JP2014234602A - 耐震壁、およびその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリット材が位置ずれを起こさず、かつ最短の工期と手間で耐震用スリットを必要な箇所に形成した壁を形成することができるようにする。
【解決手段】床のスラブ120を形成した後に、上階のスラブまで一度にコンクリートを打設して柱15などを形成する場合であって、形成される壁体110と柱15などの間の拘束を絶つための耐震用スリットを形成した耐震壁の形成方法において、床のスラブ120と壁体110との間に耐震用スリットを形成するときのみスリット材111を載置し、そのスリット材111を載置した状態で上階のスラブ面までコンクリートを打設し、必要に応じて、床のスラブ120と壁体110との間以外の部分に後施工で耐震用スリット112を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐震壁、およびその形成方法に関し、特に床スラブを形成した後に、上階のスラブまで一度にコンクリートを打設して柱などを形成する場合であって、形成される壁体と柱などの間の拘束を絶つための耐震用スリットを形成した耐震壁、およびその形成方法に関する。
従来から、RC造(鉄筋コンクリート構造)、およびSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート構造)の建造物に対する耐震補強の手段として、柱際にスリットを配置し、建造物の倒壊を防止する耐震補強工法が考案されている。
たとえば、壁の柱際にスリットを形成することによって壁と柱との拘束を絶ち、建物が地震などによって振動したときに、柱の変形性能の増大と図ることによって、柱の座屈等の損壊を防ぎ、建物の倒壊を防ぐことを目的とした耐震補強方法がある(たとえば、特許文献1参照)。
上記耐震補強方法におけるスリット形成手順の概略は、スリット形成位置に、スリット内に充填するためのスリット材を配置した後に、型枠内にコンクリートを流し込む。これによって、打設したコンクリート中にスリット材が埋設される。
このような手順によると、スリットを形成した後にスリット内にスリット材を充填したのと同様の状態になるので、作業工数が削減され、ひいてはコストを低減することができる。
特開平8−093266号公報
しかし、新築の建物を建設するにあたって、スリットを一体に形成する従来の工法には以下の問題がある。
図9は、従来工法によってスリットを一体に形成するときのセパレータとスリット材を示す図である。
コンクリートを流し込んで壁体を形成するためには、一対の型枠板11Aの間にセパレータ12を設けて所定の間隔が維持されるようにした状態で型枠11の型枠板11Aの間にコンクリートを流し込むことによって行われる。
従来工法のように、壁体の形成とともにスリット材13が壁体内に設置されるようにするためには、セパレータ12とともに、型枠板11Aの間の所望の位置にスリット材13を設置してからコンクリートを流し込む。
図10は、従来工法によってスリットを一体に形成するときの様子を示す図であり、図10(A)は、スリットを形成するときの様子を示す立面図であり、図10(B)は、スリットを形成するときの様子を示す上方平面図である。
コンクリートを流し込んで建造物を形成する手順としては、スラブを形成し、スラブ上に形成する壁体の設置位置の墨出しを行う。そして、墨出しに合わせて型枠を設置した後に、型枠内に配筋を行い、上階のスラブまで一気にコンクリートを流し込む。さらに上階を形成するときはこの手順を繰り返す。
この手順において、上記図9に示すように、型枠11内の所望の位置にあらかじめスリット材13を設置した状態でコンクリートを流し込むと、流し込んだコンクリートによってスリット材13に強い側圧がかかり、スリット材13が所望の位置から曲がってしまうという問題がある。
図10でその一例をあげると、コンクリートの流し込み方向14であるとき、柱15の際に設けられたスリット材13は、コンクリートの流し込み方向14に応じて強い側圧を受け、スリット材13Aのように位置ずれを起こしてしまう。つまり、型枠に対してスリット材を取り付けた状態でコンクリートを打設すると、どんなに強固に型枠にスリット材を固定してもスリット材のゆがみが生じる可能性を排除することができないということを意味する。
図11は、従来工法によってスリットを一体に形成したときにスリット材がずれた様子を示す拡大図である。
図11に示すように、スリット材13がコンクリートの打設時に側圧を受け、スリット材13Aに示す位置に位置ずれを起こしたときには、耐震性が悪くなると言う問題が生じる。具体的には、壁と柱との拘束を絶ち、建物が地震などによって振動したときに、柱の変形性能の増大と図ることによって、柱の座屈等の損壊を防ぎ、建物の倒壊を防ぐことを目的として壁の柱際にスリットを形成しているが、スリット材13Aのように位置ずれを起こしていると、適切に壁と柱との拘束を絶つことができず、所望の耐震性能を発揮することができないという問題が生じる。
また、スリット材13Aのように位置ずれを起こしていると、外装材にひび割れが生じ、建物の外観が悪くなり、かつ地震が起きたときに外装材が剥がれて通行人などに接触することにより被害を及ぼす可能性があるという問題が生じる。具体的には、建物は地震発生時に限らず常にある程度の外力を受け、その外力によって振動する。柱際にスリット材13を入れたときには、スリット材13がその振動を吸収するので、スリット材13の目地材部分に端部を合わせて建物の外装材を設置することにより、外装材に負荷がかかることによる剥離やひび割れが生じないようにしている。しかし、スリット材13Aのように位置ずれを起こしていると、所望の位置とは異なる位置でスリット材13Aがたわむことにより外装材の端部以外の部分に負荷がかかり、外装材の剥離やひび割れが生じてしまうという問題が生じる。
このようにスリット材が位置ずれを起こしたかどうかについては外観からでは判断できず、東日本大震災のような大規模地震が起きたときや、スリット材を含む壁体を形成したときから長い期間経過した後に発覚することが多い。
大規模地震が起きたときに想定された耐震性能が発揮されずに建物に重大な損壊が起き、分解調査をしてみるとスリット材が位置ずれを起こしていたことわかる。また、外装材にクラックが生じるなどしたときに原因究明のための分解調査をしてみるとスリット材が位置ずれを起こしていたことがわかる。このようにスリット材が位置ずれを起こしていたときは当然修繕が必要となる。
図12は、従来工法によってスリット材が位置ずれを起こしたときに修繕した様子を示す図である。
図12に示すように、位置ずれを起こしたスリット材13Aを取り除くために壁体の一部をはつりとり、当初から想定されていた部分に新たにスリット材13Bを設置する。そして、はつりとった壁体を埋めるためにモールド材16で埋める。
このようなスリット材の位置ずれ修繕は、スリット材がまったく埋まっていない壁体に対して新たにスリットを設けてスリット材を埋設するよりも手間がかかり、スリット材の位置ずれが見つけにくい上に、見つかったとしても大変な手間がかかるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、位置ずれを起こさず、かつ最短の工期と手間で耐震用スリットを必要な箇所に形成した壁を形成することができる耐震壁、およびその形成方法を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、床スラブを形成した後に、上階のスラブまで一度にコンクリートを打設して柱などを形成する場合であって、形成される壁体と柱などの間の拘束を絶つための耐震用スリットを形成した耐震壁の形成方法において、前記床スラブと前記壁体との間に耐震用スリットを形成するときのみスリット材を載置し、そのスリット材を載置した状態で上階のスラブ面までコンクリートを打設し、必要に応じて、前記床スラブと前記壁体との間以外の部分に後施工で耐震用スリットを形成することを特徴とする耐震壁の形成方法が提供される。
また、本発明では、床スラブを形成した後に、上階のスラブまで一度にコンクリートを打設して柱などを形成する場合であって、形成される壁体と柱などの間の拘束を絶つための耐震用スリットを形成した耐震壁において、前記床スラブと前記壁体との間に耐震用スリットを形成するときのみスリット材を載置し、そのスリット材を載置した状態で上階のスラブ面までコンクリートを打設し、必要に応じて、前記床スラブと前記壁体との間以外の部分に後施工で耐震用スリットを形成することを特徴とする耐震壁が提供される。
本発明の耐震壁、およびその形成方法によれば、上階のスラブまで一度にコンクリートを打設して柱などを形成しながら、床スラブと壁体との間に耐震用スリットを形成するときのみスリット材を載置し、そのスリット材を載置した状態で上階のスラブ面までコンクリートを打設し、必要に応じて、床スラブと前記壁体との間以外の部分に後施工で耐震用スリットを形成するので、スリット材が位置ずれを起こさず、かつ最短の工期と手間で耐震用スリットを必要な箇所に形成した壁を形成することができる。
本実施の形態に係る耐震補強を行った壁体の一例を示す立面図である。 本実施の形態に係る耐震補強を行った壁体の一例を示す立面図である。 本実施の形態に係る耐震補強を行った壁体の一例を示す立面図である。 変形壁を形成するときの一例を示す側方断面図である。 変形壁を形成するときの一例を示す側方断面図である。 ルーフバルコニーが設けられた建物を示す図である。 ルーフバルコニーに面する壁を示す立面図である。 セットバック部を有する建物を示す図である。 従来工法によってスリットを一体に形成するときのセパレータとスリット材を示す図である。 従来工法によってスリットを一体に形成するときの様子を示す図である。 従来工法によってスリットを一体に形成したときにスリット材がずれた様子を示す拡大図である。 従来工法によってスリット材が位置ずれを起こしたときに修繕した様子を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る耐震補強を行った壁体の一例を示す立面図である。
図1に示すように、2本の柱15間に形成される壁110は、スラブ120との間に水平方向のスリット材111が介装され、壁110とスラブ120との拘束が絶たれている。また、壁110は、柱15との間に垂直方向のスリット材112が介装され、壁110と柱15との拘束が絶たれている。
上述のとおり、スラブ120から上階のスラブまで一度にコンクリートの打設を行うことが工数削減やコスト面において望ましい。しかし、型枠に垂直方向のスリット材112を取り付けた状態でコンクリートを打設すると、どんなに強固に垂直方向のスリット材112を固定してもスリット材112のゆがみが生じる可能性を排除することができない。
したがって、このような垂直方向のスリット材112は、コンクリートの打設時には設置せず、水平方向のスリット材111のみを所望の位置に設置し、スラブ120から上階のスラブまでコンクリートを打設し、柱15の際に垂直方向のスリットを後施工によって形成し、スリット材112を設置することにより垂直方向のスリットを形成する。
これにより、スラブから上階のスラブまで一度にコンクリートを打設することができる上に、コンクリートの打設時に垂直方向のスリット材が位置ずれを起こさず、決して曲がることがない。したがって、作業工数が削減でき、作業コストが低減できる上に耐震精度が維持でき、かつ外装材にひびが入り、最悪の場合には壁のひびから水漏れが起こることなどを防ぐことができる。
図2は、本実施の形態に係る耐震補強を行った壁体の一例を示す立面図である。
図2に示すように、2本の柱15間に形成される壁110は、建物の構造などの都合によりスラブ120との間にスリットを入れることができない場合であって、梁130との間に水平方向のスリット材113が介装され、壁110と梁130との拘束が絶たれている。また、壁110は、柱15との間に垂直方向のスリット材112が介装され、壁110と柱15との拘束が絶たれている。
上述のとおり、スラブ120から上階のスラブまで一度にコンクリートの打設を行うことが工数削減やコスト面において望ましい。しかし、型枠に垂直方向のスリット材112を取り付けた状態でコンクリートを打設すると、どんなに強固に垂直方向のスリット材112を固定してもスリット材112のゆがみが生じる可能性を排除することができない。さらに、図1と異なり、水平方向であってもスリット材113を型枠に固定した状態でスラブ120から上階のスラブまで一度にコンクリートの打設を行うことはできない。すなわち、スリット材113を型枠に固定した状態でコンクリートを打設しようとすると、スリット材113によってコンクリートがせき止められてしまい、壁110の部分にコンクリートが入らない。もちろん、このような態様でスリット材113を型枠に固定していると、コンクリートを流し込んだときに位置ずれを起こす可能性が極めて高いので、この位置にスリットを型枠にあらかじめ取り付けておくことは有害以外の何者でもない。
したがって、このようなスリット材112、113は、コンクリートの打設時には設置せず、スラブ120から上階のスラブまでコンクリートを打設し、柱15の際の垂直方向のスリットと、梁130の下の水平方向のスリットを後施工によって形成し、スリット材112、113を設置することにより二方向のスリットを形成する。
これにより、スラブから上階のスラブまで一度にコンクリートを打設することができる上に、コンクリートの打設時にスリット材が位置ずれを起こさず、スリットが決して曲がることがない。したがって、作業工数が削減でき、作業コストが低減できる上に耐震精度が維持でき、かつ外装材にひびが入り、最悪の場合には壁のひびから水漏れが起こることなどを防ぐことができる。
図3は、本実施の形態に係る耐震補強を行った壁体の一例を示す立面図である。
図3(B)に示すように、2本の柱15間に腰壁114と、垂れ壁115を設けて、その間に窓を設けるためなどの開口部150を設けるとき、図3(A)に示すように、腰壁114の柱15との接触部分に対応する部分にスリット材131を取り付けた後にコンクリートを増し打ちする。また、垂れ壁115の柱15との接触部分に対応する部分にスリット材132を取り付けた後にコンクリートを後打ちする。
これにより、腰壁114と、垂れ壁115は、それぞれ柱15との間に垂直方向のスリット材111,112が介装され、腰壁114と柱15、および垂れ壁115と柱15の拘束が絶たれている。
上述のとおり、スラブ120から上階のスラブまで一度にコンクリートの打設を行うことが工数削減やコスト面において望ましい。しかし、型枠に垂直方向のスリット材131,132を取り付けた状態でコンクリートを打設すると、どんなに強固に垂直方向のスリット材131,132を固定してもスリット材131,132のゆがみが生じる可能性を排除することができない。
したがって、このようなスリット材131,132は、柱15と梁130のコンクリートの打設時には設置せず、スラブ120から上階のスラブまでコンクリートを打設するときに柱15と梁130のみに対してコンクリートを打設し、打設したコンクリートによって形成した柱15の所定位置にスリット材131,132を取り付けた型枠を設置し、腰壁114、垂れ壁115を形成するためにコンクリートを増し打ちすることによって腰壁114、垂れ壁115と、柱15との間にスリットを形成する。
これにより、スラブから上階のスラブまで一度にコンクリートを打設することができる部分に関しては一度に打設した上に、コンクリートの打設時にスリット材が位置ずれを起こさず、スリットが決して曲がることがない。したがって、作業工数が削減でき、作業コストが低減できる上に耐震精度が維持でき、かつ外装材にひびが入り、最悪の場合には壁のひびから水漏れが起こることなどを防ぐことができる。
図4は、変形壁を形成するときの一例を示す側方断面図である。
昨今の建築物は作り付けの収納をあらかじめ設けることが多く、図4に示すような変形壁を作ることが多くなってきている。図4においては、変形壁の一例として梁130から下がる変形下がり壁116と、スラブ120から立ち上がる変形腰壁117を示している。
変形下がり壁116は、その壁によって形成される空間116Aを納戸のような収納空間として用いるなどするために形成されることがある。また、変形腰壁117は、その壁によって形成される空間117Aを学校の場合には生徒用のロッカーなどの収納空間として用いるなどするために形成されることがある。
このような変形壁などのようにその都度断面形状が変化する壁に対して柱際にスリットを設けようとするときは、既存のスリット材は当然適合しないので用いることはできない。また、垂直方向のスリット材をあらかじめ型枠に設置してコンクリートを打設することは、位置ずれを起こす可能性があるのでできない。したがって、このような変形壁の柱際にスリットを形成するときも、通常の壁際に垂直方向のスリットを形成する場合と同様に、壁体のコンクリートを打設した後に、後施工によってスリットを形成し、スリット材を挿入することにより柱際のスリットを形成する。
図5は、変形壁を形成するときの一例を示す側方断面図である。
昨今の建築物はデザイン性が高いものが多く、図5に示すような変形壁を作ることが多くなってきている。図5においては、変形壁の一例としてスラブ120から立ち上がる変形腰壁118を示している。
図4に示した変形壁の場合と同様に、このような変形壁などのようにその都度断面形状が変化する壁に対して柱際にスリットを設けようとするときは、既存のスリット材は当然適合しないので用いることはできない。また、垂直方向のスリット材をあらかじめ型枠に設置してコンクリートを打設することは、位置ずれを起こす可能性があるのでできない。したがって、このような変形壁の柱際にスリットを形成するときも、通常の壁際に垂直方向のスリットを形成する場合と同様に、壁体のコンクリートを打設した後に、後施工によってスリットを形成し、スリット材を挿入することにより柱際のスリットを形成する。
図6は、ルーフバルコニーが設けられた建物を示す図である。
図6に示すように、たとえば3階建ての建物200にルーフバルコニー210が設けられているとき、矢印で示すルーフバルコニー210に面する壁には特別な施工が必要である。
図7は、ルーフバルコニーに面する壁を示す立面図である。
図7に示すように、ルーフバルコニー210に面する壁220は、ルーフバルコニー210から屋内に水が入らないようにするために立ち上がり壁221を作る必要がある。したがって、壁220を作るときは、床のスラブにスリット材を載置することなく、立ち上がり壁221、柱15、および梁130まで一度にコンクリートを打設する。そして、柱15、および立ち上がり壁221との拘束を絶った雑壁222を作るときは、雑壁222部分にコンクリートを増し打ちし、スリット141,142を後施工で設ける。このようにすることにより、スリット141,142を決して曲げることなく設けることができる。
図8は、セットバック部を有する建物を示す図である。
図8に示す建物300のように、隣地または道路の日照確保のためにセットバック部301を設けることがある。このようなセットバック部301を設けるに際して、セットバック部301に接する壁310に対して耐震用のスリットを設けようとする場合には、梁130の下以外の部分に設けることがある。
このような場合に、図8に示す壁310の階層にコンクリートを打設しようとすると、梁130と壁310が接する部分、および柱15と壁310が接する部分以外の斜辺部320にはあらかじめスリット材を入れておくことはできない。すなわち、コンクリートを打設するとき、斜辺部320に対しては図8に示す矢印の方向にコンクリートが流れ込む。したがって、型枠の斜辺部320に相当する部分に対してあらかじめスリット材を固定しておくと、矢印方向からのコンクリートの荷重により位置ずれを起こしてしまうので、あらかじめスリット材を固定しておくことはできない。
以上に説明したとおり、床スラブから上階のスラブまでコンクリートを一度に打設するときであって、壁体の柱際などに対してスリットを設ける場合、床スラブと壁体との間にスリットを設けるときのみ、コンクリートを打設する前にスリット材を載置してからコンクリートを打設する。そして、壁体の柱際などの、床スラブと壁体との間以外の場所にスリットを設ける場合には後施工でスリットを形成する。
このようにすることにより、スリット材が位置ずれを起こさず、かつ最短の工期と手間で耐震用スリットを形成した壁を形成することができる。
15 柱
110,220,221,310 壁
111,112,113,131,132,141,142 スリット材
114 腰壁
115 垂れ壁
116 変形下がり壁
116A,117A 空間
117,118 変形腰壁
120 スラブ
130 梁
150 開口部
200 建物
210 ルーフバルコニー
222 雑壁
300 建物
301 セットバック部
320 斜辺部

Claims (5)

  1. 床スラブを形成した後に、上階のスラブまで一度にコンクリートを打設して柱などを形成する場合であって、形成される壁体と柱などの間の拘束を絶つための耐震用スリットを形成した耐震壁の形成方法において、
    前記床スラブと前記壁体との間に耐震用スリットを形成するときのみスリット材を載置し、
    そのスリット材を載置した状態で上階のスラブ面までコンクリートを打設し、
    必要に応じて、前記床スラブと前記壁体との間以外の部分に後施工で耐震用スリットを形成することを特徴とする耐震壁の形成方法。
  2. 前記床スラブと前記壁体との間以外の部分である、前記壁体と前記柱との間に後施工で耐震用スリットを形成することを特徴とする請求項1記載の耐震壁の形成方法。
  3. 前記床スラブと前記壁体との間以外の部分である、前記壁体と梁との間に後施工で耐震用スリットを形成することを特徴とする請求項1記載の耐震壁の形成方法。
  4. 前記床スラブと前記壁体との間以外の部分である、前記壁体とセットバック部との間に後施工で耐震用スリットを形成することを特徴とする請求項1記載の耐震壁の形成方法。
  5. 床スラブを形成した後に、上階のスラブまで一度にコンクリートを打設して柱などを形成する場合であって、形成される壁体と柱などの間の拘束を絶つための耐震用スリットを形成した耐震壁において、
    前記床スラブと前記壁体との間に耐震用スリットを形成するときのみスリット材を載置し、
    そのスリット材を載置した状態で上階のスラブ面までコンクリートを打設し、
    必要に応じて、前記床スラブと前記壁体との間以外の部分に後施工で耐震用スリットを形成することを特徴とする耐震壁。
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