JP5948740B2 - 制御部一体型グロープラグとその通電制御方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、抵抗制御方式により抵抗発熱ヒータの通電制御を行うと共に、抵抗発熱ヒータの温度が飽和する前の昇温過渡期においてもヒータ温度の過度のオーバーシュートを生じにくいグロープラグの制御装置として、グロープラグの抵抗発熱ヒータの抵抗が設定範囲内に維持されるように、抵抗発熱ヒータに対する通電電力を調整する定常制御モードを有し、また、該定常制御モードによる通電制御の開始に先立って過渡制御モードによる制御期間を設け、過渡制御モードによる制御期間中の抵抗発熱ヒータへの積算電力量が、該過渡制御モードによる制御期間を定常制御モードによる通電期間に置き換えて動作させたときに見込まれる該通電期間の積算電力量よりも低く設定されることを特徴とするグロープラグの制御装置が開示されている。
これとは逆に、電源電圧が低い場合には、充分な温度に上昇していないにも拘わらず、予め設定した期間を経過した場合に過渡モードへの切換が行われ、目標温度に達するまでの時間が長くなる虞がある。
一方、従来のように、目標温度における目標抵抗値との比較によって過渡モードへの切換を行っていたのでは、電源電圧が高く、昇温速度が速い場合に、オーバーシュートによる過昇温を招く虞もある。
特に、発熱部としてセラミック抵抗体を用いたセラミクグロープラグの場合には、過昇温によってセラミック発熱体が破損すると燃焼室内に落下してエンジンの破損を招く虞があり、絶対に回避しなければならない問題である。
このため、複数のグロープラグの内、抵抗値の高いグロープラグの過昇温を回避できても、抵抗値の低いグロープラグの昇温速度の低下を招く虞もある。
上記抵抗発熱体に定格電力を超える過電力を供給することにより得られる昇温過渡における目標温度に対応する上記抵抗発熱体の目標抵抗値を第1の抵抗閾値とし、
上記抵抗発熱体に定格電力を供給し続けることにより得られる定常状態における目標温度に対応する上記抵抗発熱体の目標抵抗値を第2の抵抗閾値とし、
上記制御部が、少なくとも、上記抵抗発熱体の抵抗値を算出するプラグ抵抗検出手段と、
上記プラグ抵抗検出手段によって検出したプラグ抵抗と上記第1の抵抗閾値との比較により、上記抵抗発熱体へ定格電力を超える過電力を供給する昇温制御通電行程と、上記抵抗発熱体に供給する電力を上記過電力より低く、飽和電力より高い電力に抑制して供給する過昇温抑制制御通電行程との切換の要否を判定する第1の通電切換要否判定手段と、
上記プラグ抵抗検出手段によって検出した上記プラグ抵抗と上記第2の抵抗閾値との比較により、上記過昇温抑制制御通電行程と、上記抵抗発熱体に定格電力以下の電力を供給する安定制御通電行程との切換の要否を判定する第2の通電切換要否判定手段とを具備し、
上記飽和電力は、上記抵抗発熱体に定格電力を供給し続けて上記抵抗発熱体の温度及び抵抗値が飽和した状態において上記抵抗発熱体に供給されている電力であり、
上記第1の抵抗閾値は、上記昇温過渡において上記抵抗発熱体に印加される電圧値と上記目標温度とに基づいて算出される値であることを特徴とする制御部一体型グロープラグにある。
少なくとも、上記抵抗発熱体に定格電力を超える過電力を印加する昇温制御通電行程と、上記抵抗発熱体に供給する電力を上記過電力より低く、飽和電力より高い電力に抑制して供給する過昇温抑制制御通電行程と、
上記抵抗発熱体に定格電力以下の電力を供給する安定制御通電行程と、
上記抵抗発熱体に上記過電力を供給することにより得られる昇温過渡における目標温度に対応する上記抵抗発熱体の目標抵抗値を第1の抵抗閾値とし、上記抵抗発熱体の抵抗値と上記第1の抵抗閾値とを比較して、上記昇温制御通電行程と上記過昇温抑制制御通電行程との切換の要否を判定する第1の判定行程と、
上記抵抗発熱体に定格電力を供給し続けることにより得られる定常状態における目標温度に対応する上記抵抗発熱体の目標抵抗値を第2の抵抗閾値とし、上記抵抗発熱体の抵抗値と上記第2の抵抗閾値とを比較して、上記過昇温抑制制御通電から上記安定制御通電への切換の要否を判定する第2の判定行程とを具備し、
上記飽和電力は、上記抵抗発熱体に定格電力を供給し続けて上記抵抗発熱体の温度及び抵抗値が飽和した状態において上記抵抗発熱体に供給されている電力であり、
上記第1の抵抗閾値は、上記昇温過渡において上記抵抗発熱体に印加される電圧値と上記目標温度とに基づいて算出される値であることを特徴とする制御部一体型グロープラグの通電制御方法にある。
しかも、本発明の制御部一体型グロープラグは、極めて簡易な構成であるため、搭載性にも優れている。
本発明の第1の実施形態における制御部一体型グロープラグ3は、ディーゼルエンジンなどの内燃機関に設けられ、通電により発熱する抵抗発熱体からなる発熱部1と、発熱部1への通電を制御する制御部2とが一体的にエンジン(E/G)4の気筒毎に設けられ、エンジン始動時の着火性向上を図るべく混合気を予熱するプリグローや、エンジン始動後のアイドル回転数を安定させるべくアフターグロー等に用いられるものである。さらには、DPF(ディーゼル・パティキュレイト・フィルタ)の再生時にエンジンに負荷をかける手段としてグロープラグを発熱させることもある。
さらに、ハウジング14の基端側には、制御部2を収容するケーシング28が形成され、さらに、外部に設けた図略の電源及びエンジン制御装置(ECU)との接続を可能とする電源入力端子222、駆動信号入力端子232、自己診断信号出力端子242と、相手側に嵌合して端子電極222、232、242と図略の相手側の端子電極とを接続状態とするコネクタ27が形成されている。
駆動回路203は、出力VOUTとして、駆動信号入力端子232を介して外部のECUから、エンジンE/G4の運転状況に応じて発信された駆動信号SIにしたがって、p−MOS201をオンオフ駆動するための駆動電圧VGGを昇降させて、p−MOS201のゲート端子Gに印加する。
本実施形態において、半導体開閉素子(p−MOS)201には、p−チャンネルパワーMOSFETが用いられ、ソースS側が電源入力端子222に接続され、ドレインD側が発熱部1に接続されている。
さらに、本実施形態においては、プラグ電流検出手段としてp−MOS201には、内蔵する複数のトランジスタセルの一部を利用して電流検出手段としてカレントミラー回路が構成されており、ミラー電流IGP/nをセンス端子SENから取り出して、DTC202に入力し、電流検出抵抗207(抵抗値R207)を利用して、発熱部1に流れるプラグ電流IGPを算出するようになっている。
カレントミラー回路を利用してプラグ電流IGPを検出しているので、シャント抵抗を挿入する方法よりも発熱部1のエネルギ損失を抑制することができる。なお、本実施形態において、電流検出抵抗207は、定電圧源Vにプルアップされている。
このとき、制御部一体型グロープラグ3では、制御部2と発熱部1との配線距離が極めて短く、かつ制御部2のGNDと発熱部1のGNDが金属筐体14と図略のエンジンブロック(4)とで電気的に接続されているため、ドレイン電圧VDDとプラグ電圧VGPと間で内部抵抗による電圧降下およびGND配線による電圧降下がほとんどなく、精度良くプラグ電圧VGPを検出できる。
なお、本実施形態においては、半導体開閉素子201として、pチャンネルMOSFETを用いることにより、発熱部1のハイサイドに制御部2を設けた場合でも、DRV203の出力を昇圧する必要がないので回路構成を簡素化し、制御部一体型グロープラグ3の体格を小さくすることができる。
このような構成とすることによって、プラグ抵抗RGPの判定に用いる第1の抵抗閾値RREF1を電源電圧+Bの変動に対して反比例するように増減させたのと同じ効果を発揮させることが可能となる。
また、本実施形態においては、プラグ抵抗RGPを検出するプラグ抵抗検出手段として、抵抗発熱体1の通電時に流れるプラグ電流IGPと抵抗発熱体1に印加されるプラグ電圧VGP(ドレイン電圧VDD)とから、プラグ抵抗RGPを算出する構成を例として説明したが、本発明において、プラグ抵抗検出手段を限定するものではなく、数mA〜数100mA程度の微弱な電流を発生する定電流源を設けて、p−MOS201がオフとなったときに、抵抗発熱体1に発熱しない極微弱な電流を流し、そのとき電位差検出手段(例えば、オペアンプ、コンパレータ等)によって検出される抵抗発熱体1の両端の電位差の検出結果と定電流源から入力された微弱な電流値とから、プラグ抵抗RGPを検出するようにしても良い。
OPC211は、DIU206で形成された自己診断信号DIの波形調整をして、自己診断信号出力端子242を介して外部に設けた図略のECUに発信する。
制御部一体型グロープラグ3の先端には、ハウジング14を介して、略円柱状に形成された発熱部1が保持固定されている。
本発明において、発熱部1を構成する抵抗発熱体は、本図(c)に示すようないわゆる、メタルヒータ1を用いても良いし、本図(d)に示すような、いわゆるセラミックヒータ1aを用いても良い。
また、リード部101a、103aには、タングステンなどの耐熱性金属材料が用いられている。絶縁体11aには、窒化硅素等の絶縁性セラミック材料が用いられている。
ハウジング14は、例えば、SUS等の金属材料からなり、略筒状に形成され、発熱部挿入孔131の内側にメタルヒータ1又はセラミックヒータ1aを保持、固定すると共に、金属製保護管100、又は、接地端子100aと電気的に接続され、発熱部1の一端を接地状態としている。
メタルヒータ1の場合、金属保護管100とハウジング14の先端の筒状部部141とは、レーザ溶接、ロウ付け、ネジ締め等の公知の方法によって、互いに固定されている。
セラミックヒータ1aの場合、絶縁体100aとハウジング14の先端の筒状部141とは、嵌め合い、及び、ロウ付け等公知の方法によって固定されている。
なお、ハウジング14の先端の筒状部は、ハウジング14と一体に設けても良いし、別部材によって形成しても良い。
ハウジング14の基端部144には、内側に制御部2を構成するICパッケージを収容する略筒状のケーシング28が固定されている。
さらに、制御部2のドレイン端子VDDは、発熱部1、1aに接続され、GNDは、ハウジング14を介してエンジンに接地状態となっている。
本図(a)は、定常状態、すなわち、発熱体にある電力を印加して、ある時間経過後にヒータ温度と抵抗値が飽和した状態におけるヒータ温度と発熱体の抵抗値との関係を示し、本図(b)は、昇温過渡におけるヒータ温度と発熱体の抵抗値との関係を示す特性図である。
電気抵抗式の発熱体においては、通電開始直後の昇温過渡においては、発熱体に定格電力を超える過電力を印加して、目標温度への早期の到達を図っている。
エンジンの限られた空間に搭載して用いられるグロープラグにおいては、熱電対や温度センサ等の温度検出手段を設けて発熱部の温度を制御するのが困難であるため、発熱体の抵抗値を検出して目標温度に到達したか否かを判断し、温度制御している。
しかも、自動車エンジン等においては、始動時に用いられる電源として、限られた容量のバッテリが用いられるため、外気温等の環境変化や、充電状況により、バッテリ容量に変動を生じ、グロープラグに印加される電圧も変動する。
このため、発熱体の抵抗温度特性は、定常状態か、昇温過渡かによる通電時期の違いだけでなく、電源電圧の変動によっても変化する。
例えば、目標温度TTRGを1230℃としたとき、本図(a)に示すように、定常状態においては、R2は1.3Ωで一定である
このため、従来のように、通電開始から一定時間経過するまで、又は、目標温度(TTRG)を代表する目標抵抗値に達するまでは、定格電力を超える過電力供給、又は、100%デューティで通電し、一定温度に到達した後は、供給する電力をPWM制御やオンオフ制御等によって抑制して、発熱温度を早期に安定化しようとした場合に、昇温過渡において、電源電圧の違いにより、本図(b)に示すように、印加電圧が高いと発熱体の抵抗値は、標準的な電圧が印加されたときの目標温度における抵抗値よりも低く検出されため、過電力が供給され続け過昇温を招く虞がある。
それとは逆に、電源電圧が低下したときには、目標温度に到達する前であっても、一定時間経過後に、昇温過渡制御から定常制御に切り換えられると、目標温度に到達するまでの時間が長くなったり、目標温度に到達できなくなったりする虞がある。
図4に示すように、電源電圧+Bが高いほど第1の抵抗閾値RREF1は、低くなるように設定される。
また、第1の抵抗閾値RREF1を電源電圧+Bの変化に連動して変化するよう、電源電圧+Bを分圧抵抗208、212によって案分して発生させるようにしても良い。
ステップS100の駆動開始判定行程では、ECUから機関E/G4の運転状況に応じてCMGP3に発信される駆動信号SIの有無を検出して、始動制御の要否を判定する。
ステップS170の通電制御終了行程では、グロープラグ10への通電を停止し、本発明の制御部一体型グロープラグの通電制御が完了する。
このとき、電源電圧+Bが高い場合には、それに連動して、図4に示したように、第1の抵抗閾値RREF1が低くなるので、(又は、第1の閾値電圧VREF1が高くなるので)、より早期にステップS140の第2の判定行程に進み、電源電圧+Bが低い場合には、それに連動して、図4に示したように、第1の抵抗閾値RREF1が高くなるので、(又は、第1の閾値電圧VREF1が低くなるので)、ステップS130の昇温制御通電を維持する期間が長くなる。
ステップS130の昇温制御行程では、抵抗発熱体1に定格電力を超える過電力を印加する昇温時負荷条件D0として、例えば、100%デューティでグロープラグ10への通電を行う昇温制御通電を実施し、ステップS100に戻る。
ステップ120の第1の判定行程において、グロープラグ10の抵抗値Rが所定の第1の抵抗閾値RREF1より大きくなると(又は、検出電圧VINが所定の第1の電圧閾値VREF1より低くなると)、判定Yesとなり、ステップS140の第2の判定行程に進む。
ステップS150の過昇温抑制制御行程では、抵抗発熱体1に供給する電力を過電力より低く、飽和電力より高い電力に抑制して供給する過昇温抑制時負荷条件D1として、例えば、80%デューティのPWM制御によってグロープラグ10への通電を行う過昇温抑制制御通電を実施し、ステップS100に戻る。
次いで、ステップS140の第2の判定行程において、グロープラグ10の抵抗値Rが所定の第2の抵抗閾値RREF2より大きくなると(又は、検出電圧VINが所定の第2の電圧閾値VREF1より低くなると)、判定Yesとなり、ステップS160の安定制御通電行程に進む。
駆動信号SIが停止し、ステップS100において、通電終了判定されるまで、ステップS100からステップS160のループが繰り返され、グロープラグ10の温度が一定に維持される。
本図(a)に示すように、駆動信号SIが入力されると、これに同期して、上述の制御フローにしたがってグロープラグへの通電が開始され、電源電圧が高い場合には、実施例1として、本図(b)に示すように、実施例2として本図(c)に示す電源電圧が標準的な電圧の場合に比べて、より早いタイミングで、昇温制御(D0)から過昇温抑制制御(D1)、過昇温抑制制御(D1)から安定制御(D2)への切換が行われ、電源電圧が低い場合には、実施例3として、本図(d)に示すように、実施例2として本図(c)に示す電源電圧が標準的な電圧の場合に比べて、より遅いタイミングで、昇温制御(D0)から過昇温抑制制御(D1)、過昇温抑制制御(D1)から安定制御(D2)への切換が行われる。
一方、比較例として、本図(e)に示す従来の制御方法では、電源電圧の変動によらず、一定期間経過する度に、昇温制御(D0)から過昇温抑制制御(D1)、過昇温抑制制御(D1)から安定制御(D2)への切換が行われる。
一方、図7(b)に示すように、比較例においては、電源電圧が標準的な電圧の場合には、本発明の実施形態と同様の抵抗値変化を示し、本実施形態と同様の温度制御を実施できるが、電源電圧が上昇した場合には、目標温度に到達した後も昇温制御が継続し、オーバーシュートとなり、断線を引き起こす虞があり、電源電圧低下時には、目標抵抗値に到達する前に、過昇温抑制制御に切り換えられ目標温度に到達できない虞がある。
上記実施形態においては、OP1204の第1の閾値電圧VREF1を電源電圧+Bを分圧抵抗208、212によって分圧して電源電圧+Bの変動に連動するように発生させた例を示したが、本実施形態においては、抵抗閾値増減手段として、DTC202aで検出されたVGPから電源電圧+Bを算出し、その値を基に、図4に示したマップに従うように、異なる抵抗値(R11、R12、・・・Rn)を介して発生させた、第1の閾値電圧VREF1を選択し、第1の判定を実施するようにした点が相違する。
本実施形態においても第1の実施形態と同様グにロープラグの発熱部1と通電制御部2とを一体化し、それぞれの固有の抵抗値RGPに応じた通電制御を可能とすると共に、電源電圧+Bが変動した場合でも、過昇温や昇温不足等を招くことなく、安定した状態で早期に目標温度へ昇温させることができる。
上記実施形態においては、半導体開閉素子として、pチャンネルパワーMOSFET201を用い、発熱部1のハイサイドに設けた例を示したが、本実施形態においては、半導体開閉素子として、nチャンネルパワーMOSFET(n―MOS)201bを用いた点が相違する。
pチャンネルMOSFETのデメリットとして、nチャンネルMOSFETに比べてオン抵抗が大きく、僅かながらスイッチング速度が遅くなる虞がある。
そこで、搭載スペースに余裕があるエンジンに設ける場合には、本実施形態のように、半導体開閉素子として、nチャンネルパワーMOSFET201bを使用しても良い。
n―MOS201bを用いた場合、p―MOS201に比べてオン抵抗が低く、電力損失の低減を図ることができる。
したがって、本実施形態の制御部一体型グロープラグ3bの体格が大きくなる虞があり、搭載スペースが充分でないエンジンには不向きだが、エンジンの搭載スペースに余裕がある場合に効果的である。
また、本実施形態において、ゲート電圧VGGの昇圧手段は、チャージポンプに限るものではなく、ケーシング28内に収容可能であれば、いわゆるチョッパー型DC−DCコンバータやフライバックトランス型DC−DCコンバータ等公知の昇圧手段を適宜採用し得る。
本実施形態においても第1の実施形態と同様グにロープラグの発熱部1と通電制御部2とを一体化し、それぞれの固有の抵抗値RGPに応じた通電制御を可能とすると共に、電源電圧+Bが変動した場合でも、過昇温や昇温不足等を招くことなく、安定した状態で早期に目標温度へ昇温させることができる。
上記実施形態においては、半導体開閉素子として、nチャンネルパワーMOSFET201bを用い、発熱部1のハイサイドに設けた例を示したが、本実施形態においては、半導体開閉素子として、nチャンネルパワーMOSFET(n―MOS)201cを用い、発熱部1のローサイドに設けた点が相違する。
このような構成とすることにより、上記第1の実施形態と同様、ドライバ203cにチャージポンプ等の昇圧回路を設ける必要がなく、全体の体格を小さくできる。加えて、n―MOS201cの応答性の高さを享受できる。
ただし、発熱部1cをエンジン4に対して絶縁状態で固定することになるので、この点を配慮して、発熱部1cの接地側を制御部2cに接地端子を設けて接続する必要がある。
本実施形態においても第1の実施形態と同様グにロープラグの発熱部1cと通電制御部2cとを一体化し、それぞれの固有の抵抗値RGPに応じた通電制御を可能とすると共に、電源電圧+Bが変動した場合でも、過昇温や昇温不足等を招くことなく、安定した状態で早期に目標温度へ昇温させることができる。
10 グロープラグ
14 ハウジング
2 制御部
201 半導体開閉素子
202 電流、電圧検出手段
203 半導体駆動回路
204 第1の判定部
205 第2の判定部
206 自己診断装置
207 電流検出抵抗
208、209、212、214 分圧抵抗
210 駆動信号入力調整回路
211 自己診断信号出力調整回路
222 電源入力端子
232 駆動信号入力端子
242 自己診断信号出力端子
27 コネクタ
28 ケーシング
3 制御部一体型グロープラグ
SI 駆動信号
DI 自己診断信号
S110 電流、電圧読込行程
S170 通電制御終了行程
S120 第1の判定行程
S130 昇温制御通電
S140 第2の判定行程
S150 過昇温抑制制御通電行程
S160 安定制御通電行程
Claims (6)
- 内燃機関に設けられ、所定の抵抗温度係数を有する抵抗発熱体からなり、電源からの通電により発熱する発熱部と、エンジン制御装置から発信された駆動信号にしたがって、オンオフ駆動される半導体開閉素子を用いて、該発熱部への通電を開閉制御する制御部とを一体に設けた制御部一体型グロープラグであって、
上記抵抗発熱体に定格電力を超える過電力を供給することにより得られる昇温過渡における目標温度に対応する上記抵抗発熱体の目標抵抗値を第1の抵抗閾値とし、
上記抵抗発熱体に定格電力を供給し続けることにより得られる定常状態における目標温度に対応する上記抵抗発熱体の目標抵抗値を第2の抵抗閾値とし、
上記制御部が、少なくとも、上記抵抗発熱体の抵抗値を算出するプラグ抵抗検出手段と、
上記プラグ抵抗検出手段によって検出したプラグ抵抗と上記第1の抵抗閾値との比較により、上記抵抗発熱体へ定格電力を超える過電力を供給する昇温制御通電行程と、上記抵抗発熱体に供給する電力を上記過電力より低く、飽和電力より高い電力に抑制して供給する過昇温抑制制御通電行程との切換の要否を判定する第1の通電切換要否判定手段と、
上記プラグ抵抗検出手段によって検出した上記プラグ抵抗と上記第2の抵抗閾値との比較により、上記過昇温抑制制御通電行程と、上記抵抗発熱体に定格電力以下の電力を供給する安定制御通電行程との切換の要否を判定する第2の通電切換要否判定手段とを具備し、
上記飽和電力は、上記抵抗発熱体に定格電力を供給し続けて上記抵抗発熱体の温度及び抵抗値が飽和した状態において上記抵抗発熱体に供給されている電力であり、
上記第1の抵抗閾値は、上記昇温過渡において上記抵抗発熱体に印加される電圧値と上記目標温度とに基づいて算出される値であることを特徴とする制御部一体型グロープラグ。 - 上記第1の抵抗閾値は、上記電源の電圧に反比例して増減する抵抗閾値増減手段を具備する請求項1に記載の制御部一体型グロープラグ。
- 上記プラグ抵抗検出手段として、上記半導体開閉素子の一部を利用してカレントミラー回路を構成して、上記抵抗発熱体に流れるプラグ電流を上記カレントミラー回路に流れるミラー電流として検出するプラグ電流検出手段と、上記抵抗発熱体に印加されるプラグ電圧を検出するプラグ電圧検出手段とを具備し、上記プラグ電流検出手段の検出結果と上記プラグ電圧検出手段の検出結果とから上記抵抗発熱体の抵抗値を算出するよう構成されている請求項1又は2に記載の制御部一体型グロープラグ。
- 上記プラグ抵抗検出手段として、数mA〜数100mAの微弱な電流を発生する定電流源と、上記半導体開閉素子がオフとなったときに上記定電流源から上記抵抗発熱体に微弱な電流を流したときに上記抵抗発熱体の両端の電位差を検出する電位差検出手段とを具備し、該電位差検出手段の検出結果から上記抵抗発熱体の抵抗値を算出するよう構成されている請求項1又は2に記載の制御部一体型グロープラグ。
- 内燃機関に設けられ、所定の抵抗温度係数を有する抵抗発熱体からなり、電源からの通電により発熱する発熱部と、エンジン制御装置から発信された駆動信号にしたがって、該発熱部への通電を開閉制御する制御部とを一体に設けた制御部一体型グロープラグの通電制御方法であって、
少なくとも、上記抵抗発熱体に定格電力を超える過電力を印加する昇温制御通電行程と、上記抵抗発熱体に供給する電力を上記過電力より低く、飽和電力より高い電力に抑制して供給する過昇温抑制制御通電行程と、
上記抵抗発熱体に定格電力以下の電力を供給する安定制御通電行程と、
上記抵抗発熱体に上記過電力を供給することにより得られる昇温過渡における目標温度に対応する上記抵抗発熱体の目標抵抗値を第1の抵抗閾値とし、上記抵抗発熱体の抵抗値と上記第1の抵抗閾値とを比較して、上記昇温制御通電行程と上記過昇温抑制制御通電行程との切換の要否を判定する第1の判定行程と、
上記抵抗発熱体に定格電力を供給し続けることにより得られる定常状態における目標温度に対応する上記抵抗発熱体の目標抵抗値を第2の抵抗閾値とし、上記抵抗発熱体の抵抗値と上記第2の抵抗閾値とを比較して、上記過昇温抑制制御通電から上記安定制御通電への切換の要否を判定する第2の判定行程とを具備し、
上記飽和電力は、上記抵抗発熱体に定格電力を供給し続けて上記抵抗発熱体の温度及び抵抗値が飽和した状態において上記抵抗発熱体に供給されている電力であり、
上記第1の抵抗閾値は、上記昇温過渡において上記抵抗発熱体に印加される電圧値と上記目標温度とに基づいて算出される値であることを特徴とする制御部一体型グロープラグの通電制御方法。 - 上記第1の抵抗閾値は、上記電源の電圧が高いほど低く、上記電源の電圧が低いほど高く設定する請求項5に記載の制御部一体型グロープラグの通電制御方法。
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