JP5939119B2 - 多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、多気筒内燃機関の気筒間空燃比のばらつき異常を検出するための装置に関し、特に、複数のバンクを有する内燃機関に好適に適用しうるものに関する。
一般に、触媒を利用した排気浄化システムを備える内燃機関では、排気中有害成分の触媒による浄化を高効率で行うため、内燃機関で燃焼される混合気の空気と燃料との混合割合、すなわち空燃比のコントロールが欠かせない。こうした空燃比の制御を行うため、内燃機関の排気通路に空燃比センサを設け、これによって検出された空燃比を所定の目標空燃比に一致させるようフィードバック制御を実施している。
一方、多気筒内燃機関においては、通常全気筒に対し同一の制御量を用いて空燃比制御を行うため、空燃比制御を実行したとしても実際の空燃比が気筒間でばらつくことがある。このときばらつきの程度が小さければ、空燃比フィードバック制御で吸収可能であり、また触媒でも排気中有害成分を浄化処理可能なので、排気エミッションに影響を与えず、特に問題とならない。
しかし、例えば一部の気筒の燃料噴射系が故障するなどして、気筒間の空燃比が大きくばらつくと、排気エミッションを悪化させてしまい、問題となる。このような排気エミッションを悪化させる程の大きな空燃比ばらつきは異常として検出するのが望ましい。特に自動車用内燃機関の場合、排気エミッションが悪化した車両の走行を未然に防止するため、気筒間空燃比ばらつき異常を車載状態で検出することが要請されており(いわゆるOBD;On-Board Diagnostics)、最近ではこれを法規制化する動きもある。
例えば特許文献1に記載の装置においては、いずれかの気筒に空燃比異常が生じていると判断した場合に、空燃比異常となっている気筒が失火するまでの間、各気筒へ噴射する燃料の噴射時間を所定時間ずつ短縮させ、これによって異常気筒を特定している。
特開2010−112244号公報
ところで、気筒間空燃比ばらつきを、クランクシャフトの角速度に基づいて検出する場合には、クランクシャフトに固定されたタイミングロータの回転をクランク角センサで検出することになる。しかし、タイミングロータの製品ばらつきに起因して、タイミングロータ周面に形成される多数の突起の回転方向位置がばらつく可能性がある。
そこで、本発明は以上の事情に鑑みて創案され、その目的は、タイミングロータの製品ばらつきに起因する検出誤りを抑制して検出精度を改善することにある。
上記目的を達成する本発明の一形態に係る多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置は、
共通のクランクシャフトに接続された複数の気筒を有し且つ当該複数の気筒によって複数のバンクが構成される多気筒内燃機関において、互いに異なるバンクに属しクランク角が互いに360°異なる少なくとも一組の対向気筒のそれぞれで検出されたクランク角速度に相関する指標値の差分に基づいて、気筒間の空燃比インバランスを判定するインバランス判定手段と、
空燃比が所定の目標空燃比に一致するように、前記バンクごとに燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック処理を行う空燃比フィードバック処理手段と、
を備えた多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置において、
前記空燃比インバランスを判定する前に、全気筒のうちで前記指標値が標準値から最も離れている気筒と同一のバンクに属する他の気筒の対向気筒につき、前記指標値を燃焼改善方向に補正する補正手段を更に備えた
ことを特徴とする。
この本発明の一形態によれば、インバランス判定手段が、少なくとも一組の対向気筒のそれぞれで検出されたクランク角速度に相関する指標値の差分に基づいて、気筒間の空燃比インバランスを判定する。ここで本発明では、この少なくとも一組の対向気筒のクランク角が互いに360°異なるため、当該判定がタイミングロータの同一の突起の検出に基づいて実行されることになる。したがって、タイミングロータの製品ばらつきに起因する検出誤りを抑制することができる。
また、燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック処理を、バンクすなわち気筒群ごとに行うと、全気筒のうちで前記指標値が標準値から最も(例えばクランク角速度低下側すなわちリーン側に)離れている気筒(以下適宜「異常気筒」という)だけでなく、これと同一のバンクに属する他の気筒についても、フィードバック処理によって燃料噴射量が(例えばリッチ側に)変更されることになる。ところが、この燃料噴射量の変更に起因して当該他の気筒でトルク変動(例えば増大)が生じるため、インバランス判定手段において指標値の対向気筒間の差分を算出した場合に、当該他の気筒の対向気筒につき、空燃比とりわけ燃料噴射系に異常がないにもかかわらず異常と誤判定されてしまうおそれがある。ここで本発明では、空燃比インバランスを判定する前に、補正手段により、全気筒のうちで前記指標値が標準値から最も離れている気筒と同一のバンクに属する他の気筒の対向気筒につき、前記指標値を燃焼改善方向(例えばクランク角速度上昇側)に補正するので、フィードバック処理による燃料噴射量の変更に起因するインバランス判定手段の誤判定を抑制することができる。
好ましくは、前記補正に係る補正量は、全気筒のうちで前記指標値が標準値から最も離れている気筒における当該指標値に応じて変更される。
この場合には、空燃比ばらつきの程度に応じた適切な補正量を設定することができる。
好ましくは、前記補正に係る補正量は、全気筒のうちで前記指標値が標準値から最も離れている気筒における前記差分の絶対値が大きいほど、大きくされる。
一般に、異常気筒とその対向気筒との指標値の差分の絶対値が大きいほど、異常気筒と同一のバンクに属する他の気筒に対する空燃比フィードバック補正量が大きくされる。したがって、これら他の気筒の対向気筒に対する補正量を、異常気筒とその対向気筒との指標値の差分の絶対値が大きいほど大きくすることによって、適切な補正量を設定することができる。
本発明によれば、タイミングロータの製品ばらつきに起因する検出誤りを抑制して検出精度を改善できるという、優れた効果が発揮される。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関の概略図である。 触媒前センサおよび触媒後センサの出力特性を示すグラフである。 第1実施形態における補正量マップの設定例を示すグラフである。 第1実施形態に係る内燃機関のクランクシャフトの一例を示す概略図である。 第1実施形態におけるタイミングロータと回転変動の検出方法を説明するための図である。 #1気筒のみ空燃比が大きくリーン側にずれている場合の各気筒のクランク角速度を示すグラフである。 図6の状態から空燃比フィードバック制御が行われた状態の各気筒のクランク角速度を示すグラフである。 第1実施形態における気筒間空燃比インバランス判定処理の手順を示すフローチャートである。 図7の状態において算出された対向気筒間のクランク角速度の差分値を示すグラフである。 図9の状態から補正を実行した状態の対向気筒間のクランク角速度の差分値を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における気筒間空燃比インバランス判定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態において算出された対向気筒間のクランク角速度の差分値を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1に、第1実施形態に係る内燃機関を概略的に示す。図示される内燃機関(エンジン)1は、自動車に搭載されたV型6気筒の4サイクル火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)である。エンジン1は、エンジンを前方F方向に見て右側の右バンクBRと、左側の左バンクBLとを有し、右バンクBRには奇数番気筒すなわち#1,#3,#5気筒がこの順に設けられ、左バンクBLには偶数番気筒すなわち#2,#4,#6気筒がこの順に設けられている。
これらの気筒毎に、インジェクタ(燃料噴射弁)2が設けられている。インジェクタ2は、対応気筒の吸気通路、特に、吸気ポート(図示せず)内に向けて燃料を噴射する。なおインジェクタは気筒内に燃料を直接噴射するように配置されていても良い。各気筒には、筒内の混合気に点火するための点火プラグ13が設けられている。
吸気を導入するための吸気通路7は、上記吸気ポートの他、集合部としてのサージタンク8と、各気筒の吸気ポートおよびサージタンク8を結ぶ複数の吸気マニホールド9と、サージタンク8の上流側の吸気管10とを含む。吸気管10には、上流側から順にエアフローメータ11と電子制御式スロットルバルブ12とが設けられている。エアフローメータ11は、吸気流量に応じた大きさの信号を出力する。
右バンクBRに対して右排気通路14Rが設けられ、左バンクBLに対して左排気通路14Lが設けられている。これら右および左の排気通路14R,14Lは下流触媒19の上流側で合流されている。この合流位置より上流側の排気系の構成は両バンクで同一なので、ここでは右バンクBR側についてのみ説明し、左バンクBL側については図中同一符号を付して説明を省略する。
右排気通路14Rは、#1,#3,#5の各気筒の排気ポート(図示せず)と、これら排気ポートの排気ガスを集合させる排気マニホールド16と、排気マニホールド16の下流側に設置された排気管17とを含む。そして排気管17には上流触媒18が設けられている。上流触媒18の上流側及び下流側(直前及び直後)にそれぞれ、排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサである触媒前センサ20及び触媒後センサ21が設置されている。このように、一方のバンクに属する複数の気筒(あるいは気筒群)に対して、上流触媒18、触媒前センサ20及び触媒後センサ21が各一つずつ設けられている。なお、右および左の排気通路14R,14Lを合流させないで、これらに個別に下流触媒19を設けることも可能である。
さらにエンジン1には、制御手段および検出手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)100が設けられている。ECU100は、いずれも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および不揮発性記憶装置等を含むものである。ECU100には、前述のエアフローメータ11、触媒前センサ20、触媒後センサ21のほか、エンジン1のクランク角ないしはポジションを検出するためのクランクポジションセンサ22、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ23、エンジン冷却水の温度を検出するための水温センサ24、その他の各種センサが、図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU100は、各種センサの検出値等に基づき、所望の出力が得られるように、インジェクタ2、点火プラグ13、スロットルバルブ12等を制御し、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、スロットル開度等を制御する。
ECU100のROMには、後述する補正処理に用いる補正量を決定するための補正量マップが格納されている。この補正量マップは、図3に示されるように、後述する指標値としてのクランク角速度ωが全気筒のうちで標準値ωNから最も離れている気筒における指標値の差分Δωの絶対値│Δω│と、指標値の差分Δωを補正するための補正量CAと、を関連付けて記憶させたものである。そして、この補正量CAは、全気筒のうちで指標値(クランク角速度ω)が標準値ωNから最も離れている気筒における差分Δωの絶対値│Δω│が大きいほど、大きくされている。
スロットルバルブ12には、スロットル開度センサ(図示せず)が設けられ、スロットル開度センサからの信号がECU100に送られる。ECU100は、通常、アクセル開度に応じて定まる開度に、スロットルバルブ12の開度(スロットル開度)をフィードバック制御する。またECU100は、エアフローメータ11からの信号に基づき、単位時間当たりの吸入空気の量すなわち吸入空気量を検出する。そしてECU100は、検出したアクセル開度、スロットル開度および吸入空気量の少なくとも一つに基づき、エンジン1の負荷を検出する。
ECU100は、クランクポジションセンサ22からのクランクパルス信号に基づき、クランク角自体を検出すると共にエンジン1の回転数を検出する。ここで「回転数」とは単位時間当たりの回転数のことをいい、回転速度と同義である。
触媒前センサ20はいわゆる広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能である。図2に触媒前センサ20の出力特性を示す。図示するように、触媒前センサ20は、検出した排気空燃比(触媒前空燃比A/Ff)に比例した大きさの電圧信号Vfを出力する。排気空燃比がストイキ(理論空燃比、例えばA/F=14.5)であるときの出力電圧はVreff(例えば約3.3V)である。
他方、触媒後センサ21はいわゆるO2センサからなり、ストイキを境に出力値が急変する特性を持つ。図2に触媒後センサ21の出力特性を示す。図示するように、排気空燃比(触媒後空燃比A/Fr)がストイキであるときの出力電圧、すなわちストイキ相当値はVrefr(例えば0.45V)である。触媒後センサ21の出力電圧は所定の範囲(例えば0〜1V)内で変化する。概して排気空燃比がストイキよりリーンのとき、触媒後センサの出力電圧Vrはストイキ相当値Vrefrより低くなり、排気空燃比がストイキよりリッチのとき、触媒後センサの出力電圧Vrはストイキ相当値Vrefrより高くなる。
上流触媒18及び下流触媒19は三元触媒からなり、それぞれに流入する排気ガスの空燃比A/Fがストイキ近傍のときに排気中の有害成分であるNOx、HCおよびCOを同時に浄化する。この三者を同時に高効率で浄化できる空燃比の幅(ウィンドウ)は比較的狭い。
そこで、エンジンの通常運転時、上流触媒18に流入する排気ガスの空燃比をストイキ近傍に制御するための空燃比フィードバック制御(ストイキ制御)がECU100により実行される。この空燃比フィードバック制御は、触媒前センサ20によって検出された排気空燃比が所定の目標空燃比であるストイキになるように混合気の空燃比(具体的には燃料噴射量)をフィードバック制御する主空燃比制御(主空燃比フィードバック制御)と、触媒後センサ21によって検出された排気空燃比がストイキになるように混合気の空燃比(具体的には燃料噴射量)をフィードバック制御する補助空燃比制御(補助空燃比フィードバック制御)とからなる。
このように第1実施形態において、空燃比の基準値はストイキであり、このストイキに相当する燃料噴射量(ストイキ相当量という)が燃料噴射量の基準値である。但し、空燃比および燃料噴射量の基準値は他の値とすることもできる。
空燃比フィードバック制御は、バンクごとにすなわちバンク単位で行われる。例えば右バンクBR側の触媒前センサ20および触媒後センサ21の検出値は、右バンクBRに属する#1,#3,#5気筒の空燃比フィードバック制御にのみ用いられ、左バンクBLに属する#2,#4,#6気筒の空燃比フィードバック制御には用いられない。逆も同様である。あたかも独立した直列3気筒エンジンが二つあるように、空燃比制御が実行されるのである。また、空燃比フィードバック制御においては、同一バンクに属する各気筒に対し、同一の制御量が一律に用いられる。
ここで、第1実施形態に係るV型6気筒のエンジン1は、図4に示すように、#1〜#4の4つのメインジャーナル(#1〜#4MJ)と、それぞれのメインジャーナルとの間でクランクスロー間に配置された3つのクランクピン(#1〜#3CP)とを備えるクランクシャフトCSを有している。そして、このクランクシャフトCSは、#1及び#2のクランクピン(#1CP及び#2CP)がクランク中心に関し120°の位相差を有し、#2及び#3のクランクピン(#2CP及び#3CP)がクランク中心に関し120°の位相差を有している。このクランクシャフトCSには、その#1のクランクピン#1CPに#1及び#2の気筒のコネクティングロッドの大端部が連結される。同様に、#2のクランクピン#2CPには#3及び#4の気筒、及び#3のクランクピン#3CPには#5及び#6の気筒のコネクティングロッドの大端部がそれぞれ連結される。また、このクランクシャフトCSには、そのメインジャーナル#1MJの前方に、2歯欠歯した34歯の突起が10°間隔で設けられたタイミングロータTRが設けられ、このタイミングロータTRの突起に向き合う関係で、上述の電磁ピックアップ方式のクランクポジションセンサ22が位置されている。
そして、上述の気筒配列を備えるエンジン1の点火順序の一例を示すと、#1、#2、#3、#4、#5、#6の気筒順であり、その点火間隔は、エンジン全体で見れば120°CAずつの等間隔である。
ところで、右バンクBRの#1、#3及び#5の気筒の点火に対し、左バンクBLの#4、#6及び#2の気筒は、それぞれ、クランクシャフトの1回転、すなわち、360°CA後に点火される関係にある。そこで、これらの#1と#4、#3と#6、及び#5と#2気筒は、それぞれ、本発明にいう一組の対向気筒である。
さて、例えば全気筒のうちの一部の気筒(特に1気筒)において、インジェクタ2の故障等が発生し、気筒間に空燃比のばらつき(インバランス:imbalance)が発生することがある。例えば右バンクBRについて、インジェクタ2の噴孔詰まりや開弁不良により#1気筒の燃料噴射量が他の#3,#5気筒の燃料噴射量よりも少なくなり、#1気筒の空燃比が他の#3,#5気筒の空燃比よりも大きくリーン側にずれる場合である。
このときでも、前述の空燃比フィードバック制御により比較的大きな補正量を与えれば、触媒前センサ20に供給されるトータルガス(合流後の排気ガス)の空燃比をストイキに制御できる場合がある。しかし、これは気筒別に見ると、#1気筒がストイキより大きくリーン、#3,#5気筒がストイキよりリッチであり、全体のバランスとしてストイキとなっているに過ぎず、エミッション上好ましくないことは明らかである。そこで第1実施形態では、かかる気筒間空燃比ばらつき異常を検出する装置が装備されている。
第1実施形態における気筒間空燃比ばらつき異常検出は、クランクシャフトCSの回転変動に基づいて行われる。ある気筒の空燃比が大きくリーン側にずれる場合には、燃焼により発生するトルクがストイキ時に比べて減少するため、クランクシャフトCSの角速度(クランク角速度ω)が低下する。このことを利用して、クランク角速度ωに基づいて気筒間空燃比ばらつき異常を検出することができる。なお、クランク角速度ωと相関する他のパラメータ(例えば、所定のクランク角を回転するために要する回転時間T)を用いて同様の異常検出を行っても良い。
ところで、気筒間空燃比ばらつきを、クランク角速度ωやこれと相関する他のパラメータ(例えば回転時間T)に基づいて検出する場合には、クランクシャフトCSに固定されたタイミングロータTRの回転をクランクポジションセンサ22で検出し、タイミングロータTRが所定角度回転するのに要する時間に基づいて、クランク角速度ωを算出すると共に、これを他の気筒についての値と比較したり、あるいは他の気筒についての値との差分を算出することによって、気筒間空燃比ばらつき異常を検出することになる。しかし、タイミングロータTRの製品ばらつきに起因して、タイミングロータTR周面に形成される多数の突起の回転方向位置にばらつきが生じると、これが誤検出につながるおそれがある。
例えば、図5には、クランク角が#1気筒TDCにあるときのタイミングロータTRの位置を示す。タイミングロータTRの回転方向をRで示し、クランクポジジョンセンサ22を仮想線で示す。このタイミングロータTRの位置で、クランクポジジョンセンサ22は、#1気筒TDCに対応する歯あるいは突起30Aを検出する。便宜上、この突起30Aの位置を基準すなわち0°CAとする。#1気筒TDCにおける回転時間T(s)を検出する際、突起30Aより所定角度Δθ=30°CA前の突起30Bがクランクポジジョンセンサ22により検出された時点から、突起30Aがクランクポジジョンセンサ22により検出された時点までの時間を、#1気筒TDCにおける回転時間Tとして検出していた。そして同様の手法で、#1気筒TDCより120°CA後の#2気筒(次点火気筒)TDCにおける回転時間が検出される。#2気筒TDCにおける回転時間から#1気筒TDCにおける回転時間を差し引いて、#1気筒の回転時間差ΔTが検出される。
しかし、この手法によると、#1気筒の回転時間Tを求める場合と、#2気筒の回転時間Tを求める場合とで、検出に用いる突起30が異なることになる。このため、タイミングロータTRの製品ばらつきに起因して、製品毎の突起30の位置がばらつくと、このばらつきに起因して、同一条件下で検出された各気筒の回転時間差ΔTの値がばらつくことになってしまう。
そこで第1実施形態では、互いに異なるバンクに属しクランク角が互いに360°異なる3組の対向気筒のそれぞれで検出されたクランク角速度に相関する指標値の差分に基づいて、気筒間の空燃比インバランスを判定する。すなわち、突起30Aがクランクポジジョンセンサ22により検出された時点から、突起30Aより所定角度Δθ’=360°CA後(1回転後)の同一の突起30Aがクランクポジジョンセンサ22により検出された時点までの時間を、#1気筒の回転時間T’[s]として検出する。そして、この回転時間T’の逆数であるクランク角速度ω1[rad/s]を、#1気筒の回転変動指標値とする。360°CA後の同一の突起30Aは、#4気筒TDCに対応するものである。
このように第1実施形態では、#1気筒と#4気筒のクランク角速度ω1,ω4を検出するのに同一の1つの突起30Aしか用いない。よって製品毎の突起30Aのずれを考慮する必要がない。そして全気筒のクランク角速度を検出するのに、互いに90°CAずつ離れた計3つの突起30しか用いない。よって、タイミングロータTRの製品ばらつきに起因した回転変動指標値の検出値のばらつきを抑制し、検出精度を向上することが可能である。
以上のとおり構成された第1実施形態の動作について説明する。第1実施形態では、エンジンの通常運転時、ECU100により、上述の空燃比フィードバック制御と、気筒間空燃比ばらつき異常検出とが並行して、それぞれ連続的に実行される。
ここで、例えば図6に示されるように、#1気筒〜#6気筒のうち#1気筒の空燃比だけが、例えば空燃比−30%と、標準値ωN(本実施形態ではストイキ相当)から大きくリーン側にずれている場合、この状態において上述した空燃比フィードバック制御が行われると、この空燃比フィードバックが上述のとおりバンク毎に行われ、同一バンクに属する各気筒(この場合には右バンクBRに属する#1、#3、#5気筒)に対し同一の制御量が一律に適用されて燃料噴射量が増量される結果、図7に示されるように、#1気筒が−20%のリーン、#3、#5気筒がそれぞれ+10%のリッチにされる。
このような状態において実行される気筒間空燃比ばらつき異常検出処理について、以下に詳細に説明する。図8において、まずECU100は、クランクポジションセンサ22の検出信号に基づいて、上述のとおりタイミングロータTRの同一の突起30を用いた回転変動の指標値としてのクランク角速度ω1〜ω6を算出する(S10)。このクランク角速度ω1〜ω6は、例えば連続した数十回の測定値の平均値によって算出するのが好適である。
次にECU100は、各気筒#1〜#6につき、それぞれのクランク角速度から対向気筒のクランク角速度を減じた差分値Δω1〜Δω6を算出する(S20)。ここで算出される差分値は、本発明にいう対向気筒のそれぞれで検出されたクランク角速度に相関する指標値の差分である。ステップS20で行われる演算は、Δω1=ω1−ω4、Δω2=ω2−ω5、Δω3=ω3−ω6、Δω4=ω4−ω1、Δω5=ω5−ω2、Δω6=ω6−ω3である。これらの演算によって算出された差分値Δω1〜6の例は図9に示されるとおりであり、対向気筒をなす#1と#4気筒、#3と#6気筒、及び#5と#2気筒は、それぞれ0を挟んだ対称な値となる。
そしてECU100は、算出された差分値Δω1〜Δω6のうちの最低値を、予め定められた補正基準値CTと比較し、補正基準値CT未満であるかを判断する(S30)。この例では図9に示されるように、差分値Δω1が最低値であるため、これが補正基準値CTと比較され、且つ補正基準値CT未満であるためステップS30で肯定される。
最低値が補正基準値CT未満である場合には、次に最低値の気筒と同一のバンクに属する他の気筒の対向気筒につき、差分値Δωを補正する(S40)。この例では、差分値Δω1の気筒(#1気筒)と同一のバンクに属する他の気筒(#3、#5気筒)の対向気筒(#6、#2気筒)につき、差分値Δω6,Δω2が補正される。この補正は、図3の補正量マップに従った補正量CAの算出と、差分値Δω6,Δω2に対する補正量CAの加算とによって行われる。この補正量CAは上述のとおり、全気筒のうちで指標値ωが標準値ωNから最も離れている気筒(この例では#1気筒)における差分Δω1の絶対値が大きいほど、大きくされる(図3)。この例では当該補正の結果、図10に示されるように、差分値Δω6,Δω2が燃焼改善方向(0に近づく側ないしストイキ側)に補正されることになる。なお、空燃比フィードバック補正、気筒間空燃比ばらつき異常検出および補正の各処理を、クランク角速度ωでなく回転時間Tを用いて行うことも可能であり、その場合には、図6,7,9,10のグラフは概ね上下反転した形状となる。
このようにして差分値Δωが補正された状態で、次にECU100は、気筒間空燃比インバランスを判定する(S50)。この判定は、差分値Δωが、予め定められた異常判定基準値IT未満であるかによって行われる。この異常判定基準値ITは、上述した補正基準値CTと同一でも異なっていてもよい。
ステップS50で異常と判定されると、運転者に気筒間空然比ばらつき異常が検出されたことを知らせるべく、例えば運転席のフロントパネルに備えられた警告ランプが点灯され、またECU100の不揮発性記憶装置における所定のダイアグノーシスメモリ領域に、異常があった旨と異常気筒の番号とが、整備作業者に読み出し可能な状態で記憶される。これにより図8のばらつき異常検出制御は終了される。
なお、第1実施形態では、補正の対象となる気筒、すなわち最低値の気筒(以下適宜ワースト気筒という)と同一のバンクに属する他の気筒の対向気筒は、それぞれ以下のとおりとなる。
ワースト気筒:#1 同バンクの他気筒:#3,#5 補正気筒:#6,#2
ワースト気筒:#2 同バンクの他気筒:#4,#6 補正気筒:#1,#3
ワースト気筒:#3 同バンクの他気筒:#5,#1 補正気筒:#2,#4
ワースト気筒:#4 同バンクの他気筒:#6,#2 補正気筒:#3,#5
ワースト気筒:#5 同バンクの他気筒:#1,#3 補正気筒:#4,#6
ワースト気筒:#6 同バンクの他気筒:#2,#4 補正気筒:#5,#1
以上のとおり、第1実施形態では、ECU100が、少なくとも一組の対向気筒のそれぞれで検出されたクランク角速度ω[rad/s]に相関する指標値の差分Δωに基づいて、気筒間の空燃比インバランスを判定する。ここで第1実施形態では、この少なくとも一組の対向気筒のクランク角が互いに360°異なるため、当該判定がタイミングロータTRの同一の突起30の検出に基づいて実行されることになる。したがって、タイミングロータTRの製品ばらつきに起因する検出誤りを抑制することができる。
また、燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック処理を、バンクすなわち気筒群ごとに行うと、全気筒のうちで指標値(クランク角速度ω)が標準値ωNから最も(例えばクランク角速度低下側すなわちリーン側に)離れている気筒(異常気筒)だけでなく、これと同一のバンクに属する他の気筒についても、フィードバック処理によって燃料噴射量が(例えばリッチ側に)変更されることになる。ところが、この燃料噴射量の変更に起因して当該他の気筒でトルク変動(例えば増大)が生じるため、インバランス判定において指標値(クランク角速度ω)の対向気筒間の差分Δωを算出した場合に、当該他の気筒の対向気筒につき、空燃比とりわけ燃料噴射系に異常がないにもかかわらず異常と誤判定されてしまうおそれがある。ここで第1実施形態では、空燃比インバランスを判定する前に、全気筒のうちで指標値であるクランク角速度ωが標準値ωNから最も離れている気筒と同一のバンクに属する他の気筒の対向気筒につき、指標値を燃焼改善方向(例えばクランク角速度上昇側)に補正するので、フィードバック処理による燃料噴射量の変更に起因するインバランス判定手段の誤判定を抑制することができる。
また、第1実施形態では、好ましくは、前記補正に係る補正量は、全気筒のうちで指標値(クランク角速度ω)が標準値ωNから最も離れている気筒における指標値(クランク角速度ω)に応じて変更される。したがって、空燃比ばらつきの程度に応じた適切な補正値を設定することができる。
また第1実施形態では、前記補正に係る補正量CAは、全気筒のうちで前記指標値(クランク角速度ω)が標準値ωNから最も離れている気筒における前記差分Δωの絶対値│Δω│が大きいほど、大きくされる。一般に、異常気筒とその対向気筒との指標値の差分Δωの絶対値│Δω│が大きいほど、異常気筒と同一のバンクに属する他の気筒に対する空燃比フィードバック補正量が大きくされる。したがって、これら他の気筒の対向気筒に対する補正量CAを、異常気筒とその対向気筒との指標値の差分の絶対値│Δω│が大きいほど大きくすることによって、適切な補正量を設定することができる。
なお、第1実施形態では、差分Δωの絶対値│Δω│に基づいて補正量マップ(図3)を使って算出した補正量CAを、差分値Δωに加算する構成としたが、このような構成に代えて、予め作成された補正率マップを使用し、差分Δωの絶対値│Δω│に基づいて補正率を求め、この補正率を差分値Δωに乗算する構成としてもよい。この場合には、補正率は、差分Δωの絶対値│Δω│が大きいほど、小さくされる(すなわち、絶対値│Δω│を横軸とし補正率を縦軸とするグラフでは、補正率は0に徐々に近づくような「右下がり」とする)のが好適である。
また、第1実施形態では2バンク6気筒のエンジン1を例として説明したが、本発明は2バンク8気筒のエンジンについても同様に適用することができる。例えばエンジンが前方F方向に見て右側の右バンクBRと、左側の左バンクBLとを有し、右バンクBRには奇数番気筒すなわち#1,#3,#5,#7気筒が設けられ、左バンクBLには偶数番気筒すなわち#2,#4,#6,#8気筒が設けられている場合に、補正対象の気筒は以下のとおりとなる。点火順序は#1,#8,#7,#3,#6,#5,#4,#2であり、#1と#6、#8と#5、#7と#4、及び#3と#2気筒は、それぞれ本発明にいう一組の対向気筒である。
ワースト気筒:#1 同バンクの他気筒:#3,#5,#7 補正気筒:#2,#8,#4
ワースト気筒:#2 同バンクの他気筒:#4,#6,#8 補正気筒:#7,#1,#5
ワースト気筒:#3 同バンクの他気筒:#1,#5,#7 補正気筒:#6,#8,#4
ワースト気筒:#4 同バンクの他気筒:#2,#6,#8 補正気筒:#3,#1,#5
ワースト気筒:#5 同バンクの他気筒:#1,#3,#7 補正気筒:#6,#2,#4
ワースト気筒:#6 同バンクの他気筒:#2,#4,#8 補正気筒:#3,#7,#5
ワースト気筒:#7 同バンクの他気筒:#1,#3,#5 補正気筒:#6,#2,#8
ワースト気筒:#8 同バンクの他気筒:#2,#4,#6 補正気筒:#3,#7,#1
次に、本発明の第2実施形態について以下に説明する。上述した第1実施形態では、例えば#3気筒について処理する場合に、#2,#4気筒についても同時に補正処理する必要があったが、以下に説明する第2実施形態は、この処理を簡易化することを目的としたものである。
第2実施形態において実行される気筒間空燃比ばらつき異常検出処理について、以下に詳細に説明する。図11において、まずECU100は、クランクポジションセンサ22の検出信号に基づいて、上述のとおりタイミングロータTRの同一の突起30を用いた回転変動の指標値としてのクランク角速度ω1〜ω6を算出する(S110)。次にECU100は、各気筒#1〜#6につき、それぞれのクランク角速度から対向気筒のクランク角速度を減じた差分値Δω1〜Δω6を算出する(S120)。ここまでの処理は上述した第1実施形態の処理(図8)におけるステップS10,S20の処理と同様である。いま、このようにして算出された差分値Δω1〜6が、例えば図12に示されるとおりであるとする。
次にECU110は、注目気筒を示す気筒カウンタnを1に初期化し(S130)、次に、#n気筒の差分値Δωが補正基準値CT2未満かを判断する(S140)。図12の例では、#1気筒の差分値Δω1は補正基準値CT2以上であるため否定され、ステップS150〜S180がスキップされる。そして全気筒についての処理が終了したかが判断され(S190)、ここでは否定される結果、気筒カウンタnがインクリメントされて(S200)、次の点火気筒である#2気筒につき、差分値Δω2が補正基準値CT2未満かが判断される(S140)。
図12の例では、注目気筒である#2気筒の差分値Δω2は補正基準値CT2未満である。そこでECU100は、前点火気筒(ここでは#1気筒)の差分値Δω1よりも、注目気筒である#2気筒の差分値Δω2が所定値以上増加(良化)しているかを判断する(S150)。そして肯定の場合には、この#2気筒の差分値Δω2を、燃焼改善方向に補正する(S160)。この補正量は上述した第1実施形態と同様に、補正量マップ(図3)の参照によって決定される。ステップS150で否定の場合には、ステップS160はスキップされ、#2気筒についての差分値Δω2の補正は行われない。
次に、ECU100は、現在の注目気筒である#2気筒の後点火気筒(ここでは#3気筒)の差分値Δω3よりも、注目気筒である#2気筒の差分値Δω2が所定値以上増加(良化)しているかを判断する(S170)。そして肯定の場合には、この#2気筒の差分値Δω2を、燃焼改善方向に補正する(S180)。この補正量も上述した第1実施形態と同様に、補正量マップ(図3)の参照によって決定される。ステップS170で否定の場合には、ステップS180はスキップされ、#2気筒についての差分値Δω2の補正は行われない。
次に、ステップS190での否定及びS200での注目気筒変更を経て、ワースト気筒である#3気筒を注目気筒として、ステップS140〜S180の処理が行われる。この場合には、#3気筒の差分値Δω3は補正基準値CT2未満であるものの(S140)、その差分値Δω3は前点火気筒(#2)の差分値Δω2よりも増加(良化)しておらず(S150)、かつ後点火気筒(#4)の差分値Δω4よりも増加(良化)していない(S150)ため、ステップS160及びS180はいずれもスキップされ、#3気筒についての補正は実行されない。
以上の処理は、全気筒についての処理が終了するまで(S190)、気筒カウンタnのインクリメントによって注目気筒を変えながら順次実行され(S200)、全気筒について差分値Δωの補正が必要に応じて行われることになる。
以上の処理の結果、第2実施形態では、注目気筒が差分値Δωの補正を要する気筒、すなわちワースト気筒と同一のバンクに属する他の気筒の対向気筒である場合には、当該注目気筒のみについての補正処理が行われ、注目気筒がワースト気筒である場合など補正を要しない場合には、補正処理がスキップされる。
このように、第2実施形態では、注目気筒の差分値Δωが、当該注目気筒と同一のバンクに属する他の気筒の対向気筒のいずれかについての差分値Δωよりも所定値以上増加(良化)している場合に、当該注目気筒の差分値Δωを燃焼改善方向に補正することとした。したがって第2実施形態では、ワースト気筒について補正を回避しながら、注目気筒についての差分値Δωの補正を要するか否かを、他の気筒についての補正の要否の判断とは無関係に実行できるので、差分値Δωの補正を要する気筒、すなわちワースト気筒と同一のバンクに属する他の気筒の対向気筒についての補正処理を、他の気筒についての補正処理から独立して実行でき、処理を簡易化することができる。
以上、本発明の好適な実施形態につき詳細に説明したが、本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
例えば、上記各実施形態では、全ての対向気筒の組について検出された指標値(クランク角速度ω)の差分に基づいて気筒間の空燃比インバランスを判定したが、検出対象となる気筒は少なくとも一組の対向気筒であれば、その限りにおいて本発明による効果を得ることができる。
また、空燃比ばらつき異常の検出感度を向上させるため、所定の対象気筒の燃料噴射量をアクティブに若しくは強制的に増量または減量し、増量または減量後の対象気筒の回転変動に基づき、ばらつき異常を検出してもよい。この場合の燃料噴射量の強制的な増量又は減量は、対向気筒となる一組の気筒について、または複数組の気筒の各組について、共通の量で実行することとするのが好適である。
本発明はV型6気筒エンジンに限らず、他の気筒数のエンジンや、複数のバンクすなわち気筒群を有する他の形式のエンジン、例えば水平対向型エンジンにも適用可能であり、かかる態様も本発明の範疇に属するものである。
1 内燃機関(エンジン)
2 インジェクタ
11 エアフローメータ
12 スロットルバルブ
18 上流触媒
20 触媒前センサ
22 クランクポジションセンサ
23 アクセル開度センサ
30,30A 突起
100 電子制御ユニット(ECU)
CS クランクシャフト
TR タイミングロータ

Claims (3)

  1. 共通のクランクシャフトに接続された複数の気筒を有し且つ当該複数の気筒によって複数のバンクが構成される多気筒内燃機関において、互いに異なるバンクに属しクランク角が互いに360°異なる少なくとも一組の対向気筒のそれぞれで検出されたクランク角速度に相関する指標値の差分に基づいて、気筒間の空燃比インバランスを判定するインバランス判定手段と、
    空燃比が所定の目標空燃比に一致するように、前記バンクごとに燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック処理を行う空燃比フィードバック処理手段と、
    を備えた多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置において、
    前記空燃比インバランスを判定する前に、全気筒のうちで前記指標値が標準値から最も離れている気筒と同一のバンクに属する他の気筒の対向気筒につき、前記指標値の差分を燃焼改善方向に補正する補正手段を更に備えたことを特徴とする多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置。
  2. 請求項1に記載の多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置であって、
    前記補正に係る補正量は、全気筒のうちで前記指標値が標準値から最も離れている気筒における当該指標値に応じて変更されることを特徴とする多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置。
  3. 請求項2に記載の多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置であって、
    前記補正に係る補正量は、全気筒のうちで前記指標値が標準値から最も離れている気筒における前記差分の絶対値が大きいほど、大きくされることを特徴とする多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置。
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