JP5938933B2 - 波動歯車装置 - Google Patents

波動歯車装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5938933B2
JP5938933B2 JP2012034198A JP2012034198A JP5938933B2 JP 5938933 B2 JP5938933 B2 JP 5938933B2 JP 2012034198 A JP2012034198 A JP 2012034198A JP 2012034198 A JP2012034198 A JP 2012034198A JP 5938933 B2 JP5938933 B2 JP 5938933B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
teeth
tooth
external
gradual change
gear device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012034198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013170611A (ja
Inventor
正和 大橋
正和 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2012034198A priority Critical patent/JP5938933B2/ja
Publication of JP2013170611A publication Critical patent/JP2013170611A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5938933B2 publication Critical patent/JP5938933B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Description

本発明は、波動歯車装置に関するものである。
波動歯車装置は、撓み噛み合い式の歯車装置であって、小型で高効率の減速機として種々の用途に用いられている。この波動歯車装置は、内歯を有するサーキュラスプラインと、外歯を有し可撓性のあるフレックススプラインと、フレックススプラインを楕円形に撓ませて内歯と外歯を部分的に噛合させるウェーブジェネレータ(波動発生機構)とを備える。そして、回転駆動力を入力されるウェーブジェネレータが内歯と外歯の噛合部位を周方向に回転させ、これにより生じるサーキュラスプラインとフレックススプラインの差動により回転駆動力を減速している。
このような波動歯車装置として、例えば、特許文献1,2には、出力方式の異なる波動歯車装置が開示されている。特許文献1の波動歯車装置では、サーキュラスプラインをハウジングに固定し、出力軸と連結されたフレックススプラインから回転駆動力を出力している。一方で、特許文献2の波動歯車装置では、フレックススプラインの外歯と噛合し互いに異なる歯数の内歯を有する一組のサーキュラスプラインを備え、一方のサーキュラスプラインをハウジングに固定し、出力軸に連結された他方のサーキュラスプラインから回転駆動力を出力している。
特開2009−214779号公報 特開2005−188740号公報
ところで、波動歯車装置が用いられる用途の多様化に伴い、波動歯車装置には軽量化や製造コストの低減などの要請がある。このような事情から、例えば、フレックススプラインなどを樹脂材料により形成することが考えられる。しかしながら、特にサーキュラスプラインから回転駆動力を出力する方式では、フレックススプラインの外歯には各内歯から周方向に逆向きの荷重が加えられるため、単に材料を樹脂に置き換えたのではフレックススプラインの外歯の強度が不足するおそれがある。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、可撓性のあるフレックススプラインの外歯を樹脂材料で形成した場合において、必要な強度を確保することが可能な波動歯車装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明によると、同軸上に配置され、互いに異なる歯数の内歯を有する第一部材および第二部材と、前記第一部材および前記第二部材の内側に配置され、樹脂材料により形成された外歯を有する可撓部材と、前記可撓部材を楕円形に撓ませて前記第一部材および前記第二部材の各前記内歯と前記外歯を部分的に噛合させるとともに、各前記内歯と前記外歯の噛合部位を周方向に回転させる波動発生機構と、を備え、前記第一部材および前記第二部材のうち少なくとも一方の前記内歯には、軸方向の中央側から端面側に向かって当該内歯の歯厚が漸減するように歯形の徐変領域が形成され、前記徐変領域は、前記波動発生機構が各前記内歯と前記外歯の噛合部位を周方向に回転させている際に、当該徐変領域が形成された前記内歯の軸方向の端面と前記徐変領域との境界部が前記外歯の歯面に非接触となるように形成される
請求項2に係る発明によると、前記徐変領域は、凸曲面状に形成される。
請求項3に係る発明によると、前記第一部材および前記第二部材の各前記内歯は、前記可撓部材の前記外歯よりも剛性が高くなるように構成される。
請求項1に係る発明によると、波動歯車装置は、可撓部材の外歯を樹脂材料により形成されており、且つこの外歯に第一部材および第二部材の各内歯が噛合するものとしている。そのため、波動歯車装置の稼動状態では、可撓部材の外歯には各内歯から周方向に逆向きの荷重が加えられることになる。このとき、金属と比較して剛性の低い樹脂を材料とした外歯は、逆向きの荷重により弾性変形して歯面が湾曲する。そうすると、外歯が内歯から加えられる荷重は、内歯の軸方向の端部側に向かうに従って大きくなる。このような状態が外歯を樹脂製にした場合に外歯の強度が不足する一因であることが見出された。
そこで、本発明では、樹脂製の外歯と噛合する各内歯のうち少なくとも一方には、歯形の徐変領域を形成する構成としている。これにより、波動歯車装置の稼動状態において、外歯が逆向きの荷重により弾性変形しても、湾曲した歯面に内歯の徐変領域が接触することになる。従って、外歯の湾曲した歯面には徐変する内歯の歯厚に応じた荷重が加えられるので、外歯の歯幅方向(軸方向)に亘って加えられる荷重の均一化を図ることができる。このように、本発明により弾性変形する樹脂製の外歯において、内歯から局部的に大きな荷重が加えられることを抑制できるので、全体として必要な強度を確保することが可能となる。また、可撓部材の外歯に樹脂材料を用いることで、波動歯車装置の軽量化するとともに製造コストを低減できる。
また、徐変領域は、波動発生機構が各内歯と外歯の噛合部位を周方向に回転させている際に、即ち波動歯車装置の稼動状態であって回転駆動力を減速して伝達している際に、内歯の境界部が外歯の歯面に非接触となるように形成される。内歯の境界部は、内歯の端面と徐変領域との境界に位置するエッジ部である。弾性変形する外歯に対して、例えば内歯の端面と歯面のエッジ部が外歯の歯面に接触すると、このエッジ部と接触する外歯の歯面には局部的に大きな応力が発生することになる。そのため、波動歯車装置の稼働状態では、内歯の端面と徐変領域との境界部が外歯の歯面に非接触となるように、その徐変領域の形状を設定するようにする。これにより、内歯のエッジ部が弾性変形する外歯の歯面に接触しないので、外歯の歯面に局部的に大きな応力が発生することを防止できる。
請求項2に係る発明によると、内歯の徐変領域は、凸曲面状に形成されるようにしてもよいもよい。上述したように、波動歯車装置の稼動状態において、各内歯から逆向きの荷重を加えられる外歯は弾性変形して歯面が湾曲する。このとき、可撓部材の外歯は、その歯面が凹曲面状に湾曲することになる。そのため、本発明では、湾曲した外歯の歯面と接触する内歯の徐変領域を、この凹曲面状に沿うように凸曲面状に形成するようにしている。これにより、外歯の歯幅方向に亘って加えられる荷重をより確実に均一化することができる。
請求項3に係る発明によると、第一部材および第二部材の各内歯は、可撓部材の外歯よりも剛性が高くなるように構成されるようにしてもよい。第一部材および第二部材の各内歯を樹脂製とすると、回転駆動力を伝達する際に、各内歯も外歯からの反力を受けて弾性変形することになる。しかしながら、各内歯を可撓部材の外歯よりも剛性が高くなるように、例えば、硬質の樹脂材料(別種の硬質樹脂または補強材を加えて比較的剛性の高い樹脂材料)または構造的に剛性を向上させる形状とすることで、主として可撓部材の外歯が弾性変形することになる。つまり、波動歯車装置の駆動状態においては、主として外歯の歯面が湾曲するようにし、この湾曲形状に沿うように内歯に徐変領域を形成することで、外歯の歯幅方向に亘って加えられる荷重をより確実に均一化することができる。また、各内歯を樹脂製とすることで、金型を用いた成型により容易に徐変領域を形成することができるので、加工コストを低減することができる。
実施形態における波動歯車装置の断面図である。 図1におけるA−A断面図である。 サーキュラスプラインの内歯を示す拡大図である。 各歯の噛合状態および外歯に加えられる荷重を示す図である。 弾性変形した外歯を径方向から見た状態を示す拡大した模式図である。 図5におけるB部分をさらに拡大して示す模式図である。 図5におけるC部分をさらに拡大して示す模式図である。
<実施形態>
本発明の波動歯車装置を具体化した実施形態について図1〜図7を参照して説明する。本実施形態において、波動歯車装置1は、ハウジングHに回転可能に支持された入力軸2から回転駆動力を入力し、所定の変速比により減速した後に出力軸3から出力する撓み噛み合い式の歯車装置である。ハウジングHは、内側に変速機構を収容するための筒状部を有する固定部材である。入力軸2および出力軸3は、入出力軸線Ax回りに相対回転可能な軸部材である。
(波動歯車装置1の構成)
波動歯車装置1は、図1に示すように、第一サーキュラスプライン10と、第二サーキュラスプライン20と、フレックススプライン30と、波動発生機構40と、センターシャフト50を備える。第一サーキュラスプライン10(本発明の「第一部材」に相当する)は、環状からなり、その中心軸線が入出力軸線Axとなるようにボルト締結によりハウジングHの筒状部に一体的に固定されている。また、第一サーキュラスプライン10の内周面には図2に示すように複数の内歯11が形成されている。第一サーキュラスプライン10の歯数、内歯11に係る形状、材料などの詳細については後述する。
第二サーキュラスプライン20(本発明の「第二部材」に相当する)は、環状からなり、その中心軸線が入出力軸線Axとなるように出力軸3の軸方向端部に形成されたフランジ部3aに一体形成されている。これにより、第一サーキュラスプライン10および第二サーキュラスプライン20は、波動歯車装置1において同軸上に配置されていることになる。また、第二サーキュラスプライン20の内周面には、第一サーキュラスプライン10の内歯11とは歯数の異なる複数の内歯21が形成されている。第二サーキュラスプライン20の歯数、内歯21に係る形状、材料などの詳細については後述する。
フレックススプライン30(本発明の「可撓部材」に相当する)は、第一サーキュラスプライン10および第二サーキュラスプライン20の内側に配置され、少なくとも径方向に可撓性のある環状部材である。また、フレックススプライン30の外周面には、樹脂材料により形成された外歯31が形成されている。フレックススプライン30の外歯31は、図1に示すように、内歯11および内歯21に跨る歯幅に設定され、本実施形態においては、第二サーキュラスプライン20と等しい歯数に設定されている。この外歯31の詳細については後述する。
波動発生機構40は、フレックススプライン30を内周側から楕円形に撓ませるとともに、楕円形をなすフレックススプライン30の形状を回転させる機構である。この波動発生機構40は、図1および図2に示すように、旋回プレート41と、2つのローラ42を有する。旋回プレート41は、円盤状からなり、その中心軸線が入出力軸線Axとなるように入力軸2の軸方向端部に一体的に形成されている。また、旋回プレート41の端面には、入出力軸線Ax方向に延びる2本の支持軸411が回転中心に対称な位置に形成されている。2つのローラ42は、旋回プレート41の2本の支持軸411にそれぞれ支持され、支持軸411を中心として回転可能となっている。
また、各ローラ42は、その外周面がフレックススプライン30の内周面を押圧し、フレックススプライン30を楕円形に撓ませている。このとき、フレックススプライン30は、楕円形の長軸方向に位置する部位の外歯31が第一サーキュラスプライン10の内歯11および第二サーキュラスプライン20の内歯21と噛合している。即ち、フレックススプライン30の外歯31のうち、楕円形の短軸方向に位置する部位の外歯31は、各内歯11,21から離脱している状態にある。このように、波動発生機構40は、各内歯11,21と外歯31を部分的に噛合させている。
さらに、また、入力軸2の回転に伴って波動発生機構40の旋回プレート41が回転すると、各ローラ42がフレックススプライン30を押圧する部位が移動することになる。これにより、波動発生機構40は、楕円形をなすフレックススプライン30の形状を回転させ、各内歯11,21と外歯31の噛合部位を周方向に回転させている。
センターシャフト50は、中実の軸部材であって、その中心軸線が入出力軸線Axとなるように、軸方向一端が入力軸2の円筒内周面に嵌合して固定されている。センターシャフト50の軸方向他端は、出力軸3のフランジ部3aの内周側に挿入され、軸受51を介して支持されている。これにより、入力軸2および出力軸3は、センターシャフト50を介して相対回転可能に且つ相互に支持し合う構成とし、動作の安定化を図っている。
(内歯11,21、外歯31などの詳細構成)
次に、入力側の第一サーキュラスプライン10の内歯11(以下、「入力側内歯11」と称する)、出力側の第二サーキュラスプライン20の内歯21(以下、「出力側内歯21」と称する)、およびフレックススプライン30の外歯31の詳細構成について説明する。第一サーキュラスプライン10と第二サーキュラスプライン20は、上述したように異なる歯数に設定されており、本実施形態においては第一サーキュラスプライン10の歯数を「72」、第二サーキュラスプライン20の歯数を「70」に設定している。また、フレックススプライン30は、上述したように第二サーキュラスプライン20と等しい歯数に設定され、本実施形態においては歯数を「70」に設定されている。従って、本実施形態における波動歯車装置1の減速比は、「35:1」となっている。
ここで、入力側内歯11、出力側内歯21、および外歯31は、樹脂材料により形成されている。より具体的には、入力側内歯11および出力側内歯21は、初期的な変形を有しない樹脂材料として、例えば、ポリアセタールやポリアミドなどの汎用エンジニアプラスチックにより形成されている。また、第一サーキュラスプライン10と第二サーキュラスプライン20は、上述したように互いに異なる歯数に設定されるが、歯先円および歯底円が等しくなるように形成されている。このように入力側内歯11および出力側内歯12の諸元は相違するものであるが、本実施形態においては、これらを勘案してそれぞれを形成する樹脂材料を選択することによって、全体として両内歯11,21の剛性が等しくなるようにしている。
また、外歯31は、初期撓みなどによる応力を考慮して、汎用エンジニアプラスチックの他に、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)や芳香族ポリアミドなどの高強度材である樹脂材料により形成されている。そのため、入力側内歯11および出力側内歯21は、可撓性のあるフレックススプライン30の外歯31よりも硬質の樹脂材料により形成され、当該外歯31よりも剛性が高くなるように構成されている。
さらに、入力側内歯11および出力側内歯21には、入出力軸線Ax方向(歯幅方向)の中央側から端面112,212側に向かって歯厚が漸減するように歯形の徐変領域114,214が形成されている。ここでは、入力側内歯11の歯形の徐変領域114について、図3〜図7を参照して説明する。本実施形態では、出力側内歯21の徐変領域214は入力側内歯11の徐変領域と同様であるため、図3においては、入力側内歯11の各部位(111〜115)に対応する出力側内歯21の各部位(211〜215)を括弧内の符号で示している。
入力側内歯11の徐変領域114は、図3の斜線部により示される領域であって、歯幅方向の中央側の歯厚S1よりも端面112側の歯厚S2の方が短くなるように形成されている。また、徐変領域114は、入力側内歯11の歯面111との境界が滑らかとなるように接続され、且つ凸曲面状に形成されている。このような徐変領域114により、入力側内歯11の歯先面113は、歯幅方向の端面112側に向かって先細りとなっている。
ここで、波動歯車装置1が入力側内歯11および出力側内歯21と外歯31の噛合部位を周方向に回転させている状態、即ち入力軸2から回転駆動力が入力されて減速を行っている稼動状態において、当該噛合部位を含む断面は、図4のような模式図により示すことができる。このとき、外歯31は、ハウジングHに対して固定されている入力側内歯11から図5の矢印R1方向の荷重が加えられる。また、外歯31は、回転駆動力を出力側内歯21に伝達するため、出力側内歯21から図5の矢印R2方向の反力を受ける。矢印R1および矢印R2は、フレックススプライン30の周方向に平行で且つ反対方向である。
そのため、波動歯車装置1の稼動状態における外歯31は、図5に示すように、逆向きの荷重により弾性変形して歯面311が凹曲面状に湾曲する(図5では、便宜上、外歯31の弾性変形の様子を誇張して示している)。また、本実施形態においては、上述したように、入力側内歯11および出力側内歯21は外歯31よりも剛性が高くなるように構成されていることから、入力側内歯11および出力側内歯21よりも外歯31が弾性変形する変形量が大きい。そして、湾曲した外歯31の歯面311と接触する入力側内歯11の徐変領域114を、歯面311の凹曲面状に沿うように凸曲面状に形成するようにしている。
さらに、入力側内歯11の徐変領域114は、図6に示すように、波動歯車装置1の稼動状態において、入力側内歯11の端面112と徐変領域114との境界部115が外歯31の歯面311に非接触となるように形成される。そのため、例えば、徐変領域114は、境界部115付近の曲率が他の部位に比べて小さくなるように形成される。これにより、境界部115と歯面311との間には隙間S1が形成される。また、出力側内歯21の徐変領域114においても同様であり、図7に示すように、徐変領域214は、出力側内歯21の境界部215が外歯31の歯面311に非接触となるように形成される。これにより、境界部215と歯面311との間に隙間S2が形成される。
(波動歯車装置1の作用および効果)
このような構成からなる波動歯車装置1では、外歯31が入力側内歯11および出力側内歯21に跨って噛合するものとしている。そのため、樹脂材料により形成されている外歯31は、波動歯車装置1の稼動状態においては周方向に逆向きに加えられる荷重により弾性変形して歯面311が湾曲することになる。そうすると、このような状態において、従来の波動歯車装置においては、図4のグラフにおける破線で示されるように、外歯が加えられる荷重は、各内歯の軸方向の端部側(外歯の軸方向の中央側)に向かうに従って大きくなる。そのため、外歯31を樹脂製にした場合には、このように局部的に応力が高くなることが外歯31の強度を不足させる一因であるものと考えられる。
そこで、本実施形態の波動歯車装置1は、樹脂製の外歯31と噛合する入力側内歯11および出力側内歯21には、歯形の徐変領域114,214を形成する構成としている。これにより、波動歯車装置1の稼動状態において、外歯31が逆向きの荷重により弾性変形しても、湾曲した歯面311に徐変領域114,214が接触することになる。従って、外歯31の湾曲した歯面311には徐変する入力側内歯11および出力側内歯21の歯厚に応じた荷重が加えられるので、図4のグラフにおける実線で示されるように、従来における荷重のピーク値を低下させることができる。これにより、外歯31の歯幅方向に亘って加えられる荷重の均一化を図ることができる。よって、全体として必要な強度を確保することが可能となる。また、フレックススプライン30の外歯31に樹脂材料を用いることで、波動歯車装置1の軽量化するとともに製造コストを低減できる。
また、徐変領域114,214は、凸曲面状に形成されるものとした。上述したように、波動歯車装置1の稼動状態において、入力側内歯11および出力側内歯21から逆向きの荷重を加えられる外歯31は弾性変形して歯面311が凹曲面状に湾曲することになる。そのため、本実施形態では、湾曲した外歯31の歯面311と接触する徐変領域114,214を、この凹曲面状に沿うように凸曲面状に形成するようにしている。これにより、外歯31の歯幅方向に亘って加えられる荷重をより確実に均一化することができる。
さらに、徐変領域114,214は、波動歯車装置1の稼動状態において、境界部115,215が外歯31の歯面311に非接触となるように形成されるものとした。境界部115は、入力側内歯11の端面112と徐変領域114との境界に位置するエッジ部である。弾性変形する外歯31に対して、例えばこのエッジ部が外歯31の歯面311に接触してしまうと、外歯31の歯面311には局部的に大きな応力が発生することがある。そこで、この境界部115,215が外歯31の歯面311と非接触となるように、徐変領域114,214の形状を設定するようにすることにより、外歯31の歯面311に局部的に大きな応力が発生することを確実に防止できる。
また、入力側内歯11および出力側内歯21は、フレックススプライン30の外歯31よりも剛性が高くなるように構成されるものとした。入力側内歯11および出力側内歯21は、樹脂材料により形成されると、回転駆動力を伝達する際に、外歯31からの反力を受けて弾性変形することになる。しかしながら、各内歯11,21を外歯31より硬質の樹脂材料とすることで、外歯31よりも剛性が高くなるので、主として外歯31が弾性変形して外歯31の歯面311が湾曲するようにしている。そして、この湾曲形状に沿うように入力側内歯11の徐変領域114および出力側内歯21の徐変領域214を形成することで、外歯31の歯幅方向に亘って加えられる荷重をより確実に均一化することができる。また、入力側内歯11および出力側内歯21を樹脂製とすることで、金型を用いた成型により容易に徐変領域114,214を形成することができるので、加工コストを低減することができる。
<実施形態の変形態様>
本実施形態において、徐変領域は、第一サーキュラスプライン10の入力側内歯11および第二サーキュラスプライン20の出力側内歯21に形成するものとした。これに対して、徐変領域は、何れか一方の内歯にのみ形成する構成としてもよい。また、入力側内歯11および出力側内歯21には、各歯面111,211における周方向の両側に徐変領域114,214を形成するようにした。これは、波動歯車装置1に入力される回転駆動力が反転した場合に対応することを目的とするものである。そのため、波動歯車装置1に入力される回転駆動力が一定の場合には、外歯31と接触する側にのみ徐変領域114,214を形成する構成とすればよい。
また、徐変領域114,214は、凸曲面状とするものとしたが、歯厚が軸方向の中央側から端面側に向かって漸減するように形成されるものであればよく、例えば歯面111,211に対して傾斜する平面状の斜面としてもよい。
さらに、入力側内歯11および出力側内歯21は、外歯31よりも硬質の樹脂材料により形成されるものとしたが、これは樹脂材料の材質そのものの剛性、または補強材などを加えることにより変化する剛性が含まれるものである。そして、入力側内歯11および出力側内歯12の剛性が外歯31の剛性よりも高くなるように構成するためには、上記のように材料を変更する他に、構造的に剛性を向上させる形状としてもよい。
1:波動歯車装置、 2:入力軸、 3:出力軸、 3a:フランジ部
10:第一サーキュラスプライン(第一部材)
11:(入力側)内歯、 111:歯面、 112:端面、 113:歯先面
114:徐変領域、 115:境界部
20:第二サーキュラスプライン(第二部材)
21:(出力側)内歯、 211:歯面、 211:端面、 213:歯先面
214:徐変領域、 215:境界部
30:フレックススプライン(可撓部材)、 31:外歯、 311:歯面
40:波動発生機構、 41:旋回プレート、 411:支持軸、 42:ローラ
50:センターシャフト、 51:軸受
H:ハウジング、 Ax:入出力軸線

Claims (3)

  1. 同軸上に配置され、互いに異なる歯数の内歯を有する第一部材および第二部材と、
    前記第一部材および前記第二部材の内側に配置され、樹脂材料により形成された外歯を有する可撓部材と、
    前記可撓部材を楕円形に撓ませて前記第一部材および前記第二部材の各前記内歯と前記外歯を部分的に噛合させるとともに、各前記内歯と前記外歯の噛合部位を周方向に回転させる波動発生機構と、を備え、
    前記第一部材および前記第二部材のうち少なくとも一方の前記内歯には、軸方向の中央側から端面側に向かって当該内歯の歯厚が漸減するように歯形の徐変領域が形成され
    前記徐変領域は、前記波動発生機構が各前記内歯と前記外歯の噛合部位を周方向に回転させている際に、当該徐変領域が形成された前記内歯の軸方向の端面と前記徐変領域との境界部が前記外歯の歯面に非接触となるように形成される波動歯車装置。
  2. 請求項1において、
    前記徐変領域は、凸曲面状に形成される波動歯車装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第一部材および前記第二部材の各前記内歯は、前記可撓部材の前記外歯よりも剛性が高くなるように構成される波動歯車装置。
JP2012034198A 2012-02-20 2012-02-20 波動歯車装置 Expired - Fee Related JP5938933B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012034198A JP5938933B2 (ja) 2012-02-20 2012-02-20 波動歯車装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012034198A JP5938933B2 (ja) 2012-02-20 2012-02-20 波動歯車装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013170611A JP2013170611A (ja) 2013-09-02
JP5938933B2 true JP5938933B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=49264691

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012034198A Expired - Fee Related JP5938933B2 (ja) 2012-02-20 2012-02-20 波動歯車装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5938933B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6268974B2 (ja) * 2013-11-21 2018-01-31 アイシン精機株式会社 波動歯車装置
JP6175381B2 (ja) * 2014-02-21 2017-08-02 住友重機械工業株式会社 撓み噛合い式歯車装置
JP2016125343A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP6537544B2 (ja) * 2017-02-20 2019-07-03 株式会社川辺製作所 樹脂製歯車及びその製造方法
JP6795433B2 (ja) 2017-03-17 2020-12-02 住友重機械工業株式会社 撓み噛み合い式歯車装置
JP7145601B2 (ja) 2017-10-23 2022-10-03 住友重機械工業株式会社 撓み噛み合い式歯車装置
JP7088790B2 (ja) 2018-09-04 2022-06-21 住友重機械工業株式会社 撓み噛み合い式歯車装置
WO2022091383A1 (ja) * 2020-10-30 2022-05-05 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 三次元歯形を備えた波動歯車装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005188740A (ja) * 2003-12-05 2005-07-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 減速機
JP2006132726A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 歯車装置及びこれを利用する調和型減速機
JP4747590B2 (ja) * 2005-01-31 2011-08-17 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動ディスクブレーキ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013170611A (ja) 2013-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5938933B2 (ja) 波動歯車装置
JP5467019B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP6177327B2 (ja) 波動歯車装置
KR20150138185A (ko) 파동 기어 장치
JP6091710B1 (ja) フラット型波動歯車装置
JP6218691B2 (ja) デュアルタイプの波動歯車装置
JP2017141869A (ja) 遊星歯車装置
JP2007205450A (ja) 減速機の構造
JPWO2015004693A1 (ja) 波動発生器および波動歯車装置
JP6218690B2 (ja) デュアルタイプの波動歯車装置
JP2016023746A (ja) デュアルタイプの波動歯車装置
WO2016013378A1 (ja) デュアルタイプの波動歯車装置
JP2017125596A (ja) 波動歯車伝達装置
TWI753118B (zh) 滾子齒輪凸輪機構
JP2016023744A (ja) デュアルタイプの波動歯車装置
JP2013238260A (ja) セラシ歯車装置
KR20120045779A (ko) 조화감속기용 플렉스플라인
JP2011002084A (ja) 撓み噛み合い式歯車装置
JP6354331B2 (ja) 波動歯車装置
JP2014081017A (ja) 歯車装置
JP2020183782A (ja) 捩り振動低減装置およびその製造方法
JP6221892B2 (ja) 撓み噛み合い式歯車装置
JP6330547B2 (ja) 波動歯車装置
JP2009222219A (ja) 歯車、及びこれを備えた歯車装置、樹脂製歯車
JP5030846B2 (ja) 捩り振動低減装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160502

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5938933

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees