JP5937010B2 - 運搬機構を備えた案内構造体 - Google Patents

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Description

請求項1の前提部分に記載した製品を搬送するために動きを案内するための案内構造体。本発明はさらに、請求項17の前提部分に記載した、案内構造体で使用するための運搬機構に関する。本発明はさらに、印刷製品と運搬に向いている他の製品を搬送するための運搬機構を備えた案内構造体の相互依存の使用に関する。
適当な案内構造体によって好ましくは無端循環する搬送に沿って案内される搬送チェーンを備えた搬送装置は、例えば差込み機、宛て名印刷機、のり付け機等のような個々の加工ステーションの間で印刷製品を運搬するために使用される。その際、印刷製品は通常は、チェーンリンクに取付けられたグリッパ又はクランプによって保持され、場合によっては加工ステーションでグリッパから解放される。連続運転を保証するために、搬送チェーンは一般的に、案内構造体によって決まる搬送路に沿って無端循環する。搬送路は一般的に、真っ直ぐな区間と弧状区間を備えている。この弧状区間は水平平面内、垂直平面内あるいは上方又は下方へ傾斜した平面内に配置可能である。同様に、案内構造体は真っ直ぐな案内要素と弧状の案内要素を備えていなければならない。この弧状の案内要素によって、搬送路の弧が決まる。
搬送路は100m又はそれ以上の長さにわたって延在し、その際製品室全体を水平方向及び垂直方向に通過することができる。したがって、搬送路を決定する働きをする案内構造体は一体に製作することができず、適当な連結構造体によって互いに連結される個々の案内要素から構成しなければならない。
同様な案内構造体は、例えば特許文献1〜5に記載されている。公知の案内構造体を組み立てる際に、個々の案内要素は、一般的に端面側が集合させられ、案内要素の端壁に係合する締め付け装置によって互いに固定連結される。この締め付け装置は、更に、ねじ込みボルト等の形をした連結要素を介して互いに連結される。
案内構造体と搬送チェーンを有する搬送装置の運転時の騒音と摩耗を小さくするために、案内構造体の組み立ての際に、搬送チェーンの運動を案内する働きをする案内要素の案内面が面一で及び段差なしに互いに接続するように留意しなければならない。多くの場合、案内要素間の接続部に対するこの要求は、例えば研削加工のような、この接続部の後加工を必要とする。しかも、若干のケースでは、このような付加的な加工の後でも、案内構造体に沿った搬送チェーンの回転の騒音が大である。
国際公開第99/33731号 欧州特許出願公開第1029815号明細書 国際公開第99/33722号 国際公開第99/33732号 国際公開第99/33730号 スイス国特許出願公開第588647号明細書 スイス国特許出願公開第646762号明細書 スイス国特許出願公開第656683号明細書 スイス国特許第593187号明細書 米国特許第4,638,906号明細書 欧州特許出願公開第1832532号明細書 欧州特許出願公開第1557387号明細書 欧州特許出願公開第0540866号明細書
従来技術のこの問題に鑑みて、本発明の根底をなす課題は、騒音と摩耗の小さな運転を保証すると共に簡単に組み立て可能である、印刷製品を搬送するように設計された搬送チェーンの運動を案内するための案内構造体と、このような案内構造体を備えた搬送装置を提供することである。
そこで、本発明は対策を講じる。特許請求の範囲に記載した特徴を有する本発明の根底をなす課題は、従来技術に係る構造体の欠点を除去することできる案内構造体を提供することにある。さらに、本発明の課題は、従来技術に係る運搬機構によって容易に運転可能である案内構造体を提供することにもある。したがって、本発明に係る案内構造体は、課題に従って、特別な形式の運搬機構のためにのみ設計されたものではない。本発明の他の課題は、騒音と摩耗の小さな運転を保証することにある。
したがって、本発明に係る案内構造体の場合には、搬送路に対して横方向、特にほぼ垂直に延在する個々の案内要素の端面に、連結要素が固定され、この連結要素は続いて、かみ合い連結的な係合によって正しい位置で相互連結可能である。その際、案内要素における連結要素の固定が工場で行われるので、案内要素と連結要素とからなる構造グループは、ほぼ真っ直ぐに延在する案内要素、弧状に延在する案内要素及び連結要素のような標準構造要素の場合には、予め組み立て可能である。予め工場で組み立てる際に、案内要素から連結要素への滑らかな移行が保証される。このようにして予め組み立てられた構造グループは組み立て現場において、互いに向き合った連結要素の端面側の接触面の領域で、すなわち同様に搬送路に対してほぼ垂直に延在する連結要素の接触面の領域で、互いにかみ合い連結可能である。案内要素とは反対向きの接触面のかみ合い連結により、予め組み立てた構造グループ相互のセルフセンタリングが行われ、このセルフセンタリングにより、搬送チェーンを案内する働きをする個々の構造グループの案内面の間の滑らかな移行が保証される。その際、本発明の範囲内では特に、案内要素と連結要素を準備することによってコストがかかるが、それによって組み立て現場での組み立てが簡単になるので、このコスト増を甘受できることが認められる。というのは、この組み立て簡単化が組み立て時間の大幅な短縮をもたらすからである。この組み立て時間の短縮は工場での構造グループの予備組み立てでも相殺されない。
案内要素に固定された連結要素の互いに向き合った端面側の接触面のかみ合い連結は、一方の接触面が少なくとも1つの突起を備え、他方の接触面がこの突起をかみ合い連結的に収容する、突起に対して相補的に形成された少なくとも1つの凹部及び/又は切欠きを備えていることによって達成可能である。その際、連結要素は一般的に、案内要素の方に向いたほぼ平らな画成面と、この平らな画成面に対してほぼ平行に延びる接触面を備えている。この場合、接触面の突起は搬送路に沿って、案内要素の方に向いた画成面とは反対方向に延在している。一方、凹部は案内要素の方に向いた画成面の方へ延在している。
任意の案内構造体を製作するために必要な部品の数を減らす観点から、各接触面が少なくとも1つの突起と少なくとも1つの凹部を備え、それによって互いに向き合った同じ形の2つの接触面の領域でかみ合い連結を行うことができると合目的であることが分かった。その際、接触面の突起と凹部は搬送路に対して垂直に延在する直線に関して好ましくは鏡像対称的に形成されている。
連結要素又はこの連結要素を使用して予め組み立てられる構造グループの所望なセルフセンタリング式かみ合い連結の観点から、搬送方向に対して垂直に延在する切断面内の突起が、隣接する接触面又は凹部の方へ先細になっている横断面を有すると合目的であることが分かった。この場合、突起を収容するための凹部は対応する先細の横断面を有することができる。
連結要素のかみ合い連結的な係合により、一般的に、搬送方向に対して横に延びる方向への、連結要素の係合によって作られた構造グループの相互の並進的なずれだけでなく、搬送方向に対して平行に延びる傾動軸線回りのこの構造グループの傾動が防止される。これに関連して、少なくとも1つの突起と、それに対して相補的に形成された凹部が、搬送方向に対して垂直に延びる切断面内に、搬送方向に対して平行に延びる回転軸線回りの回転運動に逆らうように作用する横断面を有すると合目的である。すなわち、この横断面が円板形状又はリング形状とは異なっていると合目的である。
少なくとも1つの接触面が2つ、3つ又はそれ以上の突起を備え、この突起が組み立て状態で、それに対応して相補的に形成された、他の接触面の凹部又は切欠きにかみ合い連結的に収容されていると、組み立て精度を改善することができる。
連結要素の接触面のかみ合い連結によって、十分に安定した案内構造体を作ることができるが、本発明による案内構造体の運転信頼性の観点から、連結構造体が接触面の領域において連結要素を連結する働きをする、好ましくは外部からアクセス可能な固定構造体を備え、この固定構造体によって連結要素のかみ合い連結が保証可能であることが重要であることが分かった。
このような固定構造体は、搬送路に対して平行に延在し、連結要素を通過しそして外部からアクセス可能なナットのような、好ましくは隣接する連結要素に挿入されたねじに収容される固定ボルト、特にねじ込みボルトの形態できわめて簡単に実現可能である。案内構造体の領域における突出した部分を回避する観点から、固定ボルトが案内要素の外側画成面内に形成された、搬送路に沿って延びる溝状の凹部に収容されていると合目的であることが分かった。この凹部内で、例えば六角棒スパナがボルト頭にアクセス可能である。ナットは、回転しないように保持されて、連結要素内の対応する収容部に収容可能である。
上記の固定構造体の場合、固定ボルトは溝状の凹部内で搬送路の方向にナットにねじ込まなれけばならない。これは組み立て時に問題になり得る。若干のケースでは、かみ合い連結を確実にするために役立つ固定構造体が、連結要素の外側で露出する連結頭を有する2本の固定ボルトを備え、この固定ボルトが組み立て状態で接触面が互いに接触する隣接する連結要素に挿入可能で、連結要素内で錠止可能であり、そして搬送路に対して横方向に、特に垂直に延在し、かつ特に好ましくは互いに平行に延在し、固定ボルトが両連結要素に対して錠止可能な錠止要素を介して互いに連結されていると、組み立て技術的に望ましいことが分かった。この固定構造体の場合、固定ボルトは連結要素の対応する凹部に挿入される。この場合、連結要素の対応する凹部内での固定ボルトの錠止は、スナップ継手によって行うことができる。これによれば、連結要素のかみ合い連結を保証するために、錠止要素は連結要素の外側で露出する固定ボルトの領域に嵌合される。全体として、上記の固定構造体はシャックル型チェーンジョイントのように形成されている。この場合、案内構造体の突出する部分を回避するために、錠止要素を含むすべての構成部材は固定要素の外側画成面の中に沈めて配置可能である。
上記の組み立ての際、搬送方向に対して平行な方向に、錠止要素を嵌合させる必要がある。代替的な組み立て形式の場合、固定ボルトは先ず最初に、例えばU字形シャックルのように形成された錠止要素を介して互いに連結可能であり、その後連結要素の収容部内に挿入可能である。これは組み立て条件が悪い場合に有利である。
連結要素のかみ合い連結部の十分な横方向強度を提供するために、少なくとも1個の突起が搬送路に対して垂直に延びる切断面内で角度をなした横断面を有し、この場合互いに垂直な方向においてきわめて大きな横方向強度を提供するために、その際に存在する突起の脚部が互いに直角をなすようにすると合目的であることが分かった。
本発明の特に有利な実施形の場合には、案内構造体の案内要素が搬送路に沿って搬送機構を案内する働きだけでなく、汚れや機械的な負荷に対して搬送機構を保護する働きをする。この場合、案内要素と連結要素は、搬送路に沿って延在し、搬送機構を収容するように設計されそして片側が開放した案内通路を画成する。本発明のこの実施形の場合、案内要素と連結要素は搬送路に対して垂直に延在する切断面内でほぼC字状に形成されている。この場合、搬送路に沿って連続して延びる案内通路の開口は、印刷製品を掴むためのクランプ又はグリッパのような、搬送機構に固定された機能装置を通過させる働きをする。
汚染物堆積を促進し、操作人の負傷の危険及び搬送路に沿って運搬される印刷製品の損傷の危険を生じる、案内構造体の領域内の突出部を回避するために、案内要素と連結要素が搬送路に対して垂直に延びる切断面内でほぼ同じ横断面積を有し、そして連結要素を用いて案内要素を連結した後で、搬送路に対して平行に延びる、案内要素と連結要素の外側の画成面が互いに一直線上に並ぶと合目的であることが分かった。
印刷製品を搬送するために、個々の加工ステーションに沿って印刷製品を搬送する働きをする搬送装置を運転する際に、加工ステーションにおける印刷製品の最適な加工を保証するために、印刷製品の正確な位置決めを保証しなければならない。印刷製品用搬送装置に対するこの特別な要求の見地から、本発明の他の観点では、搬送路に沿って延在し、搬送チェーンを収容するように設計されそして片側が開放した案内通路を画成する多数の案内要素を備えている、印刷製品を搬送するように設計された、或る数の運搬機構からなる搬送機構の動きを、好ましくは無端循環する搬送路に沿って案内するための案内構造体が提供され、この案内構造体は実質的に、運搬機構の個々のチェーンリンクに配置された4個以上の案内装置、特に案内ローラと協働する4つ以上の案内面が、案内通路内において各案内要素に配置され、この案内面が搬送路に沿って延在していることを特徴とする。チェーンリンクが4個以上の案内装置を有する搬送チェーン用の案内構造体を備えた本発明のこの観点に従い、案内構造体に対する運搬機構の傾きのきわめて確実な回避を補助するために、個々のすべての案内装置に、固有の案内面が供される。もちろん、対応形成された案内要素も、上記の連結要素によって、互いにかみ合い連結可能である。したがって、同時に過大の組み立てコストを回避しつつ、傾きをきわめて確実に防止する運搬機構の案内が提供される。
案内構造体に対する運搬機構の傾きの回避に関して、案内要素の第2案内面が、それに接触する運搬機構の第2案内装置と協働する運搬機構の揺動運動に逆らうように作用して、第1案内面に対して横方向、特にほぼ垂直に延在し、この運搬機構の揺動運動が、それに接触する第1案内装置によって搬送路に対して平行に及び第1案内面に対して平行に延びる揺動軸線に関して、第1揺動方向に行われることが重要であることがわかった。したがって、第1と第2案内面が好ましくは互いに直角をなす平面内に配置されているので、運搬機構の対応する案内装置のために、互いに横方向、特にほぼ垂直に延びる2つの支持方向に、支持面が提供される。
案内構造体の傾動防止の更なる改善は、好ましくは第2案内面に対してほぼ平行に延びる第3案内面が、それに接触する運搬機構の第3案内装置と協働して、揺動軸線に関する第1揺動方向への揺動運動に逆らうように作用することによって達成可能である。その際、第3案内面は遊びのない運搬機構の案内を提供するために、それに対して垂直な方向において、第2案内面から次のように離隔されていると合目的である。すなわち、運搬機構が、第2案内面に接触する第2案内装置及び第3案内面に接触する第3案内装置によって、第2及び/又は第3案内面に対して垂直に延びる方向に関して遊びを生じることなく、これらの案内面の間で案内されるように離隔されていると合目的である。好ましくは互いにほぼ平行に延びる2つの案内面を提供することにより、設定されたローラ軸線に関連して回転可能である案内ローラの形をした案内装置を使用して、遊びがなく、同時に摩擦のない案内が達成可能である。その際、第2案内ローラは第1案内面に対して垂直に延びる方向に、第3案内ローラから離隔可能である。上述の3つの案内面は、揺動軸線に関する運搬機構の傾動運動に対して、第1揺動方向で逆らうように作用する。4つの案内面がそれに接触する運搬機構の第4案内装置と協働して、第1揺動方向と反対向きの第2揺動方向の、揺動軸線に関する運搬機構の揺動運動に逆らうように作用し、かつ第2案内面に対して横向き、特にほぼ垂直に及び第1案内面に対して好ましくはほぼ平行に延びていると、搬送路に沿った運搬機構のきわめて正確な案内が達成可能である。それによって、搬送路に対して平行に延びる揺動軸線又は傾動軸線に関する運搬機構の揺動又は傾動に対して完全に逆らうように作用する。
案内構造体内での運搬機構の遊びのない案内のために、第4案内面がそれに対して垂直な方向において第1案内面から次のように離隔されている、すなわち運搬機構が第4案内面に接触する第4案内装置と、第1案内面に接触する第1案内装置によって、第1及び/又は第4案内面に対して垂直な方向に関して遊びなく案内されるように離隔されている重要であることが分かった。したがってここでも、案内ローラの形をした案内装置を使用して、案内面における案内ローラの滑り摩擦を回避しながら、第1と第4の案内面に対して垂直な方向における摺動時の遊びのない案内が可能となる。この場合、第2案内面に対して垂直な方向において第1案内面を第4案内面から離隔することができる。
搬送路に対して垂直に延びる切断面内において本発明に係る案内構造体をきわめて簡単な構造にするために、搬送路に対して垂直に延びる切断面の切断線が、案内面と共に、案内通路内に記入される四角形、特に長方形、とりわけ正方形を画成する直線上に位置することが重要であることが分かった。もちろん、他の横断面、例えば湾曲部を有する横断面を
用いることができる。
案内面の上述の構造は、案内路の真っ直ぐ延びる区間の領域においてきわめて重要である。というのは、この領域において、上記の4つの案内面によって、傾動を防止した、遊びのない運搬機構の案内が達成可能であるからである。搬送路の弧状区間の領域では、弧状領域内で発生する、運搬機構又は運搬機構に配置された案内要素の脱線が、過大な摩耗を生じないことに留意すべきである。これに関連して、運搬機構の案内装置が案内装置の案内面の間で小さな遊びをもって案内されていると合目的である。第1案内面に対して間隔をおいてほぼ平行に延びそして好ましくは第4案内面に対してほぼ同一平面上にある第5案内面、第2案内面に対して間隔をおいてほぼ平行に延びそして好ましくは第3案内面に対してほぼ同一平面上にある第6案内面、第3案内面に対して間隔をおいてほぼ平行に延びそして好ましくは第2案内面に対してほぼ同一平面上にある第7案内面及び/又は第4案内面に対して間隔をおいてほぼ平行に延びそして好ましくは第1案内面に対してほぼ同一平面上にある第8案内面が案内通路内に形成されると、このような案内が保証される。
案内構造体内における全部で8つの案内面のこの配置の場合、運搬機構の第1案内ローラを第1案内面と第5案内面の間に、運搬機構の第2案内ローラを第2案内面と第6案内面の間に、運搬機構の第3案内ローラを第3案内面と第7案内面の間に、そして運搬機構の第4案内ローラを第4案内面と第8案内面の間に配置することができる。この場合、脱線によって生じる摩耗を最小限に抑えるために、全ての案内ローラを案内面の間に小さな遊びをもって配置することができる。
案内構造体の搬送路に沿って運搬機構を小さな騒音及び摩耗で案内するために、連結要素の案内面が案内要素の案内面に付設され、案内要素の案内面が連結要素の案内面に移行していることが重要であることが分かった。連結要素のこの案内面は少なくとも一部が連結要素の凹部内に取り外し可能に固定可能なアダプタ要素によって形成可能である。アダプタ要素は同時に、連結要素のかみ合い連結に寄与する連結要素の突起を形成することができる。
この場合、接触面の領域で互いに接触する連結要素に挿入された2個のアダプタ要素の案内面が、接触面に対して平行で搬送路に対して垂直な方向に並べて配置されているときわめて有利であることが分かった。それによって、隣接する2個のアダプタ要素によって、共通の1つの案内面区間が形成される。アダプタ要素の並べられた案内面が並べて配置された案内面によって形成された案内面区間内に窪みを形成し、互いに鈍角をなすように、アダプタ要素の案内面が逆向きに面取りされているか又は搬送方向に斜めに切断されていると、上記案内面区間おいて、製作誤差に対する厳しい要求を回避しつつ、運搬機構の騒音の小さな運動が保証される。運搬機構がジャンプしないで案内されるようにするために、アダプタ要素の面取りされた案内面上を転動する案内ローラは、逆向きに面取りされた他のアダプタ要素の案内面上に、段差を回避しつつ小さな摩擦で移行する。
小さな騒音及び/又は小さな摩耗の案内を保証する材料にはしばしば、案内構造体の十分な全体安定性を保証するのに必要な材料とは異なる要求がなされる。従って、少なくとも1つの案内面が案内要素の支持領域に取り外し可能に固定可能な走行面要素によって形成されていることが重要であることが分かった。これに関連して、支持領域が搬送路に沿って延在する、それに対して直角な切断面内でT字状ウェブの形に形成され、走行面要素がT字状ウェブに嵌合可能なC字形プロファイルの形に形成されていることが組み立て技術的に合目的であることが分かった。この場合、連結要素を案内要素に固定した後で、連結要素に固定したアダプタ要素が、走行面要素を支持領域に組み立てた後に搬送路に沿った走行面要素の摺動に逆らうように作用するストッパーを形成すると、このアダプタ要素は二重機能を発揮することができる。この場合、ウェブに嵌合させられた走行面要素は、連結要素の長さの一部にわたって搬送路に沿って延在するウェブ状の支持突起にかぶせることが可能である。
運搬機能の案内機能と運搬機構のための駆動機能を分離するために、案内構造体の案内要素が好ましくは駆動通路を備え、この駆動通路が案内面を有する案内通路の、搬送方向に延びる案内通路の穴とは反対の側に配置され、駆動通路が案内通路の方向において開放可能であり、それによって案内通路と駆動通路の間に、搬送路に沿って延びる開放した切欠きが形成され、この切欠きを通って例えは駆動要素の運動が行われると、合目的であることが分かった。案内通路と駆動通路は、互いに一直線上に並び互いにほぼ平行である側壁によって画成可能であり、この側壁は案内通路の開口とは反対側で、連結壁を介して互いに連結されている。その際、案内通路の開口とは反対側で搬送通路を画成する連結壁は、搬送路に沿って延在しかつ例えば駆動チェーンのような駆動要素を駆動通路に挿入するように設計された駆動開口を備えている。
印刷製品を搬送するための本発明に係る装置は、本発明に係る案内構造体と、この案内構造体に沿って移動可能でありかつ印刷製品を搬送するように設計された運搬機構を備えている。その際、運搬機構は案内構造体の案内通路に収容可能である。
上述したように、搬送装置の搬送機構のチェーンリンクは一般的に無端循環して搬送路に沿って駆動可能である。搬送路に沿ったチェーンリンクの移動可能性を保証するために、チェーンリンクは一般的に、2つの軸線回りに互いに独立して揺動可能に互いに枢着連結しなければならない。搬送区間は100m以上の長さを有し得る。これにより、案内レール構造体とチェーンリンクの組み立ては面倒である。この場合、搬送機構全長にわたって、個々のチェーンリンクの枢着連結を行わなければならない。
本発明対象の良好な理解のために、次の文献について詳細に説明する。
特許文献6に記載された搬送チェーン又は搬送機構の場合には、ジョイントのソケットとジョイントの本体を赤道分割式ボールセグメントとして形成することにより、ボールジョイントを介して互いに連結されるチェーンリンクの組み立てを容易にする。赤道分割式ボールセグメントの思想は特許文献7と特許文献8に記載されている。もちろん、個々のチェーンリンクの間の枢着連結部のこの構造によって、搬送レールにおける搬送チェーンの組み立てが大幅に簡単化されることはない。
特許文献9に係る搬送チェーンの組み立て時に、或る程度の簡単化が行われる。この搬送チェーンの場合、合成樹脂製のチェーンリンクは、その長手方向に対して横方向に向いた揺動軸とハブによって互いに分離可能に連結され、付加的な部品がチェーンリンクの固定要素に分離可能に取付けられている。もちろん、この文献に記載された搬送チェーンの場合にも、案内レール構造体又は案内レールにおけるチェーンリンクの組み立てはかなりの問題を有する。特許文献10に係る搬送チェーンの場合、或る程度の組み立て簡単化が行われる。この搬送チェーンの場合、個々のチェーンリンクは搬送方向に対して平行に延びる回転軸線回りの回転によって互いに分離可能である。もちろん、そのために適当な開口を案内レールに設けなければならない。
特許文献11に記載された搬送チェーンの場合には、軸受ハウジングが2つの軸受ハウジング部分からなり、ボールジョイントを形成するために、この軸受ハウジング部分が球状の軸受本体にかぶさっている。ここでも、赤道面内で軸受本体を分割する思想が記載されている。
特許文献12では、それぞれの印刷製品を掴むための少なくとも2個のクランプ又はグリッパを、搬送チェーンの各チェーンリンクに取付けることにより、低コストの搬送チェーンを提供することが提案されている。
印刷製品を搬送するための公知の搬送チェーンの上記説明から明らかなように、案内レール装置によって設定された搬送路に沿って適当な搬送チェーンを組み立てることは、カーブした搬送路に沿った搬送チェーンの十分な可動性を保証すると同時に、かなりの問題を有する。
本発明の範囲内できわめて有利に使用可能な運搬機構の場合、この問題は公知の搬送チェーンの発展形態によって解決される。この発展形態は実質的に、搬送路に沿って前後して組み立て可能である少なくとも2個のチェーンリンクが、機能構造体を形成するために、互いに固定連結及び分離可能に連結可能であることを特徴とする。個々のチェーンリンクの固定連結は、そうでない場合に必要である、個々のチェーンリンクの間の枢着連結とは無関係に行われ、従って案内レール内でも簡単な組み立て手段によって実現することができる。それによって、この搬送チェーンの組み立ては、案内レール内における、搬送方向に前後して組み立て可能な個々のチェーンリンクの固定連結によって大幅に簡単化される。
そうでない場合に必要である、カーブした搬送路に沿った運搬機構の可動性は、このような搬送チェーンにおいて、機能構造体を形成するために互いに固定連結可能であるチェーンリンクのほかに、搬送路に沿って順々に組み立て可能であるチェーンリンクが、枢着構造体を形成するために互いに枢着連結可能であることによって保証可能である。その際、搬送路に沿って順々に組み立て可能である2個の機能構造体は、枢着構造体を形成しながら、互いに枢着連結可能である。このような搬送チェーンの組み立て時に、或る数の枢着構造体及び/又は機能構造体を備えた搬送チェーン区間が予め組み立てられ、本発明に従って同様に予め組み立てられた構造グループからなる案内レール構造体に挿入可能である。その際、搬送チェーン区間と案内要素を有する構造グループも予め組み立てられる。運搬機構の隣接するチェーンリンクは無端循環する搬送機構の機能構造体を形成しながら、互いに固定連結可能である。それによって全体として、大幅な組み立て簡単化が生じる。というのは、搬送機構の機能の信頼性を保証するために必要な枢着連結が、生産現場で搬送機構又は運搬機構を組み立てる際に既に行われ、組み立て場所での組み立て中に個々のチェーンリンクの固定連結を行うだけでよいからである。
チェーンリンクに要求される、駆動機能や案内機能のようないろいろな機能のために、2つのチェーンリンクの固定連結によって形成される機能構造体が、第1機能部材として形成されたチェーンリンクと、それとは異なる、第2機能部材として形成されたチェーンリンクを備えていると有利であることが分かった。というのは、個々の機能を個々のチェーンリンクに割り当てることができるからである。これは全体として、本発明に係る搬送装置の機能改善及び/又は運転信頼性の改善をもたらす。機能構造体の個々の機能部材を互いに固定連結するために、機能部材が連結領域において互いにかみ合い連結的に係合、特に互いにフックのように掛け止めされると有利であることが分かった。この場合、かみ合い連結は分離可能な連結部材を介して確実に行うことができる。
個々の機能部材の連結領域は、搬送方向に対して横方向に延びるフック状の突起を備えている。この突起はかみ合い連結時に互いに係合する。その際、確実な連結を行うために、一方の機能部材の連結領域を、搬送方向において他方の機能部材の連結領域にかぶせることができる。連結部材が一方の機能部材の凹部を通過し他方の機能部材に収容されたねじに螺合するねじ込みボルトの形をしているときわめて簡単である。ねじとは反対の側に配置されたねじ込みボルトのボルト頭が機能部材に間接的に接触すると合目的である。
従って、本発明に係る搬送装置の組み立ての際に、機能構造体の個々の機能部材は先ず最初にかみ合い連結的な係合によって連結領域内で位置決めされ、この位置で連結部材によって錠止される。ねじ込みボルトのボルト軸線が搬送方向に対して横方向に、特に垂直に延びていると、本発明に係る搬送装置の組み立てが非常に簡単に実施できることが分かった。というのは、この配置により、案内レール構造体における組み立て方法、特に組み立て開口のために非常に広いスペースが提供されるからである。案内レール構造体の搬送方向に延びるこのようなスリット状の開口は、案内レール構造体内において、印刷製品を運搬するために必要な、グリッパ又はクランプのような機能装置のために必要である。この機能装置は、運搬機構から出発して搬送方向に対して横方向に延び、案内レールの外で自由にアクセス可能でなければならない。
案内装置のこの構造体の場合には、所望される簡単な組み立てのために、機能部材を連結するために使用されるねじ込みボルトがねじとは反対の側で、搬送路に対して横方向に延びる、例えばグリッパ、クランプ等のような機能装置を連結するように設計された連結装置を通過していることが特に重要であることが分かった。その際、連結装置は機能装置の構成部材として機能装置に固定連結可能である。本発明に係る搬送装置を備えた設備の、しばしば得ようとされる高度なモジュール性に関して、連結装置が機能装置を運搬機構に接続することができるアダプタを形成すると、有利であることが分かった。この場合、異なる機能装置を接続するために、いろいろな連結装置又はアダプタを使用することができる。
既に説明したように、互いに異なる機能部材を使用すると、運搬機構の個々の機能を最適化するために非常に役立つ。これに関連して、第1機能部材が運搬機構を駆動装置に接続するように設計された接続領域を備え、第2機能部材、すなわちチェーンリンクが案内レール構造体に沿って運搬機構を案内するように設計された案内装置を備えていると合目的であることが分かった。搬送機能と案内機能をこのように分離することにより、本発明に係る搬送チェーンの運転信頼性が改善される。というのは、普通の駆動装置が案内装置の領域において、例えば特許文献13に記載されたチェーン駆動装置のような搬送チェーンに作用するため、案内装置の案内機器が同時の駆動機能によって、大きな摩耗を生じるからである。
さらに、運搬機構の従来の駆動は案内装置の領域において、案内レール又は案内レール構造体の領域で搬送装置の係合を必要とし、多くの場合さらに運搬機構による駆動要素の巻掛けを必要とする。本発明に従って搬送装置の接続領域と案内装置の接続領域を分離すると、印刷製品のための搬送機能と案内機能とは全く関係なく、チェーンの駆動を行うことができる。それによって、案内構造体の駆動通路内への接続領域の配置と、案内通路内への案内装置の配置によって補助される更なる機能最適化が達成される。
運搬機構に接続された機能装置のためのきわめて大きな構造空間の準備のために、駆動装置用接続領域が、場合によっては連結装置を介して機能装置を接続する働きをするボルト頭とは反対の機能構造体の側に配置され、それによってグリッパ、薄片等のような機能装置が運搬機構の下方に懸吊される場合に、駆動装置を運搬機構の上方に配置することができ、この位置で運搬機構から上方へ離れるように突出する接続領域と協働すると、きわめて重要であることが分かった。
接続領域は、それが搬送方向に対して横方向に、特にほぼ垂直に延びる櫛歯によって櫛状に形成されていると、構造的にきわめて簡単に実現可能である。この櫛歯の間の中間室には、運搬機構の駆動のために、駆動チェーンのチェーンピンを係合させることができる。その際、運搬機構による駆動輪の巻掛けは不要である。運搬機構の駆動は搬送路の真っ直ぐに延びる区間に沿って行うことができる。そのために、運搬機構が搬送装置とは反対の側で案内レール構造体に支持されていると合目的である。そのために、第2機能部材の案内装置がローラ軸線回りに回転可能に支承された少なくとも1個、好ましくは2個、3個又はそれ以上の案内ローラを備えていると合目的である。好ましくはこの案内ローラがそれぞれ案内構造体の1つの案内面に接触し、及び/又は案内構造体の2つの案内面の間に配置されている。その際、全ての案内ローラが例えばグリッパのような機能装置を接続するために使用される連結装置の方に向いた、駆動装置を接続するように設計された接続領域の側に配置され、それによって案内ローラの外で接続領域に自由にアクセス可能であると、駆動機能と案内機能の間の機能分離がきわめて効果的に達成される。
案内ローラは搬送方向に沿って互いにずらして第2機能部材に配置可能であるが、本発明に係る搬送装置をできるだけコンパクトな構造にするために、2個の案内ローラが搬送路又は搬送装置に対して横方向に、特に垂直に延びる共通の第1ローラ軸線の回りに回転可能に支承され、2個の他の案内ローラが搬送方向と第1ローラ軸線を含む平面に対して横方向に、特に垂直に延びる共通の第2ローラ軸線の回りに回転可能に支承されていると合目的であることがわかった。対称構造を得るために、案内ローラは正方形の辺上に配置可能である。この辺の二等分線に沿ってローラ軸線が延在する。ローラ軸線がそれぞれ、案内構造体の2つ、3つ又はそれ以上の案内面に対してほぼ平行に延在していると合目的である。
本発明の範囲では、全ての空間方向にカーブ領域を有することができる案内構造体において、きわめて確実な案内機能を提供するために、案内装置が少なくとも4つの案内ローラを備え、それぞれ2つの案内ローラが共通のローラ軸線の回りに回転可能に支承され、両ローラ軸線が互いに垂直に延びるように一平面内に配置されていると有利であることが分かった。その際さらに、コンパクトな構造のために、少なくとも1個の案内ローラが第2機能部材の案内ジャーナルに回転可能に支承されているときわめて合目的であることが分かった。というのは、連続する物理的ローラ軸線なしに、所望な案内機能が実現可能であるからである。この場合、案内ローラを回転可能に支承する働きをする、例えば案内ジャーナルのような第2機能部材の個々の領域の間に、チェーンリンクの他の機能的な領域が配置されているときにも、共通の幾何学的ローラ軸線の回りの回転可能な支承が保証される。
従来の搬送チェーンの場合と同様に、枢着構造体のチェーンリンクは曲率半径によって決まるカーブ案内部に沿った可動性を提供するために、本発明に係る搬送装置の搬送チェーンにより、互いに横方向に、特にほぼ垂直に延びる2つの揺動軸線回りに互いに揺動可能である。そのために、枢着構造体のチェーンリンクは、ボールセグメントとボールシェルグメントを有するボール枢着構造体を介して、互いに連結可能である。本発明に係る搬送装置のきわめてコンパクトな構造のために、ボールセグメントとボールシェルセグメントが一方のチェーンリンクの差込み領域に取付けられ、差込み領域と共に枢着構造体の他方のチェーンリンクの収容領域に収容されていると合目的であることがわかった。その際、収容領域は案内ローラを回転可能に支承するために使用される案内ジャーナルの間に配置可能である。
枢着構造体のチェーンリンクを確実に連結するために、他のチェーンリンクの収容領域を通過する連結ピンが、ボールセグメントとボールシェルセグメントを通過することができる。この場合、組み立ての際、先ず最初にボールセグメントとボールシェルセグメントを支持する、枢着構造体の一方のチェーンリンクの差込み領域が、他のチェーンリンクの収容領域に挿入され、そして連結ピンがボールセグメントとボールシェルセグメントと収容領域を貫通する開口を通って案内される。それによって、チェーンリンク間の連結が行われる。この連結の場合、ボールセグメントは収容領域を有するチェーンリンクに対してピンによって固定可能である一方、ボールシェルセグメントは対応するチェーンリンクの差込み領域と共にボールセグメントの回りに揺動可能であり、それによって差込み領域を有するチェーンリンクが収容領域を有するチェーンリンクに対して揺動することができる。
本発明に従って使用可能な搬送チェーンのきわめて高い摩耗強度のために、ボールセグメントが金属材料によって形成されていると合目的であることが分かった。この場合、ボールシェルセグメントは、例えばポリアミド及び/又はポリテトラフルオロエチレンを含む合成樹脂のような摩擦係数の小さな合成樹脂によって形成可能である。この場合、きわめて簡単な製作のために、差込み領域がボールシェルセグメントと共にボールセグメント回りに回転可能に支承されるように、差込み領域が差込み領域とかみ合い連結的及び/又は材料結合的に形成されていると合目的である。差込み領域は例えばボールセグメント領域の周りに、好ましくは繊維強化された合成樹脂を射出することによって形成可能である。ボールシェルセグメントは予め製作された部分シェルによって形成可能であり、この部分シェルはボールセグメントの周りに置かれる。この場合、部分シェルの互いに向き合った端面に、センタリングピンと、対応するセンタリング穴を設けることができる。差込み領域を収容領域に連結する連結ピンのピン軸線の回りのチェーンリンクの揺動運動を案内するために、差込み領域はピン軸線の回りに回転する円板のセグメントとして形成可能である。この場合、ピン軸線の方に向いた収容領域の画成面を、円板シェルセグメントとして形成することができる。
枢着構造体の一方のチェーンリンクが機能構造体の第1機能部材として及び/又は枢着構造体の他のチェーンリンクが機能構造体の第2機能部材として形成されているときには、本発明に従って使用可能な搬送チェーンは、多すぎる数の異なる構成要素と、対応する在庫管理を回避しつつ、きわめて簡単に製作可能である。
本発明のこの実施形の場合には、差込み領域が機能構造体の機能部材を互いに連結するピンに対して横向きに及び好ましくはほぼ搬送方向に沿って延在する第1機能部材の突出部を備えていると、運搬機構に対する駆動装置の接続の影響を回避しつつ、枢着構造体の個々のチェーンリンクを安全にかつ確実に連結することができる。円板セグメント状の差込み領域は、一般的にその下方でそれに加えられる荷重による負荷時に、十分な強度を保証するために、搬送方向とねじ込みボルト軸線を含む平面内に配置可能である。その際、少なくとも1つのローラ軸線が収容領域を通過することができる。この場合、連結ピン軸線は第2ローラ軸線に対してほぼ平行に、好ましくはほぼ同軸に延びている。一方、第1ローラ軸線は円板セグメント状差込み領域の平面内に配置されている。この場合、差込み領域は第2機能要素の案内ジャーナルの間に配置されている。この案内ジャーナルには、第1ローラ軸線及び/又は第2ローラ軸線の回りに回転可能に支承された案内ローラが取付けられている。
それぞれ1個の第1機能部材が2個の第2機能部材の間に配置され、一方では第1機能部材の一方に枢着連結され、他方では第1機能部材の他方に固定連結されていると、本発明に従って使用可能な運搬機構は、連続する枢着構造体と機能構造体によって提供することが可能である。
次に、図を参照して本発明を説明する。明細書に詳しく説明していない、本発明にとって重要な全ての詳細に関して、この図が参照される。本発明の直接的な理解のために重要でない全ての要素は省略してある。異なる図において同じ要素には同じ参照符号が付けてある。
案内レール要素によって構成された案内構造体を示す。 図1の案内構造体を見た図である。 連結要素の三次元的な図である。 図3のフランジの正面図である。 面取り部を有するアダプタ要素の二次元的な図である。 2個のフランジを連結する際の機構の正面図である。 2個のフランジを連結する際の機構の平面図である。 案内レール要素を示す図である。 案内レール要素のための支持領域を示す図である。 案内通路内の案内レール要素の三次元的な図である。 走行面要素の詳細を示す図である。 アダプタ要素の走行面セグメントを示す図である。 アダプタ要素の三次元的な図である。 角度付き面取り部を有するアダプタ要素を他の方向から見た図である。 使用中の運搬機構を備えた案内構造体を示す断面図である。 使用中の同じ運搬機構を備えた他の案内構造体を示す断面図であり、この場合転動案内部が図14と異なるように形成されている。 運搬機構を備えた案内構造体を示す図であり、この運搬機構の下側に、印刷製品を運搬するためのグリッパが取付けられている。 ねじった案内構造体を示す図である。 水平に延びる弧軸線を取り囲む弧セグメントに沿って案内構造体を示す図である。 垂直な弧軸線を取り囲む、本発明に係る案内構造体の弧状案内要素を示す図である。 多数の運搬機構によって形成された搬送機構の側面図である。 図20の搬送機構を異なる方向から見た図である。 第1チェーンリンクと第2チェーンリンクからなる運搬機構の断面図である。 図22の運搬機構の斜視図である。 運搬機構の他の縦断面図である。 運搬機構の他の断面図である。 運搬機構の相互の連結方法を示す図である。 運搬機構の第1チェーンリンクの側面図である。 図27の第1チェーンリンクの断面図である。 ボールシェルセグメントを示す図である。 駆動チェーン、運搬機構及び案内構造体の運転方法と相互依存を示す図である。
図1に示した案内レール構造体600は、搬送路に沿ってほぼ真っ直ぐに延在する案内レール要素700と、全体を800で示した連結要素を備えている。搬送路全体にわたって図示したように真っ直ぐであろうと、この真っ直ぐであることが絶対的であると理解すべきではない。さらに、真っ直ぐな区間に、曲がった通路を接続することができる。この曲がった通路は二次元的に又は三次元的に延在している。さらに、基本的には捩じれた搬送区間を設けてもよい。案内レール要素700は個々の通路区間を形成し、この通路区間は案内レール要素700の両側の端面で互いに連結されている。この場合、分離可能に連結することが好ましい。この分離可能な連結は最高の可撓性を提供する。図1から分かるように、案内レール要素700はそれぞれ、端面側の連結要素800を備えている。後続の図を参照して、この連結要素を詳しく説明する。案内レール要素700の互いに向き合った端面に取付けられる連結要素800は、案内レール要素700の端面に反対向きに設けられた各々1個のフランジを備えている。このフランジは突出した及び窪んだ正反対の接触面を介して互いにかみ合っている。このような連結要素は図3〜5に詳しく示してある。両フランジの連結はボルト止めによって行われる。この場合、理解しやすくするために、同時に図6、7を参照することが推奨される。この図6、7には、かみ合う正反対の接触面がきわめて良好に示してある。
図2は、両フランジ910、920を取り付けて組み立てた2個の案内レール要素700の縦断面図である。このフランジは端面が当接させられる。隣接する両フランジ910、920の間の摩擦連結は、ボルト止め部900によって行われる。このボルト止め部については詳しく後述する。
図3は連結要素を三次元に示す図である。この図は構造的な形成を理解するために役に立つ。この図から分かるように、接触面に形成された突起930が、接続されたフランジの対向する接触面に設けられた凹部940に係合する。突起930は三次元的な垂直ガイドを備えている。このガイドは水平に突出する突起部によって拡張している。さらに、フランジのヨーク面が他の2つの位置決め手段931、941を備えている。この位置決め手段は上記と同様に作用する。すなわち、位置決め手段は案内機能及び位置決め機能を発揮する。突起930、941と凹部940、931は全ての側に、縮小する輪郭を有する。それによって、組み立てが簡単になり、それによって同時に最適な位置決め機能が達成される。上述したように、それぞれの連結要素910又は920はボルト止め部950によってそれぞれの案内レール要素700に連結される。これは好ましくは、軸方向位置決めのための当接表面に接しない六角頭ボルトを用いて行われる。
図4は図3のフランジ910の前面側部分を示している。内側の貫通路は各案内レール要素(図1と10参照)の全長にわたるその通路状の形成部にほぼ一致している。すなわち、連結要素910、920と案内レール要素700は同じ貫通路を有する。従って、フランジの以下の説明は案内レール要素700にも適用可能である。
本発明に係る案内構造体600は案内通路620と駆動通路610を有する。この案内通路620は駆動通路610とは反対のその側に、スリット状の切欠き630を有する。駆動チェーン10(図16も参照されたし)の機能装置350がこの切欠きを通って案内通路620から外へ案内可能である。図4では、案内通路620を画成するアダプタ要素850がフランジ910、920内に取り外し可能に挿入されている。このアダプタ要素850によって、フランジ910、920の走行面と、接続する案内レール要素700との間の滑らかな移行が保証される。これは、図5から分かるように、反対向きに面取りされた又は搬送方向Fに傾斜した走行面区間852がアダプタ要素850に達することによって達成される。
図6、7は連結要素800の構造を示している。この連結要素はフランジ910、920と、このフランジに固定連結される案内レール要素700とを摩擦連結して案内レール構造体600を形成する。そのために、2本の止めねじ960(図7参照)が使用される。この止めねじは連結すべきフランジの両側で垂直方向に作用する。止めねじ960は上側と下側で2個のシャックル(Briden)961、962に作用連結されている。この止めねじは上側から締められる。従って、下側のシャックル962が止めねじ960を締めるためにねじを有する。両シャックル961、962はねじ込み方向に各々1つの燕尾形部963を有する。この燕尾形部は同様に形成されたフランジの燕尾形部分を掴み、対向して作用する。止めねじ960を締める際に、燕尾形部963は両案内レール要素700と反対方向に向いた、それらの当接面をしっかりと互いに押圧する水平方向力を発生し、移行部のない確実な連結を保証する。この場合、燕尾形部の傾斜がセルフロックしない角度であると有利である。
図8には、本発明に係る案内レール構造体600dの案内レール要素700のプロファイルが示してある。
この図から明らかなように、このようなプロファイルの一例だけが示してあり、そして外形の変更と、内部貫通路の形成の変更は場合によっては、案内構造体の基本原理に影響を与えない変更を受けることができる。
しかし当然、フランジの内側の形成と案内レール要素の形成との間の基本的な整合が存在しなければならず、案内装置はその規定通りの機能を発揮すべきである。次に、フランジと案内レール要素に関していろいろなプロファイルを示すときに、これは、寸法形状が広い多様性にわたって変化し得ることを示すようにすべきである。案内レール要素700は案内通路620と駆動通路630を画成している。
図8から分かるように、案内通路620はほぼ正方形の横断面を有する。この場合、案内通路620の角にはそれぞれ、走行面要素750(図15参照)のための2つの支持領域702〜709が設けられている。この支持領域702〜709はほぼ、搬送路に沿って延在するT字状形材の形に形成されている。したがって、ほぼC字状プロファイルを有する、図15に示す種類の走行面要素750は、この支持領域上をスライド可能である。
図9と10から分かるように、案内通路620の各々の角において2つの支持領域702、709;703、705;704、708;707、709の間には、搬送路に沿って延在する切欠き720が設けられている。この切欠きには、連結要素800を案内レール要素700に固定するために役立つねじ込みボルトがねじ込まれる。その際、ねじ込みボルトは同時に、支持領域702〜709の位置を安定させる。ねじ込みボルトを収容する働きをする切欠き720と支持領域702〜709とが空間的に近いことにより、支持領域702〜709が隣接する連結要素800の支持領域に対してきわめて正確に配向される。
駆動通路630の側方の画成壁内には、外側が開放した通路740が配置されている。この通路内には、外側からアクセス可能でボルト軸線が搬送方向に延在するねじ込みボルトを収容することができる。このねじ込みボルトはフランジ910、920を介して案内レール要素700を互いに固定する働きをする。連結要素800とその固定方法については、図6、7の説明が参照される。
例えば図3〜7に係る連結要素が図8〜10に係る案内レール要素に連結されると、この両要素の間の軸方向連結が保証されるだけである。すなわち、ボルト止め部950が連結要素と案内レール要素の間で互いに一直線上に並ぶ。そのために、例えば切欠き720(図8参照)がこのために使用されかつ適当に設計されると簡単である。もちろん、要素間の他の連結方法を用いることができ、例えば軸方向のボルト止めの代わりに、周方向の固着を行うことができる。この場合最後に、フランジを介して案内レール要素700を互いに連結しなければならない。
図11から分かる走行面要素750に関して補足すると、図14、15に基づいて次に説明するように、案内通路620に収容された運搬機構の案内ローラのための所望な案内条件を保証するために、この走行面要素750は、T字形切欠き752が同じ形をしていると共に壁厚が異なるように形成可能である。
図12、13、13aから分かるように、アダプタ要素850の領域においても所望な案内特性を保つことができるようにするために、アダプタ要素850の走行面セグメント852(図11も参照されたし)がアダプタ要素850の本体854に取り外し可能に固定されている。図5から分かるように走行面を反対向きに面取りすることができるようにするために、走行面要素852は搬送方向Fに閉じる走行面853に対して鋭角α(図13a参照)を有することが分かる。
図14は、本発明に係る案内構造体の真っ直ぐ延びる区間に収容された搬送機構10(図16も参照されたし)を備えた本発明に係る搬送装置の断面図である。この場合、基礎となるプロファイルは図8〜10の案内レール要素に一致している。真っ直ぐ延びる区間において、運搬機構の案内ローラ202が案内レール要素700の支持領域702上をスライドさせられる走行面要素750に載っている。運搬機構の案内ローラ208は支持領域704上をスライドさせられる走行面要素750に載っている。案内ローラ204は支持領域708上をスライドさせられる走行面要素750に載り、案内ローラ206は支持領域706上をスライドさせられる走行面要素750に載っている。運搬機構の案内ローラ202〜208が載る走行面要素750の壁厚は、この運搬機構が案内レール要素700の案内通路620内を遊びなく案内されるように選定されている。その際、走行面要素750の空間的な配置により、案内レール要素700内での運搬機構の滑り摩擦を生じない案内が保証される。
図15は、搬送装置に対して垂直に延びる、案内構造体の弧状領域の切断面に沿った、本発明に係る搬送装置の断面を示す。案内構造体の弧状領域では、走行面要素750に加えて、対応する走行面要素750が支持領域703、705、707、709上をスライドさせられる。走行面要素750の壁厚は弧状領域内で、案内ローラ202、204、206、208がほんの小さな遊びをもって支持領域702と703又は704と705又は708と709又は706と707の間に収容されるように選定されている。それにより、起こり得る脱線によって生じる、走行面要素750と案内ローラ202〜208の摩耗が小さくなる。
両図14、15には、案内構造体とその運転方法を理解しやすくするために、運搬機構が三次元的に示してある。後で詳しく説明するこの運搬機構は有利な実施形を形成している。これは、ここで説明し保護した案内構造体が他の運搬機構によっても簡単に運転可能であることを意味する。しかしながら、ここで図示した運搬機構と共にここで説明した案内構造体を使用することが多大の利点を奏すると解すべきではない。したがって、この案内構造体と運搬機構の結合は必要不可欠な条件を形成しない。
図16では、グリップ状の機能装置350が連結装置310を介して、搬送機構10に所属する運搬機構の機能部材に固定可能であり、搬送通路内の切欠き630を貫通可能である。
この図16に関連して、図示の案内レール構造体600が図示の使用のほかに他の機能を発揮できることが良く分かる。ここで特に、図示のグリップ350の代わりに、図に示していないほぼ平らな薄板がチェーンリンク200(図24、25参照)の下側に配置可能であることが強調される。そのために例えば、案内ジャーナル216(図24、25参照)が固着個所として適している。各チェーンリンク200が互いに調和した1枚の薄板を支持すると、関連する表面が生じる。この薄板は材料が可撓性であり、かつ必要であれば薄片状であってもよい。それによって、製品に適合したこの運搬面を使用することにより、案内レール構造体600全体を180°だけ揺動させることができるので、チェーン駆動装置(図30の位置530参照)が第1チェーンリンク100を介して下側で作用する。この薄板が薄片状及び互いにうろこ状に組み込まれると、薄板は運搬路に沿ったカーブした又はねじった区間に架橋するのに適している。案内レール構造体600のこの拡張した用途は本発明に係る実施変形例である。
図17に従って、案内レール要素は搬送方向に対して平行に延びる捩じれ軸回りに捩じって形成可能である。この場合、案内レール要素700の両端面に連結要素800を配置することができる。
図18に従って、案内レール要素700は垂直な弧軸線を取り囲むように弧状に形成可能である。この場合、機能装置350(図16参照)が通過する穴630(図8参照)を、弧軸線の方へ向けることができる。
案内レール要素700は図19に従って、水平な弧軸線を取り囲むように形成可能である。この場合、機能装置350が通過する穴630は案内レール要素700の下側の画成面に形成可能であり、案内レール要素700の互いに反対向きの端面には連結要素800を固定することができる。
次に、運搬機構の実施の形態を詳しく説明する。この運搬機構は上述の案内機構と関連して使用するのに非常に適している。
いろいろな図に示した運搬機構は、第1チェーンリンク100と第2チェーンリンク200の形をした機能部材を備えている。各第1チェーンリンク100は、運搬機構を駆動チェーン530(図30参照)に連結するための櫛状に形成された連結領域110を備えている。図20、21に従って、各第2チェーンリンク200は全部で4個の案内ローラ202、204、206、208を備えている。この場合、案内ローラ206、208は共通の第1ローラ軸線回りに回転可能に支承され、案内ローラ202、204は共通の第2ローラ軸線回りに回転可能に支承されている。第1と第2のローラ軸線は互いに直交し、一平面内に位置している。各第1チェーンリンク100は2個の第2チェーンリンク200の間に配置されている。その際、各第1チェーンリンク100は一方では機能装置を形成するために第2チェーンリンク200の一方に固定連結され、他方ではリンク装置を形成するために第2チェーンリンク200の他方に連結されている。
機能装置を形成することになる、第1チェーンリンク100と第2チェーンリンク200間の固定連結は、図22に示してある。それによると、第1チェーンリンク100を第2チェーンリンク200に連結するために、ねじ込みボルト300が使用される。このねじ込みボルトは第2チェーンリンク200の連結領域250内の穴を通過し、第1チェーンリンク100の連結領域150内にねじ込まれる。そのために、止まり穴152が第1チェーンリンク100に形成され、ねじ付きインサート310がこの止まり穴に挿入されている。ねじ込みボルト300がこのねじ付きインサートを通過する。止まり穴152は図24に従って連結領域110の下方に配置されている。この場合、第1チェーンリンク100を第2チェーンリンク200に連結した後で、全ての案内ローラ202、204、206、208がねじ込みボルト300のボルト頭302寄りの連結領域110の側に配置されるので、案内ローラ202、204、206、208の外側で連結領域110に自由にアクセス可能である。ボルト頭302は連結装置310を介在して連結領域110とは反対の第2チェーンリンク200の側に接触している。この連結装置310はグリップ要素又はクランプ要素又は薄片のような機能装置を運搬機構に連結する働きをする。
図23からきわめて明瞭に分かるように、チェーンリンク100の連結領域250は突起256と溝状の凹部252を備えている。突起256の膨出部254が凹部内に達している。一方、第1チェーンリンク100の連結領域150はそれと相補的に、溝状凹部252に係合する突起152と、突起256を収容する湾入部156とを有する。この場合、突起152が膨出部254を収容する湾入部を備えているので、第1チェーンリンク100の連結領域150を第2チェーンリンク200の連結領域250に差し込むことにより、第1チェーンリンク100と第2チェーンリンク200がかみ合い連結される。この連結は、突起256を通過しかつ第1チェーンリンク100の湾入部156と連結領域110の間に形成された止まり穴152に挿入されたねじ込みボルト300(図22参照)によって錠止可能である。第1連結領域150と第2連結領域250の間のかみ合い連結部の位置をさらに保持するために、突起256は鼻状係合領域258を備えている。この係合領域は凹部156の湾入部に係合する。
図22に従い、連結領域110は搬送方向に横方向に及びねじ込みボルト300の軸線に対してほぼ平行に延びる櫛歯を備えている。この場合、櫛歯の間には中間室が形成され、この中間室には駆動チェーン530(図30参照)のチェーンピンが係合する。案内ローラ202、204、206、208が案内ジャーナル212、214、216、218に回転可能に支承されているので、第1チェーンリンク100と第2チェーンリンク200とを枢着連結するためのスペースが案内ジャーナル212、214、216、218の間に供される。第1チェーンリンク100と第2チェーンリンク200とを枢着連結することによって製作される枢着構造体については、図14〜17に基づいて説明する。
図23、24に従い、第1チェーンリンク100はボルト軸線に対して横方向に搬送方向に延びる差込み領域120を備えている。この差込み領域は第1チェーンリンク100の案内ジャーナル212、214、216、218の間に形成された収容領域220内に収容される。差込み領域120が円形ディスクセグメント状に形成される一方、収容領域220が円形ディスクセグメントシェル状に形成されているので、差込み領域120と収容領域220の画成面によって、第2ローラ軸線によって形成された揺動軸線回りの、第2チェーンリンク200と相対的な第1チェーンリンク100の揺動運動のためのガイドが形成されている。
図25に従い、第1チェーンリンク100と第2チェーンリンク200の間の枢着連結部は、差込み領域120に収容されるボールセグメント124を備えている。この場合、ボールセグメント124と差込み領域120の外側領域の間には、小さな滑り摩擦係数を有する合成樹脂材料製のボールシェルセグメント状のスライド要素122が配置されている。ボールセグメント124とボールシェルセグメント122は差込み領域120を通過している。ボールセグメント124を収容する差込み領域120がボールシェルグメント122を介してボールセグメント124に回転可能に支承されるので、差込み領域120を備えた第1チェーンリンク100は、差込み領域120を収容領域220に差し込んだ後で、連結ピン126の軸線と、この軸線に対して垂直に及びねじ込みボルト130と平行に延びる軸線128との回りに揺動可能に支承されている。この場合、揺動軸線128回りの揺動運動は、ピン126の軸線の方向における収容領域220の幅によって決定される。必要な場合には、この幅を拡大することができる。
図26は本発明に従って組み立てられた搬送機構を示している。この搬送機構は多数の運搬機構からなり、この運搬機構はそれぞれ、第1と第2のチェーンリンクからなっている。この図については後で詳しく説明する。
図27、28には第1チェーンリンク100が詳細に示してある。その際、第1チェーンリンク100の差込み領域120は図28、29に従い、ボールシェルセグメント122を形成するために、摩擦の小さな合成樹脂材料でボールセグメント124を部分的に被覆するように形成されている。このようにして形成されたボールセグメント124は差込み領域120を形成するために、合成樹脂、特に繊維強化された合成樹脂で射出被覆することができる。ボールシェルセグメント122は一体に形成されているが、2つ以上の部分によって形成可能である。この射出被覆工程の際に同時に、連結領域150と接続領域110を形成することができる。この場合、射出被覆工程の間、ねじ付きインサート310が止まり穴152内に挿入される。図26に従って、先ず最初に第1チェーンリンク100と第2チェーンリンク200から枢着構造体を予備組み立てし、そして連結領域150又は250において差し込んで連結し、続いてねじ込みボルト300によって錠止することにより、本発明に係る搬送機構又は運搬機構を組み立てることができる。
図30に従って、本発明の対象に属する搬送チェーン500を、案内レール構造体600によって形成された搬送路に沿って搬送することができる。この場合、運搬機構は案内レール600内に収容され、案内ローラ202、204、206、208によって案内レール600の走行面上を案内される。接続領域110は案内レール600の駆動室610内に収容され、案内レール構造体600の駆動区間において、2個のスプロケット510、520の周りを循環する駆動装置500の駆動チェーン530にかみ合う。駆動装置530を接続するためには、駆動室610の画成面内に切欠きを作るだけでよい。駆動チェーン530がこの切欠きを通って接続領域110の領域内に達することができる。
本発明は、図に基づいて説明した実施の形態に限定されない。運搬機構は、3個以下の案内ローラ、案内ジャーナル等を有する、異なるように形成された案内レール構造体を備えていてもよい。さらに、運搬機構の接続領域を異なるように形成することができる。さらに、枢着構造体を形成するために個々のチェーンリンクをカルダン式に連結してもよい。
ここで特に、実施変形、すなわち上記で説明しなかった可能性について本発明に従って指摘する。この可能性では、それぞれ上述したように第1チェーンリンクと第2チェーンリンクからなる、互いに作用連結された機能ユニットが、運搬機構又は搬送機構を形成するためのその順序において、完全に等しく又はほぼ等しくあるいはその機能性に類似して又は機能性に従って異なるように構成可能である。この場合、両チェーンリンクの異なる機能と、相互の連結可能性は当然維持されたままである。しかしながら、第1チェーンリンクの後に1個のみの第2チェーンリンクを直接続けて設けないで、必要に応じて例えば第1チェーンリンクの後に、2個以上の第2チェーンリンクを続けて設けるかあるいはその逆に、すなわち2個以上の第1チェーンリンクを相前後して連結することができる。順次配置される機能ユニットは、分離可能な連結又は摩擦連結のために分離可能な連結及び/又は分離不可能な連結のための手段又は連結要素を備えている。これは一方では、搬送機構の全体形成に関して、個々の機能ユニットの幾何学的及び機能的な構造が同一ではなくてもよいことを意味する。すなわち、中間の運転条件付き変更が可能である。他方では、機能ユニットが少なくとも運搬機構を形成するために全く異なるように互いに連結可能であることが強調される。ほとんどの場合、分離可能な連結、例えばねじ込み連結が選択される。しかしながら、摩擦連結による相互連結を行うことも可能である。この相互連結は必要な場合に、分離可能な連結のように作用する。さらに、個々の搬送ユニットは分離不可能な連結、例えば溶接連結によって互いに固定連結可能である。この実施可能性はいろいろな図に詳細に示されていない。なぜなら、この実施可能性が全ての当業者に周知であるからである。さらに、個々の機能ユニット及び/又はチェーンリンクの間に、所定の機能を発揮する付加的な機器を組み込むか又は配置することができることが強調される。この機能は既に区分けされており、例えば機能ユニットの運転を改善するかあるいは印刷物又は搬送物質の運搬に関連がある機器を設けることができる。

Claims (20)

  1. 製品を搬送方向に搬送するように設計された運搬機構の動きを、無端循環する、案内構造体によって決められた搬送路に沿って案内するための案内構造体であって、前記運搬機構が実質的に互いに作用連結されたある数の機能ユニットから成り、前記案内構造体(600)が順次連続するある数の案内レール要素(700)から成り、この案内レール要素が前記搬送路に沿ってトンネル状の案内通路(620)を形成することと、転動運動するように設計された前記運搬機構(100、200)を案内するための手段が前記案内通路の少なくとも内壁側に設けられている前記案内構造体において、
    前記案内レール要素(700)がそれぞれ端側に、摩擦連結された連結要素(910、920)を備えていることと、一方の前記連結要素が連続する前記案内レール要素の隣接する前記連結要素に対して正反対の位置決め手段(930、940;931、941)を備え、この手段がトンネル状の前記案内通路(620)の継ぎ足し接続(kongruente Fortsetzung)を実現することと、前記連結要素(910,920)の複数の凹部内にアダプタ要素(850)が配置されており、これらアダプタ要素が、前記連結要素の走行面とこれにつづく案内レール要素(700)の間の平滑な移行部を実現するために前記アダプタ要素(850)の走行面要素(852)の範囲で互いに逆方向に面取りされた部分(853)が存在することを特徴とする案内構造体。
  2. 連続する前記案内レール要素(700)に沿って前記運搬機構を案内するための前記手段が、走行面要素(750)によって形成されていることと、この走行面要素が前記搬送路を形成する案内レール要素(700)に沿って搬送方向に、関連するシステムを形成していることと、前記案内レール要素(700)が少なくとも摩擦的に互いに連結されていることを特徴とする請求項1記載の案内構造体。
  3. 前記各案内レー要素(700)の一端に形成されたフランジ(910)における前記位置決め手段が少なくとも1つの突起(930、941)と少なくとも1つの凹部(940、931)によって形成され、反対側の前記連結要素(920)において突起と凹部が正反対の相補的な形状を有することを特徴とする請求項1記載の案内構造体。
  4. 前記突起(939、941)と前記凹部(940、931)が正反対の先細の輪郭を有することを特徴とする請求項記載の案内構造体。
  5. 案内レール要素(700)が少なくとも運搬機構の転動平面に沿って対向して平行に及び/又は鏡像的に平行に、運搬機構に所属する案内ローラ(202、204、206、208)の直径に一致する距離を離隔して、動きばめによって案内されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の案内構造体。
  6. 前記走行面要素(750)が鏡像的に平行に、前記案内ローラ(202、204、206、208)との接触平面に沿ってのみ案内されていることを特徴とする請求項記載の案内構造体。
  7. 連結された前記案内レール要素(700)が真っ直ぐな経路、カーブした区間又はねじれた移行部を描いていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の案内構造体。
  8. 前記運搬機構が前記搬送路に沿ってレールで案内され、かつ、前記案内通路(620)の仮想中心線に沿って移動することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の案内構造体。
  9. 前記案内通路(620)が前記運搬機構(100、200)に所属するチェーン駆動装置(530)の通過のための下側の開口部(630)を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の案内構造体。
  10. 前記案内レール要素(700)が多角形又は円形の横断面を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の案内構造体。
  11. 前記案内通路(620)が内室に、動かないある数の支持領域(702、706;703、705;704、708;707、709)を備え、この支持領域がそれぞれ少なくとも壁側に配置されていることと、前記支持領域が前記走行面要素(750)を少なくとも摩擦連結的に支持していることを特徴とする請求項記載の案内構造体。
  12. 第1と第2の前記走行面要素のための対向して配置されて離隔された2つの前記支持領域(702、703)が第1の壁の壁側に配置されていることと、第3と第4の前記走行面要素のための、同様に対向して配置されて離隔された2つの前記支持領域(708、709)が、反対側の壁に設けられていることと、第5走行面要素のための他の支持領域(706)と、反対側の第6走行面要素のための他の支持領域(707)と、第7走行面要素のための他の支持領域(704)と、第8走行面要素のための他の支持領域(705)がそれぞれ壁側の各支持領域に隣接して配置され、この走行面要素の走行面がそれぞれ隣接する走行面要素に対して直角に配置されていることと、第1走行面要素(702)が第2走行面要素(703)と共に、第3走行面要素(708)が第4走行面要素(709)と共に、第5走行面要素(706)が第6走行面要素(707)と共に、そして第7走行面要素(704)が第8走行面要素(705)と共に、対をなして、対向して及び隣接して配置されていることを特徴とする請求項11記載の案内構造体。
  13. 前記第1走行面要素の前記走行面が前記第2走行面要素に対して、前記第3走行面要素の前記走行面が前記第4走行面要素に対して、前記第5走行面要素の前記走行面が前記第6走行面要素に対して、前記第7走行面要素の前記走行面が前記第8走行面要素に対して、間隔をおいて対向して配置されていることを特徴とする請求項12記載の案内構造体。
  14. 少なくとも前記第1走行面要素のための第1支持領域(702)、前記第3走行面要素のための第3支持領域(708)、前記第5走行面要素のための第5支持領域(706)及び前記第7走行面要素のための第7支持領域(704)が前記走行面要素(750)を支持していることを特徴とする請求項12又は13記載の案内構造体。
  15. 印刷製品を搬送方向に搬送するように設計された運搬機構の動きを、無端循環する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の案内構造体によって決められた搬送路に沿って案内するための前記案内構造体で使用するための運搬機構において、
    前記運搬機構が実質的に、互いに連結可能なある数の機能ユニットからなっていることと、1つの機能ユニットが前記搬送路に沿ってほぼ続けて配置された少なくとも2個のチェーンリンク(100、200)から成っていることと、このチェーンリンク(100、200)が互いに固定連結部及び/又は枢着連結部を形成していることと、前記機能ユニットが第1チェーンリンク(100)と第2チェーンリンク(200)から成り、この両チェーンリンクが機能的に異なっていて、互いに作用連結されていることと、前記搬送機構を形成するために、前記機能ユニットの順序が等しくなるように又はほぼ等しくなるように又は類似するように又はその機能に従って異なるように、前記機能ユニットが構成されていることと、前記機能ユニットが分離可能な連結又は摩擦連結による分離可能な連結及び/又は分離不可能な連結のための手段又は連結要素を備えていることを特徴とする運搬機構。
  16. 各々1個の第1チェーンリンク(100)が少なくとも2個の第1又は第2チェーンリンク(200)の間に配置されていることと、第1チェーンリンク(100)が他の両第2チェーンリンク(200)に枢着連結されていることあるいは第1チェーンリンク(100)が一方では第2チェーンリンク(200)の一方に枢着連結され、他方では第2チェーンリンク(200)の他方に固定連結されていることあるいは第1チェーンリンク(100)が他の両第2チェーンリンク(200)に固定連結されていることを特徴とする請求項15記載の運搬機構。
  17. 各々1個の第2チェーンリンク(200)が2個の第1チェーンリンク(100)の間に配置されていることと、第2チェーンリンク(200)が他の両第1チェーンリンク(100)に枢着連結されていることあるいは第2チェーンリンク(200)が一方では第1チェーンリンク(100)の一方に枢着連結され、他方では第1チェーンリンク(100)の他方に固定連結されていることあるいは第2チェーンリンク(200)が他の両第1チェーンリンク(100)に固定連結されていることあるいは個々のチェーンリンク及び/又は機能ユニットの間に他の機能機器が配置されていることを特徴とする請求項15記載の運搬機構。
  18. 前記第1チェーンリンク(100)が駆動チェーン(500)を駆動装置に接続するように設計された接続領域(110)を備え、前記第2チェーンリンク(200)が案内レール構造体(600)に沿って運搬機構を案内するように設計された少なくとも1個の案内装置(202、204、206、208)を備えていることを特徴とする請求項15記載の運搬機構。
  19. 前記接続領域(110)が前記搬送路の方向に対して横方向に、垂直に又はほぼ垂直に延在する櫛歯によって櫛状に形成されていることを特徴とする請求項18記載の運搬機構。
  20. 前記案内装置が4個の案内ローラからなっていることと、第1の対の案内ローラ(206、208)が前記搬送路に対して横方向に、垂直に又はほぼ垂直に延在する共通の第1ローラ軸線回りに回転可能に支承されていることと、第2の対の案内ローラ(202、204)が、前記搬送方向と前記第1ローラ軸線を含む平面に対して横方向、垂直又はほぼ垂直の共通の第2ローラ軸線回りに回転可能に支承されていることを特徴とする請求項18記載の運搬機構。
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