JP5940813B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、ファンを駆動するモータを着脱可能にキャビネットに設けた空気調和機に関する。
空気調和機の室内機には、ファンおよび熱交換器がキャビネットに内装される。熱交換器の下方にファンが配され、熱交換器はファンを取り囲むように設けられる。ファンを駆動するモータがファンの軸方向一端側に設けられる。そして、キャビネット内に、ファンのモータなどの電動部品を駆動して空気調和機の運転を制御するための電装ボックスが設けられる。キャビネットの左右方向の中央に、ファンおよび熱交換器が配置され、これらの外側に電装ボックスが配置される。モータは、電装ボックスの後方に配置される。
電装ボックスは、キャビネットに着脱可能に設けられている。電装ボックスが取り外されると、モータが現れ、モータを着脱することができる。しかし、熱交換器の冷媒配管が電装ボックス側に張り出している場合、モータは冷媒配管の後方に位置しているので、モータの着脱が困難となる。そのため、熱交換器を取り外す必要が生じる。
そこで、熱交換器を取り外さなくてもモータを着脱できるようにした空気調和機が特許文献1に記載されている。モータを軸方向に引き出し可能なスペースがモータの軸方向一端側に設けられる。モータを一端側から保持する保持部材を外すことにより、モータを上記スペースに引き出すことができる。
特開2011−47590号公報
上記のモータは保持部材により固定される。そのため、作業者は、保持部材を外した後、モータを引き出さなければならない。モータを取り付けるときには、作業者は、モータをキャビネットに取り付けた後、保持部材によってモータを固定する。このように、モータを着脱するには、保持部材も着脱しなければならず、作業が煩雑となる。
本発明は、上記に鑑み、熱交換器を取り外すことなく、簡単にモータを着脱することができる空気調和機の提供を目的とする。
本発明は、キャビネットに、ファンが内装され、ファンを駆動するモータを内部に収納するモータケースがキャビネットに着脱可能に設けられ、モータケースを支えながら軸方向の移動を案内するガイド部が設けられたものである。モータケースがファンから離れた出入スペースに位置するとき、モータケースは、ガイド部から離間可能あるいはガイド部に係合可能となり、モータケースがキャビネットに対して着脱される。
ガイド部により、モータケースは支えながら出入スペースまで移動させることができ、モータケースをキャビネットから取り外すことができる。また、モータケースが出入スペースに挿入されると、キャビネットに支持され、モータケースの移動により、モータケースはキャビネットに装着される。したがって、モータケースだけを動かすといった簡単な作業により、モータケースを着脱できる。
ガイド部は、モータケースに接触してモータケースを支持する支持部材を有する。出入スペースにおいて、支持部材とモータケースとの接触面積が小さくされ、モータケースがキャビネットから着脱可能となる。例えば、支持部材を小さくする、あるいはモータケースを支持部材から離れるように移動させるなどといったことによって、支持部材とモータケースとの接触面積を小さくすることができる。出入スペース以外では、支持部材を大きくすることにより、モータケースとの接触面積が大きくなるので、支持部材によりモータケースを支えることができる。支持部材が小さくなることにより、モータケースを支えることができなくなり、モータケースを着脱できる。
例えば、ガイド部として、キャビネットに、軸方向に平行に係止部が形成され、モータケースの外面に、係止部に係合する被係止部が設けられる。被係止部が係止部に係合することにより、モータケースが移動可能に支えられる。出入スペースにおいて、係止部による被係止部の係合が解除され、モータケースが着脱可能となる。特に、係止部は、支持部材に設けるのが好ましい。係止部と被係止部との係合により、モータケースが支持部材から外れることを防止でき、モータケースを支持部材に沿って移動させることができる。出入スペースにおいて、モータケースを取り外す場合には、係止部と被係止部との係合が解除され、モータケースを装着する場合には、係止部と被係止部とを係合させる。
例えば、係止部が支持部材に形成された案内溝とされ、被係止部がフックとされる。出入スペースにおいて、案内溝が広くなり、フックが案内溝に出し入れ可能とされる。出入スペース以外では、案内溝は狭く、フックは案内溝から外れず、フックと案内溝との係合が解除されることはない。
ガイド部に、モータがファンに連結された状態にあるとき、モータケースの移動を規制するストッパが設けられるようにしてもよい。ストッパにより、モータケースは軸方向には移動しない。モータとファンとの連結を維持できる。
ストッパは、支持部材に対して移動可能に設けられるようにしてもよい。ストッパが支持部材上にあるとき、ストッパがモータケースに当接して、モータケースの移動を規制し、ストッパが支持部材上から移動したとき、ストッパはモータケースから離れ、モータケースは移動可能となる。
モータケースに、モータのリード線を外部に引き出す引出口が設けられるようにしてもよい。引出口は、リード線を押えるために、外部に向かって狭くなるように形成される。ファンの回転の反動により、モータが円周方向に動くが、リード線が押えられているので、モータは動かない。
モータケースは、前ケースと後ケースとがヒンジを介して開閉可能に一体化されて形成され、前ケースと後ケースとによりモータを挟んで保持するようにしてもよい。このようなケースを用いることにより、モータの振動が外部に伝わったり、騒音が漏れることを防げる。
キャビネット内に、ファンの軸方向一側の近傍に電装ボックスが着脱可能に設けられ、電装ボックスがキャビネットから取り外されたとき、電装ボックスが設置されていたスペースが出入スペースになるようにしてもよい。出入スペースのために、空きスペースを形成する必要がなく、キャビネットの大型化を防げる。
ファンとモータケースとの間に、ファンを載せることが可能な円筒状の段差部が設けられるようにしてもよい。段差部によりファンが支持されるので、ファンの軸中心とモータの軸中心との位置合わせが不要となる。
ファンに、モータケースから突出したモータ軸が挿入されるボスが設けられ、ボスの周縁あるいはモータ軸の先端がC2以上に面取りされるようにしてもよい。モータ軸をボスに挿入していくと、モータ軸がファンの軸中心に合うように移動することにより、自動的に位置合わせが行われる。
本発明によると、熱交換器を取り外すことなく、モータケースを移動させるといった作業により、モータケースを支えながら出入スペースまで移動させて、モータケースを取り外すこと、およびモータケースを出入スペースから移動させて装着することを簡単に行える。
本発明の空気調和機の室内機の斜視図 室内機の断面図 前カバーを外した室内機の斜視図 前面パネルを外した室内機の斜視図 モータケースが装着された状態の背面板の斜視図 モータの斜視図 開いたモータケースの斜視図 モータを収納したモータケースの斜視図 前側から見たモータケースの斜視図 後側から見たモータケースの斜視図 モータケースが着脱可能な状態にあるときの背面板の斜視図 モータケースが装着されていない背面板の斜視図 ガイド部を示す図 モータケースが装着された状態の背面板を後側から見た斜視図 モータケースが着脱可能な状態にあるときの背面板を後側から見た斜視図 モータ軸およびファンのボスを示す図 ファンとモータ軸とが連結された状態にあるときの段差部を示す図 ファンを載せた段差部を示す図
本実施形態の空気調和機の室内機を図1、2に示す。室内機は、熱交換器1およびファン2を備え、これらがキャビネット3に内装されている。左右方向に長く形成されたキャビネット3は、室内の壁の上部に、天井との間に隙間ができるように取り付けられる。
図2に示すように、キャビネット3の上面に、吸込口4が形成される。キャビネット3の前面から底面にかけての湾曲面に吹出口5が形成される。キャビネット3の内部には、吸込口4から吹出口5に至る送風路6が形成され、送風路6に、熱交換器1とファン2とが配される。吸込口4と熱交換器1との間に、フィルタ7が着脱可能に設けられる。熱交換器1は、ファン2の前方および上方を取り囲む。
図3,4に示すように、キャビネット3は、背面板10、前面パネル11によって構成される。背面板10に、熱交換器1およびファン2が装着される。前面パネル11は、背面板10に着脱可能に取り付けられる。前面パネル11の上面、前面および湾曲面は開口しており、上面の開口が吸込口4とされる。
前面パネル11の前面の開口を覆う前カバー12が前面パネル11に開閉可能かつ着脱可能に取り付けられる。前面の開口の上部および上面の開口には、格子状のフィルタガイド13が設けられ、フィルタ7が保持される。前カバー12が開いたとき、フィルタ7が露出し、フィルタ7を着脱することができる。
湾曲面の開口には、ドレンパンユニット14が設けられる。ドレンパンユニット14は背面板10に取り付けられる。吹出口5はドレンパンユニット14に形成され、ドレンパンユニット14に、吹出口5を開閉する導風パネル15が開閉可能に設けられるとともに、風向板16も設けられる。
熱交換器1およびファン2は、キャビネット3内を左右方向に沿って配される。キャビネット3内に、電装ボックス20が設けられる。左右方向において、正面から見て右側に、電装ボックス20の収容スペースが形成される。収容スペースに、熱交換器1の冷媒配管の一部やファン2を駆動するモータが入り込んでいる。すなわち、キャビネット3の左右方向の中央に、ファン2が配置され、ファン2の軸方向の一側に電装ボックス20が配置される。電装ボックス20は、背面板10に取り付けられ、前面パネル11に覆われている。前面パネル11が外されると、電装ボックス20が露出する。なお、左右方向と軸方向とは同じ方向であり、右側(電装ボックス側)を軸方向の一側、左側(ファン側)を軸方向の他側とする。また、キャビネット3を正面から見て幅方向を左右方向(軸方向)とし、キャビネット3の奥行き方向を前後方向とし、キャビネット3の高さ方向を上下方向とする。
電装ボックス20は、モータなどの電動部品を駆動して、空気調和機の運転を制御するための回路基板を収納する。電装ボックス20には、電源ケーブルなどの電線が接続される端子台21が設けられる。端子台21は、電装ボックス20の前側に位置する。端子台21の後方に、ファン2のモータ22やドレン用の配管などが配される。
ファン2は、クロスフローファンとされ、ファン2の他側が軸受に支持され、軸受は背面板10に固定されている。図5に示すように、ファン2の一側には、モータ22が連結される。モータ軸23がファン2に差し込まれ、ファン2は、回転可能に支持される。モータ22は、モータケース24に収納され、モータケース24は、背面板10に着脱可能に装着される。
図6に示すように、モータ22の軸方向の両側にフランジ25が突設され、フランジ25の外周面は、ゴム製の防振部材26に覆われている。モータ軸23は、軸方向の他側から突出している。モータ22の外周面から複数のリード線27が引き出されている。
図7〜10に示すように、モータケース24は、前ケース30と後ケース31とから開閉可能に形成される。前ケース30と後ケース31とがヒンジを介して一体的に連結され、前ケース30に形成されたロック部材32が後ケース31に形成された爪33に嵌め込まれることにより、モータケース24は閉じた状態に保持される。
モータケース24の軸方向の両側に、モータ22を支持するための支持孔が形成される。前ケース30および後ケース31に、半円状の縁35が形成され、両ケース30、31の縁35が合わさることにより、環状の受枠36を有する支持孔が形成される。モータ22のフランジ25が受枠36に嵌められると、モータ22はモータケース24に対して防振部材26を介して位置決めされて保持される。したがって、振動や騒音の発生を防止できる。また、モータ22を搬送するとき、モータケース24により保護できる。
モータケース24の外周面に、リード線27の引出口40が設けられる。前ケース30および後ケース31に、半径方向の外側に向かって溝部41が形成され、両ケース30、31の溝部41が合わされることにより、筒状の引出口40が形成される。引出口40は、外部に向って徐々に狭くなっている。この引出口40により、複数のリード線27が束状にまとめられ、押え付けられる。これにより、リード線27がずれることを防げる。ファン2が回転すると、その反動でモータ22が円周方向に動く。しかし、リード線27が拘束されているので、モータ22の移動を防止できる。
モータケース24は、キャビネット3に対して軸方向に移動可能とされる。モータ軸23がファン2に連結されるとき、モータケース24は固定位置にある。図11に示すように、モータケース24が固定位置から軸方向の一側に向かって移動したとき、モータケース24はキャビネット3に対して着脱可能とされる。
ここで、モータケース24を着脱しやすくするために、キャビネット3に、モータケース24を支えながら軸方向の移動を案内するガイド部が設けられる。モータケース24がファン2から離れた出入スペースSまで移動したとき、モータケース24は、ガイド部から離間可能あるいはガイド部に係合可能となる。
図5に示すように、出入スペースSは、キャビネット3の左右方向(軸方向)の一端側にある。電装ボックス20がキャビネット3から取り外されたとき、収容スペースの一部が空く。この空いたスペースが出入スペースSになる。
図12、13に示すように、ガイド部は、モータケース24に接触してモータケース24を移動可能に支持する支持部材45を有する。ファン2とモータケース24との間に仕切り壁46が形成されている。仕切り壁46から軸方向一側に向かって支持部材45が形成される。なお、仕切り壁46には、連通孔47が形成され、連通孔47にモータケース24の受枠36が嵌め込まれる。これにより、ゴム製の防振部材26を連通孔47に直接組み込む場合に比べて、スムーズにモータケース24を連通孔47に挿入することができる。
支持部材45は、軸方向に沿ってモータケース24に対向するように形成されるとともに、モータケース24の外周面の形状に合わせて形成される。すなわち、後ケース31が軸方向に移動可能に支持部材45に接触するので、支持部材45は、後ケース31の外周面の形状に合うような後壁48と底壁49とを有する。底壁49にモータケース24が載置されることにより、モータケース24は支持部材45に移動可能に支えられる。
そして、支持部材45に、係止部が設けられ、モータケース24に、被係止部が設けられる。被係止部が係止部に係合することにより、モータケース24は支持部材45に移動可能に支えられる。被係止部は、フック50とされ、フック50は、モータケース24の後面に左右一対に設けられ、上向きに形成される。係止部は、案内溝51とされ、案内溝51は、支持部材45の後壁48に軸方向に平行に形成される。
フック50が案内溝51に嵌まると、フック50の上部が後壁48の後面に接触して、フック50が案内溝51に係合される。フック50は、案内溝51に係合された状態で案内溝51に沿って軸方向に移動可能とされる。このように、フック50を案内溝51に下側から宛がうことにより、モータケース24が前方に向って倒れることがあっても、フック50は案内溝51の上側の後壁48に引っ掛かり、フック50が案内溝51から抜け出さない。
案内溝51の軸方向の一側は、他側よりも上側に向かって大きく開口し、フック50の出入口52が形成される。出入口52の幅が案内溝51の他側における幅よりも広くなっている。すなわち、後壁48が小さくなり、モータケース24と後壁48との接触面積が小さくなる。出入口52の幅は、フック50よりも大とされる。これにより、案内溝51の一側において、フック50は案内溝51に出し入れ可能となる。フック50が案内溝51に係合されなくなると、後壁48による支えがなくなる。
また、支持部材45の軸方向の一側では、底壁49の前部がカットされている。すなわち、前後方向の長さにおいて、底壁49の軸方向の一側が他側の底壁49よりも小さくなり、モータケース24と底壁49との接触面積が小さくなる。これにより、下方に向ってスペースが広がり、モータケース24の出し入れが可能となる。
このように、軸方向の一側にある出入スペースSにおいて、モータケース24のフック50を案内溝51に出し入れすることができる。また、出入スペースSでは、底壁49および後壁48が小さくなるので、モータケース24と支持部材45との接触面積が小さくなり、支持部材45によるモータケース24の支えがなくなるとともに、モータケース24を出し入れするためのスペースが生じる。したがって、出入スペースSにおいて、モータケース24の着脱が可能となる。
モータケース24は支持部材45の軸方向の他側に移動すると、固定位置に達する。支持部材45の後壁48に、固定位置にあるモータケース24の移動を規制するためのストッパ53が設けられる。
ストッパ53は、後壁48の一部を切り起こすことにより形成される。ストッパ53の軸方向の他側が盛り上がっており、ストッパ53は、常時後壁48から前方に突出している。これにより、固定位置にあるモータケース24の一側に当接して、モータケース24が軸方向の一側に移動することを規制する。そして、ストッパ53は、弾性力により後壁48に対して移動可能とされる。ストッパ53を押すと、ストッパ53は撓んで後壁48よりも後方に移動する。ストッパ53による規制がなくなり、モータケース24は、軸方向の一側に向かって移動可能となる。
次に、キャビネット3に装着されたモータケース24の取り外しの手順を説明する。作業者は、キャビネット3から前カバー12を外し、次いで前面パネル11を外す。すると、図4に示すように、電装ボックス20が露出する。作業者が、さらに電装ボックス20を外すと、図5に示すように、出入スペースSが生じ、固定位置にあるモータケース24の側面が露出する。このとき、熱交換器1およびドレンパンユニット14はキャビネット3に取り付けられたままである。そのため、モータケース24の前方には、冷媒配管がある。ただし、図5以降の図面において、モータケース24を見やすくするために熱交換器1およびドレンパンユニット14は省略されて、図示していない。
モータ軸23はファン2に内装されたボス55に挿入され、ボス55とモータ軸23とは、ねじにより連結されている。作業者は、吹出口5からドライバをファン2の羽根の隙間に差し込んで、ねじを外す。モータケース24が固定位置にあるとき、図14に示すように、フック50は、幅の狭い案内溝51の他側に係合され、フック50は案内溝51から抜け出すことはない。しかも、モータケース24は支持部材45の底壁49に載っているので、キャビネット3からモータケース24が落ちることはない。また、ストッパ53がモータケース24に当接しているので、モータケース24は軸方向に移動しない。
作業者は、ストッパ53を押下げながら、モータケース24を軸方向の一側に向かって移動させる。図15に示すように、フック50が案内溝51に沿ってスライドし、案内溝51の一側に形成された出入口52に達する。出入口52の幅は他側の案内溝51よりも広くなっている。そのため、案内溝51によるフック50の係合が解除され、フック50は後壁48から取り出し可能となる。また、モータケース24は支持部材45の底壁49上をスライドする。
モータケース24が一側まで移動すると、モータケース24は出入スペースSに達する。底壁49による支えがなくなり、フック50による係合も解除される。モータケース24は自重によって前方に向って倒れるように下がるので、フック50が出入口52から自動的に抜ける。作業者は、そのままモータケース24を前方に引き出せばよい。モータケース24に対して特別な動きをすることなく、モータケース24をキャビネット3から取り外せる。
モータケース24を装着する場合、作業者は、モータケース24をキャビネット3の出入スペースSに挿入し、フック50を出入口52に差し込む。フック50が案内溝51に嵌まる。このとき、出入口52が上側に広くなっているので、フック50を斜め下から出入口52に差し込めばよく、作業がしやすい。また、モータケース24の後部がストッパ53に当たり、ストッパ53は後方に移動して、モータケース24の移動の邪魔にならない。そして、作業者は、モータケース24を軸方向の他側に向ってスライドさせる。モータケース24は支持部材45の底壁49に載り、フック50が案内溝51に係合される。モータケース24は支持部材45に支えられながら移動する。
モータケース24が仕切り壁46に接触すると、モータケース24は固定位置に達する。モータケース24に押さえられていたストッパ53が弾性力により復元して、後壁48から前方に向って突出する。ストッパ53はモータケース24に当接して、モータケース24は軸方向に移動できなくなる。このようにして、モータケース24がキャビネット3に装着される。
モータケース24が固定位置に達したとき、モータケース24の他側の受枠36が仕切り壁46の連通孔47に嵌まる。モータ軸23がファン2側に突き出され、ファン2のボス55に差し込まれる。作業者が、ねじによりモータ軸23とファン2とを連結すると、ファン2はモータ22により回転可能となる。支持部材45によってモータケース24が案内されることにより、モータケース24を軸方向の移動させるだけで、モータケース24を固定位置において位置決めでき、モータ22との連結を簡単に行えるようになる。その後、作業者は、電装ボックス20を取り付け、前面パネル11、前カバー12を順に取り付ける。
以上のように、モータケース24の着脱時には、熱交換器1を取り外す必要がない。モータケース24だけを移動させることにより、キャビネット3に簡単に着脱できる。したがって、部屋の壁に取り付けられたキャビネット3での着脱が簡単な作業ですみ、作業者の作業性を向上できる。
ところで、モータケース24をキャビネット3に装着したとき、ファン2にモータ軸23が連結される。ファン2の軸方向の一側はモータ軸23によって支持される。モータ22が取り外されているとき、ファン2の一側は、仕切り壁46の他側に形成された半環状の載置枠56に保持される。すなわち、ファン2の軸中心はモータ軸23の中心からずれた状態にある。この状態でモータ軸23を連結するには、互いの軸中心の位置合わせが必要となる。そこで、図16に示すように、ファン2の軸受57のボス55の周縁が面取りされ、テーパ部58が形成される。テーパ部58の面取りはC2以上とされる。
ファン2の軸中心とモータ軸23の中心がずれていても、モータ軸23が差し込まれると、モータ軸23の先端がボス55のテーパ部58に接触する。モータ軸23の移動に応じて、ファン2が上下左右方向に移動し、ファン2とモータ軸23との位置合わせが自動的に行われる。このように、モータ軸23をファン2に差し込みやすくなり、作業性がよくなる。なお、上記では、ボス55の周縁を面取りしたが、モータ軸23の先端を同じように面取りしてもよい。
また、モータ軸23にファン2を位置合わせするときの作業性を向上させるために、図17、18に示すように、ファン2とモータケース24との間に、ファン2を載せることが可能な段差部60が設けられる。段差部60は、仕切り壁46に形成される。連通孔47の周囲が軸方向の一側に突出することにより、段差部60が仕切り壁46の他側に環状に形成される。段差部60の径はファン2の径より少しだけ大とされる。
モータケース24が固定位置にあるとき、図17に示すように、ファン2はモータ軸23に支持され、仕切り壁46から離れている。ファン2は軸方向に遊びを設けて、キャビネット3に装着されている。そのため、ファン2は軸方向に遊び分だけ移動できる。ファン2とモータ軸23との連結を外すとき、図18に示すように、ファン2が軸方向の一側に少し移動すると、ファン2が段差部60に載る。これにより、ファン2の一側は段差部60により支持された状態になる。この状態でねじが外され、モータ軸23がファン2から抜かれる。
モータ軸23をファン2に連結するとき、ファン2は段差部60に支持されている。ファン2の軸中心はモータ軸23の中心に合っているので、モータケース24を軸方向の他側に向って移動させるだけでモータ軸23がファン2のボス55に差し込まれる。その後、ファン2を他側に移動させることにより、ファン2が仕切り壁46から離れ、ファン2は回転可能に支持される。このように、モータ軸23に対するファン2の位置合わせが不要となり、モータ軸23をファン2に着脱する際の作業性を向上できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。ガイド部として、支持部材の背面にガイドレールを軸方向に平行に設け、モータケースの外周面にガイドレールに引っ掛かる凹みあるいはフックを設けてもよい。また、ガイドレールを軸方向の他側から一側に向かうにつれて後側から前側に向かってせり出すように湾曲させてもよい。これにより、モータケースは、一側に向かって移動すると、徐々に後壁から離れ、底壁の前側に移動していく。すなわち、モータケースと支持部材との接触面積が小さくなり、モータケースの着脱が可能となる。また、後壁を設ける代わりに、キャビネットに直接、案内溝が形成されたガイド板あるいはガイドレールを軸方向に平行に設けてもよい。
ストッパを底面に設けてもよい。また、ストッパとして、フックを利用し、案内溝に凹みを形成し、フックを落とし込む。このとき、モータケースは円周方向に少し回転する。フックが凹みに入ることにより、モータケースは軸方向に移動しない。モータケースを移動させる場合、モータケースを少し回転させて、フックを持ち上げ、凹みからフックを抜く。段差部をモータケースの他側に設けてもよく、ファンがモータケースの段差部に支持されるので、ねじを回すときに、ファンががたつかない。
1 熱交換器
2 ファン
3 キャビネット
20 電装ボックス
22 モータ
23 モータ軸
24 モータケース
27 リード線
30 前ケース
31 後ケース
40 引出口
45 支持部材
48 後壁
49 底壁
50 フック
51 案内溝
52 出入口
53 ストッパ
55 ボス
58 テーパ部
60 段差部
S 出入スペース

Claims (7)

  1. キャビネットに、左右方向に沿ってファンが内装され、ファンを駆動するモータを内部に収納するモータケースがキャビネットに着脱可能に設けられ、モータケースを支えながら左右方向の移動を案内するガイド部が設けられ、
    ガイド部は、モータケースに接触してモータケースを支持する支持部材を有し、支持部材は、モータケースを載置して支える底壁を有し、モータケースがファンから離れた左右方向の一側が出入スペースとされ、底壁の左右方向の一側は、出入スペースにおいてモータケースに対する底壁の支えがなくなるように他側よりも小さくなり、出入スペースにおいて、支持部材とモータケースとの接触面積が小さくされ、
    ガイド部として、キャビネットに、左右方向に平行に係止部が形成され、モータケースの外面に、係止部に係合する被係止部が設けられ、被係止部が係止部に係合することにより、モータケースが移動可能に支えられ、
    モータケースが出入スペースに位置するとき、係止部による被係止部の係合が解除され、モータケースは、自重によりガイド部から離間して前方に向かって移動し、キャビネットの前方から着脱可能となることを特徴とする空気調和機。
  2. 係止部が支持部材に形成された案内溝とされ、被係止部がフックとされ、案内溝の左右方向の一側は他側よりも上側に向かって大きく開口し、フックの出入口が形成され、出入口の幅がフックよりも大とされ、出入スペースにおいて、自重によるモータケースの移動に伴って、フックが案内溝から自動的に抜けることを特徴とする請求項記載の空気調和機。
  3. ガイド部に、モータがファンに連結された状態にあるとき、モータケースの移動を規制するストッパが設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の空気調和機。
  4. ストッパは、支持部材に対して移動可能に設けられ、ストッパが支持部材上にあるとき、ストッパがモータケースに当接して、モータケースの移動を規制し、ストッパが支持部材上から移動したとき、モータケースは移動可能となることを特徴とする請求項記載の空気調和機。
  5. モータケースに、モータのリード線を外部に引き出す引出口が設けられ、引出口は、リード線を押えるために、外部に向かって狭くなるように形成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気調和機。
  6. モータケースは、前ケースと後ケースとがヒンジを介して開閉可能に一体化されて形成され、前ケースと後ケースとによりモータを挟んで保持することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気調和機。
  7. キャビネット内に、ファンの左右方向一側の近傍に電装ボックスが着脱可能に設けられ、電装ボックスがキャビネットから取り外されたとき、電装ボックスが設置されていたスペースが出入スペースになることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気調和機。
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