JP2008238233A - 非鉛系の合金接合材、接合方法および接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で汎用性があり、従来のPb含有の高温系はんだの代替が可能になる新規な合金接合材を提供する。
【解決手段】第1金属被接合材1と第2金属被接合材2とを薄層接合材3を介して積層し積層体4を形成する。薄層接合材3は、TeとAgとを主成分にし、Sn、ZnおよびCoからなる群から選択された1種以上の元素を含む非鉛系の合金接合材、あるいはTeとAgとを主成分にし、Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素を含む非鉛系の合金接合材の例えばシートハンダである。この積層体4を350℃〜450℃の範囲の温度で加熱することによって、高耐熱性を有する接合層5を通して接合された接合体6が得られる。
【選択図】図2
【解決手段】第1金属被接合材1と第2金属被接合材2とを薄層接合材3を介して積層し積層体4を形成する。薄層接合材3は、TeとAgとを主成分にし、Sn、ZnおよびCoからなる群から選択された1種以上の元素を含む非鉛系の合金接合材、あるいはTeとAgとを主成分にし、Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素を含む非鉛系の合金接合材の例えばシートハンダである。この積層体4を350℃〜450℃の範囲の温度で加熱することによって、高耐熱性を有する接合層5を通して接合された接合体6が得られる。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば電子機器等の部品の接合において好適に使用できる鉛を含まない合金から成る非鉛系の合金接合材、それを用いた接合方法および接合体に関する。
ある物体とその物体よりも融点が低い物質を用いた接合技術としてのはんだ接合は、古くから使用されており、電子機器の接合においても、例えばマイクロプロセッサ、メモリ、抵抗、及びコンデンサなどの半導体素子や電子部品と実装基板との接合をはじめとして幅広く用いられている。はんだ接合は、部品を基板に固定するだけでなく、導電性を有する金属をはんだに含有させることにより電気的接合も兼ね備えている点に特長を有する。
今日、パーソナルコンピュータ、携帯電話などに代表されるパーソナル機器の急激な普及が進むにつれ、電子部品の実装技術における接合材や接合方法の選択はますますその重要性が増大している。
従来、最も多く用いられているはんだは、Sn−Pb系共晶はんだであった。このSn−Pb系共晶はんだは実用に極めて適している。しかし、Sn−Pb系共晶はんだに含まれる鉛は、人体に対し有害であることが知られるようになり、Sn−Pb系共晶はんだに代わる、鉛を含まない、いわゆる非鉛系はんだの開発が急務とされている。
一方、現在半導体デバイスの中で例えばパワーデバイスにおいて用いられている接合材には、主に融点が183℃の低温系はんだ(Sn−Pb共晶はんだ)と、融点が約300℃程度の高温系はんだ(Pb−5質量%Snはんだ)が用いられ、それぞれ工程に応じて使い分けられている。
このうち、低温系はんだについては、Sn−Ag−Cu系合金を中心にしたものが実用化の段階に到達し、回路基板等に電子部品を実装する多くのセットメーカーにおいて、Sn−Pb系共晶はんだの代替は完了している。
これに対して、上記高温系はんだについては、高鉛含有材料以外には未だに有力なものが見つかっていない。この場合、例えば上記Sn−Ag−Cu系合金を用い実装時のリフロー温度が260℃程度の高温条件下になっても、高温系はんだにより上記実装時前に形成された接合部が良好な機械的強度を保持しなければならない。ここで、耐熱性が良好なAuを主成分としたAu基合金が、従来のPb含有の例えばPb−5質量%Snはんだの代替に有効なものとして挙げられる。しかし、Au基合金の場合には、高価な貴金属を多量に使用することになり、大幅に材料コストが上昇し、汎用的に使用するのが難しくなる。
そこで、これまでに、融点が300℃付近になる金属合金として、融点232℃のSnを主成分とするSn基合金、融点420℃のZnを主成分としたZn基合金、融点271℃のBiを主成分としたBi基合金などが有力な候補として検討されてきた。特に、Sn基合金は、従来から接合材として利用されてきた実績を有し、コスト、接合性、加工性、接合信頼性の面において優れた特性を有していることが報告されている(非特許文献1参照)。しかし、Sn基合金は、高温系はんだとしては低融点元素のSnを主成分にしているために、その耐熱性に課題を有しており、鉛含有の高温系はんだの代替が可能な接合材として実用化に至っていない(非特許文献2参照)。
まてりあ、38(1999)、p919 第17回エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集、2003、p147
まてりあ、38(1999)、p919 第17回エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集、2003、p147
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、安価で汎用性があり、従来のPb含有の高温系はんだの代替が可能になる新規な合金接合材を提供することを主目的とするものである。更に、それにより形成される接合体が高耐熱性を有し高温条件において良好な機械的強度を保持できるようにすると共に、その接合体が短時間に得られる接合方法を提供することを目的とする。そして、例えば電子部品内部に搭載される半導体チップとリードフレーム等のマウント基板との接合が好適に行われ、その後のこの半導体チップが搭載された電子部品の例えば回路基板への実装において、熱による上記接合の信頼性低下等の悪影響が生じないようにすることを目的とするものである。
本発明者は、共晶温度が351℃になるTe−Ag合金について、これまで種々の検討を加えてきた。そして、Te−Ag二元合金では、被接合材との濡れ性が悪く、しかも接合強度が不充分であるが、これに後述する適正の金属元素を選択しそれを適度に添加することにより、上述したPb基合金あるいはAu基合金のような高温系はんだの代替が可能になることを見出した。本発明は、これ等の知見に基づいて得られたものである。
すなわち、上記目的を達成するために、本発明の非鉛系の合金接合材は、TeとAgとを主成分にし、SnおよびZnから選択された1種以上の元素を含む構成になっている。
あるいは、本発明の非鉛系の合金接合材は、TeとAgとを主成分にし、Al、TiおよびNiからなる群から選択された1種以上の元素を含む構成になっている。
そして、本発明の接合方法は、第1金属被接合材と第2金属被接合材とを、上述した非鉛系の合金接合材から成る薄層接合材を介して積層させ、前記第1金属被接合材、前記薄層接合材および前記第2金属被接合材を含む積層体を形成する工程と、前記積層体を350℃以上450℃以下の温度に加熱して前記第1金属被接合材および前記第2金属被接合材を互いに接合する工程と、を有する構成になっている。
そして、本発明の接合体は、TeとAgとを主成分にし、SnおよびZnから選択された1種以上の元素を含む非鉛系の合金接合材により、第1金属被接合材と第2金属被接合材がはんだ接合されている構成になっている。
あるいは、本発明の接合体は、TeとAgとを主成分にし、Al、TiおよびNiからなる群から選択された1種以上の元素を含む非鉛系の合金接合材により、第1金属被接合材と第2金属被接合材がはんだ接合されている構成になっている。
本発明により、非鉛系の高温系はんだとして、融点が高く耐熱性が良好で、かつ、濡れ性および接合性に優れた合金接合材が安価に提供できる。そして、この合金接合材を用いた接合方法により、有害な高Pb含有の接合材を使用せず、かつ接合ピーク温度に維持する時間が短くとも耐熱性の高い接合体が形成される。この接合体は、充分な接合強度を有し、かつ高温条件においても機械的強度が維持可能である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
(第1の実施形態:第1の合金接合材)
本実施形態における非鉛系の第1の合金接合材は、TeとAgとを主成分にし、Sn、ZnおよびCoからなる群から選択された1種以上の元素を含んでいる。ここで主成分とは第1の合金接合材中にTeあるいはAgを質量比で50%以上含んでいることをさす。その好適な態様では、上記Agの含有量は15質量%から35質量%の範囲にあり、上記Sn、ZnおよびCoからなる群から選択された1種以上の元素の含有量は5質量%から20質量%の範囲にある。そして、その残部は、上記Te、およびその製造工程において不可避的に微量に混入する例えばAu、Cu、Pt、Pd等の不可避不純物からなっている。
本実施形態における非鉛系の第1の合金接合材は、TeとAgとを主成分にし、Sn、ZnおよびCoからなる群から選択された1種以上の元素を含んでいる。ここで主成分とは第1の合金接合材中にTeあるいはAgを質量比で50%以上含んでいることをさす。その好適な態様では、上記Agの含有量は15質量%から35質量%の範囲にあり、上記Sn、ZnおよびCoからなる群から選択された1種以上の元素の含有量は5質量%から20質量%の範囲にある。そして、その残部は、上記Te、およびその製造工程において不可避的に微量に混入する例えばAu、Cu、Pt、Pd等の不可避不純物からなっている。
例えば、その好適な一態様として、Te−15Ag−5Sn(Agが15質量%、Snが5質量%及びこれらの残部がTeで構成される合金)、Te−15Ag−10Sn、Te−15Ag−15Sn、Te−15Ag−20Sn、Te−20Ag−5Sn、Te−20Ag−10Sn、Te−20Ag−15Sn、Te−20Ag−20Sn、Te−35Ag−5Sn、Te−35Ag−10Sn、Te−35Ag−15Sn、Te−35Ag−20Sn、Te−15Ag−5Zn、Te−15Ag−10Zn、Te−15Ag−15Zn、Te−15Ag−20Zn、Te−20Ag−5Zn、Te−20Ag−15Zn、Te−20Ag−20Zn、Te−35Ag−5Zn、Te−35Ag−10Zn、Te−35Ag−15Zn、Te−35Ag−20Zn等の組成の合金接合材が挙げられる。
Te−Ag二元合金は、被接合材との濡れ性が悪く、しかも接合強度が不充分で合金強度が小さく、合金接合材として使用できない。本発明者は、主成分となるTe−Ag合金に、Sn、ZnおよびCoからなる群から選択された1種以上の元素を添加することにより、被接合材との濡れ性および接合性が大幅に向上することを見出した。更に、この第1の合金接合材を用いて形成される接合部は、高耐熱性を有し高温条件において良好な機械的強度を保持できることを見出した。
この第1の合金接合材において、Agの成分量が35質量%を超えてくると、主成分となるTe−Ag合金の液相線温度が上昇し、固相線での溶融割合が減少して実用的な接合温度でのはんだ接合が困難になってくる。一方、Agの成分量が15質量%未満になってくると、固相において、半金属であるTe相が増加することにより熱伝導率および導電率が大きく低下するようになる。そして、例えばパワーデバイスの半導体チップを実装した半導体装置において、上記合金接合材を用いて形成した接合部の熱放散性あるいは低抵抗化が難しくなる。
また、上記Sn、ZnおよびCoからなる群から選択された1種以上の元素の添加量が5質量%未満であると、Te、Agを主成分とする第1の合金接合材は、その合金強度が小さくなり、しかも被接合材との濡れ性が悪く接合強度が弱くなって実用的でなくなる。一方、上記Sn、ZnおよびCoからなる群から選択された1種以上の元素の添加量が20質量%を超えてくると、液相線温度が大きく上昇し実用的な接合温度でのはんだ接合ができなくなる。
上記第1の合金接合材により形成された接合体は、高耐熱性を有し高温条件において良好な機械的強度を保持できるようになる。特に、接合体のせん断強度が大きく増大する。このために、第1の合金接合材は、例えばハンダ(ソルダ)ペーストとして、例えばパワーデバイスのような大電流、大電力で駆動する半導体チップのダイボンディングに好適に使用できるようになる。また、この合金接合材は、例えばハンダボールとして、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)を用いたLSIの高密度実装においても有用になる。
(第2の実施形態:第2の合金接合材)
本実施形態における非鉛系の第2の合金接合材は、TeとAgとを主成分にし、Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素を含んでいる。ここで、上記Agの含有量は15質量%から35質量%の範囲にあり、上記Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素の含有量は0.01質量%から10質量%の範囲にあり、その残部が上記Teおよび不可避的に混入する不可避不純物からなると好適である。ここで、上記Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素の含有量は、1質量%以上であると更に好ましくなる。
本実施形態における非鉛系の第2の合金接合材は、TeとAgとを主成分にし、Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素を含んでいる。ここで、上記Agの含有量は15質量%から35質量%の範囲にあり、上記Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素の含有量は0.01質量%から10質量%の範囲にあり、その残部が上記Teおよび不可避的に混入する不可避不純物からなると好適である。ここで、上記Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素の含有量は、1質量%以上であると更に好ましくなる。
例えば、その好適な一態様として、Te−20Ag−0.01Al、Te−20Ag−1Al、Te−15Ag−0.01Ti、Te−15Ag−1Ti、Te−20Ag−0.01Ti、Te−15Ag−0.01Ni、Te−15Ag−1Ni、Te−20Ag−0.01Ni、Te−20Ag−lNi等の組成の合金接合材が挙げられる。
本発明者は、第1の合金接合材で説明したのと同様に、主成分となるTe−Ag合金に、Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素を添加することにより、被接合材との濡れ性および接合性が向上することを見出した。更に、この第2の合金接合材を用いて形成される接合部は、高耐熱性を有し高温条件において良好な機械的強度を保持可能であり、第1の合金接合材より熱伝導率および導電率が大きくなることを見出した。
図1は、主成分となるTe−Ag合金にAlを添加した場合のCu板の被接合材との濡れ性の変化を示す一例である。ここでは、Te−29質量%Ag−x質量%Al(x=0,1.5,1.9,3.0)組成の合金接合材の場合について示している。図1から判るように、x=0であり71質量%Te−29質量%Ag共晶合金の場合では、被接合材との接触角θは90°以上になり濡れ性は非常に悪い。これに対して、添加されるAl量が1.5質量%になると、上記接触角θは60°以下になり、1.9質量%、3.0質量%とその添加量が増えるに従い接触角θは35°、24°と低下し濡れ性が向上することが判る。
この第2の合金接合材の場合においても、そのAg成分量の範囲は、上述したような理由から第1の合金接合材の場合で説明したのと同じになる。また、上記Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素の添加量が0.01質量%未満であると、Te、Agを主成分とする合金接合材は、その合金強度が小さくなり、しかも被接合材との濡れ性が悪く接合強度が弱くなって実用的でなくなる。一方、上記Al、Ni、Ti、Au、Mg、Pt、MnおよびFeからなる群から選択された1種以上の元素の添加量が10質量%を超えてくると、液相線温度が大きく上昇し実用的な接合温度でのはんだ接合ができなくなる。
上記第2の合金接合材により形成された接合部は、高耐熱性を有し高温条件において良好な機械的強度を保持できるうえに、第1の合金接合材の場合よりも導電率を増大させることができる。この第2の合金接合材は、例えばハンダペーストとして、パワーデバイスのような半導体チップのダイボンディングにおいて好適に使用でき、実装後のパワー系半導体装置あるいはパワー系半導体モジュール(パワーモジュール)の低抵抗化を容易にすることから極めて好適になる。
上述した第1および第2の合金接合材は、ペースト状、シート状、ワイヤー状、あるいは粒状等の種々の形状にすることができる。
上記合金接合材はペースト状にしてハンダペーストにする。このハンダペーストは、上記第1あるいは第2の合金接合材を例えばアトマイズ法により粉末にし、この粉末をフラックスと混練してペースト状に調製したものである。ここで、上記粉末の平均粒径は1μm〜10μmの範囲で篩により所要の寸法に分級される。また、フラックスは溶剤、ロジン、活性剤、有機ハロゲン、粘稠剤等で構成されている。そして、このフラックスの含有率は10質量%〜15質量%になっている。
シート状の合金接合材は、上記第1あるいは第2の合金接合材を例えば圧延加工することにより、5μm〜200μmの範囲で所要の厚さに調整される。ここで、シート状の合金接合材は、板状、帯状、箔状、テープ状あるいはリボン状のものも含み、その一例がシートハンダである。
ワイヤー状の合金接合材は、上記第1あるいは第2の合金接合材を例えば線引加工することにより、20μm〜1mmの範囲で所要径のワイヤーハンダとして調整される。
粒状の合金接合材は、上記第1あるいは第2の合金接合材を例えばショット法により球状加工することにより、20μm〜1mmの範囲で所要の直径に調整される。この粒状の合金接合材は上述したようなハンダボールとなる。
その他に、第1および第2の合金接合材は、メタライジングにより被接合材の表面上に薄層に形成して使用することもできる。この場合には、メッキ法、蒸着、スパッタリング等のPVD(Physical Vapor Deposition)法、イオンプレーティング法等により、1μm〜500μmの範囲、より好ましくは10μm〜300μmの範囲で所要の膜厚に成膜される。
(第3の実施形態:接合方法)
次に、第1及び第2の実施形態で説明した合金接合材を用いた接合方法について図2ないし4を参照して説明する。図2は接合方法の一形態を示す断面図である。図3および図4は接合方法の別の形態を示す断面図である。
次に、第1及び第2の実施形態で説明した合金接合材を用いた接合方法について図2ないし4を参照して説明する。図2は接合方法の一形態を示す断面図である。図3および図4は接合方法の別の形態を示す断面図である。
図2(a)に示すように、まず、第1金属被接合材1と第2金属被接合材2とを薄層接合材3を介して積層し積層体4を形成する。このとき加圧を行ってもよい。ここで、薄層接合材3は、第1及び第2の実施形態で説明したような第1の合金接合材あるいは第2の合金接合材のシートハンダである。
次に、この積層体4を加熱することによって、図2(b)に示すように第1金属被接合材1および第2金属被接合材2が接合層5を介して接合された接合体6が得られる。
あるいは、積層体4を得る際に、図3の別の形態に示すように、予め第2金属被接合材2表面に薄層接合材3を形成する。ここで、薄層接合材3は、第1の実施形態で説明したメタライジングにより薄層に形成される第1の合金接合材あるいは第2の合金接合材である。そして、第2金属被接合材2表面の薄層接合材3が被着した状態のものに第1金属被接合材1を積層して積層体4を形成する。また、逆に、予め第1金属被接合材1の表面をメタライズし、第1金属被接合材1表面に薄層接合材3が被着したものと第2金属被接合材2を積層して積層体4を形成するようにしてもよい。
更に、第1金属被接合材1又は第2金属被接合材2は、金属、セラミックス、半導体等からなる他の部材表面にメタライズされて、当該部材を他の部材と接合させるための部材として用いられる場合も本実施形態の範疇に含むものである。
このような接合方法の形態が図4に示される。図4に示すように、母材7表面に第1金属被接合材1が、母材8表面に第2金属被接合材2がメタライズされている。各メタライズ層の間には、第1の合金接合材あるいは第2の合金接合材から成るシートハンダの薄層接合材3を配置して積層体9を構成する。この後積層体9を加熱することにより接合を行う。なお、母材7および母材8と各メタライズ層が、それぞれに共に後述するようなAu、Ni、Ag、Cu、Pd、Pt、Alおよびこれ等の金属を主成分とする金属合金からなる群より選択される金属材料から成る場合、それぞれ母材とメタライズ層を合わせたものを第1金属被接合材1あるいは第2金属被接合材2とみなす。
図4には第1被接合材1および第2被接合材2が共に他の母材7,8表面にメタライズされた例を示したが、第1金属被接合材1のみを母材7表面にメタライズし、第2金属被接合材2が母材8表面にメタライズされていない場合も本実施形態の範疇に含まれる。逆に第2金属被接合材2のみを母材8表面にメタライズし、第1金属被接合材1は母材7にメタライズされていない場合も本実施形態の範疇に含まれるものである。
第1金属被接合材1および第2金属被接合材2を他の部材表面にメタライズする手段としては、第1の実施形態でも説明したメッキ法、PVD法あるいは化学気相成長(CVD)法等が挙げられる。
以下、上記接合方法に用いられる部材について更に説明する。
第1金属被接合材1および第2金属被接合材2としては金属材料を使用する。この金属材料は、用途に応じて選択可能で特に限定されないが、高温条件下において溶融する薄層接合材3に溶解・拡散した場合、薄層接合材3中に固溶し形成される固溶体の固相線温度が著しく低下しない金属材料が望ましい。そのような金属材料として、具体的には、Au、Ni、Ag、Cu、Pd、Pt、Alのような金属あるいはこれ等の金属を主成分とした金属合金が挙げられる。このような金属材料であると、接合体の接合部である接合層5は、耐熱性に優れ、高温条件下においても良好な機械的強度を保持する。また、上記金属材料以外でも、Ge、Be、Nb、Mnなどが具体例として挙げられる。
第1金属被接合材1および第2金属被接合材2としては金属材料を使用する。この金属材料は、用途に応じて選択可能で特に限定されないが、高温条件下において溶融する薄層接合材3に溶解・拡散した場合、薄層接合材3中に固溶し形成される固溶体の固相線温度が著しく低下しない金属材料が望ましい。そのような金属材料として、具体的には、Au、Ni、Ag、Cu、Pd、Pt、Alのような金属あるいはこれ等の金属を主成分とした金属合金が挙げられる。このような金属材料であると、接合体の接合部である接合層5は、耐熱性に優れ、高温条件下においても良好な機械的強度を保持する。また、上記金属材料以外でも、Ge、Be、Nb、Mnなどが具体例として挙げられる。
ここで、上記第1金属被接合材1および第2金属被接合材2がAlである場合には、第1の合金接合材あるいは第2の合金接合材の添加元素はZrであってもよい。
第1金属被接合材1および第2金属被接合材2の厚さ(平均厚さ)は、0.1μm〜500μmの範囲であることが好ましい。なお、図4で説明したように第1金属被接合材1あるいは第2金属被接合材2が母材とメタライズ層を合わせたものから成る場合は、その総計が上記範囲の厚さになるようにする。
また、薄層接合材3は、接合時間を著しく長くしないために、その厚さが1μm〜500μmの範囲になるようにするとよい。より好ましくは、その厚さは30μm〜300μmの範囲にすることが望ましい。ここで、薄層接合材3の厚さが厚すぎると、接合時間において被接合材が充分に接合材に拡散せず耐熱性の向上が実現されない恐れがあり、薄すぎると接合材の濡れ性が低下し、接合強度が確保できない恐れがある。
薄層接合材3の好適な供給手段としては、第1及び第2の実施形態で説明したハンダペースト、シートハンダ、メッキ法を用いたメタライジングによるハンダメッキ、スーパージャフィット法あるいはスーパーソルダー法等によるハンダプリコート等が挙られる。
ハンダペーストを使用する場合には、ハンダペースト厚を極端に大きくすると、数秒の接合時間においては被接合材がハンダペーストの第1の合金接合材あるいは第2の合金接合材の内部に充分に拡散せず、接合層5が脆くなってその機械的強度が保持できなくなる。そこで、短時間の接合時間でも良好な機械的強度を保持できるようにするために、可能な限りハンダペースト厚を小さくし、50μm〜100μm、好ましくは50μm〜80μmの範囲内にすることが望ましい。また、シートハンダを使用する場合は、同様な理由から30μm〜50μmの範囲内にすることが望ましい。
本実施形態の接合方法について更に説明する。
上述したような積層体4,9を加熱する際の加熱温度は、350℃〜450℃の範囲内が好適である。この範囲であると、TeとAgとを主成分とした薄層接合材3は溶融し、その中へ一部の金属被接合材が溶解・拡散し、はんだ接合が可能になる。ここで、加熱温度は370℃以上であると更に好ましくなる。このようにして、薄層接合材3の金属元素と金属被接合材の金属元素の固溶体相あるいは一部に金属間化合物が形成され、接合層5は、耐熱性に優れしかもその脆性が緩和され、高温条件下においても良好な機械的強度を保持する。
上述したような積層体4,9を加熱する際の加熱温度は、350℃〜450℃の範囲内が好適である。この範囲であると、TeとAgとを主成分とした薄層接合材3は溶融し、その中へ一部の金属被接合材が溶解・拡散し、はんだ接合が可能になる。ここで、加熱温度は370℃以上であると更に好ましくなる。このようにして、薄層接合材3の金属元素と金属被接合材の金属元素の固溶体相あるいは一部に金属間化合物が形成され、接合層5は、耐熱性に優れしかもその脆性が緩和され、高温条件下においても良好な機械的強度を保持する。
そして、加熱時間は0.1秒以上が望ましく、特にピーク温度での加熱時間が0.5秒以上となるように加熱すればより好ましい。また、加熱時間は長くとも30秒以下でよく、ピーク温度での加熱時間が10秒以下になるように加熱すればよい。ここで、上述したハンダペースト、シートハンダの厚さが大きくなるに従い加熱時間は長くなる。
本実施形態の接合方法によれば、Te−Ag合金の共晶温度である351℃近傍の温度を融点とする接合層が容易に形成される。このために、例えば半導体チップの高温系はんだに求められる260℃保証を可能にし、260℃の高温条件下においても接合層の耐熱性を維持することができる。そして、結果として、高温条件下においても機械的強度の良好な接合体を短時間で得ることができる。
本発明に係る接合体、接合方法は、どのような分野で用いられてもよいが、特に製造プロセスあるいは製品使用時に高温条件下に置かれる電子機器部品、半導体デバイス特にパワー系半導体デバイスにおける部品の接合に好適に用いられる。特に半導体チップのリードフレームへのダイボンディングに際しては特に好適に用いられる。
(第4の実施形態:接合体)
次に、第4の実施形態について図2(b)を参照して説明する。図2(b)は、第2の実施形態において触れた接合体の一形態を示した断面図である。ここで、接合体6は、第1金属被接合材1が、第2金属被接合材2に接合層5を介して接合されている。
次に、第4の実施形態について図2(b)を参照して説明する。図2(b)は、第2の実施形態において触れた接合体の一形態を示した断面図である。ここで、接合体6は、第1金属被接合材1が、第2金属被接合材2に接合層5を介して接合されている。
第1金属被接合材1および第2被接合材2としては金属材料が使用されている。この金属材料は用途に応じて選択可能で特に限定されないが、上述したように高温条件下において溶融する薄層接合材3に溶解・拡散した場合、薄層接合材3中に固溶し形成される固溶体の固相線温度が著しく低下しない金属材料が望ましい。具体的には、Au、Ni、Ag、Cu、Pd、Pt、Alのような金属およびこれ等の金属を主成分とした金属合金からなる群より選択される金属材料が挙げられる。また、上記金属材料以外でも、Ge、Be、Nb、Mnなども好ましい材料に挙げられる。
接合層5は、その断面微細構造において、Ag3Te2等の金属間化合物を有している、そして、この接合層5には、上記第1金属被接合材1あるいは第2金属被接合材2の金属元素と、第1及び第2の実施形態で説明した第1の合金接合材あるいは第2の合金接合材に添加された金属元素との固溶体相が存在する。このような構造をとることにより、接合層5が高温化した場合、例えば260℃以上の温度条件下に置かれた場合、接合層5の全てが液相化することがなく液相と固相が混じった状態が維持される。そのため接合部の機械的強度が維持される。
接合層5の全体が金属間化合物化してしまうと接合部の融点は高くなるものの、金属間化合物自体は脆性が高いため接合部は脆性化し、機械的強度が維持されない恐れがある。しかしながら本実施形態によれば、そのような恐れがなく耐熱性に優れた接合部になる。
このようにして形成される接合体の極めて好ましい例としてはパワー系半導体装置あるいはパワーモジュールが挙げられる。このような半導体装置は、金属被接合材によりメタライズされた半導体チップの裏面が接合層により、リードフレームあるいはモジュール基板等のマウント基板上に接合され、キャップ封止あるいは樹脂封止されているものである。ここで、上記マウント基板の少なくとも表面は、好ましくは、Au、Ni、Ag、Cu、Pd、Pt、Alのような金属およびこれ等の金属を用いた金属合金からなる群より選択された金属材料から成る。同様に、上記チップ裏面にメタライズされた金属被接合材は、Au、Ni、Ag、Cu、Pd、Pt、Alのような金属およびこれ等の金属を用いた金属合金からなる群より選択された金属材料から成る。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでない。
(実施例1)
パワー系半導体装置における半導体チップとリードフレームとの接合を行った。図5は、接合前における、半導体チップとリードフレームの接合方法の形態を模式的に示す一部拡大断面図である。このパワー系半導体装置では、厚さが300μmで10mm角のシリコン半導体チップ11の裏面にAu蒸着により、0.05μm厚のAu薄層12(第1金属被接合材)を形成する。また、Cuよりなるリードフレーム13(第2金属被接合材)表面に0.5μm厚のNi薄層14をスパッタリングにより成膜し、その上から5μm厚の薄層接合材3を無電解メッキにより形成する。このようにして積層体15を得る。ここで、薄層接合材3は、70質量%Te−29質量%Ag−1質量%Alの第1の合金接合材である。
パワー系半導体装置における半導体チップとリードフレームとの接合を行った。図5は、接合前における、半導体チップとリードフレームの接合方法の形態を模式的に示す一部拡大断面図である。このパワー系半導体装置では、厚さが300μmで10mm角のシリコン半導体チップ11の裏面にAu蒸着により、0.05μm厚のAu薄層12(第1金属被接合材)を形成する。また、Cuよりなるリードフレーム13(第2金属被接合材)表面に0.5μm厚のNi薄層14をスパッタリングにより成膜し、その上から5μm厚の薄層接合材3を無電解メッキにより形成する。このようにして積層体15を得る。ここで、薄層接合材3は、70質量%Te−29質量%Ag−1質量%Alの第1の合金接合材である。
そして、その後加熱して接合を行った。加熱は、100ppm以下の酸素濃度にしたフォーミングガス(N2+H2)雰囲気中でリフローした。このときの加熱条件は、400℃の温度で5秒である。
接合後の接合界面の断面SEM観察から、際立ったボイドは発生せず良好な接合性を示すことが判った。
最後に接合したリードフレームと半導体チップとを樹脂封止し、パワー系半導体装置を得た。
得られた接合体について、250℃における剪断強度試験を行った。その結果を表1にあわせて示す。
表1において、「380℃溶融」欄は、合金接合材を380℃に加熱した結果を示しており、○印が接合に十分な程度に溶融している状態であり、×印は、溶融していない状態を表す。また、接合強度は、◎印が、剪断強度が10kgf以上であること、○印が、せん断強度5〜10kgfであること、また×印が剪断強度が5kgf以下であることをそれぞれ表している。
表1において、「380℃溶融」欄は、合金接合材を380℃に加熱した結果を示しており、○印が接合に十分な程度に溶融している状態であり、×印は、溶融していない状態を表す。また、接合強度は、◎印が、剪断強度が10kgf以上であること、○印が、せん断強度5〜10kgfであること、また×印が剪断強度が5kgf以下であることをそれぞれ表している。
(実施例2)
本実施例では、リードフレーム13に、無電解メッキによりNi薄層14を形成し、その上からハンダペーストをスクリーン印刷して薄層接合材3を形成した以外は実施例1と同様にパワー系半導体装置を得た。
本実施例では、リードフレーム13に、無電解メッキによりNi薄層14を形成し、その上からハンダペーストをスクリーン印刷して薄層接合材3を形成した以外は実施例1と同様にパワー系半導体装置を得た。
ここで、Agが29質量%、Alが1質量%、残部がTeからなる第1の合金接合材を用いて、約5μmのハンダ粉末を作製した。このハンダ粉末材と10質量%のフラックスを完全に混合させ、ハンダペーストを作製した。フラックスの成分は、溶剤、ロジン、活性剤、有機ハロゲン、粘稠剤等である。ハンダペーストは印刷に適した粘度である約50万cpsとなるまで約20分間攪拌した。このハンダペーストをNi薄層14上に約80μmの厚さとなるよう印刷し薄層接合材3を形成した。
接合後の接合界面の断面SEM観察から、際立ったボイドは発生せず良好な接合性を示すことが判った。この接合体の剪断試験を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に併せて示す。
最後に接合したリードフレームと半導体チップとを樹脂封止し、パワー系半導体装置を得た。
(実施例3)
本実施例では、リードフレーム13に、シートハンダを供給することにより薄層接合材3を形成した以外は実施例1と同様にパワー系半導体装置を得た。
本実施例では、リードフレーム13に、シートハンダを供給することにより薄層接合材3を形成した以外は実施例1と同様にパワー系半導体装置を得た。
ここで、シートハンダは、Agが29質量%、Alが1質量%、残部がTeからなる第1の合金接合材を用いて、約50μmの厚さに圧延加工して作製したものである。
接合後の接合界面の断面SEM観察から、際立ったボイドは発生せず良好な接合性を示すことが判った。この接合体の剪断試験を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に併せて示す。
最後に接合したリードフレームと半導体チップとを樹脂封止し、パワー系半導体装置を得た。
(実施例4〜6)
実施例4では、実施例1で説明したリードフレーム13表面にスパッタリングによりNi薄層14を形成する代わりに、0.5μm厚のPd薄層を電子ビーム蒸着により形成した。実施例5では、同様に、0.5μm厚のPt薄層を電子ビーム蒸着により形成した。実施例6では、同様に、0.5μm厚のAl薄層を電子ビーム蒸着により形成した。そして、それ以外は実施例1と同様にしてパワー系半導体装置を得た。
実施例4では、実施例1で説明したリードフレーム13表面にスパッタリングによりNi薄層14を形成する代わりに、0.5μm厚のPd薄層を電子ビーム蒸着により形成した。実施例5では、同様に、0.5μm厚のPt薄層を電子ビーム蒸着により形成した。実施例6では、同様に、0.5μm厚のAl薄層を電子ビーム蒸着により形成した。そして、それ以外は実施例1と同様にしてパワー系半導体装置を得た。
接合後の接合界面の断面SEM観察から、いずれの場合でも際立ったボイドは発生せず良好な接合性を示すことが判った。これら接合体の剪断試験を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に併せて示す。
最後に接合したリードフレームと半導体チップとを樹脂封止し、パワー系半導体装置を得た。
(実施例7〜18、比較例1〜8)
以下の実施例及び比較例では、図2(b)で説明したような接合体構造を作製した。すなわち、300μm厚のCu板表面に0.5μm厚のNi薄層を形成した第1金属接合体と、300μm厚のSn板表面に1μm厚のNi薄層を形成した10mm角の第2金属接合体とが、下記表2に示す組成のTe−Ag−Sn系合金接合材のシートハンダで供給された薄層接合材により接合された接合体である。ここで、シートハンダの厚さは50μmであり、また、接合の加熱条件は、380℃で5秒である。
以下の実施例及び比較例では、図2(b)で説明したような接合体構造を作製した。すなわち、300μm厚のCu板表面に0.5μm厚のNi薄層を形成した第1金属接合体と、300μm厚のSn板表面に1μm厚のNi薄層を形成した10mm角の第2金属接合体とが、下記表2に示す組成のTe−Ag−Sn系合金接合材のシートハンダで供給された薄層接合材により接合された接合体である。ここで、シートハンダの厚さは50μmであり、また、接合の加熱条件は、380℃で5秒である。
得られた接合体について、250℃における剪断強度試験を実施例1と同様にして行った。その結果を表2に示す。
表2に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
表2に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
(実施例19〜29、比較例9〜12)
以下の実施例及び比較例では、薄層接合材として表3に示す組成のTe−Ag−Zn系合金から成る合金接合材で形成した以外は、それぞれに、実施例7と同様に接合体を作製し、実施例1と同様にして剪断試験を行った。その結果を表3に併せて示す。
表3に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
以下の実施例及び比較例では、薄層接合材として表3に示す組成のTe−Ag−Zn系合金から成る合金接合材で形成した以外は、それぞれに、実施例7と同様に接合体を作製し、実施例1と同様にして剪断試験を行った。その結果を表3に併せて示す。
表3に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
(実施例30〜31、比較例13〜19)
以下の実施例及び比較例では、薄層接合材を表4に示す組成のTe−Ag−Al系合金から成る合金接合材を用いたこと以外は、実施例7と同様な接合体を作成し、剪断強度試験を行った。その結果を表4に併せて示す。
表4に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
以下の実施例及び比較例では、薄層接合材を表4に示す組成のTe−Ag−Al系合金から成る合金接合材を用いたこと以外は、実施例7と同様な接合体を作成し、剪断強度試験を行った。その結果を表4に併せて示す。
表4に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
(実施例32〜34、比較例20〜22)
以下の実施例及び比較例では、薄層接合材を表5に示す組成のTe−Ag−Ti系合金から成る合金接合材を用いたこと以外は、実施例7と同様な接合体を作成し、実施例1と同様の方法で剪断強度試験を行った。その結果を表5に併せて示す。
表4に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
以下の実施例及び比較例では、薄層接合材を表5に示す組成のTe−Ag−Ti系合金から成る合金接合材を用いたこと以外は、実施例7と同様な接合体を作成し、実施例1と同様の方法で剪断強度試験を行った。その結果を表5に併せて示す。
表4に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
(実施例35〜38、比較例23〜24)
以下の実施例及び比較例では、薄層接合材を表6に示す組成のTe−Ag−Ni系合金から成る合金接合材を用いたこと以外は、実施例7と同様な接合体を作成し、実施例1と同様の方法で剪断強度試験を行った。その結果を表6に併せて示す。
表5に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
以下の実施例及び比較例では、薄層接合材を表6に示す組成のTe−Ag−Ni系合金から成る合金接合材を用いたこと以外は、実施例7と同様な接合体を作成し、実施例1と同様の方法で剪断強度試験を行った。その結果を表6に併せて示す。
表5に見られるように、本願発明の接合材は、380℃で十分溶融し、かつ、接合強度も十分であったのに対して、比較例の接合材は、接合不十分であるか、もしくは全く溶融しなかった。
以上の結果から、本願の合金接合体の最適組成がTe−Ag−(Sn、Zn、Co)系では、5〜20質量%の範囲であり、また、Te−Ag−(Al、Ti、Ni、Au、Mg、Pt、Mn、Fe)系では、0.01〜10質量%の範囲であることが明らかとなった。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、第1の合金接合材あるいは第2の合金接合材が高精度のはんだ接合に使用され、その厚さが100μm以下で使用される場合について主に説明しているが、第1の合金接合材あるいは第2の合金接合材がmm単位の厚さではんだ接合する場合であっても使用することができる。
1 第1金属被接合材
2 第2金属被接合材
3 薄層接合材
4,9,15 積層体
5 接合層
6 接合体
7,8 母材
11 シリコン半導体チップ
12 Au薄層
13 リードフレーム
14 Ni薄層
2 第2金属被接合材
3 薄層接合材
4,9,15 積層体
5 接合層
6 接合体
7,8 母材
11 シリコン半導体チップ
12 Au薄層
13 リードフレーム
14 Ni薄層
Claims (11)
- TeとAgとを主成分にし、Sn、Zn、Al、TiおよびNiからなる群から選択された1種以上の元素を含むことを特徴とする非鉛系の合金接合材。
- 前記Agの含有量が15質量%から35質量%の範囲にあり、前記SnおよびZnから選択された1種以上の元素の含有量が5質量%から20質量%の範囲にあり、残部が前記Teおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の非鉛系の合金接合材。
- 前記Agの含有量が15質量%から35質量%の範囲にあり、前記Al、TiおよびNiからなる群から選択された1種以上の元素の含有量が0.01質量%から10質量%の範囲にあり、残部が前記Teおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項2に記載の非鉛系の合金接合材。
- 前記合金接合材は、ペースト状、シート状、ワイヤー状、あるいは粒状になっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の非鉛系の合金接合材。
- 第1金属被接合材と第2金属被接合材とを、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の非鉛系の合金接合材から成る薄層接合材を介して積層させ、前記第1金属被接合材、前記薄層接合材および前記第2金属被接合材を含む積層体を形成する工程と、
前記積層体を350℃以上450℃以下の温度に加熱して前記第1金属被接合材および前記第2金属被接合材を互いに接合する工程と、
を有することを特徴とする接合方法。 - 前記第1金属被接合材および前記第2金属被接合材は、Ni、Ag、Alの金属、およびこれ等の金属を主成分とする金属合金からなる群より選択されることを特徴とする請求項5に記載の接合方法。
- TeとAgとを主成分にし、Sn、Zn、Al、TiおよびNiからなる群から選択された1種以上の元素を含む非鉛系の合金接合材により、第1金属被接合材と第2金属被接合材がはんだ接合されていることを特徴とする接合体。
- 前記合金接合材は、前記Agの含有量が15質量%から35質量%の範囲にあり、前記SnおよびZnから選択された1種以上の元素の含有量が5質量%から20質量%の範囲にあり、残部が前記Teおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項7に記載の接合体。
- 前記合金接合材は、前記Agの含有量が15質量%から35質量%の範囲にあり、前記Al、TiおよびNiからなる群から選択された1種以上の元素の含有量が0.01質量%から10質量%の範囲にあり、残部が前記Teおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項7に記載の接合体。
- 前記第1金属被接合材および前記第2金属被接合材は、Ni、Ag、Alの金属、およびこれ等の金属を主成分とする金属合金からなる群より選択されていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか一項に記載の接合体。
- 前記第1金属被接合材がパワー系半導体チップに形成され、前記第2金属被接合材が前記パワー系半導体チップのマウント基板に形成され、前記パワー系半導体チップが前記マウント基板上に前記はんだ接合を通してダイボンディングされていることを特徴とする請求項7に記載の接合体。
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