JP5931557B2 - 濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、煙道の内部に挿入されて排ガスを採取するサンプリング管と、サンプリング管に対して加熱導管を介して接続されるフローセルユニットと、フローセルユニットに接続されるレーザ式ガス分析計とを備えるアンモニア濃度測定装置が開示されている。特許文献2に開示されているアンモニア濃度測定装置では、サンプリング管の内部に三酸化硫黄(SO3)を吸着するがアンモニアを通過させる吸着剤を装填し、排ガスから三酸化硫黄を除去したガスをレーザ式ガス分析計に導入させることで、アンモニアの測定精度を向上させている。
ガスを吸引して測定用の配管に導く必要があることから、測定の高速化が困難である。
ガスを測定用の配管に引き込んだ後に濃度測定を行うことから、配管を流通しているガスと測定管に引き込まれたガスの状態(例えば、温度等)が異なってしまい、測定精度が低下する。
流通ガスを局所的に採取して濃度測定を行うため、局所的なガス濃度測定はできても、濃度分布を取得することができない。また、サンプリング箇所を逐次変えて濃度測定を行えば、濃度分布を取得することは可能であるが、位置毎にガスの吸引、排出が必要となり、作業が煩雑であるとともに時間がかかる。
本発明は、測定対象を含む内部空間に仮想的に設けられた濃度測定領域に向けてレーザ光を照射する複数の送光手段と、前記送光手段から照射されて前記濃度測定領域を伝搬したレーザ光を受光する複数の受光手段と、各前記受光手段によって受光されたレーザ光の光強度を検出する光検出手段と、前記光検出手段によって検出された各レーザ光の光強度を用いて前記濃度測定領域の濃度分布を作成する処理手段と、濃度測定手段とを有し、前記送光手段及び前記受光手段は、事前に設定されたN通り以上のレーザ経路に沿ってレーザ光を照射および受光する位置に設けられ、前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、前記濃度測定手段は、前記代表点またはその周辺のガスまたは液体を吸引し、吸引したガスまたは液体に含まれる前記測定対象の濃度を測定し、前記処理手段は、前記レーザ経路毎に、当該レーザ経路上の各前記代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出手段と、レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出手段で得られた前記局所区間の距離及び前記光検出手段により検出された各前記レーザ光の光強度を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成手段と、前記濃度測定手段によって測定された前記代表点またはその周辺の濃度を該代表点の濃度として取り扱うとともに、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出手段と、算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成手段とを有し、前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定装置を提供する。
上記「前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、」とは、例えば、濃度測定領域が2次元的に設定されていた場合に、全てのレーザ経路が濃度測定領域と同一平面上に設定されることをも限定するものではない。例えば、濃度測定領域Sの設置面をXY平面とし、XY平面に直交する方向をZ軸と定義した場合に、Z軸方向の座標を変えたレーザ経路を設定してもよく、全てのレーザ経路を濃度測定領域Sに投影させた場合に、上記の条件を満たしていればよいという意味である。
本発明によれば、濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、交差点が代表点となるようなN通り以上のレーザ経路が設定され、各レーザ経路においてレーザ光の照射と受光が行われることにより、レーザ光の照射強度と受光強度とが検出され、処理手段に出力される。
処理手段では、距離算出手段によって、レーザ経路毎に、レーザ経路上の代表点に対応する局所区間が設定され、各局所区間の距離が算出される。方程式作成手段では、レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、各代表点に対応する局所区間の距離、各代表点における濃度の関係が定義された濃度演算式に対して、レーザ照射によって得られた測定結果および距離算出手段によって算出された局所区間の距離が用いられることにより、レーザ経路毎に、各代表点における濃度が未知数として定義された条件式が作成される。これにより、代表点の濃度が未知数とされた、レーザ経路と同数の条件式からなる連立方程式が作成されることとなる。ここで、連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされているので、濃度算出手段では、この連立方程式を解くことで、全ての未知数が特定される。これにより、各代表点の濃度が算出されることとなる。そして、各代表点の濃度を用いることにより、分布作成手段により濃度測定領域における測定対象の濃度分布が作成される。更に本発明によれば、板状部材をレーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に設けることにより、ガス中に含まれるダストの影響による測定精度の低下を抑制することができる。また、この場合において、前記板状部材を、前記ガス流れ上流側に向けて突出する形状とすることで、ガス流れの妨げになることを抑制することができる。
上記「前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、」とは、例えば、濃度測定領域が2次元的に設定されていた場合に、全てのレーザ経路が濃度測定領域と同一平面上に設定されることをも限定するものではない。例えば、濃度測定領域Sの設置面をXY平面とし、XY平面に直交する方向をZ軸と定義した場合に、Z軸方向の座標を変えたレーザ経路を設定してもよく、全てのレーザ経路を濃度測定領域Sに投影させた場合に、上記の条件を満たしていればよいという意味である。
上記濃度分布測定装置において、前記濃度演算式は、例えば、以下の(1)式で表わされる。
I(L)=I0exp[−k(C1L1+C2L2+・・・+CnLn)] (1)
(1)式において、I(L)はレーザ光の受光強度、I0はレーザ光の照射強度、kは測定対象の吸光度に応じて設定される比例係数、C1、C2、・・・、Cnは各代表点における濃度、L1、L2、・・・、Lnは各代表点に対応する局所区間の距離である。
このように、局所区間の距離が既知の値として定義されている簡易濃度演算式を各レーザ経路毎に予め用意しておくことにより、連立方程式を比較的容易に作成することができる。
このように、濃度測定領域内に一端が存在するレーザ経路を設定することにより、レーザ経路の距離を短くすることが可能となり、比較的高い精度で濃度を測定することができる。このような濃度測定値を用いて連立方程式を作成することにより、濃度測定の精度を向上させることが可能となる。
本発明は、測定対象を含み、ガスが流通する配管内に形成された内部空間に仮想的に設定された濃度測定領域における前記測定対象の濃度分布を作成する濃度分布測定方法であって、前記濃度測定領域にN(Nは2以上の整数)個の代表点を設定する代表点設定工程と、各前記代表点を少なくとも1回は通過するとともに、交差点が前記代表点となるようなN通り以上のレーザ経路を設定するレーザ経路設定工程と、前記レーザ経路毎に、該レーザ光が通過する各代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出工程と、レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に板状部材を設ける工程と、各前記レーザ経路に従ってレーザ光を照射し、前記レーザ経路を伝搬したレーザ光の光強度を検出する測定工程と、レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出工程で得た前記局所区間の距離及び前記測定工程で得た測定結果を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成工程と、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出工程と、算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成工程とを含み、前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定方法を提供する。
以下、本発明の第1実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る濃度分布測定領域について説明するための図である。図1に示すように、機器2の内部空間10には測定対象を含むガスが流通している。機器2の一例としては、事業用ボイラ、産業用ボイラ、工業炉などの排ガス口に接続された排気ダクトなどのガス配管や、ガスが充填された容器等が挙げられる。
濃度測定領域Sは、例えば、機器2がガスの流通する排気ダクトなどの配管である場合には、ガス流れの所定の位置における流路断面とされる。
また、レーザ光源16から照射されるレーザ光の照射強度は、例えば、光検出部(図示略)によって検出され、後述する処理部30に通知される。また、測定制御部20と処理部30とは、相互に情報を送受信できる構成とされており、例えば、測定制御部20からチャネル走査等の情報が処理部30に通知される。
受光側セレクタ18と光検出部19とは光ファイバFを介して接続されている。測定制御部20が、送光側光セレクタ17のチャネル走査と同期して、受光側光セレクタ18のチャネルを走査することにより、送光部11から照射されたレーザ光が対応する受光部12によって受光され、受光された光の情報が受光側光セレクタ18を介して光検出部19に出力される。光検出部19は、入力された光の情報を電気信号に変換して処理部30に出力する。
このように、受光側光セレクタ18を設けることで、光検出部19を共有化でき、装置の更なる小型化及び低コスト化を図ることが可能となる。
なお、送光側光セレクタ17に代えて、各送光部11に対応してそれぞれレーザ光源16を設けてもよく、同様に、受光側光セレクタ18に代えて、各受光部12に対応して光検出部19をそれぞれ設けることとしてもよい。
レーザ光の光強度と測定対象の濃度との関係を示す関係式として、ランベルト・ベール(Lambert−Beer)の法則が知られている。
まず、図6に示すように、濃度測定領域SにN個の代表点を設定する(代表点設定工程)。ここで、代表点の個数、位置については任意に設定することができる。本実施形態では、一例として、濃度測定領域Sを3行13列からなる39個のセルに等分し、各セルの中心に代表点P1〜P39を設定している。
このようにして設定されたレーザ経路の各々には、例えば、固有の識別情報が付され、識別情報によって特定が可能とされる。
第2記憶部32には、上記(2)式で表わされる濃度演算式、濃度測定領域Sにおける代表点の位置、濃度測定領域Sに設定された各レーザ経路とその距離情報など、濃度測定領域Sにおける濃度分布を得るために必要となる情報が格納されている。
例えば、図10に示すように、代表点P1、P2、P3を通過するレーザ経路であれば、代表点P1とP2との中点及び代表点P2とP3との中点において当該レーザ経路を分割し、各局所区間の距離L1、L2、L3を算出する。なお、レーザ経路の分割位置は、代表点と代表点との間のいずれかの位置であればよく、中点に限定されない。
例えば、図10に示した代表点P1、P2、P3を通過するレーザ経路であれば、このレーザ経路に対応する条件式は以下の(3)式で表わされる。
そして、このような条件式が各レーザ経路に対応して作成されることにより、レーザ経路の数に対応する条件式からなる連立方程式が作成される。
濃度分布作成部36は、濃度算出部35によって算出された各代表点の濃度を補間することにより測定対象領域Sの濃度分布を作成する。
まず、図2に示すように、計測制御部20によりレーザ制御部15を介してレーザ光源16が起動され、更に、レーザ光の出力が安定した後に、送光側光セレクタ17及び受光側光セレクタ18のチャネル走査が同期して行われる。これにより、各レーザ光路における測定が行われる(測定工程)。
例えば、送光側光セレクタ17及び受光側セレクタ18のチャネルが予め設定された所定の順番に従って順次切り替えられることにより、各送光部からレーザ光が順次照射され、所定のレーザ経路を通過することで測定対象により吸光されたレーザ光が対応する受光部12によって受光される。なお、送光側光セレクタ17及び受光側セレクタ18を用いずに、各送光部11にレーザ光源16をそれぞれ設け、受光部12に光検出部19をそれぞれ設けた場合には、全てまたは複数の送光部11から同時にレーザ光を照射し、全てまたは複数の受光部12において受光するようにすることもできる。
このようにして処理部30に入力された検出値とレーザ経路の情報とは関連付けられて第1記憶部31(図9参照)に格納される。更に、上記レーザ照射の際のレーザ光の照射強度も光センサ(図示略)によって検出され、処理部30の第1記憶部31に格納される。
具体的には、距離算出部33によって各レーザ経路上の代表点に対応する局所区間の距離が算出される。このとき、算出された各レーザ経路上における局所区間の距離をレーザ経路の識別情報と関連付けて第2記憶部32に格納することとしてもよい。このようにすることで、次回の測定からは第2記憶部32に登録された局所区間の距離を読み出せばよく、算出処理を省略することができる。
このようにして得られた濃度測定領域Sの濃度分布は、例えば、処理部30が接続される表示部(図示略)に表示されることによりユーザに提示される。或いは、他の制御に用いられることとしてもよい。
次に、本発明の第2実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
本実施形態に係る濃度分布測定装置は、図13に示すように、処理部30´が距離算出部33を備えていない点、及び、(2)式で表わされる濃度演算式に代えて、レーザ経路毎に設定された簡易濃度演算式が第2記憶部32´に格納されている点で、上記第1実施形態に係る濃度分布測定装置1と異なる。
以下、本実施形態に係る濃度分布測定装置について、上述した第1実施形態に係る濃度分布測定装置と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
例えば、図10に示した代表点P1、P2、P3を通過するレーザ経路において、L1=L2=L3=a[m]であった場合、このレーザ経路に対応する簡易演算式は、以下の(4)式で表わされる。
次に、本発明の第3実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
例えば、上述した第1または第2実施形態に係る濃度分布測定装置において、濃度測定領域が広域であり、送光部11と受光部12との間の距離が長い場合、内部空間に存在するダストなどの外乱の影響を受け、測定精度が低下する可能性がある。また、送光部11から照射されたレーザ光が受光部12まで届かないことも予想される。
次に、本発明の第4実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
上述した第3実施形態に係る濃度分布測定装置では、濃度測定領域内に送光点11´および受光点12´を設定して送光点11´と受光点12´との間に存在する測定対象の濃度測定を行うこととしたが、本実施形態では、図16に示すように、濃度測定領域Sに設定された代表点またはその周辺のガスを吸引し、吸引したガス内に含まれる測定対象の濃度を測定する第2の濃度測定部41を備えている。この場合、特に、濃度測定の精度は、濃度測定領域Sの中央部分において低下するため、この中央部分に位置する代表点またはその付近のガス濃度を第2の濃度測定装置41を用いて計測することが好ましい。
第2の濃度測定部41によって計測された代表点またはその周辺の測定対象の濃度測定値は、濃度測定領域Sに設定された代表点の情報と対応付けられて処理部に出力される。処理部は、第2の濃度測定装置41による濃度測定値を当該代表点の濃度として取扱い、上記連立方程式を作成して解くことにより、各代表点における濃度を算出する。
このように、濃度測定領域Sに設定された1または複数の代表点における濃度をサンプリング式のレーザ式ガス分析計43でそれぞれ計測し、その計測値を濃度分布の作成に反映させることにより、濃度分布の精度を向上させることが可能となる。
次に、本発明の第5実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
本実施形態に係る濃度分布測定装置は、特に、ガス配管のように、測定対象を含むガスが流通する機器2において、ガス内に含まれる測定対象の濃度分布を取得する場合に適用されて好適なものである。本実施形態に係る濃度分布測定装置は、図17および図18に示すように、レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に、ダストを遮蔽するための板状部材45を有している。
次に、本発明の第6実施形態に係る濃度分布測定装置及び濃度分布測定方法について説明する。
上述した第1実施形態では、送光部11と受光部12とが対となって配置されていた。これに対し、本実施形態に係る濃度分布測定装置では、図19に示すように、1つのレーザ照射口から異なる複数の方向に向けてレーザ光を照射可能な送光部11−1または異なる複数の方向から伝搬してきたレーザ光を受光可能な受光部12−1を採用する。このような送光部11−1および受光部12−1を用いることにより、レーザ経路の数を容易に増加させることができ、精度の高い濃度分布測定を実現することができる。
次に、上述した第1実施形態に係る濃度分布測定装置1を脱硝装置に適用する場合の一実施形態について説明する。なお、本実施形態に適用される濃度分布測定装置1は、上記第1実施形態に係るものに限定されず、いずれの実施形態に係る濃度分布測定装置を適用することとしてもよい。
アンモニア濃度の検出値が高いことは、すなわち、リークアンモニア(未反応アンモニア)が増大したことは、脱硝触媒52の触媒性能が劣化したことを意味するので、濃度分布測定装置1によって測定されたアンモニア濃度分布から、煙道8の流路断面位置に対応した脱硝触媒52の劣化状況を把握できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
5 ボイラ装置
11 送光部
12 受光部
16 レーザ光源
19 光検出部
20 測定制御部
30、30´ 処理部
31 第1記憶部
32、32´ 第2記憶部
33 距離算出部
34 方程式作成部
35 濃度算出部
36 分布作成部
45 板状部材
50 脱硝装置
51 アンモニア注入装置
52 脱硝触媒
53 開度設定部
56 アンモニア主系統
57 総流量制御弁
58 ヘッダ
59 アンモニア供給系統
60 流量制御元弁
61 注入ノズル
Claims (12)
- 測定対象を含む内部空間に仮想的に設けられた濃度測定領域に向けてレーザ光を照射する複数の送光手段と、
前記送光手段から照射されて前記濃度測定領域を伝搬したレーザ光を受光する複数の受光手段と、
各前記受光手段によって受光されたレーザ光の光強度を検出する光検出手段と、
前記光検出手段によって検出された各レーザ光の光強度を用いて前記濃度測定領域の濃度分布を作成する処理手段と、
濃度測定手段と
を有し、
前記送光手段及び前記受光手段は、事前に設定されたN通り以上のレーザ経路に沿ってレーザ光を照射および受光する位置に設けられ、前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、
前記濃度測定手段は、前記代表点またはその周辺のガスまたは液体を吸引し、吸引したガスまたは液体に含まれる前記測定対象の濃度を測定し、
前記処理手段は、
前記レーザ経路毎に、当該レーザ経路上の各前記代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出手段と、
レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出手段で得られた前記局所区間の距離及び前記光検出手段により検出された各前記レーザ光の光強度を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成手段と、
前記濃度測定手段によって測定された前記代表点またはその周辺の濃度を該代表点の濃度として取り扱うとともに、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出手段と、
算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成手段と
を有し、
前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定装置。 - 測定対象を含み、ガスが流通する配管内に形成された内部空間に仮想的に設けられた濃度測定領域に向けてレーザ光を照射する複数の送光手段と、
前記送光手段から照射されて前記濃度測定領域を伝搬したレーザ光を受光する複数の受光手段と、
各前記受光手段によって受光されたレーザ光の光強度を検出する光検出手段と、
前記光検出手段によって検出された各レーザ光の光強度を用いて前記濃度測定領域の濃度分布を作成する処理手段と、
レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に設けられた板状部材と
を有し、
前記送光手段及び前記受光手段は、事前に設定されたN通り以上のレーザ経路に沿ってレーザ光を照射および受光する位置に設けられ、前記N通り以上のレーザ経路は、前記濃度測定領域に仮想的に設けられたN(Nは2以上の整数)個の代表点のそれぞれを少なくとも1回は通過するとともに、互いの交差点が前記代表点となるように設定されており、
前記処理手段は、
前記レーザ経路毎に、当該レーザ経路上の各前記代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出手段と、
レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出手段で得られた前記局所区間の距離及び前記光検出手段により検出された各前記レーザ光の光強度を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成手段と、
前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出手段と、
算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成手段と
を有し、
前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定装置。 - 前記板状部材は、前記ガス流れ上流側に向けて突出する形状とされている請求項2に記載の濃度分布測定装置。
- 前記距離算出手段は、
前記レーザ経路が1つの前記代表点のみを通過する場合には、そのレーザ経路の距離を該代表点に対応する前記局所区間として算出し、
前記レーザ経路が複数の前記代表点を通過する場合には、当該レーザ光の経路を、隣接する前記代表点の間で分割して各代表点に対応する局所区間を作成し、それぞれの前記局所区間の距離を算出する請求項1から請求項3のいずれかに記載の濃度分布測定装置。 - 前記濃度演算式は以下の(1)式で表わされる請求項1から請求項4のいずれかに記載の濃度分布測定装置。
I(L)=I0exp[−k(C1L1+C2L2+・・・+CnLn)] (1)
(1)式において、I(L)はレーザ光の受光強度、I0はレーザ光の照射強度、kは測定対象の吸光度に応じて設定される比例係数、C1、C2、・・・、Cnは各代表点における濃度、L1、L2、・・・、Lnは各代表点に対応する局所区間の距離である。 - 前記距離算出手段に代えて、前記レーザ経路毎に設定された簡易濃度演算式を格納する記憶手段を備え、
前記簡易濃度演算式は、前記濃度演算式において、前記代表点の濃度が未知数として定義されているとともに、各前記局所区間の距離が既知の値として定義されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の濃度分布測定装置。 - 前記濃度測定領域内にレーザ経路の一端が存在するレーザ経路を設定し、該レーザ経路上に存在する前記測定対象の濃度を計測するための送光手段および受光手段を更に備える請求項1から請求項6のいずれかに記載の濃度分布測定装置。
- 前記内部空間は、前記測定対象を含むガスが流通する配管内に形成されており、
前記レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側には、板状部材が設けられている請求項1に記載の濃度分布測定装置。 - 排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置であって、
還元剤主系統に設けた総流量制御弁の下流から分岐させた複数の還元剤供給系統が各々少なくとも1個の注入ノズルと該注入ノズルの上流側に位置する流量制御元弁とを備え、前記排ガスを流す流路内に設置されて前記注入ノズルから前記排ガス中に還元剤を注入する還元剤注入装置と、
前記還元剤と前記排ガスとを混合させる流体混合装置と、
前記窒素酸化物と前記還元剤とを反応させた後に主として水と窒素とに分解する脱硝触媒と、
前記脱硝触媒下流側の前記流路断面内における還元剤濃度分布を測定する請求項1から請求項8のいずれかに記載の濃度分布測定装置と、
窒素酸化物濃度を計測する窒素酸化物濃度計と、
前記還元剤濃度分布及び前記窒素酸化物濃度の計測値が入力され、前記窒素酸化物濃度に基づいて前記総流量制御弁の開度の設定を行うとともに、前記還元剤濃度分布に基づいて複数個所の前記流量制御元弁毎の開度の設定を行う開度設定部と
を具備する脱硝装置。 - 前記流量制御元弁の開度の設定は、予め定めた還元剤濃度と前記流量制御元弁毎の開度とのマップに基づいて行われる請求項9に記載の脱硝装置。
- 測定対象を含む内部空間に仮想的に設定された濃度測定領域における前記測定対象の濃度分布を作成する濃度分布測定方法であって、
前記濃度測定領域にN(Nは2以上の整数)個の代表点を設定する代表点設定工程と、
各前記代表点を少なくとも1回は通過するとともに、交差点が前記代表点となるようなN通り以上のレーザ経路を設定するレーザ経路設定工程と、
前記レーザ経路毎に、レーザ光が通過する各代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出工程と、
各前記レーザ経路に従ってレーザ光を照射し、前記レーザ経路を伝搬したレーザ光の光強度を検出する測定工程と、
前記代表点またはその周辺のガスまたは液体を吸引し、吸引したガスまたは液体に含まれる前記測定対象の濃度を測定する濃度測定工程と、
レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出工程で得た前記局所区間の距離及び前記測定工程で得た測定結果を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成工程と、
前記濃度測定工程によって測定された前記代表点またはその周辺の濃度を該代表点の濃度として取り扱うとともに、前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出工程と、
算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成工程と
を含み、
前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定方法。 - 測定対象を含み、ガスが流通する配管内に形成された内部空間に仮想的に設定された濃度測定領域における前記測定対象の濃度分布を作成する濃度分布測定方法であって、
前記濃度測定領域にN(Nは2以上の整数)個の代表点を設定する代表点設定工程と、
各前記代表点を少なくとも1回は通過するとともに、交差点が前記代表点となるようなN通り以上のレーザ経路を設定するレーザ経路設定工程と、
前記レーザ経路毎に、該レーザ光が通過する各代表点に対応する局所区間の距離を算出する距離算出工程と、
レーザ光の伝搬経路のガス流れ上流側に板状部材を設ける工程と、
各前記レーザ経路に従ってレーザ光を照射し、前記レーザ経路を伝搬したレーザ光の光強度を検出する測定工程と、
レーザ光の照射強度、レーザ光の受光強度、前記局所区間の距離、及び前記代表点の濃度の関係が規定された濃度演算式に対して、前記距離算出工程で得た前記局所区間の距離及び前記測定工程で得た測定結果を用いることにより、前記レーザ経路毎に、前記代表点の濃度を未知数とした連立方程式を作成する方程式作成工程と、
前記連立方程式から各前記代表点の濃度を算出する濃度算出工程と、
算出した各前記代表点の濃度を用いて、前記濃度測定領域の濃度分布を作成する分布作成工程と
を含み、
前記連立方程式の相互の関係は、独立であり、かつ、矛盾がないものとされている濃度分布測定方法。
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