JP2003184608A - 多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP2003184608A
JP2003184608A JP2001382253A JP2001382253A JP2003184608A JP 2003184608 A JP2003184608 A JP 2003184608A JP 2001382253 A JP2001382253 A JP 2001382253A JP 2001382253 A JP2001382253 A JP 2001382253A JP 2003184608 A JP2003184608 A JP 2003184608A
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cylinder
qcy
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fuel
cylinders
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Shigetaka Hisatomi
茂隆 久富
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Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】パルサの加工精度や装着精度等に起因するエン
ジン回転速度偏差の誤差を補償して、各気筒に対するよ
り精度の高い噴射量補正を行うことのできる多気筒内燃
機関の燃料噴射制御装置を提供する。 【解決手段】各気筒の燃料行程における回転速度の偏差
に応じて算出される気筒毎補正量qcy[1]〜[4]につ
いて、気筒毎補正量qcy[1]とqcy[4]との差が小さ
く、且つ、気筒毎補正量qcy[2]並びにqcy[3]が共に
気筒毎補正量qcy[1]並びにqcy[4]よりも小さい状態
が所定期間継続する場合には、同傾向を補償すべく気筒
毎補正量qcy[2]並びにqcy[3]を増量補正する一方、
気筒毎補正量qcy[1]とqcy[4]との差が小さく、且
つ、気筒毎補正量qcy[2]並びにqcy[3]が共に気筒毎
補正量qcy[1]並びにqcy[4]よりも大きい状態が所定
期間継続する場合には、同傾向を補償すべく気筒毎補正
量qcy[2]並びにqcy[3]を減量補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多気筒内燃機関
の燃料噴射制御装置に係り、詳しくは各気筒毎の1燃焼
サイクルにおける回転変動を抑制するように燃料噴射量
を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば電子制御ディーゼルエ
ンジンでは、その燃料噴射ポンプにおけるプランジャの
リフトに応じて得られる燃料噴射量が目標噴射量となる
ように、電磁スピル弁等のアクチュエータが制御され
る。これにより、プランジャ高圧室が低圧の燃料室へ開
放され、プランジャ高圧室内の燃料の一部が燃料室へ溢
流して、燃料の圧送終わり時期、即ち噴射終了時期が制
御され、所要の噴射量が得られるようになっている。
【0003】この種の燃料噴射量制御に関する技術とし
ては従来から種々提案されているが、例えば、特開昭6
0−162031号公報には、電子制御ディーゼルエン
ジンの各気筒間における燃料噴射量を制御する方法が記
載されている。即ち、この技術では、平均エンジン回転
速度やアクセル開度等に基づいて基本的な目標噴射量が
算出される。また、各気筒毎の1燃焼サイクルにおける
回転変動が検出され、その回転変動のばらつきが無くな
るように各気筒毎の噴射補正量が算出される。そして、
上記算出された基本的な目標噴射量が噴射補正量により
補正され、その補正された最終的な目標噴射量に基づい
て上記アクチュエータが各気筒毎に制御される。これに
より、各気筒間の燃料噴射量のばらつきに起因するエン
ジン振動が抑えられるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な気筒別燃料噴射制御装置において、各気筒毎の1燃焼
サイクルにおける回転変動は、各気筒の燃焼行程におけ
る特定期間の回転速度偏差に基づいて算出されている。
そして通常、この回転速度は、所定クランク角ごとに出
力されるクランク角信号に基づいて算出される。ちなみ
にこのクランク角信号は、例えばエンジン出力軸である
クランクシャフトに装着された図8に例示するようなパ
ルサ41の外周面に所定角度ごとに形成された歯41a
がその回転に伴ってエンジン回転速度センサ40により
検出されるたびに出力される。従って、本来は、1つの
クランク角信号と所定クランク角とは一致するはずであ
るが、製造公差等によってそれら歯が正確に所定角度ご
とに形成されていない場合や、パルサの回転中心とクラ
ンクシャフトの軸心とが一致していない場合など、パル
サ41の加工精度や装着精度等に問題がある場合には、
クランク角信号と所定クランク角とが一致しなくなって
しまう。そしてこの場合には、クランク角信号に基づい
て算出される前記回転速度にもパルサ41の加工精度や
装着精度等に起因する誤差が含まれるようになるため、
その信頼性が低下し、正確な回転速度偏差を算出するこ
とができなくなる。もちろん、このような誤差を含んだ
回転速度偏差に基づいて燃料噴射量を補正しても回転速
度の偏差を抑えることはできず、特にアイドル時等にあ
っては、こうした回転速度の偏差に起因するエンジン振
動が無視できないものとなる。
【0005】なお、上記クランクシャフトに設けられる
パルサに限らず、燃料噴射ポンプのポンプ駆動シャフト
に設けられるパルサにあっても、あるいは燃料噴射ポン
プを用いずに、コモンレール等の高圧配管を用いて燃料
噴射を行うディーゼルエンジンにあっても、パルサを介
した回転速度偏差の算出に基づいて各気筒の噴射量補正
を行う装置にあっては、こうした実情も概ね共通したも
のとなっている。
【0006】この発明は上記実情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、パルサの加工精度や装着精度等
に起因するエンジン回転速度偏差の誤差を補償して、各
気筒に対するより精度の高い噴射量補正を行うことので
きる多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段及びその作用効果について以下に記載する。請求
項1に記載の発明は、多気筒内燃機関の出力軸の回転に
対応してその所定角度ごとにパルスを発生させるための
複数の素子を有するパルサ、及び前記各素子の通過を検
出してそれぞれ対応するパルス信号を出力するセンサを
備えるとともに、この出力されるパルス信号に基づいて
前記出力軸の各気筒間での回転速度偏差を算出し、この
算出した各気筒間での回転速度偏差が抑制されるように
それら各気筒に噴射供給する燃料量を補正する多気筒内
燃機関の燃料噴射制御装置において、前記補正される燃
料量について前記各気筒ごとの一定の傾向の有無を判定
し、一定の傾向有りと判定されるとき、同傾向を補償す
べく前記補正する燃料量を更に増減補正する補正手段を
備えることをその要旨とする。
【0008】上記の構成によれば、パルサは多気筒内燃
機関の出力軸の回転に対応してその所定角度ごとにパル
スを発生させるための複数の素子を有し、センサは前記
各素子の通過を検出してそれぞれ対応するパルス信号を
出力する。このセンサから出力されるパルス信号に基づ
いて前記出力軸の各気筒間での回転速度偏差が算出さ
れ、この算出された各気筒間での回転速度偏差を抑制す
るようにそれら各気筒に噴射供給する燃料量が補正され
る。ここで、前記パルサの加工精度や出力軸との装着精
度等に問題がある場合には、その影響で正確な各気筒間
での回転速度偏差を算出できず、該回転速度偏差を抑制
するように補正される燃料量の補正量は誤差を含んだも
のとなる。しかしながら、上記請求項1に係る発明で
は、補正手段により、前記補正される燃料量について前
記各気筒ごとの一定の傾向の有無が判定され、一定の傾
向有りと判定されるとき、同傾向を補償すべく前記補正
される燃料量が更に増減補正される。したがって、パル
サの加工精度や出力軸との装着精度等に問題がある場合
であれ、前記補正される燃料量がその一定の傾向に応じ
て更に増減補正されることによってその影響が抑えら
れ、各気筒間での回転速度偏差が好適に抑制されるよう
になる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記補
正手段は、特定の気筒に対する燃料量補正量よりも他の
気筒に対する燃料量補正量が常に大きい及び常に小さい
のいずれか一方が所定の期間継続されることをもって前
記一定の傾向有りと判定することをその要旨とする。
【0010】なお、上記特定の気筒とは内燃機関の複数
ある気筒の中のいずれか1気筒であり、他の気筒とはこ
の特定の気筒以外の気筒である。例えば4気筒内燃機関
の場合、1番気筒を特定の気筒とすれば、2、3、4番
気筒が他の気筒になり、2番気筒を特定の気筒とすれ
ば、1、3、4番気筒が他の気筒になる。
【0011】ここで、前記パルサの加工精度や装着精度
等が高い場合には、各気筒間での回転速度偏差、すなわ
ち各気筒での回転速度のばらつき、というのは各気筒毎
にランダムであって、常にある気筒のみ回転速度が速
い、若しくは遅いといったことは確率上非常に少ない。
逆にいえば、常にある気筒のみ回転速度が速い、若しく
は遅い場合には、ある気筒の回転速度を算出する際に利
用する前記パルサの加工精度や装着精度などが低いと考
えることができる。そこで、上記請求項2に記載の発明
では、各気筒での回転速度と密接な関係にある前記燃料
量補正量に着目し、特定の気筒に対する燃料量補正量よ
りも他の気筒の燃料量補正量が常に大きい及び常に小さ
いのいずれか一方が所定期間継続された場合に、前記パ
ルサの加工精度や装着精度等に起因する誤差が前記燃料
量補正量に含まれていると判定するようにしている。従
って、同構成によれば、他の気筒に対する燃料量補正量
に前記パルサの加工精度や装着精度等の影響による誤差
が含まれているかどうかを確実に判定することができる
ようになる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記パ
ルサは、前記内燃機関の各気筒に対応して、少なくとも
その2箇所において同一の素子が重複して検出されるよ
うに、前記複数の素子が配設されてなり、前記補正手段
は、前記重複して検出される素子のいずれか1つを基準
としてその検出に基づき算出される回転速度偏差をそれ
ぞれ抑制するための該当する2つの気筒での各燃料量補
正量の差が同2つの気筒において小さく、且つ、他の重
複して検出される素子の検出に基づき算出される回転速
度偏差をそれぞれ抑制するための該当する2つの気筒で
の各燃料量補正量が共に前記基準とした素子に対応する
2つの気筒での各燃料量補正量よりも小さい状態及び大
きい状態のいずれか一方が所定期間継続されることをも
って、前記一定の傾向有りと判定することをその要旨と
する。
【0013】例えば、直列4気筒内燃機関の出力軸(ク
ランクシャフト)に前記パルサが装着され、また各気筒
の点火順序が1番気筒→3番気筒→4番気筒→2番気筒
である場合、同パルサに設けられた素子は、1番気筒並
びに4番気筒に対応するものと、2番気筒並びに3番気
筒に対応するものとの2箇所で、それぞれ重複してセン
サにより検出される。ここで、1〜4番気筒の前記回転
速度偏差に基づく燃料量補正量をそれぞれΔQ1〜ΔQ
4とすると、こうした素子の重複検出によって、補正量
ΔQ1とΔQ4とについてはこれに含まれるパルサの加
工精度や装着精度等に起因する誤差は同一になる。同様
に、補正量ΔQ2とΔQ3とについても、これに含まれ
るパルサの加工精度や装着精度等に起因する誤差は同一
になる。したがって、これらパルサの加工精度や装着精
度等に起因する燃料量補正量の誤差に着目した場合に
は、補正量ΔQ1並びにΔQ4は1つのグループと見な
すことができ、補正量ΔQ2並びにΔQ3はもう1つ別
のグループと見なすことができる。そして前述したよう
に、常に特定の気筒のみ回転速度が速い、若しくは遅い
といった現象は確率上非常に低いため、こうした条件に
おいても、常に特定のグループのみ燃料量補正量が大き
い、若しくは小さいといったことは確率上非常に少な
い。そこで上記構成のように、例えば補正量ΔQ1並び
にΔQ4のグループを基準とした場合に、それら補正量
ΔQ1とΔQ4との差が小さく、かつ補正量ΔQ2並び
にΔQ3が共に補正量ΔQ1並びにΔQ4よりも小さい
状態及び大きい状態のいずれか一方が所定期間継続され
るか否かを監視するようにすることで、前記一定の傾向
の有無を的確に判定することができるようになる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記補
正手段は、前記他の重複して検出される素子の検出に基
づき算出される回転速度偏差をそれぞれ抑制するための
該当する2つの気筒での各燃料量補正量が共に前記基準
とした素子に対応する2つの気筒での各燃料量補正量よ
りも小さい状態が所定期間継続されるとき、前記他の重
複して検出される素子の検出に基づき算出される回転速
度偏差をそれぞれ抑制するための該当する2つの気筒で
の各燃料量補正量の少なくとも一方が前記基準とした素
子に対応する2つの気筒での各燃料量補正量の少なくと
も一方以上となるまで、それら補正する燃料量を更に増
量補正し、前記他の重複して検出される素子の検出に基
づき算出される回転速度偏差をそれぞれ抑制するための
該当する2つの気筒での各燃料量補正量が共に前記基準
とした素子に対応する2つの気筒での各燃料量補正量よ
りも大きい状態が所定期間継続されるとき、前記他の重
複して検出される素子の検出に基づき算出される回転速
度偏差をそれぞれ抑制するための該当する2つの気筒で
の各燃料量補正量の少なくとも一方が前記基準とした素
子に対応する2つの気筒での各燃料量補正量の少なくと
も一方以下となるまで、それら補正する燃料量を更に減
量補正することをその要旨とする。
【0015】同構成によれば、上記請求項3に記載の構
成において、例えば同様に直列4気筒内燃機関を想定し
たとき、前記補正量ΔQ2並びにΔQ3が共に補正量Δ
Q1並びにΔQ4よりも小さい状態が所定期間継続され
るとき、補正量ΔQ2及びΔQ3の少なくとも一方が補
正量ΔQ1及びΔQ4の少なくとも一方以上となるま
で、それら補正量ΔQ2及びΔQ3が更に増量補正され
る。一方、前記補正量ΔQ2並びにΔQ3が共に補正量
ΔQ1並びにΔQ4よりも大きい状態が所定期間継続さ
れるとき、補正量ΔQ2及びΔQ3の少なくとも一方が
補正量ΔQ1及びΔQ4の少なくとも一方以下となるま
で、それら補正量ΔQ2及びΔQ3が更に減量補正され
る。このように請求項4に記載の構成によれば、請求項
3記載の構成によって一定の傾向有りと判定された後、
同傾向に起因するエンジン回転速度偏差の誤差が的確に
補償されるようになる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置に
おいて、前記内燃機関がアイドル安定状態にあるか否か
を判定する手段を更に備え、前記燃料量の補正、及び前
記補正手段による前記判定並びに燃料量の更なる増減補
正は、前記内燃機関がアイドル安定状態にある条件のも
とで実行されることをその要旨とする。
【0017】同構成によれば、各気筒間の燃料噴射量の
ばらつきに起因する機関振動が発生しやすいアイドル時
にあって、請求項1〜4のいずれかに記載の発明の作用
効果が得られるため、アイドル運転状態における機関振
動を好適に抑制することができる
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明における多気筒内
燃機関の燃料噴射制御装置を自動車に搭載された蓄圧式
4気筒ディーゼルエンジン(コモンレール型4気筒ディ
ーゼルエンジン)に具体化した一実施形態を図1〜図8
に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1は、本実施の形態としての蓄圧式4気
筒ディーゼルエンジン(コモンレール型4気筒ディーゼ
ルエンジン)2とその制御系統を示す概略構成図であ
る。ディーゼルエンジン2には、複数の気筒(本実施の
形態では4気筒であるが、1気筒のみ図示している)♯
1,#2,#3,♯4が設けられており、各気筒♯1〜
♯4の燃焼室に対して燃料噴射弁4がそれぞれ設けられ
ている。燃料噴射弁4からディーゼルエンジン2の各気
筒♯1〜♯4への燃料噴射は、燃料噴射制御用電磁弁4
aのオン・オフにより制御される。また、本実施の形態
において各気筒の点火順序は♯1→#3→♯4→#2と
なっている。
【0020】燃料噴射弁4は、各気筒共通の蓄圧配管と
してのコモンレール6に接続されており、前記燃料噴射
制御用電磁弁4aが開いている間、コモンレール6内の
燃料が燃料噴射弁4より各気筒♯1〜♯4に噴射され
る。前記コモンレール6には、燃料噴射圧に相当する比
較的高い圧力が蓄積されている。この蓄圧を実現するた
めに、コモンレール6は供給配管8を介してサプライポ
ンプ10の吐出ポート10aに接続されている。サプラ
イポンプ10は、吸入ポート10bを介して燃料タンク
12に接続されており、その途中にはフィルタ14が設
けられている。サプライポンプ10は、燃料タンク12
からフィルタ14を介して燃料を吸入し、ディーゼルエ
ンジン2の回転に同期する図示しないカムによってプラ
ンジャを往復運動させて燃料圧力を要求される所定圧に
まで高めることで、高圧燃料をコモンレール6に供給し
ている。
【0021】ディーゼルエンジン2の燃焼室には、吸気
通路18および排気通路20がそれぞれ接続されてい
る。吸気通路18にはスロットルバルブ(図示略)が設
けられており、このスロットルバルブをディーゼルエン
ジン2の運転状態により開度調整することにより、燃焼
室内に導入される吸入空気の流量が調整される。
【0022】また、ディーゼルエンジン2の燃焼室内に
は、グロープラグ22が配設されている。このグロープ
ラグ22は、ディーゼルエンジン2の始動直前にグロー
リレー22aにて電流が流されることにより赤熱し、こ
れに燃料噴霧の一部が吹きつけられることで着火・燃焼
が促進される始動補助装置である。
【0023】ディーゼルエンジン2には、以下の各種セ
ンサ等が設けられており、これらは、本実施の形態にお
いて、ディーゼルエンジン2の運転状態を検出する。す
なわち、アクセルペダル24の近傍には、アクセル開度
ACCPを検出するためのアクセルセンサ26が設けら
れ、更にアクセルセンサ26の近傍には、アクセルペダ
ル24の踏込量がゼロの場合に全閉信号(オン)を出力
する全閉スイッチ28が設けられている。またディーゼ
ルエンジン2には、ディーゼルエンジン2を始動させる
ためのスタータ30が設けられている。このスタータ3
0には、その作動状態を検知するスタータスイッチ30
aが設けられている。ディーゼルエンジン2のシリンダ
ブロックには、その冷却水の温度(冷却水温THW)を
検出するための水温センサ32が設けられている。更に
オイルパン(図示略)にはエンジンオイルの温度THO
を検出する油温センサ34が設けられている。またリタ
ーン配管16には、燃料温度THFを検出するための燃
温センサ36が設けられている。また、前記コモンレー
ル6にはコモンレール6内の燃料の圧力を検出するため
に燃圧センサ38が設けられている。
【0024】ディーゼルエンジン2のクランクシャフト
(図示略)にはパルサ41が設けられており、このパル
サ41の近傍には、エンジン回転速度センサ40が設け
られている。図8はエンジン回転速度センサとパルサ4
1の構成及び配置図を示している。このエンジン回転速
度センサ40は、パルサ41の外周面に形成された複数
の歯41aが横切るたびにパルス信号を出力する。そし
て、このクランク角信号からディーゼルエンジン2の回
転速度NEを算出する。パルサ41の歯41aは、36
個を等間隔に配列した状態から、1カ所において連続し
た2歯を欠歯部41bとして除いた34個からなってお
り、ディーゼルエンジン2が回転すると、図2に示すよ
うに、10°CA毎に、各歯41aによるパルス信号、
すなわちクランク角信号が出力される。尚、欠歯部41
bの位置では、パルス間隔は30°となり、このような
欠歯部41bを示す基準信号が360°CA毎に現れ
る。そして、歯41aにより得られるクランク角信号と
欠歯部41bにより得られる基準信号により、クランク
シャフトの角度位置が特定できる。
【0025】クランクシャフトの回転は、吸気弁18a
および排気弁20aを開閉動作させるためのカムシャフ
ト(図示略)にタイミングベルト等を介して伝達され
る。このカムシャフトは、クランクシャフトの1/2回
転の回転速度で回転するよう設定されている。このカム
シャフトにはその外周面に1ヶ所突起部が形成された気
筒判別用パルサ49が設けられており、同パルサの近傍
に設けられた気筒判別センサ42は前記突起部を検出す
ることにより気筒判別信号を出力する。また、#1気筒
のピストンが圧縮上死点に到達する前の所定クランク角
にて前記気筒判別信号が出力されるように前記突起部の
位置は決められている。このように、本実施の形態では
エンジン回転速度センサ40と気筒判別センサ42から
出力されるパルス信号により、エンジン回転速度NE、
クランク角CA、気筒♯1の圧縮上死点(TDC)が算
出されている。トランスミッション44の出力軸側に
は、出力軸の回転速度から車速SPDを検出する車速セ
ンサ48が設けられている。またディーゼルエンジン2
の出力により駆動するエアコン装置(図示略)が設けら
れている。
【0026】本実施の形態においては、ディーゼルエン
ジン2の各種制御を司るための電子制御装置(ECU)
52が設けられており、このECU52により、燃料噴
射量制御やグロー制御等のディーゼルエンジン2を制御
するための処理、更に気筒毎補正量算出処理や補正誤差
補償処理等が行われる。ECU52は、中央処理制御装
置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶し
た読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一
時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、演算結
果や予め記憶されたデータ等を保存するバックアップR
AM、タイマカウンタ、入力インターフェース、出力イ
ンターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心
として構成されている。前述したアクセルセンサ26、
水温センサ32、油温センサ34、燃温センサ36、燃
圧センサ38等は、それぞれバッファ、マルチプレク
サ、A/D変換器(いずれも図示略)を介してECU5
2の入力インターフェースに接続されている。また、エ
ンジン回転速度センサ40、気筒判別センサ42、車速
センサ48等は、波形整形回路(図示略)を介してEC
U52の入力インターフェースに接続されている。更に
全閉スイッチ28、スタータスイッチ30a等はECU
52の入力インターフェースに直接接続されている。こ
れ以外にバッテリ電圧Vbおよびオルタネータの制御デ
ューティDF等がECU52に入力されて、その値が読
み込まれている。CPUは上記各センサやスイッチ類の
信号を、入力インターフェースを介して読み込む。また
燃料噴射制御用電磁弁4a、圧力制御弁10c、グロー
リレー22a等は、それぞれ駆動回路を介してECU5
2の出力インターフェースに接続されている。CPU
は、入力インターフェースを介して読み込んだ入力値に
基づき制御演算を行い、出力インターフェースを介して
燃料噴射制御用電磁弁4a、圧力制御弁10c、グロー
リレー22a等を好適に制御する。
【0027】図3のフローチャートにECU52により
実行される燃料噴射量制御処理を示す。本処理は一定ク
ランク角毎、ここでは4気筒であるのでクランク角18
0°CA毎の割り込みで実行される。
【0028】処理が開始されると、まずエンジン回転速
度NE、アクセル開度ACCP等を用い、予め設定され
ている演算式に従い燃料噴射量指令値QFINを算出す
る(ステップS110)。次に後述する気筒毎補正量算
出処理にて算出されている今回の燃料噴射の対象となっ
ている#K(以下、Kは気筒番号を表す)気筒に対して
算出されている気筒毎補正量qcy[K]により、次式
(1)に示すごとく燃料噴射量指令値QFINを補正す
る(ステップS120)。
【0029】 QFIN ← QFIN + qcy[K] … (1) そして次にこのようにして補正された燃料噴射量指令値
QFINに基づいて、燃料噴射対象である#K気筒に設
けられている燃料噴射弁4における燃料噴射制御用電磁
弁4aの開弁時間を設定し(ステップS130)、一旦
本処理を終了する。
【0030】上述した燃料噴射量制御処理が繰り返され
ることにより、燃料噴射タイミングとなった気筒に対し
て燃料噴射弁4からディーゼルエンジン2の運転状態に
応じた適切な量の燃料が噴射される。
【0031】次に図4のフローチャートにECU52に
より実行される気筒毎補正量算出処理を示す。本処理は
一定クランク角毎、ここでは4気筒であるのでクランク
角180°CA毎の割り込みで実行される。本処理が開
始されると、まずディーゼルエンジン2がアイドル安定
状態にあるか否かが判定される(ステップS200)。
ここでアイドル安定状態とは、車速SPD=0km/h
で、かつアクセルペダル24が完全に戻されて(アクセ
ル開度ACCP=0%、全閉スイッチ28が「ON」)
から十分な時間が経過してエンジン回転速度が安定した
アイドル状態となっている状態を表している。
【0032】アイドル安定状態でなければ(ステップS
200で「NO」)、このまま本処理を終了する。一
方、アイドル安定状態であれば(ステップS200で
「YES」)、次に、NE≒NF、すなわち現在のエン
ジン回転速度NEがディーゼルエンジン2の運転状態に
応じて設定される目標アイドル回転速度NFにほぼ等し
いか否か、すなわちエンジン回転速度NEが目標アイド
ル回転速度NFに対して基準範囲内にあるか否かを判定
する(ステップS210)。本判定処理は、ディーゼル
エンジン2の負荷となるエアコン用コンプレッサ等の外
部機器の作動状態が切り換えられた直後か否かを判定す
るためのものである。このような外部機器の作動状態の
切り換え直後であれば、エンジン回転速度NEが目標ア
イドル回転速度NFを含む基準範囲から外れることから
エンジン回転速度NEは安定していない。逆に外部機器
の作動状態の切り換え直後以外であれば、エンジン回転
速度NEは目標アイドル回転速度NFに対して基準範囲
内にあり、エンジン回転速度NEは安定している。
【0033】したがって、NE≒NFでなければ(ステ
ップS210で「NO」)、このまま本処理を終了す
る。一方、NE≒NFであれば(ステップS210で
「YES」)、今回算出対象となっている#K気筒の回
転速度偏差DNE[K]を次式(2)のごとく算出する
(ステップS220)。
【0034】 DNE[K] ← TNH[K]n − TNH[K]n−1 … (2) ここでTNH[K]nは今回算出対象となっている#K
気筒の燃焼による最高回転速度(以下、気筒最高回転速
度という)を表し、TNH[K]n−1はTNH[K]
nの1つ前の燃焼行程であった気筒での気筒最高回転速
度を表している。また、図2はエンジンの回転変動と気
筒最高回転速度TNH[K]との関係を示している。
【0035】これらの気筒最高回転速度TNH[K]
は、図8に構成を示したパルサ41の歯41aをエンジ
ン回転速度センサ40が検出するたびに出力するパルス
信号において、特定数のパルス信号間の時間間隔を示す
ものであり、各気筒の燃焼行程において最も回転速度が
高くなるクランク角にて出力される特定数のパルス間隔
(図2では3つ分のパルスの時間間隔を用いている)
が、気筒最高回転速度TNH[K]として表される。そ
して、前記式(2)は気筒間の回転速度偏差を算出して
いることになる。
【0036】このようにして回転速度偏差DNE[K]
が算出されると、次に、図5で示す1次元マップを用い
て回転速度偏差DNE[K]に応じた積分補正量dqc
yを算出する(ステップS230)。このマップでは、
回転速度偏差DNE[K]が大きくなるに従い積分補正
量dqcyが増加するように、回転速度偏差DNE
[K]と積分補正量dqcyとの関係が予め設定されて
いる。
【0037】このようにして算出された積分補正量dq
cyを次式(3)に示すごとく、前回の気筒毎補正量q
cy[K]に積算することにより今回の気筒毎補正量q
cy[K]が算出され(ステップS240)、本処理を
終了する。
【0038】 qcy[K] ← qcy[K] + dqcy … (3) このことにより、ディーゼルエンジン2の気筒間の回転
速度変動が大きい場合には、積分補正量dqcyが気筒
毎補正量qcy[K]に積算される。そしてこのように
積算された気筒毎補正量qcy[K]にて、前記燃料噴
射量制御処理(図3)のステップS120にて、各気筒
毎に燃料噴射量指令値QFINを調整することにより、
ディーゼルエンジン2の回転速度変動を抑えるように制
御される。すなわちディーゼルエンジン2の回転変動が
小さくなるように燃料供給系がフィードバック制御され
る。
【0039】例えば、回転速度偏差DNE[K]がマイ
ナスの場合、すなわち#K気筒の燃焼による回転速度が
直前の気筒の燃焼による回転速度より高くなった場合に
は、積分補正量dqcyがマイナスとなり気筒毎補正量
qcy[K]にはマイナスの値が積算される。この結
果、#K気筒に対する燃料噴射量指令値QFINは小さ
くなる方向に補正される。
【0040】また回転速度偏差DNE[K]がプラスの
場合、すなわち#K気筒の燃焼による回転速度が直前の
気筒の燃焼による回転速度より低くなった場合には、積
分補正量dqcyがプラスとなり気筒毎補正量qcy
[K]にはプラスの値が積算される。この結果、#K気
筒に対する燃料噴射量指令値QFINは大きくなる方向
に補正される。
【0041】また回転速度偏差DNE[K]の絶対値が
比較的小さい場合、すなわち#K気筒の燃焼による回転
速度と直前の気筒の燃焼による回転速度とがほとんど同
じ場合には、積分補正量dqcy=0となって、気筒毎
補正量qcy[K]の値は変化しない。この結果、#K
気筒に対する燃料噴射量指令値QFINは同じ値が維持
される。
【0042】このように1番気筒、2番気筒、3番気
筒、4番気筒毎に気筒毎補正量qcy[1]、qcy
[2]、qcy[3]、qcy[4]がそれぞれ算出さ
れる。次に図6、7のフローチャートにECU52によ
り実行される補正誤差補償処理を示す。本処理はクラン
ク角720°CA毎に繰り返し実行される処理である。
【0043】本処理が開始されると、まずディーゼルエ
ンジン2がアイドル安定状態か否かが判定される(図6
のステップS300)。この判定処理は前述した気筒毎
補正量算出処理(図4)のステップS200と同じ処理
である。アイドル安定状態でなければ(図6のステップ
S300で「NO」)、本処理を終了する。
【0044】一方、アイドル安定状態であれば(図6の
ステップS300で「YES」)、次に前述した気筒毎
補正量算出処理にて算出された最新の気筒毎補正量qc
y[1]〜[4]を読み込む(図6のステップS31
0)。
【0045】次に補正量増加フラグINFLAGが
「1」か否かを判定する(図6のステップS320)。
この補正量増加フラグINFLAGは、後述する一連の
処理(図7のステップS340〜S370)において、
パルサ41の加工精度や装着精度等に起因する誤差によ
って気筒毎補正量qcy[K]が小さくなっていると判
定されたときに「1」が設定され、後述する一連の処理
(図7のステップS390、ステップS400)におい
て、気筒毎補正量qcy[K]に対する補正誤差補償処
理が完了したと判定されたときに「0」が設定される。
また、エンジン始動時には初期値として「0」が設定さ
れる。
【0046】ステップS320において補正量増加フラ
グINFLAGが「1」である場合には、前回の処理で
気筒毎補正量qcy[K]を補正する必要があると判定
されているため、後述するステップS390の処理によ
り気筒毎補正量qcy[K]が補正される。一方、補正
量増加フラグINFLAGが「0」である場合には、次
のステップS330の処理を行う。
【0047】ステップS330では、補正量減少フラグ
DEFLAGが「1」か否かを判定する(図6のステッ
プS330)。この補正量減少フラグDEFLAGは、
後述する一連の処理(図7のステップS420〜S45
0)において、パルサ41の加工精度や装着精度等に起
因する誤差によって気筒毎補正量qcy[K]が大きく
なっていると判定されたときに「1」が設定され、後述
する一連の処理(図7のステップS470、ステップS
480)において、気筒毎補正量qcy[K]に対する
補正誤差補償処理が完了したと判定されたときに「0」
が設定される。また、エンジン始動時には初期値として
「0」が設定される。
【0048】ステップS330において補正量減少フラ
グDEFLAGが「1」である場合には、前回の処理で
気筒毎補正量qcy[K]を補正する必要があると判定
されているため、後述するステップS470の処理によ
り気筒毎補正量qcy[K]が補正される。一方、補正
量減少フラグDEFLAGが「0」である場合には、次
のステップS340の処理を行う。
【0049】図7のステップS340では、ステップS
310で読み込んだ気筒毎補正量qcy[1]とqcy
[4]との差が小さく、且つ、気筒毎補正量qcy
[2]並びにqcy[3]が共に気筒毎補正量qcy
[1]並びにqcy[4]より小さいか否かが判定され
る。この判定は式(4)〜(8)の論理積を満たしてい
るか否かに基づいて行われる。なお、式(4)における
所定値βはディーゼルエンジン2の回転速度がほぼ一定
になっているかか否かを判定するための値であり、予め
実験等により求められている値である。
【0050】 |qcy[1]―qcy[4]|≦β … (4) qcy[2]<qcy[1] … (5) qcy[2]<qcy[4] … (6) qcy[3]<qcy[1] … (7) qcy[3]<qcy[4] … (8) ここで、本実施の形態において、気筒毎補正量qcy
[K]を算出する際に利用する気筒最高回転速度TNH
[K]は、前述したように、パルサ41に形成された歯
41aの特定部分に基づいて算出されている。このパル
サ41はクランクシャフトに設けられており、各気筒の
点火順序は♯1→♯3→♯4→♯2となっているため、
同パルサ41がクランク角180°CA回転するごとに
気筒♯1、♯3、♯4、♯2の気筒最高回転速度TNH
[K]が算出される。従って、気筒最高回転速度TNH
[1]とTNH[4]とを算出するために利用する歯4
1aは同一部分であり、気筒最高回転速度TNH[2]
とTNH[3]とを算出するために利用する歯41aは
同一部分となる。このように、気筒最高回転速度TNH
[K]を算出する際に利用するクランク角信号につい
て、同信号の検出される位置が同じである気筒を気筒群
といい、本実施の形態では、♯1気筒と♯4気筒とが1
つの気筒群を構成し、♯2気筒と♯3気筒とがもう1つ
別の気筒群を構成する。そして、1つの気筒群を構成す
る各気筒では、気筒最高回転速度TNH[K]に対して
パルサ41の加工精度や装着精度等に起因する誤差は同
一となる。従って、本実施の形態では、気筒最高回転速
度TNH[1]とTNH[4]とにおいてパルサ41の
加工精度や装着精度等に起因する誤差は同一となり、気
筒最高回転速度TNH[2]とTNH[3]とにおいて
パルサ41の加工精度や装着精度等に起因する誤差は同
一となる。この点を考慮すると、気筒毎補正量qcy
[K]を補正する際、各気筒毎に補正誤差補償処理を行
ってもよいが、#1気筒と#4気筒、#2気筒と#3気
筒をそれぞれ1つの気筒群としてとらえ、この気筒群毎
に補正誤差補償処理を行ったほうが同処理を簡素化で
き、処理スピードの向上等を図ることができる。そこ
で、ステップS340以降の処理は気筒群毎に処理を行
っている。
【0051】さて、ステップS340にて、式(4)〜
(8)の論理積が満たされていないと(図7のステップ
S340でNO)、図7のステップS420にて気筒毎
補正量qcy[1]とqcy[4]との差が小さく、且
つ、気筒毎補正量qcy[2]並びにqcy[3]が共
に気筒毎補正量qcy[1]並びにqcy[4]より大
きいか否かが判定される。この処理については後述す
る。
【0052】一方、式(4)〜(8)の論理積が満たさ
れると(図7のステップS340でYES)、図7のス
テップS350〜S370の処理により、気筒毎補正量
qcy[2]及びqcy[3]にパルサ41の加工精度
や装着精度等に起因する誤差が含まれているか否かが判
断される。
【0053】まず、ステップS350では、補正量減少
カウンタDECOUNTが「0」にリセットされる。こ
の補正量減少カウンタDECOUNTについては後述す
る。次に、ステップS360では、補正量増加カウンタ
INCOUNTが式(9)に示すごとくインクリメント
される。なお、補正量増加カウンタINCOUNTの初
期値は「0」である。
【0054】 INCOUNT←INCOUNT+1 … (9) 次に、ステップS370では、補正量増加カウンタIN
COUNTの値が所定値a以上であるか否かが判定され
る。本補正誤差補償処理のルーチンが実行されて常に前
記ステップS340での判定が肯定となる場合には、パ
ルサ41の加工精度や装着精度等に起因する誤差によっ
て気筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]が小さく
なっていると判断することができる。そこで、前記判断
を行ってもよい連続したステップS340での肯定回数
を実験等で予め求め、この実験等で得られた値が前記判
定値aとされる。従って、本ルーチンが実行され、ステ
ップS340での判定が肯定されるたびにインクリメン
トされる補正量増加カウンタINCOUNTの値が、ス
テップS370にて所定値aを越えていないと判定され
た場合には(図7のステップS370でNO)、パルサ
41の加工精度や装着精度等に起因する誤差が気筒毎補
正量qcy[2]及びqcy[3]に含まれていると判
断するには、現時点においてまだ肯定回数が少ないとし
て、本処理を終了する。
【0055】一方、ステップS370にて、補正量増加
カウンタINCOUNTの値が所定値a以上であると判
定された場合(図7のステップS370でYES)、パ
ルサ41の加工精度や装着精度等に起因する誤差によっ
て気筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]が小さく
なっていると判断される。
【0056】次に図7のステップS380では、ステッ
プS370での判定条件が肯定されたことをうけて、補
正量増加カウンタINCOUNTの値が「0」にされ、
前述した補正量増加フラグINFLAGが「1」に設定
される。
【0057】次に図7のステップS390では、気筒毎
補正量qcy[2]及びqcy[3]に対して式(1
0)、(11)に示す処理が行なわれ、同気筒毎補正量
qcy[2]及びqcy[3]がそれぞれ所定値α分増
量される。なお、所定値αは気筒毎補正量qcy[K]
を補正してもディーゼルエンジン2の回転速度に大きな
影響を与えない値であり、予め実験等により求められて
いる値である。
【0058】 qcy[2]←qcy[2]+α … (10) qcy[3]←qcy[3]+α … (11) 次に、図7のステップS400では、ステップS390
で補正された気筒毎補正量qcy[2]及びqcy
[3]の少なくとも一方が、気筒毎補正量qcy[1]
及びqcy[4]の少なくとも一方よりも大きいか否か
が判定される。この判定は式(12)〜(15)の論理
和を満たしているか否かに基づいて行われる。
【0059】 qcy[2]≧qcy[1] … (12) qcy[2]≧qcy[4] … (13) qcy[3]≧qcy[1] … (14) qcy[3]≧qcy[4] … (15) 上記式(12)〜(15)のいずれも満たされないとき
には(図7のステップS400でNO)、まだ、気筒毎
補正量qcy[2]及びqcy[3]がステップS39
0の処理にて十分に大きくされていないと判定され、本
処理を終了する。
【0060】一方、上記式(12)〜(15)のいずれ
かが満たされたときには(図7のステップS400でY
ES)、気筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]が
パルサ41の加工精度や装着精度等に起因する誤差を抑
えるべく十分に大きくされたと判定される。
【0061】そして、次に図7のステップS410に
て、補正量増加フラグINFLAGが「0」に設定さ
れ、本処理を終了する。次に前記ステップS340での
判定条件が否定された場合に実行される図7のステップ
S420以降の処理について説明する。
【0062】前記ステップS340〜S410では、パ
ルサ41の加工精度や装着精度等に起因する誤差により
気筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]が小さくな
っているときに対処するための処理となっていた。しか
しながら、パルサ41の加工精度や装着精度等は、気筒
毎補正量qcy[2]及びqcy[3]を小さくする方
向だけではなく、大きくする方向にも影響を与える。そ
こで、図7のステップS420〜S490では、パルサ
41の加工精度や装着精度等に起因する誤差により、気
筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]が大きくなっ
ているときに対処するための処理となっている。
【0063】さて、図7のステップS420では、ステ
ップS310で読み込んだ気筒毎補正量qcy[1]と
qcy[4]との差が小さく、且つ、気筒毎補正量qc
y[2]並びにqcy[3]が共に気筒毎補正量qcy
[1]並びにqcy[4]より大きいか否かが判定され
る。この判定は前記式(4)、式(16)〜(19)の
論理積を満たしているか否かに基づいて行われる。な
お、式(4)における所定値βはステップS340で用
いる所定値βと同一の値である。
【0064】 |qcy[1]―qcy[4]|≦β … (4) qcy[2]>qcy[1] … (16) qcy[2]>qcy[4] … (17) qcy[3]>qcy[1] … (18) qcy[3]>qcy[4] … (19) ステップS420にて、式(4)、式(16)〜(1
9)の論理積が満たされない場合には(図7のステップ
S420でNO)、パルサ41の加工精度や装着精度等
に起因する誤差を気筒毎補正量qcy[2]及びqcy
[3]は含んでいないとして本処理を終了する。
【0065】一方、式(4)、式(16)〜(19)の
論理積が満たされると(図7のステップS420でYE
S)、図7のステップS430〜S450の処理によ
り、気筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]にパル
サ41の加工精度や装着精度等に起因する誤差が含まれ
ているか否かが判断される。
【0066】まず、ステップS430では、補正量増加
カウンタINCOUNTが「0」にリセットされる。こ
の補正量増加カウンタINCOUNTはステップS34
0の判定が連続して肯定されたことを表す必要があるた
め、今回の補正誤差補償処理にてステップS340の判
定条件が否定されることにより、「0」にリセットする
必要がある。前記ステップS350の処理も同様の理由
による処理である。
【0067】次に、ステップS440では、補正量減少
カウンタDECOUNTが式(20)に示すごとくイン
クリメントされる。なお、補正量減少カウンタDECO
UNTの初期値は「0」である。
【0068】 DECOUNT←DECOUNT+1 … (20) 次に、ステップS450では、補正量減少カウンタDE
COUNTの値が所定値a以上であるか否かが判定され
る。本補正誤差補償処理のルーチンが実行されて常に前
記ステップS420での判定が肯定となる場合には、パ
ルサ41の加工精度や装着精度等に起因する誤差によっ
て気筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]が大きく
なっていると判断することができる。そこで、前記判断
を行ってもよい連続したステップS420での肯定回数
を実験等で予め求め、この実験等で得られた値が前記判
定値aとされる。従って、本ルーチンが実行され、ステ
ップS420での判定が肯定されるたびにインクリメン
トされる補正量減少カウンタDECOUNTの値が、ス
テップS450にて所定値aを越えていないと判定され
た場合には(図7のステップS450でNO)、パルサ
41の加工精度や装着精度等に起因する誤差が気筒毎補
正量qcy[2]及びqcy[3]に含まれていると判
断するには、現時点においてまだ肯定回数が少ないとし
て、本処理を終了する。
【0069】一方、ステップS450にて、補正量減少
カウンタDECOUNTの値が所定値a以上であると判
定された場合(図7のステップS450でYES)、パ
ルサ41の加工精度や装着精度に起因する誤差によって
気筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]が大きくな
っていると判断される。
【0070】次に図7のステップS460では、ステッ
プS450での判定条件が肯定されたことをうけて、補
正量減少カウンタDECOUNTの値が「0」にされ、
前述した補正量減少フラグDEFLAGが「1」に設定
される。
【0071】次に図7のステップS470では、気筒毎
補正量qcy[2]及びqcy[3]に対して式(2
1)、(22)に示す処理が行なわれ、同気筒毎補正量
qcy[2]及びqcy[3]がそれぞれ所定値α分減
量される。なお、所定値αは気筒毎補正量qcy[K]
を補正してもディーゼルエンジン2の回転速度に大きな
影響を与えない値であり、予め実験等により求められて
いる値である。
【0072】 qcy[2]←qcy[2]+α … (21) qcy[3]←qcy[3]+α … (22) 次に、図7のステップS480では、ステップS470
で補正された気筒毎補正量qcy[2]及びqcy
[3]の少なくとも一方が、気筒毎補正量qcy[1]
及びqcy[4]の少なくとも一方よりも小さいか否か
が判定される。この判定は式(23)〜(26)の論理
和を満たしているか否かに基づいて行われる。
【0073】 qcy[2]≦qcy[1] … (23) qcy[2]≦qcy[4] … (24) qcy[3]≦qcy[1] … (25) qcy[3]≦qcy[4] … (26) 上記式(23)〜(26)のいずれも満たされないとき
には(図7のステップS480でNO)、まだ、気筒毎
補正量qcy[2]及びqcy[3]の補正量がステッ
プS470の処理にて十分に小さくされていないと判定
され、本処理を終了する。
【0074】一方、上記式(23)〜(26)のいずれ
かが満たされたときには(図7のステップS480でY
ES)、気筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]の
補正量が、パルサ41の加工精度に起因する誤差を抑え
るべく十分に小さくされたと判定される。
【0075】そして次に図7のステップS490にて、
補正量減少フラグDEFLAGが「0」に設定され、本
処理を終了する。以上説明したように、本実施の形態に
おける内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、次のよう
な効果が得られるようになる。
【0076】(1)パルサ41の加工精度や装着精度等
が高い場合には、各気筒の燃焼行程における気筒最高回
転速度TNH[K]に基づいて算出される気筒毎補正量
qcy[K]の値はランダムであって、ある気筒の気筒
毎補正量qcy[K]が他の気筒の気筒毎補正量qcy
[K]よりも常に大きくなる、若しくは常に小さくなる
といったことは確率上非常に起きにくい。そのため、あ
る気筒の気筒毎補正量qcy[K]が他の気筒の気筒毎
補正量qcy[K]よりも常に大きくなる、若しくは常
に小さくなるといった現象が起きる場合には、パルサ4
1の加工精度や装着精度等が低く同精度に起因する誤差
が、ある気筒の気筒毎補正量qcy[K]に含まれてい
ると考えることができる。
【0077】このような思想に基づいて、上記実施形態
では、各気筒の燃料行程における回転速度の偏差に応じ
て算出される気筒毎補正量qcy[1]〜[4]につい
て、気筒毎補正量qcy[1]とqcy[4]との差が
小さく、且つ、気筒毎補正量qcy[2]並びにqcy
[3]が共に気筒毎補正量qcy[1]並びにqcy
[4]より小さいか否かが判定される。そして補正誤差
補償処理が実行されるたびに前記判定が肯定されると補
正量増加カウンタINCOUNTがインクリメントさ
れ、この補正量増加カウンタINCOUNTが所定値a
を越えた場合には、パルサ41の加工精度や装着精度等
に起因する誤差によって気筒毎補正量qcy[2]並び
にqcy[3]が小さくなっていると判定される。ま
た、気筒毎補正量qcy[1]とqcy[4]との差が
小さく、且つ、気筒毎補正量qcy[2]並びにqcy
[3]が共に気筒毎補正量qcy[1]並びにqcy
[4]より大きいか否かが判定される。そして補正誤差
補償処理が実行されるたびに前記判定が肯定されると補
正量減少カウンタDECOUNTがインクリメントさ
れ、この補正量減少カウンタDECOUNTが所定値a
を越えた場合には、パルサ41の加工精度や装着精度等
に起因する誤差によって気筒毎補正量qcy[2]並び
にqcy[3]が大きくなっていると判定される。従っ
て、ある気筒の気筒毎補正量qcy[K]にパルサ41
の加工精度や装着精度等に起因する誤差が含まれている
かどうかを確実に判定することができる。
【0078】(2)気筒毎補正量qcy[2]並びにq
cy[3]が共に気筒毎補正量qcy[1]並びにqc
y[4]より小さく、パルサ41の加工精度や装着精度
等に起因する誤差が気筒毎補正量qcy[2]並びにq
cy[3]に含まれていると判定されたときには、気筒
毎補正量qcy[2]及びqcy[3]の少なくとも一
方が、気筒毎補正量qcy[1]及びqcy[4]の少
なくとも一方よりも大きくなるまで、前記気筒毎補正量
qcy[2]及びqcy[3]は増量される。また、気
筒毎補正量qcy[2]並びにqcy[3]が共にqc
y[1]並びにqcy[4]より大きく、パルサ41の
加工精度や装着精度等に起因する誤差が気筒毎補正量q
cy[2]並びにqcy[3]に含まれていると判定さ
れたときには、気筒毎補正量qcy[2]及びqcy
[3]の少なくとも一方が、気筒毎補正量qcy[1]
及びqcy[4]の少なくとも一方よりも小さくなるま
で、前記気筒毎補正量qcy[2]及びqcy[3]は
減量される。このように、パルサ41の加工精度や装着
精度等に起因する誤差が気筒毎補正量qcy[K]に含
まれていると判定されたときには、同補正量qcy
[K]に含まれる誤差を補償するための補正が行われる
ため、各気筒の回転速度偏差を抑制するべく算出される
気筒毎補正量qcy[K]は適切な値となり、エンジン
振動を抑制することができる。
【0079】(3)パルサ41に形成された歯41a
は、#1気筒並びに#4気筒に対応する部分と、#2気
筒並びに#3気筒に対応する部分との2箇所で、それぞ
れ重複してエンジン回転速度センサ40により検出され
る。こうした歯41aの重複検出によって、回転速度偏
差DNE[1]並びにDNE[4]から算出される気筒
毎補正qcy[1]並びにqcy[4]について、これ
に含まれるパルサの加工精度や装着精度等に起因する誤
差は同一になる。同様に、気筒毎補正qcy[2]並び
にqcy[3]についても、これに含まれるパルサの加
工精度や装着精度等に起因する誤差は同一になる。した
がって、これらパルサの加工精度や装着精度等に起因す
る気筒毎補正量qcy[K]の誤差に着目した場合に
は、気筒毎補正qcy[1]並びにqcy[4]は1つ
のグループと見なすことができ、気筒毎補正qcy
[2]並びにqcy[3]はもう1つ別のグループと見
なすことができる。
【0080】このような思想に基づいて、上記実施形態
では、複数の気筒を気筒群に分け、気筒群毎に気筒毎補
正量qcy[K]の比較が行われるとともに同補正量の
補正誤差補償が行われる。そのため、各気筒毎に気筒毎
補正量qcy[K]の比較を行うとともに同補正量の補
正誤差補償を行う場合と比べて、処理が簡素化でき、も
って処理スピードの向上を図ることができる。
【0081】(その他の実施形態)なお、前記実施形態
は以下のように変更してもよく、その場合でもそれら実
施形態に準じた作用及び効果を得ることができる。
【0082】・前記実施形態では、気筒毎補正量qcy
[1]及び[4]を基準として考え、気筒毎補正量qc
y[2]及び[3]に対して補正誤差補正処理を行った
が、気筒毎補正量qcy[2]及び[3]を基準として
考え、気筒毎補正量qcy[1]及び[4]に対して補
正誤差補正処理を行ってもよい。このような場合でも前
記実施形態に準じた効果が得られる。
【0083】・前記実施形態では、気筒の点火順序が#
1→#3→#4→#2となっていたが、この点火順序に
何ら限定するものではなく、他の点火順序であっても前
記実施形態に準じた気筒群を設定することにより、前記
実施形態に準じた効果が得られる。
【0084】・前記実施形態では、気筒群毎に補正誤差
補償処理を行ったが、各気筒毎に補正誤差補償処理を行
ってもよい。このような場合でも前記実施形態に準じた
効果が得られる。
【0085】・前記実施形態では、機関回転速度を検出
するパルサ41がクランクシャフトに設けられていた
が、エンジン回転速度の1/2倍の速度で回転するエン
ジン構成部材、例えば、ポンプ駆動シャフト、カムシャ
フト等に機関回転速度を検出するパルサ41を設けても
よい。ただし、これらの構成部材にパルサ41を設ける
場合には、各気筒の燃焼行程における特定の期間の回転
速度を検出する際に利用するパルサ41の歯41aが各
気筒毎に異なるため、各気筒毎に補正誤差補償処理を行
うことにより、前記実施形態に準じた効果が得られる。
【0086】・前記実施形態では、内燃機関の出力軸の
回転に対応してその所定角度ごとにパルスを発生させる
ための素子がパルサ41の外周面に形成された複数の歯
41aであった。しかしながら、内燃機関の出力軸の回
転に対応してその所定角度ごとにパルスを発生させるこ
とのできる素子であればどのような素子でもよく、この
ような素子を用いた場合であっても前記実施形態に準じ
た効果が得られる。
【0087】・前記実施形態において用いられたエンジ
ンは蓄圧式ディーゼルエンジン(コモンレール型ディー
ゼルエンジン)であったが、分配型燃料噴射ポンプを備
えるディーゼルエンジン等にも適用できる。なお、本発
明は電子制御式の燃料噴射制御装置を備えた多気筒内燃
機関であれば適用することができるため、本発明におけ
る制御はガソリンエンジンにも適用可能である。
【0088】・前記実施形態において用いられたエンジ
ンは4気筒のエンジンであったが、これ以外に6気筒な
ど、4気筒以外のエンジンにも適用可能である。また、
直列型でなくV型等にも適用できる。
【0089】その他、上記各実施形態あるいはその変形
例から把握することができる技術思想について、いかに
その効果とともに記載する。 (1)多気筒内燃機関の出力軸の回転に対応してその所
定角度ごとにパルスを発生させるための複数の素子を有
するパルサ、及び前記各素子の通過を検出してそれぞれ
対応するパルス信号を出力するセンサを備えるととも
に、この出力されるパルス信号に基づいて前記出力軸の
各気筒間での回転速度偏差を算出し、この算出した各気
筒間での回転速度偏差が抑制されるようにそれら各気筒
に噴射供給する燃料量を補正する多気筒内燃機関の燃料
噴射制御装置において、特定の気筒群を構成する全ての
気筒の前記燃料量補正量よりも他の気筒群を構成する全
ての気筒の前記燃料量補正量が常に大きい及び常に小さ
いのいずれか一方が所定の期間継続されるとき、前記燃
料量補正量を更に増減補正する補正手段を備えることを
特徴とする多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
【0090】上記燃料噴射制御装置によれば、他の気筒
群を構成する気筒に対する燃料量補正量に、パルサの加
工精度や装着精度に起因する誤差が含まれていることを
確実に判定することができ、前記燃料量補正量に誤差が
含まれていると判定されたときには、同誤差による影響
を抑制するように前記燃料量補正量が更に増減補正され
るため、パルサの加工精度や装着精度等に起因するエン
ジン回転速度偏差の誤差が抑制され、エンジンの振動を
好適に抑制することができる。特に前記補正手段は、気
筒群毎に処理を行うため、各気筒毎に同処理を行う場合
と比較してその処理を簡素化でき、もって処理スピード
の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態としての蓄圧式ディーゼルエンジン
とその制御系統を示す概略構成図。
【図2】本実施形態の蓄圧式ディーゼルエンジンの回転
変動を示すタイミングチャート。
【図3】本実施形態のECUが実行する燃料噴射量制御
処理のフローチャート。
【図4】本実施形態のECUが実行する気筒毎補正量算
出処理のフローチャート。
【図5】上記気筒毎補正量算出処理において回転変動偏
差DNE(K)から積分補正量dqcyを算出するため
のマップ構成説明図。
【図6】本実施形態のECUが実行する補正誤差補償処
理のフローチャート。
【図7】本実施形態のECUが実行する補正誤差補償処
理のフローチャート。
【図8】エンジン回転速度センサとパルサとの配置構成
説明図。
【符号の説明】
2…ディーゼルエンジン、4…燃料噴射弁、4a…燃料
噴射制御用電磁弁、6…コモンレール、8…供給配管、
8a…逆止弁、10…サプライポンプ、10a…吐出ポ
ート、10b…吸入ポート、10c…圧力制御弁、10
d…リターンポート、12…燃料タンク、14…フィル
タ、16…リターン配管、18…吸気通路、18a…吸
気弁、20…排気通路、20a…排気弁、22…グロー
プラグ、22a…グローリレー、24…アクセルペダ
ル、26…アクセルセンサ、28…全閉スイッチ、30
…スタータ、30a…スタータスイッチ、32…水温セ
ンサ、34…油温センサ、36…燃温センサ、38…燃
圧センサ、40…エンジン回転速度センサ、41…パル
サ、41a…歯、41b…欠歯部、42…気筒判別セン
サ、44…トランスミッション、48…車速センサ、4
9…気筒判別用パルサ、52…ECU。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 F02D 45/00 362J Fターム(参考) 3G084 AA01 BA03 BA13 CA03 DA00 DA04 DA11 DA23 EA04 EA11 EB08 EB12 EC02 EC04 EC05 FA03 FA05 FA10 FA13 FA20 FA33 FA36 FA39 3G301 HA01 HA02 HA04 HA06 JA04 JA05 JA17 KA07 LB01 LB11 LC01 MA11 NA07 NA09 NB03 NB14 NC02 ND02 NE03 NE08 NE18 PA11Z PB01Z PB08Z PE01Z PE04Z PE05Z PE08Z PF01Z PF03Z PF16Z PG01Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒内燃機関の出力軸の回転に対応して
    その所定角度ごとにパルスを発生させるための複数の素
    子を有するパルサ、及び前記各素子の通過を検出してそ
    れぞれ対応するパルス信号を出力するセンサを備えると
    ともに、この出力されるパルス信号に基づいて前記出力
    軸の各気筒間での回転速度偏差を算出し、この算出した
    各気筒間での回転速度偏差が抑制されるようにそれら各
    気筒に噴射供給する燃料量を補正する多気筒内燃機関の
    燃料噴射制御装置において、 前記補正される燃料量について前記各気筒ごとの一定の
    傾向の有無を判定し、一定の傾向有りと判定されると
    き、同傾向を補償すべく前記補正する燃料量を更に増減
    補正する補正手段を備えることを特徴とする多気筒内燃
    機関の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】前記補正手段は、特定の気筒に対する燃料
    量補正量よりも他の気筒に対する燃料量補正量が常に大
    きい及び常に小さいのいずれか一方が所定の期間継続さ
    れることをもって前記一定の傾向有りと判定する請求項
    1記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】前記パルサは、前記内燃機関の各気筒に対
    応して、少なくともその2箇所において同一の素子が重
    複して検出されるように、前記複数の素子が配設されて
    なり、前記補正手段は、前記重複して検出される素子の
    うちのいずれか1つを基準としてその検出に基づき算出
    される回転速度偏差をそれぞれ抑制するための該当する
    2つの気筒での各燃料量補正量の差が同2つの気筒にお
    いて小さく、且つ、他の重複して検出される素子の検出
    に基づき算出される回転速度偏差をそれぞれ抑制するた
    めの該当する2つの気筒での各燃料量補正量が共に前記
    基準とした素子に対応する2つの気筒での各燃料量補正
    量よりも小さい状態及び大きい状態のいずれか一方が所
    定期間継続されることをもって、前記一定の傾向有りと
    判定する請求項1記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御
    装置。
  4. 【請求項4】前記補正手段は、前記他の重複して検出さ
    れる素子の検出に基づき算出される回転速度偏差をそれ
    ぞれ抑制するための該当する2つの気筒での各燃料量補
    正量が共に前記基準とした素子に対応する2つの気筒で
    の各燃料量補正量よりも小さい状態が所定期間継続され
    るとき、前記他の重複して検出される素子の検出に基づ
    き算出される回転速度偏差をそれぞれ抑制するための該
    当する2つの気筒での各燃料量補正量の少なくとも一方
    が前記基準とした素子に対応する2つの気筒での各燃料
    量補正量の少なくとも一方以上となるまで、それら補正
    する燃料量を更に増量補正し、前記他の重複して検出さ
    れる素子の検出に基づき算出される回転速度偏差をそれ
    ぞれ抑制するための該当する2つの気筒での各燃料量補
    正量が共に前記基準とした素子に対応する2つの気筒で
    の各燃料量補正量よりも大きい状態が所定期間継続され
    るとき、前記他の重複して検出される素子の検出に基づ
    き算出される回転速度偏差をそれぞれ抑制するための該
    当する2つの気筒での各燃料量補正量の少なくとも一方
    が前記基準とした素子に対応する2つの気筒での各燃料
    量補正量の少なくとも一方以下となるまで、それら補正
    する燃料量を更に減量補正する請求項3記載の多気筒内
    燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の多気筒内
    燃機関の燃料噴射制御装置において、 前記内燃機関がアイドル安定状態にあるか否かを判定す
    る手段を更に備え、 前記燃料量の補正、及び前記補正手段による前記判定並
    びに燃料量の更なる増減補正は、前記内燃機関がアイド
    ル安定状態にある条件のもとで実行されることを特徴と
    する多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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