JP5937399B2 - 蓄熱式ガス処理装置の運転方法、及び、蓄熱式ガス処理装置 - Google Patents

蓄熱式ガス処理装置の運転方法、及び、蓄熱式ガス処理装置 Download PDF

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本発明は塗装ブースや塗装乾燥炉からの排出空気に含まれる揮発性有機成分を燃焼させて排出空気を浄化する排出空気処理などに用いる蓄熱式ガス処理装置の運転方法、及び、その運転方法を実施する蓄熱式ガス処理装置に関する。
更に詳しくは(図7参照)、燃焼用加熱器5aを備える燃焼処理室5に一端を連通させた4室以上の蓄熱室8(8i,8o,8p,8s)の夫々に通気性の蓄熱材層を配備するとともに、これら蓄熱室8夫々の他端を切換弁装置4に接続しておき、これら蓄熱室8のうちの一部の蓄熱室を入口側蓄熱室8iとし、かつ、他の一部の蓄熱室を出口側蓄熱室8oとした状態で、ガス導入路10から送られる被処理ガスGを入口側蓄熱室8iを通じ燃焼処理室5に導いて燃焼用加熱器5aの運転下で処理するとともに、それに伴い燃焼処理室5から出口側蓄熱室8oを通じて排出される処理済ガスG′をガス送出路11に導くガス処理運転において、切換弁装置4により、入口側蓄熱室8iとする蓄熱室及び出口側蓄熱室8oとする蓄熱室の夫々を4室以上の蓄熱室8のうちで順次に切り換える蓄熱式ガス処理装置の運転方法、及び、その運転方法を実施する蓄熱式ガス処理装置に関する。
つまり、この蓄熱式ガス処理装置では、入口側蓄熱室8iとする蓄熱室、及び、出口側蓄熱室8oとする蓄熱室を上記の如く切換弁装置4により順次に切り換えることで、ガス処理運転における先の工程において出口側蓄熱室8oとした蓄熱室8の蓄熱材層に燃焼処理室5からの高温の処理済ガスG′を通過させて、その蓄熱材層に高温処理済ガスG′の保有熱を蓄熱し、その後の工程では、その蓄熱室8を入口側蓄熱室8iにして、先の工程で蓄熱した状態にある蓄熱材層に被処理ガスGを通過させることで、燃焼処理室5に導く被処理ガスGを予熱し、これにより、燃焼処理室5における燃焼用加熱器5aの必要加熱量を低減して消費エネルギを節減する。
ところで、この種の蓄熱式ガス処理装置では、ガス処理運転において各蓄熱室8の室内で被処理ガスG中のヤニ成分が凝結して室内各部(特に蓄熱材層における被処理ガスGの流入側端部)に付着し、その付着量が次第に増加するため、適時にガス処理運転に代えて、清浄な高温ガスを各蓄熱室8に通過させることで、付着した凝結ヤニ成分を蒸散又は乾燥剥離させてあるいは酸化分解して除去するいわゆる空焼き運転を行なう必要がある。
そして従来、この空焼き運転は、4室以上の蓄熱室8のうちの一部の蓄熱室を空焼き対象蓄熱室として、燃焼処理室5における燃焼用加熱器5aの運転下で、外気等の空焼き用清浄ガスを燃焼処理室5を通じて空焼き対象蓄熱室に送ることで、その空焼き用清浄ガスを燃焼用加熱器5aにより所定の空焼き温度以上に加熱した状態で空焼き対象蓄熱室に通過させて、空焼き対象蓄熱室を空焼き処理し、この空焼き処理を切換弁装置4による空焼き対象蓄熱室の切り換えにより全ての蓄熱室8に対して順次に施すようにしていた(特許文献1〜3参照)。
また、この空焼き運転はガス処理運転を休止して行なう必要があるため、従来、被処理ガスGの発生源である塗装ブースや塗装乾燥炉などの主設備の操業休止日に空焼き運転を実施していた。
特開2000−274644号公報 特開2002−195540号公報 特開2011−133131号公報
しかし、上記の如き従来の空焼き運転では、燃焼用加熱器5aの運転下で空焼き運転を実施するため空焼き運転の消費エネルギが大きくてその運転コストが高く付き、また、塗装ブースや塗装乾燥炉などの主設備の操業休止日に空焼き運転を行なうため労務面での負担も大きい問題があった。
特に、塗装ブースや塗装乾燥炉などの主設備の操業休止日に空焼き運転を行なうことから、空焼き運転の実施にあたっては、塗装ブースや塗装乾燥炉の操業停止とともにガス処理運転が停止されて常温まで温度低下した状態にある燃焼処理室5及び各蓄熱室8の熱容量部を先ずは、清浄ガスを通風しながら燃焼用加熱器5aを運転して高温状態にする立ち上げ運転が必要であり、このこともあって、立ち上げ運転を含む空焼き運転の消費エネルギが大きくてその運転コストが一層大きなものになっていた。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な運転方法を採用することで上記の如き問題を効果的に解消するとともに、その運転方法の実施に適した蓄熱式ガス処理装置を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、蓄熱式ガス処理装置の運転方法に係り、その特徴は、
燃焼用加熱器を備える燃焼処理室に一端を連通させた4室以上の蓄熱室の夫々に通気性の蓄熱材層を配備するとともに、これら蓄熱室夫々の他端を切換弁装置に接続しておき、
4室以上の前記蓄熱室のうちの一部の蓄熱室を入口側蓄熱室とし、かつ、他の一部の蓄熱室を出口側蓄熱室とした状態で、ガス導入路から送られる被処理ガスを入口側蓄熱室を通じ前記燃焼処理室に導いて前記燃焼用加熱器の運転下で処理するとともに、それに伴い前記燃焼処理室から出口側蓄熱室を通じて排出される処理済ガスをガス送出路に導くガス処理運転において、
前記切換弁装置により、入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を4室以上の前記蓄熱室のうちで順次に切り換える蓄熱式ガス処理装置の運転方法であって、
前記ガス処理運転の終了に続き、前記燃焼用加熱器の運転を停止した状態で、かつ、ガス処理運転時からの高温残熱が前記燃焼処理室及び前記蓄熱室の熱容量部に残存する状態で、4室以上の前記蓄熱室のうちの一部の蓄熱室を空焼き対象蓄熱室として、それら空焼き対象蓄熱室を前記切換弁装置を通じて前記ガス送出路に連通させ、
この状態で、空焼き運転として、被処理ガスに代え常温の空焼き用清浄ガスを前記燃焼処理室を通じ空焼き対象蓄熱室に通過させて、その通過過程で前記残熱により空焼き用清浄ガスを所要の空焼き温度以上に昇温させることで、空焼き対象蓄熱室を空焼き処理するとともに、それに伴い、空焼き対象蓄熱室を通過した使用済み高温の空焼き用清浄ガスを前記ガス送出路を通じて装置外部に送出し、
前記ガス処理運転では、被処理ガスを前記ガス導入路を通じ前記切換弁装置に送って、その被処理ガスを入口側蓄熱室−前記燃焼用加熱器が運転状態にある前記燃焼処理室−出口側蓄熱室の順に通過させるのに対し、
入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置により所定の切り換え周期で順次に切り換え、
前記空焼き運転では、被処理ガスに代え常温の空焼き用清浄ガスを前記ガス導入路を通じ前記切換弁装置に送って、その空焼き用清浄ガスを入口側蓄熱室−前記燃焼用加熱器が運転停止状態にある前記燃焼処理室−空焼き対象蓄熱室とする出口側蓄熱室の順に通過させるのに対し、
入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置によりガス処理運転での切り換え周期よりも長い切り換え周期で、かつ、前記残熱の量の減少に応じて切り換え周期を次第に大きくして切り換える点にある。
この構成の運転方法によれば、ガス処理運転の終了時から燃焼処理室及び各蓄熱室の熱容量部に残存する多量の高温残熱を利用して、燃焼用加熱器の運転停止下で空焼き対象蓄熱室を空焼き処理するから、また、従来の空焼き運転の如く、低温化した燃焼処理室及び各蓄熱室の熱容量部を空焼き運転に先立ち燃焼用加熱器の運転により高温状態にする立ち上げ運転も不要になることから、空焼き運転の消費エネルギを効果的に低減してその運転コストを効果的に低減することができる。
また、被処理ガスの発生源である塗装ブースや塗装乾燥炉などの主設備の操業日において、その日の主設備の操業停止に続いて空焼き運転を実施する運転形態になることで、従前の如く主設備の操業休止日に空焼き運転を実施するのに比べ、空焼き運転の労務面での負担も効果的に軽減することができる。
なお、この種の蓄熱式ガス処理装置では、元来が蓄熱式であることもあって、一般にガス処理運転の終了時には、全ての蓄熱室を空焼き処理して余るほどの充分な量の高温残熱が燃焼処理室及び各蓄熱室の熱容量部(室壁部や蓄熱材層など)に残存することが種々の実験やシミュレート解析などにより確認することができた。
この構成の運転方法の実施においては、4室以上の蓄熱室のうちの一部の蓄熱室ごとに空焼き処理を行なうが、その場合、その一部の蓄熱室ごとの空焼き処理により全ての蓄熱室を一日のうちに空焼き処理する形態、あるいは、その一部の蓄熱室ごとの空焼き処理を複数日に分散させて実施して全ての蓄熱室を空焼き処理する形態のいずれを採用してもよい。
また、上記の第1特徴構成においては、
前記ガス処理運転では、被処理ガスを前記ガス導入路を通じ前記切換弁装置に送って、
その被処理ガスを入口側蓄熱室−前記燃焼用加熱器が運転状態にある前記燃焼処理室−出口側蓄熱室の順に通過させるのに対し、
入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置により所定の切り換え周期で順次に切り換え、
前記空焼き運転では、被処理ガスに代え常温の空焼き用清浄ガスを前記ガス導入路を通じ前記切換弁装置に送って、その空焼き用清浄ガスを入口側蓄熱室−前記燃焼用加熱器が運転停止状態にある前記燃焼処理室−空焼き対象蓄熱室とする出口側蓄熱室の順に通過させるのに対し、
入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置によりガス処理運転での切り換え周期よりも長い切り換え周期で、かつ、前記残熱の量の減少に応じて切り換え周期を次第に大きくして切り換えるから、次の作用効果も奏する。
つまり、空焼き運転においてガス処理運転での切り換え周期より長い切り換え周期で入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室(空焼き対象蓄熱室)とする蓄熱室の夫々を切り換えるから、換言すれば、通過過程で残熱により高温化される空焼き用清浄ガスの一室あたりの空焼き対象蓄熱室に対する通気時間を相対的に大きくするから、残熱を利用して空焼き処理を行なうものでありながら、空焼き対象蓄熱室の各部(特に、ヤニ成分が付着堆積し易い蓄熱材層の被処理ガス流入側端部が存在する空焼き対象室の空焼き用清浄ガス出口側部分)を確実かつ充分に所要の空焼き温度以上に高温化することができ、これにより、空焼き運転の各工程での空焼き対象蓄熱室の空焼き処理を確実かつ充分にすることができる。
なお、この構成の運転方法の実施においては、空焼き運転期間中、残熱量の減少に応じて切り換え周期を次第に大きくする。
(削除)
(削除)
本発明の第特徴構成は、第特徴構成の運転方法の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は次の通りである。
なお、理解を容易にするため図面で用いたのと同じ符号を参照符号として付す。特に図6〜図11参照。
前記切換弁装置4は、弁板20を備える回転弁体18と受板21を備える分配器15とを有して、前記弁板20を前記受板21に近接対向させた状態で前記回転弁体18と前記分配器15とを相対回転させる構成にし、
前記分配器15には、前記蓄熱室8夫々の他端に対して各別に常時連通する複数の分配室22を前記相対回転の回転軸芯周りに並べて区画形成し、
前記分配器15における前記受板21には、前記分配室22を前記受板21において各別に開口させる分配口22aを前記相対回転の回転軸芯周りで等ピッチpに並べて形成し、
前記回転弁体18には、前記ガス導入路10に常時連通する給気室23と、パージ用ガス路28に常時連通するパージ用室25と、前記ガス送出路11に常時連通する排気室24とを前記相対回転の回転軸芯周りに並べて区画形成し、
前記回転弁体18における前記弁板20には、隣り合わない2つの前記分配口22aに対し前記相対回転において同時にかつ各別に正対する第1及び第2の遮風板部分20a,20bを形成し、
これら第1及び第2遮風板部分20a,20bのうち第1遮風板部分20aには、前記パージ用室25を前記弁板20において開口させるパージ用口25aを形成し、
前記第1及び第2遮風板部分20a,20bどうしの間の弁板部分のうち、前記相対回転において前記第1遮風板部分20aよりも先行する先行側の弁板部分には、前記給気室23を前記弁板20において開口させる給気口23aを形成し、
前記相対回転において前記第1遮風板部分20aよりも後行する後行側の弁板部分には、前記排気室24を前記弁板20において開口させる排気口24aを形成し、
前記弁板20における前記第1及び第2遮風板部分20a,20bと前記給気口23aと前記排気口24aとの相対的な配置関係を、前記第1及び第2遮風板部分20a,20bの各々が1つの前記分配口22aに正対した状態において、その正対分配口22aに隣接する2つの前記分配口22aのうちの一方の分配口22aが前記給気口23aに対して全開になり、かつ、他方の分配口22aが前記排気口24aに対して全開になる配置関係にしておき、
前記ガス処理運転では、被処理ガスGを前記ガス導入路10を通じて前記切換弁装置4に送るのに対し、
前記第1及び第2遮風板部分20a,20bの各々が1つの前記分配口22aに正対する回転位置を間欠回転における各回の停止位置とした状態で、前記回転弁体18と前記分配器15とを前記分配口22aの並設ピッチpずつ間欠的に相対回転させ、
前記空焼き運転では、被処理ガスGに代え常温の空焼き用清浄ガスOAを前記ガス導入路10を通じて前記切換弁装置4に送るのに対し、
その空焼き運転の前半工程では、前記第1及び第2遮風板部分20a,20bの各々が隣り合う2つの前記分配口22aに跨る状態になって前記分配口22aの半数が前記給気口23aに連通し、かつ、前記分配口22aの他の半数が前記排気口24aに連通する回転位置において前記相対回転を停止させた状態に保ち、
その後、その空焼き運転の後半工程では、前記回転弁体18と前記分配器15とを空焼き運転前半工程における回転停止位置から180度だけ相対回転させて停止させた状態に保つ点にある。
この構成の運転方法によれば、先ず装置構成として、弁板20における第1及び第2の2つの遮風板部分20a,20bの各々が1つの分配口22aに正対した状態において、その正対分配口22aに隣接する2つの分配口22aのうちの一方の分配口22aが給気口23a(図8において薄いグレー部分)に対して全開になり、かつ、他方の分配口22aが排気口24a(図8において濃いグレー部分)に対して全開になる配置関係にしてあるから、図11に示す如き従来装置に比べ、弁板20における給気口23a及び排気口24aの回転方向での開口幅θs,θr(中心角)を大きく確保することができる。
そして、このように給気口23a及び排気口24aの開口幅θs,θr(中心角)を大きく確保しながらも、ガス処理運転では(図8(a)〜(b)参照)、2つの遮風板部分20a,20bの各々が1つの分配口22aに正対する回転位置を間欠回転における各回の停止位置とした状態で、回転弁体18と分配器15とを分配口22aの並設ピッチpずつ間欠的に相対回転させるから、1つの分配口22aに対して給気口23aとパージ用口25aとが同時に連通状態になることや、1つの分配口22aに対して排気口24aとパージ用口25aとが同時に連通状態になることも実質的に防止することができる。
つまり、この構成の運転方法によれば、給気口23aとパージ用口25aとの間でのガスリーク、及び、排気口24aとパージ用口25aとの間でのガスリークを従来装置と同様に防止しながらも、給気口23aとそれに対して対向連通する分配口22aとで形成される給気側通気路の断面積、及び、排気口24aとそれに対して対向連通する分配口22aとで形成される排気側通気路の断面積を大きく確保することができて、それら給気側通気路及び排気側通気路を通じて被処理ガスGや処理済ガスG′を通気抵抗の小さい状態で円滑に通気することができる。
一方、このガス処理運転の終了に続いて実施する残熱を利用した空焼き運転については、その前半工程では(図9(a),図10(a)参照)、弁板20における2つの遮風板部分20a,20bの各々が受板21における隣り合う2つの分配口22aに跨る状態になって分配口22aの半数が弁板20における給気口23a(図10において薄いグレー部分)に連通し、かつ、分配口22aの他の半数が弁板20における排気口24a(図10において濃いグレー部分)に連通する回転位置において回転弁体18と分配器15との相対回転を停止させた状態で、常温の空焼き用清浄ガスOAをガス導入路10を通じて切換弁装置4に送るから、この空焼き運転前半工程においては、給気口23aに連通する半数の分配口22aに対応する半数の蓄熱室8を入口側蓄熱室8iにするとともに、排気口24aに連通する他の半数の分配口22aに対応する残りの半数の蓄熱室8を空焼き対象蓄熱室としての出口側蓄熱室8oにした状態で、空焼き用清浄ガスOAをガス導入路10−切換弁装置4−入口側蓄熱室8i−燃焼用加熱器5aが運転停止状態にある燃焼処理室5−空焼き対象蓄熱室としての出口側蓄熱室8o−切換弁装置4−ガス送出路11の順に通過させて、出口側蓄熱室8o(空焼き対象蓄熱室)とした半数の蓄熱室8に対して空焼き処理を施すことができる。
また、空焼き運転の後半工程では(図9(b),図10(b)参照)、回転弁体18と分配器15とを空焼き運転前半工程における回転停止位置から180度だけ相対回転させて停止させた状態で、常温の空焼き用清浄ガスOAをガス導入路10を通じて切換弁装置4に送るから、先の空焼き運転前半工程で出口側蓄熱室8o(空焼き対象蓄熱室)とした半数の蓄熱室8を入口側蓄熱室8iにするとともに、先の空焼き運転前半工程で入口側蓄熱室8iとした残りの半数の蓄熱室8を出口側蓄熱室8o(空焼き対象蓄熱室)とした状態で、空焼き運転前半工程と同様に、常温の空焼き用の清浄ガスOAをガス導入路10−切換弁装置4−入口側蓄熱室8i−燃焼用加熱器5aが運転停止状態にある燃焼処理室5−空焼き対象蓄熱室としの出口側蓄熱室8o−切換弁装置4−ガス送出路11の順に通過させて、出口側蓄熱室8o(空焼き対象蓄熱室)とした残りの半数の蓄熱室8に対して空焼き処理を施すことができる。
即ち、上記構成の運転方法によれば、空焼き運転の前半工程及び後半工程の夫々において4室以上の蓄熱室8のうちの半数の蓄熱室に対して一挙に空焼き処理を施すことができて、それら前半工程と後半工程との2工程で4室以上の蓄熱室8の全てに対する空焼き処理を完了することができ、これにより、空焼き運転の所要時間を効果的に短縮するとともに、空焼き運転を簡略化することができて、空焼き運転の労務面での負担を一層効果的に軽減することができる。
本発明の第特徴構成は、第1又は第2特徴構成のいずれかの運転方法の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記空焼き運転での空焼き用清浄ガスの供給風量を、前記ガス処理運転での被処理ガスの供給風量より小風量に制限する点にある。
この構成の運転方法によれば、空焼き用清浄ガスの供給風量を小風量に制限する分、その空焼き用清浄ガスの通過過程での残熱による昇温の幅を大きくすることができる。
したがって、残熱を利用して空焼き処理を行なうものでありながら、空焼き対象蓄熱室の各部(特に、ヤニ成分が付着堆積し易い蓄熱材層の被処理ガス流入側端部が存在する空焼き対象室の空焼き用清浄ガス出口側部分)の空焼き温度を効果的に高めることができ、これにより、空焼き対象蓄熱室を一層確実かつ効果的に空焼き処理することができる。
本発明の第特徴構成は、第1〜第特徴構成のいずれかの運転方法の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記空焼き運転では、空焼き対象蓄熱室における空焼き用清浄ガス出口側部分の温度又は空焼き対象蓄熱室から送出される空焼き用清浄ガスの温度を計測し、
その計測温度に応じて、空焼き用清浄ガスの供給風量を調整する点にある。
この構成の運転方法によれば、空焼き用清浄ガスとして用いる外気の状態変化などに原因して、空焼き対象蓄熱室における空焼き用清浄ガス出口側部分の温度や空焼き対象蓄熱室から送出される空焼き用清浄ガスの温度が変化する場合など、その温度変化を上記の如き計測温度に応じた空焼き用清浄ガスの供給風量の調整により抑止することができ、これにより、空焼き対象蓄熱室を一層確実に空焼き処理することができる。
本発明の第特徴構成は、第特徴構成の運転方法を実施する蓄熱式ガス処理装置に係り、その特徴は、
燃焼用加熱器を備える燃焼処理室に一端を連通させた4室以上の蓄熱室の夫々に通気性の蓄熱材層を配備するとともに、これら蓄熱室夫々の他端を切換弁装置に接続し、
4室以上の前記蓄熱室のうちの一部の蓄熱室を入口側蓄熱室とし、かつ、他の一部の蓄熱室を出口側蓄熱室とした状態で、ガス導入路から送られる被処理ガスを入口側蓄熱室を通じ前記燃焼処理室に導いて前記燃焼用加熱器の運転下で処理するとともに、それに伴い前記燃焼処理室から出口側蓄熱室を通じて排出される処理済ガスをガス送出路に導くガス処理運転において、
前記切換弁装置により、入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を4室以上の前記蓄熱室のうちで順次に切り換え、
このガス処理運転の終了に続き、前記燃焼用加熱器の運転を停止した状態で、かつ、ガス処理運転時からの高温残熱が前記燃焼処理室及び前記蓄熱室の熱容量部に残存する状態で、
空焼き運転として、被処理ガスに代え常温の空焼き用清浄ガスを前記ガス導入路を通じ前記切換弁装置に送って、その空焼き用清浄ガスを入口側蓄熱室−前記燃焼用加熱器が運転停止状態にある前記燃焼処理室−空焼き対象蓄熱室とする出口側蓄熱室の順に通過させて、その通過過程で前記残熱により空焼き用清浄ガスを所要の空焼き温度以上に昇温させることで、空焼き対象蓄熱室としての出口側蓄熱室を空焼き処理する蓄熱式ガス処理装置であって、
前記切換弁装置を制御する制御手段を設け、
この制御手段は、
前記ガス処理運転では、入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置により所定の切り換え周期で順次に切り換え、
前記空焼き運転では、入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置によりガス処理運転での切り換え周期よりも長い切り換え周期で、かつ、前記残熱の量の減少に応じて切り換え周期を次第に大きくして切り換える構成にしてある点にある。
この構成の蓄熱式ガス処理装置によれば、制御手段による切換弁装置の制御により前述した第特徴構成の運転方法を自動化して容易に実施することができる。
そして特に、空焼き運転を容易にし得ることで、空焼き運転の労務面での負担を一層効果的に軽減することができる。
なお、この構成の蓄熱式ガス処理装置の実施において、制御手段は、空焼き運転期間中、残熱量の減少に応じて切り換え周期を次第に大きくする。
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ガス処理装置の側面図 ガス処理装置の平面図 4種蓄熱室の移行過程を示す概略平面図 切換弁装置の側面視断面図 切換弁装置の側面視断面図 回転弁体の分解斜視図 ガス処理運転におけるガス流れの説明図 ガス処理運転における回転弁体の切り換え動作の説明図 実施形態を示す空焼き運転におけるガス流れの説明図 実施形態を示す空焼き運転における回転弁体の切り換え動作の説明図 従前の切換弁装置の概略構成図 参考例を示す空焼き運転におけるガス流れの説明図 他の参考例を示す空焼き運転におけるガス流れの説明図
実施形態
図1,図2は蓄熱式ガス処理装置を示し、この蓄熱式ガス処理装置は、室壁1の内壁面に断熱材2を付設した直方体形状の断熱室3と、その横一側方に設置した切換弁装置4とを備え、断熱室3の内部は、互いに開放された上側の燃焼処理室5とその下に位置する蓄熱室領域6とに区分し、燃焼処理室5には、燃焼用加熱器としてのバーナ5aを配備してある。
断熱室3の蓄熱室領域6には、その領域を耐熱金属製の内部仕切壁7により区画することで、それぞれの上端部が燃焼処理室5に開口する8室の蓄熱室8を区画形成してあり、この区画形成において8室の蓄熱室8は全て横一列に並べた状態に配置してある。
各蓄熱室8には、ハニカム構造にした通気性の蓄熱材層8aを配備してあり、各蓄熱室8の下部は、蓄熱材層8aに対する通風用のチャンバ部分8b(小室部分)にしてある。
各蓄熱室8の下部チャンバ部分8bは、各別の給排路9を通じて切換弁装置4に接続してあり、また、切換弁装置4には、揮発性有機成分などを含む被処理ガスGを切換弁装置4に送るガス導入路10を接続するとともに、断熱室3の燃焼処理室5で処理して浄化した処理済ガスG′を切換弁装置4から送出するガス送出路11を接続してある。
切換弁装置4は、図3,図7に示す如く8室の蓄熱室8のうち、3室を被処理ガスGが通過する入口側蓄熱室8iとし、他の3室を処理済ガスG′が通過する出口側蓄熱室8oとし、他の1室をパージ用ガスG″が通過するパージ対象蓄熱室8pにし、残りの1室をガス通過を遮断した遮風蓄熱室8sとして、それら4種の蓄熱室8i,8o,8p,8sを8室の蓄熱室8のうちでサイクル的に順次に切り換えるものである。
つまり、切換弁装置4は、基本的には、ガス導入路10から送られる被処理ガスGを、対応給排路9を通じて3室の入口側蓄熱室8iの下部チャンバ部分8bに送ることで、その被処理ガスGを入口側蓄熱室8iの蓄熱材層8aに上向きに通過させて、バーナ5aが運転状態にある燃焼処理室5に導く。
また、これに伴い、燃焼処理室5から出口側蓄熱室8oに送り出されて出口側蓄熱室8oの蓄熱材層8aを下向きに通過する高温の処理済ガスG′を、出口側蓄熱室8の下部チャンバ部分8bから対応給排路9を通じ切換弁装置4に戻して、ガス送出路11へ送出する。
このガス処理運転において、上記4種の蓄熱室8i,8o,8p,8sを切換弁装置4によりサイクル的に順次に切り換えることで、先の工程において高温処理済ガスG′の通過により蓄熱された出口側蓄熱室8oの蓄熱材層8aを、後の工程では入口側蓄熱室8iの蓄熱材層8aにして、その蓄熱材層8aに被処理ガスGを通過させることで、燃焼処理室5に導く被処理ガスGを予熱し、これにより、バーナ5aの必要燃焼量を低減する。
なお、切換弁装置4は、4種の蓄熱室8i,8o,8p,8sのサイクル的な順次切り換えとして、入口側蓄熱室8iにした蓄熱室8は次に出口側蓄熱室8oに切り換えるのに先立ちパージ対象蓄熱室8pに切り換えて、そのパージ対象蓄熱室8pにパージ用ガスG″(本例では燃焼処理室5から送出される処理済ガスG′の一部)を通過させることで、入口側蓄熱室8iからの切り換えにおいて蓄熱材層8aに残る未処理の被処理ガスGをパージ用ガスG″により掃気する。
また、切換弁装置4は、4種の蓄熱室8i,8o,8p,8sをサイクル的に順次に切り換えるのに、同図3に示す如く、横一列の蓄熱室8列における終端(図中右端)から始端(図中左端)への戻り移行時を除いて、3室の入口側蓄熱室8iが隣接状態で蓄熱室8列の始端から終端へ移行するとともに、同じく3室の出口側蓄熱室8oが隣接状態で蓄熱室8列の始端から終端へ移行し、さらに、入口側蓄熱室8iと出口側蓄熱室8oとの境界部が2箇所存在することに対し、パージ対象蓄熱室8pが一方の境界部に位置する状態を保って蓄熱室8列の始端から終端へ移行するとともに、遮風蓄熱室8sが他方の境界部に位置する状態を保って蓄熱室8列の始端から終端へ移行するように、4種の蓄熱室8i,8o,8p,8sを相互切り換えする構成にしてある。
即ち、8室の蓄熱室8を横一列に並べて配置するとともに、4種の蓄熱室8i,8o,8p,8sの切り換えを上記の如く行なうことで、入口側蓄熱室8iから被処理ガスGが漏出したとしても、その漏出した被処理ガスGが出口側蓄熱室8oを通過する処理済ガスG′に混入して、未処理のままで処理済ガスG′とともに装置外に持ち出されることを防止する。
切換弁装置4は、蓄熱室8の横一列の並び方向に対して平面視で直交する方向で断熱室3の横一側方に配置してあり、また、切換弁装置4から延出する8本の給排路9は全て、断熱室3の側壁のうち切換弁装置4の側に位置する1つの側壁1aに接続して対応蓄熱室8の下部チャンバ部分8bに開口させてある。
そして、断熱室3の側壁のうち切換弁装置4とは反対側に位置する側壁1bには、8室の全ての蓄熱室8に対する各別の点検保守用扉12を蓄熱室8列とともに横一列に並べて配設してあり、このような配設形態にすることで、各給排路9の通気抵抗を均一化して上記4種の蓄熱室8i,8o,8p,8sの相互切り換えを伴うガス処理運転を安定化するように、また、点検保守用扉12を給排路9による場所的制約を受けずに使用し易い状態に配設し得るようにしてある。
各蓄熱室8の下部チャンバ部分8bには、給排路9の接続口9aと蓄熱材層8aとにわたるガス流を案内する案内手段として複数のガイドベーン13を、給排路接続口9aから見て手前に配置するガイドベーン13ほど高い位置に配置して並設してあり、これにより、給排路接続口9aから流入した被処理ガスGの蓄熱材層8aに向う過程での横向きから上向きへの向き変化、及び、蓄熱材層8aを通過した処理済ガスG′の給排気接続口9aに向う過程での下向きから横向きへの向き変化を円滑にするとともに、給排路接続口9aから流入した被処理ガスGを蓄熱材層8aに対して偏りなく均一に通過させる。
切換弁装置4は、具体的には図4〜図6に示すように、蓄熱室8の横一列の並び方向に対して平面視で直交する方向に延びる回転軸14を備え、この回転軸14を中心として断熱室3の側から順に分配器15と弁体器16と気室器17とを並設して構成してある。
弁体器16には回転弁体18を収容してあり、この回転弁体18は、回転駆動手段としてのモータ19による回転軸14の駆動回転により回転軸14と一体的に回転し、これに対し、回転軸14が貫通する分配器15、弁体器16,気室器17は、回転軸14の回転を許す状態にして固定されている。
回転弁体18は、回転軸14に対して直交する姿勢の円板状の弁板20を備え、分配器15は、回転軸14に対して直交する姿勢で回転弁体18の弁板20に対して近接状態で対向する受板21を備えており、弁板20は、回転弁体18の回転に伴い受板21に対する近接対向状態を保って回転する。
分配器15には、各蓄熱室8の下部チャンバ部分8bに給排路9を通じて各別に連通させた8室の分配室22を回転軸14周りに並べて区画形成してあり、分配器15における受板21には、これら分配室22を受板21において各別に開口させる分配口22aを回転軸14周りで等ピッチpに並べて形成してある。
一方、回転弁体18の内部には、給気室23と排気室24とパージ用室25とを回転軸14周りに並べて区画形成してあり、給気室23は、回転弁体18の回転にかかわらず、気室器17に接続したガス導入路10に対し、気室器17の内部空間17a及び回転弁体18に形成した流入口26を通じて常時連通する。
また同様に、排気室24は、回転弁体18の回転にかかわらず、弁体器16に接続したガス送出路11に対し、弁体器16の内部空間16a及び回転弁体18に形成した流出口27を通じて常時連通する。
そしてまた、パージ用室25は、回転弁体18の回転にかかわらず、気室器17に接続したパージ用ガス路28に対し、回転軸14に形成した導入口14a、回転軸14の内部に形成した軸内路14b、回転軸14に形成した導出口14c、気室器17内の区画室17bを通じて常時連通する。
なお、本例では、燃焼処理室5から送出される処理済ガスG′の一部をパージ用ガスG″としてパージ対象蓄熱室8pに通過させるようにしてあり、パージ対象蓄熱室8pを通過したパージ用ガスG″(即ち、残留被処理ガスGを含んだパージ用ガスG″)は上記パージ用ガス路28を通じガス導入路10の被処理ガスGに混合して再処理する。
回転弁体18の弁板20には、回転弁体18の回転において、分配器15の受板21における隣り合わない2つの分配口22aに対して同時かつ各別に遮蔽状態に正対する第1及び第2の2つの遮風板部分20a,20bを形成してあり、これら第1及び第2の遮風板部分20a,20bのうち第1遮風板部分20aには、回転弁体18内のパージ用室25を弁板20において開口させるパージ用口25aを形成してある。
また、弁板20において、これら第1及び第2の遮風板部分20a,20bどうしの間の一対の弁板部分のうち、回転弁体18の回転において第1遮風板部分20aよりも先行する先行側の弁板部分には、回転弁体18内の給気室23を弁板20において開口させる給気口23aを形成してあり、同様に、回転弁体18の回転において第1遮風板部分20aよりも後行する後行側の弁板部分には、回転弁体18内の排気室24を弁板20において開口させる排気口24aを形成してある。
この構成により、図8に示すように、回転弁体18の回転に伴い、分配器15の受板21における各分配口22aに対し、回転弁体18の弁板20における給気口23a(図において薄いグレー部分)、パージ用口25a、排気口24a(図において濃いグレー部分)、開口のない第2遮風板部分20bをその順で順次に対向させ、ガス導入路10から送られる被処理ガスGは、給気口23aとそれに対して対向連通状態にある分配口22aとで形成される給気側通気路を通じて入口側蓄熱室8iとする蓄熱室8に送る。
また、燃焼処理室5からパージ対象蓄熱室8pを通過したパージ用ガスG″は、パージ用口25aとそれに対して対向連通状態にある分配口22aとで形成されるパージ用通気路を通じてパージ用ガス路28に送る。
これに併行して、出口側蓄熱室8oとする蓄熱室8から送出される処理済ガスG′は、排気口24aとそれに対して対向連通状態にある分配口22aとで形成される排気側通気路を通じてガス送出路11へ導く。
また、1つの分配口22aは開口のない第2遮風板部分20bの正対により閉塞し、これにより、その閉塞分配口22aに対応する蓄熱室8を遮風蓄熱室8sとして、その蓄熱室8に対するガス通過を遮断する。
そして、このように回転弁体18の回転により入口側蓄熱室8iとパージ対象蓄熱室8pと出口側蓄熱室8oと遮風蓄熱室8sとの4種の蓄熱室8をサイクル的に相互切り換えるのに対して、横一列の蓄熱室8列におけるそれら4種の蓄熱室8i,8p,8o,8sの始端から終端への移行が前述の図3に示す如き移行形態になるように配列して、切換弁装置4から延出する8本の給排路9を各蓄熱室8にわたらせてある。
この切換弁装置4において、回転弁体18の弁板20における第1及び第2の遮風板部分20a,20bと給気口23aと排気口24bとは、それらの相対的な配置関係として、第1及び第2の遮風板部分20a,20bの各々が、1つの分配口22aに正対したとき、その正対分配口22aの回転方向前後に隣接する2つの分配口22aのうちの一方が給気口23aに対して全開になり、かつ、他方が排気口24aに対して全開になる配置関係にしてある。
換言すれば、本例の蓄熱式ガス処理装置では、パージ用口25aを形成する第1遮風板部分20a、及び、開口のない第2遮風板部分20bのいずれも、1つの分配口22aに正対した状態において、その1つの分配口22aに対してのみ遮風作用するだけの遮風幅θa,θb(中心角)しか備えないものにしてある。
即ち、この配置関係にすることで、図11に示す従来装置に比べ、給気口23a及び排気口24aの回転方向における開口幅θs,θr(中心角)を大きく確保して、給気口23aとそれに対して対向連通する分配口22aとで形成される給気側通気路の断面積、及び、排気口24aとそれに対して対向連通する分配口22aとで形成される排気側通気路の断面積の夫々を大きく確保し、これにより、それら給気側通気路及び排気側通気路を通じて被処理ガスGや処理済ガスG′を通気抵抗の小さい状態で円滑に通気することができるようにしてある。
また、この配置関係を採るのに対し、この蓄熱式ガス処理装置の制御器29は、固定の分配器15に対する回転弁体18の回転位置(回転角度)を検出する回転位置検出手段の検出情報に基づいて、及び/又は、ガス処理運転用の所定のモータ運転プログラムに従って、弁体回転用モータ19を制御することで、ガス処理運転中は図8の(a)〜(b)に示す如く、第1及び第2の遮風板部分20a,20bの各々が1つの分配口22aに正対する回転位置を間欠回転における各回の停止位置とした状態で、回転弁体18を分配口22aの並設ピッチpずつ間欠的に回転させる構成にしてある。
即ち、パージ用口25aを形成した第1遮風板部分20a,及び、開口のない第2遮風板部分20bの夫々が回転弁体18の回転により各1つの分配口22aに対し順次に正対(閉塞)することにおいて、その正対が生じるごとに回転停止させる状態で回転弁体18を間欠的に回転させる。
このようにガス処理運転において回転弁体18を間欠的に回転させることで、上記の如く給気口23a及び排気口24aの開口幅θs,θrを大きく確保しながらも、1つの分配口22aに対して給気口23aとパージ用口25aとが同時に対向連通することで生じる給気口23aとパージ用口25aとの間でのガスリーク、及び、1つの分配口22aに対して排気口24aとパージ用口25aとが同時に対向連通することで生じる排気口24aとパージ用口25aとの間でのガスリークを防止する。
なお、分配器15の受板21には、分配口22aを1つずつ囲む形態で回転弁体16の弁板20と分配器15の受板21との間をシールするパッキン30を付設してあり、このパッキン30は回転弁体18の回転に伴い弁板20に対して摺接することでシール機能を保持する。
この種の蓄熱式ガス処理装置では、ガス処理運転において各蓄熱室8の室内で被処理ガスG中のヤニ成分が凝結して室内各部(特に予熱前の被処理ガスGが流入する蓄熱材層8aの下部)に付着し、その付着量が次第に増加するため、適時にガス処理運転に代えて、清浄な高温空気を各蓄熱室8に通過させることで、付着した凝結ヤニ成分を蒸散又は乾燥剥離させてあるいは酸化分解して除去するいわゆる空焼き運転を行なう必要があるが、上記制御器29は、この空焼き運転を次の(イ)〜(ホ)の制御動作をもって自動的に実施する構成にしてある。
(イ)塗装ブースや塗装乾燥炉の操業が終了するなどして被処理ガスGの発生が無くなりガス処理運転の終了指令が付与されると、燃焼処理室5におけるバーナ5aの運転を停止してガス処理運転を終了するとともに、それに続いて、燃焼処理室5及び各蓄熱室8における室壁や蓄熱材層8aなどの熱容量部が未だ高温である状態下(即ち、燃焼処理室5
や各蓄熱室8の熱容量部にガス処理運転時からの高温残熱が未だ十分に残る状態下)において空焼き運転を開始する。
なお、5bはバーナ5aに対する燃料供給路、5cはバーナ5bに燃焼用空気OA′を供給する燃焼用ファンであり、空焼き運転では、この燃焼用ファン5cもバーナ5aとともに運転停止する。
(ロ)この空焼き運転では、先ず、回転位置検出手段の検出情報に基づいて、及び/又は、空焼き運転用の所定のモータ運転プログラムに従って、弁体回転用モータ19を制御することで、切換弁装置4において、図10の(a)に示す如く、弁板20における第1及び第2の遮風板部分20a,20bの各々が、隣り合う2つの分配口22aに跨る状態になって、それら2つの分配口22aの夫々が半開となる回転位置(換言すれば、半数の4つの分配口22aが給気口23aに連通し、残りの半数の分配口22aが排気口24aに連通する回転位置)に回転弁体18を回転させ、その回転位置において回転弁体18を設定前半処理時間Taにわたり回転停止状態に保つ。
(ハ)また、ガス導入路10周りのダンパ10a,10bを切り換え操作して、被処理ガスGに代えて外気などの常温の空焼き用清浄空気OAをガス導入路10を通じて切換弁装置4に送る状態に送風系統を切り換える。
つまり、回転弁体18を上記回転位置(図10の(a)に示す位置)で回転停止させた状態において、常温の空焼き用清浄空気OAをガス導入路10を通じて切換弁装置4に送ることにより、図9の(a)に示す如く、8室の蓄熱室8のうち、隣接状態にある半数の4室の蓄熱室8を入口側蓄熱室8iにするとともに、同じく隣接状態にある残りの半数の蓄熱室8を出口側蓄熱室8oとして、それら4室の入口側蓄熱室8iに常温の空焼き用清浄空気OAを流入させる。
これにより、入口側蓄熱室8iに流入した常温の空焼き用清浄空気OAは、それら半数の入口側蓄熱室8iからバーナ5aが運転停止状態にある燃焼処理室5を経て出口側蓄熱室8oを通過する過程で、先のガス処理運転時から各室に残る高温残熱により次第に温度上昇して所要の空焼き温度以上の高温の空焼き用清浄空気OAになり、この高温化した空焼き用清浄空気OAの通過により、空焼き運転前半工程として、先ず出口側蓄熱室8oとした半数の蓄熱室8を空焼き対象蓄熱室として、それら空焼き対象蓄熱室8oの室内(特に、蓄熱材層8aの下部)に付着する凝結ヤニ成分を蒸散又は乾燥剥離させてあるいは酸化分解して除去する。
(ニ)上記の設定前半処理時間Taが経過すると、回転位置検出手段の検出情報に基づいて、及び/又は、空焼き運転用の所定のモータ運転プログラムに従って、弁体回転用モータ19を制御することで、回転弁体18を図10の(b)に示す如く半回転(180度)だけ回転させて、その回転位置において回転弁体18を設定後半処理時間Tbにわたり再び回転停止状態に保つ。
つまり、この半回転により、先の空焼き運転前半工程で入口側蓄熱室8iであった半数の蓄熱室8を出口側蓄熱室8oに切り換えるとともに、先の空焼き運転前半工程で出口側蓄熱室8oとして空焼き処理を終了した残りの半数の蓄熱室8を入口側蓄熱室8に切り換え、これにより、図9の(b)に示す如く、空焼き運転後半工程として、空焼き運転前半工程と同様、高温化した空焼き用清浄空気OAの通過により、出口側蓄熱室8oとした残りの半数の蓄熱室8を空焼き対象蓄熱室として、それら空焼き対象蓄熱室の室内に付着する凝結ヤニ成分を蒸散又は乾燥剥離させてあるいは酸化分解して除去する。
空焼き運転の前半工程及び後半工程のいずれにおいても、空焼き対象蓄熱室としての出口側蓄熱室8oを通過した高温の空焼き用清浄空気OA(即ち、除去したヤニ成分を含む状態になった高温空気)は処理済ガスG′と同様、切換弁装置4からガス送出路11を通じて装置外に送出する。
(ホ)設定後半処理時間Tbの経過により空焼き運転は実質的に終了するが、その後、各蓄熱室8及び燃焼処理室5の熱容量部が所定の低温状態になるまで、冷却運転として常温の清浄空気OAを各蓄熱室8及び燃焼処理室5に通過させる運転を継続し、各蓄熱室8及び燃焼処理室5の熱容量部が所定の低温状態になると常温清浄空気OAの通風を停止して装置の運転を停止し、次のガス処理運転の開始指令を待つ。
上記した空焼き運転の前半工程及び後半工程のいずれにおいても、パージ用口25aは、分配器15における受板21のうち第1遮風板部分20aが跨る2つの分配口22aどうしの間の受板部分に正対して、その受板部分により閉塞(半閉塞状態を含む)されるように配設してあり、これにより、空焼き運転下にある燃焼処理室5において残熱により高温化した空焼き用清浄空気OAがパージ用ガスG″の通気経路を通じて装置外部に持ち出されることを防止して、その持ち出しによる熱ロスを回避する。
なお、ガス処理運転では例えば一回転当たり90秒の平均回転速度Vgで回転弁体18を分配口22aの並設ピッチpずつ間欠的に回転させるのに対し、上記空焼き運転において設定前半処理時間Taは例えば18分程度に設定するとともに、設定後半処理時間Tbは例えば30分程度に設定してある。
換言すれば、残熱を利用する上記空焼き運転では、入口側蓄熱室8iとする蓄熱室及び出口側蓄熱室8o(空焼き対象蓄熱室)とする蓄熱室の夫々を切換弁装置4によりガス処理運転での切り換え周期よりも長い切り換え周期Ta,Tbで切り換えるように、また、残熱量の減少に応じて前半工程の切り換え周期Taよりも後半工程の切り換え周期Tbを長くするようにしてある。
そしてまた、残熱を利用する上記空焼き運転では、切換弁装置4に対する空焼き用清浄空気OAの供給風量を、導入ファン10cのファンモータに対するインバータ制御などにより、ガス処理運転での切換弁装置4に対する被処理ガスGの供給風量より小風量(例えば1/4風量)に制限してあり、この風量制限により、残熱による空焼き用清浄空気OAの昇温を効率化する。
参考例
上記実施形態では、残熱利用の空焼き運転を前半工程と回転弁体18を半回転させた状態での後半工程とに分けて実施する形態を示したが、これに代え、参考例としては、ガス処理運転において例えば一回転当たり90秒の平均回転速度Vgで回転弁体18を間欠的に回転させるのに対し、残熱利用の空焼き運転では、回転弁体18をガス処理運転時の平均回転速度Vgよりかなり低速の設定空焼き回転速度Vk(例えば、一回転当たり670秒)で、分配口22aの並設ピッチpずつ間欠的に回転(ないしは連続的に回転)させる。
具体的には図12に示す如く、ガス処理運転の終了に続き、燃焼処理室8及び各蓄熱室8の熱容量部にガス処理運転時からの高温残熱が十分に残存する状態において空焼き運転を行なうのに、制御器29は、弁体回転用モータ19の制御により、上記の如く回転弁体18を低速の設定空焼き回転速度Vkで回転させながら、常温の空焼き用清浄空気OAをガス導入路10を通じ切換弁装置4に送る。
このことにより、入口側蓄熱室8iとする蓄熱室、パージ対象蓄熱室pとする蓄熱室、出口側蓄熱室8oとする蓄熱室、遮風蓄熱室8sとする蓄熱室の4種の蓄熱室8i,8p,8o,8sを8室の蓄熱室8のうちで順次にかつガス処理運転時よりも長い切り換え周期で切り換えながら、空焼き用清浄空気OAを入口側蓄熱室8i−バーナ5aが運転停止状態にある燃焼処理室5−空焼き対象蓄熱室としての出口側蓄熱室8oの順に通過させ、この通過過程で空焼き用清浄空気OAを残熱により昇温させて所要の空焼き温度以上に高温化することで、空焼き対象室としての出口側蓄熱室8oを空焼き処理する。
そして、回転弁体18の回転に伴い8室の蓄熱室8を順次に空焼き対象蓄熱室としての出口側蓄熱室8oにすることで、それら8室の蓄熱室8を順次、残熱を利用して空焼き処理する。
設定空焼き回転速度Vk(換言すれば、空焼き運転時の切り換え周期)、並びに、空焼き用清浄空気OAの供給風量は、1つの蓄熱室8が出口側蓄熱室8o(空焼き対象蓄熱室)となっている間に、その蓄熱室8における空焼き用清浄空気出口側部分の温度tが設定空焼き完了温度まで上昇するように、試運転結果などに基づいて設定してある。
また、各蓄熱室8には、空焼き用清浄空気出口側部分の温度tを計測する温度計測手段として温度センサ31を装備してあり、制御器29は、空焼き運転の開始後、全ての蓄熱室8の温度センサ31が設定空焼き完了温度以上の計測履歴を持つ状態になると、空焼き運転を終了し、その後、所定の冷却運転を経て装置の運転を停止する。
その他の参考例
上記の実施形態及び参考例では、いずれも一部の蓄熱室8ごとに空焼き処理する例を示したが、これに代え、その他の参考例としては、全ての蓄熱室8を同時に空焼き処理することが考えられる。
具体的には、切換弁装置4は、図13に示す如く、全ての蓄熱室8を弁板20における排気口24aを通じてガス送出路11に連通させる一括空焼き用切換状態への切り換えが可能な構成してあり、ガス処理運転の終了に続き、燃焼処理室8及び各蓄熱室8の熱容量部にガス処理運転時からの高温残熱が十分に残存する状態において空焼き運転を行なうのに、制御器29は、先ず、切換弁装置4をこの一括空焼き用切換状態に切り換えるとともに、ガス導入路10周りのダンパ10a,10bを閉じてガス導入路10を閉塞する。
そして、この状態で、制御器29は、バーナ5aの運転は停止した状態で燃焼用ファン5cを運転し、この燃焼用ファン5cの運転により燃焼用空気OA′を常温の空焼き用清浄空気として燃焼処理室5に導入する。
即ち、燃焼用ファン5cの運転により燃焼用空気を常温の空焼き用清浄空気OA′として燃焼処理室5に導入することで、その空焼き用清浄空気OA′をバーナ5aが運転停止状態にある燃焼処理室5を通じて全ての蓄熱室8に通過させ、この通過過程で空焼き用清浄空気OA′を残熱により昇温させて所要の空焼き温度以上に高温化することで、全ての蓄熱室8を空焼き対象蓄熱室として、それら全ての蓄熱室8を同時に一括して空焼き処理する。
なお、切換弁装置4を一括空焼き用切換状態にするには、回転弁体18の弁板20を分配器15の受板21から遠ざかる側に変位させて、弁板20と受板21との間でのパッキン30によるシールを解除することで、ダンパ10a,10bの閉じ状態下で全ての蓄熱室8を弁板20における排気口24a−回転弁体18内の排気室24−回転弁体18の流出口27−気室器17の内部空間17aを通じてガス送出路11に連通させる構造にしてあるが、他の構造を採用してもよい。
〔別実施形態〕
上述の実施形態及び各参考例では、8室の蓄熱室8を横一列に並べて配置する例を示したが、本発明の実施において蓄熱室8の室数は8室に限らず、4室以上であれば何室であってもよく、また、その配置も横一列に限らず平面視で複数行×複数列に配置してもよい。
また、上述の実施形態及び各参考例では、切換弁装置4を、回転弁体18が横向き軸芯周りで回転する姿勢にして配置する例を示したが、これに代え、切換弁装置4を回転弁体18が縦向き軸芯周りで回転する姿勢にして配置してもよい。
上述の実施形態及び各参考例では、分配口22aを形成する受板21は固定にして、給気口23,排気口24,パージ用口25aを形成した弁板20を回転させる例を示したが、逆に弁板20を固定として受板21の方を回転させてもよく、また、両者を逆向きに回転させるなどしてもよい。
さらに、切換弁装置4は、弁板20と受板21とを相対回転させる回転形式のものに限らず、各蓄熱室8の燃焼処理室5とは反対側の端部をガス導入路10とガス送出路11とパージ用ガス路28とに対して各別に開閉するポペット弁や開閉ダンパにより構成したものなど、各種切り換え方式のものを採用することができる。
前述の実施形態では、残熱を利用する空焼き運転の前半工程の開始からTa時間が経過した時点で後半工程に切り換え、また、後半工程の開始からTb時間が経過した時点で空焼き運転を終了する例を示したが、これに代え、さらに他の参考例として、制御器29を、前半工程の開始後、空焼き対象蓄熱室である出口側蓄熱室8oにおける空焼き用清浄ガス出口側部分の計測温度t又は空焼き対象蓄熱室である出口側蓄熱室8oから送出される空焼き用清浄ガスOAの計測温度tが設定空焼き完了温度に達したとき、又は、その計測温度tが設定空焼き完了温度以上となる状態が所定時間にわたって継続したとき、後半工程に切り換え、そして、後半工程の開始後、出口側蓄熱室8oにおける空焼き用清浄ガス出口側部分の計測温度t又は空焼き対象蓄熱室である出口側蓄熱室8oから送出される空焼き用清浄ガスOAの計測温度tが設定空焼き完了温度に達したとき、又は、その計測温度tが設定空焼き完了温度以上となる状態が所定時間にわたって継続したとき、後半工程を実質的に終了する構成にしてもよい。
また、前述の参考例では、残熱を利用する空焼き運転においても回転弁体18を設定空焼き回転速度Vkで回転させる例を示したが、これに代え、更に他の参考例として、制御器29を、空焼き対象蓄熱室である出口側蓄熱室8oにおける空焼き用清浄ガス出口側部分の計測温度t又は空焼き対象蓄熱室である出口側蓄熱室8oから送出される空焼き用清浄ガスOAの計測温度tが設定空焼き完了温度に達したとき、又は、その計測温度tが設定空焼き完了温度以上となる状態が所定時間にわたって継続したとき、空焼き対象蓄熱室とする出口側蓄熱室8oを未だ空焼き処理を行っていない次の蓄熱室8に切り換えるように切換弁装置4を制御する構成にしてもよい。
さらに、残熱を利用する空焼き運転において、空焼き対象蓄熱室における空焼き用清浄ガス出口側部分の計測温度、又は、空焼き対象蓄熱室から送出される高温空焼き用清浄ガスOAの計測温度に応じて、空焼き用清浄ガスOAの供給風量や切換弁装置4による切り換え周期(例えば回転弁体18の回転速度)を調整するようにしてもよい。
本発明の実施において、被処理ガスGは塗装ブースや塗装乾燥炉からの排出空気に限らず、燃焼により処理し得るものであれば、どのようなガスであってもよく、また、空焼き用清浄ガスOAについても外気に限らず、施設内空気やその他の清浄ガスなど種々のガスを使用することができる。
本発明による蓄熱式ガス処理装置の運転方法は、空焼きが必要な蓄熱式ガス処理装置であれば、各種分野において種々のガス処理に使用する蓄熱式ガス処理装置に利用することができる。
5a 燃焼用加熱器
5 燃焼処理室
8 蓄熱室
8a 蓄熱材層
9 切換弁装置
8i 入口側蓄熱室
8o 出口側蓄熱室,空焼き対象蓄熱室
10 ガス導入路
G 被処理ガス
G′ 処理済ガス
11 ガス送出路
OA,OA′ 空焼き用清浄ガス
Ta,Tb 切り換え周期
t 計測温度
20 弁板
18 回転弁体
21 受板
15 分配器
22 分配室
22a 分配口
p 並設ピッチ
23 給気室
28 パージ用ガス路
25 パージ用室
24 排気室
20a,20b 第1,第2遮風板部分
25a パージ用口
23a 給気口
24a 排気口
29 制御手段
31 温度計測手段

Claims (5)

  1. 燃焼用加熱器を備える燃焼処理室に一端を連通させた4室以上の蓄熱室の夫々に通気性の蓄熱材層を配備するとともに、これら蓄熱室夫々の他端を切換弁装置に接続しておき、
    4室以上の前記蓄熱室のうちの一部の蓄熱室を入口側蓄熱室とし、かつ、他の一部の蓄熱室を出口側蓄熱室とした状態で、ガス導入路から送られる被処理ガスを入口側蓄熱室を通じ前記燃焼処理室に導いて前記燃焼用加熱器の運転下で処理するとともに、それに伴い前記燃焼処理室から出口側蓄熱室を通じて排出される処理済ガスをガス送出路に導くガス処理運転において、
    前記切換弁装置により、入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を4室以上の前記蓄熱室のうちで順次に切り換える蓄熱式ガス処理装置の運転方法であって、
    前記ガス処理運転の終了に続き、前記燃焼用加熱器の運転を停止した状態で、かつ、ガス処理運転時からの高温残熱が前記燃焼処理室及び前記蓄熱室の熱容量部に残存する状態で、4室以上の前記蓄熱室のうちの一部の蓄熱室を空焼き対象蓄熱室として、それら空焼き対象蓄熱室を前記切換弁装置を通じて前記ガス送出路に連通させ、
    この状態で、空焼き運転として、被処理ガスに代え常温の空焼き用清浄ガスを前記燃焼処理室を通じ空焼き対象蓄熱室に通過させて、その通過過程で前記残熱により空焼き用清浄ガスを所要の空焼き温度以上に昇温させることで、空焼き対象蓄熱室を空焼き処理するとともに、それに伴い、空焼き対象蓄熱室を通過した使用済み高温の空焼き用清浄ガスを前記ガス送出路を通じて装置外部に送出し、
    前記ガス処理運転では、被処理ガスを前記ガス導入路を通じ前記切換弁装置に送って、その被処理ガスを入口側蓄熱室−前記燃焼用加熱器が運転状態にある前記燃焼処理室−出口側蓄熱室の順に通過させるのに対し、
    入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置により所定の切り換え周期で順次に切り換え、
    前記空焼き運転では、被処理ガスに代え常温の空焼き用清浄ガスを前記ガス導入路を通じ前記切換弁装置に送って、その空焼き用清浄ガスを入口側蓄熱室−前記燃焼用加熱器が運転停止状態にある前記燃焼処理室−空焼き対象蓄熱室とする出口側蓄熱室の順に通過させるのに対し、
    入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置によりガス処理運転での切り換え周期よりも長い切り換え周期で、かつ、前記残熱の量の減少に応じて切り換え周期を次第に大きくして切り換える蓄熱式ガス処理装置の運転方法。
  2. 前記切換弁装置は、弁板を備える回転弁体と受板を備える分配器とを有して、前記弁板を前記受板に近接対向させた状態で前記回転弁体と前記分配器とを相対回転させる構成にし、
    前記分配器には、前記蓄熱室夫々の他端に対して各別に常時連通する複数の分配室を前記相対回転の回転軸芯周りに並べて区画形成し、
    前記分配器における前記受板には、前記分配室を前記受板において各別に開口させる分配口を前記相対回転の回転軸芯周りで等ピッチに並べて形成し、
    前記回転弁体には、前記ガス導入路に常時連通する給気室と、パージ用ガス路に常時連通するパージ用室と、前記ガス送出路に常時連通する排気室とを前記相対回転の回転軸芯周りに並べて区画形成し、
    前記回転弁体における前記弁板には、隣り合わない2つの前記分配口に対し前記相対回転において同時にかつ各別に正対する第1及び第2の遮風板部分を形成し、
    これら第1及び第2遮風板部分のうち第1遮風板部分には、前記パージ用室を前記弁板において開口させるパージ用口を形成し、
    前記第1及び第2遮風板部分どうしの間の弁板部分のうち、前記相対回転において前記第1遮風板部分よりも先行する先行側の弁板部分には、前記給気室を前記弁板において開口させる給気口を形成し、
    前記相対回転において前記第1遮風板部分よりも後行する後行側の弁板部分には、前記排気室を前記弁板において開口させる排気口を形成し、
    前記弁板における前記第1及び第2遮風板部分と前記給気口と前記排気口との相対的な配置関係を、前記第1及び第2遮風板部分の各々が1つの前記分配口に正対した状態において、その正対分配口に隣接する2つの前記分配口のうちの一方の分配口が前記給気口に対して全開になり、かつ、他方の分配口が前記排気口に対して全開になる配置関係にしておき、
    前記ガス処理運転では、被処理ガスを前記ガス導入路を通じて前記切換弁装置に送るのに対し、
    前記第1及び第2遮風板部分の各々が1つの前記分配口に正対する回転位置を間欠回転における各回の停止位置とした状態で、前記回転弁体と前記分配器とを前記分配口の並設ピッチずつ間欠的に相対回転させ、
    前記空焼き運転では、被処理ガスに代え常温の空焼き用清浄ガスを前記ガス導入路を通じて前記切換弁装置に送るのに対し、
    その空焼き運転の前半工程では、前記第1及び第2遮風板部分の各々が隣り合う2つの前記分配口に跨る状態になって前記分配口の半数が前記給気口に連通し、かつ、前記分配口の他の半数が前記排気口に連通する回転位置において前記相対回転を停止させた状態に保ち、
    その後、その空焼き運転の後半工程では、前記回転弁体と前記分配器とを空焼き運転前半工程における回転停止位置から180度だけ相対回転させて停止させた状態に保つ請求項1に記載した蓄熱式ガス処理装置の運転方法。
  3. 前記空焼き運転での空焼き用清浄ガスの供給風量を、前記ガス処理運転での被処理ガスの供給風量より小風量に制限する請求項1又は2に記載した蓄熱式ガス処理装置の運転方法。
  4. 前記空焼き運転では、空焼き対象蓄熱室における空焼き用清浄ガス出口側部分の温度又は空焼き対象蓄熱室から送出される空焼き用清浄ガスの温度を計測し、
    その計測温度に応じて、空焼き用清浄ガスの供給風量を調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載した蓄熱式ガス処理装置の運転方法。
  5. 燃焼用加熱器を備える燃焼処理室に一端を連通させた4室以上の蓄熱室の夫々に通気性の蓄熱材層を配備するとともに、これら蓄熱室夫々の他端を切換弁装置に接続し、
    4室以上の前記蓄熱室のうちの一部の蓄熱室を入口側蓄熱室とし、かつ、他の一部の蓄 熱室を出口側蓄熱室とした状態で、ガス導入路から送られる被処理ガスを入口側蓄熱室を通じ前記燃焼処理室に導いて前記燃焼用加熱器の運転下で処理するとともに、それに伴い前記燃焼処理室から出口側蓄熱室を通じて排出される処理済ガスをガス送出路に導くガス処理運転において、
    前記切換弁装置により、入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を4室以上の前記蓄熱室のうちで順次に切り換え、
    このガス処理運転の終了に続き、前記燃焼用加熱器の運転を停止した状態で、かつ、ガス処理運転時からの高温残熱が前記燃焼処理室及び前記蓄熱室の熱容量部に残存する状態で、
    空焼き運転として、被処理ガスに代え常温の空焼き用清浄ガスを前記ガス導入路を通じ前記切換弁装置に送って、その空焼き用清浄ガスを入口側蓄熱室−前記燃焼用加熱器が運転停止状態にある前記燃焼処理室−空焼き対象蓄熱室とする出口側蓄熱室の順に通過させて、その通過過程で前記残熱により空焼き用清浄ガスを所要の空焼き温度以上に昇温させることで、空焼き対象蓄熱室としての出口側蓄熱室を空焼き処理する蓄熱式ガス処理装置であって、
    前記切換弁装置を制御する制御手段を設け、
    この制御手段は、
    前記ガス処理運転では、入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置により所定の切り換え周期で順次に切り換え、
    前記空焼き運転では、入口側蓄熱室とする蓄熱室及び出口側蓄熱室とする蓄熱室の夫々を前記切換弁装置によりガス処理運転での切り換え周期よりも長い切り換え周期で、かつ、前記残熱の量の減少に応じて切り換え周期を次第に大きくして切り換える構成にしてある請求項1記載の運転方法を実施する蓄熱式ガス処理装置。
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