JP5935770B2 - 燐酸資源原料の製造方法及び燐酸質肥料 - Google Patents

燐酸資源原料の製造方法及び燐酸質肥料 Download PDF

Info

Publication number
JP5935770B2
JP5935770B2 JP2013150000A JP2013150000A JP5935770B2 JP 5935770 B2 JP5935770 B2 JP 5935770B2 JP 2013150000 A JP2013150000 A JP 2013150000A JP 2013150000 A JP2013150000 A JP 2013150000A JP 5935770 B2 JP5935770 B2 JP 5935770B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphorus
slag
concentration
dephosphorization
hot metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013150000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015021157A (ja
Inventor
友也 大阪
友也 大阪
菊池 直樹
直樹 菊池
章敏 松井
章敏 松井
憲治 中瀬
憲治 中瀬
三木 祐司
祐司 三木
八尾 泰子
泰子 八尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2013150000A priority Critical patent/JP5935770B2/ja
Publication of JP2015021157A publication Critical patent/JP2015021157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5935770B2 publication Critical patent/JP5935770B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fertilizers (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Description

本発明は、製鋼工程において発生する製鋼スラグ中の燐を回収・濃化して、燐含有量の高い燐酸資源原料を製造する方法及び燐酸質肥料に関する。
燐鉱石の枯渇問題や、中国、米国などによる燐鉱石の囲い込みのために、燐資源が高騰しており、鉄鋼精錬工程において発生する製鋼スラグ中の燐が貴重な燐資源として見直されている。しかしながら、高炉から出銑される溶銑の燐濃度は0.1質量%程度であるため、従来の一般的な溶銑の脱燐処理や溶銑の脱炭精錬で生成される製鋼スラグ中の燐酸(P25)濃度は高々5質量%程度と低く、燐酸資源としての活用先はほとんど存在しない。そのため、これらの製鋼スラグは、路盤材などの土木用材料として使用されており、製鋼スラグ中の燐は回収されることはなかった。尚、溶銑の脱燐処理とは、溶銑を転炉にて脱炭精錬する前に、予め溶銑中の燐を除去する精錬のことであり、「予備脱燐処理」とも呼ぶ。
また、近年、環境対策及び省資源の観点から、製鋼スラグのリサイクル使用を含めて、製鋼スラグの発生量を削減することが急務となっており、幾つかの試みがなされている。例えば、転炉スラグ(転炉での溶銑の脱炭精錬において発生するスラグ)を、CaO系媒溶剤の代替として鉄鉱石の焼結工程にリサイクルする試みが行われている。但し、この場合には、酸化物の形態で高炉にリサイクルされた転炉スラグ中の燐が高炉で還元されて、高炉から出銑される溶銑の燐濃度が増加するという問題が生じる。
ところで、製鋼スラグを原料とする燐酸肥料として、最も広く知られているのがトーマス燐肥である。このトーマス燐肥は、高燐鉄鉱石を原料として製造されるトーマス溶銑(溶銑の燐濃度:1.8〜2.0質量%)をトーマス転炉を用いて脱炭精錬し、その際に生成する転炉スラグを燐酸資源原料とするものである。生成する転炉スラグの燐酸濃度が16〜22質量%と高濃度であり、転炉スラグをそのまま燐酸肥料として使用することが可能である。
しかし、この技術は、高燐鉄鉱石を原料とすることが必要であるとともに、トーマス転炉を用いる必要があり、しかも、溶銑の燐濃度が高いことや、生成するスラグ量が多いことなどの制約や問題があり、現在ではほとんど行われていない。
そこで、一般的な鉄鉱石を用い、高炉−転炉の組み合わせによって溶銑から溶鋼を溶製する製造工程において、製鋼スラグを原料として燐含有量の高い燐酸資源原料を製造する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、高炉から出銑された溶銑に対して脱燐処理を2回に亘って実施し、第2回目の脱燐処理で生成した燐含有スラグを高炉装入原料の一部として高炉に装入し、これによって高炉から出銑される溶銑中の燐濃度を0.17〜0.50質量%に高め、この溶銑を脱燐処理する第1回目の脱燐処理で生成する燐含有スラグの燐濃度を15質量%程度まで高め、このスラグを燐酸資源原料として利用する方法が提案されている。
特許文献2には、高炉製錬工程と転炉精錬工程との間に溶銑の脱燐工程を設け、転炉での溶銑の脱炭精錬で生成した転炉スラグを高炉装入原料の一部として高炉に装入し、これによって高炉から出銑される溶銑中の燐濃度を0.17〜0.50質量%に高め、この溶銑を脱燐処理することにより、この脱燐処理で生成する燐含有スラグの燐濃度を15質量%程度まで高め、このスラグを燐酸資源原料として利用する方法が提案されている。特許文献2は、脱燐処理後の燐濃度が0.10質量%程度の溶銑を転炉にて低燐鋼に溶製するとしている。
特許文献3には、燐濃度が0.15質量%以下の溶銑を脱燐処理して得られた燐含有スラグを溶銑浴に投入し、スラグ中の燐を溶銑浴中に還元抽出して燐濃度が0.5〜3質量%の溶銑を溶製し、スラグを排出した後、燐濃度が0.5〜3質量%の溶銑を所定の条件で脱燐処理して、燐酸濃度が10〜30質量%のスラグを生成させ、このスラグを燐酸資源原料として回収する方法が提案されている。
特許文献4には、転炉での溶銑の脱炭精錬において発生した転炉スラグと、溶銑の脱燐処理において発生した予備処理脱燐スラグとを、これらを混合した後の混合スラグの塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))が1.5〜2.8になるように混合し、この混合スラグに対して、炭素、珪素、アルミニウムのうちの1種以上を含有する還元剤を用いて還元処理して混合スラグ中の鉄酸化物を還元し、この還元処理によって得られた金属鉄を鉄源として利用するとともに、混合スラグ中の燐酸化物は還元されないように還元処理時の酸素ポテンシャルを制御して、混合スラグ中の燐酸化物を混合スラグ中に残留させ、還元処理後の混合スラグを燐酸肥料用原料として利用する方法が提案されている。
特許文献5には、燐を含有する製鋼スラグを、炭素、珪素、アルミニウムのうちの1種以上を含有する還元剤を用いて還元し、この還元処理により、製鋼スラグ中の鉄酸化物及び燐酸化物が還元されて得られる、燐を0.5質量%以上含有する燐含有溶銑に対し、供給する酸素源の40体積%以上を酸素ガスとして上吹きランスを介して吹き付けて供給するとともに、供給するCaO系媒溶剤の40質量%以上を上吹きランスを介して搬送用ガスとともに吹き付けて脱燐処理を施し、生成される燐含有スラグ中の燐酸濃度を10質量%以上に濃縮させ、この燐含有スラグを回収して燐酸資源原料とする方法が提案されている。特許文献5は、CaO系媒溶剤を吹き付け添加することで、CaO系媒溶剤の滓化促進剤としてフッ素源を使用することなく脱燐処理を施すことができるとしている。
特開平8−3612号公報 特開平8−3613号公報 特開平11−158526号公報 特開2012−7190号公報 特開2010−189670号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題がある。
即ち、特許文献1では、燐含有量の多いスラグを得るために、従来の工程に対して、更に第2回目の脱燐処理工程を追加する必要があり、脱燐処理コストやスラグ回収コストが高くなるという問題がある。つまり、特許文献1では、脱燐処理設備が2基必要になり、仮に1基の脱燐処理設備で行った場合には、脱燐処理可能量が約半分になり、生産性が低下する。
特許文献2では、溶銑の脱燐処理を行っているものの、この脱燐処理で得られる溶銑の燐濃度は、脱燐処理を行っていない一般的な溶銑の燐濃度と同等であり、転炉での脱炭精錬では、大量のCaO系媒溶剤が必要である。つまり、転炉での脱炭精錬では、溶銑の予備脱燐処理の効果を得ることができず、製造コストが増大する。
また、燐含有スラグを燐酸肥料として用いるときには、スラグ中の燐酸化物は根酸に対する溶解性を有する形態であることが必要である。根酸に対する溶解性の尺度として、ク溶性の燐酸の濃度(2質量%クエン酸に溶解する燐酸濃度)が知られている。燐含有スラグの燐酸濃度が高くても、ク溶性燐酸の濃度が低ければ、その燐含有スラグは燐酸肥料としては使用できない。つまり、単に、燐含有スラグ中の燐酸濃度を増大させるだけでは、ク溶性燐酸を必要とする燐酸肥料は製造することができない。
この観点から上記従来技術を検証すれば、特許文献1〜4は、ク溶性の燐酸を安定的に確保するための具体的な方法を開示していない。換言すれば、特許文献1〜4は、燐酸肥料として有効である、多くのク溶性燐酸を含有する燐含有スラグを安定して製造することができない。特許文献5は、燐含有スラグがフッ素を含有しないことにより、水溶性の燐酸が確保され、燐含有スラグを燐酸肥料として有効活用することが可能となるとしているが、水溶性の燐酸をどの程度含むのかについては開示しておらず、また、ク溶性の燐酸については言及していない。
このように、特許文献1〜5は、燐酸肥料の原料としての燐含有スラグを得るための方法、つまり、ク溶性の燐酸化物を高い濃度で安定的に含む燐含有スラグを得るための方法を明示しているとはいえない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、製鋼工程において発生する製鋼スラグ中の燐を濃化して、燐酸化物含有量の高い燐酸資源原料を製造するにあたり、燐酸肥料の原料としての燐酸資源原料、即ち、ク溶性の燐酸化物を高い濃度で含有する燐含有スラグを安定的に得るための方法、及び、得られた燐酸資源原料からなる燐酸質肥料を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]製鋼精錬工程において発生した燐を含有する製鋼スラグに、炭素、珪素、アルミニウムのうちの1種以上を含有する還元剤を供給して還元処理を施し、前記製鋼スラグ中の鉄酸化物及び燐酸化物を還元して燐を含有する燐含有還元鉄を製造する還元処理工程と、前記還元処理工程で得られた燐含有還元鉄を溶解して燐を0.5質量%以上含有する燐含有溶銑を製造する燐含有溶銑溶製工程と、前記燐含有溶銑溶製工程で得られた燐含有溶銑に、酸素ガスを吹き付けるとともに該酸素ガスを搬送用ガスとしてCaO系媒溶剤を吹き付けて脱燐処理を施し、前記燐含有溶銑中の燐を脱燐処理で生成するスラグ中に燐酸化物として移行させる脱燐処理工程と、前記脱燐処理工程で得られたスラグを燐酸資源原料として回収する回収工程と、を有する燐酸資源原料の製造方法であって、前記脱燐処理工程では、粒径が1mm以下のCaO系媒溶剤を使用するとともに、該CaO系媒溶剤の添加量を調整することにより、前記脱燐処理工程で生成するスラグのP25濃度を10質量%以上、且つ、前記脱燐処理工程で生成するスラグ中のCa/Pをモル比で2.0以上とし、更に、前記脱燐処理工程で生成するスラグのT.Fe濃度とスラグのMnO濃度との和を20質量%以下とすることを特徴とする、燐酸資源原料の製造方法。
[2]前記還元処理工程と前記燐含有溶銑溶製工程とを、1つの反応容器を用いて同時に行うことを特徴とする、上記[1]に記載の燐酸資源原料の製造方法。
[3]一部または全部が、上記[1]または上記[2]に記載の燐酸資源原料の製造方法によって得られた燐酸資源原料からなることを特徴とする燐酸質肥料。
本発明によれば、製鋼スラグ中の燐を回収・濃化した燐含有溶銑の脱燐処理で生成されるスラグを燐酸資源原料として回収するにあたり、燐含有溶銑を脱燐処理する工程で使用するCaO系媒溶剤の粒径を規定するとともに、脱燐処理で生成するスラグのP25濃度を10質量%以上に確保し、且つ、脱燐処理で生成するスラグ中のCa/Pをモル比で2.0以上に制御するので、高いク溶性を有する3CaO・P25がスラグ中に生成しやすくなる。また、脱燐処理で生成するスラグのT.Fe濃度とスラグ中のMnO濃度との和を20質量%以下に制御するので、ク溶性の低いP25−FeO系固溶体及びP25−MnO系固溶体の生成を抑制することができ、ク溶性の燐酸化物を高い濃度で含有するスラグを更に安定的に得ることが実現される。つまり、本発明によれば、製鋼工程において発生する製鋼スラグから速効性に優れた燐酸肥料となる燐酸資源原料を安定的に製造することが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。
ク溶性燐酸濃度と脱燐スラグのCa/Pのモル比との関係について調査した結果を示す図である。 ク溶性燐酸濃度と脱燐スラグのT.Fe濃度及びMnO濃度の和との関係について調査した結果を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、製鋼工程において発生する燐を含有する製鋼スラグ中の燐を濃化して、燐酸化物(=P25)濃度の高い燐酸資源原料を製造するにあたり、燐酸肥料の原料としての燐酸資源原料を安定的に得るための方法、即ち、ク溶性の燐酸化物を高い濃度で含有する燐含有スラグを安定的に得るための方法について、鋭意調査検討を実施した。その際に、燐酸資源原料に含まれる燐酸化物、つまりP25の含有率の目標値をトーマス燐肥並みの10質量%以上と設定した。ここで、燐を含有する製鋼スラグとは、転炉での溶銑の脱炭精錬において発生する転炉スラグ、溶銑に予備処理として行う脱燐処理において発生する予備処理脱燐スラグ、溶銑に予備処理として行う脱珪処理において発生する予備処理脱珪スラグなどである。
特許文献5に挙げたが、燐を含有する製鋼スラグに炭素、珪素、アルミニウムのうちの1種以上を含有する還元剤を添加し且つ熱を付与して、製鋼スラグを還元処理(「還元処理工程」という)することにより、製鋼スラグ中の鉄酸化物及び燐酸化物が還元され、この還元処理工程によって、燐を0.5質量%以上含有する燐含有溶銑が得られること、或いは、還元処理工程によって得られた、燐を含有する燐含有還元鉄に別途溶解処理(「燐含有溶銑溶製工程」という)を施すことで、燐を0.5質量%以上含有する燐含有溶銑が得られることを、本発明者らも確認している。ここで、炭素を含有する還元剤としては、コークス、石炭、木炭、チャーなどを使用する。
燐を含有する製鋼スラグを還元処理する際に、例えば、還元処理容器としてアーク炉を使用し、且つ、還元剤の少なくとも一部として炭素を含有する還元剤を使用し、製鋼スラグ中の鉄酸化物が還元されて生成する鉄が還元剤の炭素によって加炭されて溶融状態となる高温条件(例えば、1300℃以上、望ましくは1400℃以上)で還元処理すれば、還元処理によって生成する鉄は溶銑となる。つまり、還元処理を施すだけで、還元処理工程と燐含有溶銑溶製工程とが同時に起こり、燐を0.5質量%以上含有する燐含有溶銑が得られる。この場合に、高炉によって溶製された溶銑(「高炉溶銑」という)やキュポラによって溶製された溶銑などを、熱源及び種湯としてアーク炉内に装入して還元処理を行うことで、より一層容易に、燐を0.5質量%以上含有する燐含有溶銑を得ることができる。
一方、還元処理時の温度が1000℃程度で、銑鉄の溶融温度に比較して低い場合や、使用する処理容器が溶融状態の鉄を保持・収容できない場合には、還元処理工程では固体の還元鉄を回収する。1000℃程度の処理温度であっても製鋼スラグ中の燐酸化物は十分に還元される。燐と鉄とは反応しやすく、従って、還元処理で生成する燐は、還元処理で生成する鉄に吸収されて、燐を含有する燐含有還元鉄が生成する。この燐含有還元鉄を回収し、回収した燐含有還元鉄にアーク炉などで燐含有溶銑溶製工程を施すことで、燐を0.5質量%以上含有する燐含有溶銑を得ることができる。この場合も、高炉溶銑などを熱源及び種湯としてアーク炉などに装入して燐含有溶銑溶製工程を行うことで、より一層容易に、燐を0.5質量%以上含有する燐含有溶銑を得ることができる。
還元処理工程及び燐含有溶銑溶製工程に使用する処理容器としては、上記のアーク炉以外に、ロータリーキルン炉、溶銑を熱源及び種湯として保持した取鍋やトピードカーなどを用いることができる。ロータリーキルン炉の場合、処理温度を高くすれば還元処理工程と燐含有溶銑溶製工程とを同時に行うことができるが、処理温度が低い条件では還元処理工程のみを行い、燐含有溶銑溶製工程は別の処理炉で行う。溶銑を熱源及び種湯として保持した取鍋やトピードカーなどを処理容器とする場合には、還元処理工程と燐含有溶銑溶製工程とが同時に行われる。還元処理温度は900℃以上であれば十分である。
こうして得られた燐含有溶銑に対して、酸素ガスを吹き付けるとともに、この酸素ガスを搬送用ガスとして粒径が1mm以下のCaO系媒溶剤を吹き付けて脱燐処理を施す(脱燐処理工程)ことで、P25を10質量%以上含有する脱燐スラグが生成され、この脱燐スラグを回収する(回収工程)ことで、製鋼スラグから燐酸資源原料が回収できる。つまり、目標とする10質量%以上のP25を含有する燐含有スラグが、脱燐スラグとして得られる。ここで、CaO系媒溶剤としては、生石灰(CaO)、石灰石(CaCO3)、消石灰(Ca(OH)2)及びこれらの混合物などを使用する。尚、脱燐スラグとは、溶銑の脱燐処理によって生成するスラグを指す。
そこで、上記の方法で製造した燐含有スラグ(脱燐スラグ)を燐酸肥料として使用し、チンゲンサイ、水稲などで生育試験を実施した。しかしながら、燐含有スラグの燐酸濃度が高くても、速効性肥料としての十分な性能が確認できない場合が見られた。
本発明者らは製鋼スラグの燐酸肥料化に関して試行錯誤を重ね、燐酸肥料効果の尺度となるク溶性燐酸濃度と、得られた燐含有スラグの組成や鉱物相との相関を調査した。その結果、ク溶性燐酸濃度とスラグ中のCa/Pのモル比との間に相関があること、並びに、ク溶性燐酸濃度とスラグ中のT.Fe濃度及びスラグ中のMnO濃度の和との間に相関があることを突き止めた。ここで、スラグ中のT.Fe濃度とは、スラグ中に存在する全ての鉄酸化物(FeOやFe23など)の鉄分の合計値である。
即ち、燐含有スラグのCa/Pがモル比で2.0以上である条件、並びに、燐含有スラグ中のT.Fe濃度とスラグ中のMnO濃度との和が20質量%以下である条件で、燐含有スラグ中のク溶性燐酸が高濃度となることがわかった。
これは、Ca/Pがモル比で2.0以上となるように、燐含有スラグ中のCaOを燐酸化物に対して高濃度化することにより、燐含有スラグ中でP25がCaOと結びつきやすくなり、高いク溶性を呈する3CaO・P25が形成されやすくなることに基づく。また、燐含有スラグ中のT.Fe濃度とMnO濃度との和を20質量%以下とすることにより、ク溶性燐酸が低いことで知られる、P25−FeO系固溶体及びP25−MnO系固溶体の生成が抑制されることに基づく。
燐含有スラグのCa/P比をモル比で2.0以上に制御するためには、脱燐処理対象の燐含有溶銑の燐濃度に応じて、供給するCaO系媒溶剤の添加量を設定することが必要である。また、燐含有スラグ中のT.Fe濃度とMnO濃度との和を20質量%以下に制御するためには、例えば、反応容器に上底吹き転炉を用いた場合には、脱燐処理末期に底吹き撹拌を強め、鉄浴の対流によるスラグ/鉄浴界面での物質移動を促進させて、スラグ中酸化鉄による溶銑の脱炭反応(C+O→CO)を促進させるなどすればよい。この脱炭反応によって、燐含有スラグのT.Fe濃度は低下する。
脱燐スラグを、高CaO濃度で且つ低FeO濃度として脱燐処理すると、CaO系媒溶剤の滓化性が悪くなる。燐含有溶銑の脱燐反応は、供給する酸素ガスによって燐含有溶銑中の燐が酸化されてP25が生成し、このP25が滓化したCaO系媒溶剤に吸収されることで進行する。CaO系媒溶剤の滓化性が悪くなることは、脱燐反応が損なわれることを意味する。
しかし、本発明では、脱燐処理の酸化剤として機能する酸素ガスを搬送用ガスとして、粒径が1mm以下のCaO系媒溶剤を上吹き添加するので、CaO系媒溶剤の添加位置は酸素ガスの添加位置(酸素ガスの添加位置を「火点」という)と一致し、火点は高温であり、しかも、CaO系媒溶剤が1mm以下と細粒であるので、CaO系媒溶剤の滓化が促進される。つまり、本発明では、CaO系媒溶剤は粒径1mm以下であり、且つ、CaO系媒溶剤の添加位置が火点であることから、脱燐スラグを、高CaO濃度で且つ低FeO濃度としても、脱燐反応は損なわれることはなく、脱燐反応を推進させることができる。
尚、脱燐スラグを低FeO濃度とする条件下での脱燐処理は、平衡論的には脱燐反応効率の低下に結びつくが、本発明では、脱燐処理対象の燐含有溶銑の燐濃度に応じてCaO系媒溶剤の添加量を設定するので、換言すれば、脱燐処理対象の燐含有溶銑の燐濃度が高い場合にはCaO系媒溶剤の添加量を増大させるので、脱燐スラグの燐保持能力が高位となり、低燐域までの脱燐処理が可能である。
以上説明したように、本発明によれば、燐酸肥料の原料としての燐酸資源原料、つまり、ク溶性の燐酸化物を高い濃度で含有する燐含有スラグを安定的に得ることが可能となる。その結果、従来多くが廃棄物として扱われていた製鋼スラグ中の燐を燐酸肥料として有効に再利用できるだけでなく、還元処理が施された後の製鋼スラグは燐含有量が少なく、CaO系媒溶剤の代替として再利用できるので、スラグ発生量の削減にも繋がる。また、発明者らは、植物の育成試験を通して、上記燐含有スラグを原料とする燐酸肥料が市販燐酸肥料と遜色なく利用出きることを確認している。
製鋼工程で発生した燐を含有する50トンの製鋼スラグと、還元剤としてのコークス(炭素)とを、加熱バーナーを備えたロータリーキルン炉に装入し、バーナーによって製鋼スラグ及びコークスを1000℃以上に加熱して、製鋼スラグの還元処理試験を実施した。製鋼スラグ中の酸化鉄はコークスによって還元されて、還元鉄が生成した。また、製鋼スラグ中の燐も還元され、生成する燐と還元鉄とが反応して、つまり、生成する燐が還元鉄に取り込まれて、燐を高濃度に含有する燐含有還元鉄が生成した。
上記還元処理において、還元剤として珪素やアルミニウムを炭素の代わりに用いても、何ら問題なく製鋼スラグ中の酸化鉄及び燐酸化物を還元することができた。
還元処理後の製鋼スラグは燐酸化物の含有量が低く、製銑工程や製鋼工程においてCaO系媒溶剤の代替精錬剤として再利用した。その結果、溶銑中の燐濃度の上昇を起こすことはなく、還元処理後の製鋼スラグは、CaO系媒溶剤の代替品として問題なく再利用できることを確認した。
上記還元処理によって得られた燐含有還元鉄は、燐を1.0〜4.0質量%含有していた。この燐含有還元鉄を、溶銑保持容器に収容された高炉溶銑に投入して溶解させ、燐濃度を0.5〜3.0質量%に調整した燐含有溶銑を溶製した。燐含有溶銑は全ての試験で約200トンに調整した。
この燐含有溶銑を上底吹き転炉型の反応容器に装入し、上吹きランスから酸素ガスを燐含有溶銑に向けて吹き付けると同時に、上吹きランスから酸素ガスを搬送用ガスとして粒径が1mm以下の粉状生石灰(CaO純分:95質量%程度)を吹き込んで脱燐処理を実施した。尚、使用した媒溶剤は粉状生石灰のみであり、蛍石などのフッ素化合物を混合しないものである。
試験における主な結果を表1に示す。表1では、本発明例として、脱燐処理前の燐含有溶銑の燐濃度を4段階に区分して、その代表例(水準1〜4)を示している。また、比較例として、脱燐処理後の脱燐スラグのCa/Pのモル比、及び、T.Fe濃度とMnO濃度との和がともに本発明の範囲を外れた試験の例(水準5)、脱燐スラグのT.Fe濃度とMnO濃度との和が本発明の範囲を外れた試験の例(水準6)、脱燐スラグのCa/Pのモル比が本発明の範囲を外れた試験の例(水準7)を示す。
Figure 0005935770
表1に示すように、水準1〜4において、脱燐処理前の燐含有溶銑の燐濃度が何れの水準であっても、燐含有溶銑の燐濃度に基づいて、供給する酸素ガスの原単位及びCaO系媒溶剤の原単位を調整することで、脱燐処理後の脱燐スラグ中のP25濃度を10質量%以上に確保することができた。また、燐含有溶銑は、燐濃度が0.10質量%以下となるまで脱燐することができた。脱燐処理後の燐含有溶銑の燐濃度は0.10質量%以下であり、この燐濃度は予備脱燐処理の施されていない高炉溶銑の燐濃度と同等であり、従って、脱燐処理後の燐含有溶銑は、製鋼用の鉄源として使用可能である。
また、水準1〜4において、脱燐処理前の燐含有溶銑の燐濃度が何れの水準であっても、脱燐処理末期に底吹き攪拌ガス(窒素ガス)の供給流量を増量させ、スラグ/鉄浴の撹拌を強化することで、脱燐処理後の脱燐スラグのT.Fe濃度を低位化することができ、T.Fe濃度とMnO濃度との和を20質量%以下にすることができた。
これに対して、水準5〜7では、脱燐処理後の脱燐スラグ中のP25濃度を10質量%以上に確保することができ、且つ、燐濃度が0.10質量%以下となるまで燐含有溶銑を脱燐することができたが、供給する酸素ガスの原単位、CaO系媒溶剤の原単位、脱燐処理末期の底吹き攪拌ガスの供給流量の何れか1つまたは2つ以上が適切でなく、脱燐処理後の脱燐スラグのCa/Pのモル比、及び、T.Fe濃度とMnO濃度との和の何れか1つまたは2つが本発明の範囲を外れた。
水準1〜7を含めた各試験において、燐含有溶銑の種々の処理条件における脱燐処理によって得られた脱燐スラグ(燐酸資源原料)に対し、ク溶性燐酸濃度を測定した。測定したク溶性燐酸濃度と脱燐スラグのCa/Pモル比との関係、及び、測定したク溶性燐酸濃度と脱燐スラグのT.Fe濃度及びMnO濃度の和との関係について調査した。調査結果を図1及び図2に示す。
何れの脱燐スラグも、P25の含有量は10質量%以上であったが、図1に示すように、Ca/Pモル比が2.0以上の条件で、肥料効果の尺度であるク溶性燐酸濃度が10質量%以上と高位となり、一方、Ca/Pモル比が2.0未満ではク溶性燐酸濃度が低かった。また、図2に示すように、脱燐スラグのT.Fe濃度とMnO濃度との和が20質量%を超えると、ク溶性燐酸濃度が低くなり、燐酸肥料としては好ましくないことがわかった。
ク溶性燐酸濃度の高い脱燐スラグを破砕し、その後、破砕した脱燐スラグをそのまま燐酸肥料として植物の生育試験を実施した。その結果、試験に供した脱燐スラグは、市販の燐酸肥料と何ら遜色のない肥料効果を有することが確認できた。

Claims (4)

  1. 製鋼精錬工程において発生した燐を含有する製鋼スラグに、炭素、珪素、アルミニウムのうちの1種以上を含有する還元剤を供給して還元処理を施し、前記製鋼スラグ中の鉄酸化物及び燐酸化物を還元して燐を含有する燐含有還元鉄を製造する還元処理工程と、
    前記還元処理工程で得られた燐含有還元鉄を溶解して燐を0.5質量%以上含有する燐含有溶銑を製造する燐含有溶銑溶製工程と、
    前記燐含有溶銑溶製工程で得られた燐含有溶銑に、酸素ガスを吹き付けるとともに該酸素ガスを搬送用ガスとしてCaO系媒溶剤を吹き付けて脱燐処理を施し、前記燐含有溶銑中の燐を脱燐処理で生成するスラグ中に燐酸化物として移行させる脱燐処理工程と、
    前記脱燐処理工程で得られたスラグを燐酸資源原料として回収する回収工程と、を有する燐酸資源原料の製造方法であって、
    前記脱燐処理工程では、粒径が1mm以下のCaO系媒溶剤を使用するとともに、該CaO系媒溶剤の添加量を調整することにより、前記脱燐処理工程で生成するスラグのP濃度を10質量%以上、且つ、前記脱燐処理工程で生成するスラグ中のCa/Pをモル比で2.0以上とし、更に、前記脱燐処理工程で生成するスラグのT.Fe濃度とスラグのMnO濃度との和を20質量%以下とすることを特徴とする、燐酸資源原料の製造方法。
  2. 前記還元処理工程と前記燐含有溶銑溶製工程とを、1つの反応容器を用いて同時に行うことを特徴とする、請求項1に記載の燐酸資源原料の製造方法。
  3. Ca/Pがモル比で2.0以上であって、T.Fe濃度とMnO濃度との和が20質量%以下の燐酸資源原料からなることを特徴とする、燐酸質肥料。
  4. Ca/Pがモル比で2.0以上3.27以下であって、T.Fe濃度とMnO濃度との和が14質量%以上20質量%以下の燐酸資源原料からなることを特徴とする、燐酸質肥料。
JP2013150000A 2013-07-19 2013-07-19 燐酸資源原料の製造方法及び燐酸質肥料 Active JP5935770B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013150000A JP5935770B2 (ja) 2013-07-19 2013-07-19 燐酸資源原料の製造方法及び燐酸質肥料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013150000A JP5935770B2 (ja) 2013-07-19 2013-07-19 燐酸資源原料の製造方法及び燐酸質肥料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015021157A JP2015021157A (ja) 2015-02-02
JP5935770B2 true JP5935770B2 (ja) 2016-06-15

Family

ID=52485877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013150000A Active JP5935770B2 (ja) 2013-07-19 2013-07-19 燐酸資源原料の製造方法及び燐酸質肥料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5935770B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109641810A (zh) * 2017-06-28 2019-04-16 新日铁住金株式会社 肥料原料用炼钢炉渣、肥料原料用炼钢炉渣的制造方法、肥料的制造方法及施肥方法
AU2018282388B2 (en) * 2017-06-28 2019-09-19 Nippon Steel Corporation Steelmaking slag for fertilizer raw material, method for producing steelmaking slag for fertilizer raw material, method for producing fertilizer, and fertilizer application method
JP6891844B2 (ja) * 2018-03-29 2021-06-18 Jfeスチール株式会社 水域向けリン供給資材およびその製造方法
JP6969476B2 (ja) * 2018-03-29 2021-11-24 Jfeスチール株式会社 高リン含有スラグおよびスラグ系肥料の製造方法ならびにリン酸肥料
JP6930473B2 (ja) * 2018-03-29 2021-09-01 Jfeスチール株式会社 リン酸質肥料の製造方法およびリン酸肥料
CN114436681A (zh) * 2022-03-01 2022-05-06 郑州大学 一种无需添加熔剂生产钙镁磷肥的方法
CN114854924B (zh) * 2022-04-22 2023-12-01 中国恩菲工程技术有限公司 高磷铁矿制备低磷铁水的方法及装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5569174B2 (ja) * 2010-06-21 2014-08-13 Jfeスチール株式会社 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法並びに高炉スラグ微粉末または高炉スラグセメント及び燐酸資源原料
JP5560947B2 (ja) * 2010-06-22 2014-07-30 Jfeスチール株式会社 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法並びに高炉スラグ微粉末または高炉スラグセメント及び燐酸資源原料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015021157A (ja) 2015-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5935770B2 (ja) 燐酸資源原料の製造方法及び燐酸質肥料
JP5332651B2 (ja) 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法
JP5560947B2 (ja) 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法並びに高炉スラグ微粉末または高炉スラグセメント及び燐酸資源原料
JP5569174B2 (ja) 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法並びに高炉スラグ微粉末または高炉スラグセメント及び燐酸資源原料
JP5594183B2 (ja) 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法及び燐酸肥料用原料
JP5320680B2 (ja) 高燐スラグの製造方法
JP6003911B2 (ja) リン酸質肥料原料、リン酸質肥料およびその製造方法
JP5720497B2 (ja) 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法
JP5268019B2 (ja) 溶銑の脱りん方法
JP6773131B2 (ja) 溶銑の予備処理方法と極低燐鋼の製造方法
JP5829788B2 (ja) 燐酸資源原料の製造方法
JP5712747B2 (ja) 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法
JP5915711B2 (ja) 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法
CN114457204A (zh) 铁水的脱磷方法
JP6992604B2 (ja) リン酸スラグ肥料の製造方法
JP6011556B2 (ja) 燐酸質肥料原料の製造方法
JP2013072111A (ja) 溶銑の脱燐処理方法
JP2001049320A (ja) 高燐鉱石を原料とする鉄鋼製造方法
JP2005068533A (ja) 溶銑の脱燐方法
JPH09143529A (ja) 溶銑の脱りん方法
JPS6114118B2 (ja)
JP2005060846A (ja) 肥料用原料の製造方法
JP3644420B2 (ja) 肥料用原料の製造方法
JP2004161544A (ja) 燐酸肥料用原料の製造方法
JP2015147979A (ja) 製鋼スラグの処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20160304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5935770

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250