JP4894339B2 - 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4894339B2
JP4894339B2 JP2006112882A JP2006112882A JP4894339B2 JP 4894339 B2 JP4894339 B2 JP 4894339B2 JP 2006112882 A JP2006112882 A JP 2006112882A JP 2006112882 A JP2006112882 A JP 2006112882A JP 4894339 B2 JP4894339 B2 JP 4894339B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
weight
reinforced composite
resin
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006112882A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007284545A (ja
Inventor
崇 高坂
充宏 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2006112882A priority Critical patent/JP4894339B2/ja
Publication of JP2007284545A publication Critical patent/JP2007284545A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4894339B2 publication Critical patent/JP4894339B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

本発明は、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、耐熱性及び靭性に優れた繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂組成物は、繊維強化複合材料用のマトリックス樹脂として広く使用されている。特に、炭素繊維を強化基材とする炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、比強度、比弾性率が高いことから、その特徴を生かして民間航空機において機体を軽量化するための構造材料として使用されている。このCFRPのマトリックス樹脂には、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンに代表される多官能性グリシジルアミンを主成分とするエポキシ樹脂と、ジアミノジフェニルスルホンを硬化剤とするエポキシ樹脂組成物を用いる例が多い。
しかし多官能性グリシジルアミン型エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物は、剛性及び耐熱性が高いという特徴を有する一方、伸びが低く脆いという問題があった。一般にエポキシ樹脂組成物は、耐熱性が優れたものは靭性が低く、逆に靭性の高いものは耐熱性が劣るという傾向にあるため、両方の特性を備えたエポキシ樹脂組成物を見出すことは難しい。
この対策として、特許文献1は、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン等の多官能のエポキシ樹脂に、1〜2官能のエポキシ樹脂や熱可塑性樹脂を加え、剛性と靭性とのバランスを改善することを提案している。しかし、低官能性エポキシ樹脂及び熱可塑性樹脂を配合した場合、靭性の改良は見られるが、耐熱性が低下し、特に吸湿後の耐熱性が低下するため、耐熱性と靭性を両立することが困難であった。
特許文献2は、特定の骨格を有する2官能エポキシ樹脂を用いて、吸湿後の耐熱性と靭性のバランスを改善する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提案している。しかし、このエポキシ樹脂組成物は、耐熱性と靭性のバランスは一応のレベルにはあるものの、靭性のレベルがやや不十分であり、需要者側からは更に高いレベルの耐熱性と靭性のバランスの実現が要請されていた。
特開2004−277481号公報 特開2004−256571号公報
本発明の目的は、繊維強化複合材料のマトリックス樹脂と使用する、吸湿後の耐熱性及び靭性を高いレベルで両立させるようにした繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、一分子中に少なくとも3個のエポキシ基を有する多官能性エポキシ樹脂(A)と、下式(1)に示すテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)とを含む全エポキシ樹脂成分100重量部に対し、ポリエーテルスルホン樹脂(C)を30〜60重量部及び硬化剤(D)を配合すると共に、前記多官能性エポキシ樹脂(A)が、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン樹脂及びN,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール樹脂であり、両者の合計が前記全エポキシ樹脂成分100重量%のうち70〜90重量%であり、前記テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)が、前記全エポキシ樹脂成分100重量%のうち10〜30重量%であることを特徴とする。
Figure 0004894339
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、特定構造のテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂を配合することにより疎水性が付与されるため吸水を抑制し、乾燥時の耐熱性は勿論のこと、特に吸湿時の耐熱性を低下させないようにすることができる。このような優れた耐熱性に加えて、さらにポリエーテルスルホン樹脂を特定の割合で配合することにより、靭性が効果的に向上し、硬化後のエポキシ樹脂組成物の靭性及び吸湿後の耐熱性をより高いレベルで両立させることができる。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分として、一分子中に少なくとも3個のエポキシ基を有する多官能性エポキシ樹脂(A)と、下式(1)に示すテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)との少なくとも2種類を配合する。
Figure 0004894339
先ず一分子中に少なくとも3個のエポキシ基を有する多官能性エポキシ樹脂(A)は、樹脂硬化物の耐熱性及び剛性を高めるために有用であり、一分子中に3〜4のエポキシ基を持つ。一分子中のエポキシ基が3個未満であると、樹脂硬化物の耐熱性及び剛性を高くすることができない。
本発明において、多官能性エポキシ樹脂(A)は、低粘度の多官能性エポキシ樹脂として、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール樹脂、粘度が高い多官能性エポキシ樹脂として、耐熱性が高いN,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタンである。
多官能性エポキシ樹脂(A)の配合量は、全エポキシ樹脂成分100重量%のうち、70〜90重量%、好ましくは75〜85重量%である。多官能性エポキシ樹脂(A)の配合量を上記の範囲内にすることにより、樹脂硬化物の耐熱性及び剛性と、靭性及び強度との間のバランスが向上するため好ましい。
一方、他方のテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)は、樹脂硬化物の吸水性を抑制する作用を有し、吸湿時の耐熱性を低下させないように靭性を改善する役割を果たす。
テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂に対してメチル基が4置換した構造であるため、高い疎水性があり、これを配合することによりエポキシ樹脂組成物に疎水性を付与することができる。このため、樹脂硬化物が吸水し難くなり、吸湿時における耐熱性の低下を防止することができる。
一方、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としての柔軟な骨格及び架橋密度が共通するため、靭性の改良効果が低下することはない。したがって、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)を配合することにより、樹脂硬化物の靭性を改善しながら、耐熱性、特に吸湿時の耐熱性を低下させないようにすることができる。
テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)は、市販品から入手することができ、例えば東都化成社製YSLV−80XYを挙げることができる。その配合量は、全エポキシ樹脂成分100重量%のうち、10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%である。全エポキシ樹脂成分中のエポキシ樹脂(B)の配合量を上記の範囲内にすることにより、樹脂硬化物の耐熱性及び剛性と、靭性及び伸びとの間のバランスが向上するため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、ポリエーテルスルホン樹脂(C)を多官能性エポキシ樹脂(A)とテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)とを含む全エポキシ樹脂成分100重量部に対して、30〜60重量部、好ましくは40〜50重量部配合する。ポリエーテルスルホン樹脂は、他の熱可塑性樹脂と比べて、とりわけエポキシ樹脂成分との相溶性又は親和性が高く、樹脂硬化物の耐熱性を維持しながら、靭性を向上することができる。ポリエーテルスルホン樹脂(C)の配合量を上記の範囲内にすることにより、樹脂硬化物の耐熱性と靭性とのバランスを向上させながら、エポキシ樹脂組成物の粘度を適正化し、強化繊維基材に含浸させてプリプレグに加工する場合の含浸性、またタック性やドレープ性等のプリプレグの加工作業性を向上するため好ましい。
ポリエーテルスルホン樹脂(C)はエポキシ樹脂成分中に配合する前に粒子径が200μm以下の微細粒子状であることが好ましく、より好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは30〜100μmにするとよい。このような粒子径を有する微細粒子のポリエーテルスルホン樹脂を使用することにより、エポキシ樹脂成分に配合するときに素早く均一に溶解するため、樹脂硬化物の耐熱性及び靭性を高いレベルで両立させることができる。粒子径200μm以下の微細粒子を調製する方法は、特に制限がないが衝撃粉砕法、噴霧乾燥法により微細化することが好ましい。
本発明において、硬化剤(D)は、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、ポリメルカプタン等が好ましく挙げられる。とりわけ樹脂硬化物の耐熱性向上の観点からジアミノジフェニルスルホンを使用することが好ましい。具体的には、3,3′ジアミノジフェニルスルホン(3,3′−DDS)及び/又は4,4′ジアミノジフェニルスルホン(4,4′−DDS)を使用することが好ましい。
本発明の樹脂組成物において、硬化剤(D)の配合量は、エポキシ樹脂成分100重量部に対して、好ましくは25〜55重量部、より好ましくは35〜50重量部である。硬化剤(D)の配合量を上記の範囲内にすることにより、エポキシ樹脂の架橋密度を適正化し、樹脂硬化物の耐熱性及び剛性を向上することができるため好ましい。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分を必須とするものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて上記(A)〜(D)成分以外の従来より周知の硬化剤、熱硬化性樹脂、充填剤、安定剤、難燃剤、顔料等の各種添加剤を配合してもよい。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を製造する方法は、特に制限はないが、好ましくは、多官能性エポキシ樹脂(A)と、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)とを含む全エポキシ樹脂成分エポキシ樹脂成分を、温度100〜150℃に設定したプラネタリミキサを用いて、均一な溶液になるまで撹拌・混合してから、ポリエーテルスルホン樹脂(C)の微細粒子を、この溶液中に加え、均一に溶解するまで約0.5〜3時間、撹拌・混合するとよい。その後、この混合溶液を温度60〜90℃まで冷却し、硬化剤(D)を加え、均一に混合して調製することが好ましい。このような製造方法により、ポリエーテルスルホン樹脂(C)の微細粒子をむらなく均一に混合しエポキシ樹脂組成物の靭性を向上させることができる。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、これをマトリックス樹脂として強化繊維基材に含浸させることによって繊維強化プリプレグにすることができる。強化繊維基材は、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等を好ましく挙げることができる。これらの強化繊維のうち、炭素繊維を強化繊維基材に使用することが特に好ましい。
プリプレグ中のエポキシ樹脂組成物の割合は、好ましくは30〜50質量%、より好ましくは32〜42質量%である。エポキシ樹脂組成物の割合がこの範囲であれば、プリプレグを熱硬化させて得られる炭素繊維強化複合材料の耐熱性及び靭性を高いレベルで両立することができる。
プリプレグを製造する方法は、本発明のエポキシ樹脂組成物を離型紙の上に薄いフィルム状に塗布した、いわゆる樹脂フィルムを、強化繊維基材の上下に配置し、加熱及び加圧することでエポキシ樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させるホットメルト法を、好ましく挙げることができる。このようにして得られたプリプレグは、前記特定のエポキシ樹脂組成物を使用することから、タック性及びドレープ性に優れ、プリプレグ作業性を良好にするため、プリプレグの生産効率を向上させることができる。
本発明のプリプレグを通常のオートクレーブ成形又はホットプレス成形等の熱硬化成形することにより、繊維強化複合材料を製造することができる。このようにして得られた繊維強化複合材料は、耐熱性及び靭性を高いレベルで両立し優れた特性を有するものである。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜3及び比較例1〜5〕
下記に列記された多官能性エポキシ樹脂(A)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)、ポリエーテルスルホン樹脂(C)、硬化剤(D)の中から、それぞれ表1の実施例1〜3、比較例1〜4に記載する配合割合において、先ずエポキシ樹脂(A)及び(B)の全量を、温度125℃に設定したプラネタリミキサを用いて、均一な溶液になるまで撹拌・混合した。次に微細粒子状のポリエーテルスルホン樹脂(C)の全量をこの溶液中に加え、微細粒子が均一に溶解するまで約1時間、撹拌・混合した。その後、このプラネタリミキサの温度を95℃に設定し、樹脂温度が均一になったところで、硬化剤(D)を投入して、約0.5時間、撹拌・混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。なお、比較例5は、ポリエーテルスルホン樹脂(C)の代わりにポリスルホン樹脂を用いたことを除き、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。
・多官能性エポキシ樹脂(A)
樹脂A−1:N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン樹脂(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製MY−721)
樹脂A−2:N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール樹脂(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製MY−0510)
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)
樹脂B−1:テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成社製YSLV−80XY)
樹脂B−2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成社製YDF−170)
樹脂B−3:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製EP−806)
・ポリエーテルスルホン樹脂(C)及びポリスルホン樹脂
樹脂C−1:ポリエーテルスルホン樹脂(住友化学社製スミカエクセルPES5003P)衝撃粉砕により、粒子径100μm以下の微細粒子
樹脂C−2:ポリスルホン樹脂(ソルベイ・アドバンスド・ポリマーズ社製UDEL P−1700)
・硬化剤(D)
硬化剤D:3,3′−ジアミノジフェニルスルホン(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製ARADUR9719−1)
上述のようにして得られた8種類のエポキシ樹脂組成物(実施例1〜3、比較例1〜5)について、それぞれ下記に示す方法で、ガラス転移温度、破壊靭性、面内せん断強度、層間せん断強度及びプリプレグのタック性及びドレープ性を評価した。その測定結果を表1に示す。
〔ガラス転移温度〕
エポキシ樹脂組成物をプログラムオーブンにて、温度180℃で2時間硬化し、その硬化物を加工して、3mm×3mm×2mm厚の寸法の試験片を2つ作製した。1つの試験片は、作製直後に、熱機械分析装置(TMA装置)により、昇温速度10℃/分の条件でガラス転移温度を測定し、得られた値をTg(乾燥)とした。他方の試験片は、温度80℃の温水に3日間浸漬した後に、熱機械分析装置(TMA装置)により、昇温速度10℃/分の条件でガラス転移温度を測定し、得られた値をTg(80℃温水)とした。
〔破壊靭性〕
エポキシ樹脂組成物をプログラムオーブンにて、温度180℃で2時間硬化し、その硬化物を所定の寸法に加工して、ASTM D5045−91に準拠して、破壊靭性値を測定した。
〔プリプレグの作業性−タック性・ドレープ性〕
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて離型紙上に樹脂フィルムを形成し、このフィルムを一方向配列炭素繊維(東邦テナックス社製IM−600)に、樹脂含有量が35重量%となるように加熱加圧して転写し、樹脂目付190g/mの一方向プリプレグを得た。
得られたプリプレグを触手により、タック性及びドレープ性を10段階評価した。評点方法は、標準的なタック性・ドレープ性を有するプリプレグを別途準備し、この評点を5とした相対評価により決定した。粘着性の強いプリプレグのタック性に高い得点、及び柔軟性の高いプリプレグのドレープ性に高い得点を与えた。
〔面内せん断強度〕
プリプレグを[+45°/−45°]の方向に鏡面対称に16枚積層し、この積層物に真空バッグを適用してオートクレーブ内で温度180℃で2時間加熱し硬化させて成形板を作製した。この間、オートクレーブ内を圧空で0.32MPaに加圧した。得られた成形板を所定の寸法に加工し、ASTM D3518に準拠して面内せん断強度を測定した。
〔層間せん断強度〕
プリプレグを[0°]の方向に10枚積層し、この積層物に真空バッグを適用してオートクレーブ内で温度180℃で2時間加熱し硬化させて成形板を作製した。この間、オートクレーブ内を圧空で0.32MPaに加圧した。得られた成形板を所定の寸法に加工し、温度80℃の温水に4日間浸漬した後に、EN−2563に準拠して120℃恒温時における層間せん断強度(120℃−wet)を測定した。
Figure 0004894339
なお、表1中、樹脂(A)及び(B)のエポキシ樹脂成分の単位は重量%であり、これらの合計は100重量%である。樹脂(C)及び硬化剤(D)成分の配合は、樹脂(A)及び(B)の全エポキシ樹脂成分100重量部に対する重量部により表した。
表1の結果から明らかなように、本発明のエポキシ樹脂組成物(実施例1〜3)は、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂及び熱可塑性樹脂の粒子径200μm以下の微細粒子を特定量配合することにより、樹脂硬化物の吸湿後の耐熱性及び靭性を高いレベルで両立させながら、タック性及びドレープ性のプリプレグ作業性にも優れ、その実用的価値が高いことが確認された。
一方、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂を含まない比較例では、吸湿時の耐熱性に劣ることが認められた。

Claims (5)

  1. 一分子中に少なくとも3個のエポキシ基を有する多官能性エポキシ樹脂(A)と、下式(1)に示すテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)とを含む全エポキシ樹脂成分100重量部に対し、ポリエーテルスルホン樹脂(C)を30〜60重量部及び硬化剤(D)を配合すると共に、前記多官能性エポキシ樹脂(A)が、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン樹脂及びN,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール樹脂であり、両者の合計が前記全エポキシ樹脂成分100重量%のうち70〜90重量%であり、前記テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)が、前記全エポキシ樹脂成分100重量%のうち10〜30重量%である繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004894339
  2. 前記硬化剤(D)の配合量が前記全エポキシ樹脂成分100重量部に対し25〜55重量部である請求項に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記硬化剤(D)が3,3′ジアミノジフェニルスルホン及び/又は4,4′ジアミノジフェニルスルホンである請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の製造方法であって、前記多官能性エポキシ樹脂(A)と、前記テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(B)とを含む温度100〜150℃の全エポキシ樹脂成分の溶液100重量部に対し、粒子径200μm以下の微細粒子状のポリエーテルスルホン樹脂(C)を30〜60重量部添加し溶解させ、温度60〜90℃に冷却後硬化剤(D)を添加する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂とする炭素繊維プリプレグ。
JP2006112882A 2006-04-17 2006-04-17 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物 Expired - Fee Related JP4894339B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006112882A JP4894339B2 (ja) 2006-04-17 2006-04-17 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006112882A JP4894339B2 (ja) 2006-04-17 2006-04-17 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007284545A JP2007284545A (ja) 2007-11-01
JP4894339B2 true JP4894339B2 (ja) 2012-03-14

Family

ID=38756633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006112882A Expired - Fee Related JP4894339B2 (ja) 2006-04-17 2006-04-17 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4894339B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4978428B2 (ja) 2007-10-31 2012-07-18 富士通株式会社 無線通信システムにおけるコネクション識別子の割当て方法
JP6131593B2 (ja) * 2012-01-19 2017-05-24 東レ株式会社 プリプレグおよび繊維強化複合材料
CN110128785B (zh) * 2019-05-10 2022-03-01 汉硕高新材料(天津)有限公司 一种用于复合材料预浸料的耐高温环氧树脂及合成工艺
JPWO2022113976A1 (ja) * 2020-11-27 2022-06-02
CN114907548A (zh) * 2022-05-16 2022-08-16 南京海拓复合材料有限责任公司 一种复合材料拉挤成型用环氧树脂配合料及其制备方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4352720B2 (ja) * 2003-02-24 2009-10-28 東レ株式会社 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料およびその製造方法
JP4428978B2 (ja) * 2003-09-30 2010-03-10 東邦テナックス株式会社 エポキシ樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007284545A (ja) 2007-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5469086B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物とそれを用いたプリプレグ
KR102081662B1 (ko) 에폭시 수지 조성물, 프리프레그 및 탄소 섬유 강화 복합 재료
JP5768893B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びこれを用いたフィルム、プリプレグ、繊維強化プラスチック
US20110111663A1 (en) Epoxy resin composition and prepreg using the same
JP4821163B2 (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
JP6977842B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物の製造方法、プリプレグ、繊維強化複合材料、繊維強化複合材料の製造方法、自動車材料、およびプリプレグの製造方法
WO2007125926A1 (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
WO2014030638A1 (ja) エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いたフィルム、プリプレグ、繊維強化プラスチック
CN104254566A (zh) 苯并噁嗪树脂组合物和纤维增强复合材料
KR20140127869A (ko) 섬유강화 복합 재료
JP6977560B2 (ja) プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP6156569B2 (ja) 炭素繊維強化プラスチック用エポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム、プリプレグ及び炭素繊維強化プラスチック
JP6771885B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
WO2015118117A1 (en) Amino benzoates or benzamides as curing agents for epoxy resins
JP4894339B2 (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
JP4475880B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2003238657A (ja) エポキシ樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP5017794B2 (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
JP2006291094A (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
JP4857587B2 (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
JPH02113031A (ja) 繊維複合材料用エポキシ樹脂混合物
EP3652233B1 (en) Improvements in resin curative systems
JPS6236421A (ja) プリプレグ用エポキシ樹脂組成物
JP2011231187A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP5385011B2 (ja) プリプレグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111129

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4894339

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees