JP5943738B2 - 深紫外レーザ光源 - Google Patents

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Description

本発明は高密度記録用光源、半導体リソグラフィ用光源、微細材料加工用光源等として用いられる波長200〜350nmの領域の深紫外レーザ光源に関する。
第1の従来の深紫外レーザ光源として気体レーザ光源があり、たとえば、波長193nmのArFレーザ光源、波長175nmのArClレーザ光源、波長249nmのKrFレーザ光源、等で代表されるエキシマレーザ光源、及び波長248.6nmの
銅蒸気イオンレーザ光源、波長226.4nmの金蒸気イオンレーザ光源で代表される金属蒸気イオンレーザ光源がある。
しかしながら、上述の第1の従来の深紫外レーザ光源においては、たとえば2000〜3000万円程度と製造コストが高く、たとえば2m以上と大型であり、たとえば0.1〜0.01%程度と電力/レーザ変換効率が低く、たとえば一週間に1回程度と頻繁なガス交換を必要とし、たとえば1000〜5000時間程度と熱陰極放電管(サイラトロン)の寿命が短く、フッ素/塩素系の有害ガスを使用する等の欠点がある。
第2の従来の深紫外レーザ光源として固体レーザ光源がある(参照:特許文献1、2、3)。この固体レーザ光源においては、たとえば、波長1064nmのYAGレーザ装置の基本波を波長変換素子によってたとえば波長266nmの高次高調波に変換して出力する。
しかしながら、上述の第2の従来の深紫外レーザ光源においては、たとえば、2000〜3000万円程度と製造コストが高く、たとえば2m以上と大型であり、たとえば0.1〜0.01%程度と波長変換素子による電力/レーザ変換効率が低い等の欠点がある。
深紫外レーザ光源として、小型化、高出力化、高効率化等の点で注目されているワイドバンドギャップ半導体層たとえばAlGaN量子井戸層を利用した半導体レーザ光源が考えられるが、現段階ではレーザ発振には成功しておらず、発光ダイオード(LED)光源の開発に留まっている(特許文献4,5、非特許文献1)。
特開2012-37813号公報 特開2009-31684号公報(特許第4826558号) 特開2007−86104号公報 WO2011/104969A1 WO2010/027016A1
Yoshitaka Taniyasu et al.,"An aluminium nitride light-emitting diode with a wavelength of 210 nanometres", Nature, Vol.441, May 18, 2006
しかしながら、上述のワイドバンドギャップ半導体層を利用したLED光源を深紫外レーザ光源に適用する場合にそのLED光源には次の課題がある。
第1に、0.1〜0.01%程度と電力/光変換効率が低い。
第2に、発光効率は未だ不充分である。
第3に、p型層の形成が困難のために、効率のよいダブルヘテロ型電流注入構造が実現できない。
第4に、10時間程度と寿命が短い。
上述の課題を解決するために、本発明に係る深紫外レーザ光源は、基板と、基板上に設けられたワイドバンドギャップ半導体層と、ワイドバンドギャップ半導体層上に設けられたアルミニウムメタルバック層と、ワイドバンドギャップ半導体層から発生した深紫外光を共振させる共振器構造とを具備し、アルミニウムメタルバック層側より電子線を照射してワイドバンドギャップ半導体層を励起してワイドバンドギャップ半導体層から発生した深紫外光を共振器構造によりレーザ発振するようにし、ワイドバンドギャップ半導体層はAl x Ga 1-x N/AlN多重量子井戸層であり、Al x Ga 1-x N/AlN多重量子井戸層の厚さが約6〜60nmであるとしたものである。これにより、電子線励起によるワイドバンドギャップ半導体層を用いた深紫外レーザ光源を実現する。また、アルミニウムメタルバック層によりワイドバンドギャップ半導体層が帯電して絶縁破壊するのを防止する。さらに、発光効率が非常に高くなる。
さらに、電子線を発生するためのグラファイトナノ針状ロッドにより構成される電子放出源を具備する。これにより、真空封止の真空度が下がり、かつ、電子放出源が長寿命となる。
本発明によれば、電子線励起によるワイドバンドギャップ半導体層を用いた深紫外レーザ光源を実現できる。また、電子線励起によりp型層の形成が不要となる。
本発明に係る深紫外レーザ光源の第1の実施の形態を示す断面図である。 図1のサファイア(0001)基板の厚さを説明するためのグラフである。 図1の深紫外レーザ光源における電子線エネルギーを10keVとした場合の電子線の電子の拡散を説明するための図である。 図1の深紫外レーザ光源における電子線エネルギーを10keVとした場合の励起子の拡散を説明するための図である。 図1のアルミニウムメタルバック層の反射率の入射角度依存性を示すグラフである。 図1のアルミニウムメタルバック層の反射率の入射角度依存性を示すグラフである。 図1の電子放出源の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図7のプラズマエッチング前後の電子放出源を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図7のプラズマエッチング前後の電子放出源の電場/電流特性を示すグラフである。 図7のプラズマエッチング後の電子放出源の電場/電流密度特性及び他の比較例としての電子放出源の電場/電流密度特性を示すグラフである。 図7の変更例を示すフローチャートである。 本発明に係る深紫外レーザ光源の第2の実施の形態を示す断面図である。 図1、図12の深紫外レーザ光源を実際に組み立てた部分断面図である。 図13の変更例を示す部分断面図である。 図13、図14のフォーカス用直流電圧を制御した場合に得られるアルミニウムメタルバック層上の電子線照射パターンの一例を示す平面図である。 図14の深紫外レーザ光源の発光強度及びレーザ発振のスペクトルを示すグラフである。 図14の深紫外レーザ光源の指向性を説明するためのグラフである。 図14の深紫外レーザ光源の光出力特性を示すグラフである。 図1の深紫外レーザ光源の変更例を示す断面図である。 本発明に係る深紫外レーザ光源の第3の実施の形態を示す断面図である。 図1、図12、図20の深紫外レーザ光源の寿命を示すグラフである。
図1は本発明に係る深紫外レーザ光源の第1の実施の形態を示す断面図である。図1の深紫外レーザ装置は端面反射型である。
図1において、深紫外レーザ光源は、サファイア(0001)基板1、サファイア(0001)基板上に形成された厚さ約600nmのAlNバッファ層2、AlNバッファ層2上に形成された厚さ約3μmのグレーティングAlN層3、グレーティングAlN層3上に形成された厚さ約15μmのAlN層4、AlN層4上に形成された厚さ約3nmのAl0.7Ga0.3N井戸層及び厚さ約3nmのAlN障壁層を1周期として1〜10繰返周期を含む厚さ約6〜60nmのAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5上に形成されたアルミニウム(Al)メタルバック層6、及び電子線EBを放出する電子放出源7よりなる。また、サファイア(0001)基板1、AlNバッファ層2、グレーティングAlN層3、AlN層4、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5及びアルミニウムメタルバック層6の両側面が切断もしくは壁開され、反射率R=30%以上の2つの反射構造RS1が形成されている。図1においては、電子放出源7より電子線EBが照射されると、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5が励起されかつ共振されて深紫外レーザ光DUVが反射構造RS1の少なくとも一方より出射される。
始めに、サファイア(0001)基板1について詳述する。
図2の黒点はそれぞれの電子線エネルギーE(keV)の時、シミュレーションによって求めた漏洩X線が法定規定値となるサファイア(0001)基板1の厚さt1を示したものである。サファイア(0001)基板1の厚さt1を黒点が示す値以上にすることで漏洩X線を法定規定値以下とすることができる。これをプロットすると点線のようなカーブを描く。従って、サファイア(0001)基板1の厚さt1は漏洩X線を防止するために、プロットされた点線を表す式から、図2に示すように、
t1≧a・E3
但し、Eは電子線EBのエネルギー(keV)
aは1μm/(keV)3
である。すなわち、制動幅射によって発生するX線の最も高いエネルギーは電子線EBのエネルギーと同一である。従って、たとえば、E=6keVのときに、サファイア(0001)基板1の厚さt1は216μm以上、E=10keVのときに、サファイア(0001)基板の厚さt1は1000μm以上である。このように、サファイア(0001)基板1の厚さt1を上述の式に基づいて設定することにより漏洩X線の強度を法定規定値以下とすることができる。
尚、サファイア(0001)基板1の代りに、SiC基板あるいはAlN基板を用いることもできる。この場合には、上述の式の定数“a”は1以外の値となる。
また、DUVレーザ発振方向と漏洩X線発生方向は90°角度が異なるので、これを考慮した漏洩防止策を施すことも可能である。例えば、DUVレーザ発振方向に穴開け加工を施した鉛等の重金属蓋をX線漏洩個所に被せる等の工夫を取ることが考えられる。
次に、サファイア(0001)基板1上のAlNバッファ層2、グレーティングAlN層3、AlN層4、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の形成方法を詳述する。
サファイア(0001)基板1を有機金属化学的気相成長(MOCVD)装置に装着し、キャリアガスとして水素(H2)ガスを供給すると共に基板温度を1200℃にして10分間保持し、サファイア(0001)基板1の表面の前処理を行う。
次に、同一MOCVD装置において、基板温度を800℃に保持したままで、トリメチルアルミニウム((CH3)3Al)及びアンモニア(NH3)を、それぞれ、流量10sccm及び5slmで供給して厚さ約50nmのAlNバッファ層2を形成する。
次に、同一MOCVD装置において、基板温度を1300℃に上昇させ、トリメチルアルミニウム((CH3)3Al)及びアンモニア(NH3)を、それぞれ、流量10sccm及び5slmで供給して厚さ約3μmのAlN層を形成する。
次に、後述のAlN層4をエピタキシャル横方向成長法によって成長させる際にその転位密度を低減させて欠陥を少なくするために、上述の厚さ約3μmのAlN層表面に周期約3μm、深さ約500nmのグレーティング構造を形成してグレーティングAlN層3を形成する。具体的には、AlN層上にフォトリソグラフィ法を用いて幅約3μmのストライプ状のレジストパターン(図示せず)を形成し、次いで、反応性イオンエッチング(RIE)法を用いて上述のレジストパターンをマスクとしてAlN層をエッチングする。次いで、有機溶剤等を用いてレジストパターンを除去する。この結果、ラインアンドスペース周期が約3μm、深さが500nmの溝(凹凸)構造が形成される。本実施の形態においてはグレーティング構造としたが、凹凸状の形状であればよく、たとえば凹凸がドット状に並ぶ形状としてもよい。
次に、再びMOCVD装置において、基板温度を1300℃に上昇させ、トリメチルアルミニウム((CH3)3Al)及びアンモニア(NH)を、それぞれ、流量10sccm及び5slmで供給して厚さ約15μmのAlN層4を形成する。AlN層4を約15μmと厚くすることにより次に成長させるAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の膜質を良好にできる。
次に、同一MOCVD装置において、AlN層4上にAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5を形成する。すなわち、MOCVD装置において、化学量論比でAl:Ga:N=0.7:0.3:1となるように、トリメチルガリウム((CH3)3Ga)、トリメチルアルミニウム((CH3)3Al)及びアンモニア(NH)を、それぞれ、流量20sccm、8sccm及び7slmで供給すると共に、基板温度を1000℃とする。これにより、厚さ3nmのAl0.7Ga0.3N井戸層を形成する。また、同一MOCVD装置において、化学量論比でAl:N=1:1となるように、トリメチルアルミニウム((CH3)3Al)及びアンモニア(NH3)を、それぞれ、流量10sccm及び5slmで供給すると共に、基板温度を1200℃とする。これにより、厚さ3nmのAlN障壁層を形成する。このAl0.7Ga0.3N井戸層及びAlN障壁層を1周期として1周期〜10周期繰返して厚さ約6〜60nmのAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5を形成する。
図3は、電子線EBのエネルギーを10keVとし、電子線EBのビーム径を10nmとし、Alメタルバック層6の厚さt6を30nmとし、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の厚さt5を720nmとした場合、電子線EBの入射電子の拡散のモンテカルロシミュレーション結果を示す図である。すなわち、電子線EBはほとんどたとえば99%以上Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5に吸収されており、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5がこれ以上厚いと、製造コストの点で無駄となる。また、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の均一度及び品質を考慮すると、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の厚さt5の最大値はAl0.7Ga0.3N井戸層及びAlN障壁層の10周期分の約60nmである。
図4は、電子線EBのエネルギーを10keVとし、電子線EBのビーム径を10nmとし、Alメタルバック層6の厚さt6を30nmとし、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の厚さt5を60nmとした場合、電子線EBの入射電子の拡散のモンテカルロシミュレーション結果を示す図である。この場合においても、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5を突き抜けてAlN層5の拡散長D内で電子線励起によって電子と正孔との対が結合した励起子が生成される。一般的にAlN層で生成された励起子は、AlN層内に拡散してしまい、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層の発光に寄与することはない。しかしながら、本願発明者らはここで興味深い実験事実を得ることに成功した。それは、AlN層で生成された励起子が拡散現象により効率よくAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5のポテンシャルに向かいAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の中に落込み、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の再励起に寄与するという効果である。本効果を利用することによって、電子線エネルギーに対して多重量子井戸層の厚さを薄くすることができ、高品質かつ欠陥の少ない量子井戸層へ、効率の良い電子線励起を行うことができ、低しきい値でのDUVレーザ発振が可能となる。この理由は、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層は、薄い方が均一で欠陥の少ない高品質膜質の多重量子井戸層を形成できることに起因する。


尚、図3、図4において、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5は縦縞で図示されているが、これは便宜上のものであり、実際には、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5のAl0.7Ga0.3N井戸層及びAlN障壁層は横方向に積層されている。
次に、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5上に形成されたアルミニウムメタルバック層6はAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5が電子線EBの照射によって帯電した場合に電荷を逃がしてAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の絶縁破壊を防止するものであるが、アルミニウムメタルバック層6の厚さt6は重要であるので、これについて詳述する。
上述のごとく、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の厚さt5は約6〜60nmと小さいので、電子線EBがAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5を励起するには発光効率の点から電子線EBのエネルギーは小さい方がよい。また、漏洩X線の影響を回避するためにも、電子線EBのエネルギーは小さい方がよい。従って、電子線EBのエネルギーは10keV以下と小さく、言い換えると、電子線EBの電子は低速である。低速電子がアルミニウムメタルバック層6を透過するためには、アルミニウムメタルバック層6の厚さt6は小さい方がよい。尚、アルミニウムメタルバック層の厚さt6が大きいと、電子線EBがアルミニウムメタルバック層6によって吸収されてAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5を十分に励起できず、やはり、発光効率が低下する。このような点からは、アルミニウムメタルバック層6の厚さt6はできるだけ小さい方がよい。
他方、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5から発生した深紫外レーザ光DUVがアルミニウムメタルバック層6に到達した場合には、アルミニウムメタルバック層6はできるだけ多くの深紫外レーザ光DUVを反射してAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5へ戻すことにより、発光効率を上げることができる。この点からはアルミニウムメタルバック層6の厚さt6はできるだけ大きい方がよい。但し、アルミニウムメタルバック層6の厚さt6が30nm以上の範囲では、アルミニウムメタルバック層6への入射角θに関係なくアルミニウムメタルバック層6の反射率は大きくなる。すなわち、図5の(A)に示すごとく、アルミニウムメタルバック層6の厚さt6が10nmのときには、十分な反射率は得られない。また、図5の(B)に示すごとく、アルミニウムメタルバック層6の厚さt6が21nmのときには、表面プラズモン吸収が顕著となり、やはり十分な反射率は得られない。さらに、図6の(A)に示すごとく、アルミニウムメタルバック層6の厚さt6が30nmのときには、表面プラズモン吸収は小さくなり、さらに十分な反射率が得られる。さらにまた、図6の(B)に示すごとく、アルミニウムメタルバック層6の厚さt6が60nmのときには、表面プラズモン吸収はなくなり、十分な反射率が得られる。尚、図5、図6はサファイア(0001)基板1からAlN層2,3,4を介してアルミニウムメタルバック層6に入射角θで入射した場合の全反射減衰(ATR)信号スペクトル図であって、シミュレーションソフトとしてはマックスプランク研究所開発のWinspall(商標名)を用いた。波長λ=240nmの深紫外レーザ光DUVの基における条件は次のごとくである。
サファイア(0001)基板1について、
屈折率n1=1.84
消衰係数k1=0
AlN層2,3,4について、
屈折率n2=1.87
消衰係数k2=0
アルミニウムメタルバック層6について、
屈折率n6=0.172
消衰係数k6=2.79
以上から電子線EBの吸収損失を最小にし、かつ深紫外レーザ光DUVの反射率を最大とするアルミニウムメタルバック層6の厚さt6は約30〜100nmであることが好ましい。
尚、深紫外レーザ光DUVを効率よく反射するメタルバック層としては、アルミニウム以外に銀(Ag)も考えられるが、銀等の重い金属は電子線阻止能が大きいので、電子線EBを吸収してAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5を十分に励起つまり発光できない。結局、軽金属で制御性がよくかつ蒸着可能なアルミニウムがメタルバック層として最適である。
次に、上述のごとく形成されたAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5にレーザ発振させるための共振器構造として2つの反射構造RS1を形成する。反射構造RS1は共振器長Lが0.1〜1mm程度となるように、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5を含む図1の構造の2つの側壁を劈開反射率R=30%程度の反射ミラーつまり2つの反射構造RS1を実現する。尚、反射構造RS1はドライエッチング法、レーザスクライビング法により切断し、その後、研磨することによっても実現できる。
図1の電子放出源7はグラファイトナノ針状ロッドにより構成されている。
上述のグラファイトナノ針状ロッドは図7に示す製造方法によって形成される。
すなわち、ステップ701において、図8の(A)に示すグラファイトロッド表面を有するグラファイト基板を水素ガスを用いたプラズマエッチング法によってエッチングして図8の(B)に示すナノオーダの凹凸構造のグラファイトナノ針状ロッドを得る。このプラズマエッチング条件は、たとえば、次のごとくである。
RFパワー:100-1000W
圧力:133-13300Pa (1-100Torr)
水素流量:5-500sccm
エッチング時間:1-100分
尚、ステップ701でのプラズマエッチング法は、電子サイクロトロン共鳴(ECR)エッチング法、反応性イオンエッチング(RIE)法、大気圧プラズマエッチング法等のいずれでもよく、また、処理ガスは、H2ガス以外のArガス、N2ガス、O2ガス、CF4ガス等のいずれでもよい。
上述のプラズマエッチングを行うことによって得られたグラファイトナノ針状ロッド基板は、図9に示すごとく、良好な電子放出特性を示す。
図10に示すごとく、本発明に係るグラファイトナノ針状ロッドは他の材料であるカーボンナノチューブCNT、グラファイトナノファイバGNFと比較して高い放出電流密度を有する。従って、本発明に係るグラファイトナノ針状ロッドを導電性カソード基材と一体で構成すれば、グラファイトナノ針状ロッドの密着性、グラファイトナノ針状ロッドと基材との界面での電圧降下、ひいては、電子放出特性の劣化(電流飽和)、界面電場集中によるカソード破壊の問題を解決できる。
図11は図7のフローの変更例を示し、図7のプラズマエッチングステップ701の前にステップ1101において、サンドブラスト等の機械的表面研磨による不規則的周期のミクロン(サブミクロン)機械的凹凸構造加工を行う。また、図7のプラズマエッチングステップ701の後にステップ1102において、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等のハイパワーレーザ照射による表面研磨による不規則的周期のミクロン(サブミクロン)レーザ照射凹凸構造加工を行う。尚、ステップ1101、1102は両方を行ってもよいが、いずれか一方のみを行えばよい。この場合、小さいナノオーダの凹凸のほうが壊れやすいためにステップ1101を行うことが好ましい。これにより、不規則的周期のたとえばミクロンオーダ、サブミクロンオーダの凹凸構造を形成する。従って、グラファイト基板の表面積が増大して放出電子がより多くなる。
尚、図11の不規則的周期のミクロン(サブミクロン)機械的凹凸構造加工ステップ1101において、グラファイト基板の表面に不規則的周期のミクロンオーダもしくはサブミクロンオーダの凹みを多数形成して表面積を増大させてもよい。たとえば、レジスト層を塗布し、次いで、不規則的周期パターンを有するフォトマスクを用いたフォトリソグラフィによりレジスト層のパターンを形成し、このレジスト層のパターンを用いてグラファイト基板をH2ガス及びO2ガスを用いたプラズマエッチングたとえばRIEを行い、その後、レジスト層のパターンを除去する。また、機械的ルーリングエンジン等を用いた切削方法によって不規則的周期のミクロンオーダあるいはサブミクロンオーダの剣山型凹凸構造を形成して表面積を増大させることもできる。この剣山型凹凸構造はエッチングで逆剣山型の金型を形成し、これに液体状のグラファイト材料、例えばカーボンブラック等を流し込んでも形成できる。尚、電子放出源7は放出する電子線のエネルギーを可変できるものであっても良いし、固定されているものの何れでも良い。サファイア(0001)基板1の厚さt1は使用する電子放出源7に併せて設定される。たとえば、電子線EBのエネルギーがE=6keVで固定されているなら216nm以上、E=10keVで固定されているなら1000nm以上の厚さが選ばれる。電子放出源7の電子線のエネルギーが可変ならば想定している使用範囲の上限に合わせてサファイア(0001)基板1の厚さt1が決まり、上限が10keV以上の範囲なら厚さも1000nm以上の範囲から選ばれる。
図12は本発明に係る深紫外レーザ光源の第2の実施の形態を示す断面図である。図12の深紫外レーザ光源も端面反射型である。
図12においては、図1の反射ミラーになる反射構造RS1の代りに、誘電体多層膜ミラーよりなる反射構造RS2を設けてある。誘電体多層膜ミラーは屈折率が異なる2つの誘電体多層膜たとえばLaF3/Na3AlF6、Al2O3/SiO2、Y2O3/SiO2、HfO2/SiO2等の組合せを有する薄膜を2層から100層程度積層させることによって構成される。各層の厚さは発振レーザ波長に依存して適宜選択される。このとき、たとえば、1つの反射構造RS2の反射率Rを100%とし、他の反射構造RS2の反射率Rを90%とすれば、一方向のみからレーザ出力を得ることができる。
尚、図12においては、反射構造RS2として誘電体多層膜ミラーの代りにフォトニック結晶構造を用いてもよい。フォトニック結晶構造は誘電体多層膜ミラーより高い反射率Rを有する。
図13は図1、図12の深紫外レーザ光源を実際に組み立てた部分断面図である。
図13において、サファイア(0001)基板1、AlNバッファ層2、グレーティングAlN層3、AlN層4、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5よりなる積層体S及びアルミニウムメタルバック層6及びグラファイトナノ針状ロッドよりなる電子放出源7をガラス管8及び陽極電極9にステムピン(真空導入端子等)(図示せず)を用いて真空封止する。この場合、陽極電極9は適当な金属板に穴あけした金属構造あるいはガラス管8に金属蒸着して電極をとれる構造である。次に、アルミニウムメタルバック層6を陽極電極9にインジウム(In)シール等を利用して真空を保つようにガラス管8の開口部を覆うように密着させる。密着に使用するものはインジウムシールに限らず導電性の材料ならよい。積層体Sと陽極電極9の間にはアルミニウムメタルバック層6があり、使用時にはアルミニウムメタルバック層6から導電性の材料を伝って陽極電極9に電荷を逃がすことができるようになる。また、ガラス管8と陽極電極9とを溶着させる。このとき、ガラスとガラスとの溶着は容易であるが、陽極電極9が穴あけした金属構造の場合には、ガラスから金属に向って徐々に変化する段シールしたガラスを準備する。ガラス管8の陰極側には、ステムピン等を利用してグラファイトナノ針状ロッドよりなる電子放出源7及び円筒状金属よりなる静電レンズ10を取付ける。この静電レンズ10は電子放出源7の電子線EBを積層体S上にフォーカスさせるためのものである。電子放出源7及び静電レンズ10を取付けたステムピンを溶着させた上で真空封止する。電子放出源7にグラファイトナノ針状ロッドを使用すると、その先端を積層体Sの平面に向けて垂直に設置されることになり、省スペースであるのでガラス管8も小さくでき、装置全体を小型化することができる。このとき、ガラス管8はいわゆる2極管動作をするので、陰極側の電子放出源7と陽極電極9との距離が所定値となるように、上述のステムピンの溶着を行う。具体的には、上記距離は電子放出源7と陽極電極9との間の電圧(kV)に対して所定値約0.5mm/kVとなるようにする。
直流電源11は陽極電極9と電子放出源7との間にあって電子から見て陽極電極9が低いポテンシャルとなるように直流電圧V1を陽極電極9に印加するのに対し、直流電源12は電子放出源7と静電レンズ10との間にあって電子から見て静電レンズ10が高いポテンシャルとなるようにフォーカス用直流電圧V2を静電レンズ10に印加する。
図14は図13の変更例を示す部分断面図である。図14においては、図13の構成要素に対して電子放出源7近傍に引出電極13を付加し、陽極電極9の電圧とは独立して、直流電源14によって直流電圧V3を引出電極13に印加して電子放出源7と陽極電極9との間に流れる電子線電流IEBを独立に制御する。これにより、ガラス管8はいわゆる三極管動作を行う。
尚、上記において、電源11、12、14に、直流電源を例にとって説明を行っているが、適宜、交流電源並びにパルス電源を使用することにより、電子線を時間的に変調することが可能となり、DUVレーザ光も、電子線の変調に応じて連続発振のみならず、パルス発振等をおこなうことが可能となる。
グラファイトナノ針状ロッドよりなる電子放出源7を安定的に動作させて深紫外レーザ光源の寿命を延ばすには、ガラス管8内真空度を上げればよい。但し、通常の電界放出型電子放出源が10-7Pa以上の真空度を必要とするのに対し、本発明に係るグラファイトナノ針状ロッドよりなる電子放出源7の場合、10-6Pa程度の真空度でよい。従って、真空封止時間を大幅に短縮でき、この結果、深紫外レーザ光源の製造に関しては、タクトタイムを短縮でき、より安価な深紫外レーザ光源を提供できる。尚、確立した真空度を長時間保持するためには、ガラス管8内にゲッタ等(図示せず)を封入しておけばよい。
図15は図13、図14のフォーカス用直流電圧V2を制御した場合に得られるアルミニウムメタルバック層6上の幅約1μmの電子線照射パターンPの一例を示す平面図である。このような電子線照射パターンPが得られると、横モード(TEM00)パターン及びレーザ発振周波数が安定する。
図16は図14の深紫外レーザ光源に直流電圧V1として5kVを印加すると共に直流電圧V3を印加して電子線電流IEBを1μA、2μA、30μAとして得られる発光強度及びレーザ発振強度のスペクトルを示す。尚、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の厚さt5は60nmとする。
図16において、AlNはAlN層4の欠陥からの発光、QW1はAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5からの発光、QW2はAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の深い準位からの発光、QW3はAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5からのレーザ強度を示す。このように、直流電圧V1=5kVの基で、電子線電流IEBを30μAに高めていくと、励起密度が上昇し、共振構造RS1、RS2の損失に打ち勝ち、反転分布が形成されてレーザ発振を起こすことになる。
図17は図14の深紫外レーザ光源の指向性を説明するためのグラフである。
図17に示すように、直流電圧V1=5kVかつ電子線電流IEB=1μAであるレーザ発振前の単なる発光の場合には、遠視野像の半値幅は30°〜40°と大きく、他方、レーザ発振後の直流電圧V1=5kVかつ電子線電流IEB=30μAであるレーザ発振の場合には、遠視野像の半値幅は5°程度と小さいことが分かる。
図18は図14の深紫外レーザ光源の光出力特性を示すグラフである。
図18に示すように、電子線電流IEBの密度が0〜30A/cm2のときの単なる深紫外発光からしきい値30A/cm2を超えると、光出力が急激に増加してレーザ発振状態となることが分かる。
このように、上述の実施の形態によれば、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5は電子線励起により良好なレーザ発振特性を得ることができる。さらに、レーザ発振特性を向上させたいときには、図19に示すごとく、図1のAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の下層にAlN/AlGaN超格子クラッド層21及びAlN光ガイド層22の少なくとも1つを設け、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の上層にAlN光ガイド層23及びAlN/AlGaN超格子クラッド層24の少なくとも1つを設け、これにより、光閉じ込み効率を向上せしめる。尚、図19の構成は図12の深紫外レーザ光源にも適用できる。図19のごとく、光閉じ込み手段としてAlN/AlGaN超格子クラッド層及び/またはAlN光ガイド層を用いた場合の図1、図12深紫外レーザ装置の光閉じ込み効率を考察すると、深紫外レーザ装置の全体の光強度に対するAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の光閉じ込め光強度は、
Γ=1−exp(-C・Δn・t5
但し、Cは半導体材料に応じた定数であって、AlGaAlの場合、
2.5×10−3−1
ΔnはAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の屈折率nAlGaN=2.6とAlN/AlGaN超格子クラッド層及び/またはAlN光ガイド層の屈折率nAlN=2.3との屈折率差0.3、
で表わせる。たとえば、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層5の厚さt5を60nmとすれば、Γ=0.36であり、通常のレーザ発振の目安とされるΓ=0.01よりも大きく、非常に高い光閉じ込め効率を実現できる。
図20は本発明に係る深紫外レーザ光源の第3の実施の形態を示す断面図である。図20の深紫外レーザ装置は面発光型である。
図20において、深紫外レーザ光源は、サファイア(0001)基板31、サファイア(0001)基板31上に形成されたAlNバッファ層32、AlNバッファ層32上に形成されたグレーティングAlN層33、グレーティングAlN層33上に形成された誘電体多層膜ミラーよりなる反射構造RS31、反射構造RS31上に形成されたAlN共振層34、AlN共振層34上に形成された厚さ約3nmのAl0.7Ga0.3N井戸層及び厚さ約3nmのAlN障壁層を1周期として1〜10繰返周期を含む厚さ約6〜60nmのAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層35、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層35上に形成されたAlN共振層36、AlN共振層36上に形成された誘電体多層膜ミラーよりなる反射構造RS32、反射構造RS32上に形成されたアルミニウム(Al)メタルバック層37、及び電子線EBを放出する電子放出源38よりなる。この場合、反射構造RS31の反射率Rは小さく、他方、反射構造32の反射率Rは大きくされており、これにより、電子放出源38より電子線EBが照射されると、Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層35が励起されかつ面と垂直方向で共振がおこり、深紫外レーザ光DUVが反射構造RS31側より出射される。
図20の深紫外レーザ光源によれば、面発光を実現するための電流狭窄構造が不要となるので、エピタキシャル成長プロセスが簡略化できる。また、反射構造RS31及びRS32が全面に形成されているので、製造が容易となる。さらに、電子線ビーム照射位置からレーザ発振が起こるので、面発光レーザの幾可学的発光パターンを自由に変更できる。
図21は図1、図12、図20の深紫外レーザ光源の寿命を説明するためのレーザ強度を示すタイミング図である。
図21に示すごとく、4000時間を超えても、安定なレーザ強度を維持している。従って、指数関数的寿命予測から寿命は40,000時間を超えると期待され、従来の深紫外レーザ光源よりも長寿命となると共に、高発光強度かつ高発光効率が期待される。
尚、上述の実施の形態においては、ワイドバンドギャップ半導体としてAl0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層を用いているが、x=0.7以外のAlxGa1-xN/AlN(0.1≦x≦0.9)多重量子井戸層を用いてもよい。この場合、xが大きくなる程、レーザ光の波長は短くなる。また、他ワイドバンドギャップ半導体たとえばZnMgO、BN、ダイヤモンド半導体等を用いることもできる。
1、31:サファイア(0001)基板
2、32:AlNバッファ層
3、33:グレーティングAlN層
4:AlN層
5、35:Al0.7Ga0.3N/AlN多重量子井戸層
6、37:アルミニウムメタルバック層
7、38:電子放出源
8:ガラス管
9:陽極電極
10:静電レンズ
11、12:直流電源
13:引出電極
14:直流電源
34,36:AlN共振層
EB:電子線
DUV:深紫外レーザ光
RS1、RS2、RS31、RS32:反射構造

Claims (7)

  1. 基板と、
    該基板上に設けられたワイドバンドギャップ半導体層と、
    前記ワイドバンドギャップ半導体層上に設けられたアルミニウムメタルバック層と、
    前記ワイドバンドギャップ半導体層から発生した深紫外光を共振させるための共振器構造と
    を具備し、
    前記アルミニウムメタルバック層側より電子線を照射して前記ワイドバンドギャップ半導体層を励起して該励起されたワイドバンドギャップ半導体層から発生した深紫外光を前記共振器構造によりレーザ共振させるようにし
    前記ワイドバンドギャップ半導体層がAl x Ga 1-x N井戸層(0.1≦x≦0.9)及びAlN障壁層よりなるAl x Ga 1-x N/AlN多重量子井戸層を具備し、
    前記Al x Ga 1-x N/AlN多重量子井戸層の厚さは約6nmから60nmである深紫外レーザ装置。
  2. 前記アルミニウムメタルバック層の厚さは約30〜100nmである請求項1に記載の深紫外レーザ光源。
  3. さらに、前記電子線をアルミニウムメタルバック層に照射するためのグラファイトナノ針状ロッドにより構成される電子線源を具備する請求項1に記載の深紫外レーザ光源。
  4. 前記基板の厚さt1は、
    t1≧a・E
    但し、Eは前記電子線のエネルギー、
    aは前記基板の材料によって定める定数
    である請求項1に記載の深紫外レーザ光源。
  5. さらに、前記電子線を前記ワイドバンドギャップ半導体層上にフォーカスさせるための静電レンズを具備する請求項1に記載の深紫外レーザ光源。
  6. さらに、内部が真空であるガラス管を具備し、
    前記電子線源は前記ガラス管内に設置され、
    前記アルミニウムメタルバック層は前記ガラス管に密着されている請求項に記載の深紫外レーザ光源。
  7. さらに、前記ワイドバンドギャップ半導体層の両側に設けられた端面反射型の反射構造を具備する請求項1に記載の深紫外レーザ光源。
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