JP5944686B2 - 金属めっき方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属めっき方法に関する。
近年、各種電子機器の急激な小型化に伴い配線技術の微細化が要求されている。この微細化の手段として、フォトリソグラフィによる微細配線形成、ビルドアップ配線、異方性導電性膜の使用等が検討されている。例えば、異方性導電性膜は、導電性の微粒子を分散させた膜であり、液晶表示装置(LCD)や集積回路(IC)等において、基板電極とチップの電極との接着剤として用いられる。すなわち、異方性導電性膜をプリント基板とチップとの間に挟みこみ、基板とチップとを圧着することにより、導電性の微粒子が基板電極とチップの電極との間に挟みこまれてこれらの電極間を接続する。
このような異方性導電性膜に用いられる導電性の微粒子としては、様々な種類のものが提案されている。代表的なものとして、プラスチック微粒子を無電解めっき法により金属めっきして得られる金属めっき微粒子が知られている。しかしながら、多くの無電解めっき法は、エッチング工程、感応化処理工程、触媒化処理工程、無電解めっき工程等の多段工程を必要とする方法であって、コストがかかり、多大なエネルギーを必要とする。さらに、クロム酸、シアン化合物、強アルカリ等の多くの有害物質を用いるため、環境に対する負荷も懸念される。
そこで、プラスチックと化学結合等により結合し得る部位と、金属微粒子と吸着等により結合し得る部位とを有する有機バインダと、金属コロイドとを含有する溶液をめっき浴とし、そのめっき浴でプラスチックを無電解めっきする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、金粒子とクエン酸(分散剤)と水とを含有するめっき浴中にプラスチック微粒子(被対象物)を浸漬した後、有機バインダを添加して室温で攪拌又は静置することで、100nm程度の金めっき層をプラスチック微粒子表面に形成している。
さらに、このようして作製された金めっきプラスチック微粒子を再めっきすることにより、導電性の優れた導電性微粒子を実現する手法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−213442号公報 特開2008−101260号公報
しかしながら、金粒子とクエン酸と水とを含有するめっき浴に有機バインダを添加した後、プラスチック微粒子を無電解めっきしただけでは、プラスチック微粒子表面の大部分には金が被覆されるが、プラスチック微粒子表面の一部分においては被覆状態が不充分となることがあった。また、その後、その被覆状態のプラスチック微粒子に再めっきを施すことにより、金めっき層を厚くしていけば被覆状態は改善されていくが、プラスチック微粒子表面の全面において被覆状態を充分にするためには、金めっき層を100nm以上まで厚くしなければならなかった。
そこで、本発明者らは、金属めっき層を薄くしても被覆状態が良好である金属めっき物を作製する金属めっき方法について検討した。上述したような金属めっき方法では、クエン酸等の分散剤を含有するめっき浴を用いており、分散剤を含有するめっき浴を用いると、その後、再めっきを施しても、金属めっき層を100nm以上まで厚くしなければ被覆状態が充分にならないことがわかった。つまり、一回目のめっき浴に存在した分散剤が、再めっき時等に影響を与えていることを見出した。
すなわち、第一の本発明の金属めっき方法は、金属化合物を含有する水溶液に無機系還元剤が添加されて得られた第一めっき浴を準備する準備工程と、有機バインダを添加した第一めっき浴中に被対象物を浸漬することにより、無電解法により被対象物表面にめっきを施すことで、一次めっき物を作製する一次めっき工程と、前記一次めっき物を第二めっき浴中に浸漬することにより、無電解法により一次めっき物表面に再めっきを施すことで、金属めっき物を作製する二次めっき工程とを含み、前記有機バインダは、前記被対象物と結合し得る部位と、チオール基又はジスルフィド基とを有するようにしている。
ここで、「無電解法」とは、電源を用いずに、化学的な還元方法により金属を析出させる方法のことをいう。本発明に係る無電解法は、好ましくは、クロム酸、シアン化合物、強アルカリ等の有害物質を用いずに行われる。
また、「一次めっき」とは、めっきされていない被対象物に無電解法により金属をめっきすることをいう。一方、「二次めっき」とは、既に金属めっきされた一次めっき物に無電解法によりさらに金属をめっきすることをいう。なお、「一次めっき」と「二次めっき」とに用いられる金属は、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
第一の本発明の金属めっき方法によれば、第一めっき浴中には分散剤が存在しないため、金属めっき層を薄くしても被覆状態が良好な金属めっき物を得ることができる。また、処理工程が少なく攪拌又は放置するという極めて簡易な工程で実施することができる。さらに、有害物質を必要としないため、廃液処理等の付帯処理が容易となる。
(他の課題を解決するための手段及び効果)
また、第二の本発明の金属めっき方法は、金属化合物を含有する水溶液に無機系還元剤が添加されて得られた第一めっき浴を準備する準備工程と、チオール基又はジスルフィド基を有する被対象物を第一めっき浴中に浸漬することにより、無電解法により被対象物表面にめっきを施すことで、一次めっき物を作製する一次めっき工程と、前記一次めっき物を第二めっき浴中に浸漬することにより、無電解法により一次めっき物表面に再めっきを施すことで、金属めっき物を作製する二次めっき工程とを含むようにしている。
第二の本発明の金属めっき方法によれば、第一めっき浴中には分散剤が存在しないため、金属めっき層を薄くしても被覆状態が良好な金属めっき物を得ることができる。また、処理工程が少なく攪拌又は放置するという極めて簡易な工程で実施することができる。さらに、有害物質を必要としないため、廃液処理等の付帯処理が容易となる。
また、上記の発明において、前記第二めっき浴は、金属化合物を含有する水溶液に無機系還元剤と分散剤とが添加されて得られたものであるようにしてもよい。
また、上記の発明において、前記一次めっき工程及び二次めっき工程は、室温で行うようにしてもよい。
また、上記の発明において、前記金属は、金又は銀であるようにしてもよい
実施例に係る金属めっき物のSEM写真。 比較例に係る金属めっき物のSEM写真。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。
<第一の本発明>
第一の本発明に係る金属めっき方法は、第一めっき浴を準備する準備工程(A)と、一次めっき物を作製する一次めっき工程(B−1)と、熱処理めっき物を作製する熱処理工程(C)と、金属めっき物を作製する二次めっき工程(D)とを含む。
なお、第一の本発明における「被対象物」としては、チオール基又はジスルフィド基を有さないものであり、例えば、ポリスチレン(PS)、ポリペプチドメチルメタクリレート(PMMA)、ポリペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリトリメチロールプロパントリアクリレート、ナイロン、ポリオレフィン及びこれらの共重合体及び架橋処理物、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラート、PTFE、ガラス等が挙げられる。
(A)準備工程
金属化合物を含有する水溶液に無機系還元剤が添加されて得られた第一めっき浴を準備する。上記第一めっき浴は、テトラクロロ金酸、硝酸銀等の金属化合物を含有する水溶液に、無機系還元剤を添加することによって得られたものであることが好ましい。また、上記無機系還元剤としては、上記金属を還元することができる物質であれば特に限定されず、水素化ホウ素ナトリウム、過酸化水素水等であることが好ましい。
なお、本発明における第一めっき浴には、クエン酸等のヒドロキシ酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、メタノールやエタノールやポリビニルアルコール等のアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の分散剤は含有されないことになる。
(B−1)一次めっき工程
有機バインダを添加した第一めっき浴中に被対象物を浸漬することにより、無電解法により被対象物表面にめっきを施すことで、一次めっき物を作製する。
上記有機バインダは、被対象物と結合し得る部位と、チオール基又はジスルフィド基とを有する。ここで、被対象物と結合し得る部位としては、被対象物表面と静電的引力により結合できるアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、及び、ホスホリル基からなる群から選択される少なくとも1種のものであることが好ましい。或いは、アルキル基、芳香環若しくは複素環又はそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のものであることが好ましい。上記アルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で飽和又は不飽和であってよく、炭素数は特に限定されず、1個以上10個以下であることが好ましく、2個以上8個以下であることがより好ましい。このような有機バインダとしては、例えば、チオクト酸、メルカプトペンチルジスルフィド、4−アミノチオフェノール、アミノフェニルジスルフィド、アミルメルカプタン、デカンチオール、ナフタレンチオール、2−メルカプトベンズイミダゾール、6−メルカプトプリン、4,4’−ジチオジピリジン等が挙げられるが、ジスルフィド基を有するものであることが好ましく、下記化学式(1)で示すチオクト酸、下記化学式(2)で示すメルカプトペンチルジスルフィドであることがより好ましい。なお、チオクト酸、メルカプトペンチルジスルフィドは、下記のように金と結合すると考えられる。
第一めっき浴中に存在する金属量は、投入する被対象物1mgに対して1mg以上20mg以下であることが好ましい。また、第一めっき浴中に存在する有機バインダ量は、投入する被対象物1mgに対して1μmol以上100μmol以下であることが好ましい。
このような第一めっき浴中に、例えば、被対象物を投入して有機バインダを添加した後、室温で攪拌又は静置することにより、10nm〜200nm程度のめっき層が形成された一次めっき物を作製する。なお、攪拌又は静置する時間は、例えば1時間以上48時間以下であることが好ましい。また、作製された一次めっき物を、(C)熱処理工程を実行する前に、水等で洗浄や真空乾燥することが好ましい。
(C)熱処理工程
一次めっき物を熱処理することにより、熱処理めっき物を作製する。
熱処理する温度は、120℃以上300℃以下であることが好ましい。また、熱処理する時間は、1分以上120分以下であることが好ましい。さらに、熱処理する雰囲気は、空気中でもよいが、金属被覆の酸化による変化を防止するために窒素やアルゴン等の不活性雰囲気中であることが好ましい。
(D)二次めっき工程
熱処理めっき物を第二めっき浴中に浸漬することにより、無電解法により熱処理めっき物表面に再めっきを施すことで、金属めっき物を作製する。
金属化合物を含有する水溶液に無機系還元剤と分散剤とを添加することにより、第二めっき浴を作製する。上記第二めっき浴は、テトラクロロ金酸、硝酸銀等の金属化合物を含有する水溶液に、無機系還元剤と分散剤とを添加することに得られたものであることが好ましい。また、上記無機系還元剤としては、上記金属を還元することができる物質であれば特に限定されず、水素化ホウ素ナトリウム、過酸化水素水等であることが好ましく、上記分散剤としては、メタノールやエタノールやポリビニルアルコール等のアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等であることが好ましい。
第二めっき浴中に存在する金属量は、投入する被対象物1mgに対して0.1mg以上10mg以下であることが好ましい。
このような第二めっき浴中に、例えば、熱処理めっき物を投入した後、室温で攪拌又は静置することにより、20nm〜250nm程度のめっき層が形成され、最終的に30nm〜300nm程度のめっき層が形成された金属めっき物を作製する。なお、攪拌又は静置する時間は、例えば5分以上2時間以下であることが好ましい。また、作製された一次めっき物を、(C)熱処理工程を実行する前に、水等で洗浄や真空乾燥することが好ましい。
以上のように、第一の本発明に係る金属めっき方法によれば、第一めっき浴中には分散剤が存在しないため、金属めっき層を薄くしても被覆状態が良好な金属めっき物を得ることができる。
<第二の本発明>
第二の本発明に係る金属めっき方法は、第一めっき浴を準備する準備工程(A)と、一次めっき物を作製する一次めっき工程(B−2)と、熱処理めっき物を作製する熱処理工程(C)と、金属めっき物を作製する二次めっき工程(D)とを含む。
なお、第二の本発明における「被対象物」としては、チオール基又はジスルフィド基を有するものが挙げられ、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリスルフィド及びそれらの誘導体等が挙げられる。また、第一の本発明に係る金属めっき方法と同様のものについては、説明を省略する。
(B−2)一次めっき工程
チオール基又はジスルフィド基を有する被対象物を第一めっき浴中に浸漬することにより、無電解法により被対象物表面にめっきを施すことで、一次めっき物を作製する。
第一めっき浴中に存在する金属量は、投入する被対象物1mgに対して1mg以上20mg以下であることが好ましい。
このような第一めっき浴中に、例えば、被対象物を投入した後、室温で攪拌又は静置することにより、10nm〜200nm程度のめっき層が形成された一次めっき物を作製する。なお、攪拌又は静置する時間は、例えば1時間以上48時間以下であることが好ましい。また、作製された一次めっき物を、(C)熱処理工程を実行する前に、水等で洗浄や真空乾燥することが好ましい。
以上のように、第二の本発明に係る金属めっき方法によれば、第一めっき浴中には分散剤が存在しないため、金属めっき層を薄くしても被覆状態が良好な金属めっき物を得ることができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(A)準備工程
200mlの超純水に、5.77mlのテトラクロロ金(III)酸四水和物(和光純薬工業社製)1重量%水溶液を添加し、80℃に加熱した。次いで、この水溶液をマグネチックスターラで攪拌(500rpm)しながら、3mlの水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬社製)2重量%水溶液を加え、80℃に加熱したままさらに12時間マグネチックスターラで攪拌(500rpm)することにより、金ナノ粒子水溶液(第一めっき浴)を得た。
(B)一次めっき工程
20mlの金ナノ粒子水溶液に、100mgのアクリル系樹脂ビーズ(早川ゴム社製、商品名「ハヤビーズ M-11」、粒径30.0μm)と、410μlの塩酸0.1M水溶液と、5.64μmolのチオクト酸とを添加し、室温で3時間ミックスロータ(アズワン社製、商品名「MIX-ROTAR VMR-5」)で攪拌(100rpm)した。その後、一次めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
(C)熱処理工程
一次めっき物を卓上マッフル炉(デンケン社製、商品名「KDF P70」)で窒素雰囲気中、150℃、15分間加熱することにより、熱処理めっき物を得た。
(D)二次めっき工程
10mlの水に、50mgの熱処理めっき物と、90.4μlの30重量%過酸化水素水(和光純薬工業社製)と、1.38mgのポリビニルアルコール(和光純薬工業社製)と、1.32mlのテトラクロロ金酸四水和物1重量%水溶液とを加え、室温で攪拌(100rpm)した。実施例1に係る金属めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。なお、実施例1に係る金属めっき物の金めっき層の厚さは、金属使用量から30nmと計算された。
<実施例2>
実施例1における(D)二次めっき工程の代わりに、下記(D’)二次めっき工程を実行したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る金属めっき物を得た。なお、実施例2に係る金属めっき物の金めっき層の厚さは、金属使用量から40nmと計算された。
(D’)二次めっき工程
10mlの水に、50mgの熱処理めっき物と、133μlの30重量%過酸化水素水(和光純薬工業社製)と、1.38mgのポリビニルアルコール(和光純薬工業社製)と、1.94mlのテトラクロロ金酸四水和物1重量%水溶液とを加え、室温で攪拌(100rpm)した。実施例2に係る金属めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<実施例3>
実施例1における(D)二次めっき工程の代わりに、下記(D’’)二次めっき工程を実行したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る金属めっき物を得た。なお、実施例3に係る金属めっき物の金めっき層の厚さは、金属使用量から50nmと計算された。
(D’’)二次めっき工程
10mlの水に、50mgの熱処理めっき物と、176μlの30重量%過酸化水素水(和光純薬工業社製)と、1.38mgのポリビニルアルコール(和光純薬工業社製)と、2.57mlのテトラクロロ金酸四水和物1重量%水溶液とを加え、室温で攪拌(100rpm)した。実施例3に係る金属めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<実施例4>
実施例1における(D)二次めっき工程の代わりに、下記(D’’’)二次めっき工程を実行したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る金属めっき物を得た。なお、実施例4に係る金属めっき物の金めっき層の厚さは、金属使用量から60nmと計算された。
(D’’’)二次めっき工程
10mlの水に、50mgの熱処理めっき物と、218μlの30重量%過酸化水素水(和光純薬工業社製)と、1.38mgのポリビニルアルコール(和光純薬工業社製)と、3.19mlのテトラクロロ金酸四水和物1重量%水溶液とを加え、室温で攪拌(100rpm)した。実施例4に係る金属めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<比較例1>
実施例2における(A)準備工程の代わりに、下記(A’)準備工程を実行したこと以外は実施例2と同様にして、比較例1に係る金属めっき物を得た。なお、比較例1に係る金属めっき物の金めっき層の厚さは、金属使用量から40nmと計算された。
(A’)準備工程
200mlの超純水に、5.77mlのテトラクロロ金(III)酸四水和物(和光純薬工業社製)1重量%水溶液を添加し、80℃に加熱した。次いで、この水溶液をマグネチックスターラで攪拌(500rpm)しながら、7.96mlのクエン酸三ナトリウム(和光純薬工業社製)2重量%水溶液を加え、80℃に加熱したままさらに30分マグネチックスターラで攪拌(500rpm)することにより、金ナノ粒子水溶液(第一めっき浴)を得た。
<比較例2>
比較例1における(D)二次めっき工程の代わりに、下記(D’)二次めっき工程を実行したこと以外は比較例1と同様にして、比較例2に係る金属めっき物を得た。なお、比較例2に係る金属めっき物の金めっき層の厚さは、金属使用量から50nmと計算された。
(D’)二次めっき工程
10mlの水に、50mgの熱処理めっき物と、176μlの30重量%過酸化水素水(和光純薬工業社製)と、1.38mgのポリビニルアルコール(和光純薬工業社製)と、2.57mlのテトラクロロ金酸四水和物1重量%水溶液とを加え、室温で攪拌(100rpm)した。比較例2に係る金属めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<比較例3>
比較例1における(D)二次めっき工程の代わりに、下記(D’’)二次めっき工程を実行したこと以外は比較例1と同様にして、比較例3に係る金属めっき物を得た。なお、比較例3に係る金属めっき物の金めっき層の厚さは、金属使用量から60nmと計算された。
(D’’)二次めっき工程
10mlの水に、50mgの熱処理めっき物と、218μlの30重量%過酸化水素水(和光純薬工業社製)と、1.38mgのポリビニルアルコール(和光純薬工業社製)と、3.19mlのテトラクロロ金酸四水和物1重量%水溶液とを加え、室温で攪拌(100rpm)した。比較例3に係る金属めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<実施例5>
実施例2における(B)一次めっき工程においてチオクト酸を使用した代わりに、メルカプトペンチルジスルフィドを使用したこと以外は実施例1と同様にして、実施例5に係る金属めっき物を得た。なお、実施例5に係る金属めっき物の金めっき層の厚さは、金属使用量から40nmと計算された。
<比較例4>
比較例1における(B)一次めっき工程においてチオクト酸を使用した代わりに、メルカプトペンチルジスルフィドを使用したこと以外は比較例1と同様にして、比較例4に係る金属めっき物を得た。なお、比較例4に係る金属めっき物の金めっき層の厚さは、金属使用量から40nmと計算された。
<評価>
実施例1〜実施例5に係る金属めっき物及び比較例1〜比較例4に係る金属めっき物を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その観察結果を表1及び図1〜図2に示す。なお、表1における化合物欄は、「○:使用、×:未使用」とした。また、表1における被覆状態の評価は、5段階評価で「5:良好(全面に金が被覆されている)→1:不充分(一部に金が被覆されていない箇所がある)」とした。
以上のように、実施例1〜実施例5に係る金属めっき方法によれば、第一めっき浴中にはクエン酸三ナトリウムが存在しないため、金属めっき層を30nm〜60nmとしても被覆状態が良好な金属めっき物を得ることができた。一方、比較例1〜比較例4に係る金属めっき方法によれば、第一めっき浴中にはクエン酸三ナトリウムが存在するため、金属めっき層を60nmとしても、得られた金属めっき物の被覆状態は不充分であった。
本発明は、金属めっき方法等に利用することができる。

Claims (5)

  1. 金属化合物を含有する水溶液に無機系還元剤が添加されて得られた第一めっき浴を準備する準備工程と、
    有機バインダを添加した第一めっき浴中に被対象物を浸漬することにより、無電解法により被対象物表面にめっきを施すことで、一次めっき物を作製する一次めっき工程と、
    前記一次めっき物を第二めっき浴中に浸漬することにより、無電解法により一次めっき物表面に再めっきを施すことで、金属めっき物を作製する二次めっき工程とを含み、
    前記有機バインダは、前記被対象物と結合し得る部位と、チオール基又はジスルフィド基とを有することを特徴とする金属めっき方法。
  2. 金属化合物を含有する水溶液に無機系還元剤が添加されて得られた第一めっき浴を準備する準備工程と、
    チオール基又はジスルフィド基を有する被対象物を第一めっき浴中に浸漬することにより、無電解法により被対象物表面にめっきを施すことで、一次めっき物を作製する一次めっき工程と、
    前記一次めっき物を第二めっき浴中に浸漬することにより、無電解法により一次めっき物表面に再めっきを施すことで、金属めっき物を作製する二次めっき工程とを含むことを特徴とする金属めっき方法。
  3. 前記第二めっき浴は、金属化合物を含有する水溶液に無機系還元剤と分散剤とが添加されて得られたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属めっき方法。
  4. 前記一次めっき工程及び二次めっき工程は、室温で行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属めっき方法。
  5. 前記金属は、金又は銀であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の金属めっき方法。
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