と、前記シリコン基板を評価対象の熱処理炉内で熱処理する工程と、前記シリコン基板の表面に対して表面パシベーション処理を行う工程と、前記熱処理及び表面パシベーション処理を行った後のシリコン基板の再結合ライフタイムを、マイクロ波光導電減衰法により測定する工程と、該測定値を用いて前記熱処理炉の金属汚染を評価する工程とを含むことを特徴とする金属汚染評価方法を提供する。
上記のような金属汚染評価用シリコン基板を用いれば、金属汚染前の段階での再結合ライフタイムの初期値を高くすることができるため、その後の金属汚染による再結合ライフタイムの劣化が大きくなり、金属汚染を高感度で評価できる。また、このような金属汚染評価用シリコン基板を用いた金属汚染評価方法により、表面パシベーション処理後の測定値の経時変化を小さくすることができるため、金属汚染を高精度で評価できる。
この場合、前記表面パシベーション処理を、ケミカルパシベーション処理により、又は、前記シリコン基板の表面に酸化膜を形成することにより行うことができる。
ケミカルパシベーション処理はパシベーション効果が高いので、表面パシベーション処理をケミカルパシベーション処理で行うことにより、表面再結合の影響をより効果的に抑制でき、金属汚染による再結合ライフタイムの低下を高感度で評価できるので好ましい。また、本発明の金属汚染評価方法では、表面パシベーション処理をシリコン基板の表面に酸化膜を形成すること(酸化膜パシベーション)により行うこともできる。
また、表面パシベーション処理をケミカルパシベーション処理で行う場合は、前記ケミカルパシベーション処理を、ヨウ素アルコール溶液を用いて行うことが好ましい。
このように、ヨウ素アルコール溶液を用いたケミカルパシベーション処理であれば、パシベーション効果が高く、処理後早く安定するので、再結合ライフタイムを迅速に測定することができる。
また、前記金属汚染評価用シリコン基板として準備するシリコン基板は、表面をケミカルパシベーション処理した後に、マイクロ波光導電減衰法により測定した再結合ライフタイムの測定値が3msec以上であり、前記ケミカルパシベーション処理の後1時間以内の再結合ライフタイムの測定値の経時変化が±5%以内であることが好ましい。
金属汚染評価用シリコン基板としてこのようなシリコン基板を用いれば、熱処理段階前の再結合ライフタイムの初期値が3msec以上であるので、極微量の金属汚染を高感度で評価することができるとともに、ケミカルパシベーション処理後1時間以内の測定値の経時変化が±5%以内であるので、経時変化による測定値のばらつきが小さく、極微量の金属汚染を高精度で評価できる。
また、本発明の金属汚染評価方法では、前記熱処理炉をエピタキシャル成長炉とすることができる。
また、本発明は、上記の金属汚染評価方法によって金属汚染を管理したエピタキシャル成長炉を用いて、シリコン基板上に単結晶薄膜をエピタキシャル成長させてエピタキシャルウェーハを製造することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
このようにしてエピタキシャルウェーハを製造すれば、製造されたエピタキシャルウェーハは、デバイスの性能に悪影響を及ぼす金属汚染が極めて低減されたものとすることができる。
この場合、前記エピタキシャル成長後のシリコン基板の再結合ライフタイム測定値が2msec以上となるように金属汚染を管理することが好ましい。
このようなエピタキシャル成長後のシリコン基板の再結合ライフタイム測定値に管理することにより、金属汚染が極めて低減されたエピタキシャルウェーハを製造することができる。
本発明に係る金属汚染評価方法によれば、シリコン基板製造プロセスやデバイス製造プロセスにおいて、金属汚染を高感度かつ高精度で、さらには迅速に評価することができる。
また、本発明に係るエピタキシャルウェーハの製造方法によれば、デバイス性能に悪影響を及ぼす金属汚染が低減されたエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することができる。
本発明に係る金属汚染評価方法の概略を示したフローチャートである。 実験例1におけるケミカルパシベーション処理後の経過時間と再結合ライフタイム相対値との関係を示したグラフである。 実験例1における酸素濃度と再結合ライフタイム測定値との関係を示したグラフである。 実施例1におけるエピタキシャル成長前後の再結合ライフタイム測定値の度数分布を示したグラフである。 比較例1におけるエピタキシャル成長前後の再結合ライフタイム測定値の度数分布を示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1に、本発明に係る金属汚染評価方法の概略を示した。
まず、図1(a)に示したように、金属汚染評価用シリコン基板(モニターウェーハとも呼ばれることがある。)として、抵抗率が40〜150Ω・cmであり、かつ酸素濃度が5〜12ppmaであるシリコン基板を準備する(工程a)。このような抵抗率及び酸素濃度が必要であることは、後述する実験例により得られた知見に基づくものである。このような抵抗率及び酸素濃度のシリコン基板を準備する方法は特に限定されないが、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)により、抵抗率が40〜150Ω・cm、かつ酸素濃度が5〜12ppmaとなるようにシリコン単結晶を育成し、そのシリコン単結晶からシリコン基板を作製することができる。なお、本発明の説明における酸素濃度は、JEIDA基準によるものである。
ここで準備する金属汚染評価用シリコン基板の直径は、評価対象となる熱処理炉で処理されるウェーハの直径と同じにすることが好ましく、例えば6〜12インチ(150〜300mm)とすることができる。このシリコン基板の厚みは標準的な厚みで良く、例えば0.5〜1.0mmとすることができる。このシリコン基板の表面の加工条件は標準的な条件で良いが、サンドブラスト処理や多結晶シリコン膜の形成など、再結合ライフタイムを低下させる処理は避けることが好ましい。
金属汚染評価用シリコン基板の抵抗率が40Ω・cmよりも低くなると、ケミカルパシベーション処理後の時間経過に伴って再結合ライフタイム測定値が低下し、安定に測定できなくなる。また、抵抗率が150Ω・cmよりも高くなると、ケミカルパシベーション処理後の再結合ライフタイム測定値のばらつきが大きくなる場合があり、安定に測定できなくなる。酸素濃度が5ppmaよりも低い場合、あるいは12ppmaよりも高い場合は、熱処理段階前の再結合ライフタイムの初期値が低くなるため、微量な金属汚染を高感度で評価できなくなる。
また、この金属汚染評価用シリコン基板は、表面をケミカルパシベーション処理した後に、マイクロ波光導電減衰法により測定した再結合ライフタイムの測定値が3msec以上であり、ケミカルパシベーション処理の後1時間以内の再結合ライフタイムの測定値の経時変化が±5%以内であることが好ましい。このように、熱処理段階前の再結合ライフタイムの初期値が3msec以上であれば、近年の高性能デバイス、特に撮像素子の性能に悪影響を及ぼす極微量の金属汚染を高感度で評価することができる。再結合ライフタイムの初期値は高ければ高いほど好ましく、上限はない。また、ケミカルパシベーション処理後1時間以内の測定値の経時変化が±5%以内であれば、経時変化による測定値のばらつきが小さいので、極微量の金属汚染を高精度で評価できる。さらに、公知技術のように経時変化を測定する必要がないので、迅速な評価が可能となる。熱処理炉における金属汚染は、パーティクルの付着などが原因でウェーハ面内の局所的な位置に生じる場合がある。そのような金属汚染を評価する場合には、ウェーハ全面のマッピング測定を行う必要がある。マッピング測定に要する時間は、測定点数によるが1時間以内程度であるので、本発明のように、1時間以内の経時変化が小さければ問題はなく、金属汚染を高精度で評価できる。
以上のような金属汚染評価用シリコン基板を準備した後、図1(b)に示したように、シリコン基板を評価対象の熱処理炉内で熱処理する(工程b)。本発明に係る金属汚染評価方法は、半導体基板を熱処理することができる種々の熱処理炉に適用することができ、エピタキシャル成長炉に適用することもできる。
評価対象の熱処理炉がエピタキシャル成長炉の場合、この熱処理工程の際に、金属汚染評価用シリコン基板の表面にエピタキシャル層を成長させることが好ましい。エピタキシャル層の厚み、導電型、抵抗率などは特に問わないが、例えば、ノンドープのエピタキシャル層を1〜10μm程度の厚みで成長させることができる。あるいは、製造する製品の仕様と同じにすることができる。また、エピタキシャル層を成長させずに熱処理だけを施すこともできる。
次に、図1(c)に示したように、金属汚染評価用シリコン基板の表面に対して表面パシベーション処理を行う(工程c)。この表面パシベーション処理は、再結合ライフタイムの測定の前に行う。この表面パシベーション処理は、ケミカルパシベーション処理により行うことが好ましいが、シリコン基板の表面に酸化膜を形成すること(酸化膜パシベーション)により行うこともできる。酸化膜パシベーションにより表面パシベーション処理を行う場合には、熱処理工程(工程b)と表面パシベーション処理(工程c)を同時に行うこともできる。
ケミカルパシベーション処理は、酸化膜パシベーション処理よりもパシベーション効果が高く、表面再結合の影響をより効果的に抑制できるので、金属汚染による再結合ライフタイムの低下をより高感度で評価できる。また、エピタキシャル成長炉による熱処理の場合など、酸化膜が形成されない熱処理の場合には、後から酸化膜を形成する酸化膜パシベーションよりもケミカルパシベーション処理の方が容易であり、酸化膜を形成するための熱処理の影響を受けないという利点がある。
ケミカルパシベーション処理は、ヨウ素アルコール溶液を用いて行うことが好ましい。このように、ヨウ素アルコール溶液を用いたケミカルパシベーション処理であれば、パシベーション効果が高く、処理後早く安定するので、再結合ライフタイムを迅速に測定することができる。
熱処理炉が酸化膜を形成できる熱処理炉の場合は、熱処理により酸化膜を形成し、その酸化膜をパシベーション用の酸化膜として、ケミカルパシベーション処理を行うことなく、再結合ライフタイムを測定できる。酸化膜の形成条件は、例えば非特許文献1に記載された条件により形成することができる。酸化膜パシベーションはケミカルパシベーション処理よりもパシベーション効果が低いものの、それが影響しない程度の評価であれば酸化膜パシベーションを表面パシベーション処理として採用することもできる。特に、酸化が可能な熱処理炉の場合には、熱処理により酸化膜を形成して、その酸化膜をパシベーション膜として用いることにより、ケミカルパシベーション処理をすることなく、そのまま再結合ライフタイムを測定することができる。
次に、図1(d)に示したように、熱処理及び表面パシベーション処理を行った後のシリコン基板の再結合ライフタイムを、マイクロ波光導電減衰法(μ―PCD法)により測定する(工程d)。μ―PCD法における測定条件は、一般的に用いられている条件で良く、例えば非特許文献1に記載された条件により測定することができる。測定装置は市販されているものを用いることができる。なお、表面パシベーション処理をケミカルパシベーション処理で行う際に、金属汚染評価用シリコン基板の表面に自然酸化膜が形成されている場合は、ケミカルパシベーション処理の前にフッ酸水溶液により自然酸化膜を除去する。熱処理炉がエピタキシャル成長炉の場合は、エピタキシャル成長後の金属汚染評価用シリコン基板の再結合ライフタイムを測定することができる。
次に、図1(e)に示したように、工程dで得られた測定値を用いて、評価対象とした熱処理炉の金属汚染を評価する(工程e)。再結合ライフタイムの測定値が基準値よりも低い場合には、金属汚染を低減するための対策を行う。再結合ライフタイムの測定値が基準値よりも高い場合には、その熱処理炉を用いて製品となる半導体基板を熱処理することができる。すなわち、エピタキシャル成長炉の場合、再結合ライフタイムの基準値よりも高い場合には、エピタキシャルウェーハの製品を製造することができる。この基準値を例えば2msecとする(すなわち、エピタキシャル成長後のシリコン基板の再結合ライフタイム測定値が2msec以上となるように金属汚染を管理する)ことにより、近年の高性能デバイスの性能を劣化させることのない、金属汚染が低減されたエピタキシャルウェーハを製造することができる。
このようにして、本発明に係る金属汚染評価方法によって金属汚染を管理したエピタキシャル成長炉を用いて、シリコン基板上に単結晶薄膜をエピタキシャル成長させて製造されたエピタキシャルウェーハは、金属汚染が極めて低減されているので、近年の高性能デバイス、特に金属汚染に敏感な撮像素子用の基板として好適である。
本発明において、金属汚染評価用シリコン基板として、抵抗率が40〜150Ω・cmであり、かつ酸素濃度が5〜12ppmaであるシリコン基板を用いる理由は、以下のような実験により得られた知見による。
(実験例1)
チョクラルスキー法(CZ)又はフローティングゾーン法(FZ)により、表1に示す11水準(試料記号a〜k)のシリコン単結晶インゴットを育成した。結晶軸方位は全て<100>である。そして、これらのシリコン単結晶インゴットから、標準的なウェーハ加工プロセスにより、鏡面研磨仕上げのシリコン基板を作製した。
Figure 0005590002
次に、作製したシリコン基板において、表面再結合を抑制するためにヨウ素エタノール溶液を用いたケミカルパシベーション処理を施した後、μ―PCD法により再結合ライフタイムを測定した。再結合ライフタイム測定値の経時変化を調べるため、測定は任意の時間間隔で繰り返し実施した。
再結合ライフタイムの測定結果を図2(a)〜(k)に示した。図2(a)〜(k)のグラフは、それぞれ、表1の試料記号a〜kに対応する。図2の各グラフにおいて、横軸はケミカルパシベーション処理後の経過時間を示し、縦軸は最初の再結合ライフタイム測定値を1とした場合の測定値の相対値で示したものである。
図2に示したように、少なくとも抵抗率が40〜150Ω・cmの範囲であれば、ケミカルパシベーション処理後1時間までの経時変化が小さく、高い精度で測定できることがわかった。抵抗率が5〜17Ω・cmの場合は、ケミカルパシベーション処理後の時間経過に伴い測定値が減少した。また、抵抗率が150Ω・cmよりも高いと、測定値のばらつきが大きくなった。これらの抵抗率による違いの理由は必ずしも明らかではないが、ケミカルパシベーション処理のパシベーション効果の経時変化に伴う表面電位の変化の違いに起因すると考えられる。
図3には、試料番号a〜kの酸素濃度とケミカルパシベーション処理直後の再結合ライフタイム測定値との関係を示した。この結果から、酸素濃度が5〜12ppmaの範囲であれば、再結合ライフタイムの初期値(熱処理による金属汚染の前の再結合ライフタイム)が3msec以上となることがわかった。酸素濃度が12ppmaよりも高いと、酸素析出に起因した欠陥が発生し、それが再結合中心となり再結合ライフタイムが低くなると考えられる。また、酸素濃度が5ppmaよりも低いと、結晶育成中に発生した空孔の凝集が進行し、それが再結合中心となり再結合ライフタイムが低くなると考えられる。
以上の結果から、金属汚染評価用シリコン基板の抵抗率が40〜150Ω・cmであり、かつ酸素濃度が5〜12ppmaであれば、金属汚染前の段階での再結合ライフタイムの初期値を高くすることができ、また、ケミカルパシベーション処理後の経時変化も小さくすることができるため、金属汚染を高感度かつ高精度で評価できることがわかった。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
抵抗率が130Ω・cm(P型)、酸素濃度が10.8ppmaのシリコン基板を準備した。シリコン基板の直径は200mm、面方位は{100}、厚みは725μmである。そのシリコン基板をエピタキシャル成長炉内に入れて、ノンドープで厚み約10μmのエピタキシャル層を成長させた。その後、ヨウ素エタノール溶液を用いてケミカルパシベーション処理を行い、μ―PCD法により再結合ライフタイムを測定した。測定は、ウェーハ全面で2mm間隔のマッピング測定を行った。
再結合ライフタイム測定値の度数分布を図4に示した。エピタキシャル成長前と成長後との再結合ライフタイム測定値の差が極めて明確に検出された。
(比較例1)
抵抗率が11Ω・cm(P型)、酸素濃度が15.8ppmaのシリコン基板を準備した。シリコン基板の直径は200mm、面方位は{100}、厚みは725μmである。そのシリコン基板を、実施例1の後に同じエピタキシャル成長炉内に入れて、ノンドープで厚み約10μmのエピタキシャル層を成長させた。その後、ヨウ素エタノール溶液を用いてケミカルパシベーション処理を行い、μ―PCD法により再結合ライフタイムを測定した。測定は、ウェーハ全面で2mm間隔のマッピング測定を行った。
再結合ライフタイム測定値の度数分布を図5に示した。エピタキシャル成長前と成長後との再結合ライフタイム測定値の差は見られるものの、その差は実施例1の場合よりも明らかに小さかった。
以上の実施例及び比較例の結果から、本発明によれば、熱処理炉の金属汚染を高感度かつ高精度に評価できることがわかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (7)

  1. 金属汚染評価用シリコン基板の再結合ライフタイムの測定値を用いて熱処理炉の金属汚染を評価する方法であって、
    前記金属汚染評価用シリコン基板として、抵抗率が40〜150Ω・cmであり、かつ酸素濃度が5〜12ppmaであるシリコン基板を準備する工程と、
    前記シリコン基板を評価対象の熱処理炉内で熱処理する工程と、
    前記シリコン基板の表面に対して表面パシベーション処理を行う工程と、
    前記熱処理及び表面パシベーション処理を行った後のシリコン基板の再結合ライフタイムを、マイクロ波光導電減衰法により測定する工程と、
    該測定値を用いて前記熱処理炉の金属汚染を評価する工程と
    を含むことを特徴とする金属汚染評価方法。
  2. 前記表面パシベーション処理を、ケミカルパシベーション処理により、又は、前記シリコン基板の表面に酸化膜を形成することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の金属汚染評価方法。
  3. 前記ケミカルパシベーション処理を、ヨウ素アルコール溶液を用いて行うことを特徴とする請求項2に記載の金属汚染評価方法。
  4. 前記熱処理する工程の前に前記金属汚染評価用シリコン基板として準備するシリコン基板は、前記熱処理を行う前に表面をケミカルパシベーション処理した後に、マイクロ波光導電減衰法により測定した再結合ライフタイムの測定値が3msec以上であり、前記熱処理を行う前に行ったケミカルパシベーション処理の後1時間以内の再結合ライフタイムの測定値の経時変化が±5%以内であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の金属汚染評価方法。
  5. 前記熱処理炉はエピタキシャル成長炉であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の金属汚染評価方法。
  6. 請求項5に記載の金属汚染評価方法によって金属汚染を管理したエピタキシャル成長炉を用いて、シリコン基板上に単結晶薄膜をエピタキシャル成長させてエピタキシャルウェーハを製造することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
  7. 前記エピタキシャル成長後のシリコン基板の再結合ライフタイム測定値が2msec以上となるように金属汚染を管理することを特徴とする請求項6に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
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