JP5931557B2 - 濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法 - Google Patents

濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法に関するものである。
従来、配合ガスに含まれる特定物質の濃度測定を行う装置としてレーザ式ガス分析計が知られている。このレーザ式分析計は、気体状のガス分子がそれぞれ固有の光吸収スペクトルを有するという特性を利用し、特定物質が含まれるガスにレーザ光を照射し、その特定波長の吸光量から特定物質の濃度を測定するものである。
特許文献1には、アンモニアを含むガスが流通する配管ユニットからガスを吸引し、吸引したガスをレーザ式ガス分光計に導いて、ガス中に含まれるアンモニア濃度を測定する技術が開示されている。
特許文献2には、煙道の内部に挿入されて排ガスを採取するサンプリング管と、サンプリング管に対して加熱導管を介して接続されるフローセルユニットと、フローセルユニットに接続されるレーザ式ガス分析計とを備えるアンモニア濃度測定装置が開示されている。特許文献2に開示されているアンモニア濃度測定装置では、サンプリング管の内部に三酸化硫黄(SO)を吸着するがアンモニアを通過させる吸着剤を装填し、排ガスから三酸化硫黄を除去したガスをレーザ式ガス分析計に導入させることで、アンモニアの測定精度を向上させている。
上記特許文献1、2に開示されているサンプリング方式の濃度測定装置では、以下のような問題点があった。
ガスを吸引して測定用の配管に導く必要があることから、測定の高速化が困難である。
ガスを測定用の配管に引き込んだ後に濃度測定を行うことから、配管を流通しているガスと測定管に引き込まれたガスの状態(例えば、温度等)が異なってしまい、測定精度が低下する。
流通ガスを局所的に採取して濃度測定を行うため、局所的なガス濃度測定はできても、濃度分布を取得することができない。また、サンプリング箇所を逐次変えて濃度測定を行えば、濃度分布を取得することは可能であるが、位置毎にガスの吸引、排出が必要となり、作業が煩雑であるとともに時間がかかる。
また、上記のように、ガスを測定用の配管に吸引するのではなく、ガスが流通する管そのものにレーザ式ガス分析計を配置する方法も提案されている。例えば、特許文献3には、ガスが存在する内部空間に突出させた外筒と、外筒内にレーザを透過する光透過性部材によって閉塞された密閉空間を有する内筒とからなる二重管ノズルを形成し、この二重管ノズルをレーザ光照射装置とレーザ光受光装置とにそれぞれ設け、二重管ノズルの間の距離および突出位置を調節することにより、二重管ノズル間に存在する特定物質の濃度を測定する技術が開示されている。
特開2012−008008号公報 特開2010−236877号公報 特開2011−038877号公報
しかしながら、特許文献3には、濃度分布を取得することについては何ら開示されていない。また、特許文献3に開示されている方法を用いて濃度分布を取得する場合には、濃度測定位置に応じて二重管ノズルの位置を調節する必要があり、制御が煩雑である上、時間がかかるといった問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、測定対象物質が含まれるガスまたは液体を採取することなく、測定対象物質の濃度分布を取得することのできる濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、測定対象を含む内部空間に仮想的に設けられた濃度測定領域に向けてレーザ光を照射する複数の送光手段と、前記送光手段から照射されて前記濃度測定領域を伝搬したレーザ光を受光する複数の受光手段と、各前記受光手段によって受光されたレーザ光の光強度を検出する光検出手段と、前記光検出手段によって検出された各レーザ光の光強度を用いて前記濃度測定領域の濃度分布を作成する処理手段と、濃度測定手段とを有し、前記送光手段及び前記受光手段は、事前に設定されたN通り以上のレーザ経路に沿ってレーザ光を照射および受光する位置に設けられ、前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、前記濃度測定手段は、前記代表点またはその周辺のガスまたは液体を吸引し、吸引したガスまたは液体に含まれる前記測定対象の濃度を測定し、前記処理手段は、前記レーザ経路毎に、当該レーザ経路上の各前記代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出手段と、レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出手段で得られた前記局所区間の距離及び前記光検出手段により検出された各前記レーザ光の光強度を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成手段と、前記濃度測定手段によって測定された前記代表点またはその周辺の濃度を該代表点の濃度として取り扱うとともに、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出手段と、算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成手段とを有し、前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定装置を提供する。
本発明によれば、濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、交差点が代表点となるようなN通り以上のレーザ経路が設定され、各レーザ経路においてレーザ光の照射と受光が行われることにより、レーザ光の照射強度と受光強度とが検出され、処理手段に出力される。また、濃度測定手段により、代表点またはその周辺のガスまたは液体が吸引され、吸引されたガスまたは液体に含まれる前記測定対象の濃度が測定される。処理手段では、距離算出手段によって、レーザ経路毎に、レーザ経路上の代表点に対応する局所区間が設定され、各局所区間の距離が算出される。方程式作成手段では、レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、各代表点に対応する局所区間の距離、各代表点における濃度の関係が定義された濃度演算式に対して、レーザ照射によって得られた測定結果および距離算出手段によって算出された局所区間の距離が用いられることにより、レーザ経路毎に、各代表点における濃度が未知数として定義された条件式が作成される。これにより、代表点の濃度が未知数とされた、レーザ経路と同数の条件式からなる連立方程式が作成されることとなる。ここで、連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされているので、濃度算出手段では、この連立方程式を解くことで、全ての未知数が特定される。また、このとき、濃度算出手段は、濃度測定手段によって測定された前記代表点またはその周辺の濃度を該代表点の濃度として取り扱う。これにより、各代表点の濃度が算出されることとなる。そして、各代表点の濃度を用いることにより、分布作成手段により濃度測定領域における測定対象の濃度分布が作成される。また、代表点またはその周辺のガスの濃度を濃度測定手段によって測定し、この濃度測定値を代表点の濃度として取り扱うので、濃度分布の測定精度を向上させることができる。
上記「前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、」とは、例えば、濃度測定領域が2次元的に設定されていた場合に、全てのレーザ経路が濃度測定領域と同一平面上に設定されることをも限定するものではない。例えば、濃度測定領域Sの設置面をXY平面とし、XY平面に直交する方向をZ軸と定義した場合に、Z軸方向の座標を変えたレーザ経路を設定してもよく、全てのレーザ経路を濃度測定領域Sに投影させた場合に、上記の条件を満たしていればよいという意味である。
本発明は、測定対象を含み、ガスが流通する配管内に形成された内部空間に仮想的に設けられた濃度測定領域に向けてレーザ光を照射する複数の送光手段と、前記送光手段から照射されて前記濃度測定領域を伝搬したレーザ光を受光する複数の受光手段と、各前記受光手段によって受光されたレーザ光の光強度を検出する光検出手段と、前記光検出手段によって検出された各レーザ光の光強度を用いて前記濃度測定領域の濃度分布を作成する処理手段と、レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に設けられた板状部材とを有し、前記送光手段及び前記受光手段は、事前に設定されたN通り以上のレーザ経路に沿ってレーザ光を照射および受光する位置に設けられ、前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、前記処理手段は、前記レーザ経路毎に、当該レーザ経路上の各前記代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出手段と、レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出手段で得られた前記局所区間の距離及び前記光検出手段により検出された各前記レーザ光の光強度を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成手段と、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出手段と、算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成手段とを有し、前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定装置を提供する。
本発明によれば、濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、交差点が代表点となるようなN通り以上のレーザ経路が設定され、各レーザ経路においてレーザ光の照射と受光が行われることにより、レーザ光の照射強度と受光強度とが検出され、処理手段に出力される。
処理手段では、距離算出手段によって、レーザ経路毎に、レーザ経路上の代表点に対応する局所区間が設定され、各局所区間の距離が算出される。方程式作成手段では、レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、各代表点に対応する局所区間の距離、各代表点における濃度の関係が定義された濃度演算式に対して、レーザ照射によって得られた測定結果および距離算出手段によって算出された局所区間の距離が用いられることにより、レーザ経路毎に、各代表点における濃度が未知数として定義された条件式が作成される。これにより、代表点の濃度が未知数とされた、レーザ経路と同数の条件式からなる連立方程式が作成されることとなる。ここで、連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされているので、濃度算出手段では、この連立方程式を解くことで、全ての未知数が特定される。これにより、各代表点の濃度が算出されることとなる。そして、各代表点の濃度を用いることにより、分布作成手段により濃度測定領域における測定対象の濃度分布が作成される。更に本発明によれば、板状部材をレーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に設けることにより、ガス中に含まれるダストの影響による測定精度の低下を抑制することができる。また、この場合において、前記板状部材を、前記ガス流れ上流側に向けて突出する形状とすることで、ガス流れの妨げになることを抑制することができる。
上記「前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、」とは、例えば、濃度測定領域が2次元的に設定されていた場合に、全てのレーザ経路が濃度測定領域と同一平面上に設定されることをも限定するものではない。例えば、濃度測定領域Sの設置面をXY平面とし、XY平面に直交する方向をZ軸と定義した場合に、Z軸方向の座標を変えたレーザ経路を設定してもよく、全てのレーザ経路を濃度測定領域Sに投影させた場合に、上記の条件を満たしていればよいという意味である。
上記濃度分布測定装置においては、例えば、前記距離算出手段により、前記レーザ経路が1つの代表点のみを通過する場合には、そのレーザ経路の距離が該代表点に対応する前記局所区間として算出され、前記レーザ経路が複数の代表点を通過する場合には、当該レーザ光の経路を、隣接する前記代表点の間で分割することで各代表点に対応する局所区間が設定され、それぞれの局所区間の距離が算出される。
上記濃度分布測定装置において、前記濃度演算式は、例えば、以下の(1)式で表わされる。
I(L)=Iexp[−k(C+C+・・・+C)] (1)
(1)式において、I(L)はレーザ光の受光強度、Iはレーザ光の照射強度、kは測定対象の吸光度に応じて設定される比例係数、C、C、・・・、Cは各代表点における濃度、L、L、・・・、Lは各代表点に対応する局所区間の距離である。
上記濃度分布測定装置は、前記距離算出手段に代えて、前記レーザ経路毎に設定された簡易濃度演算式を格納する記憶手段を備えていてもよく、前記簡易濃度演算式は、前記濃度演算式において、前記代表点の濃度が未知数として定義されているとともに、各前記局所区間の距離が既知の値として定義されていてもよい。
このように、局所区間の距離が既知の値として定義されている簡易濃度演算式を各レーザ経路毎に予め用意しておくことにより、連立方程式を比較的容易に作成することができる。
上記濃度分布測定装置は、前記濃度測定領域内にレーザ経路の一端が存在するレーザ経路を設定し、該レーザ経路上に存在する前記測定対象の濃度を計測するための送光手段および受光手段を更に備えていてもよい。
このように、濃度測定領域内に一端が存在するレーザ経路を設定することにより、レーザ経路の距離を短くすることが可能となり、比較的高い精度で濃度を測定することができる。このような濃度測定値を用いて連立方程式を作成することにより、濃度測定の精度を向上させることが可能となる。
本発明は、排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置であって、還元剤主系統に設けた総流量制御弁の下流から分岐させた複数の還元剤供給系統が各々少なくとも1個の注入ノズルと該注入ノズルの上流側に位置する流量制御元弁とを備え、前記排ガスを流す流路内に設置されて前記注入ノズルから前記排ガス中に前記還元剤を注入する還元剤注入装置と、前記還元剤と前記排ガスとを混合させる流体混合装置と、前記窒素酸化物と前記還元剤とを反応させた後に主として水と窒素とに分解する脱硝触媒と、前記脱硝触媒下流側の前記流路断面内における前記還元剤濃度分布を測定する上記いずれかの濃度分布測定装置と、窒素酸化物濃度を計測する窒素酸化物濃度計と、前記還元剤濃度分布及び前記窒素酸化物濃度の計測値が入力され、前記窒素酸化物濃度に基づいて前記総流量制御弁の開度の設定を行うとともに、前記還元剤濃度分布に基づいて複数個所の前記流量制御元弁毎の開度の設定を行う開度設定部とを具備する脱硝装置を提供する。
このような脱硝装置によれば、脱硝装置の運転を継続しながら、時定数の短い還元剤濃度の測定値に応じて、複数の還元剤供給系統毎に分配される還元剤注入量を自動的に調整することが可能になる。これにより、還元剤注入の分配最適化による脱硝触媒の寿命延長や脱硝触媒更新の効率化を達成することができる。この結果、脱硝装置においては、脱硝触媒の更新に伴うコストの低減やアンモニア消費量の最適化を実現できる。この場合、前記流量制御元弁の開度の設定は、予め定めた前記還元剤濃度と前記流量制御元弁毎の開度とのマップに基づいて行われることが望ましい。
本発明は、測定対象を含む内部空間に仮想的に設定された濃度測定領域における前記測定対象の濃度分布を作成する濃度分布測定方法であって、前記濃度測定領域にN(Nは2以上の整数)個の代表点を設定する代表点設定工程と、各前記代表点を少なくとも1回は通過するとともに、交差点が前記代表点となるようなN通り以上のレーザ経路を設定するレーザ経路設定工程と、前記レーザ経路毎に、レーザ光が通過する各代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出工程と、各前記レーザ経路に従ってレーザ光を照射し、前記レーザ経路を伝搬したレーザ光の光強度を検出する測定工程と、前記代表点またはその周辺のガスまたは液体を吸引し、吸引したガスまたは液体に含まれる前記測定対象の濃度を測定する濃度測定工程と、レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出工程で得た前記局所区間の距離及び前記測定工程で得た測定結果を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成工程と、前記濃度測定工程によって測定された前記代表点またはその周辺の濃度を該代表点の濃度として取り扱うとともに、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出工程と、算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成工程とを含み、前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定方法を提供する。
本発明は、測定対象を含み、ガスが流通する配管内に形成された内部空間に仮想的に設定された濃度測定領域における前記測定対象の濃度分布を作成する濃度分布測定方法であって、前記濃度測定領域にN(Nは2以上の整数)個の代表点を設定する代表点設定工程と、各前記代表点を少なくとも1回は通過するとともに、交差点が前記代表点となるようなN通り以上のレーザ経路を設定するレーザ経路設定工程と、前記レーザ経路毎に、該レーザ光が通過する各代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出工程と、レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に板状部材を設ける工程と、各前記レーザ経路に従ってレーザ光を照射し、前記レーザ経路を伝搬したレーザ光の光強度を検出する測定工程と、レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出工程で得た前記局所区間の距離及び前記測定工程で得た測定結果を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成工程と、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出工程と、算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成工程とを含み、前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定方法を提供する。
本発明によれば、測定対象物質が含まれるガスまたは液体を採取することなく、測定対象物質の濃度分布を取得することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る濃度分布測定領域について説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る濃度分布測定装置の全体構成を概略的に示したブロック図である。 機器の外壁面に取り付けられた一対の送光部及び受光部の構成を概略的に示した図である。 ランベルト・ベールの法則を説明するための図である。 濃度演算式について説明するための図である。 代表点の説明をするための図である。 レーザ経路の一例を示した図である。 処理部および測定制御部のハードウェア構成を概略的に示した図である。 処理部が備える濃度分布測定機能を示した機能ブロック図である。 局所区間について説明するための図である。 濃度分布の一例を示した図である。 濃度測定領域の他の例を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る濃度分布測定装置の全体構成を概略的に示したブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る濃度分布測定装置によるレーザ経路の一例を示した図である。 本発明の第3実施形態に係る濃度分布測定装置の他の態様について説明するための図である。 本発明の第4実施形態に係る濃度分布測定装置について説明するための図である。 本発明の第5実施形態に係る濃度分布測定装置における板状部材について説明するための図である。 本発明の第5実施形態に係る濃度分布測定装置におけるレーザ光と板状部材との関係を示した図である。 本発明の第6実施形態に係る濃度分布測定装置について説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る脱硝装置の概略構成を示した図である。 図20に示したアンモニア注入装置の概略構成例を示す系統図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る濃度分布測定領域について説明するための図である。図1に示すように、機器2の内部空間10には測定対象を含むガスが流通している。機器2の一例としては、事業用ボイラ、産業用ボイラ、工業炉などの排ガス口に接続された排気ダクトなどのガス配管や、ガスが充填された容器等が挙げられる。
内部空間10には、濃度測定領域Sが仮想的に設定されている。濃度測定領域Sは内部空間10内に任意に設定される領域である。図1では、濃度測定領域Sは2次元的に設定されているが、3次元的に設定されてもよい。
濃度測定領域Sは、例えば、機器2がガスの流通する排気ダクトなどの配管である場合には、ガス流れの所定の位置における流路断面とされる。
図2は、本実施形態に係る濃度分布測定装置の全体構成を概略的に示したブロック図である。図2に示すように、濃度分布測定装置1は、濃度測定領域Sに向けてレーザ光を照射する複数の送光部11と、各送光部11に対応して設けられるとともに、対応する送光部11から照射され、濃度測定領域Sを通過したレーザ光を受光する複数の受光部12とを有している。
図3は、一対の送光部11及び受光部12の配置関係を概略的に示した図である。送光部11及び受光部12は、図3に示すように、フランジ13により機器2の外壁面にそれぞれ固定されている。送光部11から射出されたレーザ光は、濃度測定領域S(図2参照)に向けて照射され、濃度測定領域Sに存在する測定対象のガスの影響を受けながら伝搬し、対応する受光部12により受光される。送光部11の送光面および受光部12の受光面に向けて図示しない給気口からシールエアが吹き出すことによって、送光面および受光面への物質の付着を防止できる。
機器2の外壁回りにおける各送光部11および各受光部12の配置位置は、濃度測定領域Sの濃度分布を取得するのに適切な位置に配置されている。なお、配置の詳細な説明については後述する。
図2に示すように、各送光部11には共通のレーザ光源16から送光側光セレクタ17を介してレーザ光が供給される。送光側光セレクタ17は、送光部11の設置数以上のチャネルを有しており、各チャネルと各送光部11とが光ファイバFを介して接続されている。同様に、レーザ光源16と送光側光セレクタ17とは光ファイバFを介して接続されている。レーザ光源16はレーザ制御部15によって制御される。レーザ光源16としては、測定対象の吸光度の特性に応じた適切な波長を出力する光源が採用される。
測定制御部20によってレーザ制御部15に起動・停止の信号が出力されることにより、レーザ制御部15によるレーザ光源16の起動・停止が制御される。更に、測定制御部20によって送光側光セレクタ17のチャネルが走査されることにより、レーザ光源16から射出されたレーザ光が選択されたチャネルの送信部11に供給され、濃度測定領域Sに向けて照射される。このように送光側光セレクタ17を設けることで、レーザ光源16を共有化でき、装置の小型化及び低コスト化を図ることが可能となる。
また、レーザ光源16から照射されるレーザ光の照射強度は、例えば、光検出部(図示略)によって検出され、後述する処理部30に通知される。また、測定制御部20と処理部30とは、相互に情報を送受信できる構成とされており、例えば、測定制御部20からチャネル走査等の情報が処理部30に通知される。
各受光部12は受光側光セレクタ18を介して光検出部19と接続されている。受光側光セレクタ18は受光部12の設置数以上のチャネルを有しており、各チャネルと各受光部12とが光ファイバFを介して接続されている。このとき、各受光部12と受光側光セレクタ18との接続チャネルは、その受光部12に対応する送光部11と送光側光セレクタ17との接続チャネルと同じチャネルにされることが好ましい。換言すると、一対の送光部11と受光部12とは同じチャネルにそれぞれ接続されることが好ましい。
受光側セレクタ18と光検出部19とは光ファイバFを介して接続されている。測定制御部20が、送光側光セレクタ17のチャネル走査と同期して、受光側光セレクタ18のチャネルを走査することにより、送光部11から照射されたレーザ光が対応する受光部12によって受光され、受光された光の情報が受光側光セレクタ18を介して光検出部19に出力される。光検出部19は、入力された光の情報を電気信号に変換して処理部30に出力する。
このように、受光側光セレクタ18を設けることで、光検出部19を共有化でき、装置の更なる小型化及び低コスト化を図ることが可能となる。
なお、送光側光セレクタ17に代えて、各送光部11に対応してそれぞれレーザ光源16を設けてもよく、同様に、受光側光セレクタ18に代えて、各受光部12に対応して光検出部19をそれぞれ設けることとしてもよい。
次に、送光部11及び受光部12の配置位置について、本実施形態に係る濃度分布測定の原理も含め、図を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る濃度分布の取得原理について説明する。
レーザ光の光強度と測定対象の濃度との関係を示す関係式として、ランベルト・ベール(Lambert−Beer)の法則が知られている。
ランベルト・ベールの法則は、図4に示すように、送光点と受光点との間の距離(以下「レーザ経路の距離」という。)をLとし、レーザ光の照射強度をI、レーザ光の受光強度をI(L)、距離L中に存在する測定対象の濃度をCとした場合、以下の(2)式の関係が成立するというものである。
I(L)=Iexp(−kCL) (2)
ここで、kは測定対象の吸光度に応じて設定される比例係数である。
次に、図5のように、レーザ経路をn個の区間に分割し、各区間の濃度平均値をそれぞれC、C、・・・Cnとし、各区間の距離をL、L、・・・、Lとすると、上記(2)式は以下の(1)式のように表すことができる。
I(L)=Iexp[−k(C+C+・・・+C)] (1)
本実施形態に係る濃度分布測定方法は、上記(2)式として知られているランベルト・ベールの法則が上記(1)式のように表されるという点に着目して、1つのレーザ経路を複数の区間に仮想的に分割するとともに、さまざまな方向から濃度測定領域Sにレーザ光を照射することによりレーザ経路毎に測定値を得、この測定値を用いて各区間の平均濃度を未知数とした光強度と濃度との関係を表わす条件式をレーザ経路毎に定義して連立方程式を作成し、この連立方程式を解くことにより、未知数として表された各区間の平均濃度を算出するものである。
以下、濃度測定領域Sにおける送光部11及び受光部12の配置位置、換言すると、レーザの照射経路の設定について具体的に説明する。
まず、図6に示すように、濃度測定領域SにN個の代表点を設定する(代表点設定工程)。ここで、代表点の個数、位置については任意に設定することができる。本実施形態では、一例として、濃度測定領域Sを3行13列からなる39個のセルに等分し、各セルの中心に代表点P〜P39を設定している。
次に、各代表点を少なくとも1回は通過するとともに、交差点が代表点となるようなN通り以上のレーザ経路を設定する(レーザ経路設定工程)。換言すると、各代表点の濃度を未知数とした場合に、上記(2)式の濃度演算式を用いた連立方程式により各代表点の濃度を算出できるようなレーザ経路を設定する。
図7は、レーザ経路の一例を示した図である。図7では、濃度測定領域Sの端部に配置された代表点P、P、P37、P39については、その代表点のみを通過するレーザ経路を設定している。また、同列に並べられている代表点(例えば、代表点P、P、P)をそれぞれ通過するようなレーザ経路が設定され、更に、これらのレーザ経路に斜めに交差するレーザ経路が設定されている。なお、レーザ経路については図7に示したものに限定されない。また、レーザ経路については様々なバリエーションが存在するが、レーザ経路の長さを短く設定することが好ましい。これは、レーザ経路が長いほど、外乱(例えば、内部空間内のダスト等)による影響を受けやすく、測定精度が低下するおそれがあるからである。
このようにして設定されたレーザ経路の各々には、例えば、固有の識別情報が付され、識別情報によって特定が可能とされる。
レーザ経路が決定されると、決定されたレーザ経路に沿ってレーザ光を照射するべく、機器2の外壁周りにおける送光部11および受光部12の配置位置が決定され、決定された位置に送光部11および受光部12がフランジ13により固定される(図3参照)。
次に、図2に示される処理部30について説明する。処理部30は、光検出部19によって検出されたレーザ光の受光強度、各送光部11から照射されたレーザ光の照射強度等に基づいて、濃度測定領域Sに設定された各代表点における濃度を演算により取得し、濃度測定領域Sの濃度分布を作成するものである。
処理部30及び上述の測定制御部20は、例えば、コンピュータであり、図8に示すように、CPU21、CPU21が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)22、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)23、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)24、通信ネットワークに接続するための通信インターフェース25、及び外部記憶装置が装着されるアクセス部26を備えている。これら各部は、バス27を介して接続されている。更に、測定制御部20及び処理部30は、キーボードやマウス等からなる入力部およびデータを表示する液晶表示装置等からなる表示部などと接続されていてもよい。
上記CPU21が実行するプログラム等を記憶するための記憶媒体は、ROM22に限られない。例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の他の補助記憶装置であってもよい。なお、本実施形態では、測定制御部20と処理部30とを個別のハードウェアによって実現しているが、これらを一体化し、一つのコンピュータによって実現する構成としてもよい。
図9は、処理部30が備える濃度分布測定機能を示した機能ブロック図である。図9に示すように処理部30は、第1記憶部31、第2記憶部32、距離算出部33、方程式作成部34、濃度算出部35、及び分布作成部36を備えている。
第1記憶部31には、例えば、上記光検出部19によって検出された測定結果、すなわち、レーザ光の受光強度がレーザ経路の識別情報と関連付けられて格納されるとともに、レーザ光源側から通知されたレーザ光の照射強度が測定されて格納される。
第2記憶部32には、上記(2)式で表わされる濃度演算式、濃度測定領域Sにおける代表点の位置、濃度測定領域Sに設定された各レーザ経路とその距離情報など、濃度測定領域Sにおける濃度分布を得るために必要となる情報が格納されている。
距離算出部33は、レーザ経路毎に、該レーザ光が通過する各代表点に対応する局所区間の距離を算出する(距離算出工程)。距離算出部33は、レーザ経路が1つの代表点のみを通過する場合には、そのレーザ経路の距離を該代表点に対応する局所区間として算出する。また、レーザ経路が複数の代表点を通過する場合には、当該レーザ光の経路を、当該レーザ光の経路上の隣接する代表点間で分割し、それぞれの局所区間の距離を算出する。より具体的には、距離算出部33は、複数の代表点を通過するレーザ経路については、隣接する代表点を結ぶ線分をその中点で分割することにより、各代表点に対応する各局所区間を設定し、この局所区間の距離を算出する。
例えば、図10に示すように、代表点P、P、Pを通過するレーザ経路であれば、代表点PとPとの中点及び代表点PとPとの中点において当該レーザ経路を分割し、各局所区間の距離L、L、Lを算出する。なお、レーザ経路の分割位置は、代表点と代表点との間のいずれかの位置であればよく、中点に限定されない。
方程式作成部33は、上記(1)式で表わされる濃度演算式に対して、第1記憶部31に格納された測定結果及び距離算出部33で算出された局所区間の距離を用いることにより、レーザ経路毎に代表点の濃度を未知数とした条件式を作成する。
例えば、図10に示した代表点P、P、Pを通過するレーザ経路であれば、このレーザ経路に対応する条件式は以下の(3)式で表わされる。
I(L)=Iexp[−k(C+C+C)] (3)
上記(3)式において、C、C、C以外は既知の値であり、I(L)には当該レーザ経路の測定時におけるレーザ光の照射強度が、Iには当該レーザ経路におけるレーザ光の受光強度が、L、L、Lには、距離算出部33によって算出された局所区間の距離がそれぞれ用いられる。また、kには予め設定されている比例係数が用いられる。
そして、このような条件式が各レーザ経路に対応して作成されることにより、レーザ経路の数に対応する条件式からなる連立方程式が作成される。
方程式作成部33において作成される連立方程式は、多元連立一次方程式として表わされる。また、濃度測定を行うにあたって、上述したようにレーザ経路は全ての代表点の濃度を算出することができるように予め設定されているため、ここで作成される連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとなる。
濃度算出部35は、方程式作成部34によって作成された連立方程式を解くことで、各代表点の濃度を算出する。
濃度分布作成部36は、濃度算出部35によって算出された各代表点の濃度を補間することにより測定対象領域Sの濃度分布を作成する。
そして、上記構成を備える濃度分布測定装置1においては、以下のような手順により、濃度測定領域Sの濃度分布が取得される。
まず、図2に示すように、計測制御部20によりレーザ制御部15を介してレーザ光源16が起動され、更に、レーザ光の出力が安定した後に、送光側光セレクタ17及び受光側光セレクタ18のチャネル走査が同期して行われる。これにより、各レーザ光路における測定が行われる(測定工程)。
例えば、送光側光セレクタ17及び受光側セレクタ18のチャネルが予め設定された所定の順番に従って順次切り替えられることにより、各送光部からレーザ光が順次照射され、所定のレーザ経路を通過することで測定対象により吸光されたレーザ光が対応する受光部12によって受光される。なお、送光側光セレクタ17及び受光側セレクタ18を用いずに、各送光部11にレーザ光源16をそれぞれ設け、受光部12に光検出部19をそれぞれ設けた場合には、全てまたは複数の送光部11から同時にレーザ光を照射し、全てまたは複数の受光部12において受光するようにすることもできる。
各受光部12で受光された光は、受光側光セレクタ18を介して光検出部19へ送られ、光検出部19によって光強度が検出される。レーザ光の検出値は、処理部30に出力される。このとき、処理部30には、受光側光セレクタ18のチャネル走査の情報が計測制御部20から入力される。これにより、光検出部19による検出値とその検出値に対応するレーザ経路の識別情報とを関連付けることができる。
このようにして処理部30に入力された検出値とレーザ経路の情報とは関連付けられて第1記憶部31(図9参照)に格納される。更に、上記レーザ照射の際のレーザ光の照射強度も光センサ(図示略)によって検出され、処理部30の第1記憶部31に格納される。
処理部30では、第1記憶部31および第2記憶部32に格納されているデータに基づいて濃度分布が作成される。この処理は、例えば、上記レーザ照射と平行してリアルタイムに行われる。
具体的には、距離算出部33によって各レーザ経路上の代表点に対応する局所区間の距離が算出される。このとき、算出された各レーザ経路上における局所区間の距離をレーザ経路の識別情報と関連付けて第2記憶部32に格納することとしてもよい。このようにすることで、次回の測定からは第2記憶部32に登録された局所区間の距離を読み出せばよく、算出処理を省略することができる。
続いて、方程式作成部33により、レーザ経路毎に代表点の濃度を未知数とした連立方程式が作成される。連立方程式は、上記(2)式で表わされる濃度演算式に対して、第1記憶部31に格納された測定結果及び距離算出部33で算出された局所区間の距離を用いることにより作成される。そして、この連立方程式が濃度算出部35によって解かれ、未知数として設定された各代表点の濃度が算出される。各代表点の濃度は、濃度分布作成部36に出力され、各代表点の濃度が補間されることにより、測定対象領域Sの濃度分布が作成される。これにより、例えば、図11に示すような濃度分布が得られることとなる。
このようにして得られた濃度測定領域Sの濃度分布は、例えば、処理部30が接続される表示部(図示略)に表示されることによりユーザに提示される。或いは、他の制御に用いられることとしてもよい。
以上、説明してきたように、本実施形態に係る濃度分布測定装置1及び濃度分布測定方法によれば、濃度測定領域Sに仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、交差点が代表点となるようなN通り以上のレーザ経路が設定され、各レーザ経路においてレーザ光の照射と受光が行われることにより、各レーザ経路の光強度を取得し、この測定結果を用いて演算により濃度測定領域Sにおける濃度分布を取得するので、比較的簡易な構成により濃度分布を得ることができる。また、従来のように、ガスを吸引する必要がないので、測定に要する時間を大幅に短縮できる。更に、送光部11や受光部12の設置位置を調整する必要もないので、計測制御も従来に比べて簡易に実現することができる。
なお、本実施形態においては、濃度測定領域Sを長方形に設定した場合について述べたが、濃度測定領域Sの形状はこれに限定されない。例えば、図12に示すように、2つの等しい長さの平行線と二つの半円形とを組み合わせた形状(オーバル)など、さまざまな形状に対応することが可能である。
また、上述した濃度分布測定を数回に渡り繰り返し行い、数回分の各代表点における濃度を平均化した値を用いて最終的な濃度分布を取得することとしても良い。このようにすることで、精度を向上させることが可能となる。また、このように数回繰り返して行う場合には、レーザ照射の順番(チャネルの走査の順番)をそれぞれ変えることとしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
本実施形態に係る濃度分布測定装置は、図13に示すように、処理部30´が距離算出部33を備えていない点、及び、(2)式で表わされる濃度演算式に代えて、レーザ経路毎に設定された簡易濃度演算式が第2記憶部32´に格納されている点で、上記第1実施形態に係る濃度分布測定装置1と異なる。
以下、本実施形態に係る濃度分布測定装置について、上述した第1実施形態に係る濃度分布測定装置と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図7に示したように、濃度測定領域Sにおいて複数のレーザ経路が設定された場合、各レーザ経路における局所区間の距離は、事前に算出することが可能である。従って、本実施形態では、レーザ経路の設定時において、レーザ経路の距離に関する情報を(2)式で示した濃度演算式に反映した簡易演算式を事前に作成する。
例えば、図10に示した代表点P、P、Pを通過するレーザ経路において、L=L=L=a[m]であった場合、このレーザ経路に対応する簡易演算式は、以下の(4)式で表わされる。
I(L)=Iexp[−k(C+C+C)a] (4)
このようにして、各レーザ経路に対して局所区間の距離を反映させた簡易演算式を各レーザ経路に対応させてそれぞれ作成し、この簡易演算式をレーザ経路の識別情報と関連付けて第2記憶部32´に格納しておく。
これにより、連立方程式作成時においては、レーザ照射によって得られた測定結果を第2記憶部32´に格納されている対応する簡易演算式に代入することで、代表点における濃度が未知数とされた連立方程式を容易に作成することが可能となる。
このように、本実施形態によれば、各レーザ経路の距離情報が反映された簡易演算式を各レーザ経路に関連付けて予め登録しておくので、濃度分布作成時における演算処理を簡素化することができ、処理の迅速化を図ることが可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
例えば、上述した第1または第2実施形態に係る濃度分布測定装置において、濃度測定領域が広域であり、送光部11と受光部12との間の距離が長い場合、内部空間に存在するダストなどの外乱の影響を受け、測定精度が低下する可能性がある。また、送光部11から照射されたレーザ光が受光部12まで届かないことも予想される。
そこで、本実施形態では、図14に示すように、濃度測定領域S内に送光点11´および受光点12´を設置し、送光点11´と受光点12´との間の濃度測定を行い、この濃度測定結果を連立方程式の作成に反映させる。これにより、ダストなどの外乱の影響による測定精度の低下などを抑制することができる。なお、濃度測定領域S内の任意の距離の濃度を計測する具体的な構成としては、公知の構成を採用することができ、例えば、特許文献3(特開2011−038877号公報)に示される送光部、受光部の構成を適用することが可能である。
ここで、送光部11´および受光部12´は、濃度測定領域Sの中央部付近に位置する代表点の濃度を測定するように設置されることが好ましい。濃度測定領域Sの端部から遠い位置は、測定精度が低下しやすいため、このような位置の濃度を直接測定することにより、演算誤差を低減でき、濃度測定精度を向上させることが可能となる。更に、この場合のレーザ経路は、一つの代表点のみを通過するように設定されることが好ましい。これにより、一つの代表点の濃度を比較的高い精度で検出することができ、より精度の高い濃度分布を得ることができる。また、図14では、濃度測定領域S内に1つの送光点11´と1つの受光点12´とを設定した場合が例示されているが、送光点11´及び受光点12´の設置数については制限されない。また、送光点11´および受光点12´のいずれか一方が濃度測定領域S内に設けられ、他方の受光点または送光点を機器の外壁面に取り付ける態様としてもよい。
また、図14に示した態様に代えて、図15に示すように、濃度測定領域Sの中央部付近に送光部11および受光部12の少なくとも一方が所定の間隔をおいて配置されたレーザ送受信用のアイランド40を設置し、例えば、機器2の壁面から照射されたレーザ光をアイランド40に設けられた受光部12で受光して濃度測定を行ったり、アイランド40に設けられた送光部11から照射されたレーザ光を機器2の外壁面に設けられた受光部12によって受光して濃度測定を行うこととしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る濃度分布測定装置および濃度分布測定方法によれば、濃度測定領域S内に送光点11´、受光点12´を設けるので、濃度測定領域Sが広域である場合でも、内部空間に存在するダストなどの外乱の影響による測定精度の低下を抑制することができる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
上述した第3実施形態に係る濃度分布測定装置では、濃度測定領域内に送光点11´および受光点12´を設定して送光点11´と受光点12´との間に存在する測定対象の濃度測定を行うこととしたが、本実施形態では、図16に示すように、濃度測定領域Sに設定された代表点またはその周辺のガスを吸引し、吸引したガス内に含まれる測定対象の濃度を測定する第2の濃度測定部41を備えている。この場合、特に、濃度測定の精度は、濃度測定領域Sの中央部分において低下するため、この中央部分に位置する代表点またはその付近のガス濃度を第2の濃度測定装置41を用いて計測することが好ましい。
第2の濃度測定部41は、例えば、濃度測定領域Sの代表点またはその周辺のガスを吸引するための吸引ポンプ(図示略)、吸引されたガスが流通するサンプリング配管42、サンプリング配管42を通じて供給されたガス内の測定対象の濃度を計測するレーザ式ガス分析計43を主な構成として備えている。このような、サンプリング方式による濃度測定部の具体的な構造としては、公知のサンプリング方式の濃度測定装置を適用すればよい。
第2の濃度測定部41によって計測された代表点またはその周辺の測定対象の濃度測定値は、濃度測定領域Sに設定された代表点の情報と対応付けられて処理部に出力される。処理部は、第2の濃度測定装置41による濃度測定値を当該代表点の濃度として取扱い、上記連立方程式を作成して解くことにより、各代表点における濃度を算出する。
このように、濃度測定領域Sに設定された1または複数の代表点における濃度をサンプリング式のレーザ式ガス分析計43でそれぞれ計測し、その計測値を濃度分布の作成に反映させることにより、濃度分布の精度を向上させることが可能となる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
本実施形態に係る濃度分布測定装置は、特に、ガス配管のように、測定対象を含むガスが流通する機器2において、ガス内に含まれる測定対象の濃度分布を取得する場合に適用されて好適なものである。本実施形態に係る濃度分布測定装置は、図17および図18に示すように、レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に、ダストを遮蔽するための板状部材45を有している。
この板状部材45は、レーザ光の経路に沿って設けられた長尺状の部材である。板状部材45の縦断面形状は、ガス流れ上流側に突出する形状とされていることが好ましい。図18では、板状部材45の縦断面形状が逆V字型である場合を例示しているが、縦断面形状はこの例に限定されず、例えば、円弧形状とされていてもよい。このような形状とすることでガス流れの遮げになることを抑制することができる。
また、このような板状部材45をレーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に、レーザ経路に沿って設けることで、レーザ光の光路上に存在するダスト量を低減することができる。ダストは、ガス流れと板状部材45の効果で遠心力により、板状部材45のガス流れ下流側には進入しにくくなる。これにより、配管内が高ダスト雰囲気であっても、板状部材45のガス流れ下流側に低ダスト濃度の領域が形成されることとなり、レーザ光へのダストの影響を低減することができる。また、計測対象は、板状部材45のガス流れ下流側に回り込むため、測定対象の流通の変化による測定濃度の誤差は小さいと考えられる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
上述した第1実施形態では、送光部11と受光部12とが対となって配置されていた。これに対し、本実施形態に係る濃度分布測定装置では、図19に示すように、1つのレーザ照射口から異なる複数の方向に向けてレーザ光を照射可能な送光部11−1または異なる複数の方向から伝搬してきたレーザ光を受光可能な受光部12−1を採用する。このような送光部11−1および受光部12−1を用いることにより、レーザ経路の数を容易に増加させることができ、精度の高い濃度分布測定を実現することができる。
また、上記各実施形態において、レーザ光は、必ずしも濃度測定領域S上を沿うように照射される必要はない。例えば、図1に示した内部空間10において、濃度測定領域Sの設定面をXY平面とし、XY平面に直交する方向をZ軸と定義した場合に、Z軸方向における濃度が一様であると想定できる場合には、Z軸方向の座標を変えて(図1における高さ位置を変えて)レーザ光を照射することとしてもよい。
〔適用例〕
次に、上述した第1実施形態に係る濃度分布測定装置1を脱硝装置に適用する場合の一実施形態について説明する。なお、本実施形態に適用される濃度分布測定装置1は、上記第1実施形態に係るものに限定されず、いずれの実施形態に係る濃度分布測定装置を適用することとしてもよい。
図20は、本実施形態に係る脱硝装置の概略構成を示した図である。図20において、脱硝装置50は、例えば石炭を燃料とするボイラ装置5に設置され、石炭を燃焼させて生成された燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を還元剤のアンモニアと反応させた後、脱硝触媒を用いて主として水と窒素とに分解して除去する装置である。この脱硝装置50は、ボイラ本体6に接続されて燃焼排ガスを煙突7に導く煙道8に設置されており、煙道8の出口には、燃焼排ガス中の排熱を回収する熱交換器の空気予熱器9が設置されている。
脱硝装置50は、煙道8の直管部に設置されてアンモニアを注入するアンモニア注入装置(還元剤注入装置)51と、注入したアンモニアを燃焼排ガスと混合させる混合器(不図示)と、窒素酸化物とアンモニアとを反応させた後に水と窒素とに分解する脱硝触媒52と、アンモニア注入量等の制御を行う開度設定部53と、脱硝後のNOx濃度を監視(測定)する窒素酸化物濃度計(NOx計)54及び脱硝後のガス流路に仮想的に設けられた濃度測定領域における脱硝後のアンモニア濃度分布を測定する濃度分布測定装置1を備えている。
アンモニア注入装置51は、例えば図21に示すように、アンモニア供給源に接続された流路配管のアンモニア主系統56に総流量制御弁57を備えている。このアンモニア主系統56は、総流量制御弁57の下流において、ヘッダ58から分岐させた複数本(図示の例では6本)のアンモニア供給系統59を備えている。
アンモニア供給系統59は、各々が流量制御元弁60及び複数個(図示の例では3個)の注入ノズル61を備えており、排ガスを流す流路である煙道8の内部に注入ノズル61が格子状の配置となるように設置されている。注入ノズル61は、流路配管のアンモニア主系統56、ヘッダ58及びアンモニア供給系統59を通ってアンモニア供給源から供給されたアンモニアを煙道8の内部に液滴またはガスの状態で流出させ、燃焼排ガス中に還元剤のアンモニアを注入するものである。なお、液滴の状態で注入されたアンモニアは、高温の燃焼排ガスから吸熱して気化する。
こうして煙道8の内部に注入されたアンモニアのガスは、混合器を通過することにより燃焼排ガスと撹拌混合される。この結果、アンモニアは窒素酸化物と反応して脱硝触媒52を通過するので、水と窒素とに分解されることで窒素酸化物が燃焼排ガス中から除去される。
開度設定部53には、濃度分布測定装置1で測定したアンモニア濃度分布、及びNOx計54で測定した窒素酸化物濃度の測定値が入力される。このようなアンモニア濃度及び窒素酸化物濃度の入力を受けた開度設定部53は、窒素酸化物濃度に基づいて総流量制御弁57の開度の設定(開度制御)を行うとともに、複数個所のアンモニア濃度に基づいて各流量制御元弁60の開度の設定(開度制御)を行う。すなわち、開度設定部53は、窒素酸化物濃度に基づく総流量制御弁57や、濃度分布測定装置1で得られたアンモニア濃度分布に基づく流量制御元弁60の開度制御信号を出力する。
この場合、開度設定部53による流量制御元弁60の開度制御は、予め定めたアンモニア濃度と流量制御元弁60毎の開度との相関関係を定めた制御マップに基づいて行われる。すなわち、脱硝装置50は、ボイラ装置5毎に諸条件(煙道8の流路系統や流路断面積、燃料の種類等)が異なるため、事前に相関関係のデータを実験等により入手して制作した制御マップを開度設定部53に記憶しておく。なお、この制御マップでは、煙道8内のアンモニア濃度を同一流路断面内で測定した複数位置のアンモニア濃度に対して、複数系統のアンモニア供給系統59毎に異なる流量制御元弁60の開度を個別に設定するものである。
NOx計54は、煙道8において脱硝触媒52の下流側で脱硝後の窒素酸化物濃度を測定する。すなわち、NOx計54は、脱硝装置50による脱硝効果を監視するセンサであり、所望の脱硝が行われるように、開度設定部53からアンモニア供給量を増減するように総流量制御弁57の開度信号を出力する。
濃度分布測定装置1は、上述したように、脱硝触媒30の下流側における煙道8の流路断面内に仮想的に設定した濃度測定領域のアンモニア濃度分布を作成し、このアンモニア濃度分布を開度設定部53に出力する。
このような脱硝装置50によれば、濃度分布測定装置1によって、煙道8における脱硝触媒52の下流側におけるアンモニア濃度分布が検出されるとともに、NOx計54によって窒素酸化物濃度が検出され、この検出結果がそれぞれ開度設定部53に出力される。開度設定部53では、窒素酸化物濃度に基づいて総流量制御弁57の開度制御が行われ、かつ、濃度分布測定装置1によって得られたアンモニア濃度分布に基づいて流量制御元弁60の開度制御が行われる。これにより、脱硝装置50の運転を継続しながら、時定数の短いアンモニア濃度の測定値に応じ、複数のアンモニア供給系統59毎に分配されるアンモニア注入量を自動的に調整することができる。
このとき、流量制御元弁60の開度制御は、予め定めたアンモニア濃度と流量制御元弁60毎の開度とのマップに基づいて行われるので、窒素酸化物濃度により総供給量が規定されたアンモニアは、流量制御元弁60の開度に応じてアンモニア供給系統59に対するアンモニア分配量が調整される。
アンモニア濃度の検出値が高いことは、すなわち、リークアンモニア(未反応アンモニア)が増大したことは、脱硝触媒52の触媒性能が劣化したことを意味するので、濃度分布測定装置1によって測定されたアンモニア濃度分布から、煙道8の流路断面位置に対応した脱硝触媒52の劣化状況を把握できる。
このように、アンモニア濃度分布が脱硝触媒52の性能劣化と関連しているので、アンモニア濃度分布に基づいてアンモニア注入装置51によるアンモニア注入量の分布制御を実施すれば、リークアンモニアの分布をコントロールすることができる。また、リークアンモニアは、空気予熱器9を閉塞させる原因でもあるから、アンモニア濃度検出に基づいてアンモニア注入装置51によるアンモニア注入量の分布制御を実施すれば、空気予熱器9の閉塞防止も可能になる。
本実施形態に係る脱硝装置によれば、脱硝装置の運転を継続しながら、時定数の短い還元剤濃度の測定値に応じて、複数の還元剤供給系統毎に分配される還元剤注入量を自動的に調整することが可能になる。これにより、還元剤注入の分配最適化による脱硝触媒の寿命延長や脱硝触媒更新の効率化を達成することができる。この結果、脱硝装置においては、脱硝触媒の更新に伴うコストの低減やアンモニア消費量の最適化を実現できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
1 濃度分布測定装置
5 ボイラ装置
11 送光部
12 受光部
16 レーザ光源
19 光検出部
20 測定制御部
30、30´ 処理部
31 第1記憶部
32、32´ 第2記憶部
33 距離算出部
34 方程式作成部
35 濃度算出部
36 分布作成部
45 板状部材
50 脱硝装置
51 アンモニア注入装置
52 脱硝触媒
53 開度設定部
56 アンモニア主系統
57 総流量制御弁
58 ヘッダ
59 アンモニア供給系統
60 流量制御元弁
61 注入ノズル

Claims (12)

  1. 測定対象を含む内部空間に仮想的に設けられた濃度測定領域に向けてレーザ光を照射する複数の送光手段と、
    前記送光手段から照射されて前記濃度測定領域を伝搬したレーザ光を受光する複数の受光手段と、
    各前記受光手段によって受光されたレーザ光の光強度を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段によって検出された各レーザ光の光強度を用いて前記濃度測定領域の濃度分布を作成する処理手段と、
    濃度測定手段と
    を有し、
    前記送光手段及び前記受光手段は、事前に設定されたN通り以上のレーザ経路に沿ってレーザ光を照射および受光する位置に設けられ、前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、
    前記濃度測定手段は、前記代表点またはその周辺のガスまたは液体を吸引し、吸引したガスまたは液体に含まれる前記測定対象の濃度を測定し、
    前記処理手段は、
    前記レーザ経路毎に、当該レーザ経路上の各前記代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出手段と、
    レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出手段で得られた前記局所区間の距離及び前記光検出手段により検出された各前記レーザ光の光強度を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成手段と、
    前記濃度測定手段によって測定された前記代表点またはその周辺の濃度を該代表点の濃度として取り扱うとともに、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出手段と、
    算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成手段と
    を有し、
    前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定装置。
  2. 測定対象を含み、ガスが流通する配管内に形成された内部空間に仮想的に設けられた濃度測定領域に向けてレーザ光を照射する複数の送光手段と、
    前記送光手段から照射されて前記濃度測定領域を伝搬したレーザ光を受光する複数の受光手段と、
    各前記受光手段によって受光されたレーザ光の光強度を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段によって検出された各レーザ光の光強度を用いて前記濃度測定領域の濃度分布を作成する処理手段と
    レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に設けられた板状部材と
    を有し、
    前記送光手段及び前記受光手段は、事前に設定されたN通り以上のレーザ経路に沿ってレーザ光を照射および受光する位置に設けられ、前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、
    前記処理手段は、
    前記レーザ経路毎に、当該レーザ経路上の各前記代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出手段と、
    レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出手段で得られた前記局所区間の距離及び前記光検出手段により検出された各前記レーザ光の光強度を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成手段と、
    前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出手段と、
    算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成手段と
    を有し、
    前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定装置。
  3. 前記板状部材は、前記ガス流れ上流側に向けて突出する形状とされている請求項に記載の濃度分布測定装置。
  4. 前記距離算出手段は、
    前記レーザ経路が1つの前記代表点のみを通過する場合には、そのレーザ経路の距離を該代表点に対応する前記局所区間として算出し、
    前記レーザ経路が複数の前記代表点を通過する場合には、当該レーザ光の経路を、隣接する前記代表点の間で分割して各代表点に対応する局所区間を作成し、それぞれの前記局所区間の距離を算出する請求項1から請求項3のいずれかに記載の濃度分布測定装置。
  5. 前記濃度演算式は以下の(1)式で表わされる請求項1から請求項4のいずれかに記載の濃度分布測定装置。
    I(L)=Iexp[−k(C+C+・・・+C)] (1)
    (1)式において、I(L)はレーザ光の受光強度、Iはレーザ光の照射強度、kは測定対象の吸光度に応じて設定される比例係数、C、C、・・・、Cは各代表点における濃度、L、L、・・・、Lは各代表点に対応する局所区間の距離である。
  6. 前記距離算出手段に代えて、前記レーザ経路毎に設定された簡易濃度演算式を格納する記憶手段を備え、
    前記簡易濃度演算式は、前記濃度演算式において、前記代表点の濃度が未知数として定義されているとともに、各前記局所区間の距離が既知の値として定義されている請求項1から請求項のいずれかに記載の濃度分布測定装置。
  7. 前記濃度測定領域内にレーザ経路の一端が存在するレーザ経路を設定し、該レーザ経路上に存在する前記測定対象の濃度を計測するための送光手段および受光手段を更に備える請求項1から請求項のいずれかに記載の濃度分布測定装置。
  8. 前記内部空間は、前記測定対象を含むガスが流通する配管内に形成されており、
    前記レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側には、板状部材が設けられている請求項1に記載の濃度分布測定装置。
  9. 排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置であって、
    還元剤主系統に設けた総流量制御弁の下流から分岐させた複数の還元剤供給系統が各々少なくとも1個の注入ノズルと該注入ノズルの上流側に位置する流量制御元弁とを備え、前記排ガスを流す流路内に設置されて前記注入ノズルから前記排ガス中に還元剤を注入する還元剤注入装置と、
    前記還元剤と前記排ガスとを混合させる流体混合装置と、
    前記窒素酸化物と前記還元剤とを反応させた後に主として水と窒素とに分解する脱硝触媒と、
    前記脱硝触媒下流側の前記流路断面内における還元剤濃度分布を測定する請求項1から請求項8のいずれかに記載の濃度分布測定装置と、
    窒素酸化物濃度を計測する窒素酸化物濃度計と、
    前記還元剤濃度分布及び前記窒素酸化物濃度の計測値が入力され、前記窒素酸化物濃度に基づいて前記総流量制御弁の開度の設定を行うとともに、前記還元剤濃度分布に基づいて複数個所の前記流量制御元弁毎の開度の設定を行う開度設定部と
    を具備する脱硝装置。
  10. 前記流量制御元弁の開度の設定は、予め定めた還元剤濃度と前記流量制御元弁毎の開度とのマップに基づいて行われる請求項9に記載の脱硝装置。
  11. 測定対象を含む内部空間に仮想的に設定された濃度測定領域における前記測定対象の濃度分布を作成する濃度分布測定方法であって、
    前記濃度測定領域にN(Nは2以上の整数)個の代表点を設定する代表点設定工程と、
    各前記代表点を少なくとも1回は通過するとともに、交差点が前記代表点となるようなN通り以上のレーザ経路を設定するレーザ経路設定工程と、
    前記レーザ経路毎に、レーザ光が通過する各代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出工程と、
    各前記レーザ経路に従ってレーザ光を照射し、前記レーザ経路を伝搬したレーザ光の光強度を検出する測定工程と、
    前記代表点またはその周辺のガスまたは液体を吸引し、吸引したガスまたは液体に含まれる前記測定対象の濃度を測定する濃度測定工程と、
    レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出工程で得た前記局所区間の距離及び前記測定工程で得た測定結果を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成工程と、
    前記濃度測定工程によって測定された前記代表点またはその周辺の濃度を該代表点の濃度として取り扱うとともに、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出工程と、
    算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成工程と
    を含み、
    前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定方法。
  12. 測定対象を含み、ガスが流通する配管内に形成された内部空間に仮想的に設定された濃度測定領域における前記測定対象の濃度分布を作成する濃度分布測定方法であって、
    前記濃度測定領域にN(Nは2以上の整数)個の代表点を設定する代表点設定工程と、
    各前記代表点を少なくとも1回は通過するとともに、交差点が前記代表点となるようなN通り以上のレーザ経路を設定するレーザ経路設定工程と、
    前記レーザ経路毎に、該レーザ光が通過する各代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出工程と、
    レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に板状部材を設ける工程と、
    各前記レーザ経路に従ってレーザ光を照射し、前記レーザ経路を伝搬したレーザ光の光強度を検出する測定工程と、
    レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出工程で得た前記局所区間の距離及び前記測定工程で得た測定結果を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成工程と、
    前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出工程と、
    算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成工程と
    を含み、
    前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定方法。
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