JP5948719B2 - 多層熱収縮フィルム及びその製造方法 - Google Patents

多層熱収縮フィルム及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多層熱収縮フィルム(シュリンクフィルム)に関する。熱収縮フィルムは、例えば、集積した商品(缶飲料、ペットボトル飲料、紙パック飲料等)を包み、熱処理することによって熱収縮フィルムを収縮させて集積包装する用途に用いることができる。
従来、缶飲料、ペットボトル飲料、紙パック飲料等は、24缶、6本等の単位で段ボールに詰めて流通し易い形態で運ばれ、小売店で開封して店頭に並べられてきた。しかし、開梱後に大量の段ボールを処分しなければならないことが問題になっている。また、近年では量販店で段ボールのまま消費者が購入して持ち帰るケースも増えており、家庭での段ボールの処分も問題となっている。
上記問題を踏まえて、安価且つ廃棄し易い熱収縮フィルムによって商品を集積包装する方法が提案されているが、結束力及び強度(収縮性)、並びに引裂き性(開封性)の全ての特性を満足する熱収縮フィルムは得られていないのが現状である。
熱収縮フィルムとしては、例えば、特許文献1には、包装用多層熱可塑性フィルムであって、(a)ポリオレフィンの層、および(b)ポリオレフィンおよびアイオノマーのブレンドの層を含み、並びに全方向性裂け易さを示すことを特徴とする包装用多層熱可塑性フィルムが開示されている(請求項1)。特許文献1では、引裂き性について検討されているものの、収縮性については検討されておらず、このフィルムは、結束力及び強度が十分でない。
特許文献2には、両表面層とその間に挟まれた内部層の少なくとも3層を有し、表面層の少なくとも一方が特定のエチレン−α−オレフィン共重合体を含み、特定の融解熱量を示し、内部層が、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体及び、特定の長鎖分岐を有するエチレン−α−オレフィン共重合体及び/又は特定の高圧法低密度ポリエチレンと、からなる組成物を含む熱収縮性多層フィルムが開示されている(請求項1)。特許文献2では、収縮性については検討されているが、引裂き性については検討されていない。また、特許文献2のフィルムは、製造の際に樹脂の架橋及び2軸延伸が必要となり、成膜には複雑な工程が必要となる。
特許文献3には、少なくとも3層から構成される積層フィルムであって、両表面層がエチレン系重合体である(A)成分を主成分とし、また中間層がアイオノマーである(B)成分を主成分とし、かつ、中間層のフィルム全体の厚みに対する厚み比が35〜90%であるとともに、80℃オイルバス中10秒浸積したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が30%以上であるストレッチシュリンク積層フィルムが開示されている(請求項1)。また、インフレーション成形機により当該フィルムを製造する製造方法が開示されている(請求項9)。特許文献3では、収縮性については検討されているが、引裂き性については検討されていない。また、特許文献3においては、実施例において具体的に検討されているのは、両表面層がエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする場合のみであり、また、インフレーション成形機による成形条件においてもブローアップ比に関する一般的な条件しか記載されておらず、特許文献3のフィルムでは、集積包装に必要な100MPa以上の弾性率を伴った配合では収縮率が不十分であり、引裂き性も不十分であるという問題がある。
したがって、結束力及び強度(収縮性)、並びに引裂き性(開封性)の全ての特性を満足する熱収縮フィルムの開発が望まれている。
特表2004−517751号公報 特開2008−221725号公報 特開2006−272802号公報
本発明は、内容物(被包装物)の集積包装に適した多層熱収縮フィルムであって、優れた結束力及び強度を有するとともに、簡単に引裂いて内容物を取り出すことができる多層熱収縮フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、また、複雑な工程を必要とせず、上記特性を備える多層熱収縮フィルムを容易に製造できる多層熱収縮フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリエチレン系樹脂を含有する多層熱収縮フィルムにおいて、少なくとも1層にアイオノマーを含有し、フィルム巻き取り方向(MD方向)に対して垂直な方向(TD方向)のエルメンドルフ引裂き強度が1N以下であり、JIS Z1709に準拠して測定した130℃でのTD方向の熱収縮率が15%以上である多層熱収縮フィルムが上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の多層熱収縮フィルムに関する。
1.ポリエチレン系樹脂を含有する多層熱収縮フィルムであって、
(1)少なくとも1層にアイオノマーを含有し、
(2)フィルム巻き取り方向(MD方向)に対して垂直な方向(TD方向)におけるエルメンドルフ引裂き強度が1N以下であり、
(3)JIS Z1709に準拠して測定した130℃でのTD方向の熱収縮率が15%以上である、
ことを特徴とする多層熱収縮フィルム。
2.更に、フィルム巻き取り方向(MD方向)におけるエルメンドルフ引裂き強度が1N以下である、項1に記載の多層熱収縮フィルム。
3.前記多層熱収縮フィルムの層構成は、A層(外層)、B層(中間層)及びC層(内層)が当該順に積層されている層構成、又は、A層(外層)、B層(中間層)及びA層(内層)が当該順に積層されている層構成であり、B層がアイオノマーを含有する、項1又は2に記載の多層熱収縮フィルム。
4.前記B層は、樹脂成分100質量%に対してポリエチレン系樹脂を1〜70質量%含有する、項3に記載の多層熱収縮フィルム。
5.前記多層熱収縮フィルムの層構成は、A層(外層)、B層(中間層)及びC層(内層)が当該順に積層されている層構成、又は、A層(外層)、B層(中間層)及びA層(内層)が当該順に積層されている層構成であり、前記A層は、密度0.915〜0.930g/cm、MFRが0.1〜2.0g/10分の低密度ポリエチレン、及び密度0.900〜0.940g/cm、MFRが0.1〜4.0g/10分の直鎖状低密度ポリエチレンを含有し、前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、A層の樹脂成分100質量%に対して10〜90質量%である、項1〜4のいずれかに記載の多層熱収縮フィルム。
6.前記A層が、更に、密度0.940〜0.960g/cm、MFR0.1〜4.0g/10分の高密度ポリエチレンを含有し、前記直鎖状低密度ポリエチレン及び前記高密度ポリエチレンの含有量の合計が、前記A層の樹脂成分100質量%に対して10〜90質量%である、項5に記載の多層熱収縮フィルム。
7.項1〜6のいずれかに記載の多層熱収縮フィルムを、インフレーション法により製造する製造方法であって、
ブロー比が2〜6であり、且つ、環状ダイリップの直径(内径)をDとして、前記環状ダイリップの端部からDと同じ高さにおける前記多層熱収縮フィルムのバブル径が2D以下である、
ことを特徴とする製造方法。
本発明の多層熱収縮フィルムは、特定の組成、エルメンドルフ引裂き強度及び熱収縮率を有することにより、内容物(被包装物)の集積包装に適しており、優れた結束力及び強度を有するとともに、簡単に引裂いて内容物を取り出すことができる。
また、本発明の多層熱収縮フィルムの製造方法は、複雑な工程を必要とせず、上記特性を備える多層熱収縮フィルムを容易に製造することができる。
本発明の多層熱収縮フィルムをインフレーション法により製造する製造方法の模式図である。 本発明の多層熱収縮フィルムの使用の一態様を示す図である。具体的には、350mLの缶飲料を6本準備し、本発明の多層熱収縮フィルムで集積包装した状態(加熱収縮後)を示す斜視図である。 本発明の製造方法の一例を示す模式図である。 環状ダイリップを示す模式図である。
多層熱収縮フィルム
本発明は、ポリエチレン系樹脂を含有する多層熱収縮フィルムであって、
(1)少なくとも1層にアイオノマーを含有し、
(2)フィルム巻き取り方向(MD方向)に対して垂直な方向(TD方向)におけるエルメンドルフ引裂き強度が1N以下であり、
(3)JIS Z1709に準拠して測定した130℃でのTD方向の熱収縮率が15%以上であることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の多層熱収縮フィルムは、ポリエチレン系樹脂を含有し、上記(1)〜(3)の要件を満たすことにより、内容物(被包装物)の集積包装に適しており、優れた結束力及び強度を有するとともに、簡単に引裂いて内容物を取り出すことができる。
なお、本発明の多層熱収縮フィルムを後述するインフレーション法により製造する場合における、上記MD方向及びTD方向について図を用いて説明する。図1は、本発明の多層熱収縮フィルムをインフレーション法により製造する製造方法の模式図である。図1において、本発明の多層熱収縮フィルム1は、円形ダイス2の環状のダイリップから、紙面の下から上方向、すなわち、点線の矢印3の方向に向かって押出され、後工程において巻き取られる。このとき、特定のブロー比で点線4の方向に延伸される。本発明の多層熱収縮フィルムをインフレーション法により製造する場合、本発明の多層熱収縮フィルムにおいて、上記フィルム巻き取り方向(MD方向)は点線3の方向であり、上記フィルム巻き取り方向(MD方向)に対して垂直な方向(TD方向)は点線4の方向である。
本発明の多層熱収縮フィルムは、ポリエチレン系樹脂を含有し、上記(1)〜(3)の要件を満たす限り限定されず、例えば、積層数としては2〜5層程度の任意の積層数を採用することができる。積層数は例えば、アイオノマーが特定の層に含まれる構成とすることでより高い引裂き性や収縮率を達成させたり、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料等の公知の添加剤をそれぞれ別の層に配合したりするなど、必要性に応じて調整することができる。そして、隣接層どうしは組成が区別できるように設定することが好ましい。
本発明の多層熱収縮フィルムは、上述のように積層数は多層である限り限定されない。本発明の多層熱収縮フィルムは、ポリエチレン系樹脂を含有しているが、その全体中にポリエチレン系樹脂を含有していればよく、いずれかの層にポリエチレン系樹脂を含有していてもよい。また、本発明の多層熱収縮フィルムは、少なくとも1層にアイオノマーを含有していればよく、ポリエチレン系樹脂とアイオノマーとが同一の層に含まれるように層構成されていてもよいし、それぞれ別の層に含まれるように層構成されていてもよい。
本発明では、具体的には、A層(外層)、B層(中間層)及びC層(内層)が当該順に積層されている層構成、又は、A層(外層)、B層(中間層)及びA層(内層)が当該順に積層されている3層構成が好ましい。その中でも、B層(中間層)がアイオノマーを含有する構成がより好ましく、B層(中間層)がアイオノマー及びポリエチレン系樹脂の両方を含有する態様が更に好ましい。なお、上記「外層」、「内層」とは、多層熱収縮フィルムで内容物を集積包装する場合に、外側に位置する層を「外層」、内容物側に位置する層を「内層」と示している。
本発明の多層熱収縮フィルムにおいて、B層(中間層)がアイオノマーを含有する構成である場合、B層は、当該層の樹脂成分100質量%に対してポリエチレン系樹脂を0〜80質量%含有することが好ましく、1〜70質量%含有することがより好ましい。B層のポリエチレン系樹脂の含有量が少な過ぎると、層間強度が弱くなりシール性が低下するおそれがあり、多過ぎると、MD方向及びTD方向の引裂き強度が高くなるおそれがある。
なお、本明細書において、「樹脂成分」には、「ポリエチレン系樹脂」及び「アイオノマー」が含まれるが、「ポリエチレン系樹脂」と「アイオノマー」とは異なる成分であり、区別される。
本発明の多層熱収縮フィルムの厚さは限定的ではないが、例えば、20〜150μm程度が好ましく、30〜120μm程度がより好ましい。多層熱収縮フィルムを構成する各層の厚さも限定されず、最終製品の特徴に応じて適宜設定できるが、例えば、A層(外層)、B層(中間層)及びC層(内層)が当該順に積層されている層構成、又は、A層(外層)、B層(中間層)及びA層(内層)が当該順に積層されている3層構成であれば、多層熱収縮フィルム全体に対するB層(中間層)の厚さの割合は10〜80%が好ましく、15〜70%がより好ましい。
本発明の多層熱収縮フィルムは、その全体中に、ポリエチレン系樹脂を含有する。本発明の多層熱収縮フィルムは、ポリエチレン系樹脂を主成分とすることが好ましい。ここで、本発明において、「ポリエチレン系樹脂を主成分とする」とは、多層熱収縮フィルム全体に含まれる樹脂成分100質量%に対してポリエチレン系樹脂を60質量%以上含むことを意味しており、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては特に限定されず、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)を例示することができる。これらのポリエチレン系樹脂は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリエチレン系樹脂としては、高い熱収縮率を得るために、低密度ポリエチレン(LDPE)を30質量%以上含むものが好ましい。より具体的には、LDPEは35質量%以上であればより好ましく、LDPE100質量%の場合であってもよい。ポリエチレン系樹脂として、LDPEと他のポリエチレン系樹脂とを併用する場合には、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等を用いることができる。LDPEと、これらの他のポリエチレン系樹脂とを併用することにより、多層熱収縮フィルムの強度を向上させることができる。これらのLDPE以外のポリエチレン系樹脂は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明では、ポリエチレン系樹脂としては、LDPEを単独で用いるか、LDPEと、LLDPE及び/又はHDPEとの混合物を用いることが好ましい。
LDPEは、密度が0.910〜0.930g/cmの範囲のポリエチレン系樹脂(ホモポリエチレン)であり、例えば、ラジカル開始剤を用いて高圧ラジカル重合により製造されるものが挙げられる。なお、本明細書における密度は、JIS K7112:1999 水中置換法(A法),25℃の条件で測定した値である。
本発明では、多層熱収縮フィルムの密度を0.925g/cm以上に設定することが好ましく、0.930g/cm以上に設定することがより好ましい。このため、LDPEとしては比較的密度が高いものを選択することが好ましい。LDPEの密度は、0.915〜0.930g/cmが好ましく、0.920〜0.930g/cmがより好ましい。また、多層熱収縮フィルムの優れた結束性(収縮性)及び製膜安定性を得るためには、LDPEのメルトフローレート(MFR)は、0.05〜2.0g/10分が好ましく、0.1〜2.0g/10分がより好ましく、0.2〜1.0g/10分が更に好ましい。なお、本明細書におけるMFRは、別途測定条件を規定しない限り、JIS K7210:1999,A法,190℃,荷重21.18Nの条件で測定した値である。
LLDPE及びMDPEには明確な区別はないが、密度によって便宜上区別することがある。LLDPE及びMDPEは、Ziegler触媒、メタロセン触媒等のシングルサイト系触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することにより得ることができ、α−オレフィンの種類や量を調整することによって密度範囲を制御することができる。
上記α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独又は2種以上を併用することができる。
LLDPEの密度は、0.870〜0.945g/cmという広範囲の製品が市販されている。本発明では、多層熱収縮フィルムの密度を0.925g/cm以上に設定することが好ましく、このため、LLDPEとしては比較的密度が高いものを選択することが好ましい。LLDPEの密度は、0.900〜0.940g/cmが好ましく、0.910〜0.940/cmがより好ましい。また、LLDPEのMFRは小さすぎると製膜性が不安定になり、大きすぎると熱収縮フィルムの優れた結束性(収縮性)が得られなくなるので、0.1〜4.0g/10分が好ましく、0.5〜2.0g/10分がより好ましい。
また、MDPEは、LLDPEの中で特に密度が0.930〜0.945/cm程度のものを指し、MFRとしては0.05〜2.0g/10分程度の市販品を使用することができる。
HDPEとしては特に限定されないが、密度は0.940〜0.960g/cmが好ましく、0.945〜0.960g/cmがより好ましい。また、多層熱収縮フィルムの優れた結束性(収縮性)及び製膜安定性を得るためには、HDPEのメルトフローレート(MFR)は、0.1〜4.0g/10分が好ましく、0.5〜2.0g/10分がより好ましい。
本発明の多層熱収縮フィルムの層構成が、A層(外層)、B層(中間層)及びC層(内層)が当該順に積層されている層構成、又は、A層(外層)、B層(中間層)及びA層(内層)が当該順に積層されている層構成である場合、A層は、密度0.915〜0.930g/cm、MFRが0.1〜2.0g/10分のLDPE、及び密度0.900〜0.940g/cm、MFRが0.1〜4.0g/10分のLLDPEを含有することが好ましい。上記LLDPEのA層中の含有量は、A層の樹脂成分100質量%に対して10〜90質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましい。A層中のLLDPEの含有量が少な過ぎると十分な破断強度が得られないおそれがあり、多過ぎると、TD方向の熱収縮率が低くなるおそれがある。
上記A層は、更に密度0.940〜0.960g/cm、MFR0.1〜4.0g/10分のHDPEを含有することが好ましい。この場合、上記LLDPE及びHDPEの含有量の合計の下限値は、A層の樹脂成分100質量%に対して10質量%が好ましく、15質量%がより好ましく、20質量%が更に好ましい。また、上限値は、A層の樹脂成分100質量%に対して95質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、80質量%が更に好ましい。A層中のHDPEの含有量が少な過ぎると、本発明の多層熱収縮フィルムが十分な剛性(弾性率)を示さないおそれがあり、多過ぎると、TD方向の熱収縮率が低くなるおそれがあり、また、多層熱収縮フィルムの透明性が低下するおそれがある。また、A層中のHDPEの含有量は、A層の樹脂成分100質量%に対して0〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
本発明の多層熱収縮フィルムは、少なくとも1層にアイオノマーを含有する。アイオノマーは、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の一部又は全部が金属イオンにより中和された樹脂状重合体である。上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、不飽和カルボン酸の含有量が好ましくは1〜25質量%、より好ましくは3〜23質量%、更に好ましくは4〜20質量%の共重合体であり、エチレンと不飽和カルボン酸との二元共重合体のみならず、任意に他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。不飽和カルボン酸の含有量が少な過ぎると、多層熱収縮フィルムの引裂き性が低下するおそれがあり、多過ぎると、吸湿性が増加して成形性が低下するおそれがある。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体を構成する不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができる。中でも、アクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
上記任意に共重合されていてもよい他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄等を例示することができる。これらの他の単量体は、例えば0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%の範囲で共重合されていてもよいが、上述のような他の単量体の含有量が多くなると、得られるアイオノマーの引裂き性が損なわれるおそれがあるため、上述のような他の単量体は含まれていないことが好ましく、含んでいる場合であっても、15質量%以下程度の量で共重合されていることが好ましい。
アイオノマーとしては、上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボキシル基の10〜100モル%、好ましくは10〜80モル%が金属イオンで中和されたものを好適に用いることができる。上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボキシル基の中和度が低過ぎると、多層熱収縮フィルムの引裂き性が低下するおそれがある。ここで、上記金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛等のイオンが挙げられ、中でも、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム又は亜鉛が好ましく、特に、ナトリウムをイオン源とするアイオノマーを用いると、多層熱収縮フィルムが引裂き性に優れる点で、より好ましい。
アイオノマーのMFRは、製造工程での成形性やフィルム物性等に優れる点で、0.1〜4.0g/10分であることが好ましく、0.5〜2.0g/10分であることがより好ましい。
本発明の多層熱収縮フィルムは、その全体中に、多層熱収縮フィルムを形成する樹脂成分を100質量%として、上記アイオノマーを10〜56質量%含有することが好ましく、15〜30質量%含有することがより好ましい。多層熱収縮フィルム全体中のアイオノマーの含有量を上述の範囲とすることにより、本発明の多層熱収縮フィルムが、優れた熱収縮性と引裂き性を示すことができる。
本発明の多層熱収縮フィルムにおいて、B層(中間層)がアイオノマーを含有する構成である場合、B層は、当該層の樹脂成分100質量%に対してアイオノマーを20〜100質量%含有することが好ましく、30〜99質量%含有することがより好ましい。B層のアイオノマーの含有量が少な過ぎると、本発明の多層熱収縮フィルムのMD方向及びTD方向の引裂き強度が高くなるおそれがある。
上記アイオノマーを含有する層は、上記ポリエチレン系樹脂の他に、アイオノマー以外に金属イオンで中和されていない他のイオン性コポリマーを含有していてもよい。上記金属イオンで中和されていない他のイオン性コポリマーとしては、上記アイオノマーの調製に用いられる、金属イオンにより中和していないエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を用いることができ、当該エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、上記アイオノマーを含有する層に用いられるアイオノマーを調製するためのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体と同一であっても異なっていてもよい。
本発明の多層熱収縮フィルムの層構成が、A層(外層)、B層(中間層)及びC層(内層)が当該順に積層されている層構成である場合、C層を形成する樹脂成分としては、A層の樹脂成分と異なっていれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
また、C層を形成する樹脂成分は、C層がA層と同一の層とならなければ、A層を形成する樹脂成分に含まれるポリエチレン系樹脂等と同一のものを含有する樹脂成分を用いてもよい。この場合、C層を形成する樹脂成分としては、例えば、A層を形成する樹脂成分に含まれるLDPE、LLDPE、MDPE、HDPE等と同一のものを含有しているが、それぞれの含有量が、A層を形成する樹脂成分における含有量とは異なる樹脂成分が挙げられる。中でも、LLDPEやHDPEの含有量が異なる樹脂成分を挙げることができる。
また、C層を形成する樹脂成分は、C層がA層と同一の層とならなければ、A層を形成する樹脂成分に含まれるポリエチレン系樹脂等と同種のものを用いてもよい。この場合、C層を形成する樹脂成分としては、例えば、A層を形成する樹脂成分に含まれるLDPE、LLDPE、MDPE、HDPE等と同種のものであるが、それぞれの密度、MFR等の性状が異なり、これにより樹脂成分としての密度、MFR等の性状が異なる樹脂成分が挙げられる。
本発明の多層熱収縮フィルムのフィルム巻き取り方向(MD方向)に対して垂直な方向(TD方向)におけるエルメンドルフ引裂き強度は1N以下である。TD方向のエルメンドルフ引裂き強度が1Nを超えると、多層熱収縮フィルムが引裂き性に劣る。TD方向のエルメンドルフ引裂き強度は0.1〜1Nが好ましく、0.2〜0.8Nがより好ましい。エルメンドルフ引裂き強度を上述の範囲とすることにより、多層熱収縮フィルムが優れた結束力を有するとともに、簡単に引裂いて内容物を取り出すことが可能となる。
本発明の多層熱収縮フィルムのフィルム巻き取り方向(MD方向)のエルメンドルフ引裂き強度は1N以下が好ましい。MD方向のエルメンドルフ引裂き強度を上述の範囲とすることにより、多層熱収縮フィルムがより優れた結束力を有するとともに、より簡単に引裂いて内容物を取り出すことが可能となる。MD方向のエルメンドルフ引裂き強度は0.01〜1Nがより好ましく、0.1〜0.8Nが更に好ましい。
本発明の多層熱収縮フィルムは、MD方向のエルメンドルフ引裂き強度にかかわらず、TD方向に沿ってまっすぐ引裂くことができる。特に、後述する本発明の製造方法により多層熱収縮フィルムを製造した場合、上記特性は顕著となる。上記特性は、MD方向のエルメンドルフ引裂き強度がTD方向のエルメンドルフ引裂き強度よりも低い場合でも同様である。これにより、多層熱収縮フィルムを引裂いて内容物を取り出す際に、TD方向に裂け易くなるため、引裂き時にTD方向に沿ってまっすぐ引裂くことができ、より内容物を取り出し易くなる。なお、本明細書における引裂き強度は、JIS K7128−2に準拠したエルメンドルフ法により測定した値である。
本発明の多層熱収縮フィルムは、JIS Z1709に準拠して測定した130℃でのTD方向の熱収縮率が15%以上である。上記熱収縮率が15%未満であると、結束力が低下して重量物の包装に適さなくなり、また、包装後にシワが残り易くなるため、外観の意匠性が低下し、引裂き性も低下する。TD方向の熱収縮率は、15〜40%が好ましく、20〜40%がより好ましい。TD方向の熱収縮率を上述の範囲とすることにより、多層熱収縮フィルムが優れた結束力を示す。また、MD方向の熱収縮率は、30〜80%が好ましく、50〜75%がより好ましい。なお、本明細書における130℃収縮率は、熱媒液としてシリコーンオイルを用いてJIS Z1709に準拠した測定方法により(但し、温度条件を120℃から130℃に変更した)測定した値である。
本発明の多層熱収縮フィルムは、密度は0.925g/cm以上が好ましく、MFRは0.1〜2.0g/10分が好ましい。上記特定の組成並びに特定の密度及びMFRを有することにより、内容物(被包装物)の集積包装(特にスリーブ包装又はピロー包装)により適しており、優れた結束力及び強度を有するとともに、簡単に引裂いて内容物を取り出すことができるようになる。内容物(被包装物)としては、例えば、缶飲料、ペットボトル飲料、紙パック飲料等が挙げられ、24缶、6本等の単位で集積包装することができる。図2に本発明の多層熱収縮フィルムを用いて缶飲料を6本単位で集積包装した状態を例示する。
多層熱収縮フィルムの製造方法
本発明の多層熱収縮フィルムの製造方法は、上記多層熱収縮フィルムをインフレーション法により製造する製造方法であって、ブロー比が2〜6であり、且つ、環状ダイリップの直径(内径)をDとして、上記環状ダイリップの端部からDと同じ高さにおける上記多層熱収縮フィルムのバブル径が2D以下である製造方法である。
インフレーション法は、多層熱収縮フィルムを製造する場合には多層インフレーション法が用いられる。当該多層インフレーション法は、一般的に、各層を構成する樹脂などの成分を押出機内で溶融混練することにより溶融状態の樹脂組成物を調製し、押出機から樹脂組成物を円形のダイスに供給し、円形のダイスから樹脂組成物を共押出しして円筒状のフィルムを製膜すると共に、当該円形のダイスの中心部から圧縮空気を供給し、製膜された円筒状のフィルムを周方向に延伸することによって多層熱収縮フィルムを製造する。
本発明の製造方法について図を用いて説明する。図3は、本発明の製造方法の一例を示す模式図であり、図4は環状ダイリップを示す模式図である。図3において、本発明の多層熱収縮フィルム1は、円形ダイス2の環状のダイリップから、紙面の下から上方向、すなわち、点線の矢印3の方向に向かって押出され、後工程において巻き取られる。
本発明の製造方法では、図4に示すように、円形ダイス2の環状のダイリップの直径(内径)をDとした場合に、図3において、ダイリップの端部21からDと同じ高さ、すなわち、ダイリップの端部21から紙面の上側にDと同じ高さでの円筒状の熱収縮フィルム1の直径、すなわちバブル径L1が2D以下である。上記バブル径が2Dを超えると、多層熱収縮フィルムのTD方向の熱収縮性が十分でない。上記バブル径は、1.8D以下が好ましい。また、上記バブル径は、1.1D以上が好ましい。バブル径が小さ過ぎると、多層熱収縮フィルムのTD方向の熱収縮性が十分でないおそれがある。なお、上記「Dと同じ高さ」とは、ダイリップの端部21から、ダイリップの端部21を含む平面から法線方向にDと同じ距離離れた位置である。
上記図3及び4において、多層熱収縮フィルム1は、点線4の方向に2〜6のブロー比で延伸される。なお、上記ブロー比は、図3において、ダイリップの端部21における熱収縮フィルム1の円周の長さ(t1)と、図3におけるフロストラインL2よりも紙面の上側の熱収縮フィルム1の円周の長さ(t2)との比を、以下の式により算出することにより得られる比である。
(ブロー比)=(t2)/(t1)
上記ブロー比が2未満であると、多層熱収縮フィルムのTD方向の熱収縮性が十分でない。上記ブロー比が6を超えると、延伸の安定性が悪くなり、フィルムの破断等が発生する。上記ブロー比は、2.2〜5.5が好ましい。
インフレーション成形の温度は、多層熱収縮フィルムを構成する各層に含まれるLLDPE、LDPE、HDPE及びアイオノマーから選択される少なくとも1種を混合して得られる樹脂成分が示す融解ピーク温度のうち、最も高い融解ピーク温度以上の温度とすることが好ましい。好ましくは、(最も高い融解ピーク温度)+40℃〜(最も高い融解ピーク温度)+80℃である。具体的には、160〜200℃が好ましい。
インフレーション成形の温度が上記融点+40℃未満であると、これらの樹脂が充分な溶融状態にはならず、インフレーション成形による溶融製膜ができなくなるおそれがある。一方、インフレーション成形の温度が上記融点+80℃を超えると、バブルが安定せず層厚みが均一とならないおそれがあり、樹脂劣化等によりフィッシュアイ、異物等が発生するおそれがある。なお、本明細書中、融点は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定により測定される値である。
本発明の製造方法によれば、本発明の多層熱収縮フィルム、すなわち、ポリエチレン系樹脂を含有する多層熱収縮フィルムであって、(1)少なくとも1層にアイオノマーを含有し、(2)フィルム巻き取り方向(MD方向)に対して垂直な方向(TD方向)におけるエルメンドルフ引裂き強度が1N以下であり、(3)JIS Z1709に準拠して測定した130℃でのTD方向の熱収縮率が15%以上である多層熱収縮フィルムを、インフレーション法により容易に製造することが可能となる。
多層熱収縮フィルムを用いた包装方法
本発明の多層熱収縮フィルムを用いて内容物を包装する方法としては特に限定されず、従来公知の包装方法を用いることができる。このような包装方法としては、例えば、L型包装機、ピロー包装機、スリーブ包装機、巻きスリーブ包装機などによる包装方法を用いた包装方法が挙げられる。特に未架橋のポリエチレン熱収縮フィルムはスリーブ包装、巻きスリーブ包装が好適に用いられる。
上述の包装方法により内容物を略ラフに包装後、シュリンクトンネルに投入して、シュリンクトンネル内の温度を多層熱収縮フィルムの収縮温度以上に昇温させて加熱し、冷却することにより収縮包装させるとよい。加熱温度はシュリンクトンネルの長さ、ライン速度により適宜最適温度を設定することができるが、130〜240℃の範囲が一般的である。加熱温度が低過ぎると十分に収縮せず、結束力が弱まるおそれがあり、高過ぎると足多層熱収縮フィルムが溶けて穴が開くおそれがある。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し本発明は実施例の範囲に限定されない。
多層熱収縮フィルムを調製するための原料として以下の原料を用い、以下の方法により実施例及び比較例の多層熱収縮フィルムを調製した。
(原料)
・LDPE(旭化成製、サンテックLD M2204、MFR=0.4g/10分、密度0.922g/cm3)・LLDPE(ダウ・ケミカル製、エリート5100、MFR=0.85g/10分、密度0.920g/cm3)・HDPE(旭化成製、サンテックHD S362、MFR=0.8g/10分、密度0.952g/cm3)・アイオノマー(三井デュポン製、ハイミラン1601、MFR=1.3g/10分、密度0.940g/cm3
実施例1〜11及び比較例1〜4
(多層熱収縮フィルムの調製)
3台(内層、中間層及び外層の各層を形成するためのもの)の押出機が接続具を介してリップギャップ1.0mmの円形多層ダイスに接続されてなる多層インフレーション製膜装置を用意した。
次に、表1に示す配合でLDPE、LLDPE、HDPE及びアイオノマーを混合し、上記各押出機に供給し、190℃にて溶融混練した後、溶融状態の樹脂を上記円形ダイスよりダイ温度190℃の条件で吐出(共押出)し、横方向のブロー比を表1のように調整して、溶融製膜した。円形ダイスの環状ダイリップの直径(内径)Dは150mmであった。また、環状ダイリップの端部から150mm(Dと同じ高さ)押出された位置での多層熱収縮フィルムのバブル径を表1のように調整した。
以上により、実施例1〜11及び比較例1〜4の総厚み40μmの多層熱収縮フィルムを調製した。
各実施例及び比較例の多層熱収縮フィルムについて、以下の評価を行った。
<130℃収縮率>
JIS Z1709に準拠した測定方法により、温度条件を120℃から130℃に変更して、熱媒液としてシリコーンオイルを用いて測定した。測定は、加熱収縮前の熱収縮フィルム及び多層熱収縮フィルムを用い、MD方向及びTD方向について行った。
<引裂き強度>
加熱収縮前の多層熱収縮フィルムについて、JIS K7128−2に準拠したエルメンドルフ法により測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0005948719
本発明の多層熱収縮フィルムは、TD方向の熱収縮性に優れ、且つ優れた破断強度を示すので、包装用、特に集積包装用に好適に用いることができる。特にPETボトル、缶飲料等の比較的重い物品の集積包装にも好適に用いることができる。
また、本発明の製造方法は、上記特性を備える多層熱収縮フィルムを容易に製造することができる。
1…多層熱収縮フィルム、2…円形ダイス、3…点線の矢印、4…点線、5…多層熱収縮フィルム、6…缶、7…スリーブ口

Claims (5)

  1. ポリエチレン系樹脂を含有する多層熱収縮フィルムであって、
    (1)少なくとも1層にアイオノマーを含有し、
    (2)フィルム巻き取り方向(MD方向)に対して垂直な方向(TD方向)におけるエルメンドルフ引裂き強度が1N以下であり、
    (3)JIS Z1709に準拠して測定した130℃でのTD方向の熱収縮率が15%以上であり、
    前記多層熱収縮フィルムの層構成は、A層(外層)、B層(中間層)及びC層(内層)が当該順に積層されている層構成、又は、A層(外層)、B層(中間層)及びA層(内層)が当該順に積層されている層構成であり、
    前記A層は、ポリエチレン系樹脂を含有し、
    前記B層は、樹脂成分100質量%に対してポリエチレン系樹脂を1〜70質量%、及びアイオノマーを30〜99質量%含有する、
    ことを特徴とする多層熱収縮フィルム。
  2. 更に、フィルム巻き取り方向(MD方向)におけるエルメンドルフ引裂き強度が1N以下である、請求項1に記載の多層熱収縮フィルム。
  3. 前記多層熱収縮フィルムの層構成は、A層(外層)、B層(中間層)及びC層(内層)が当該順に積層されている層構成、又は、A層(外層)、B層(中間層)及びA層(内層)が当該順に積層されている層構成であり、前記A層は、密度0.915〜0.930g/cm、MFRが0.1〜2.0g/10分の低密度ポリエチレン、及び密度0.900〜0.940g/cm、MFRが0.1〜4.0g/10分の直鎖状低密度ポリエチレンを含有し、前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、A層の樹脂成分100質量%に対して10〜90質量%である、請求項1又は2に記載の多層熱収縮フィルム。
  4. 前記A層が、更に、密度0.940〜0.960g/cm、MFR0.1〜4.0g/10分の高密度ポリエチレンを含有し、前記直鎖状低密度ポリエチレン及び前記高密度ポリエチレンの含有量の合計が、前記A層の樹脂成分100質量%に対して10〜90質量%である、請求項に記載の多層熱収縮フィルム。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の多層熱収縮フィルムを、インフレーション法により製造する製造方法であって、
    ブロー比が2〜6であり、且つ、環状ダイリップの直径(内径)をDとして、前記環状ダイリップの端部からDと同じ高さにおける前記多層熱収縮フィルムのバブル径が2D以下である、
    ことを特徴とする製造方法。
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