JP5938919B2 - 防潮構造物 - Google Patents

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本発明は、防潮構造物に関し、特に、高潮や津波等による災害の発生を防止するのに有効な防潮構造物に関する。
海に面した地域においては、高潮や津波による災害を防止するために、防潮堤等の各種の防潮構造物が設置されている。しかし、既設の防潮構造物は、従来の防災基準に基づいて設置されたものであるため、基準を超えるような想定外の高潮や津波が発生した場合には対応しきれない。
このため、従来の防災基準を超えるような想定外の高潮や津波にも対応できるように、既設の防潮構造物を嵩上げするか、或いは、想定外の高潮や津波に対応可能な高さの防潮構造物を新設する等、何らかの対策を早急に採る必要がある。
特許文献1には、防潮構造物としての顎付壁体が開示されている。この顎付壁体は、移動型枠装置を用いて構築するように構成したものである。移動型枠装置は、一対の型枠体からなる型枠と、顎付壁体を構築する部分の両外側に設置される軌条と、型枠を軌条上を走行移動可能に支持する車輪とを備え、型枠を軌条上を走行移動させながら、型枠の両型枠体間にコンクリートを打設することにより、所定の高さの顎付壁体を構築することができる。
しかし、このような構成の移動型枠装置を用いて防潮堤としての顎付壁体を構築する場合、装置が大掛かりになるため、装置の設置に多大な労力と時間がかかり、想定外の高潮や津波に対する災害対策を早急に採ることができない。
特公昭63−51233号公報
一方、上記のような問題に対処するために、本願発明者等は、防潮対象場所に複数本の鋼管杭を設置し、この複数本の鋼管杭に複数段に、かつ、上下のプレキャスト部材が交互に配置されるように、平面視長円形状の複数のプレキャスト部材のブロックを取り付けて構成した防潮構造物を先に出願している。
このような構成の防潮構造物によれば、簡易に、かつ迅速に設置することができるので、想定外の高潮や津波に対する災害対策を早急に採ることができる。
しかし、より迅速な施工を目指した場合には、図6に示すように鋼管杭12、12の設置間隔を広げることが求められるが、その場合、鋼管杭12からのプレキャスト部材3の張り出し長さaが長くなるため、鋼管杭2からプレキャスト部材13の端部が突出してしまう。このため、想定外の高潮や津波を受けた場合に、片持ち梁状態でプレキャスト部材13に鋼管杭12を中心とする曲げモーメントが発生し、プレキャスト部材13が損傷するおそれがある。また、線形が折れ曲がったり、湾曲したような複雑な形状の防潮対象場所に設置する場合には、図7に示すように、角部15に対応する部分でプレキャスト部材13を交差させる必要があるため、1種類のプレキャスト部材13では、鋭角域において、防潮壁設置ラインからプレキャスト部材13が飛び出してしまうという問題があった。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、角部を有する等の複雑な形状の防潮対象場所にも設置することができるとともに、そのような場所に設置した場合においてもプレキャスト部材が損傷するおそれがない防潮構造物を提供することを目的とする。
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、防潮構造物であって、防潮対象場所に所定の間隔ごとに設置される複数本の鋼管杭と、該複数本の鋼管杭の隣接する2本の鋼管杭間にそれぞれ取り付けられる複数のプレキャスト部材とを備え、前記複数のプレキャスト部材は、前記複数本の鋼管杭に複数段に、かつ、上下段のプレキャスト部材が交互に配置されるように千鳥状に、前記複数本の鋼管杭に取り付けられ、前記各プレキャスト部材は、平面視長円形状をなすブロックであって、左右両端面が曲面に形成される平面視長円形状の本体部と、該本体部の下面から突出するとともに、左右両端面が曲面に形成される柱状の突出部と、該突出部を挟んだ前記本体部の両側に設けられるとともに、前記鋼管杭を挿通させる挿通孔とを備え、下段の隣接するプレキャスト部材の前記本体部間に上段のプレキャスト部材の前記突出部が配置され、かつ、各段の隣接する本体部の左右何れかの端面と、それらの間に配置される突出部の左右両端面とが互いに接触するように、前記複数のプレキャスト部材が前記複数本の鋼管杭に取り付けられていることを特徴とする。
本発明の防潮構造物によれば、防潮対象場所に所定の間隔ごとに複数本の鋼管杭を設置し、複数のプレキャスト部材を鋼管杭に挿通することにより、防潮構造物を設置することができる。従って、防災対策が必要な場所に、簡易に、かつ迅速に設置することができる。
また、複数のプレキャスト部材は、複数段に、かつ上下段のプレキャスト部材が交互に配置されるように、複数本の鋼管杭に取り付けられるとともに、下段の隣接するプレキャスト部材の本体部間に上段のプレキャスト部材の突出部が配置され、かつ、各段の隣接する本体部の左右何れかの端面と、それらの間に配置される突出部の左右両端面とが互いに接触しているので、各段の隣接するプレキャスト部材間、上下に隣接するプレキャスト部材間に隙間が形成されるのを防止でき、高潮や津波が内陸側に浸入するのを防止できる。
また、プレキャスト部材の突出部を挟んだ本体部の両側に挿通孔が設けられているので、鋼管杭の間隔を広げるような場合であっても、鋼管杭からのプレキャスト部材の本体部の迫り出し長さが長くなるようなことはない。従って、想定外の高潮や津波を受けても、プレキャスト部材に鋼管杭を中心とする過大な回転モーメントが発生するようなことはない。
また、鋼管杭の間隔を広げるような場合であっても、下段の隣接するプレキャスト部材の本体部間に、上段のプレキャスト部材の突出部が配置されることになるので、各段の隣接するプレキャスト部材の突出部間に、それらの間の隙間を埋めるために他の形状のプレキャスト部材を介装させる必要はなく、大半のエリアを1種類のプレキャスト部材で対応することができる。
また、本発明は、防潮構造物であって、防潮対象場所に所定の間隔ごとに設置される複数本の鋼管杭と、該複数本の鋼管杭の隣接する2本の鋼管杭間にそれぞれ取り付けられる複数のプレキャスト部材とを備え、前記複数のプレキャスト部材は、前記複数本の鋼管杭に複数段に、かつ、上下段のプレキャスト部材が交互に配置されるように千鳥状に、前記複数本の鋼管杭に取り付けられ、前記各プレキャスト部材は、本体部と、該本体部の上面から突出する突出部と、該突出部を挟んだ前記本体部の両側に設けられるとともに、前記鋼管杭を挿通させる挿通孔とを備え、下段の隣接するプレキャスト部材の前記突出部間に上段のプレキャスト部材の前記本体部が配置され、かつ、各段の隣接する突出部の左右何れかの端面と、それらの間に配置される本体部の左右両端面とが互いに接触するように、前記複数のプレキャスト部材が前記複数本の鋼管杭に取り付けられ、最下段の隣接する前記プレキャスト部材の前記本体部の間に、その間の隙間を塞ぐプレキャスト部材が介装されていることを特徴とする。
本発明の防潮構造物によれば、防潮対象場所に所定の間隔ごとに複数本の鋼管杭を設置し、複数のプレキャスト部材を鋼管杭に挿通することにより、防潮構造物を設置することができる。従って、防災対策が必要な場所に、簡易に、かつ迅速に設置することができる。
また、複数のプレキャスト部材は、複数段に、かつ上下段のプレキャスト部材が交互に配置されるように、複数本の鋼管杭に取り付けられるとともに、下段の隣接するプレキャスト部材の突出部間に上段のプレキャスト部材の本体部が配置され、かつ、各段の隣接する突出部の左右何れかの端面と、それらの間に配置される本体部の左右両端面とが互いに接触しているので、各段の隣接するプレキャスト部材間、上下に隣接するプレキャスト部材間に隙間が形成されるのを防止でき、高潮や津波が内陸側に浸入するのを防止できる。
また、鋼管杭の間隔を広げるような場合であっても、下段の隣接するプレキャスト部材の突出部間に、上段のプレキャスト部材の本体部が配置されることになるので、各段の隣接するプレキャスト部材の突出部間に、それらの間の隙間を埋めるために他の形状のプレキャスト部材を介装させる必要はなく、ほぼ1種類のプレキャスト部材で対応することができる。
また、本発明において、前記プレキャスト部材は、平面視長円形状をなすブロックであって、左右両端面が曲面に形成される平面視長円形状の前記本体部と、前記本体部の下面中央部から突出するとともに、左右両端面が曲面に形成される柱状の前記突出部と、該突出部を挟んだ前記本体部の両側に設けられる前記挿通孔とからなることとしてもよい。
本発明の防潮構造物によれば、プレキャスト部材の本体部の左右両端面及び突出部の左右両端面が曲面状に形成されているので、複数本の鋼管杭が一直線上に配置されていなくても、各段の隣接するプレキャスト部材の本体部の左右何れかの端面と、本体部間に配置される突出部の両端面とを接触させたまま、或いは、各段の隣接するプレキャスト部材の突出部の左右何れかの端面と、突出部間に配置される本体部の両端面とを接触させたまま、隣接する鋼管杭間にプレキャスト部材を取り付けることができ、これにより、鋼管杭の施工上の誤差を吸収できる。また、各段の隣接するプレキャスト部材間に隙間が形成されるようなことはないので、内陸側に高潮や津波が浸入するのを防止できる。
以上、説明したように、本発明の防潮構造物によれば、角を有する等の複雑な形状の防潮対象場所に対応させるために、鋼管杭間の間隔を広げた場合であっても、大部分を1種類のプレキャスト部材で構成することができる。
本発明による防潮構造物の第1の実施の形態を示した概略図である。 図1のプレキャスト部材の平面図である。 図2の正面図である。 防潮構造物の適用例を示した説明図である。 本発明による防潮構造物の第2の実施の形態を示した概略図である。 従来の防潮構造物の一例を示した概略図である。 従来の防潮構造物の他の例を示した概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3には、本発明による防潮構造物の第1の実施の形態が示されている。本実施の形態の防潮構造物1は、台風等による高潮や地震による津波による災害の発生を防止するのに有効なものであって、高潮や津波による災害対策が必要な場所(例えば、海岸、護岸等、本実施の形態では海岸10とする。)に設置される。
すなわち、本実施の形態の防潮構造物1は、図1に示すように、複数本の鋼管杭2と、隣接する2本の鋼管杭2、2間を連結するプレキャスト部材3とから構成されている。
なお、図1においては、説明の便宜上、一列に並んだ複数本の鋼管杭2のうちの一部(同図では7本)の鋼管杭2のみを示している。
鋼管杭2は、所定の機械的性質を有するものであれば特に制限はなく、例えば、JIS A 5525(鋼管ぐい)に規定される鋼管杭を使用することができる。本実施の形態においては、外径2000mm、厚さ25mmの鋼管杭2を使用している。
複数の鋼管杭2は、対象の海岸10の海岸線に沿うように所定の間隔ごとに一列に設置される。各鋼管杭2は、公知の鋼管杭工法により、下端が支持層11に達し、上端が所定の高さに達するように、対象の海岸10に設置される。各鋼管杭2は、1本の単管により、或いは2本以上の単管を溶接することにより、所定の長さに形成される。本実施の形態においては、従来の防災基準を超える高潮や津波にも十分に対応できるように、各鋼管杭2の高さを設定している。
プレキャスト部材3は、図2及び図3に示すように、平面視長円形状の本体部3aと、本体部3aの下面中央部から下方に突出する柱状の突出部3bとからなるプレキャストコンクリート製のブロックである。
本体部3aは、前面4及び後面5が平面に形成され、左右両端面6が曲面に形成されている。突出部3bは、前面4a及び後面5aが本体部3aの前面4及び後面5と面一の平面に形成され、左右両端面6aが曲面に形成されている。本体部3aの端面6、及び突出部3bの端面6aは、鋼管杭2の中心を中心とする円弧面が好ましい。
プレキャスト部材3には、鋼管杭2のピッチに対応するように、本体部3aの突出部3bを挟んだ両側に、2つの円形状の挿通孔7が貫通した状態で設けられている。
突出部3bの下面には、前後に一対の角柱状の嵌合突起3c、3cが一体に設けられ、この一対の嵌合突起3c、3cを嵌合させる一対の嵌合溝3d、3dが本体部3aの上面中央部に設けられている。
プレキャスト部材3の各挿通孔7内に、隣接する2本の鋼管杭2、2のそれぞれを挿通させることより、これら隣接する2本の鋼管杭2、2がプレキャスト部材3により連結される。
図2及び図3に示すように、プレキャスト部材3の各挿通孔7は、各挿通孔7内に鋼管杭2を挿通させたときに、各挿通孔7の内面と鋼管杭2の外面との間に環状の隙間8が形成されるように、内径寸法が設定されている。本実施の形態においては、幅50mmの環状の隙間8が形成されるように、各層通孔7を内径2100mmに設定している。この環状の隙間8内にモルタル、発泡ウレタン、ソイルセメント等の充填材9を充填している。
プレキャスト部材3は、図1に示すように、複数段に、かつ、上下のプレキャスト部材3が取り付けられる鋼管杭2が交互に1本ずれるように千鳥状に、隣接する2本の鋼管杭2、2間にそれぞれ取り付けられる。
具体的には、第1段目については、突出部3bを上向きにした状態で、第2鋼管杭2bと第3鋼管杭2cとの間、第4鋼管杭2dと第5鋼管杭2eとの間、第6鋼管杭2fと第7鋼管杭2gとの間に、順次プレキャスト部材3を取り付ける。また、第2段目については、突出部3bを下向きにした状態で、第1段目の隣接する2つのプレキャスト部材3、3の本体部3a、3a間に2段目のプレキャスト部材3の突出部3bがそれぞれ配置されるように、第1鋼管杭2aと第2鋼管杭2bとの間、第3鋼管杭2cと第4鋼管杭2dとの間、第5鋼管杭2eと第6鋼管杭2fとの間に、順次プレキャスト部材3を取り付ける。同様に、3段目〜6段目についても、下段の隣接する2つのプレキャスト部材3、3の本体部3a、3a間に上段のプレキャスト部材3の突出部3bがそれぞれ配置されるように、隣接する鋼管杭2、2間に順次プレキャスト部材3を取り付ける。
なお、下段の隣接する2つのプレキャスト部材3、3の本体部3a、3aと、それらの間に配置される上段のプレキャスト部材3の突出部3bとは、曲面からなる端面6、6a同士が互いに接触するように、プレキャスト部材3の寸法が設定されている。また、下段の各プレキャスト部材3の突出部3bの嵌合突起3cは、その上段の各プレキャスト部材3の嵌合溝3d内にそれぞれ嵌合される。
最上段のプレキャスト部材3には、各挿通孔7の上端開口が閉塞されたものを使用し、このプレキャスト部材3の各挿通孔7内に各鋼管杭2の上端を挿入させることにより、このプレキャスト部材4で各鋼管杭2の上端を覆うものとする。
上下段のプレキャスト部材3、3の目地の部分には、シール材、止水材、ゴム材等の弾性を有する材料からなる目地材(図示せず)が介装され、この目地材によって上下のプレキャスト部材3、3間がシールされる。
このように、下段の隣接するプレキャスト部材3、3の本体部3a、3a間に上段のプレキャスト部材3の突出部3bを配置することができ、この上段のプレキャスト部材3の突出部3bの両端面6aに、下段の隣接するプレキャスト部材3、3の本体部3aの端面6を接触させ、かつ、複数のプレキャスト部材3を上下に積み重ねることにより、各段の隣接するプレキャスト部材3、3間、及び上下に隣接するプレキャスト部材3、3間に隙間が形成されるのを防止できる。
なお、図1には、第1段目の第1鋼管杭2aに相当する部分、第3段目の第1鋼管杭2aに相当する部分、第5段目の第1鋼管杭2aに相当する部分、第6段目の第1鋼管杭2aに相当する部分、第2段目の第7鋼管杭2gに相当する部分、第4段目の第7鋼管杭2gに相当する部分、第6段目の第7鋼管杭2gに相当する部分にプレキャスト部材3を図示していないが、説明の便宜上、省略したものであって、実際には、これらの部分にも同様にプレキャスト部材3がそれぞれ取り付けられている。
上記のように構成した本実施の形態の防潮構造物1にあっては、高潮や津波が発生した場合、その高潮や津波による外力をプレキャスト部材3の前面4側で受けることにより、それらが内陸側に浸入するのを防止できる。
また、下段の隣接するプレキャスト部材3の本体部3a、3aの曲面からなる端面6と、それらの間に配置される上端のプレキャスト部材3の突出部3bの曲面からなる端面6aとが互いに接触していることにより、各プレキャスト部材3が回転しても、隣接するプレキャスト部材3同士が互いに競るようなことはないので、各段の隣接するプレキャスト部材3同士が互いに競り合って損傷するのを防止できる。
また、プレキャスト部材3は2つの挿通孔7、7内に、隣接する2本の鋼管杭2、2の各々を挿通させることにより、隣接する2本の鋼管杭2、2間に取り付けられる構成となっているので、複数の鋼管杭2が直線上から多少ずれていても、隣接する2本の鋼管杭2、2間に容易に取り付けることができる。これにより、鋼管杭2の施工上の誤差を吸収できる。
また、図4に示すように、対象の海岸10の海岸線の線形が折れ曲がったり、湾曲した形状等であっても、1種類のプレキャスト部材3で柔軟に対応することができる。この場合、線形が折れ曲がったり、湾曲した形状等に対応させても、各プレキャスト部材3の本体部3aの両端面6、突出部3bの両端面6aは曲面に形成され、下段の隣接するプレキャスト部材3の本体部3aの端面6と、それらの間に配置される上段のプレキャスト部材3の突出部3bの両端面6aとが互いに接触した状態を維持することができ、これにより、隣接するプレキャスト部材3間に隙間が形成されるのを防止できる。
また、図2に示すように、プレキャスト部材3の本体部3aの突出部3bを挟んだ両側に2つの挿通孔7、7が設けられているので、線形が折れ曲がったり、湾曲したような複雑な形状の防潮対象場所に設置するために、鋼管杭2の間隔を広げるような場合であっても、鋼管杭2からのプレキャスト部材3の本体部3aの迫り出し長さ(図2のa、b)が、図6に示す従来例のように長くなるようなことはなく、また、角部に対応する部分においても、図7に示す従来例のように、プレキャスト部材3が突出するようなことがないので、想定外の高潮や津波を受けても、プレキャスト部材3に鋼管杭2を中心とする過大な曲げモーメントが発生するようなことはなく、プレキャスト部材3が損傷するようなことはない。
また、鋼管杭2の間隔を広げるような場合であっても、下段の隣接するプレキャスト部材3の本体部3a、3a間に、上段のプレキャスト部材3の突出部3bが配置されることになるので、各段の隣接するプレキャスト部材3の突出部3b、3b間に、それらの間の隙間を埋めるために他の形状のプレキャスト部材を介装させる必要はなく、1種類のプレキャスト部材3で対応することができる。
また、図2及び図3に示すように、各プレキャスト部材3の突出部3bの先端は、突出部3b側の嵌合突起3cが本体部3a側の嵌合溝3d内に嵌合されることで、上段又は下段の各プレキャスト部材3の本体部3aに支持されているので、鋼管杭2の間隔を広げるような場合であっても、片持状態となって弱点となるようなことがない。
また、複数の鋼管杭2に複数のプレキャスト部材3を取り付けることにより、各鋼管杭3の表面を覆った状態としているので、各鋼管杭2に海水が直接に接触するのを防止でき、各鋼管杭2が海水で腐食するのを防止できる。
また、対象の海岸10に海岸線に沿うように複数の鋼管杭2を設置し、隣接する2本の鋼管杭2、2間にプレキャスト部材3を取り付ければよいので、簡易に、かつ迅速に施工することができ、防災対策が必要な場所に早急に施工することができる。
さらに、海岸10に新設する場合だけでなく、既設の防潮堤等の防潮構造物に対しても、容易に削孔して鋼管杭2を打設することができるので、既存の防潮構造物の嵩上げを行うような場合にも柔軟に対応することができる。
図5には、本発明による防潮構造物の第2の実施の形態が示されている。本実施の形態の防潮構造物1は、各段のプレキャスト部材3を突出部3bを上向きにした状態で鋼管杭2間に取り付け、下段の隣接するプレキャスト部材3の突出部3b間に上段のプレキャスト部材の本体部3aを配置し、各段の隣接するプレキャスト部材3の突出部3bの左右いずれかの端面6aと、突出部3b間に配置される上段の本体部3aの両端面6とを互いに接触させたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
なお、最下段については、隣接するプレキャスト部材3の本体部3a間に、その間の隙間を塞ぐためのプレキャスト部材3´を介装させている。
本実施の形態の防潮構造物1あっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する。
なお、前記各実施の形態においては、プレキャスト部材3にプレキャストコンクリート製のブロックを使用したが、現場打ちによってプレキャスト部材3と同一構造のものを製造して使用してもよい。
1 防潮構造物
2 鋼管杭
2a 第1鋼管杭
2b 第2鋼管杭
2c 第3鋼管杭
2d 第4鋼管杭
2e 第5鋼管杭
2f 第6鋼管杭
2g 第7鋼管杭
3、3´ プレキャスト部材
3a 本体部
3b 突出部
3c 嵌合突起
3d 嵌合溝
4、4a 前面
5、5a 後面
6、6a 端面
7 挿通孔
8 隙間
9 遮水性緩衝材
10 海岸
11 支持層

Claims (3)

  1. 防潮構造物であって、
    防潮対象場所に所定の間隔ごとに設置される複数本の鋼管杭と、
    該複数本の鋼管杭の隣接する2本の鋼管杭間にそれぞれ取り付けられる複数のプレキャスト部材とを備え、
    前記複数のプレキャスト部材は、前記複数本の鋼管杭に複数段に、かつ、上下段のプレキャスト部材が交互に配置されるように千鳥状に、前記複数本の鋼管杭に取り付けられ、
    前記各プレキャスト部材は、平面視長円形状をなすブロックであって、左右両端面が曲面に形成される平面視長円形状の本体部と、該本体部の下面から突出するとともに、左右両端面が曲面に形成される柱状の突出部と、該突出部を挟んだ前記本体部の両側に設けられるとともに、前記鋼管杭を挿通させる挿通孔とを備え、
    下段の隣接するプレキャスト部材の前記本体部間に上段のプレキャスト部材の前記突出部が配置され、かつ、各段の隣接する本体部の左右何れかの端面と、それらの間に配置される突出部の左右両端面とが互いに接触するように、前記複数のプレキャスト部材が前記複数本の鋼管杭に取り付けられていることを特徴とする防潮構造物。
  2. 防潮構造物であって、
    防潮対象場所に所定の間隔ごとに設置される複数本の鋼管杭と、
    該複数本の鋼管杭の隣接する2本の鋼管杭間にそれぞれ取り付けられる複数のプレキャスト部材とを備え、
    前記複数のプレキャスト部材は、前記複数本の鋼管杭に複数段に、かつ、上下段のプレキャスト部材が交互に配置されるように千鳥状に、前記複数本の鋼管杭に取り付けられ、
    前記各プレキャスト部材は、本体部と、該本体部の上面から突出する突出部と、該突出部を挟んだ前記本体部の両側に設けられるとともに、前記鋼管杭を挿通させる挿通孔とを備え、
    下段の隣接するプレキャスト部材の前記突出部間に上段のプレキャスト部材の前記本体部が配置され、かつ、各段の隣接する突出部の左右何れかの端面と、それらの間に配置される本体部の左右両端面とが互いに接触するように、前記複数のプレキャスト部材が前記複数本の鋼管杭に取り付けられ
    最下段の隣接する前記プレキャスト部材の前記本体部の間に、その間の隙間を塞ぐプレキャスト部材が介装されていることを特徴とする防潮構造物。
  3. 前記プレキャスト部材は、平面視長円形状をなすブロックであって、左右両端面が曲面に形成される平面視長円形状の前記本体部と、前記本体部の下面中央部から突出するとともに、左右両端面が曲面に形成される柱状の前記突出部と、該突出部を挟んだ前記本体部の両側に設けられる前記挿通孔とからなることを特徴とする請求項2に記載の防潮構造物。
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