JP5935938B1 - 導電接合シートおよび導電接合シートの製造方法。 - Google Patents

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Abstract

【課題】実装時の接合不良の発生を防止する。【解決手段】導電接合シート8は、アクリル粘着剤及びシリコーン粘着剤から選択される粘着剤からなる粘着層と、加熱接着性の接着剤からなり、一方の最外層として接合物に接着し得る接合層とを含む絶縁シート1と、絶縁シート1に穿設された貫通孔6内にて粘着層により保持されるCu核ボール22とを備える。Cu核ボール22は、Cuボールと、SnまたはSnを主成分とするはんだ合金からなると共にCuボールを被覆するはんだ層とを有し、L*a*b*表色系における明度が65以上、かつ、L*a*b*表色系における黄色度が7.0以下である。【選択図】図11

Description

本発明は、導電接合シートおよび導電接合シートの製造方法に関する。
電子部品と配線基板等との電気的な導通を伴う接合には、一般的にはんだによる接合や異方導電性シートによる接合が行われている。はんだによる接合は、端子部のみのはんだ固定で部品固定が行われており、非導通部は非接着状態であるため不安定である。アンダーフィル樹脂で非導通部の空間を充填することもあるが、気泡を発生させずに加工することが困難である。また、高集積化した電子部品は端子部も多数配列され、精密なはんだ付けが困難になっている。
また、異方導電性シートは、一般的に加圧または加熱圧着により不連続な導電体が圧力方向に接触することにより、その両端間での導電性を得る。非導通部も接着性の異方導電性シートが充填された状態となっているので、接着状態としては安定している。しかし、高集積化した電子部品に対しては、端子間距離が極めて狭くなっており、端子間のリークを起こさず信頼性の高い導電状態を維持することが困難になっている。
これらの問題を解決する技術として、例えば、特許文献1には、導電性粒子を付着させ保持し得る粘着層と、一方の最外層として電子部品に接着し得る接合層とを有する絶縁シートであって、粘着層がアクリル粘着剤及びシリコーン粘着剤から選ばれる粘着剤からなり、かつ接合層が加熱接着性の接着剤からなる導電接合シート用の絶縁シートが記載されている。導電性粒子としては、例えば、金属粒子の表面に導電性金属薄層を形成したもの(以下、Cu核ボールという場合もある)などが使用されている。
導電性粒子の作製後における保管環境の温度や湿度によっても生じる場合がある。酸化膜が形成された導電性粒子を半導体パッケージの電極上に実装した後にリフロー処理した場合でも、同様にはんだの濡れ不良が生じ、導電性粒子を構成するはんだが電極全体に濡れ広がらず、電極が露出した状態になったり、導電性粒子の電極に対する位置ずれ等により導電性粒子の実装不良が発生してしまうという問題がある。そのため、導電性粒子の作製後における酸化膜厚の管理も重要な問題となっている。
例えば、特許文献2には、質量で0〜4.0%のAgと、0〜1.0%のCuと、残部Snおよび不可避的不純物からなるはんだボールにおいて、表面の黄色度(b値)を10以下とすることにより、はんだボールの表面に形成されるSn酸化膜厚を一定値以下に制御する技術が記載されている。
特許第4970767号公報 特開2009−248156号公報
しかしながら、Cu核ボールとしての導電性粒子の酸化膜厚を黄色度のみで管理しようとした場合、以下のような問題がある。図19は、Cu核ボールおよびはんだボールにおける黄色度(b値)と酸化膜厚との関係を示す図である。縦軸は黄色度を示し、横軸は酸化膜厚を示している。図19に示すように、はんだボールでは、表面の酸化膜厚が厚くなるにつれて黄色度も上昇していき、酸化膜厚と黄色度とは略比例関係となっている。そのため、はんだボールであれば、一定の膜厚までは黄色度によって酸化膜厚を管理することができる。
これに対し、Cu核ボールでは、はんだボールよりも酸化が早く進行し、これに伴い黄色度も上昇するが、その後、酸化膜厚の増加に関わらず黄色度が下降しており、酸化膜厚と黄色度とは比例関係になっていない。これは、Cuボールの表面を被覆するはんだめっき中の不純物が要因となっていると考えられる。そのため、Cu核ボールにおいては、はんだボールのように黄色度のみでは酸化膜厚を正確に管理することができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、はんだの溶融前において酸化膜厚を一定値以下で管理することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る導電接合シートは、アクリル粘着剤及びシリコーン粘着剤から選択される粘着剤からなる粘着層と、加熱接着性の接着剤からなる接合層と、を有する絶縁シートと、前記絶縁シートに穿設された貫通孔内にて前記粘着層により保持されるはんだ材料と、を備え、前記はんだ材料は、接合物と被接合物との間で間隔を確保する核と、SnまたはSnを主成分とするはんだ合金からなり、前記核を被覆する被覆層と、を有し、前記はんだ材料のL*a*b*表色系における明度が65以上、かつ、L*a*b*表色系における黄色度が7.0以下であることを特徴とする。
また、前記被覆層の表面に形成される酸化膜の膜厚は、3.8nm以下でも良い。
また、前記はんだ材料は、球状または柱状でも良い。
また、前記はんだ材料は、Ni及びCoから選択される1元素以上からなる層で被覆された前記核が、前記被覆層で被覆されでも良い。
また、本発明に係る導電接合シートの製造方法は、アクリル粘着剤及びシリコーン粘着剤から選ばれる粘着剤からなる粘着層と、加熱接着性の接着剤からなり一方の最外層として接合物に接着し得る接合層とを有する絶縁シートの所定位置に、はんだ材料を埋設するための貫通孔を穿設する工程と、前記絶縁シートの前記貫通孔内において前記粘着層に接するように前記はんだ材料を埋設する工程と、を有し、前記はんだ材料として、接合物と被接合物との間で間隔を確保する核と、SnまたはSnを主成分とするはんだ合金からなり前記核を被覆する被覆層とを含み、前記はんだ材料のL*a*b*表色系における明度が65以上、かつ、L*a*b*表色系における黄色度が7.0以下であるはんだ材料を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、より接合不良のないはんだ材料を正確に見分けることができるので、実装時の接合不良の発生を防止できる。
本発明の一実施形態に係るCu核ボールの構成例を示す断面図である。 Cu核ボールおよびはんだボールの酸化膜厚と明度との関係を示すグラフである。 絶縁シートの構成例を示す断面図である(その1)。 絶縁シートの構成例を示す断面図である(その2)。 絶縁シートの構成例を示す断面図である(その3)。 絶縁シートの構成例を示す断面図である(その4)。 絶縁シートの構成例を示す断面図である(その5)。 比較例(従来)における積層シートの断面図である。 絶縁シートの製造方法を説明するための図である。 貫通孔を穿設した絶縁シートの構成例を示す断面図である。 貫通孔にCu核ボールを埋設した導電接合シートの構成例を示す図である。 絶縁シートの貫通孔にCu核ボールを埋設する導電接合シートの製造方法を説明するための図である。 導電接合シートを用いた電子複合部品の構成例を示す図である(その1)。 導電接合シートを用いた電子複合部品の構成例を示す図である(その2)。 導電接合シートを用いた電子複合部品の製造方法を説明するための図である(その1)。 導電接合シートを用いた電子複合部品の製造方法を説明するための図である(その2)。 本発明の一実施形態に係るCu核カラムの構成例を示す断面図である。 貫通孔にCu核カラムを埋設した導電接合シートの構成例を示す図である。 Cu核ボールおよびはんだボールの酸化膜厚と黄色度との関係を示すグラフである。
以下に、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、全ての明色度および黄色度は、L*a*b*表色系のことを指す。
本発明に係る導電接合シートは、アクリル粘着剤及びシリコーン粘着剤から選ばれる粘着剤からなる粘着層と、加熱接着性の接着剤からなり、一方の最外層として接合物に接着し得る接合層とを含む絶縁シートと、この絶縁シートに穿設された貫通孔内において粘着層によって保持されるはんだ材料と、を備えている。はんだ材料は、接合物と被接合物との間で間隔を確保する核と、核を被覆する被覆層と、を有している。
[1.Cu核ボール22の構成例]
図1は、本発明に係るはんだ材料としてのCu核ボール22の構成の一例を示す断面図である。図1に示すように、Cu核ボール22は、所定の大きさを有して半導体パッケージ(接合物)とプリント基板(被接合物)との間で間隔を確保する核の一例であるCuボール20と、Cuボール20を被覆する被覆層の一例であるはんだ層21とを備えている。
・Cu核ボール22(はんだ層)の明度が65以上、黄色度が7.0以下
Cu核ボール22は、明度が65以上、黄色度が7.0以下である。より好ましくは、明度が70以上、黄色度が5.1以下である。Cu核ボール22の明度および黄色度を上述した範囲内とすることで、はんだ層21の表面に形成される酸化膜厚を一定値以下で管理することができる。例えば、Cu核ボール22の明度および黄色度を測定し、明度が65以上、黄色度が7.0以下のCu核ボール22を選定した場合には、酸化膜厚を4nm以下で管理することができる。また、Cu核ボール22の明度および黄色度を測定し、明度が70以上、黄色度が5.1以下のCu核ボール22を選定した場合には、酸化膜厚を2nm以下で管理することができる。
本発明では、黄色度のみや明度のみの一つの指標ではCu核ボール22の酸化膜厚の正確な管理ができないことから、黄色度と明度との二つの指標によってCu核ボール22の酸化膜厚を管理している。黄色度のみでCu核ボール22の酸化膜厚を管理できない理由については既に説明したので、以下ではCu核ボール22の酸化膜厚を明度のみで管理できない理由について説明する。
図2は、Cu核ボール22およびはんだボールの酸化膜厚と明度との関係を示すグラフである。縦軸は明度を示し、横軸は酸化膜厚を示す。図2に示すように、Cu核ボール22の酸化膜厚と明度とは、酸化膜が厚くなるほど明度が低くなるという相関関係にある。このときの酸化膜厚と明度の相関係数Rを求めた。相関係数Rは、−1から1の範囲で求められる。そして算出された相関係数を二乗して寄与率Rを求めた。寄与率Rは0から1の範囲で求められ、1に近い程、明度と酸化膜厚に相関関係があることを表す。Cu核ボール22の酸化膜厚と明度の寄与率Rは=0.8229となり、1よりも比較的小さい値となる。これに対し、図19に示した黄色度が低下する前の値のみを用いて酸化膜厚と黄色度の寄与率を上述した方法により求めると、黄色度による管理の方が寄与率R=0.9523となり、1に近い値となる。したがって、明度による管理のみでは、測定値にばらつきが多く、酸化膜厚を高精度に管理することができないという問題がある。そのため、本発明では、明度と黄色度の二つの指標を用いてCu核ボール22の酸化膜厚の正確な管理を行っている。
(a) Cuボール20について
Cuボール20は、Cu核ボール22がはんだバンプに用いられる際、はんだ付けの温度で溶融しないため、はんだ継手の高さばらつきを抑制する機能を有する。したがって、Cuボール20は、真球度が高く直径のバラツキが少ない方が好ましい。また、上述のように、Cuボール20のα線量もはんだ層21と同様に低いことが好ましい。以下に、Cuボール20の好ましい態様を記載する。
・Cuボール20の組成
Cuボール20は、Cu単体の組成とすることもできるし、Cuを主成分とする合金組成とすることもできる。Cuボール20を合金により構成する場合、Cuの含有量は50質量%以上である。また、核となるボールとしては、Cu以外にも、Ni、Ag、Bi、Pb、Al、Sn、Fe、Zn、In、Ge、Sb、Co、Mn、Au、Si、Pt、Cr、La、Mo、Nb、Pd、Ti、Zr、Mgの金属単体や合金、金属酸化物、あるいは金属混合酸化物により構成しても良いし、樹脂材料によって構成しても良い。
・Cuボールの純度:99.9%以上
Cuボール20の純度は、特に限定されないが、純度の低下によるCuボール20の電気伝導度や熱伝導率の劣化を抑制する観点から、好ましくは99.9%以上である。Cuボール20に含まれる不純物元素としては、Sn、Sb、Bi、Ni、Zn、Fe、Al、As、Ag、In、Cd、Pb、Au、P、S、Coなどが考えられる。
・Cuボールの真球度:0.95以上
Cuボール20の真球度は、スタンドオフ高さを制御する観点から0.95以上である。Cuボール20の真球度が0.95未満であると、Cuボール20が不定形状になるため、バンプ形成時に高さが不均一なバンプが形成され、接合不良が発生する可能性が高まる。さらに、Cu核ボール22を電極に搭載してリフローを行う際、Cu核ボール22が位置ずれを起こしてしまい、セルフアライメント性も悪化する。真球度は、より好ましくは0.990以上である。本発明において、真球度とは真球からのずれを表す。真球度は、例えば、最小二乗中心法(LSC法)、最小領域中心法(MZC法)、最大内接中心法(MIC法)、最小外接中心法(MCC法)など種々の方法で求められる。詳しくは、真球度とは、500個の各Cuボール20の直径を長径で割った際に算出される算術平均値であり、値が上限である1.00に近いほど真球に近いことを表す。本発明での長径の長さ、および直径の長さとは、ミツトヨ社製のウルトラクイックビジョン、ULTRA QV350−PRO測定装置によって測定された長さをいう。
・Cuボールの直径:1〜1000μm
Cuボール20の直径は、1〜1000μmであることが好ましい。Cuボール20の直径を上述した範囲にすることで、球状のCuボール20を安定して製造でき、また、端子間が狭ピッチである場合の接続短絡を抑制することができる。
ここで、例えば、Cu核ボール22の直径が1〜300μm程度である場合、「Cu核ボール」の集合体は「Cu核パウダ」と称されてもよい。ここに、「Cu核パウダ」は、上述の特性を個々のCu核ボール22が備えた、多数のCu核ボール22の集合体である。例えば、はんだペースト中の粉末として配合されるなど、単一のCu核ボール22とは使用形態において区別される。同様に、はんだバンプの形成に用いられる場合にも、集合体として通常扱われるため、そのような形態で使用される「Cu核パウダ」は単一のCu核ボール22とは区別される。
(b) はんだ層21について
・はんだ層21の組成
はんだ層21は、Sn単体の組成とすることもできるし、Snを主成分とする鉛フリーはんだ合金の合金組成とすることもできるし、Sn−Pbはんだ合金の組成とすることもできる。はんだ層21を合金により構成する場合、Snの含有量は40質量%以上である。鉛フリーはんだ組成の一例としては、例えば、Sn、Sn−Ag合金、Sn−Cu合金、Sn−Bi合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−In合金、およびこれらに所定の合金元素を添加したものが挙げられる。添加する合金元素としては、例えばAg、Cu、In、Ni、Co、Sb、P、Fe等が挙げられる。添加する合金元素の添加量については、鉛フリーはんだ合金の黄色度と明度がSn単体の黄色度と明度とほぼ同程度となる量に抑えるのが好ましい。これらの中でも、はんだ層21の合金組成は、熱疲労寿命の観点から、Sn−3Ag−0.5Cu合金が好ましい。はんだ層21の厚さは、特に制限されないが、例えば100μm(片側)以下であれば十分である。一般には20〜50μmであれば良い。なお、本発明におけるSnを主成分とする鉛フリーはんだ合金のSnの含有量は、好ましくはSnが80%以上、より好ましくはSnが90%以上である。
[2.Cu核ボール22の製造方法]
次に、本発明に係るCu核ボール22の製造方法の一例を説明する。まず、セラミックのような耐熱性の板であって、底部に半球状をなす多数の円形の溝が設けられた耐熱板を用意する。溝の直径や深さは、Cuボール20の粒径に応じて適宜設定されており、例えば、直径が0.8mmであり、深さが0.88mmである。次に、材料となるCu細線を切断することで得られたチップ形状のCu材(以下、「チップ材」という。)を、耐熱板の溝内に一個ずつ投入する。
次に、溝内にチップ材を投入した耐熱板を、還元性ガス、例えばアンモニア分解ガスが充填された炉内で1100〜1300℃に昇温し、30〜60分間加熱処理を行う。このとき炉内温度がCuの融点以上になると、チップ材は溶融して球状となる。その後、炉内を冷却することで、耐熱板の溝内でCuボール20を成形する。
また、別の方法としては、溶融Cuを滴下し、この液滴を冷却してCuボール20を造球するアトマイズ法や、熱プラズマにてCuカットメタルを1000℃以上に加熱して造球する方法がある。このように造球されたCuボール20は、それぞれ800〜1000℃の温度で30〜60分間再加熱処理を施しても良い。また、Cuボール20を造球する前に、Cuボール20の原料であるCu材を800〜1000℃で加熱処理しても良い。
Cuボール20の原料であるCu材としては、例えばペレット、ワイヤ、ピラーなどを用いることができる。Cu材の純度は、Cuボール20の純度を下げすぎないようにする観点から99.9〜99.99%でよい。さらに、高純度のCu材を用いる場合には、上述した加熱処理を行わず、溶融Cuの保持温度を従来と同様に1000℃程度に下げてもよい。このように、上述した加熱処理は、Cu材の純度に応じて適宜省略や変更されてもよい。
めっき液を流動させてCuボール20にはんだ層21を形成する方法としては、公知のバレルめっき等の電解めっき法、めっき槽に接続されたポンプがめっき槽中にめっき液に高速乱流を発生させ、めっき液の乱流によりCuボール20にはんだ層21を形成する方法、めっき槽に振動板を設けて所定の周波数で振動させることによりめっき液が高速乱流攪拌され、めっき液の乱流によりCuボール20にはんだ層21を形成する方法等がある。
本発明の一実施の形態に係るSn−Ag−Cu含有めっき液は、水を主体とする媒体に、スルホン酸類及び金属成分としてSn、Ag及びCuを必須成分として含有している。
金属成分はめっき液中でSnイオン(Sn2+およびまたはSn4+),Agイオン(Ag+)及びCuイオン(Cu+およびまたはCu2+)として存在している。めっき液は、主として水とスルホン酸類からなるめっき母液と金属化合物を混合することにより得られ、金属イオンの安定性のために、好ましくは有機錯化剤を含有する。
めっき液中の金属化合物としては、例えば以下のものを例示することができる。Sn化合物の具体例としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸などの有機スルホン酸の錫塩、硫酸錫、酸化錫、硝酸錫、塩化錫、臭化錫、ヨウ化錫、リン酸錫、ピロリン酸錫、酢酸錫、ギ酸錫、クエン酸錫、グルコン酸錫、酒石酸錫、乳酸錫、コハク酸錫、スルファミン酸錫、ホウフッ化錫、ケイフッ化錫などの第一Sn化合物が挙げられる。これらのSn化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
Cu化合物としては、上述した有機スルホン酸の銅塩、硫酸銅、酸化銅、硝酸銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、リン酸銅、ピロリン酸銅、酢酸銅、ギ酸銅、クエン酸銅、グルコン酸銅、酒石酸銅、乳酸銅、コハク酸銅、スルファミン酸銅、ホウフッ化銅、ケイフッ化銅などが挙げられる。これらのCu化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
Ag化合物としては、上記有機スルホン酸の銀塩、硫酸銀、酸化銀、塩化銀、硝酸銀、臭化銀、ヨウ化銀、リン酸銀、ピロリン酸銀、酢酸銀、ギ酸銀、クエン酸銀、グルコン酸銀、酒石酸銀、乳酸銀、コハク酸銀、スルファミン酸銀、ホウフッ化銀、ケイフッ化銀などが挙げられる。これらのAg化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
本発明では、Cuボール20およびめっき液を流動させながらめっきを行うが、流動させる方法については特に限定されない。例えば、バレル電解めっき法のようにバレルの回転よりCuボール20およびめっき液を流動させることができる。めっき処理後、大気中やN2雰囲気中で乾燥して、本発明に係るCu核ボール22を得ることができる。
なお、Cuボール20にはんだめっきを行った場合、めっき液の残渣がCu核ボール22の表面に残ってしまう場合がある。そのため、Cu核ボール22の表面に残っためっき液残渣を取り除くために、一般に洗浄処理が実施される。洗浄液としては、例えば、純水、イソプロピルアルコール等のアルコールやケトン(アセトン)等の有機溶剤、リン酸三ナトリウム等の酸性洗浄液、塩基性洗浄液等を用いることができる。洗浄液は、単体で使用しても良いし、複数の洗浄液を組み合わせて使用しても良い。
洗浄方法としては、例えば、浸漬洗浄、超音波洗浄、スプレー洗浄、シャワー洗浄、ジェット洗浄、真空洗浄、脱気洗浄、バレル洗浄、揺動ブラシ洗浄、噴流バブリング洗浄、マイクロバブリング洗浄等を採用することができる。洗浄方法は、要求される洗浄効果に応じて単一の洗浄方法を採用しても良いし、複数の洗浄方法を組み合わせても良い。洗浄方法や洗浄液、洗浄時間に応じて、洗浄後にCu核ボール22の表面に残るめっき残渣も異なり、保管時の酸化レベルも異なるので、洗浄処理を十分に実施することで、長期間保管後に酸化し難いCu核ボール22を得ることができる。
[3.絶縁シートの構成要素例]
本発明に係る絶縁シートは、アクリル粘着剤及びシリコーン粘着剤から選ばれる粘着剤からなる粘着層および加熱接着性の接着剤からなる接合層の他に、支持フィルム、接合層および保護フィルムを備えている。
(a) 粘着層について
本発明の絶縁シートに用いられる粘着層は、Cu核ボール22を保持するためにタック性を有する。粘着層のタック性は、ボールタック値で2以上であることが好ましい。特に好ましくは、3〜20である。ボールタック値が低すぎると、Cu核ボール22を粘着層に付着させるときに捉え損なうおそれがあり、ボールタック値が大きすぎると粘着層の凝集性が低くなりやすく、耐熱性が劣ったり断面から粘着剤がはみ出てしまうおそれがある。
粘着層の粘着材料としては、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等のいずれでもよい。特に、シリコーン系粘着剤やアクリル系粘着剤が汎用性や耐久性に優れることにより、好ましく用いられる。
シリコーン系粘着剤は、通常、シリコーンレジン成分とシリコーンガム成分との混合物からなる粘着主剤と、架橋剤や触媒等の添加剤より構成される。シリコーン系粘着剤はその架橋系により、付加反応型、縮合反応型、過酸化物架橋型等が存在し、生産性等の面で付加反応型シリコーン粘着剤が好ましい。付加反応型シリコーン系粘着剤は、シリコーンガム成分にビニル基を含み、ヒドロシリル基(SiH基)を架橋部位としたシリコーンガム成分またはシリコーンレジン成分で架橋したものとなる。また、必要に応じ付加反応型シリコーン系粘着剤には、反応促進のため白金触媒等の触媒が配合される。
アクリル系粘着剤としては、各種アクリル酸エステルモノマーと所要によって配合される共重合性のモノマーとの共重合によって得られるコポリマーを主原料とし、適宜架橋剤その他の添加剤が配合されたものが好適に用いられる。
アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが用いられる。
共重合性のモノマーとしては、例えば官能基を有しないモノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレン、アクリロニトリルが好適に用いられる。
また、官能基を有する共重合性のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有モノマー、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有モノマー、アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド等のN−置換アミド基含有モノマー、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマーが好適に用いられる。
コポリマーのガラス転移温度(Tg)が低ければ、絶縁シートの粘着層のボールタックの値は大きくなる傾向があり、例えばホモポリマーのTgが低いアルキル基の炭素数が4〜8であるアクリル酸エステルモノマーの共重合比率を多くすることにより達成される。また、官能基を有するモノマーをコポリマーに配合することにより、粘着層の凝集性や接着性を向上させることができる。
アクリル系粘着剤に用いられる架橋剤としては、イソシアナート系、エポキシ系、金属キレート化合物系、アミン化合物系、ヒドラジン化合物系、アルデヒド化合物系、金属アルコキシド系、金属塩系等が挙げられ、中でもイソシアナート系、エポキシ系が好ましい。
(b) 支持フィルムについて
本発明の絶縁シートに用いられる支持フィルムとは、高温下または外部より機械的応力を受けた場合であっても配列したCu核ボール22の位置ずれを防止するフィルムをいう。従って、耐熱性を考慮して、高融点のものまたは融点が存在しないものが望ましく、機械的強度の高いものが望ましい。支持フィルムの融点または融点を持たない支持フィルムの熱分解温度は150℃以上が好ましく、200℃以上がさらに好ましい。ポリイミド樹脂、特に芳香族ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の高寸法安定性・耐熱性フィルムが好適に用いられる。支持フィルムの機械的強度としては、室温におけるヤング率で100MPa以上が好ましい。
(c) 接合層について
本発明の絶縁シートに用いられる接合層とは、一方の電子部品の絶縁部(電極の配置されていない面部分)に接着するためのものであり、汎用のフィルム状接着剤や前述した粘着剤を用いることができる。特に常温では非粘着性であるが、加温により電子部品への接着性を示す加熱接着性のフィルム状接着剤が好ましい。
加熱接着性のフィルム状接着剤としては、例えば、ポリイミド樹脂、特に脂肪族ポリイミド樹脂、ポリイソイミド樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド・イソインドロキソナゾリンジオンイミド樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン酸等の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
(d) 保護フィルムについて
本発明の絶縁シートに用いられる保護フィルムは、絶縁シート表面に剥離可能に積層され、絶縁シートの粘着層または接合層の表面を異物の付着、擦傷や変形から保護する。保護フィルムとしては、シリコーン樹脂やアルキッド樹脂などの剥離剤が塗布されたフィルムが好適に用いられ、特にポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムの剥離処理品が好ましい。保護フィルムの厚さは、10〜200μmが好ましい。絶縁シートの接合層が非粘着性のフィルム状接着剤である場合は、保護フィルムが配設されていなくてもよいが、粘着性である場合は、絶縁シートは保護フィルムを配設することによって取り扱い易くなる。また、粘着層や接合層を製膜する際のキャリアフィルムをそのまま積層し、これを保護フィルムとして流用してもよい。
本発明の絶縁シートは、絶縁性であり、体積抵抗値が1012Ω・cm以上であることが好ましい。この絶縁シートを構成する粘着層、接合層および支持フィルムも絶縁性であり、それぞれ、体積抵抗値が1012Ω・cm以上であることが好ましい。
[4.絶縁シート1の構成例]
本発明の絶縁シートの構造、その製造方法、導電接合シートの製造方法および電子複合部品の製造方法を図面を参照しながら説明する。図3〜図7は本発明の絶縁シート1、図8は比較例としての絶縁シートである。本発明の絶縁シート1の基本的な構造は、単層の粘着層2からなるシート構造であるが、種々の機能をもった他の層との積層構造の絶縁シートが好ましい。
図3は、粘着層2と接合層3が積層された2層構造の絶縁シート1である。図4は、本発明の絶縁シート1の3層積層構造の例であり、接合層3、粘着層2および接合層3を順次積層したものである。図5は、図3の積層構造の層間に支持フィルム4が挿入された別の3層構造の絶縁シート1である。図3および図5における粘着層2は、Cu核ボール22を保持すると共に、電子部品等の電極(パッド)等の電気接点部を除く面と粘着する機能も有しており、接合層としての役割も果たしている。図5において、接合層3を、接合層3としての役割も果たす粘着層2で置換し、粘着層2、支持フィルム4および粘着層2よりなる3層構造としてもよい。
図6は、本発明の絶縁シート1の4層積層構造の一例であり、接合層3、粘着層2、支持フィルム4および接合層3を順次積層したものである。図7は、5層構造の絶縁シート1の一例であり、接合層3、支持フィルム4、粘着層2、支持フィルム4および接合層3を順次積層したものである。本発明の絶縁シートはいずれも、粘着層2を有しているためCu核ボール22が安定して保持される。図8は、比較対照のための3層構造の例であり、接合層3、支持フィルム4および接合層3を順次積層したものである。粘着層2を有していないためCu核ボール22が安定して保持されない。
粘着層2、支持フィルム4および接合層3の厚さは、完成された導電接合シート8における各層の配列等、特に保護フィルムを除く絶縁シートの総厚によって支配され、その好ましい範囲が変化する。保護フィルム5を除く絶縁シート1は、これによって製造される導電接合シートの構成上、Cu核ボール22の粒径よりも若干薄くなることが好ましい。従って、その厚さは30〜300μmが好ましい。
粘着層2の厚さは、埋設されたCu核ボール22と安定的に接するように選択される必要があり、その観点から保護フィルムを除く絶縁シートの総厚の10〜100%が好ましく、より好ましくは絶縁シートの総厚の20〜80%である。
接合層3の厚さは、接合層が粘着層を兼ねる場合は、上記の粘着層2の厚みが好ましい範囲であり、接合層が加熱接着性の接着剤よりなる場合は、5〜200μmの範囲が好ましい。
支持フィルム4の厚さは、絶縁シートの総厚や、粘着層2の厚さおよび材料、接合層3の厚さおよび材料に依存するが、5〜200μmが好ましい。
次に、絶縁シートの製造方法を図6に示す絶縁シート1を例に図9に基づいて説明する。図9は、保護フィルム5を用いる場合の一例である。予め、保護フィルム5に接合層3用の塗料を塗布して製膜し、保護フィルム+接合層の積層体を2倍量調製しておく。別途調製した粘着層2用の塗料を支持フィルム4に塗布製膜して形成された粘着層2と上記積層体の接合層3とを接合する。続いて、残りの積層体の接合層3側を支持フィルム4の表面に加熱接着することにより、絶縁シート1を製造する。これは、絶縁シート1の製造方法の一例であり、加工のしやすさや層間の接着性などを考慮して、塗布製膜の順番や積層の順番は適宜変更できる。また、上記では接合層3や粘着層2が塗料として供給される場合の製造方法について説明をしたが、これに限らずペレットで供給される場合がある。この場合、塗布製膜の代わりにペレットを加熱溶融させて支持フィルムまたは保護フィルムへ押出製膜することによって上記と同様に製造できる。
[5.Cu核ボール22を用いた導電接合シート8の構成例および製造方法例]
導電接合シート8は、以下のように製造する。図10に示すように絶縁シート1の所定位置に少なくとも一方の開口部の径が導電性粒子であるCu核ボール22の直径より大きくなるように貫通孔6を穿設する。絶縁シート1が保護フィルム5を有する場合は、保護フィルム5を有する状態で穿設することが好ましいが、接合層3が非粘着性の場合は保護フィルム5を除去して絶縁シート1に貫通孔6を穿設してもよい。
また、貫通孔6は、円筒状でもよいが、厚さ方向にすり鉢状(テーパー状)または階段状に形成すると一方の開口部をより大きくできるので導電性粒子が貫通孔6に入り易くなると共に、貫通孔6内の所定の位置に配置され易くなるため好ましい。貫通孔6を形成する手段は、レーザー加工、ドリル加工、パンチング加工等が挙げられる。これらの内、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等を用いたレーザー加工が高精度の貫通孔6を形成するために好ましい。図11は、導電性粒子7が絶縁シート1の貫通孔6内に埋設されている導電接合シート8を示す。導電性粒子7が貫通孔6内に安定的に保持されるためには、粘着層に接して埋設されていることが重要である。
さらに、貫通孔6の壁面に露出する粘着層2に保管中にゴミが付着しないように、貫通孔の穿設された保護フィルム5の上、または保護フィルム5を除去した接合層3上に、別のフィルムを貼合して貫通孔6を塞いでしまってもよい。別のフィルムとしては、直接接合層3と積層する場合は保護フィルム5と同じフィルムが、保護フィルム5に積層する場合は粘着層を有するフィルムが、各々用いられる。
Cu核ボール22を貫通孔6内に埋設する方法としては、(イ)絶縁シート1上でCu核ボール22を揺動する方法、(ロ)貫通孔6を通して絶縁シート1上のCu核ボール22を吸引する方法、(ハ)多数の連結した孔部を有する多孔質台の上に、より大きい開口部を上にして配置した絶縁シートを乗せ、多孔質台下部から絶縁シート1上のCu核ボール22を減圧吸引する方法、(ニ)貫通孔6と同配列で吸着固定したCu核ボール22を転写する方法等がある。(イ)と、(ロ)または(ハ)の方法を組み合わせて、絶縁シート1上でCu核ボール22を揺動しながら、絶縁シート1の反対側から貫通孔6または多孔質台を通して吸引する方法が好ましい。(ハ)の方法は、多孔質台が有する多数の連結した孔部から吸引するので、多孔質台に吸引穴を穿設する必要がない。電子部品同士の高密度の電気的接続を高精度に行うためには、(ニ)の方法が好ましい。(ロ)または(ニ)の方法において、Cu核ボール22を吸引固定する方法として電磁的に吸引固定する方法と減圧により吸引固定する方法とがある。
図12に、Cu核ボール22を転写する(ニ)の方法を示す。保護フィルム5を有する絶縁シート1を貫通孔6のより大きい開口部を下にして配置し、その下方に吸引テーブル9を配置する。吸引テーブルには、絶縁シート1の貫通孔6の配列と位置合わせして配列した吸引穴10が穿設されている。吸引穴10の上部は、Cu核ボール22を固定できるようにテーパー状に加工されている。Cu核ボール22を吸引テーブル9上で揺動しながら、吸引穴10を通して減圧吸引すると、各Cu核ボール22は吸引穴10の上部に配置される。次に、絶縁シート1の貫通孔6と吸引穴10上のCu核ボール22を位置合わせした状態を維持しながら、絶縁シート1を下方に移動するか、あるいは吸引テーブル9を上方に移動することにより吸引テーブル9の上面から絶縁シート1を押し付け、全てのCu核ボール22を所定の貫通孔6に配置する。その後、吸引を停止し絶縁シート1へのCu核ボール22の埋設が完了する。上述の方法において、絶縁シート1と吸引テーブル9が上下逆の位置関係であってもよい。
[6.電子部品11の構成例および製造方法例]
次に、上述のように製造された導電接合シート8を用いて、2種の電子部品11(a)、11(b)を電気的に接続して電子複合部品を製造する方法を説明する。ここで、電子部品とは、半導体チップ、半導体デバイス(インターポーザー面)、マザーボード(基板)、プリント配線板等の回路板等をいう。電子複合部品としては、図13に示すような半導体装置12や図14に示す半導体装置が回路基板に搭載された構造体13が例示される。
図13に示す半導体装置12における2種の電子部品は、半導体チップ14とインターポーザー15が相当し、図14に示す構造体13においては、半導体装置12と回路基板16がこれに相当する。この例において、半導体チップ14および半導体装置12は、通常、導電接合のために回路電極のパッド上に導電性のバンプが形成されているが、本発明の製造方法においては導電性のバンプは不要であり、バンプを搭載するパッド部が電極として露出している構造のものが用意される。なお、本発明の導電接合シート8は、半導体装置に関して上記のようにその製造段階および使用段階の両工程において使用可能である。
電子複合部品の製造方法を図15および図16を参照しつつ以下に説明する。図15に示すように導電接合シート8の一面の保護フィルムを剥離し、一方の電子部品11(a)へ露出した接合層面(または粘着面)を対面させる。導電接合シート8に埋設されたCu核ボール22と電子部品11(a)の電極17のパッド面とが所定の配列で対向するよう位置合わせし、導電接合シート8と電子部品11(a)が仮接着される。最外層が粘着層の場合は室温で圧着することで、加熱接着性の接着剤を使用した接合層の場合は、加熱テーブルまたは加熱ローラを用いて加熱圧着することで、仮接着される。次に、導電接合シート8の反対面の保護フィルムを剥離し、次の電子部品11(b)へ露出した接合層面(または粘着層面)を対面させ、上記と同様にして電子部品11(b)と導電接合シート8とを仮接着し、三者の積層体を作製する。続いて、この積層体をIRリフロー(最高温度240〜265℃)へ投入し、加熱処理することにより、Cu核ボール22が溶融し貫通孔6の空隙を充満すると共に、電子部品11(a)および11(b)のそれぞれの電極17とが融着し、電気的接合に加え機械的接合が図16のように完成する。また、導電接合シート8の絶縁シート1の部分は電子部品間の空間を埋めるアンダーフィルの役割を果たす。
上記の説明では、図15において三者の積層体を上方から順次積層する工程を示したが、反対に下方から仮接着で積層する工程が採用されてもよいし、三者を一括して仮接着で積層する工程が採用されてもよい。また、接合層(または粘着層)に保護フィルムが積層された導電接合シートを用いる製造方法を示しているが、保護フィルムのない場合も同様の方法を採用できる。
[7.Cu核カラム32の構成例]
上述した例では、はんだ材料として球状のCu核ボール22を用いた場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、はんだ材料として円柱状のCu核カラム32を用いることもできる。なお、Cu核カラム32の明度や黄色度、材料、および絶縁シートの構成や材料等については上述したCu核ボール22等と共通するため、以下では異なる部分についてのみ説明する。
図17は、本発明に係るはんだ材料としてのCu核カラム32の構成の一例を示す断面図である。図17に示すように、本発明に係るCu核カラム32は、所定の大きさを有して半導体パッケージとプリント基板との間で間隔を確保する核の一例であるCuカラム30と、Cuカラム30を被覆する被覆層の一例であるはんだ層31とを備えている。なお、本例では、Cuカラム30を円柱状に構成したが、これに限定されることはなく、例えば四角柱であっても良い。
・Cu核カラム32(はんだ層)の明度が65以上、黄色度が7.0以下
Cu核カラム32は、明度が65以上、黄色度が7.0以下である。より好ましくは、明度が70以上、黄色度が5.1以下である。Cu核カラム32の明度および黄色度を上述した範囲内とすることで、はんだ層31の表面に形成される酸化膜厚を一定値以下で管理することができる。例えば、Cu核カラム32の明度および黄色度を測定し、明度が65以上、黄色度が7.0以下のCu核カラム32を選定した場合には、酸化膜厚を4nm以下で管理することができる。また、Cu核カラム32の明度および黄色度を測定し、明度が70以上、黄色度が5.1以下のCu核カラム32を選定した場合には、酸化膜厚を2nm以下で管理することができる。
(a) Cuカラム30について
・Cuカラム30の組成
Cuカラム30は、Cu単体の組成とすることもできるし、Cuを主成分とする合金組成とすることもできる。Cuカラム30を合金により構成する場合、Cuの含有量は50質量%以上である。また、核となるカラムとしては、Cu以外にも、Ni、Ag、Bi、Pb、Al、Sn、Fe、Zn、In、Ge、Sb、Co、Mn、Au、Si、Pt、Cr、La、Mo、Nb、Pd、Ti、Zr、Mgの金属単体や合金、金属酸化物、あるいは金属混合酸化物により構成しても良いし、樹脂材料によって構成しても良い。
・Cuカラム30の純度:99.9%以上
本発明を構成するCuカラム30の純度は特に限定されないが、純度の低下によるCuカラム30の電気伝導度や熱伝導率の劣化を抑制する観点から、好ましくは99.9%以上である。Cuカラム30に含まれる不純物元素としては、Sn、Sb、Bi、Ni、Zn、Fe、Al、As、Ag、In、Cd、Pb、Au、P、S、Coなどが考えられる。
・Cuカラム30の線径Dおよび長さH
Cuカラム30は、線径(直径)Dが10〜3000μmであり、長さLが20〜30000μmである。Cuカラム30を上述した範囲とすることで、円柱状のCuカラム30を安定して製造できると共に、端子間が狭ピッチである場合の接続短絡を抑制することができる。
(b) はんだ層31について
・はんだ層31の組成
はんだ層31は、Sn単体の組成とすることもできるし、Snを主成分とする鉛フリーはんだ合金の合金組成とすることもできるし、Sn−Pbはんだ合金の組成とすることもできる。はんだ層31を合金により構成する場合、Snの含有量は40質量%以上である。添加する合金元素としては、例えばAg、Cu、In、Ni、Co、Sb、P、Fe等が挙げられる。はんだ層31の厚さは、特に制限されないが、例えば100μm(片側)以下であれば十分である。一般には20〜50μmであれば良い。なお、Snを主成分とする鉛フリーはんだ合金のSnの含有量は、好ましくはSnが80%以上、より好ましくはSnが90%以上である。
[8.Cu核カラム32の製造方法]
次に、本発明に係るCu核カラム32の製造方法の一例を説明する。Cu核カラム32のCuカラム30の製造方法については、公知の技術を採用することができる。例えば、ダイスに銅線を通して銅線を所定の径に伸線し、伸線した銅線を所定の長さで切断することによりCuカラム30を作製する。
続けて、作製したCuカラム30にはんだ層31を形成する。はんだ層31を形成する方法としては、公知のバレルめっき等の電解めっき法や、めっき槽に接続されたポンプがめっき槽中にめっき液に高速乱流を発生させてめっき液の乱流によりCuカラム30にはんだ層31を形成する方法、めっき槽に振動板を設けて所定の周波数で振動させることによりめっき液を高速乱流攪拌してめっき液の乱流によりCuカラム30にはんだ層31を形成する方法等がある。はんだ層31の形成後、Cu核カラム32の表面に残っためっき液残渣を取り除くために、洗浄処理を実施する。
[9.Cu核カラム32を用いた導電接合シート8の構成例および製造方法例]
図18は、はんだ材料としてCu核カラム32を採用した場合における導電接合シート8の構成の一例を示している。図18に示すように、絶縁シート1の所定位置には、Cu核カラム32の径と略等しいまたはこれ以上の径からなる円筒状の貫通孔6が穿設される。絶縁シート1が保護フィルム5を有する場合は、保護フィルム5を有する状態で穿設することが好ましいが、接合層3が非粘着性の場合は保護フィルム5を除去して絶縁シート1に貫通孔6を穿設してもよい。
なお、貫通孔6は、円筒状でもよいが、厚さ方向にすり鉢状(テーパー状)または階段状に形成すると一方の開口部をより大きくできるので導電性粒子が貫通孔6に入り易くなると共に、貫通孔6内の所定の位置に配置され易くなるため好ましい。貫通孔6を形成する手段や、Cu核カラム32を貫通孔6に埋設する方法等については、上述した方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[10.その他の構成例および製造方法例]
なお、本発明に係るCu核ボール22およびCu核カラム32は、はんだ層21,31を形成する前に、予めCuボール20およびCuカラム30の表面が別の金属のめっき層で被覆されていても良い。特に、Cuボール20およびCuカラム30の表面が予めNiめっき層やCoめっき層等で被覆されていると、電極への接合時において、はんだ中へのCuの拡散を低減することができるため、Cuボール20およびCuカラム30のCu食われを抑制することが可能となる。また、めっき層を構成する金属は単一金属に限られず、Ni、Co等の中から2元素以上を組み合わせた合金であっても良い。また、本発明に係るCu核ボール22およびCu核カラム32は、表面全体をフラックスにより被覆することができる。
また、本発明に係るCu核ボール22およびCu核カラム32を構成する核は、樹脂カラムにより構成することもできる。樹脂材料としては、例えばアミノ樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、架橋樹脂等からなるものが挙げられる。中でもポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導電性プラスチック等を使用するのが好ましい。核を樹脂材料とした場合、Cuボール20およびCuカラム30と、これの表面を被覆するCuめっき(機能層)と、Cuめっき層の表面を被覆するNiめっき層(機能層)と、Niめっき層の表面を被覆するSn−Ag−Cu系はんだ層21,31によりCu核ボール22およびCu核カラム32を構成することができる。また、Cu核ボール22およびCu核カラム32は、Cuボール20およびCuカラム30と、これの表面を被覆するCuめっき層と、Cuめっき層の表面を被覆するNiめっき層と、Niめっき層の表面を被覆するCuめっき層と、Cuめっき層の表面を被覆するSn−Ag系のはんだ層21,31により構成することもできる。なお、上述した機能層や被覆層の種類や積層構造は、上記例に限定されるものではない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、より接合不良のないCu核ボール22およびCu核カラム32を正確に見分けることができるので、実装時の接合不良の発生を防止できる。また、Cu核ボール22を用いた場合では、従来のように、メタルマスク等を用いてCu核ボール22を搭載する必要がないので、Cu核ボール22がずれて、例えば斜めに配置されてしまうことを防止できる。これにより、実装時の接合不良を防止できる。
以下に本発明のCu核ボールでの実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
・Cuボールの作製
純度が99.9%のCuペレット、純度が99.995%以下のCuワイヤ、および純度が99.995%を超えるCu板を準備した。準備した各々をるつぼの中に投入した後、るつぼの温度を1200℃に昇温し、45分間加熱処理を行った。続けて、るつぼ底部から溶融Cuの液滴を滴下し、滴下した液滴を冷却してCuボールを造球した。これにより、平均粒径が100μmのCuボールを作製した。
・真球度
作製したCuボールの真球度は、CNC画像測定システムを使用して測定した。具体的には、ミツトヨ社製のウルトラクイックビジョン、ULTRA QV350−PRO測定装置を使用した。本実施例では、上記測定装置によりCuボールの長径の長さと直径の長さを測定し、500個の各Cuボールの直径を長径で割った値の算術平均値を算出して真球度を求めた。値が上限である1.00に近いほど真球に近いことを表す。作製したCuボールの真球度を計測した結果、真球度は0.95以上であった。
・Cu核ボールの酸化膜厚、明度、黄色度
次に、Cuボールの表面にNiめっき層を形成し、さらにNiめっき層の表面にはんだ層を形成してCu核ボールを作製し、作製したCu核ボールの酸化膜厚、明度および黄色度をそれぞれ測定した。なお、測定に使用したCu核ボールは、直径100μmのCuボールに、片側2μmのNiめっきを行って、直径104μmのNiめっきCuボールを作製し、さらにNiめっきCuボールに片側18μmのはんだめっきを行い作製した直径140μmのCu核ボールである。はんだ層の組成は、Sn−3Ag−0.5Cu合金である。
実施例1では、作製直後のCu核ボールを使用した。実施例2では、Cu核ボールを常温(大気暴露)かつ湿度30〜40%の状態で2日間保管した。実施例3では、Cu核ボールを常温かつ湿度30〜40%の状態で5日間保管した。実施例4では、Cu核ボールを常温かつ湿度30〜40%の状態で7日間保管した。実施例5では、Cu核ボールを常温かつ湿度30〜40%の状態で10日間保管した。実施例6では、Cu核ボールを常温かつ湿度30〜40%の状態で14日間保管した。実施例7では、Cu核ボールを40℃かつ湿度90%の状態で1日間保管した。実施例8では、Cu核ボールを常温かつ湿度30〜40%の状態で20日間保管した。実施例9では、Cu核ボールを40℃かつ湿度90%の状態で2日間保管した。実施例10では、Cu核ボールを150℃の状態で1日間保管した。なお、本実施例において常温とは20〜30℃である。
比較例1では、Cu核ボールを40℃かつ湿度90%の状態で5日間保管した。比較例2では、Cu核ボールを40℃かつ湿度90%の状態で7日間保管した。比較例3では、Cu核ボールを40℃かつ湿度90%の状態で10日間保管した。比較例4では、Cu核ボールを40℃かつ湿度90%の状態で14日間保管した。比較例5では、Cu核ボールを150℃の状態で5日間保管した。比較例6では、Cu核ボールを150℃の状態で7日間保管した。
続けて、上記条件にて保管した実施例1〜10、比較例1〜6の各Cu核ボールを回収し、回収した各Cu核ボールの明度、黄色度、および酸化膜厚をそれぞれ測定した。Cu核ボールの明度および黄色度は、コニカミノルタ製CM−2600d型分光測色計を使用して測定した。Cuボールの酸化膜厚は、ULVAC PHI700のFE―AES測定装置を使用して測定した。測定装置の加速電圧は10kVとし、照射電流は10nAとした。酸化膜厚(深さ)はイオン(Ar)で試料表面を削って行くスピード(エッチングレート)から求め、酸素由来のIntenstyの1/2ピーク値となるエッチング深さを酸化膜厚近似値として用いた。エッチングレートはSiO標準試料を削るスピードで換算してSiO換算値である。測定した各実施例1〜10、比較例1〜6におけるCu核ボールの明度および黄色度と酸化膜厚との関係を表1に示す。表1において、酸化膜厚の単位は(nm)である。
Figure 0005935938
表1の実施例1〜10に示すように、明度が65以上であり、かつ、黄色度が7.0以下であるCu核ボールを選定した場合には、酸化膜厚が3.8nm以下となった。また、表1の実施例1〜5に示すように、明度が70以上であり、かつ、黄色度が5.1以下であるCu核ボールを選定した場合には、酸化膜厚が1.9nmとなり、他の実施例6〜10と比べてより酸化膜厚の薄いCu核ボールが得られた。
一方、比較例1〜6に示すように、Cu核ボールの明度が65未満または黄色度が7.0超となる場合には、酸化膜厚が3.9nm以上となり、目標とする酸化膜厚よりも厚くなってしまった。以上から、明度が65以上かつ黄色度が7.0以下のCu核ボールを選定することにより酸化膜厚の薄いCu核ボールを提供できることが分かった。
なお、赤色度(a値)についても測定したが、酸化膜厚との相関係数および寄与率1より小さく、酸化膜厚管理の指標に赤色度を用いることができないことが確認された。
次に、表1に示した実施例1〜10、比較例1〜6のCu核ボールを用いて、以下に示す2種類の電子複合部品A,Bを作製した後、これら電子複合部品A,BにおけるCu核ボールの脱落試験を実施した。電子複合部品A,Bは、以下に示す条件で作製した。
(i) 電子複合部品A
加熱接着性の接着剤よりなる接合層として、接合層用の塗料を保護フィルム上に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、乾燥して、保護フィルム上に接合層が積層されたシートを作製した。次に、シリコーン系粘着剤よりなる粘着層用の塗料を調製し、この塗料を上記の積層されたシートの接合層上に、乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布、乾燥した。上記と同構成のシート(保護フィルム上に接合層が積層されたシート)を別途用意しておき、乾燥直後のシリコーン系粘着剤の露出面と接合層面を接合積層して、絶縁シートを得た。この絶縁シートは、図4に示す3層の絶縁シート1の両面に保護フィルムが積層された構成に一致する。
この絶縁シートに、炭酸ガスレーザー照射機を用いて、半導体集積回路の電極(パッド)および基板の電極(パッド)に対応する配列ですり鉢状の貫通孔6を穿設した。これら作製した貫通孔に前述した実施例1〜10に示した直径140μmの各Cu核ボールを上述の(ニ)の方法で配置し、各導電接合シートを得た。その後、電子部品である半導体チップおよび電子部品であるインターポーザーの電極および導電接合シートに埋設されたCu核ボールを位置合わせして積層し、これら三者を120℃の圧着で仮接着した後、IRリフロー(千住金属工業(株)製、最高温度260℃)へ投入し加熱処理を行い、実施例1〜10のCu核ボールを用いた10種の電子複合部品Aを得た。
(ii) 電子複合部品B
前述した比較例1〜6に示した直径140μmの各Cu核ボールを使用した点以外は電子複合部品Aと同様の方法で、さらに6種の電子複合部品Bを得た。
全ての電子複合部品Aでは、接合不良は確認されなかった。また、電子複合部品Bでは、電気的接続が不安定であったものが確認された。
なお、上述した表1等には示していないが、図17に示したCu核カラム32を用いた場合でも、上述したCu核ボールを用いた場合と同様の効果を得ることができた。具体的には、Cu核カラム32の明度が65以上かつ黄色度が7.0以下である場合には、酸化膜厚が3.8nm以下になることが確認された。また、Cu核カラム32の明度が70以上かつ黄色度が5.1以下である場合には、酸化膜厚が1.9nmとなり、より酸化膜厚の薄いCu核カラムが得られることが確認された。さらに、このCu核カラム32を使用して作製した電子複合部品では、接合不良は確認されなかった。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施例に種々の変更を加えたものを含む。
1 絶縁シート
2 粘着層
3 接合層
6 貫通孔
8 導電接合シート
20 Cuボール
21 はんだ層
22 Cu核ボール
30 Cuカラム
31 はんだ層
32 Cu核カラム

Claims (5)

  1. アクリル粘着剤及びシリコーン粘着剤から選択される粘着剤からなる粘着層と、加熱接着性の接着剤からなる接合層と、を有する絶縁シートと、
    前記絶縁シートに設けられた貫通孔内において前記粘着層により保持されるはんだ材料と、を備え、
    前記はんだ材料は、
    接合物と被接合物との間で間隔を確保する核と、
    SnまたはSnを主成分とするはんだ合金からなり、前記核を被覆する被覆層と、を有し、
    前記はんだ材料のL*a*b*表色系における明度が65以上、かつ、L*a*b*表色系における黄色度が7.0以下である
    ことを特徴とする導電接合シート。
  2. 前記被覆層の表面に形成される酸化膜の膜厚が3.8nm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の導電接合シート。
  3. 前記はんだ材料は、球状または柱状である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の導電接合シート。
  4. 前記はんだ材料は、Ni及びCoから選択される1元素以上からなる層で被覆された前記核が、前記被覆層で被覆される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電接合シート。
  5. アクリル粘着剤及びシリコーン粘着剤から選ばれる粘着剤からなる粘着層と、加熱接着性の接着剤からなり一方の最外層として接合物に接着し得る接合層とを有する絶縁シートの所定位置に、はんだ材料を埋設するための貫通孔を穿設する工程と、
    前記絶縁シートの前記貫通孔内において前記粘着層に接するように前記はんだ材料を埋設する工程と、を有し、
    前記はんだ材料として、接合物と被接合物との間で間隔を確保する核と、SnまたはSnを主成分とするはんだ合金からなり前記核を被覆する被覆層とを含み、前記はんだ材料のL*a*b*表色系における明度が65以上、かつ、L*a*b*表色系における黄色度が7.0以下であるはんだ材料を用いた
    ことを特徴とする導電接合シートの製造方法。
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