以下、添付の図1〜図18の図面を参照して、本願発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図18には、本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器の全体および要部の構成が示されている。
<炊飯器本体の構成>
本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体1は、例えば一例として、図1〜図3に示すように、米および水を収容する非金属材料からなる内鍋3(例えば、一例として土鍋等セラミック製の鍋)と、該内鍋3を任意に収納セットし得るように形成された、下部側合成樹脂製の皿状の第1の保護枠(下部側の枠体)4aおよびその上部側の上下両端側が開口した筒状の第2の保護枠(上部側の枠体)4bよりなる内ケース(保護ユニット)4と、該内ケース4を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1aとによって構成されており、この炊飯器本体1の上部側開口部の一側(後部)には、該上部側開口部を開閉可能に覆蓋する蓋体2がヒンジユニット11を介して前後方向に開閉自在に取り付けられている。
上記内ケース4の下部を構成している第1の保護枠4aの上面側には、例えば皿状のセラミック製の保護枠(遮熱プレート)6が半径方向に部分的に配設された所定の厚さの接着剤を介して、かつ所定の断熱空気層を保った状態で貼設されており、このセラミック製の保護枠6の上方に第1,第2の誘導発熱体G1,G2を含む内鍋3の底壁部(フラット面部およびアール面部の略全体)3aが載置され、その下面側をカバーされるようになっている。このセラミック製の保護枠6の中央には、上記第1の保護枠4a中央のセンターセンサー嵌挿穴10aに対応するセンターセンサー嵌挿穴6aが設けられており、さらにその外周囲には、周方向に120゜の間隔を置いて、内鍋支持用の凸状パッキン6b,6b,6bを嵌装する嵌装孔が設けられている。そして、この嵌装孔内に、図示のようにシリコンゴム等の耐熱性が高く、弾性がある凸状パッキン6b,6b,6bが嵌装され、下部側第1の保護枠4aのポケット部P,P,Pとの間で安定した固定状態に支持されている。
そして、その上部に内鍋3の底壁部3aの高台部分が当接する状態で内鍋3の開口部が後述する肩部材8部分に吊設され、セラミック製の保護枠6との間に所定の隙間(通風空間)を保った状態で支持されるようになっている。
ところで、この実施の形態の場合、上記第1の保護枠4aと第2の保護枠4bは、それぞれ相互に別体に構成されており、図3、図4に示すように、第1の保護枠4aの周壁部上端の段部41部分に、上記セラミック製の保護枠6の開口部6c外周側フランジ部6dを介して、環状の枠部材42を嵌合し、該環状の枠部材42を介して、その上部42a部分に第2の保護枠4bの下端側を載置嵌合して、内鍋3を収納し得る内ケース構造とするようになっている。この第1の保護枠4aは、後述するように、フローティング支持機構によって、上述の底ケース1b上に支持されている。
一方、第2の保護枠4bは、合成樹脂製の筒状部材40aを中心とし、その上端側に所定幅水平方向外方に張り出した肩部材および各種補強部材等取付用の取付縁部40c,40d,40e,40fを形成しているとともに、さらに同筒状部材40aの内周側には金属製の略同じ上下幅の筒状部材40bが所定の隙間を保って2重筒構造に一体化されている。
そして、内鍋側金属製の筒状部材40bの外周面には、炊飯および保温時において加熱手段として機能する例えばコードヒータ等よりなるヒータH1が設けられており、炊飯時および保温時において上記内鍋3の側壁部3bを有効かつ均一に加熱するようになっている。
さらに、同金属製の筒状部材40bの下端側には、嵌合時において上記下方側皿状のセラミック製の保護枠6の開口部6c内周面に延設されて嵌合部を内外方向にシールするスカート状のパッキン35が取り付けられており、第1の保護枠4aおよびセラミック製の保護枠6の上端側に環状の枠部材42を介して第2の保護枠4bを嵌合した時に、同パッキン35のスカート部(シール用縁部)35aがセラミック製の保護枠6の上端側開口部6cの内周面に対して隙間なく内接するようになっている(図3,図4参照)。
一方、この時、上記環状の枠部材42の下端と上記セラミック製の保護枠6の上端側開口部6cの外端側外周のフランジ部6dとの間には、所定上下寸法の隙間Aが形成され、同隙間Aを介して水分が外方に排出されるようになっている(図3、図4参照)。
また、上記パッキン35の取付用基部35bの内周面側には、収納された内鍋3の側壁部3bの下端部分と当接して当該内鍋3の中心位置を規制するセンタリング用凸部35c,35c・・・が周方向に所定の間隔を保って複数個設けられている。
一方、内鍋3の底壁部3aの外周面および該底壁部3aから側壁部3b面に至る間の湾曲面における外周面には、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な、例えば銀ペースト等の金属製の第1,第2の誘導発熱体G1,G2が個別に貼設されている。
そして、上記内ケース4の底壁部である第1の保護枠4aの下方側には、図8に示すようなコイル台9が設けられ、その周方向4方の下面部側にはフェライトコア収納部9c,9c・・を介してフェライトコア7,7・・が配置され、また、同コイル台9の上部側には、上記内鍋3の底壁部3aの下面側と側部湾曲面側の上記第1,第2の各誘導発熱体G1,G2位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された内鍋加熱手段である第1,第2の2組のワークコイルC1,C2が配設されており、それにより通電時には内鍋3の上記第1,第2の誘導発熱体G1,G2にうず電流を誘起して、内鍋3を間接的に加熱するようになっている。
なお、上記第1,第2のワークコイルC1,C2の一端は、図示しない整流回路および平滑回路を介した電源ラインに、また他端は、図示しないIGBT(パワートランジスタ)のコレクタにそれぞれ接続されている。
他方、上記外ケース1aは、例えば合成樹脂材で形成された上下方向に筒状のカバー部材により形成されており、該カバー部材(即ち、外ケース1a)の上端部は、合成樹脂製の方形環状の肩部材8の外周縁部分が嵌合状態で結合され、その内鍋3側の円形の開口部が上述した炊飯器本体1の開口部外周縁を形成している。また、上記カバー部材(即ち、外ケース1a)の下端部には、合成樹脂製の底ケース1bが結合され、上記内ケース4の第1の保護枠4aとの間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成している。
そして、上記内ケース4下方側の上記コイル台9の中央部には、上下方向に同心状に貫通したセンターセンサー嵌合口(センターセンサー収納空間部)が形成されており、該センターセンサー嵌合口に上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態でサーミスタ等の内鍋温度検知センサーよりなるセンターセンサーCSが設けられている。
ところで、上記内ケース4、外ケース1a、肩部材8、底ケース1bの各々は、高圧状態での炊飯がなされる圧力型の電気炊飯器の特性を考慮して、それぞれ十分な補強構造が採用されている。
中でも、高圧時には、フラットで平面方向の面積が大きい上記蓋体2に対して内鍋3側からの押し上げ圧力が大きく作用し、内ケース4と外ケース1aの上端側に支持されている炊飯器本体1側肩部材8部分を強く上方に引き上げることになる。
その結果、蓋体2と炊飯器本体1側との間に隙間が生じやすくなり、この状態が繰り返されることにより経年的に変形が生じて、場合によっては隙間が生じ、圧力漏れを生じることも想定される。また、変形が生じると、見映えも悪くなる。
また、近年の電気炊飯器では、本実施の形態のように土鍋等非金属製の鍋が採用されることから、内鍋の厚み増による重量増、また、この実施の形態のような圧力機能搭載による重量増などで、炊飯器本体1の重量が増加する傾向にある。その為、市場での落下時の本体破損を避ける為に梱包箱内の緩衝材や梱包箱自体の寸歩が大きくなる傾向にある。現状の梱包時の緩衝材は上下に入れて対応するようにしている。その為、横方向に落とされた際の衝撃を緩和する為にパットの横方向の寸法を大きくすることによって対応をしている。そのため、梱包箱の寸法も大きくなり、当然コストも増大している。
そこで、この実施の形態では、上記肩部材8が取り付けられる基幹部材である内ケース4の上部側第2の保護枠4bに対して、前後一対の補強部材30,31と左右一対の補強部材32,33とを設け(何れも金属製)、それぞれ第2の保護枠4bの前後、左右各部をそれらによって上下両側から挟む状態で強固に取り付けるようにし、上記第2の保護枠4b部分の強度、剛性を大きく向上させることにより、上述のような問題を解決している(図6、図7参照)。
今、図7は、図5に示す第2の保護枠4bの前後および左右の各々に対応する各一対の補強部材30,31、32,33をそれぞれ分解状態で示した斜視図であり、また、図6は、同第2の保護枠4bに対して前後左右各一対の補強部材30,31、32,33、ヒンジユニット取付片補強部材11a等を介して肩部材8を取り付けた状態の下面図、図3は同補強材等取付状態における要部の構成を示す部分的な断面図である。
前後一対の補強部材30,31は、図示のように、第2の保護枠4bの上端の前後両側の各取付縁部40c,40dの上面側に各々複数のネジを介して螺合締結されて一体化されているとともに、左右一対の補強部材32,33は、第2の保護枠4bの上端側左右取付縁部40e,40fの下面側に位置して同取付縁部40e,40fの下面に対して下方側から複数本のネジにより締結固定して一体化されている。
左右一対の補強部材32,33は、上記左右一対の補強部材取付縁部40e,40fの左右方向の幅と略同等の幅を有し、その幅方向の一側面側(筒状部40a側)に上記第2の保護枠4bの筒状部40aの円弧面に沿って係合する凹溝部32a,33aを有するとともに、他側面側には補強用の鉤状のリブ32f,33fを有し、かつ前後方向の長さが上記前後一対の補強部材取付縁部40c,40dの前後両端側まで届きかつ、同前後方向両端部32b,32c、33b,33cの内側部分が上記前後一対の補強部材取付縁部40c,40dの両端部下方まで所定長さ延設されて、同延設部32d,32e、33d,33e部分が上記前後一対の補強部材30,31の左右両端30a,30b、31a,31b部分と所定長さ(かつ所定幅)オーバラップするようになっており、両者の螺合取付状態では相互に強固に連結されて一体化されるようになっている。
この場合、上記前後一対の補強部材30,31および左右一対の補強部材32,33は、それぞれ一対のものが同一形状、同一寸法のものとなっており、何れも1種類のものを製作すれば足りるので、部品の種類を増やさなくて済むし、組付作業も楽である。
このように、上記炊飯器本体肩部の基幹部材である第2の保護枠4bの前後および左右に各々補強部材30,31、32,33を設け、それらを第2の保護枠4bの上端側縁部部分を挟む状態で取り付けて補強するようにすると、炊飯器本体1側肩部の強度、剛性が向上し、内鍋3内の圧力が高くなって、蓋体2を押し上げるような力が作用した時にも肩部材8が変形するようなことがなくなり、周方向の全体に亘って均一な水平度を保つことができるようになる。
その結果、蓋体2と炊飯器本体1側肩部との間のシール性も維持される。
また、左右両側の補強部材32,33が、炊飯器幅方向の強度、剛性を向上させるから、梱包時における炊飯器幅方向の緩衝吸収材の寸法を拡大させなくて済むようになる。
また、この実施の形態では、同構成において、前後の補強部材30,31と左右の補強部材32,33とは、第1の保護枠4aの前後左右の取付縁部40c,40d、40e,40fを介して一部が相互に重なり合うように取り付けられている。
このような構成によると、上記取付状態において、前後および左右各々の各補強部材30,31、32,33が相互に連結、リンクされる形で第2の保護枠4bに対して一体に取り付けられることになるから、肩部周方向の全体を一層均一かつ強固に補強することになる。
その結果、周方向の全体に亘って、より均一な水平度を保つことができるようになり、上述した蓋体2と炊飯器本体1側肩部との間のシール性も一段と高くなる。
また、炊飯器幅方向の強度、剛性も、より向上する。
しかも、この実施の形態では、上記左右の補強部材32,33は、少なくとも炊飯器本体1の左右幅方向最大寸法部分を含んで設けられている。
このような構成によると、特に炊飯器本体1の左右幅方向最大寸法部分の強度、剛性が高くなる。
その結果、より確実に、梱包時における炊飯器幅方向の緩衝材の寸法を拡大させなくて済むようになる。
これらの結果、同構成によると、次のような有益な効果を得ることができる。
(1) 従来の肩部構造に比べて、大きく強度が向上し、経年的な変形も生じないので、長期に亘って安定したシール性能を維持することができる。
したがって、製品の信頼性が高くなる。
(2) 製品の側面方向からの落下に対する耐衝撃力が向上し、梱包時の緩衝材の寸法を小さくすることができる。
その結果、販売・流通用のコストを削減することができる。
なお、左右一対の補強部材32,33の前後には、第2の保護枠4bの取付用ボス部材40g,40gを挿通する穴32h,32h,33h,33hや水平方向の係合凹部32g,32g,33g,33gが設けられている。
<蓋体の構成>
一方、上記蓋体2は、その上部外周面を構成する合成樹脂製の上板21と、該上板21の内側(下側)に設けられた同じく合成樹脂製の下板22と、該下板22の本体部の内側(下側)にゴム製の第1のパッキン25を介して重合固定される蓋ヒータ(図示省略)を有する金属製の放熱板23と、該放熱板23の下方に設けられ、その外周縁部分に合成樹脂製の着脱可能な枠部材27を介してゴム製の第2のパッキン14が取り付けられている金属製の内カバー24とから形成されている。
そして、耐圧力強度を高めるために、中心となる上記下板22本体部分の後端部22aの外周側部分を連結片22b、ネジ22cを介してヒンジユニット11側の連結片11cに係止しているとともに、同下板22の本体部上面には、所定の板厚、所定の構造の金属製の補強板および多数の補強リブを左右および前後に亘って設けることにより、当該蓋体2の全体を高強度の構造体に形成するようにしている。
すなわち、上記下板22は、その本体部後端側外周22aの中間部分が上方に向けてコ字状に曲成され、内側に前述したヒンジユニット11を収納しているとともに、その外周端側下降部はヒンジユニット11をカバーしている。
そして、これら下板22後端側外周22aの各部部分を取付ブラケットとして、上記蓋体2は、その後端側を、上記炊飯器本体1上部の開口部を形成している肩部材8に対してヒンジユニット11を介して回動自在に取付けられており、その開放端側(前端側)には、該蓋体2の所定位置に係合して該蓋体2の上下方向への開閉を行うロックおよびロック解除機構13が設けられている。
<蓋体における圧力調節機構の構成>
また、この実施の形態では、本願発明を一例として圧力型電気炊飯器に適用した場合について示しており、上記蓋体2の略中央部には、例えば図12〜図17に示すように、お粘成分を回収しながら蒸気のみを外部に逃がすとともに炊飯工程に応じて内鍋3内の圧力を常圧、中圧(第1の圧力)、高圧(第2の圧力)の3段階に調節する第1,第2の調圧ユニット26A,26Bが設けられている。
この第1,第2の2組の調圧ユニット26A,26Bは、内鍋3内から外部に向けて迂回する第1,第2の2組の蒸気逃し通路50,50a〜50c、50,50a〜50cと同第1,第2の各蒸気逃し通路50,50a〜50c、50,50a〜50cに設けた2組の圧力調整機構1,2よりなっている。そして、同2組の圧力調整機構1,2は、上記第1,第2の蒸気逃し通路50,50a〜50c、50,50a〜50c各々の内カバー24、放熱板23部分の蒸気入口50,50の下流側(上方部)に位置して、例えば図7〜図12に示すように、重さおよび大きさの異なる第1,第2の球体弁B1(大),B2(小)を設け、同第1,第2の球体弁B1,B2による蒸気逃し通路の開閉によって上記の3段階に調圧圧力を設定するようになっている。
これら第1,第2の球体弁B1,B2は、次に述べるように第1,第2の電磁ソレノイド(電磁プランジャ)ES1,ES2により電気的に選択して作動制御されるようになっている。
上記圧力調整機構1の第1の球体弁(大)B1はその自重により約1.2〜1.4気圧程度(以下、高圧という)に調圧出来るものであり、また圧力調整機構2の第2の球体弁体(小)B2は、その自重により約1.03〜1.1気圧程度(以下、中圧という)に調圧出来るものである。
すなわち、圧力調整機構1は第1の蒸気逃し通路50,50a〜50cの途中(上流部)に設けたバルブケーシングC1内の弁座V1の上部(凹溝部)に球体弁B1が着座する状態(通路閉状態)と同上部から逃げた状態(通路開状態)との2つの状態に駆動制御する電磁ソレノイドES1を備えて構成されており、第1の電磁ソレノイドES1がON作動することにより、上記高圧用の球体弁B1を蒸気抜き孔H1を有する弁座V1上に乗せる一方、ソレノイドES1がOFFすると、同第1の電磁ソレノイドES1に接続されたスライダーR1がパッキンP1を介して球体弁B1を略水平方向に押し、同球体弁B1を弁座V1の蒸気抜き孔H1から離脱させるように作動する(図11の矢印a,b参照)。
他方、圧力調整機構2は、第2の電磁ソレノイドES2と、その作動ロッドR2、同作動ロッドR2によりスライドされるアングル状のプッシャーロッドR3と、このプッシャーロッドR3により下方側に押されて球体弁B2を押えるプッシャーR4と、プッシャー外周のパッキンP2、そしてプッシャーロッドR3を押し下げる方向に付勢するスプリングSPとから構成されており、電磁ソレノイドES2がONすると、スプリングSPにより作動ロッドR2、プッシャーロッドR3が水平方向のソレノイドES2に近づく方向に動き、プッシャーロッドR3の回転軸XとスプリングSPの作用でプッシャーR4が垂直方向下向きに摺勤し、パッキンP2を介して約1.05気圧用の球体弁B2が弁座V2の蒸気抜き孔H2に押しつけられる方向に荷重をかける。
また第2の電磁ソレノイドES2がOFFすると、逆にプッシャーロッドR3がソレノイドES2から離れる方向に移動し、プッシャーロッドR3の回転軸Xを支点にプッシャーR4が垂直方向上向きに摺勤し、約1.05気圧用の球体弁B2はその自重によってのみ蒸気抜き孔H2を塞ぐことになる(図12の矢印a,b,c,d参照)。
なお、この圧力調整機構2の第2の電磁ソレノイドES2がONした時にプッシャーR4がパッキンP2を介して中圧用の球体弁B2を蒸気抜き孔H2側に押しつける時の荷重は、内鍋3内の圧力を1.2〜1.4気圧程度に上昇させ得る荷重に設定してあるため、この第2の電磁ソレノイドES2がONしている時には、中圧用の球体弁B2が内鍋3内の圧力を調整するために作用するので(リリーフ作用)、実際に内鍋3内に作用する圧力は約1.2気圧位が最大となる。
これら2つの圧力調整機構1,2を組み合わせることで、次のように常圧を含む中圧、高圧の3つの圧力制御を実現することが出来る。
(1)圧力調整機構1:OFFで、圧力調整機構2:OFFの時→常圧
(2)圧力調整機構1:ONで、圧力調整機構2:OFFの時→中圧
(3)圧力調整機構1:ONで、圧力調整機構2:ONの時→高圧
なお、上記蒸気逃し通路50,50a〜50cには、上記圧力調整機構とは別に沸とうセンサー(蒸気センサー)VSが設けられている。
以上のような構成によると、圧力調節手段による内鍋内の圧力の調整によって常圧を上回る所定の高い圧力を保った高沸とう温度の状態での効率的な炊飯ができ、内鍋内の温度のバラツキが解消されるとともに、炊飯時間を短縮し、また吸水のための浸漬工程を省略したり、かつ短かくしても、芯の無い美味しいご飯を炊き上げることができるようになる。
<その他の蓋体部分の構成>
また、上記放熱板23の外周側は、上方側に略直角に曲成されて筒状壁に形成されているとともに、該筒状壁の一部(中間)を扁平に重合して半径方向外方に凸部を形成し、同凸部部分にゴム製の第1のパッキン25の基部を嵌合している。
この第1のパッキン25の先端は、次に述べる内カバー24の外周縁部24aの上端に当接されるようになっている。
上記内カバー24の外周縁部24aは、図2に示すように、クランク状に曲成されて、上下方向の筒状壁と該筒状壁の上端から半径方向外方に向けて水平に延びるフランジ部とが形成されている。
そして、同筒状壁とフランジ部との間の外方側コーナー空間を利用して、図2、図3に示すように、ゴム製の第2のパッキン14が取り付けられている。この第2のパッキン14は、断面フック型形状の基部14aを合成樹脂製の固定用枠部材27の断面H型形状の内周側基部に係合する形で固定されており、同基部14aから下方に延びる筒状壁部が上記内カバー24の筒状壁部と平行になる形で嵌合されている。
そして、同筒状壁部の下端からは、さらに半径方向外方に延びる所定の幅の水平部14bが設けられ、該水平部14bの外周端には、後述する内鍋3の開口部外周縁のフランジ部3c上面に当接する第1のシール片14cと同内鍋3開口部のネック部の内周面に当接する第2のシール片14dとの2組のシール片が一体に設けられている。
そして、このような構成の第2のパッキン14は、上述した枠部材27の基部部分とその外周の把手片部分を介して上記内カバー24の外周側クランク状の外周縁部24aの内側に係合固定することによって、図示のように固定されている。
一方、上記蓋体2の上板21の前部中央には、当該炊飯器の操作部および表示部を構成する操作パネル嵌合用の開口部が、またその下部側の中板20部分には、同操作パネル嵌合用の凹溝部が形成されており、同開口部および凹溝部部分に上板21の外周面と連続する外周面を形成する形で、例えば透明なABS樹脂製の操作パネル60が嵌合されてカバーされるようになっている。
該操作パネル60は、そのパネル部裏側に所定の深さの基板および液晶パネル収納ボックスを備えてなり、圧力調整機構1,2の制御手段としてのマイコンを備えたマイコン基板60Bおよび液晶パネル60Aが上記上板21の開口部および中板20の凹溝部内に嵌合して収納されている。そして、その中央部には液晶パネル60Aの表示面に対応する透明窓60Cを有するとともに、同透明窓60Cの周囲に、タイマー炊飯用の炊飯予約スイッチSW1、炊飯スイッチSW2、保温スイッチSW8、取消スイッチSW3、炊飯メニュー(例えば白米、早炊き、おこわ、おかゆ、玄米その他のコースメニュー)を選択するメニュースイッチSW5(もどる),SW6(すすむ)、火かげん選択スイッチSW4、音声ガイドSW7、時計及びタイマーの時刻時・分設定スイッチSW9の各種操作キーが設けられている。
なお、以上のように蓋体2部分に操作パネル60およびマイコン基板60Bを設けると、下部側液晶ボックス内のマイコン基板60Bが放熱板23上の蓋ヒータ(図示省略)に近くなり、熱により温度が上昇する問題がある。
そして、マイコン基板60Bには、通常バックアップ用の電池B設けられているが(図1のB参照)、この電池Bに熱が作用することは安全性の面等からも好ましくない。
そこで、この実施の形態では、例えば図1のB′に示すように、別途蓋体2の外板21と中板20との間に電池専用の基板を設け、これを例えば蓋体2の蓋ヒータ位置よりも外方に寄った後部側方に位置して配置することにより、可及的に蓋ヒータからの熱の影響がないようにしている。
<炊飯器本体側肩部の構成>
一方、炊飯器器体1の内鍋収納口の開口部周縁を形成している上記肩部材8は、その内周側から外周側にかけて、内周壁81側を上記内ケース4の上記第2の保護枠4bの筒状部40a,40bの上端に対して係合され、上端側周方向の略全体に内鍋3のフランジ部3cを係合する内鍋係合用の段部82を形成している断面逆U字状の内鍋支持部と、該断面逆U字状の内鍋支持部の外周壁73に設けた係合凸部84を上記外ケース1aの上端に係合している断面逆U字状の肩枠部とからなり、それらを相互に連続一体化して構成されている。
上記内鍋係合用の段部82は、図3に示す左右方向の最大寸法位置(図6の矢印参照)では、把手溝を形成するために低く形成され、内鍋3のフランジ部3cとの間に指が入る隙間が形成されるようになっている。
また、上記肩枠部は、例えば図4および図5に示すように、前部8aおよび後部8c部分では比較的幅が広いが、左右最大寸法幅部分8d,8eでは、非常に幅が狭くなっている。
したがって、この部分では、第2の保護枠4bも含めて落下時の耐衝撃力が最も弱い。このため、上述のように左右一対の補強部材32,33を取り付けることにより補強している。これにより最大幅寸法を大きくすることなく、耐衝撃強度を向上させることができる。また、高圧時の変形も防止することができる。
しかし、圧力型電気炊飯器の場合、すでに述べたように蓋体2自体も補強され、重量も大きくなっている。したがって、肩部材8の強度アップは、単に圧力作用部のみに限られず、例えば後端肩枠部8c側のヒンジユニット取付片8bにおいても必要となる。
そこで、この実施の形態では、例えば図1、図4、図5に示すように、上記ヒンジユニット取付片8b部分の後端側から、図4のようなヒンジユニット取付片補強部材(以下、単にヒンジ片補強部材という)11aが挿入係合されて、組付時に締結一体化されるようになっている。
このヒンジ片補強部材11aは、上下方向に延びるヒンジユニット取付片8bの下部側、肩枠部8c下部の縦壁部分の嵌合溝に挿入嵌合されて、肩枠部8cの下面部と第2の保護枠4bの後部側補強部材取付用縁部40d部分に螺合締結される上下2段、かつ左右一対の締結片71a,71a、72a,72aと上下方向に所定の幅を有して、ヒンジユニット取付片8bの背面側に締結一体化される本体部73とからなり、本体部73の左右両端側上部には、上記ヒンジユニット取付片8bの両端側背面部に位置して、ヒンジユニット11のヒンジ軸11bを嵌合支持するヒンジ軸支持片74a,74aが一体に設けられている。
そして、これを利用して、図2のようにヒンジユニット取付片8bおよび肩枠部8cが強固に補強されるとともにヒンジユニット11のヒンジ軸11bが安定した状態に支持される。
この結果、蓋体2の大きな重量にもかかわらず、肩部材8の後部の安定した剛性、形状が確保される。
<内ケース下部の第1の保護枠およびコイル台等の構成>
ところで、上記セラミック製の保護枠6を一体化した樹脂製の第1の保護枠4aは、上記炊飯器本体1の底ケース1b上にコイルバネ62を備えたフローティング支持機構を介して上方に付勢された状態でフローティング支持されている。
このフローティング支持機構は、例えば次のように構成されている。
すなわち、まず第1,第2のワークコイルC1,C2を介して第1の保護枠4aを支持するコイル台9は、例えば図8、図9および図10に示すように、上記第1のワークコイルC1を支持する皿状の第1のワークコイル受け9aと、コイル台9の外周面側4方に位置し(90゜間隔で)、かつ上端側が第1の保護枠4aの外周まで延びて設けられた第2のワークコイルC2を支持する第2のワークコイル受け9b,9b,9b,9bとからなっている。
第2のワークコイル受け9b,9b,9b,9bは、内面側に弾力性があるワークコイルパッドWP,WP,WP,WP、その外面側にフェライトコア収納部(コア収納溝)9c,9c,9c,9cを備えるとともに、それらの側部壁下面側に所定長さ下方に延びる第1のスリーブ部材9d,9d,9d,9dが一体に成型されている。この第1のスリーブ部材9d,9d,9d,9dは、略円形の筒体部51aの外周面に直径方向(左右方向)2つの位置で外方に突出する断面半円形状のガイド用の凸部51b,51bを有して構成されている。
そして、この第1のスリーブ部材9dの筒体部51a内には、以下に述べるようにしてコイルバネ62の上端側が中間スリーブ部材61を介して嵌挿されている。
この中間スリーブ部材61は、略円形の筒体部61aの上部略2/3部分の左右直径方向2箇所の外周面部分には、上記第1のスリーブ部材9d,9d,9d,9dの凸部51b,51bに対応する同じく略半円形状のガイド用の凸部61b,61bが設けられている。但し、こちらの凸部61b,61bは、上記第1のスリーブ部材9d,9d,9d,9dの凸部51b,51bと異なり、略半円形状の凸部61b,61bの内側は、略半円形状の空胴となっており、かつ筒体部61aを含めて、その内径が上記第1のスリーブ部材9dを上下にスライド自在に遊嵌し得るに適した寸法のものとなっている。
そして、その上下方向略中間位置部分には、次に述べる底ケース1b側の第2のスリーブ部材63の筒体部63a内に嵌装された時にストップ片として係合し、上下方向の嵌装位置を想定するフランジ61cが設けられている。
底ケース1b側の第2のスリーブ部材63は、上記第1の保護枠4a側第1のスリーブ部材9d,9d,9d,9dと同軸上に対応する4角に位置して設けられ、底ケース1bの底板部分よりも所定の高さ上方に延びる筒体部分63aと、該筒体部分63aに連続し、底ケース1bの底板部分よりも所定寸法下方に突出した底部63b部分よりなる有底の筒状体よりなっていて、その内側には、図10に示すように、中間スリーブ部材61の下端側を、その中心軸位置に挿入ガイドするテーパ面を有するガイドリブ63c,63c,63c,63cが設けられている。
そして、まず同底ケース1b側第2のスリーブ部材63,63,63,63の各々の筒体部63a,63a,63a,63a内の中心軸位置に上記中間スリーブ部材61,61,61,61の筒体部61a,61a,61,61a下端側を挿入し、その上で同中間スリーブ部材61,61,61,61の筒体部61a,61a,61a,61aの上端側にコイルバネ62の下端側を挿入する一方、同挿入されたコイルバネ62の上端側に上記第1の保護枠4a側の第1のスリーブ部材9dの筒体部51a,51a,51a,51aを嵌合し、さらに同コイルバネ62を内部に介装する形で中間スリーブ部材61,61,61,61の上部に第1のスリーブ部材9d,9d,9d,9dの筒体部51a,51a,51a,51aを遊嵌する。
以上の各スリーブ部材9d,61,63は相互に繰り返し摺動するので、特に摺動性の高い、例えば共重合系ポリアセタール等の合成樹脂により成型される。
この結果、上記皿状のセラミック製の保護枠6を一体化している上記下部側第1の保護枠4aは、上記肩部材8に吊設されて固定状態にある上部側第2の保護枠4bの下端部に対して、上記コイルバネ62を介して上下方向に昇降可能、かつ上方に上昇付勢された状態で、フローティング支持されることになる。
なお、以上の場合、上記第1のスリーブ部材9d、中間スリーブ部材61、第2のスリーブ部材63よりなるフローティング支持機構は、コイル台9の第1,第2のワークコイル設置部を避けた外周寄り位置に配置されている。
したがって、上下方向のスペースも大きく、設置に際して設計上の自由度も大きく、所望の構造のもが採用できる。
また、内鍋3の外面の発熱が大きいため、輻射熱によって上記第1の保護枠4aの温度も高温となる。そのため第1の保護枠4aにフローティング支持機構を設けると、上記コイルバネ62の温度も高くなるため、コイルバネ62の耐久性等に問題が生じる。
一方、上記コイル台9の第1,第2のワークコイルC1,C2間に設けると第1の保護枠4aの中央に近い場所に配置することになり、第1の保護枠4aが傾いたりして摺動性が不安定となるが、上記のようにコイル台9部分の外周に設けると上記第1の保護枠4aの可能な限り外周部に設けることが可能となり、摺動性が安定する。
この実施の形態のような、個々の仕上り寸法精度に変動(公差)があるセラミック製の内鍋3を採用した場合において、内鍋3の開口縁部3cと蓋体2との良好なシール性を確保しようとすると、上述のように、内鍋3を肩部材8の段部部分に吊り下げて固定支持するようにして両者間の隙間の変動を防止することになる。
ところが、このような構成を採用すると、やはり内鍋3の仕上り精度の関係で、今度は、内鍋3底部外周面の第1,第2の誘導発熱体G1,G2とコイル台9側第1,第2のワークコイルC1,C2との距離Dを一定値に保つことができず、製品によって電磁誘導効率が変動することになる。
これを回避しようとして、内鍋3の肩部材8への吊設を止め、上記第1の保護枠4aのセラミック製の保護枠6上に内鍋3を載置する収納方式を採用すると、同問題は回避されるが、上述のように蓋体2とのシール性の悪化が生じる。
ところが、これを以上のようにして逆にセラミック製の保護枠6を備えた下部側第1の保護枠4aの方を上部側第2の保護枠4bとの間に相対的に所定の隙間間隔Aを保って相対移動可能な状態で独立別体に設置し(支持し)、下方側フローティング支持機構のコイルバネ62で上昇付勢して均一に当接させるようにすると、上記内鍋3側の第1,第2の誘導発熱体G1,G2とコイル台9側第1,第2のワークコイルC1,C2との距離Dは常に一定に保つことができる。
しかも、この時の下部側第1の保護枠4aの上端と上部側第2の保護枠4b下端との間に生じる隙間Aおよび隙間Aの変動(図11の(B)に示す設計値A0に対するA0±α、例えば図11の(A)のA0−αおよび図11(C)のA0+αは、後述するようにパッキン35のスカート部35aがカバーしてくれるし、収納時および相対的な昇降時の内鍋3の底壁部3aと第1,第2のワークコイルC1,C2とのセンタリングも、当該パッキン35上端側のセンタリング用凸部35cのガイド面が実現してくれる。
なお、この図11の(A)〜(C)に示す寸法の内、図11(B)に示すものが基本となる設計寸法のものであり、例えば内鍋3の高さBが基準となる高さB0の時に隙間Aが基準値A0で、内鍋3の底壁部3a外周面の第1,第2の誘導発熱体G1,G2と第1,第2のワークコイルC1,C2との距離がD1,D2(設計値)となるように規格設定されている。
また、以上のように下部側第1の保護枠4a上に皿状のセラミック製の保護枠6を一体に接合し、これらを一体として下部側第1の保護枠ユニットとして機能させるようにすると、同下部側第1の保護枠ユニットが実質的に樹脂とセラミックの2重構造の保護枠となる。
その結果、例えば次のようなメリットを得ることができる。
(1) 第1の保護枠4aの底部とセラミック製の内鍋3との材質的な統一感が生じ、外観的な見映えが向上する。
(2) セラミック製の保護枠6の遮熱面積および蓄熱量が増大するとともに、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bの下部にかけての広い範囲に亘って蓄熱後の熱を作用させることができるようになり、保温性が向上する。
(3) セラミック製の保護枠6により樹脂製の第1の保護枠4aおよび第1,第2のワークコイルC1,C2、コイル台9側への断熱性が高くなり、それらの部分の耐熱性、信頼性が向上する。
(4) また、上述したように、セラミック製の皿状のセラミック製の保護枠6を第1の保護枠4aの一部として採用すると、その成型精度(寸法)の点で難があり、当然ながら、上記樹脂製の第1の保護枠4aとの間で若干の形状逃がし(バラツキ吸収)用の隙間Sが必要になるが(図3、図4参照)、他方、これが断熱空気層としても機能するので、さらに樹脂製の第1の保護枠4a、第1,第2のワークコイルC1,C2、コイル台9側への断熱性能向上、内鍋3側への保温性能向上につながる。
(5) さらに、組立てについては、従来と全く同一の組立方式で組立てることができ、これまでのものと比べても組立性を悪化させることがない。
また、それに加えて、以上のようにセラミック製の保護枠6を一体化した下部側第1の保護枠4aをコイルバネ62を介したフローティング機構でフローティング支持するようにすると、下部側第1の保護枠4aが任意に上下し、例えば内鍋3の上下寸法が、例えば図11の(A),(C)に示すように、図11(B)のB0(設計値)に対して、B1(B1>B0)、B2(B2<0)と変動しても、同図示のように、内鍋3の底壁部3aと第1,第2のワークコイルC1,C2との距離D1,D2が常に一定になるように追従して当接するので、それらの誘導効率を変化させることはない。
一方、このようにすると、部品精度との関係もあって、固定状態にある上部側第2の保護枠4bの下端との間に、所定の寸法範囲で隙間Aを、上記内鍋3が収納されていない状態でも予め設計値として設ける必要がある(図11(B)のA0を参照)。
この結果、そのままの状態では見映えが悪く、また隙間A(A0)から内鍋3側の熱が逃げるので、内鍋側壁面3b側の加熱量が不足して、ご飯の炊き上がりが悪くなる。
このため、本実施の形態では、上述のように上部側の第2の保護枠4bの下端に、上記セラミック製の保護枠6の上端側開口部内周面6cにオーバラップ状態で当接してシールするシリコンゴムなどの耐熱性が高いスカート状のパッキン35を設けて、下部側第1の保護枠4aが昇降可能な状態で上記隙間A(A0)をシールするようにしている。
その結果、上記隙間A(A0)は確実にシールされ、上述のような問題は解消される。
しかも、このパッキン35の上端側内周面には、収納される内鍋3の底壁部3a上端側R部の外周面を小さな接触面積でスムーズにガイドして内鍋3の収納位置のセンタリングを図るセンタリング用の凸部35cが設けられている。
この結果、同センタリング用の凸部35cが従来の肩パッキンのガイド機能を果たし、内鍋3の適切なセンタリング機能が実現される。その結果、従来のような肩パッキンが不要となる。
また、センタリング用凸部35cを内鍋3の底壁部3a外周のR面部に極力小さな接触面積で接触させることによりガイドするようにしているので、同センタリング用凸部35cの摩耗も少なく、耐久性が高い。
また、以上のように第1の保護枠4aの上面側に、その外周端までに亘って皿状のセラミック製の保護枠6を設けた場合、第2の保護枠4b側枠部材42の下端とセラミック製の保護枠6外周のフランジ部6dとが、第1の保護枠4aの昇降時に衝合して損傷する可能性がある。そこで、この実施形態では、それらの間の隙間A(設計時の寸法A0)を第1の保護枠4aの外周端41a上端と第2の保護枠4b側枠部材段部42a外端との間の隙間aよりも大きく設定することにより、そのような衝合を生じさせないようにしている。
ところで、以上のような圧力型電気炊飯器を構成した場合、非圧力式の電気炊飯器の場合に比べて、例えば図2、図3に示すように、内鍋3の上部側開口部部分の肩部材8より上方に突出する寸法が大きくなり、保温ヒータH1の上端から上方に延びる非加熱領域Wが大きくなる。同領域Wでは、保温ヒータH1の熱が作用しないだけでなく、内ケース4外部への放熱量も多く、炊飯時・保温時共に高い温度の確保が難しい。省エネ面でも不利である。
また、同内鍋3の開口部外周縁のフランジ部3cをシールする第2のパッキン14の第1,第2のシール片14c,14dは、非圧力式のものに比べて各々相互に長く形成されており、保温時などには、この部分が冷えて露が付きやすくなり、蓋開時に、この露が内鍋3内に流れ落ちて白ボケ、ご飯のベチャつきを発生させる。
もちろん、蓋体2側には放熱板23を介して蓋ヒータが設けられているが、距離も遠く、放熱量が足りないため、十分に対応することができない。
そこで、この実施の形態では、図3に示すように、肩部材8の内側に発熱量の十分な肩ヒータH2を配設している。
これにより、上記内鍋3の低温領域Wの中間部分を有効に加熱して、内鍋3内のご飯の上部を加熱するとともに、開口部周辺を加熱して第2のパッキン14の第1,第2のシール片14c,14dに付着した露を蒸発させて上記白ボケ等の発生を防止する。
また、この結果、ワークコイルC1,C2の通電時間も短くすることができるので、省エネにもなる。
なお、本実施の形態の場合、上記コイル台9下部のコア押え16は、例えば図18に示すように、コア押え部16aと温度過上昇防止装置用のカバー部16bとが1枚状態で一体に形成されている。
このような構成によると、部品点数が削減され、組付工数も減るので、コストダウンになるとともに組立作業も楽になる。