JP2017141869A - 遊星歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向にばね付勢された山歯歯車に噛合する歯車が周辺部材に接触することで生じる摺動抵抗を抑制することができる遊星歯車装置を提供する。【解決手段】遊星歯車装置10は、軸線方向における一方側の歯の捩れ方向の向きと他方側の歯の捩れ方向の向きとが相反する歯列が形成された第1ピニオンギヤ12と第3ピニオンギヤ14を備える。第1ピニオンギヤ12は、一の側面に第1バネリング32を備える。第1バネリング32は、第1ピニオンギヤ12を軸方向における一方向Aに向けて弾性的に押圧する。第3ピニオンギヤ14には、他の側面に第3バネリング34を備える。第3バネリング34は、一方向Aとは逆の他方向Bに向けて弾性的に押圧する。【選択図】図7

Description

この発明は、山歯歯車列が形成されたピニオンギヤを備えた遊星歯車装置に関するものである。
車両に使用される歯車伝動装置では、噛合した一対のギヤが滑らかに無理なく回転するために、その歯面間にバックラッシと呼ばれる遊びを持たせる必要がある。ところが、エンジンなどの原動機から駆動対象へ動力を伝達するギヤ列では、互いに噛合しているギヤの歯面が原動機の回転変動により突き当たって打音や振動を発することがある。
従来、歯車伝動のバックラッシュ防止装置としては、平行に配置された駆動軸と被駆動軸との一方に山歯歯車を固定し、山歯歯車における互いに逆向きに傾斜した歯とそれぞれ噛み合う一対のはすば歯車が他方の軸に取り付けられ、一対のはすば歯車の間にそれらを軸方向に押圧するばねが張架されたものが知られている。
実開昭50−83472号公報
上述した歯車伝動のバックラッシュ防止装置は、遊びをなくすために軸方向に付勢された一対のはすば歯車を山歯歯車に噛合させている。しかしながら、前述した歯車伝動のバックラッシュ防止装置では、一方のはすば歯車に対して軸方向にばね付勢された他方のはずば歯車の歯面によって山歯歯車が軸方向に押圧される。このため、山歯歯車の側面が軸方向に存在する、例えば周辺部材に接触して摺動抵抗が発生するおそれがある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、遊びをなくすために軸方向に付勢された山歯歯車に噛合する相手側歯車の側面が周辺部材に接触することで生じる摺動抵抗を防止または抑制することができる遊星歯車装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、軸線方向における一方側の歯の捩れ方向の向きと他方側の歯の捩れ方向の向きとが相反する歯列が形成されたピニオンギヤを複数備えた遊星歯車機構において、前記複数のピニオンギヤのうちの少なくとも一つのピニオンギヤを軸方向における一方向に向けて弾性的に押圧する第1押圧部と、前記複数のピニオンギヤのうちの残りのピニオンギヤのうちの少なくとも一つのピニオンギヤを前記一方向とは逆の他方向に向けて弾性的に押圧する第2押圧部と、を備えたことを特徴とするものである。
この発明は、前記第1押圧部材より押圧されるピニオンギヤと、前記第2押圧部材により押圧されるピニオンギヤとは、前記第1押圧部材と前記第2押圧部材との押圧力の相互が打ち消し合うように数および位置が決められてよい。
また、この発明は、ピニオンギヤの公転回転軸を中心とする周方向の、例えば等分割位置に複数のピニオンギヤをそれぞれ配置し、第1押圧部材よってピニオンギヤを一方向に押圧する力を総合した総合力と、第2押圧部材よってピニオンギヤを他方向に押圧する力を総合した総合力とが打ち消し合うように第1押圧部材および第2押圧部材の押圧力を決めてよい。
さらに、この発明では、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材が前記ピニオンギヤの側面に生じる隙間を厚みでなくするための弾性リングとなっており、前記弾性リングは、厚み方向に弾性を有したものでよい。
この発明によれば、複数のピニオンギヤのうちの少なくとも一つのピニオンギヤを軸方向における一方向に向けて弾性的に押圧する第1押圧部と、残りのピニオンギヤのうちの少なくとも一つのピニオンギヤを他方向に向けて弾性的に押圧する第2押圧部とを備えている。このため、第1押圧部材および第2押圧部材の押圧力の相互が打ち消し合ってピニオンギヤに噛合する相手側ギヤ、例えばサンギヤやリングギヤを軸方向に押圧することを防止または低減することができる。
この発明に適用される遊星歯車装置の一例を示す模式図である。 図1で説明した遊星歯車装置の一部を示す斜視図である。 第1ピニオンギヤを含む遊星歯車装置の要部を示す断面図である。 第3ピニオンギヤを含む遊星歯車装置の要部を示す断面図である。 第1バネリングを示す断面図である。 バネリングが弾性変形をする状態を示す説明図である。 遊星歯車装置の全体を示す断面図である。 バネリングにより押圧されたピニオンギヤを奇数個を用いた別の実施例の遊星歯車装置を示す模式図である。 バネリングにより押圧されたピニオンギヤと押圧無しのピニオンギヤとを混在させた他の実施例の遊星歯車装置を示す模式図である。 この発明の実施形態における遊星歯車装置を用いた車両の動力伝達装置を示す説明図である。
図1は、この発明に適用される遊星歯車装置10の一例を示す模式図である。図1に示すように、遊星歯車装置10は、サンギヤ11、第1ピニオンギヤ12〜第4ピニオンギヤ15、第1ピニオンシャフト16〜第4ピニオンシャフト19およびリングギヤ20を含むシングルピニオン型のものとなっている。第1ピニオンシャフト16〜第4ピニオンシャフト19は、第1ピニオンギヤ12〜第4ピニオンギヤ15を個別に支持するものであり、詳しくは後述するキャリヤの一部を構成する。リングギヤ20は、サンギヤ11の外周側でサンギヤ11の回転軸21に対して同心円上に配置されている。第1ピニオンギヤ12〜第4ピニオンギヤ15は、サンギヤ11の回転軸21を中心とする周方向の4等分にした各位置にそれぞれ配置され、それぞれがサンギヤ11およびリングギヤ20にそれぞれ噛合している。
図2は、図1で説明した遊星歯車装置10の一部を示す斜視図である。図2では、図面の煩雑化を防ぐために、リングギヤ20および第2ピニオンギヤ13ならびに第4ピニオンギヤ15などを省略している。第1ピニオンギヤ12は、軸線方向16aにおける一方側の歯の捩れ方向の向きと他方側の歯の捩れ方向の向きとが相反する歯列が形成された、例えば山歯歯車となっている。第3ピニオンギヤ14は、第1ピニオンギヤ12と同じまたは同様な歯列が形成された、例えば山歯歯車となっている。サンギヤ11は、第1ピニオンギヤ12および第3ピニオンギヤ14に噛合する歯列が形成された、例えば山歯歯車となっている。なお、第2ピニオンギヤ13、第4ピニオンギヤ15およびリングギヤ20は第1ピニオンギヤ12と同じまたは同様な歯列、例えば山歯歯車列が形成されている。
図3は、第1ピニオンギヤ12を含む遊星歯車装置10の要部を示す断面図である。図3に示すように、第1ピニオンギヤ12は、回転軸21の軸方向における一方向Aに向けて弾性的に押圧する第1バネリング32を備えている。なお、第2ピニオンギヤ13は図3に示した形状と同じ断面形状となっており、一方向Aに向けて弾性的に押圧する第2バネリング33(図1参照)を備えている。
第1ピニオンギヤ12の中心孔25には、第1ピニオンシャフト16が挿通されている。第1ピニオンシャフト16の外周面と中心孔25の内周面との間には、軸受26、例えば針状ころが取り付けられている。第1ピニオンギヤ12は、軸受26を介して第1ピニオンシャフト16によって回転自在に支持されている。第1ピニオンシャフト16は、両端が一対の第1側板27および第2側板28によって支持されている。一対の第1側板27および第2側板28は、回転軸21を中心に回転自在となるように配置されており、第2ピニオンシャフト17〜第4ピニオンシャフト19の両端を支持している。一対の第1側板27、第2側板28および第1ピニオンシャフト16〜第4ピニオンシャフト19は、キャリヤ30を構成する。キャリヤ30は、第1ピニオンギヤ12〜第4ピニオンギヤ15の公転に伴う回転力によって回転軸21を中心に回転する。
図4は、第3ピニオンギヤ14を含む遊星歯車装置10の要部を示す断面図である。図4に示すように、第3ピニオンギヤ14は、軸方向における一方向Aとは逆の他方向Bに向けて弾性的に押圧する第3バネリング34を備えている。なお、第4ピニオンギヤ15は図4に示した形状と同じ断面形状となっており、他方向Bに向けて弾性的に押圧する第4バネリング35(図1参照)を備えている。なお、第1バネリング32ないし第4バネリング35は、第1ピニオンギヤ12〜第4ピニオンギヤ15の軸方向に生じる遊びまたは隙間をなくす作用を有する。なお、図4では図3で説明したと同じまたは同様な部材には同符号を付与してここでは詳しい説明を省略する。
図5は、第1バネリング32を示す断面図である。なお、第1バネリング32〜第4バネリング35は、同じ形状をしているため、区別しない場合には単にバネリング32と称す。バネリング32は、小径d1の開口となっている小径部36と小径部36よりも大径d2の開口となっている大径部37とを有し、小径部36および大径部37を開口中心線38方向(厚さT方向)にずらした断面形状となっている。そして、バネリング32は、厚さT方向に弾性を有する材料で形成されている。バネリング32は、端面が方形となっており、小径部36の角部をピニオンギヤ12の側面に摺動させ、また大径部37の角部をキャリヤ30の第2側板28に摺動させて摺動抵抗が抑制されるように取り付けられる。なお、バネリング32は、第1押圧部材および第2押圧部材の一例である。
図6は、バネリング32が弾性変形をする状態を示す説明図である。なお、図6では、ピニオンギヤ12の山歯歯車列を展開して記載している。図6に示すように、ピニオンギヤ12は、例えば噛合する相手側となるリングギヤ20に大きな負荷Cが作用している場合に、駆動Dを伝達するために回転するときにスラスト力Eを含む軸方向への押圧力が発生する。バネリング32は、スラスト力Eが発生した場合に、点線で表したように厚み方向に変形してスラスト力Eを吸収する。その後、ピニオンギヤ12が回転し始めることでスラスト力Eが減少されるためバネリング32が元の形に戻る。バネリング32が元の形に戻ることでバネリング32がピニオンギヤ12をA方向に押圧する。
図7は、遊星歯車装置10の全体を示す断面図である。図7に示すように、第1バネリング32により一方向Aに向けて押圧される第1ピニオンギヤ12と、第3バネリング34により他方向Bに向けて押圧される第3ピニオンギヤ14とは、回転軸21に対して180度回転対称の位置に配置されている。第1バネリング32と第3バネリング34との押圧力を同じにした場合に、第1ピニオンギヤ12を一方向Aに押圧する力と、第3ピニオンギヤ14を他方向Bに押圧する力が打ち消し合う。このため、第1ピニオンギヤ12および第3ピニオンギヤ14に噛合するサンギヤ11およびリングギヤ20に対してスラスト力を発生させることを防止または抑制することができる。
図7では図示していないが第2バネリング33により一方向Aに向けて押圧される第2ピニオンギヤ13と、第4バネリング35により他方向Bに向けて押圧される第4ピニオンギヤ15とは、回転軸21に対して180度回転対称の位置に配置されている(図1参照)。第2バネリング33と第4バネリング35との押圧力を同じにした場合に、第2ピニオンギヤ13を一方向Aに押圧する力と、第4ピニオンギヤ15を他方向Bに押圧する力が打ち消し合う。このため、第2ピニオンギヤ13および第4ピニオンギヤ15に噛合するサンギヤ11およびリングギヤ20に対してスラスト力を発生させることを防止または抑制することができる。このように、遊星歯車装置10では、サンギヤ11およびリングギヤ20が軸方向に移動して、例えば第1側板27および第2側板28に当接することにより滑り摩擦が生じて動力伝達効率や耐久性が低下することを抑制することができる。なお、第1ピニオンギヤ12および第2ピニオンギヤ13を一方向Aに押圧する力と、第3ピニオンギヤ14および第4ピニオンギヤ15を他方向Bに押圧する力を完全に打ち消し合う力にする必要はない。
上記実施例では、ピニオンギヤ12〜15を4個設けた例として説明しているが、この発明では4個に限らず、複数個であれば偶数個でも奇数個でも問題は無い。図8は、バネリング45〜47により押圧されたピニオンギヤ41〜43を奇数個用いた別の実施例の遊星歯車装置40を示す模式図である。図8に示すように遊星歯車装置40は、3個の第1ピニオンギヤ41〜第3ピニオンギヤ43をサンギヤ11の回転軸21に対して120度回転した等間隔位置に設けた実施例である。この実施例の場合には、第1ピニオンギヤ41には同図にて手前方向(紙面手前方向)(一方向A)に向けた押圧力「1」の力(相対的な力)となる第1バネリング45が取り付けられている。また第2ピニオンギヤ42および第3ピニオンギヤ43には、同図にて奥方向(紙面奥方向)(他方向B)に向けた押圧力「0.5」の力(相対的な力)となる第2バネリング46および第3バネリング47がそれぞれ取り付けられている。このように、一方向Aに向けて押圧する力を総合した総合力と、他方向Bに向けて押圧する力を総合した総合力とが打ち消し合うようにバネリング45〜47の押圧力を決めれば奇数個でも問題はない。なお、図8では、図1および図7で説明したと同じまたは同様な部材には同符号を付与してここでは詳しい説明を省略する。
ところで、前述した遊星歯車装置10,40では、複数のピニオンギヤがサンギヤとリングギヤとの間に、周方向の等間隔位置に配置した例として説明している。しかし、実際には1個のピニオンギヤがサンギヤとリングギヤと噛み合った状態で嵌まり込むと、残りのピニオンギヤが等配状態を維持したままサンギヤとリングギヤとの間に嵌まり込むとは限らない。すなわち、1個のピニオンギヤが嵌まり込むと、サンギヤとリングギヤとの空間的な歯の位置が決まるため、最初に嵌まり込んだピニオンギヤの歯数と同じ歯数のピニオンギヤが、別の等間隔位置で嵌まり込むとは必ずしも言えない。このため、ピニオンギヤを配置する等間隔位置は僅かにずれた位置を含む。
また、上記各実施例の遊星歯車装置10,40では、複数のピニオンギヤの全てにバネリングを取り付けているが、例えば一部のピニオンギヤにバネリングを取り付けてよい。図9は、バネリング55,56により押圧されたピニオンギヤ51,53と押圧無しのピニオンギヤ52,54とを混在させた他の実施例の遊星歯車装置50を示す模式図である。図9に示すように遊星歯車装置50は、4個の第1ピニオンギヤ51〜第4ピニオンギヤ54を備える。このうちの第1ピニオンギヤ51と、第1ピニオンギヤ51に対して回転軸21を中心に180度回転対称の位置に配置された第3ピニオンギヤ53とに、バネリング55,56が取り付けられている。そして第2ピニオンギヤ52と第4ピニオンギヤ54とにはバネリングが取り付けられていない。この実施例の場合には、バネリング55は、第1ピニオンギヤ51を同図にて手前方向(一方向A)に向けて押圧力「1」(相対的な力)となる力を有し、またバネリング56は、第3ピニオンギヤ53を奥方向(他方向B)に向けて押圧力「1」となる力を有する。これにより、第1ピニオンギヤ51を一方向Aに押圧する力と、第3ピニオンギヤ53を他方向Bに押圧する力とが打ち消し合うため、サンギヤ11およびリングギヤ20に対してスラスト力を生じさせることはない。なお、図9では、図1および図7で説明したと同じまたは同様な部材には同符号を付与してここでは詳しい説明を省略する。
図10は、この発明の実施形態における遊星歯車装置58を用いた車両60の動力伝達装置61を示す説明図である。図10に示すように、エンジン62と変速機63との間には、エンジン62が出力するエンジントルクの捩り振動を低減するためのトルクコンバータ64が配置されている。トルクコンバータ64の内部には、遊星歯車装置58を含むダンパ機構59が設けられている。遊星歯車装置58は、弾性部材66を介してエンジン62に接続されるリングギヤ67と、エンジン62に接続されるキャリヤ68と、変速機63に接続されるサンギヤ69と、エンジン62とリングギヤ67との間に設けられる弾性部材66とを備える。キャリヤ68は、複数のピニオンギヤ70を回転自在に支持しており、ロックアップクラッチ74を介してエンジン62に接続されている。
複数のピニオンギヤ70のうちの少なくとも一つのピニオンギヤは、一方向Aに向けて第1押圧部材により弾性的に押圧され、また残りのピニオンギヤのうちの少なくとも一つのピニオンギヤは他方向Bに向けて第2押圧部材により弾性的に押圧される。
遊星歯車装置58は、ロックアップクラッチ74が係合することで、弾性部材66を介してリングギヤ67にエンジントルクを入力する第1経路と、キャリヤ68に対してエンジントルクを直接に入力する第2入力経路とを有する。第1経路および第2経路から出力されるエンジントルクは、合成されてサンギヤ69から出力される。サンギヤ69から出力される駆動トルクは、ダービンハブ71、タービン軸72および入力軸73を介して変速機63に伝達され、変速機63で増速されて駆動輪65に伝達される。
第1入力経路に弾性部材66を含む振動系が設けられることから、第1入力経路を経て伝達されるエンジントルクの捩り振動と、第2入力経路を経てエンジン62から直接に伝達されるエンジントルクの捩り振動とでは、捩り振動の位相にずれが生じることになる。つまり、振動系の共振点(固有振動数)を下回る周波数領域においては、リングギヤ67とキャリヤ68とが同位相で振動することから、遊星歯車装置58において合成された捩り振動は増幅される。一方、振動系の共振点を上回る周波数領域においては、リングギヤ67とキャリヤ68とが逆位相で振動することから、遊星歯車装置10において合成された捩り振動は減衰される。
ところで、エンジントルクの変動の振幅が、エンジンの平均トルクを超える場合がある。その場合には、ダンパ機構59に入力されるエンジントルクの正負が逆転する、つまりエンジントルクよりも変速機側(駆動輪側)から伝達される駆動トルクが高くなる瞬間が発生する。遊星歯車装置10を構成する歯車の歯面は、エンジントルクを伝達する加速側および駆動トルクを伝達する減速側それぞれが当接して打音や振動を発生することがある。このため、歯車が噛み合う噛合部に生じる遊びを低減することが望ましい。また、歯車が噛み合っていくにしたがい新しい噛み合いノイズを発生させないために、歯車の噛み合い率を高めることが対策として考えられる。そこで、はすば歯車や山歯歯車の適用が考えられる。図10に示す実施例では、この発明の実施形態における遊星歯車装置10を使用しているため、サンギヤ69およびリングギヤ67の側面の摺動抵抗を抑制しながらピニオンギヤ70に対するサンギヤ69およびリングギヤ67との間に生じる遊びを低減することが可能となる。このため、遊星歯車装置58から発生する打音や振動を防止または抑制することができる。
また、この発明の実施形態における遊星歯車装置を、ハイブリッド車両の動力分割装置に使用してもよい。ハイブリッド車両の動力分割装置は、例えばエンジンが連結された第1回転要素、および第1モータが連結された第2回転要素、ならびに出力軸に連結された第3回転要素を有するこの発明の実施形態の遊星歯車装置を備える。遊星歯車装置は、例えばクラッチやブレーキを含む係合機構を複数備えており、係合機構の係合状態の組み合わせを変えることで走行モードを変えることができる。走行モードとしては、例えばエンジンが発生するエンジントルクを出力軸と第1モータ(発電機)とに分割して伝達するモードや、エンジンを切り離して第1モータ(電動機)の駆動を出力軸に出力するモードを含む。なお、第1回転要素〜第3回転要素の各々は、サンギヤ、リングギヤおよびキャリヤのうちの何れか一つを含む。
前述したハイブリッドの動力分割装置では、例えば第1モータを発電機から電動機に機能を切り替えるとき、または回転方向が逆転するとき、あるいは駆動トルクが変化するときに回転要素である歯車の歯面の加速側と減速側とが当接して打音や振動を発生することがある。しかし、ハイブリッド車両の動力分割機構では、この発明の実施形態における遊星歯車装置を使用している。このため、ピニオンギヤに噛合するサンギヤの側面の摺動抵抗を抑制しながら、歯車の噛合部に生じる遊びを防止または低減することができる。よって、遊びが詰まるときに生じる衝撃を緩和させることが可能となる。
以上、この発明の実施形態における遊星歯車装置について説明したが、この発明では上述した実施例に限定されない。例えば山歯歯車となるピニオンギヤとしては、組み付け性を考慮して、二つのはすば歯車(ヘリカルギヤ)を別々に製造し、別々に製造した一対のはすば歯車を一体的に組み付けて山歯歯車列を作ったものを使用しても同様の効果が得られる。
また、上記各実施例で説明したバネリングとしては、例えば摩擦抵抗の少ない樹脂材料やゴム材料で形成された弾性リングを含んでよい。また、バネリングの断面形状を方形にしているが楕円形を含む円形としてよい。さらに、小径部および大径部の開口を円形としているが楕円形としてよい。さらにバネリングとしては、例えば、平板を周方向に波状に形成されたものでもよい。また、バネリングとしては、リングの一部を切り欠いたC字状の形状としてよい。
10,40,58…遊星歯車装置、 11…サンギヤ、 20…リングギヤ、 12〜15,41〜43,51〜54…ピニオンギヤ、 32〜35…バネリング。

Claims (4)

  1. 軸線方向における一方側の歯の捩れ方向の向きと他方側の歯の捩れ方向の向きとが相反する歯列が形成されたピニオンギヤを複数備えた遊星歯車装置において、
    前記複数のピニオンギヤのうちの少なくとも一つのピニオンギヤを軸方向における一方向に向けて弾性的に押圧する第1押圧部材と、前記複数のピニオンギヤのうちの残りのピニオンギヤのうちの少なくとも一つのピニオンギヤを前記一方向とは逆の他方向に向けて弾性的に押圧する第2押圧部材と、を備えたことを特徴とする遊星歯車装置。
  2. 請求項1に記載の遊星歯車装置において、
    前記第1押圧部材より押圧されるピニオンギヤと、前記第2押圧部材により押圧されるピニオンギヤとは、前記第1押圧部材と前記第2押圧部材との押圧力の相互が打ち消し合う数および位置となるように配置されていることを特徴とする遊星歯車装置。
  3. 請求項1または2に記載の遊星歯車装置において、
    前記ピニオンギヤを前記一方向に押圧する力を総合した総合力と、前記ピニオンギヤを前記他方向に押圧する力を総合した総合力とが打ち消し合うように、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材の押圧力がそれぞれ決められることを特徴とする遊星歯車装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の遊星歯車装置において、
    前記第1押圧部材および前記第2押圧部材は、前記ピニオンギヤの側面に生じる隙間を厚みでなくするための弾性リングとなっており、前記弾性リングは、厚み方向に弾性を有することを特徴とする遊星歯車装置。
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