JP2013024040A - 空燃比ばらつき異常検出装置 - Google Patents

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勇夫 中島
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Abstract

【課題】複数の気筒のそれぞれに設けられた複数のインジェクタにつき、ばらつき異常の原因がどのインジェクタにあるかを識別する構成において、噴射割合の変更に起因する誤検出のおそれを抑制する。
【解決手段】複数組の噴射量比率設定I,IIにそれぞれが対応する複数の検出実行条件(モニタ領域A,B)の各成立頻度と、前記複数の検出実行条件のうち複数のものが同時に成立(モニタ領域C)する成立頻度と、に基づいて、前記複数組の噴射量比率設定I,IIのいずれかを優先して選択する。複数の気筒のそれぞれに設けられた複数のインジェクタにつき、ばらつき異常の原因がどのインジェクタにあるかを識別する構成において、複数種類の噴射量比率設定を試行する場合の効率的な手順を提供できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の気筒間空燃比のばらつき異常を検出するための装置に係り、特に、気筒あたり複数のインジェクタを有する内燃機関におけるものに関する。
一般に、触媒を利用した排気浄化システムを備える内燃機関では、排気中有害成分の触媒による浄化を高効率で行うため、内燃機関で燃焼される混合気の空気と燃料との混合割合、すなわち空燃比のコントロールが欠かせない。こうした空燃比の制御を行うため、内燃機関の排気通路に空燃比センサを設け、これによって検出された空燃比を所定の目標空燃比に一致させるようフィードバック制御を実施している。
一方、多気筒内燃機関においては、通常全気筒に対し同一の制御量を用いて空燃比制御を行うため、空燃比制御を実行したとしても実際の空燃比が気筒間でばらつくことがある。このときばらつきの程度が小さければ、空燃比フィードバック制御で吸収可能であり、また触媒でも排気中有害成分を浄化処理可能なので、排気エミッションに影響を与えず、特に問題とならない。
しかし、例えば一部の気筒の燃料噴射系が故障するなどして、気筒間の空燃比が大きくばらつくと、排気エミッションを悪化させてしまい、問題となる。このような排気エミッションを悪化させる程の大きな空燃比ばらつきは異常として検出するのが望ましい。特に自動車用内燃機関の場合、排気エミッションの悪化した車両の走行を未然に防止するため、気筒間空燃比ばらつき異常を車載状態(オンボード)で検出することが要請されており、最近ではこれを法規制化する動きもある。
例えば、特許文献1に記載の装置では、内燃機関の空燃比の変動に基づいて、気筒間の空燃比のばらつき異常を検出する。また空燃比の検出の際には、エンジン回転速度と吸入空気量に基づいて、空燃比の検出値の誤差を補正している。
特許文献2に記載の装置では、内燃機関の空燃比の変動に基づいて、気筒間の空燃比のばらつき異常を検出する構成において、複数の気筒のそれぞれに設けられた複数のインジェクタにつき、これら複数のインジェクタの間における噴射割合を変更し、当該変更の前及び後における空燃比に基づいて、当該ばらつき異常の原因が複数のインジェクタのうちのどれにあるかを識別している。
特開2008−144639号公報 特開2009−180171号公報
しかし、特許文献1の構成を、各気筒につき複数のインジェクタを有する内燃機関にそのまま適用すると、噴射割合の変更に起因する誤検出を招いてしまう。また、特許文献2の構成では、異常の有無、及び異常のあるインジェクタがどれかを識別することができるが、検出の効率的な手順、すなわち噴射割合を互いに異にした複数種類の噴射量比率設定をどのような順序で実行するかは確立されていない。
そこで本発明は、上記の事情に鑑みて創案され、その目的は、複数の気筒のそれぞれに設けられた複数のインジェクタにつき、ばらつき異常の原因がどのインジェクタにあるかを識別する構成において、複数種類の噴射量比率設定を試行する場合の検出の効率的な手順を提供することにある。
本発明の一の態様は、
複数の気筒と、
前記複数の気筒のそれぞれにつき配設された複数のインジェクタと、
前記複数のインジェクタの燃料噴射量の比率が互いに異なるように定められた複数組の噴射量比率設定からいずれかを選択する選択手段と、
選択された噴射量比率設定によって燃料を噴射したときの空燃比の気筒間のばらつきを所定のパラメータに基づいて検出するばらつき検出手段と、
を備えた内燃機関の気筒間ばらつき検出装置であって、
前記選択手段は、前記複数組の噴射量比率設定にそれぞれが対応する複数の検出実行条件の各成立頻度と、前記複数の検出実行条件のうち複数のものが同時に成立する成立頻度と、に基づいて、前記複数組の噴射量比率設定のいずれかを優先して選択することを特徴とする内燃機関の気筒間ばらつき検出装置である。
好ましくは、前記複数の検出実行条件が前記内燃機関の回転数及び負荷によって定義された運転領域に基づいて定められ、前記選択手段は、前記複数の検出実行条件のうち複数のものが同時に成立する運転領域において、当該同時に成立する運転領域で得られる前記パラメータの検出機会を、当該同時に成立する運転領域への依存度が相対的に高い噴射量比率設定に優先して付与することによって、前記複数組の噴射量比率設定のいずれかを優先して選択する。
好ましくは、前記選択手段は、前記複数組の噴射量比率設定のいずれかによる燃料噴射が実行中である場合には、当該噴射量比率設定による燃料噴射が終了するまで、噴射量比率設定の変更を禁止する。
本発明によれば、複数の気筒のそれぞれに設けられた複数のインジェクタにつき、ばらつき異常の原因がどのインジェクタにあるかを識別する構成において、複数種類の噴射量比率設定を試行する場合の効率的な手順を提供できるという優れた効果が発揮される。
本発明の実施形態に係る内燃機関の概略図である。 触媒前センサおよび触媒後センサの出力特性を示すグラフである。 通常運転時の噴射割合を設定するためのマップを示す。 空燃比センサ出力の変動を示すタイムチャートである。 図4のV部に相当する拡大図である。 インバランス割合と空燃比変動パラメータの関係を示すグラフである。 ばらつき異常検出のために用いられるモニタ領域マップの設定例を示すグラフである。 空燃比変動パラメータ算出及び異常検出処理ルーチンを示すフローチャートである。 実施形態における噴射比率設定の選択状態を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1に本実施形態に係る内燃機関を概略的に示す。図示される内燃機関(エンジン)1はV型6気筒デュアル噴射式ガソリンエンジンである。気筒#1〜#6のそれぞれに、吸気通路噴射用インジェクタ2と筒内噴射用インジェクタ3とが設けられている。エンジン1は第1のバンク4と第2のバンク5とを有し、第1のバンク4には奇数番気筒すなわち#1,#3,#5気筒が設けられ、第2のバンク5には偶数番気筒すなわち#2,#4,#6気筒が設けられている。
吸気通路噴射用インジェクタ2は、いわゆる均質燃焼を実現するよう、対応気筒の吸気通路特に吸気ポート6内に向けて燃料を噴射する。以下、吸気通路噴射用インジェクタを「PFI」ともいう。他方、筒内噴射用インジェクタ3は、いわゆる成層燃焼を実現するよう、対応気筒の筒内(燃焼室内)に向けて燃料を直接噴射する。以下、筒内噴射用インジェクタを「DI」ともいう。
吸気を導入するための吸気通路7は、前記吸気ポート6の他、集合部としてのサージタンク8と、各気筒の吸気ポート6およびサージタンク8を結ぶ複数の吸気マニホールド9と、サージタンク8の上流側の吸気管10とを含む。吸気管10には、上流側から順にエアフローメータ11と電子制御式スロットルバルブ12とが設けられている。エアフローメータ11は吸気流量に応じた大きさの信号を出力する。各気筒には、筒内の混合気に点火するための点火プラグ13が設けられる。
排気ガスを排出するための排気通路は、本実施形態の場合、第1のバンク4に対する第1の排気通路14Aと第2のバンク5に対する第2の排気通路14Bとが別系統で設置されている。つまり排気系統はバンク毎に独立して2系統ある。両バンクについて排気系統の構成は同じなので、ここでは第1のバンク4についてのみ説明し、第2のバンク5については図中同一符号を付して説明を省略する。
第1の排気通路14Aは、#1,#3,#5の各気筒の排気ポート15と、これら排気ポート15の排気ガスを集合させる排気マニホールド16と、排気マニホールド16の下流端に接続する排気管17とを含む。そして排気管17の上流側と下流側にはそれぞれ三元触媒からなる触媒、すなわち上流触媒18と下流触媒19が直列に設けられている。上流触媒18の上流側及び下流側に、それぞれ排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ、即ち触媒前センサ20及び触媒後センサ21が設置されている。これらセンサは排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する。このように、片バンクに対する排気通路の集合部には単一の触媒前センサ20が設置されている。
特に、第1のバンク4に対する第1の排気通路14Aと、第2のバンク5に対する第2の排気通路14Bとに、個別に触媒前センサ20が設置されている。
上述のPFI2、DI3、スロットルバルブ12及び点火プラグ13等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)100に電気的に接続されている。ECU100は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU100には、図示されるように、前述のエアフローメータ11、触媒前センサ20、触媒後センサ21のほか、エンジン1のクランク角を検出するためのクランク角センサ22、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ23、エンジン1の冷却水の温度を検出するための水温センサ24、その他の各種センサが、図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU100は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、PFI2、DI3、スロットルバルブ12及び点火プラグ13等を制御し、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度、点火時期等を制御する。またECU100は、クランク角センサ22の出力に基づきエンジン1のクランク角を検出すると共に、エンジンの回転速度を計算する。ここでエンジンの回転速度としては1分当たりの回転数(rpm)を用いる。
触媒前センサ20は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能である。図2に触媒前センサ20の出力特性を示す。図示するように、触媒前センサ20は、排気ガスの空燃比に比例した大きさの電圧信号Vfを出力する。排気空燃比がストイキ(理論空燃比、例えばA/F=14.6)であるときの出力電圧はVreff(例えば約3.3V)である。
他方、触媒後センサ21は所謂O2センサからなり、ストイキを境に出力値が急変する特性を持つ。図2に触媒後センサ21の出力特性を示す。図示するように、排気ガスの空燃比がストイキであるときの出力電圧、すなわちストイキ相当値はVrefr(例えば0.45V)である。触媒後センサ21の出力電圧は所定の範囲(例えば0〜1(V))内で変化する。排気空燃比がストイキよりリーンのとき、触媒後センサの出力電圧はストイキ相当値Vrefrより低くなり、排気空燃比がストイキよりリッチのとき、触媒後センサの出力電圧はストイキ相当値Vrefrより高くなる。
上流触媒18及び下流触媒19は、それぞれに流入する排気ガスの空燃比A/Fがストイキ近傍のときに排気中の有害成分であるNOx、HCおよびCOを同時に浄化する。この三者を同時に高効率で浄化できる空燃比の幅(ウィンドウ)は比較的狭い。
上流触媒18に流入する排気ガスの空燃比がストイキ近傍に制御されるように、空燃比制御(ストイキ制御)がECU100により実行される。この空燃比制御は、触媒前センサ20によって検出された排気空燃比を所定の目標空燃比であるストイキに一致させるような主空燃比制御(主空燃比フィードバック制御)と、触媒後センサ21によって検出された排気空燃比をストイキに一致させるような補助空燃比制御(補助空燃比フィードバック制御)とからなる。
このような空燃比制御は、バンク毎に行われる。すなわち、第1のバンク4側の触媒前センサ20および触媒後センサ21の出力に基づいて、第1のバンク4に属する#1,#3,#5気筒の空燃比制御が行われる。他方、第2のバンク5側の触媒前センサ20および触媒後センサ21の出力に基づいて、第2のバンク5に属する#2,#4,#6気筒の空燃比制御が行われる。
また本実施形態では、1気筒で1噴射サイクル中に噴射される全燃料噴射量を、所定の噴射割合α,βに応じて、PFI2及びDI3に分担させる噴き分けが行われる。この噴き分けの目的は、運転状況に応じた最適な燃焼状態となるように噴射割合を制御することで、低燃費化、エミッション性能の向上及び実用域での高出力化を図ることにある。このときECU100は、噴射割合α,βに応じて、PFI2から噴射される燃料量(ポート噴射量という)と、DI3から噴射される燃料量(筒内噴射量という)とを設定し、これら燃料量に応じて各インジェクタ2,3を通電制御する。噴射割合α,βは、ここでは全燃料噴射量に対するポート噴射量または筒内噴射量の百分率値をいい、0〜100の値を持つ(β=100−α)。全燃料噴射量をQtとした場合、ポート噴射量Qpはα×Qt/100で表され、筒内噴射量Qdはβ×Qt/100で表され、両者の噴射割合はQp:Qd=α:βである。このように噴射割合α,βは、PFI2とDI3、もしくはポート噴射量Qpと筒内噴射量Qdとの噴射割合を規定する値である。全燃料噴射量Qtは、ECU100によりエンジン運転状態(例えばエンジン回転数Neと負荷率KL)に基づいて設定される。
図3に、噴射割合αを設定するためのマップを示す。通常の運転では、図示するように、噴射割合αは、エンジン回転数Neと負荷率KLで規定される各領域に応じてα1からα4まで変化する。例えばα1=0、α2=30、α3=50、α4=70であるが、これらの値や領域分けは任意に変更可能である。この例では、低回転高負荷側に向かうほどポート噴射量の割合が増加する。またα=α1の領域では噴き分けは行われず、筒内噴射のみで燃料が供給される。噴射割合α,βは、両バンクの各気筒に対し同一の値が用いられる。すなわち噴射割合α,βについてはバンク毎の設定はなされない。ただし、後述するインバランス検出の際には、検出のために噴射割合の別の設定が用いられる。
さて、例えば全気筒のうちの一部の気筒のインジェクタが故障し、気筒間に空燃比のばらつき(インバランス:imbalance)が発生したとする。例えば#1気筒が他の#2〜#6気筒よりも燃料噴射量が多くなり、#1気筒の空燃比が他の#2〜#6気筒の空燃比よりも大きくリッチ側にずれる場合である。このとき、#1気筒を含む第1のバンク2について、前述の主空燃比フィードバック制御により比較的大きな補正量を与えれば、トータルガスの空燃比をストイキに制御できる場合がある。しかし、気筒別に見ると、#1気筒がストイキより大きくリッチ、#3,#5気筒がストイキよりリーンであり、全体のバランスとしてストイキとなっているに過ぎず、エミッション上好ましくないことは明らかである。そこで本実施形態では、かかる気筒間空燃比ばらつき異常を検出する装置が装備されている。
図4は、本実施形態とは異なる直列4気筒エンジンにおける空燃比センサ出力の変動を示す。図示するように、空燃比センサによって検出される排気空燃比A/Fは、1エンジンサイクル(=720°CA)を1周期として周期的に変動する傾向にある。そして気筒間空燃比ばらつきが発生すると、1エンジンサイクル内での変動が大きくなる。(B)の空燃比線図a,b,cはそれぞればらつき無し、1気筒のみ20%のインバランス割合でリッチずれ、及び1気筒のみ50%のインバランス割合でリッチずれの場合を示す。見られるように、ばらつき度合いが大きくなるほど空燃比変動の振幅が大きくなる。本実施形態のようなV型6気筒エンジンでも、片バンクについて同様の傾向がある。
ここでインバランス割合(%)とは、気筒間空燃比のばらつき度合いを表すパラメータである。即ち、インバランス割合とは、全気筒のうちある1気筒のみが燃料噴射量ズレを起こしている場合に、その燃料噴射量ズレを起こしている気筒(インバランス気筒)の燃料噴射量がどれくらいの割合で、燃料噴射量ズレを起こしていない気筒(バランス気筒)の燃料噴射量即ち基準噴射量からズレているかを示す値である。インバランス割合をIB、インバランス気筒の燃料噴射量をQib、バランス気筒の燃料噴射量即ち基準噴射量をQsとすると、IB=(Qib−Qs)/Qsで表される。インバランス割合IBが大きいほど、インバランス気筒のバランス気筒に対する燃料噴射量ズレが大きく、空燃比ばらつき度合いは大きい。インバランス割合は、片バンク又は両バンクの全気筒など複数の気筒の平均値に対する燃料噴射量の差分の比率であっても良い。
上記の説明から理解されるように、空燃比ばらつき異常が発生すると空燃比センサ出力の変動が大きくなる。そこでこの出力変動に基づいてばらつき異常を検出することが可能である。
ここで、ばらつき異常の種類としては、1気筒の燃料噴射量がリッチ側(過剰側)にずれているリッチずれ異常と、1気筒の燃料噴射量がリーン側(過少側)にずれているリーンずれ異常とがある。本実施形態では、リッチずれ異常を空燃比センサ出力変動に基づいて検出する。但し、リーンずれ異常を検出してもよく、また、リッチずれ異常およびリーンずれ異常を区別せず、広くばらつき異常を検出してもよい。
リッチずれ異常の検出に際しては、空燃比センサ出力の変動度合いに相関するパラメータである空燃比変動パラメータを算出すると共に、この空燃比変動パラメータを所定の異常判定値と比較して異常を検出する。ここで異常検出はバンク毎に、対応する空燃比センサである触媒前センサ20の出力を用いて行う。
以下、空燃比変動パラメータの算出方法を説明する。図5は、図4のV部に相当する拡大図であり、特に1エンジンサイクル内の触媒前センサ出力の変動を示す。触媒前センサ出力としては、触媒前センサ20の出力電圧Vfを空燃比A/Fに換算した値を用いる。但し触媒前センサ20の出力電圧Vfを直接用いることも可能である。
(B)図に示すように、ECU100は、1エンジンサイクル内において、所定のサンプル周期τ(単位時間、例えば4ms)毎に、触媒前センサ出力A/Fの値を取得する。そして今回のタイミング(第2のタイミング)で取得した値A/Fnと、前回のタイミング(第1のタイミング)で取得した値A/Fn−1との差ΔA/Fnの絶対値を次式(1)により求める。この差ΔA/Fnは、今回のタイミングにおける微分値あるいは傾きと言い換えることができる。
Figure 2013024040
最も単純には、この差ΔA/Fnが触媒前センサ出力の変動を表す。変動度合いが大きくなるほど空燃比線図の傾きが大きくなり、差ΔA/Fnが大きくなるからである。そこで所定の1タイミングにおける差ΔA/Fnの値を空燃比変動パラメータとすることができる。
但し、本実施形態では精度向上のため、複数の差ΔA/Fnの平均値を空燃比変動パラメータとする。本実施形態では、1エンジンサイクル内において、各タイミング毎に差ΔA/Fnを積算し、最終積算値をサンプル数Nで除し、1エンジンサイクル内の差ΔA/Fnの平均値を求める。そしてさらに、Mエンジンサイクル分(例えばM=100)だけ差ΔA/Fnの平均値を積算し、最終積算値をサイクル数Mで除し、Mエンジンサイクル内の差ΔA/Fnの平均値を求める。こうして求められた最終的な平均値を空燃比変動パラメータとし、以下「X」で表示する。
触媒前センサ出力の変動度合いが大きいほど、空燃比変動パラメータXは大きくなる。そこで空燃比変動パラメータXが所定の異常判定値以上であれば異常ありと判定され、空燃比変動パラメータXが異常判定値より小さければ異常なし、即ち正常と判定される。なお、ECU100の気筒判別機能により、点火気筒とこれに対応する空燃比変動パラメータXとの関連付けは可能である。
なお、触媒前センサ出力A/Fは増加する場合と減少する場合とがあるので、これら各場合の一方についてだけ上記差ΔA/Fnあるいはその平均値を求め、これを変動パラメータとすることができる。特に1気筒のみリッチずれの場合、当該1気筒に対応した排気ガスを触媒前センサが受けた時にその出力が急速にリッチ側に変化(すなわち急減)するので、減少側のみの値をリッチずれ検出のために用いることも可能である(リッチインバランス判定)。この場合には、図5のグラフにおける右下がりの領域のみを、リッチずれ検出のために利用することになる。一般にリーンからリッチへの移行は、リッチからリーンへの移行よりも急峻に行われる場合が多いため、この方法によればリッチずれを精度よく検出することが期待できる。もっとも、これに限定されず、増加側の値のみを用いること、あるいは、減少側と増加側の双方の値を用いる(差ΔA/Fnの絶対値を積算し、この積算値をしきい値と比較することで)ことも可能である。
図6には、インバランス割合IBと空燃比変動パラメータXの関係を示す。図示されるように、インバランス割合IBと空燃比変動パラメータXの間には強い相関性があり、インバランス割合IBが増加するほど空燃比変動パラメータXも増加する。ここで図中のIB1は、正常と異常の境目であるクライテリアに相当するインバランス割合IBの値であり、例えば60(%)である。
本実施形態では、空燃比ばらつき異常がどの気筒に存在するかを特定することに加え、ばらつき異常の原因がその気筒のどのインジェクタにあるかを特定することができる。この目的から、本実施形態では、複数の気筒のそれぞれに設けられた複数のインジェクタの間における噴射割合を変更し、当該変更の前及び後における空燃比変動に基づいて、ばらつき異常の原因がどのインジェクタにあるかを特定する。
図7は本実施形態で使用されるモニタ領域マップの設定例を示すグラフである。図示されるように同マップでは、エンジン回転数Neとエンジン負荷率KLとを座標軸として構成される運転領域内に、複数のモニタ領域A,Bが設定されている。モニタ領域Aは、運転状態(すなわち、エンジン回転数Neとエンジン負荷率KL)がこの領域内であれば「噴射割合0:100」(すなわち、ポート0%かつ直噴100%)という噴射量比率設定Iでの噴射を行うという領域である。モニタ領域Bは、運転状態がこの領域内であれば「噴射割合70:30」(すなわち、ポート70%かつ直噴30%)という噴射量比率設定IIでの噴射を行うという領域である。このようにして、本実施形態では、複数のインジェクタの燃料噴射量の比率が互いに異なるように定められた複数組の噴射量比率設定I,IIに従って、燃料噴射を実行し、それぞれについて空燃比の気筒間のばらつきを所定のパラメータに基づいて検出する。これによって、空燃比ばらつき異常の原因がその気筒のどちらのインジェクタにあるかを特定することができる。
このようなモニタ領域A,Bは、両者の一部が互いに重複している(この重複部分をモニタ領域Cとする)。このため、運転状態がこの重複部分であるモニタ領域Cにあるときに、モニタ領域A,Bのどちらの噴射量比率設定で噴射を試行するかが問題となる。そこで本実施形態では、複数組の噴射量比率設定I,IIにそれぞれが対応する複数の検出実行条件(モニタ領域A,B)の各成立頻度と、複数の検出実行条件のうち複数のものが同時に成立(モニタ領域C)する成立頻度と、に基づいて、複数組の噴射量比率設定I,IIのいずれかを優先して選択するものである。具体的には、本実施形態では、複数の検出実行条件(モニタ領域A,B)のうち複数のものが同時に成立する運転領域(モニタ領域C)において、当該運転領域(モニタ領域C)で得られるパラメータの検出機会を、当該運転領域(モニタ領域C)への依存度が相対的に高い噴射量比率設定IまたはIIに、優先して付与する。
この依存度は、以下の手順によって、既知の運転モードないし走行パターンに基づいて定めることができる。例えば既知の運転モードないし走行パターンの代表的なものの1つである周知のLA#4モードでの走行中に、空燃比ばらつき検出を完了できるように装置を設定する場合について説明する。なおLA#4モードは、米国カリフォルニア州ロサンゼルス4号線での走行パターンを模した運転モードであって、米国において燃費およびエミッションその他車両性能の測定のための標準として用いられるものであり、連邦テスト方法規則、FTP75に規定されている。既知の運転モードないし走行パターンは、他のものであってもよい。
空燃比ばらつき異常の最終的な判定のために、モニタ領域Aにつきna回、モニタ領域Bにつきnb回の検出機会が必要であって、かつLA#4モードの走行中に、モニタ領域A内でa回、モニタ領域B内でb回の検出機会がそれぞれ得られ、且つモニタ領域A,Bの重複部分である領域Cにつきc回の検出機会が得られる場合を想定する。この検出機会の数は、実測であっても、シミュレーションその他のオフサイト推定演算で得られたものであっても良い。このとき、モニタ領域Cに対するモニタ領域Aの依存度は、モニタ領域Cで検出機会を確保しなければならない最小限の回数が、モニタ領域Cでの検出機会の数cに対して成す割合、すなわち{na−(a−c)}/cで表すことができる。
同様に、モニタ領域Cに対するモニタ領域Bの依存度は、モニタ領域Cで検出機会を確保しなければならない最小限の回数が、モニタ領域Cでの検出機会の数cに対して成す割合、すなわち{nb−(b−c)}/cで表すことができる。
このようにしてモニタ領域Cに対するモニタ領域A,Bの依存度が決定されると、これら依存度の値が相対的に大きい噴射量比率設定IまたはIIに、検出機会を優先して付与することを決定することができる。この比較は、モニタ領域Cに対するモニタ領域A,Bの依存度の差の正負によって決定することができ、{na−(a−c)}/c−{nb−(b−c)}/c={(b−nb)−(a−na)}/cの値が正であれば噴射量比率設定Iに、また負であれば噴射量比率設定IIに、検出機会を優先して付与するように設定する。
例えば、必要検出機会na=120、nb=100、検出機会a=190、b=180、c=100であるとすると、この場合には、{(b−nb)−(a−na)}/cの値は{(180−100)−(190−120)}/100=0.1、のように正であるため、噴射量比率設定Iに検出機会を優先して付与することになる。このことは、各噴射量比率設定I,IIの検出機会の数(aまたはb)と、判定に必要な検出機会の数(naまたはnb)の余裕差(すなわち、a−naあるいはb−nbで表される余剰のデータ数)が小さいほうを優先して実施することを意味している。
なお、このようにして各モニタ領域A,Bのモニタ領域Cに対する依存度ないし余裕差(余剰のデータ数)に基づいて検出機会付与の優先順位を決定する方法によれば、複数のモニタ領域が互いに完全に一致している場合には、{(b−nb)−(a−na)}/c=(na−nb)/cとなり、必要検出機会(naまたはnb)が相対的に大きい噴射量比率設定IまたはIIを優先して実施することになる。
また、複数の必要検出機会(naまたはnb)が同数である場合には、{(b−nb)−(a−na)}/c=(b−a)/cとなり、検出機会の数(aまたはb)が相対的に大きい噴射量比率設定IまたはIIを優先して実施することになる。
このようにして、例えば噴射量比率設定Iに検出機会を優先して付与する場合には、回転数Na及び負荷率KLが領域Cにある場合に、必要な検出機会の数である{na−(a−c)}回に達するまでは、モニタ領域Aに対応する噴射量比率設定Iである「ポート0%かつ直噴100%」の比率で噴射を行って、その状態で空燃比変動パラメータの算出を行う。そしてその後に、モニタ領域Bに対応する噴射量比率設定IIである「ポート70%かつ直噴30%」の比率で噴射を行って、その状態で空燃比変動パラメータの算出を行う。
また、本実施形態では更に、複数組の噴射量比率設定IおよびIIのいずれかによる燃料噴射が実行中である場合には、当該噴射量比率設定IまたはIIによる燃料噴射が終了するまで、噴射量比率設定の変更を禁止している。
図8は本実施形態における空燃比変動パラメータ算出及び異常判定処理を示す。この処理は、ECU100によって、所定の算出タイミング、例えば1000km走行するごとにこれをトリガとして実行される。ただし、この処理はユーザの指示入力に応答して任意の所望のタイミングで実行してもよい。
まずECU100は、クランク角センサ22及びアクセル開度センサ23の検出値に基づいて、エンジン回転数Na及び負荷率KLを検出する(S810)。次に、検出されたエンジン回転数Na及び負荷率KLに基づいて、図7のモニタ領域マップが参照され、現在の運転状態がモニタ領域C内かが判断される(S820)。
ステップS820で否定すなわちモニタ領域C外である場合には、次に運転状態がモニタ領域A内であるかが判断され(S850)、肯定の場合には、Qp:Qd=0:100、すなわち「ポート0%かつ直噴100%」という噴射量比率設定Iでの噴射が行われる(S860)。また、ステップS850で運転状態がモニタ領域A内でない場合には、次に運転状態がモニタ領域B内であるかが判断され(S900)、肯定の場合には、Qp:Qd=70:30、すなわち「ポート70%かつ直噴30%」という噴射量比率設定IIでの噴射が行われる(S910)。
そして、空燃比センサである触媒前センサ20の出力に基づいて、上述したクランク角の所定の1タイミングにおける差ΔA/Fnの値を算出することにより、空燃比変動パラメータが算出される(S870)。なお、ステップS900で否定、すなわちモニタ領域A,B,Cのいずれにも該当しない場合には、ステップS870の処理はスキップされる。
他方、ステップS820でモニタ領域C内と判断された場合には、「モニタ領域Bからの移行か」(すなわち、モニタ領域C内と判断される直前まで運転状態がモニタ領域B内であったか)、及び「噴射量比率設定IIでのモニタ領域C内の必要数の測定が未完了か」(すなわち、nb−(b−c)回の検出が未完了か)が判断される(S830)。ここで両条件とも真の場合には、処理はステップS910に移行して、「ポート70%かつ直噴30%」という噴射量比率設定IIでの噴射が行われる。
ステップS830のいずれかの条件が真でない場合、すなわち、モニタ領域Bからの移行でないか、あるいは噴射量比率設定IIでのモニタ領域C内の必要数の測定が完了している場合には、次に、「噴射量比率設定Iでのモニタ領域C内の必要数の測定が完了しているか」(すなわち、na−(a−c)回の検出が完了しているか)が判断される(S840)。否定すなわち未完了の場合には、処理はステップS860に移行して、Qp:Qd=0:100、すなわち「ポート0%かつ直噴100%」という噴射量比率設定Iでの噴射が行われる。ステップS840で肯定の場合には、ステップS860及びS870の処理はスキップされる。
以上の処理は、必要な数の空燃比変動パラメータが全領域について取得されるまでの間繰返し実行され(S880)、それが取得されたことを条件に、処理はステップS890に移行して、ばらつき異常が判定される。
空燃比ばらつき異常の判定は、以下のようにして行われる。まず、どの気筒に対応する検出タイミングにおいても異常がない、すなわち噴射量比率設定Iでの噴射による空燃比変動パラメータが対応するしきい値Ithよりも小さく、且つ、噴射量比率設定IIでの噴射による空燃比変動パラメータが対応するしきい値IIthよりも小さい場合には、全気筒におけるPFI2及びDI3につき正常と判定する。
また、特定の気筒に対応する検出タイミングにおいて、噴射量比率設定Iでの噴射による空燃比変動パラメータが対応するしきい値Ithよりも大きく、且つ、噴射量比率設定IIでの噴射による空燃比変動パラメータが対応するしきい値IIthよりも小さい場合には、当該気筒におけるDI3に異常があるものと判定する。
また、特定気筒に対応する検出タイミングにおいて、噴射量比率設定Iでの噴射による空燃比変動パラメータが対応するしきい値Ithよりも小さく、且つ、噴射量比率設定IIでの噴射による空燃比変動パラメータが対応するしきい値IIthよりも大きい場合には、当該気筒におけるPFI2に異常があるものと判定する。
また、特定の気筒に対応する検出タイミングにおいて、噴射量比率設定Iでの噴射による空燃比変動パラメータが対応するしきい値Ithよりも大きく、且つ、噴射量比率設定IIでの噴射による空燃比変動パラメータも対応するしきい値IIthよりも大きい場合には、当該気筒の吸気系に異常があるものと判定する。
以上の処理の結果、図9に示されるとおり、例えばt5のように、モニタ領域A条件が成立し(すなわち、現在の運転状態がモニタ領域A内になり)、同時にモニタ領域B条件が成立した(すなわち、現在の運転状態がモニタ領域B内になった)場合には、領域A,Bが共に成立するモニタ領域Cにあることになるが、その場合には、噴射比率設定Iによる噴射が優先して実行される(t5〜t6,S860)。そしてモニタ領域A条件が不成立になると(t6)、モニタ領域B条件が不成立になるまでの間、噴射比率設定IIによる噴射が継続して実行される(t6〜t7,S910)。
他方、例えばt1のように、モニタ領域B条件のみが成立し、噴射比率設定IIによる噴射が開始された後に、モニタ領域A条件が遅れて成立(t2)した場合には、優先とされる噴射比率設定Iに移行することなく、モニタ領域B条件が不成立になるまでの間、噴射比率設定IIによる噴射が継続して実行されることになる(t2〜t4,S830,S910)。
運転状態がモニタ領域A,Bのいずれにも属していない場合には、通常時の噴射割合、すなわち図3のマップに従って、ばらつき異常検出を目的とせずに低燃費化・エミッション性能の向上及び実用域での高出力化を目的として設定された噴射割合α(例えばDI70%、すなわちα2=30)によって運転が行われる(t4〜t5)。
なお、異常と判定されたインジェクタについては、その使用を禁止して他方(インジェクタが単一気筒につき3個以上であれば、残余)のインジェクタのみによって運転を継続してもよい。異常の程度(すなわち、空燃比変動パラメータ)が即座の修理又は交換を要しない程度に低い場合には、当該部材の修理又は交換の時期を予測して所定のダイアグノーシスメモリに記憶し、あるいは、車室内の警告表示を点灯させるなどの出力を行ってもよい。
また、検出された空燃比変動パラメータは、インバランスを相殺するための各種の制御であって制御量が可変であるものにおいて、その制御量を決定するために用いることができる。そのような制御には、燃料噴射時期の変更(例えば、空燃比がリッチである気筒の燃料噴射時期を排気行程中に設定し、空燃比がリーンである気筒の燃料噴射時期を吸気行程中に設定する)、及び点火時期の変更(例えば、空燃比がリッチである気筒の点火時期を遅角し、空燃比がリーンである気筒の点火時期を進角する)が含まれる。
また、インバランスを相殺するために、燃料噴射時間の増大(減少)や、可変噴孔噴射弁の場合には有効開口面積の増大(減少)、吸気系異常を原因とするリーンずれであれば吸気弁の開度の増大(減少)又は開弁時間の増大(減少)のように、インジェクタPFI2,DI3または吸気弁の動作を、各異常原因を相殺する方向に補正する制御を行うことも考えられ、空燃比変動パラメータは、そのような制御の補正量に反映させることができる。例えば、異常の程度が大きいほど、制御量を大きくするのが好適である。
以上のとおり、本実施形態では、複数組の噴射量比率設定I,IIにそれぞれが対応する複数の検出実行条件(モニタ領域A,B)の各成立頻度と、前記複数の検出実行条件のうち複数のものが同時に成立(モニタ領域C)する成立頻度と、に基づいて、前記複数組の噴射量比率設定I,IIのいずれかを優先して選択する。したがって本実施形態によれば、複数の気筒のそれぞれに設けられた複数のインジェクタPFI2,DI3につき、ばらつき異常の原因がどのインジェクタにあるかを識別する構成において、噴射割合の変更に起因する誤検出のおそれを抑制し、複数種類の噴射量比率設定を試行する場合の効率的な手順を提供できる。
また、本実施形態では、複数の検出実行条件(モニタ領域A,B)が内燃機関の回転数及び負荷によって定義された運転領域に基づいて定められ、これら複数の検出実行条件のうち複数のものが同時に成立(モニタ領域C)する運転領域において、当該同時に成立する運転領域(モニタ領域C)で得られる所定のパラメータの検出機会を、当該同時に成立する運転領域(モニタ領域C)への依存度が相対的に高い噴射量比率設定に優先して付与することによって、前記複数組の噴射量比率設定I,IIのいずれかを優先して選択する。したがって本実施形態によれば、複数種類の噴射量比率設定I,IIを試行する場合の効率的な手順を提供でき、有限の所定時間内でばらつき異常検出を終了できる蓋然性を高めることができる。
また、本実施形態では、複数組の噴射量比率設定I,IIのいずれかによる燃料噴射が実行中である場合には、当該噴射量比率設定による燃料噴射が終了するまで、噴射量比率設定の変更を禁止する。したがって本実施形態によれば、ある噴射量比率設定の変更に伴う過渡状態(例えば、吸気通路やシリンダ内への付着燃料)の影響による異常検出精度の低下を抑制することができ、また過渡時間にわたる待機を回避ないし抑制することによりばらつき異常検出の所要時間を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば、噴射量比率設定及び検出実行条件は、3以上の任意の複数であっても良い。
また、上記実施形態では、空燃比の変動に基づいて気筒間の空燃比ばらつき異常を検出したが、内燃機関の回転変動に基づいて検出してもよい。この場合には、例えばある気筒につきTDC近傍でクランクシャフトが30°CA回転するのに要した時間が、他の気筒における値に対してなす比率をもって、空燃比変動パラメータとすることができる。触媒前センサ出力の変動度合いに相関する如何なる値をも空燃比変動パラメータとすることができる。例えば、1エンジンサイクル内の触媒前センサ出力の最大値と最小値の差(所謂ピークトゥピーク; peak to peak)に基づいて、空燃比変動パラメータを算出することもできる。触媒前センサ出力の変動度合いが大きいほど当該差も大きくなるからである。空燃比フィードバック補正量に基づいて、空燃比ばらつき異常を検出してもよい。
また、エンジンの気筒数、形式、用途等は特に限定されない。インジェクタの数は気筒あたり3以上の任意の複数であってもよい。また複数のインジェクタは、吸気ポートと筒内のいずれに設けられていてもよく、全てが吸気ポートに設けられ、あるいは全てが筒内に設けられていてもよい。火花点火式内燃機関の場合、代替燃料(アルコール、CNG等の気体燃料等)の使用も可能である。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関
2 吸気通路噴射用インジェクタ(PFI)
3 筒内噴射用インジェクタ(DI)
20 触媒前センサ
22 クランク角センサ
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (3)

  1. 複数の気筒と、
    前記複数の気筒のそれぞれにつき配設された複数のインジェクタと、
    前記複数のインジェクタの燃料噴射量の比率が互いに異なるように定められた複数組の噴射量比率設定からいずれかを選択する選択手段と、
    選択された噴射量比率設定によって燃料を噴射したときの空燃比の気筒間のばらつきを所定のパラメータに基づいて検出するばらつき検出手段と、
    を備えた内燃機関の気筒間ばらつき検出装置であって、
    前記選択手段は、前記複数組の噴射量比率設定にそれぞれが対応する複数の検出実行条件の各成立頻度と、前記複数の検出実行条件のうち複数のものが同時に成立する成立頻度と、に基づいて、前記複数組の噴射量比率設定のいずれかを優先して選択することを特徴とする内燃機関の気筒間ばらつき検出装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の気筒間ばらつき検出装置であって、
    前記複数の検出実行条件が前記内燃機関の回転数及び負荷によって定義された運転領域に基づいて定められ、
    前記選択手段は、前記複数の検出実行条件のうち複数のものが同時に成立する運転領域において、当該同時に成立する運転領域で得られる前記パラメータの検出機会を、当該同時に成立する運転領域への依存度が相対的に高い噴射量比率設定に優先して付与することによって、前記複数組の噴射量比率設定のいずれかを優先して選択することを特徴とする内燃機関の気筒間ばらつき検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の気筒間ばらつき検出装置であって、
    前記選択手段は、前記複数組の噴射量比率設定のいずれかによる燃料噴射が実行中である場合には、当該噴射量比率設定による燃料噴射が終了するまで、噴射量比率設定の変更を禁止することを特徴とする内燃機関の気筒間ばらつき検出装置。
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