JP5943610B2 - 光走査装置及びそれを備える画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、本発明に係る別の光走査装置は、複数の光束を射出する複数の発光部を有する光源手段と、前記複数の光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向手段と、前記複数の光束を副走査断面内において前記偏向手段の偏向面に斜入射させる入射光学系と、前記偏向手段により偏向された前記複数の光束を前記被走査面に集光する結像光学系と、を備える光走査装置であって、前記結像光学系は、主走査方向に垂直な断面内における子線形状が非円弧形状である光学面を有し、主走査方向において前記結像光学系の光軸と直交する軸をY軸、副走査方向において前記光軸と直交する軸をZ軸、とし、主走査方向に垂直な断面内において、前記光学面の曲率半径をr´、前記光学面の前記光軸上の曲率半径をr、前記曲率半径r´の変化係数をDi、非球面係数をGjk、とし、前記子線形状Sを
また、本発明に係る画像形成装置は、上記光走査装置を有することを特徴とする。
(画像形成装置)
図25は、本発明の実施形態に係る光走査装置を搭載したカラー画像形成装置の副走査方向の要部断面図である。160はカラー画像形成装置、111、112、113、114は光走査装置、121、122、123、124は各々像担持体としての感光体ドラムである。ここで、光走査装置111、112、113、114は、偏向手段として単一のポリゴンミラーを用い、互いに隣接する異なる偏向面(ミラー面)に、上方側および下方側より斜入射させて反射した夫々の光を夫々の感光体ドラムに導く構成を採るものとする。
1)定義
以下の説明において、配置基準平面とは、偏向手段の回転軸に垂直で、偏向手段の偏向面の副走査方向中央を含む平面のことである。また、主走査方向とは、偏向手段の回転軸及び結像光学系(fθレンズ系)の光軸に垂直な方向(偏向手段で光束が偏向反射(偏向走査)される方向)であり、副走査方向とは、偏向手段の回転軸と平行な方向のことである。また、主走査断面とは、結像光学系の光軸と主走査方向とを含む平面のことであり、副走査断面とは、結像光学系の光軸を含み主走査断面に垂直な断面のことである。
図2は、本発明の実施形態に係るマルチビーム光走査装置の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。図3、図4は各々本実施形態のマルチビーム光走査装置の副走査方向の要部断面図(副走査断面図)である。図3は偏向手段である回転多面鏡50の偏向面51から被走査面70までの第2の光学系としての結像光学系60の副走査断面図である。図4は光源手段10の2つの発光部(発光点)A、Bから偏向面51までの第1の光学系としての入射光学系LAの副走査断面図である。
図2、図4において光源手段10は、2つの発光部A、Bを有するモノリシックマルチ半導体レーザー(マルチビーム光源)から成っている。2つの発光部A、Bから射出された2本の光束は、コリメータレンズ20により略平行光束に変換された後、シリンドリカルレンズ30に入射し、副走査方向にのみ屈折される。その後、光束は光束形状を規制する第1の開口絞り41により副走査方向の光束幅を制限される。その後、光束形状を規制する第2の開口絞り42により主走査方向の光束幅を制限され、回転多面鏡50の偏向面付近に副走査方向にのみ集光され、主走査方向に長い線像として結像される。
以下、本実施形態における副走査方向の走査線間隔の不均一性を低減する手法について詳しく説明する。
図1(a)に被走査面上の主光線位置に基づく幾何光学的な副走査方向の走査線間隔を示す。横軸は被走査面70上での走査像高(mm)であり、プラス側(図の右側)が走査開始側(図2の上側に対応)、マイナス側(図の左側)が走査終了側(図2の下側に対応)である。この走査線間隔は、主走査方向でスポット像が先行する側の発光部Aから出射した光束Raと、主走査方向でスポット像が後行する側の発光部Bから出射した光束Rbが、被走査面上を走査した時の副走査方向の間隔を示す。図1(a)で、副走査方向の走査線間隔は、走査開始側(図の右側)で大きく、走査終了側(図の左側)で小さくなっている。これは、以下のように理解される。
図1(a)の幾何光学的な走査線間隔の不均一性は、斜入射走査光学系であることに起因する。ここで、斜入射走査光学系の場合、幾何光学的な走査線間隔の不均一性を低減しても、図1(b)のスポット強度分布重心位置の相対ずれは残存することになり、従って、波動光学的な走査線間隔は均一とはならない。
本実施形態では、子線形状(主走査方向に垂直な断面内の形状)が非円弧形状であるfθレンズを介したスポット像の重心位置のずれの主走査方向における大小特性に対して幾何光学的な走査線間隔のずれの主走査方向における大小特性を逆にする。このことで、両者の和としての波動光学的な走査線間隔を揃える(より好ましくは均一化を図る)ことができる。ここで、十分な均一化が図れない場合に、副走査倍率の大小で調整し、十分な均一化を図る。
図1(b)に関し、スポット強度分布重心位置の相対ずれは、子線の非円弧形状に依存する。ここで、2つの発光部A、Bから出射された2本の光束は、図7から分かるように、子線形状が非円弧形状であるレンズ面62b上において、副走査方向に離れた位置を通過する。図12は、子線の4次の非球面係数の主走査方向に渡る変化を示している。横軸は、レンズ面62b上における主走査方向の座標であり、プラス側が走査開始側(図2の上側)、マイナス側が走査終了側(図2の下側)である。図12から分かるように、子線の4次の非球面係数は、極値をもち主走査方向に非対称に変化させており、走査開始側の方が走査終了側よりも大きくなっている。
光源の複数の発光部の配置に関しては、複数の発光部の内、主走査方向でスポット像が先行する側の発光部Aが他の発光部Bに対し、副走査方向では配置基準平面に近い側となるように配置される。そして、このように配置すると、副走査倍率の主走査方向における変化の縮小化が図れる。前述したように、この配置では幾何光学的な走査線間隔のずれが走査開始側で大きく、走査終了側で小さくすることができ、走査開始側でスポット像の重心位置のずれが小さく、走査終了側で大きいことを補正する関係とすることができる。
したがって、配置基準平面(回転多面鏡50の偏向面51の回転軸に垂直で、前記偏向手段の偏向面の副走査方向中央を含む平面)に対して光源手段10が位置する側へ向かう方向を副走査マイナス方向と定義する。
2つの発光部A、Bを図14のように配置した比較例について説明する。比較例のその他の構成については、副走査倍率を一定とした点の他は、全て第1の実施形態と同一である。図15に比較例における被走査面70上でのスポット結像位置の位置関係を示す。また、図16に比較例の副走査方向の走査線間隔を示す。ここで発光部Aから出射した光束Raが感光ドラム面上に結像する位置に、発光部Bから出射した光束Rbの結像位置を合わせる様に、所定時間δTだけタイミングをずらすようにしている。
従って、第1の実施形態においては、2つの発光部A、Bは図5のように配置される。
図1(a)に示すずれ特性と、図1(b)に示すずれ特性が逆の関係となることを利用し、
波動光学的な走査線間隔を均一にするために必要な副走査倍率の変化を小さくすることが出来る。図1(c)は主走査方向における変化率が小さく抑えられた副走査倍率を示し、図1(d)は図1(a)、図1(b)、図1(c)の特性を前提にして導かれるスポット強度分布重心位置での波動光学的な走査線間隔の均一性を示している。
第1の実施形態では、副走査方向の光束幅を規制する第1の開口絞り41と主走査方向の光束幅を規制する第2の開口絞り42を別々としている。こうすることで、第1の絞り41の配置自由度が増し、副走査倍率の変化をより小さく出来る。第1の開口絞り41の位置により、2つの発光部A、Bから出射された光束の2本の主光線が、子線形状が非円弧形状であるレンズ面62b上を通過する副走査方向の位置が変化する。
図17、図18は、各々本実施形態のマルチビーム光走査装置の副走査方向の要部断面図(副走査断面図)である。図17は偏向手段である回転多面鏡50の偏向面51から被走査面70までの第2の光学系としての結像光学系60の副走査断面図である。図18は光源手段10の2つの発光部(発光点)A、Bから偏向面51までの第1の光学系としての入射光学系LAの副走査断面図である。
第1の実施形態と同様に、光源手段は、複数の発光部の内、主走査方向でスポット像が先行する側の発光部Aが他の発光部Bに対し、副走査方向では配置基準平面に近い側となるように配置される関係である。このように配置することで、波動光学的な走査線間隔を均一にするための副走査倍率の変化を小さくしている。
上述した実施形態では、図1(b)に示す重心位置のずれ特性を図1(a)に示す幾何光学的な走査線間隔のずれ特性と逆となる関係のものを採用した。しかし、重心位置のずれ特性として、図1(a)に示す幾何光学的な走査線間隔のずれ特性と逆とならない特性のものを用い、許容範囲内で副走査倍率で調整することにより走査線間隔の均一化を図ることもできる。
また、図1(b)に示す重心位置のずれ特性を図1(a)に示す幾何光学的な走査線間隔のずれ特性と逆となる関係のものを採用し、副走査倍率を一定とする、即ち副走査倍率の調整を用いずに、走査線間隔の均一化を図ることもできる。以下、有効走査領域内において結像光学系60の副走査倍率を一定とした場合について説明する。表3に本変形例におけるマルチビーム光走査装置の光学系の諸特性を示す。
子線の非円弧形状として4次の非球面を導入したが、4次以上の項を加えても良いし、この場合に例えばレンズ面62bに関し、4次以上の非球面係数を含む非円弧形状とし、4次以上の何れかの次数の非球面係数が、光学面の有効領域内に極値を有すれば良い。また、fθレンズ系を2枚の結像光学素子より構成したが、これに限らず1枚以上の結像光学素子より構成しても良い。
また、光源手段は2つの発光部からなるモノリシックマルチ半導体レーザーに限らず、4つや8つといった発光部からなっていても良いし、面発光レーザーのようにさらに多くの発光部からなっていても良い。その場合は、最も先行して走査する光束を出射する発光部と最も遅れて走査する光束を出射する発光部について、上述の構成を満足するようにすれば同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施形態では、被走査面上のスポット像の重心位置に基づく前記走査線の前記副走査方向における位置ずれが走査開始側に対し走査終了側で大きくなる系について説明したが、走査開始側に対し走査終了側で小さくなる系を用いることもできる。この場合、被走査面上の主光線位置に基づく走査線の副走査方向における間隔が、走査開始側に対し走査終了側で小さくなるように光源の複数の発光部を配置すれば良い。
Claims (8)
- 複数の光束を射出する複数の発光部を有する光源手段と、
前記複数の光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向手段と、
前記複数の光束を副走査断面内において前記偏向手段の偏向面に斜入射させる入射光学系と、
前記偏向手段により偏向された前記複数の光束を前記被走査面に集光する結像光学系と、を備える光走査装置であって、
前記結像光学系は、主走査方向に垂直な断面内における子線形状が非円弧形状である光学面を有し、
主走査方向において前記結像光学系の光軸と直交する軸をY軸、副走査方向において前記光軸と直交する軸をZ軸、とし、主走査方向に垂直な断面内において、前記光学面の曲率半径をr´、前記光学面の前記光軸上の曲率半径をr、前記曲率半径r´の変化係数をDi、非球面係数をGjk、とし、前記子線形状Sを
前記非球面係数Gjk(k≧4)について、前記光学面の主走査方向における前記光源手段の側の有効端部での値は、前記光学面の主走査方向における前記光源手段とは反対側の有効端部での値よりも大きく、
前記複数の発光部のうち主走査方向において最も離間した2つの発光部について、各発光部からの光束が前記偏向手段により同一の角度で偏向されたときに、前記被走査面での主走査方向において前記光源手段からより遠い側に到達する光束に対応する発光部の方が、副走査方向において前記偏向手段の偏向面の中央により近い側に配置されていることを特徴とする光走査装置。 - 複数の光束を射出する複数の発光部を有する光源手段と、
前記複数の光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向手段と、
前記複数の光束を副走査断面内において前記偏向手段の偏向面に斜入射させる入射光学系と、
前記偏向手段により偏向された前記複数の光束を前記被走査面に集光する結像光学系と、を備える光走査装置であって、
前記結像光学系は、主走査方向に垂直な断面内における子線形状が非円弧形状である光学面を有し、
主走査方向において前記結像光学系の光軸と直交する軸をY軸、副走査方向において前記光軸と直交する軸をZ軸、とし、主走査方向に垂直な断面内において、前記光学面の曲率半径をr´、前記光学面の前記光軸上の曲率半径をr、前記曲率半径r´の変化係数をDi、非球面係数をGjk、とし、前記子線形状Sを
前記非球面係数Gjk(k≧4)について、前記光学面の主走査方向における前記光源手段の側の有効端部での値は、前記光学面の主走査方向における前記光源手段とは反対側の有効端部での値よりも小さく、
前記複数の発光部のうち主走査方向において最も離間した2つの発光部について、各発光部からの光束が前記偏向手段により同一の角度で偏向されたときに、前記被走査面での主走査方向において前記光源手段からより遠い側に到達する光束に対応する発光部の方が、副走査方向において前記偏向手段の偏向面の中央からより遠い側に配置されていることを特徴とする光走査装置。 - 前記結像光学系の主走査方向に垂直な断面内における結像倍率は、主走査方向において前記光軸に対して非対称に変化することを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
- 前記非球面係数のうちの何れかの次数の非球面係数と主走査方向の位置との関係を第1の関数で表し、前記結像光学系の副走査断面内における結像倍率と主走査方向の位置との関係を第2の関数で表したとき、前記第1及び第2の関数の夫々は有効走査領域内において極値を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記第1及び第2の関数の夫々が有する極値のうち、主走査方向において最も前記光軸に近い位置にある極値は、主走査方向における前記光軸に対して前記光源手段とは反対側に存在することを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
- 前記入射光学系は、前記光源手段から出射した光束の副走査方向における光束幅を規制する第1の開口絞りと、該光束の主走査方向における光束幅を規制する第2の開口絞りと、を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置と、該光走査装置により前記被走査面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置と、外部機器から出力されたコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力するプリンタコントローラと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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