JP5943687B2 - 濃度測定装置 - Google Patents
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Description
特許文献2には、煙道の内部に挿入されて排ガスを採取するサンプリング管と、サンプリング管に対して加熱導管を介して接続されるフローセルユニットと、フローセルユニットに接続されるレーザ式ガス分析計とを備えるアンモニア濃度測定装置が開示されている。特許文献2に開示されているアンモニア濃度測定装置では、サンプリング管の内部に三酸化硫黄(SO3)を吸着するがアンモニアを通過させる吸着剤を装填し、排ガスから三酸化硫黄を除去したガスをレーザ式ガス分析計に導入させることで、アンモニアの測定精度を向上させている。
ガスを吸引して測定用の配管に導く必要があることから、測定の高速化が困難である。
ガスを測定用の配管に引き込んだ後に濃度測定を行うことから、配管を流通しているガスと測定管に引き込まれたガスの状態(例えば、温度等)が異なってしまい、測定精度が低下する。
流通ガスを局所的に採取して濃度測定を行うため、局所的なガス濃度測定はできても、濃度分布を取得することができない。また、サンプリング箇所を逐次変えて濃度測定を行えば、濃度分布を取得することは可能であるが、位置毎にガスの吸引、排出が必要となり、作業が煩雑であるとともに時間がかかる。
本発明に係る濃度測定装置は、測定対象とする物質が含まれるガスにレーザ光を照射し、ガスを透過したレーザ光を検出することで前記物質の濃度を測定する濃度測定装置において、機器の内部空間を囲む第1壁部に設けられた第1透明板と、前記内部空間を囲み前記第1壁部と異なる第2壁部に設けられた第2透明板と、前記内部空間内に設けられ、一端が前記第1透明板であり他端が前記第2透明板であって、レーザ光が前記第1透明板から前記第2透明板にわたって軸線方向に対して平行に通過する筒状部材とを備え、前記筒状部材は、透明な少なくとも一つの隔壁と前記第1透明板と前記第2透明板とによって、複数のセルに仕切られており、前記セルは、外部の吸引装置及び逆洗部に接続される第1開口部と、前記吸引装置によって前記セル内に吸入される前記内部空間のガスが通過する第2開口部とを有し、前記吸引装置によって前記複数のセルのうち少なくとも一つの前記セル内に吸引された前記内部空間のガスに含まれる前記物質の濃度を測定するとき、前記複数のセルのうち他の前記セル内には、前記逆洗部によってパージガスが充満される。
筒状部材の軸線方向に配置される部材、すなわち、第1透明板と第2透明板と隔壁は、透明部材であることから、レーザ光が筒状部材内部を通過する。
各セルには、機器の内部空間のガスが吸入される。セルごとに内部空間のガスを順次吸入した場合、セルに吸入されたガスに含まれる物質の濃度をセル単位で測定できる。セルは、筒状部材の軸方向に配置されることから、筒状部材の軸方向に沿って内部空間の物質の濃度分布を測定できる。なお、一のセル内の濃度を測定するとき、他のセル内には、内部空間のガスは含まれず、例えばパージガスで充満しておく。
開口部を含む測定空間は、内部空間のガスが存在し、それ以外の空間は、隔壁によって仕切られていることから、内部空間のガスが存在しない。したがって、測定空間において、レーザ光が筒状部材の軸線方向に対して平行に通過することによって、測定空間におけるガスに含まれる物質の濃度を測定できる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る濃度分布測定装置1について図面を参照して説明する。
図4を参照して、本実施形態に係る濃度分布測定領域について説明する。図4に示すように、機器10の内部空間5には測定対象を含むガスが流通している。機器10の一例としては、事業用ボイラ、産業用ボイラ、工業炉などの排ガス口に接続された排気ダクトなどのガス配管、ガスが充填された容器等が挙げられる。
受光側セレクタ37と光検出部36とは光ファイバ8を介して接続されている。
濃度測定部35では、上述のように光検出部36から各受光部7によって受光された光の情報が電気信号として入力されるとともに、測定制御部15から受光側光セレクタ37の受光タイミング信号が入力される。これにより、光検出部16からの電気信号と各受光部7とが対応付けられる。
なお、送光側光セレクタ18に代えて、各送光部6に対応してそれぞれレーザ光源17を設けてもよく、同様に、受光側光セレクタ37に代えて、各受光部37に対応して光検出部36をそれぞれ設けることとしてもよい。
濃度測定装置2は、筒20の各セルCE内部に測定物質を含むガス(以下「測定ガス」ともいう。)が充満され、各セルCEをレーザ光が通過することによって、測定物質の濃度が測定される。測定時、測定ガスが充満されるセルCEは1本の筒20について一つのセルCEであり、他のセルCEはパージエアーが充満される。
次に、図5〜図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る濃度分布測定装置1の濃度測定装置3について説明する。
濃度測定装置3では、濃度測定領域Sが、N個に分割されるとき、N本の筒42が設置される。濃度測定領域Sが、図5に示すように、第1壁部11又は第2壁部12の面内方向に対して平行方向に13列に分割され(A列〜M列)、第1壁部11から第2壁部12にわたって3行に分割される場合、39個の分割領域が形成される。各分割領域の濃度を測定する場合、各列(A列、B列……)には、3本の筒42が設置され、合計39本の筒42が同一面内に平行に設置される。
濃度測定装置3の測定空間48は、濃度測定領域Sに対して開口している。したがって、測定空間48には、測定ガスが常に存在した状態となる。そこで、まず、送光側セレクタ18を調整して、レーザ光を照射する筒42を選択する。筒42にレーザ光が照射されることによって、光検出部36で光の強度が検出される。光の強度は、測定物質の濃度に応じて変化することから、濃度測定装置3は、測定空間48内の対象物質の濃度を測定できる。
そして、順次、送光側セレクタ18を切り替えていくことによって、全ての筒42での濃度測定が完了する。
また、測定の際、測定ガスの吸引が不要であることから、濃度測定装置における構成部材の点数を低減したり、測定にかかる時間を短縮化したりすることができる。
図6〜図8に示した濃度測定装置3は、開口部45が、筒42の外周面に、それぞれ2箇所ずつ互いに対向して形成される場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。
図6〜図8に示した濃度測定装置3は、筒42が第1壁部11及び第2壁部12を貫通して設けられ、両端で機器10に対して固定されている場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。
次に、図14及び図15を参照して、本発明の第3実施形態に係る濃度分布測定装置1の濃度測定装置4について説明する。
上述した第1、第2実施形態では、濃度測定領域S内にレーザ光を通過させるとしたが、第3実施形態では、各分割領域から機器10外に測定ガスを吸引して、測定ガスが蓄積された筒内の濃度を測定する。
筒60,61,62の先端部の開口部63は、濃度測定領域Sに対して開口している。まず、吸引ポンプ67を駆動して、測定したい分割領域に対応する筒60,61,62の流量調整弁68を開状態にする。そして、予め決められた一定の時間の間、先端部の開口部63から測定ガスを吸引し、測定管64内部に測定ガスを導入する。
なお、流量調整弁68を開状態にして測定ガスを吸入するタイミングは、分割領域毎に一つずつ行ってもよいし、全ての分割領域を同時に行ってもよい。
また、レーザ光の測定光路長L0が1m弱程度であれば、測定管64として既存のレーザ式濃度計測器を用いて、高ダスト濃度中の測定物質の濃度を測定できる。また、筒42が機器10に対して固定されており、測定対象とする領域の設定が不要であることから測定全体にかかる時間を短縮化できる。
次に、上述した第1実施形態に係る濃度分布測定装置1を脱硝装置に適用する場合の一実施形態について説明する。
図16は、本実施形態に係る脱硝装置の概略構成を示した図である。図16において、脱硝装置70は、たとえば石炭を燃料とするボイラ装置85に設置され、石炭を燃焼させて生成された燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を還元剤のアンモニアと反応させた後、脱硝触媒を用いて主として水と窒素とに分解して除去する装置である。この脱硝装置70は、ボイラ本体86に接続されて燃焼排ガスを煙突87に導く煙道88に設置されており、煙道88の出口には、燃焼排ガス中の排熱を回収する熱交換器の空気予熱器89が設置されている。
アンモニア濃度の検出値が高いことは、すなわち、リークアンモニア(未反応アンモニア)が増大したことは、脱硝触媒72の触媒性能が劣化したことを意味するので、濃度分布測定装置1によって測定されたアンモニア濃度分布から、煙道88の流路断面位置に対応した脱硝触媒72の劣化状況を把握できる。
例えば、上述した実施形態では、複数の筒20、筒42、筒60,61,62が同一面内に設置される場合について説明したが、複数の筒20、筒42、筒60,61,62の配置面は、厳密に同一面である必要はなく、測定結果に影響を及ぼさない範囲で異なる面に配置されてもよい。
2,3,4 濃度測定装置
6 送光部
7 受光部
8 光ファイバ
10 機器
11 第1壁部
12 第2壁部
20,42,60,61,62 筒(筒状部材)
21 透明板(第1透明板)
22 透明板(第2透明板)
23,46,47 隔壁
24 開口部(第2開口部)
27 開口部(第1開口部)
34 給気口
45,63 開口部
48,50 測定空間
64 測定管
CE,CE1,CE2,CE3 セル
Claims (9)
- 測定対象が含まれるガスにレーザ光を照射し、前記ガスを透過したレーザ光を検出し、前記測定対象が含まれる前記ガスが流通する機器の内部空間に仮想的に設定された複数の測定点における前記測定対象の濃度を測定して濃度分布を得る濃度測定装置において、
機器の内部空間を囲む第1壁部に設けられた第1透明板と、
前記内部空間を囲み前記第1壁部と異なる第2壁部に設けられた第2透明板と、
前記内部空間内に設けられ、一端が前記第1透明板であり他端が前記第2透明板であって、レーザ光が前記第1透明板から前記第2透明板にわたって軸線方向に対して平行に通過する筒状部材と、
を備え、
前記筒状部材は、透明な少なくとも一つの隔壁と前記第1透明板と前記第2透明板とによって、複数のセルに仕切られており、
各前記セルは、
外部の吸引装置及び逆洗部に接続される第1開口部と、
前記吸引装置によって前記セル内に吸入される前記内部空間の前記測定点のガスが通過する第2開口部と、
を有し、
各前記セルは、それぞれ前記第2開口部を介して、他の前記セルとは異なる前記測定点におけるガスが供給され、
前記吸引装置によって前記複数のセルのうち少なくとも一つの前記セル内に吸引された前記内部空間のガスに含まれる前記物質の濃度を測定するとき、前記複数のセルのうち他の前記セル内には、前記逆洗部によってパージガスが充満される濃度測定装置。 - 測定対象とする物質が含まれるガスにレーザ光を照射し、ガスを透過したレーザ光を検出することで前記物質の濃度を測定する濃度測定装置において、
機器の内部空間内に設けられ、前記内部空間を囲む第1壁部と、前記内部空間を囲み前記第1壁部と異なる第2壁部の少なくともいずれか一方によって支持される筒状部材を備え、
前記筒状部材は、
外周面に形成された前記内部空間のガスが出入する開口部と、
互いに対向する二つの透明な隔壁の間に形成された前記開口部を含む測定空間と、
を有し、
レーザ光が、前記測定空間において、一の前記隔壁から他の前記隔壁にわたって前記筒状部材の軸線方向に対して平行に通過し、
前記筒状部材は、軸線方向に対して平行に移動可能である濃度測定装置。 - 前記筒状部材は、前記内部空間を囲む第1壁部と、前記内部空間を囲み前記第1壁部と異なる第2壁部の少なくともいずれか一方によって支持され、
前記筒状部材と接続され、レーザ光が一端部から他端部にわたって軸線方向に対して平行に通過する測定管を更に備え、
前記筒状部材は、前記内部空間のガスが通過する開口部を有し、
前記測定管は、前記筒状部材から前記内部空間のガスが導入される請求項1または請求項2に記載の濃度測定装置。 - 前記筒状部材が複数設けられ、前記筒状部材それぞれの前記開口部は、前記筒状部材の軸線方向において位置が異なる請求項2または請求項3に記載の濃度測定装置。
- 前記筒状部材の他端に一端が接続され、他端が分岐管に接続される測定管と、
前記分岐管に設けられた吸引手段と、
前記機器の外部において前記筒状部材に設けられた流量調整弁と
を更に備え、
前記測定管は、管内に導入された前記ガスに対してレーザ光を照射する送光手段と、該レーザ光を受光する受光手段とを有し、前記レーザ光の強度情報に基づいて前記管内に導入された前記ガスに含まれる前記測定対象の濃度を測定する請求項1または請求項2に記載の濃度測定装置。 - 複数の前記筒状部材のうちの一部の筒状部材の前記他端は、前記流量調整弁よりもガス流れ下流側において共通の接続管に接続され、
前記測定管の一端が前記接続管に接続されている請求項5に記載の濃度測定装置。 - 前記測定管が備える各送光手段には、共通のレーザ光源からレーザ光が供給される請求項5または請求項6に記載の濃度測定装置。
- 前記測定管が備える各受光手段は共通の光検出手段と接続され、前記光検出手段によってレーザ光の受光強度が検出される請求項5から請求項7のいずれかに記載の濃度測定装置。
- 排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置であって、
還元剤主系統に設けた総流量制御弁の下流から分岐させた複数の還元剤供給系統が各々少なくとも1個の注入ノズルと該注入ノズルの上流側に位置する流量制御元弁とを備え、前記排ガスを流す流路内に設置されて前記注入ノズルから前記排ガス中に還元剤を注入する還元剤注入装置と、
前記還元剤と前記排ガスとを混合させる流体混合装置と、
前記窒素酸化物と前記還元剤とを反応させた後に主として水と窒素とに分解する脱硝触媒と、
前記脱硝触媒下流側の前記流路断面内における還元剤濃度分布を測定する請求項1から請求項8のいずれかに記載の濃度測定装置と、
窒素酸化物濃度を計測する窒素酸化物濃度計と、
前記還元剤濃度分布及び前記窒素酸化物濃度の計測値が入力され、前記窒素酸化物濃度に基づいて前記総流量制御弁の開度の設定を行うとともに、前記還元剤濃度分布に基づいて複数個所の前記流量制御元弁毎の開度の設定を行う開度設定部と
を具備する脱硝装置。
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