JP4972035B2 - グロープラグ通電制御装置及びグロープラグ通電制御システム - Google Patents
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Description
このようなグロープラグへの通電を制御する装置として、グロープラグ通電制御装置が知られている。従来のグロープラグ通電制御装置では、グロープラグの抵抗が比較的高く設定されているため、キースイッチがオン位置とされると、バッテリとグロープラグとの間のスイッチ(スイッチング素子)がオンし続け、抵抗発熱ヒータの温度がエンジンを始動させるのに十分な第1目標温度(例えば1300℃)にまで昇温するように、グロープラグに大電流が流される。このようなステップは、一般にプリグローあるいはプリグローステップと呼ばれている。急速加熱が可能なグロープラグでは、数秒間のうちに抵抗発熱ヒータの温度を第1目標温度まで昇温させることができる(特許文献1,2参照)。
近時では、ヒータ部の抵抗値をさらに小さくすることにより、2秒程度で1000℃以上まで昇温させうる急速昇温タイプのグロープラグも現れている。
即ち、グロープラグの抵抗値のバラツキによって、昇温時間のみならず、グロープラグの到達できる温度にもバラツキが生じる。これにより、エンジンの着火性にバラツキを生じるなどの不具合が生じる。
また、比較される第1,第2グロープラグに関して、環境温度条件が同一であるとは、少なくとも、同じあるいは同型のエンジンに装着した状態で、外気温、エンジン冷却水の水温を同じとすることが挙げられる。
また、本発明を適用するグロープラグとしては、ヒータ部に金属線を用いて、これを通電により発熱させる、いわゆるメタルグロープラグのほか、導電性セラミックを用いて、これを通電により発熱させる、いわゆるセラミックグロープラグも挙げられる。
このようすることで、この通電制御装置に、互いに抵抗値が異なる第1グロープラグと第2グロープラグとを繋ぎ替えた場合でも、各経過時間tにおいて第1グロープラグ及び第2グロープラグに投入する電力値を、PWM制御により、それぞれ容易に基準電力値Pb(t)に制御できる。
このようにすることで、この通電制御装置に、互いの抵抗値が異なる第1グロープラグと第2グロープラグとを繋ぎ替えた場合でも、第1,第2グロープラグの各経過時間tにおいて投入する電力を、PWM制御で容易に制御できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明のグロープラグ通電制御装置101で通電制御されるグロープラグ1について説明する。図2は、グロープラグ1の断面図を示す。また、図3は、グロープラグ1をディーゼルエンジンのエンジンブロックEBに設置した状態等を示す。このグロープラグ1は、抵抗発熱ヒータとして構成されたシーズヒータ2と、その外側に配置された主体金具3とを備える。シーズヒータ2は、図3に示すように、先端が閉じたシーズチューブ11の内側に、抵抗線の発熱コイル21を有し、絶縁材料としてのマグネシア粉末27と共に封入されている。図2に示すように、シーズチューブ11の、発熱コイル21を収容している本体部11aは、先端側が主体金具3から突出している。図3に示すように、発熱コイル21は、その先端においてシーズチューブ11と導通しているが、発熱コイル21の外周とシーズチューブ11の内周面とは、マグネシア粉末27の介在により絶縁された状態となっている。
また、シーズチューブ11には、その基端側から棒状の通電端子軸13が挿入され、その先端は、発熱コイル21の後端に溶接により接続されている。他方、図2に示すように、通電端子軸13の後端部は、雄ねじが形成された雄ねじ部13aとされている。また、主体金具3は、軸方向の貫通孔4を有する筒状に形成され、ここに、シーズヒータ2が、一方の開口端からシーズチューブ11の先端側を所定長だけ突出させた状態で挿入され固定されている。この主体金具3の外周面には、グロープラグ1をディーゼルエンジンに取り付けるに際して、トルクレンチ等の工具を係合させるための六角断面形状の工具係合部9が形成されており、その先端側には取付用のねじ部7が形成されている。
また、各スイッチング素子1051〜105nからは、この素子の電源−出力端子間を、従って、グロープラグGP1〜GPnをそれぞれ流れる電流Ig1(t)〜Ign(t)の大きさを示す電流信号I1(t)〜In(t)が、それぞれ主制御部111に向けて出力される。
また、この主制御部111は、インターフェイス回路107を介して、マイクロコンピュータにより構成されたエンジン制御ユニット301と通信可能とされている。また、主制御部111は、オルタネータ311の駆動信号をも入力可能に構成されており、オルタネータ311が発電しているか否か、即ち、エンジンが発動しているか否かを検知できるようにされている。
この通電制御では、基本的に、以下の動作を行う。まず、操作者がキースイッチKSWをオン位置にすると、プリグロー手段により制御されるプリグローステップに入る。即ち、バッテリBTから、各グロープラグ1(GP1〜GPn)へ、各時点での投入電力を制御しつつ投入する。このようにして、シーズヒータ2を短時間の所定時間で昇温させて、高温域の第1の目標温度(例えば1300℃)にまで到達させる。
なお、エンジンを始動させるべく、操作者がキースイッチKSWをスタート位置にした場合には、クランキングモードに移行する。クランキングにより生じるスワールなどにより、シーズヒータ2が冷やされるため、維持モードとは異なる制御をするのが好ましいからである。即ち、グロープラグ1(GP1〜GPn)の印加電圧Vg1(t)〜Vgn(t)に基づいて、グロープラグ1への通電をPWM制御して、シーズヒータ2の温度の落ち込みを抑制し、エンジンの始動性を向上させる。
本発明は、これらのモードのうち、シーズヒータ2の温度を急速昇温させるプリグローモードに関するものであるので、このプリグローモードにおける制御について詳述する一方、他のモードの詳細な説明は省略する。
そして、まず、ステップS1において、主制御部111のプログラムの初期化を行う。具体的には、プリグロー中フラグ(プリグローステップ中であることを意味するフラグ)がセットされる。一方、スタート信号フラグ(キースイッチKSWがスタート位置とされたことを意味するフラグ)は、クリアされる。さらに、経過時間t=0として、タイマをスタートさせる。
なお、クランキングモードの詳細説明は省略する。また、操作者がキースイッチKSWをスタート位置にすると、インターフェイス回路108を通じて信号が入力されるので、これに基づいて、図示しない割り込み処理により、スタート信号フラグがセットされる。
また、このグロープラグ1は、昇温とともにシーズヒータ2の抵抗値が上昇して、流れる電流が減少する。これとともに、グロープラグに投入された投入電力の大きさも、経過時間tの増加とともに減少する。その変化の様子を、図5に示す。
これにより、バッテリ電圧VBが小さく(本実施形態では、上述の下限を下回る8.0V未満)、かつ、グロープラグgpの持つ抵抗値が大きい(本実施形態では、215mΩ超)という組合せの場合を除き、各経過時間tにおいて、対応する基準電力値Pb(t)に等しい大きさP(t)の電力を、グロープラグGP1等に投入するのには、100%未満のデューティ比でPWM制御すれば良いことになる。
なお、本実施形態では、基準電力値Pb(t)を、経過時間tを与えることで、主制御部111に記憶したテーブルから得た。しかし、図5に示された曲線を、基準電力値Pb(t)を与える関数として記憶し、経過時間tの値に基づき、随時、基準電力値Pb(t)を算出しても良い。
具体的には、先に得た、基準電力値Pb(t)と、印加電圧値Vg1(t)〜Vgn(t)と、抵抗値Rg1(t)〜Rgn(t)とを用いて、D1(t)=Pb(t)・Rg1(t)/Vg1(t)2,…,Dn(t)=Pb(t)・Rgn(t)/Vgn(t)2の式によりそれぞれ求める。
なお、先に得た、基準電力値Pb(t)と、印加電圧値Vg1(t)〜Vgn(t)と、電流値Ig1(t)〜Ign(t)とを用いて、D1(t)=Pb(t)/(Vg1(t)・Ig1(t)),…,Dn(t)=Pb(t)/(Vgn(t)・Ign(t))の式によりそれぞれ求めても良い。
このようにすることで、例え、各グロープラグGP1〜GPnの抵抗値Rg1(t)〜Rgn(t)が互いに異なる値であったとしても、いずれのグロープラグGP1〜GPnにも、基準電力値Pb(t)に等しい大きさP(t)の電力が投入される。つまり、各グロープラグGP1〜GPnには、通電開始から経過時間tの各時点で、互いに同じ電力値P(t)の電力が投入され、各時点で同じエネルギーの分だけ、各シーズヒータ2で発熱していると考えられる。このため、各グロープラグGP1〜GPnからの熱放散が、ほぼ同じであるとすれば、ほぼ同じ温度となり、且つ同じ温度カーブを描いて昇温させることができる。
ここで、No、つまり、まだプリグロー期間が終了していない場合には、ステップS2に戻る。
一方、Yes、つまり、プリグロー期間が終了した場合には、上述したプリグローモードによる処理を終えて、次のモードに移行する。
先ず、交換する前のグロープラグGP1については前述したとおりである。即ち、グロープラグGP1には、各経過時間tにおいて、図5に示された曲線に従って変化する基準電力値Pb(t)に等しい電力値P(t)の電力が投入される。このため、経過時間tが終了時間tendに達する時点では、グロープラグGP1の温度は、所定の温度(例えば1300℃)となる。
本実施形態のグロープラグ通電制御システム100では、グロープラグGP1eについても、各経過時間tにおいて、図5に示された曲線に従って変化する基準電力値Pb(t)に等しい大きさP(t)の電力が投入される。このため、経過時間tが終了時間tendに達する時点で、グロープラグGP1eの温度も、所定の温度(例えば1300℃)となる。
ついで、第2の実施形態について、図6,図7を参照して説明する。実施形態1では、スイッチング素子1051等として、電流検知機能付きFETを用いた。これに対し、本実施形態2に係るグロープラグ通電制御システム200、及び、グロープラグ通電制御装置201では、電流検知機能を有さないFETをスイッチング素子2051〜205nとして、グロープラグGP1〜GPnへの通電のオンオフを行う。また、電流検知機能を有していないため、各グロープラグGP1等の抵抗値Rg1(t)等を検知すべく、抵抗分割回路2081〜208nを別途有している点、及び、処理フローにおいてこの抵抗分割回路2081等を用いて、各グロープラグGP1等の抵抗値Rg1(t)等を検知するステップを備える点でも異なる。そこで、異なる部分を中心に説明し、同様な部分の説明は、省略あるいは簡略化する。
次に、本実施形態2にかかるグロープラグ通電制御システム200、及び、グロープラグ通電制御装置201について説明する。図6は、本実施形態2のグロープラグ通電制御システム200、及び、グロープラグ通電制御装置201の電気的構成を示すブロック図である。グロープラグ通電制御システム200は、グロープラグ通電制御装置201のほか、実施形態1と同様の、グロープラグGP1〜GPn、バッテリBT、キースイッチKSWを有している。また、このグロープラグ通電制御システム200は、ECU301及びオルタネータ311と、インターフェイス回路107を介して接続している。
また、実施形態1と同じく、各スイッチング素子2051〜205nがオンとされているタイミングにおける、各グロープラグGP1〜GPnへの印加電圧Vg1(t)〜Vgn(t)が、これに対応する電圧信号V1(t)〜Vn(t)として、主制御部211に入力される。
このようにすることで、実施形態1で用いた、比較的高価な電流検知機能付きFETを用いずに、グロープラグGP1〜GPnの抵抗値Rg1(t)〜Rgn(t)をそれぞれ検知することができる。
さらに、ステップS32で、各スイッチング素子2051〜205nがオフとされ、各FET2061〜206nがオンとされているタイミングで、グロープラグGP1〜GPnに印加される分割電圧値Vd1(t)〜Vdn(t)を、主制御部211に取り込む。併せて、バッテリ電圧VBも、主制御部211に取り込む。
以降は、実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
さらに、グロープラグGP1とグロープラグGP1eの昇温時の温度変化の様子を比較しても、グロープラグGP1とグロープラグGP1eとは、互いに異なる抵抗値を有していながらも、各経過時間tにおいて、ほぼ同じ温度となり、且つ同じ温度(例えば1300℃)まで、同じ温度カーブを描いて昇温させることができる。
例えば、実施形態1,2においては、デューティ比D1(t)等を得るのに、印加電圧値Vg1(t)等、電流値Ig1(t)等、あるいは抵抗値Rg1(t)等のほか、ステップS5で取得した基準電力値Pb(t)を用いた。
これに対し、本変形形態1では、実施形態1とは、デューティ比D1(t)〜Dn(t)を取得する手法のみ異なる。そこで、異なる部分のみ、図8を参照して説明する。
即ち、本変形形態1では、ステップS5で基準電力値Pb(t)を得ることなく(即ち、実施形態1,2におけるステップS5を不要として)、ステップS6に相当するステップS61において、経過時間tのほか、印加電圧値Vg1(t)等、電流値Ig1(t)等、あるいは抵抗値Rg1(t)等を用いて、デューティ比D1(t)等を、演算により、あるいは予め作成しておいたテーブルを用いて得る。
例えば、実施形態1、及び、変形形態1では、ステップS4において各グロープラグの抵抗値Rg1(t)〜Rgn(t)を、印加電圧値Vg1(t)等と電流値Ig1(t)等とから取得した。
しかし、デューティ比D1(t)〜Dn(t)を得るに当たり、この抵抗値Rg1(t)等を一旦得ることなく、印加電圧値Vg1(t)等、及び、電流値Ig1(t)等を用いて、デューティ比D1(t)等を算出しても良い。
また、実施形態1等では、キースイッチKSWをオンにすることで、グロープラグ通電制御システム100(グロープラグ通電制御装101)が立ち上がり、グロープラグGP1等への通電が開始されるものとした。しかし、操作者がキースイッチKSWをオンにし、グロープラグ通電制御装置101が立ち上がった後、インターフェイス回路107を介したエンジン制御ユニット301からの指示を待って、グロープラグGP1等への通電を開始するようにしても良い。
2 シーズヒータ(ヒータ部)
100,200 グロープラグ通電制御システム
101,201 グロープラグ通電制御装置
1051〜105n,2051〜205n スイッチング素子
2061〜206n FET
2071〜207n 基準抵抗
2081〜208n 抵抗分割回路
V1(t)〜Vn(t) (各グロープラグからの)電圧信号
I1(t)〜In(t) (スイッチング素子からの)電流信号
111,211 主制御部
GP,GP1〜GPn グロープラグ
GP1 グロープラグ(第1グロープラグ)
GP1e (交換後の)グロープラグ(第2グロープラグ)
Vg1(t)〜Vgn(t) (グロープラグに印加される電圧の)印加電圧値
Ig1(t)〜Ign(t) (グロープラグを流れる電流の)電流値
Rg1(t)〜Rgn(t) (グロープラグの)抵抗値
P(t) 電力値
Pb(t) 基準電力値
D1(t)〜Dn(t) デューティ比
S3〜S7,S31,S32〜S7,S61 昇温時通電制御手段,投入電力制御手段
S3〜S5,S31,S32〜S5 基準電力値付与手段
S6,S7, 電力値制御手段
S3,S4,S31,S32 電圧等取得手段
S6,S61 デューティ比取得手段
S7 パルス通電手段
Claims (6)
- 通電により発熱するヒータ部を有するグロープラグの上記ヒータ部に通電して、このヒータ部を高温とする通電制御を行うグロープラグの通電制御装置であって、
上記グロープラグのヒータ部を昇温させる昇温時通電制御手段であって、
各々の前記経過時間tにおいて、前記グロープラグに印加される電圧の印加電圧値Vg(t)と、上記グロープラグを流れる電流の電流値Ig(t)及び上記グロープラグが有する抵抗値Rg(t)の少なくともいずれかと、を取得する電圧等取得手段、及び、
上記印加電圧値Vg(t)と、上記電流値Ig(t)及び上記抵抗値Rg(t)の少なくともいずれかと、を用いて、
同一品番であるが特性ばらつきにより、自身の抵抗値が互いに異なる第1グロープラグと第2グロープラグとを、この通電制御装置に繋ぎ替えて通電制御したときでも、
同一の環境温度条件下で上記第1グロープラグ及び第2グロープラグの上記ヒータ部をそれぞれ昇温させると、昇温中の各時点で、上記第1グロープラグに投入したのと同一の大きさの電力を、上記第2グロープラグにも投入する通電の電力制御を行う昇温時通電制御手段を有する
グロープラグの通電制御装置。 - 請求項1に記載のグロープラグの通電制御装置であって、
前記昇温時通電制御手段は、
前記ヒータ部への通電開始からの経過時間に応じて予め定めた大きさの電力を、前記グロープラグへ投入する投入電力制御手段を有する
グロープラグの通電制御装置。 - 請求項2に記載のグロープラグの通電制御装置であって、
前記投入電力制御手段は、
前記ヒータ部への通電開始からの経過時間tにおいて、前記グロープラグへ投入すべき基準電力値Pb(t)を与える基準電力値付与手段と、
各々の上記経過時間tにおいて、上記グロープラグへ投入される電力値が上記基準電力値Pb(t)となるように通電制御を行う電力値制御手段と、を有する
グロープラグの通電制御装置。 - 請求項3に記載のグロープラグの通電制御装置であって、
前記電力値制御手段は、
前記基準電力値Pb(t)と、上記印加電圧値Vg(t)と、上記電流値Ig(t)及び上記抵抗値Rg(t)の少なくともいずれかと、を用いて、デューティ比D(t)を得るデューティ比取得手段、及び、
上記グロープラグにそれぞれ上記デューティ比D(t)でパルス通電するパルス通電手段、を含む
グロープラグの通電制御装置。 - 請求項2に記載のグロープラグの通電制御装置であって、
前記投入電力制御手段は、
前記抵抗値Rg(t)、及び印加電圧値Vg(t)を用いて、デューティ比D(t)を得るデューティ比取得手段、及び、
上記グロープラグに上記デューティ比D(t)でパルス通電するパルス通電手段、を含む
グロープラグの通電制御装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のグロープラグの通電制御装置と、
前記グロープラグと、を備える
グロープラグ通電制御システム。
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