JP5948784B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物及び繊維強化プリプレグに関する。
繊維強化複合材料(以下、FRPという。)を生産する方法として、オートクレーブ成型、真空パック成型、フィラメントワインディング成型、プルトリュージョン成型、レジントランスファーモールディング(RTM)などの成型方法が知られており、目的とする成型物の形状や大きさ、生産数などにより適宜選択されている。この中でもRTMは、強化繊維材としてのプリフォームを型内に装填した後、例えばエポキシ樹脂などの液状の樹脂を注入、硬化し、FRPを得るものであり、複雑な形状の成型物を容易に、かつ低コストで成型できる利点を持ち、特に航空構造部材の成型方法として最近注目されている。しかし、RTMではプリフォームに樹脂を含浸させる必要があるため、用いられる樹脂の粘度特性により生産性や成型物の品質が大きく影響されやすく、樹脂の粘度が高いと含浸不良が生じることがある。一方、樹脂の粘度を下げるため、高温環境で製造すると、含浸性は高まるものの、成形途中にエポキシ樹脂の硬化反応が進行してしまうため、含浸不良が生じ易くなってしまう。
一方、樹脂の靱性や耐熱性はダイレクトにFRPの物性に影響するため、樹脂の靭性、耐熱性の向上が求められている。一般に、樹脂の靭性を向上させるために、熱可塑性樹脂やゴム等の高分子化合物が添加されるが、高分子化合物の添加量を多くすると、靱性は高まるものの樹脂の粘度が過大となり樹脂の含浸不良が生じることがある。このため、硬化物の靭性を高めた上で、樹脂を低粘度化する技術に対する要望は大きい。一方、樹脂の耐熱性を向上させるにあたっては、一般的に樹脂の耐熱性を向上させると、硬化後の樹脂が非常に脆くなるなどの問題が生じる。そのため、RTM用樹脂に用いられる樹脂を高耐熱かつ高靭性にすることは非常に困難な課題である。
また、RTMに用いられる樹脂の保存形態としては、主剤と硬化剤を別々に保管し、成型の直前に所定の配合量で混合し、その後成型を行う2液型のものが主流である。しかし、2液型の場合では成型の直前で配合を行う必要があるため、配合に手間が掛かるだけでなく、配合時の計量ミスにより硬化物(成型物)の物性不良を引き起こす可能性がある。このため、樹脂には予め主剤と硬化剤を所定の配合量で混練した形態、いわゆる1液型での製品提供が求められている。しかしながら、一液での保存を可能にする場合、微粉化した硬化剤を混練して用いる事が多いが、粉体成分を配合することにより粘度が高くなりやすく、RTM成形に必用な低粘度を得る事が難しくなる。
このような課題に対して、特許文献1では脂環式エポキシ樹脂とポリアミン、ある種の潜在性硬化触媒を組み合わせることで、低粘度と高耐熱性の両立を図っている。しかしながら、この発明から得られる樹脂の硬化物は非常に脆く、また、一液での保存にも対応できないものである。
特許文献2では低粘度と高靭性を両立すべく脂環式エポキシ樹脂、メタクリル酸エステル化合物、脂肪族ポリアミン、ラジカル発生剤の組み合わせにより、低粘度かつ高靭性のRTM用樹脂組成物を開示している。しかしながら、粘度は十分に低い組成物が得られるものの、硬化後の耐熱性が低く、硬化後の靭性も十分なものではない、また、一液での保存にも対応できないものである。
特許文献3にはビスフェノールE(AD)型エポキシ樹脂とポリアリールエーテルからなる反応性オリゴマーと樹脂状微粒子と硬化剤を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物が記載されているが、硬化後の靭性を高めるために大量のポリアリールエーテルからなる反応性オリゴマーを配合しているため、樹脂粘度が非常に高く、特にRTM成型での含侵が困難である。
国際公開WO01/092368のパンフレット 特開2007−154088号公報 特開平3−26750号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、低い粘度と高い耐熱性及び高い靭性を示すRTM成形用の樹脂組成物を得ることを目的とする。
本発明は、必須成分として
[A]ビスフェノールE型エポキシ樹脂
[B]ゴム微粒子
[C]硬化剤
を含み、
エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、[A]を15〜85質量部、[B]を2〜15質量部含んでなるエポキシ樹脂組成物である。
本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、低い粘度と高い耐熱性および高い靭性を示すRTM成形用の樹脂組成物を得ることが可能となる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、[A]ビスフェノールE型エポキシ樹脂と、[B]ゴム微粒子と、[C]硬化剤とを含有する。
[エポキシ樹脂組成物]
<[A]ビスフェノールE型エポキシ樹脂>
本発明の必須成分である[A]ビスフェノールE型エポキシ樹脂はビスフェノールAD型エポキシ樹脂とも言われ、最も一般的なエポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂と比べ、低い粘度と高い耐熱性をあわせ持つため、エポキシ樹脂組成物に配合することにより、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させや耐熱性を高める事が出来る。
ビスフェノールE型エポキシ樹脂としてはEPOX−MK R710(株式会社プリンテック製、製品名)、R1710(株式会社プリンテック、製品名)などが挙げられるが、これに限るものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ビスフェノールE型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂組成物100質量部に対し、15〜85質量部含む事が必要である。15質量部以上を含むことで硬化物の靭性が高くなるので好ましい。さらに好ましくは20質量部以上、より好ましくは25質量部以上、さらには40質量部以上であり、ビスフェノールE型エポキシ樹脂の配合量が多いほど硬化物の靭性が高くなるため好ましい。
加えて、本発明のもうひとつの必須成分である[B]ゴム微粒子と併用すると、[A]ビスフェノールE型エポキシ樹脂を用いない場合や[B]ゴム微粒子だけを用いた場合と比べ、非常に高い硬化後の樹脂靭性値を得る事が出来る。このため、これまで低い粘度と高い耐熱性を併せ持つエポキシ樹脂組成物では高い樹脂靭性達成することは非常に困難であったが、本発明により低い粘度と高い耐熱性に加え、高い樹脂靭性も同時に発現する事が可能になる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ビスフェノールE型エポキシ樹脂以外の任意のエポキシ樹脂を用いる事が出来る。例えば、耐熱性を高めるために多官能型エポキシ樹脂を配合したり、主鎖に剛直な複素環構造を持つエポキシ樹脂を配合したり、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させるために低分子量のエポキシ樹脂や脂環式のエポキシ樹脂を配合したりするなど、目的に応じて任意のエポキシ樹脂を配合する事が出来る。このように任意のエポキシ樹脂を用いた場合であっても、従来に比べ硬化物の靭性を高くする事が出来る。
例えば、分子内に水酸基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、分子内にアミノ基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、分子内にカルボキシル基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、分子内に二重結合を有する化合物を酸化することにより得られる脂環式エポキシ樹脂、あるいはこれらから選ばれる2種類以上のタイプの基が分子内に混在するエポキシ樹脂などが用いられる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他トリスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及びそれらの位置異性体やアルキル基やハロゲンでの置換体が挙げられる。
<[B]ゴム微粒子>
本発明に用いることができるゴム微粒子は、ゴムの種類は制限されず、例えばブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ブチルゴム、NBR,SBR,IR,EPRなどのゴムが用いられる。中でもアクリルゴム微粒子、シリコンゴム微粒子は、耐衝撃性の改良効果が大きく、少ない配合量で効果を得やすいため好適である。なお、靭性を向上させるための材質としては、熱可塑性樹脂やゴムなどが考えられるが、ビスフェノールE型エポキシ樹脂とゴムの組合せは著しく高い靭性を示すため、ゴムを用いる必要がある。一方でCFRPの成型では樹脂とCFの収縮量の差に起因する硬化歪が問題となる場合があり、硬化歪を低減するにはゴム弾性を示す材料を配合する事が有効である点も重要な理由として挙げられる。
本発明に用いることができるゴム微粒子の平均粒径は、0.05〜0.5μmであることが好ましい。より好ましくは0.05〜0.3μmである。平均粒径が0.05〜0.5μmの範囲であれば、炭素繊維織物などのプリフォームに対して含浸良好となり、エポキシ樹脂組成物の粘度の上昇やチキソトロピー性の発現を抑える事が出来るため好ましい。さらに、0.3μm以下であれば含浸不良が起こりにくくなるのでさらに好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ゴム微粒子をエポキシ樹脂組成物100質量部に対して2〜15質量部含んでいることが必要であり、7〜12質量部含んでいることがより好ましい。配合量が2〜15質量部の範囲であれば、十分な耐衝撃性が得られ、エポキシ樹脂組成物の粘度が適度な値となり、加えてエポキシ樹脂組成物を硬化させた際、十分な弾性率を得ることができ、FRPの物性が良好となるので好ましい。配合量が7〜12質量部とすれば、耐衝撃性とエポキシ樹脂組成物の低粘度をより高いレベルで両立することができる。
また、本発明に用いることができるゴム微粒子は架橋ゴム微粒子もしくはコアシェル型ゴム微粒子である事が好ましい。架橋ゴム微粒子もしくはコアシェル型ゴム微粒子を用いることにより、ゴム微粒子同士の融着が起こりにくくなり、硬化物の物性低下や成形時の含浸不良の起こりにくくなるため好ましい。
ゴム微粒子はその粒子径や凝集状態によりプリフォーム表層に局在化させる事が出来る。プリフォーム層内をゴム粒子で強化したい場合はゴム粒子を十分に分散させる事が重要である。ゴム微粒子の分散を良好にするためにはエポキシ樹脂への配合後押し出し機、3本ロール混錬機など剪断力の強い混錬機で混錬すればよいが、予めエポキシ樹脂中にゴム微粒子を分散させたマスターバッチタイプを用いれば容易に良好な分散状態を得る事が出来るため好ましい。このようなマスターバッチ型の架橋ゴム微粒子分散エポキシ樹脂としては、BPF307、BPA328(株式会社日本触媒製)、MX−960(株式会社カネカ)などの市販品が挙げられる。
<[C]硬化剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることができる硬化剤として、アミン型、酸無水物、フェノール、メルカプタン型、ルイス酸アミン錯体、オニウム塩、イミダゾールなどが用いられるが、エポキシ樹脂を硬化させうるものであればどのような構造のものでも良い。この中でも好ましく使われるのはアミン型の硬化剤である。
アミン型の硬化剤としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミンなど、およびそれらの異性体、変成体を用いることができる。これらの中でもジシアンジアミドは耐熱性や靭性、剛性のバランスがよく、エポキシ樹脂に配合した際の保存性に優れ、その配合物は一液での取り扱いが可能になるため特に好ましい。
また、ジアミノジフェニルスルフォンの各種異性体は、ジシアンジアミドに比べ耐熱性の良好な硬化物を与えるために耐熱性が必要な用途に用いられる、さらには、エポキシ樹脂に配合した際の保存性に優れ、その配合物は一液での取り扱いが可能になるため、本発明には最も適している。4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンを用いると、硬化物の耐熱性を高くできる上に、その配合物の保存ライフを長くする事ができるため好ましい。3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンはその配合物の保存安定性や硬化物の耐熱性では4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンに劣るものの、硬化物の弾性率を非常に高くすることができるため好ましい。また、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンを同時に配合すれば、硬化物の耐熱性、弾性率を調整しやすいため好ましい。
これらの硬化剤には、硬化活性を高めるために、適当な硬化助剤を組み合わせることができる。好ましい例としては、ジシアンジアミドを硬化剤に3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンのような尿素誘導体を硬化助剤として組み合わせる例、カルボン酸無水物やノボラック樹脂を硬化剤に三級アミンを硬化助剤として組み合わせる例、ジアミノジフェニルスルフォンを硬化剤にイミダゾール化合物、フェニルジメチルウレア(PDMU)などのウレア化合物、三フッ化モノエチルアミン、三塩化アミン錯体などのアミン錯体を硬化助剤として組み合わせる例がある。
上記の[C]硬化剤の中でも好ましいジシアンジアミドやジアミノジフェニルスルフォンのような付加反応型の硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基1molに対して、硬化剤の官能基量を0.4mol〜1.5molとすることが好ましく、0.8mol〜1.3molがより好ましい。活性水素量が0.4mol〜1.5molであると、エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の耐熱性や靭性が著しく低下することがないので好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の保存安定性を良好にするため、固体の硬化剤を粉砕し、粒径を細かくして使用する事が好ましい、この際の粒子径は、レーザー回折粒度分布形で測定の結果で、粒子径を98%粒径が10μm以下とすることが好ましい。特に3次元織物のような隙間の比較的大きいプリフォームを用いる場合、上記粒径が10μm以下であれば、樹脂含浸時に硬化剤が濾し取られにくいため、プリフォーム内部及び外部の硬化剤当量が設計当量からずれて硬化物物性が低下する事がなく好ましい。
また、織り構造が密な炭素繊維織物などをプリフォームに用いる場合、樹脂含浸時に硬化剤が濾し取られることがある。このため、とくに硬化剤としてフェニルジアミノスルフォンを用いたエポキシ樹脂組成物では樹脂組成物を加熱し、ジフェニルジアミノスルフォンをエポキシ樹脂に溶解させて含浸させることもできる。この場合、溶解の加熱により、エポキシ樹脂の硬化反応が進み増粘するため、加熱温度や加熱時間は少ないほうが好ましい、ジフェニルジアミノスルフォンとして3,3‘ジフェニルジアミノスルフォンと4,4’ ジフェニルジアミノスルフォンの異性体を同時に配合すると、それぞれ単独で用いる場合よりも低い温度、短い時間でジフェニルジアミノスルフォンを溶解させる事が出来るため、好ましい。
<その他>
本発明においては、必要に応じて脱泡剤や湿潤剤などの添加剤を加えてもよい。これらの添加剤を加えることにより、エポキシ樹脂組成物中の空気が抜けやすくなり、プリフォームとの濡れ性が改善されやすくなる等の効果を得る事が出来る。添加剤の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して5重量部以下が好ましい。そのほか、エポキシ樹脂組成物の物性を改善や、製造効率の向上やコスト低下などの目的で、熱可塑性樹脂の微粒子、無機微粒子やミルドファイバーなどの各種フィラーなど、あらゆる添加剤を加える事が出来る。
[繊維強化複合材料]
本発明の繊維強化複合材料は上述したエポキシ樹脂組成物と強化繊維材(プリフォーム)と組み合わせることで、繊維強化複合材料に加工する事が出来る。
<強化繊維材>
本発明のエポキシ樹脂組成物と共に用いられる強化繊維材には特に制限はなく、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維、ボロン繊維、スチール繊維などが挙げられる。これら強化繊維材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、好ましくは炭素繊維を使用する。強化繊維材の形態としては、トウの形態、製織した織物の形態、チョップドファイバーの形態、マット形態などが挙げられる。中でも織物の形態が取り扱い性の点から好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
ここで、実施例に用いた各成分を以下に示す。
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
・jER828(三菱化学株式会社製、製品名:jER828)
・DER332(ダウ・ケミカル日本株式会社製、製品名:D.E.R.332)
(マスターバッチ型の架橋ゴム微粒子分散エポキシ樹脂)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、粒子径0.3μmの架橋アクリルゴム微粒子20質量部を分散配合させたマスターバッチ型樹脂。
・BPA328(株式会社日本触媒製、製品名:エポセットBPA328)
・BPF307(株式会社日本触媒製、製品名:エポセットBPF307)
(マスターバッチ型のコアシェルゴム微粒子分散エポキシ樹脂)
子径0.1μmのシリコンゴム微粒子25質量を分散配合させた樹脂。
・MX-960(株式会社カネカ製、製品名:カネエース MX960)
(ビスフェノールE型エポキシ樹脂)
・R710(株式会社プリンテック製、製品名:EPOX−MK R710)
(その他エポキシ樹脂)
・HP4032(株式会社DIC製、製品名:エピクロンHP4200)
(硬化剤)
・4,4’-DDS:4,4’-ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化工業株式会社製、製品名:セイカキュアS)をジェットミルにて98%粒径が10μm以下の粒径になるまで粉砕したものを使用した。なお、粒径はレーザー回折式粒度分布計(日機装株式会社製、製品名:AEROTRAC SPR MODEL7340)により計測した。
・3,3’−DAS:3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン(日本合成化工製、アミン型硬化剤)をジェットミルにより98%粒径が10μm以下の粒径になるまで粉砕したものを使用した。なお、粒径はレーザー回折式粒度分布計(日機装株式会社製、製品名:AEROTRAC SPR MODEL7340)により計測した。
<各種評価および測定方法>
(粘度の測定)
レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製、製品名:AR−G2)を用い、エポキシ樹脂組成物の粘度を以下のようにして測定した。
直径35mmのパラレルプレートを用い、パラレルプレート間にエポキシ樹脂組成物を厚みが0.5mmになるように挟持し、角速度10ラジアン/秒の条件で粘度測定を行った。測定温度は110℃、測定時間は2時間とし、2時間経過後の粘度及び、2時間測定中に示す最低粘度と最高粘度の比(最高粘度/最低粘度)を増粘率とした。
(耐熱性の測定)
まず、厚さ2mmのポリテトラフルオロエチレンのスペーサーを挟んだ2枚のガラス(2mm厚)の間にエポキシ樹脂組成物を注入し、150℃で2時間保持した後180℃で3時間保持し、加熱硬化樹脂板を得た。昇温速度は1.7℃/分とした。
得られた加熱硬化樹脂板から試験片(長さ55mm×幅12mm×厚み2mm)を切り出し、レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製、製品名:ARES−RDA)を用い、測定周波数1Hz、昇温速度5℃/分、の条件で、貯蔵弾性率G’を測定した。G’を温度に対して対数プロットし、logG’の平坦領域の近似直線と、G’が転移する領域の近似直線との交点から求まるガラス転移温度をG’Tgとして記録した。
(破壊靱性GIcの測定)
試験片の作製、及び試験はASTM D5045に準拠したSENB(single edge noched bend)試験法に基づき実施した。
耐熱性の測定と同様の方法にて製造された加熱硬化樹脂板を、長さ27mm×幅3mm×厚み6mmの試験片に加工した。次いで、湿式ダイヤモンドカッターにてノッチを入れ、MEKにて脱脂した剃刀をノッチの先端に押しつけながらスライドさせて、プリクラックを加えることで試験片を作製した。加工した試験片は万能試験機(インストロン社製)にて破壊靱性試験を行った。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
表1及び表2に示した配合量(質量部)の各成分を計量し、ミキサー(株式会社キーエンス製、製品名:HM−500)を使用して均一に混合し、3本ロール混錬機により、硬化剤を分散させた後、セパラブルフラスコに投入し、40℃のウォーターバスにて、加熱しながら攪拌した。この際、真空ポンプでセパラブルフラスコ内を真空下に減圧しながら攪拌翼でセパラブルフラスコ内の樹脂を攪拌し、脱泡を行った。泡立ちが見られなくなったところでエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物の各評価および測定を行った。結果を表1及び表2に示す。


表1および表2の結果を見ると、エポキシ樹脂組成物中のゴム微粒子量が増えるに従い、硬化後の破壊靭性値が向上している事が分かる。ここで表1の実施例と表2の比較例を比較すると、同程度のゴム微粒子の配合量でも本発明の範囲にある実施例では比較例に対して高い破壊靭性を示している。さらには高い靭性だけでなく、硬化物の耐熱性が高く、2時間に渡って低い粘度を保持できている事が分かる。

Claims (3)

  1. [A]ビスフェノールE型エポキシ樹脂
    [B]ゴム微粒子
    [C]硬化剤
    を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物であって、
    エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、[A]を15〜85質量部、[B]を2〜15質量部含んでなるエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記ゴム微粒子がアクリルゴム微粒子及び/またはシリコンゴム微粒子である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記硬化剤がジアミノジフェニルスルフォンである請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
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