JP2005060846A - 肥料用原料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特別な工程を付加することなく脱燐スラグから燐酸質肥料用原料を得ることができ且つ脱珪スラグからも珪酸質カリ肥料用原料を得るなど、溶銑予備処理工程で発生する大量のスラグを肥料用原料として利材化することができる肥料用原料の製造方法を提供する。
【解決手段】 溶銑保持容器内で溶銑を脱珪処理するとともに、該脱珪処理の際及び/又は脱珪処理後に前記溶銑保持容器内にカリ原料を添加し、浴中に攪拌用ガスを吹き込んで攪拌することにより、溶銑保持容器内の脱珪スラグにカリ原料を融合させ、該カリ原料が融合した脱珪スラグをク溶性カリ肥料用原料として回収し、次いで溶銑保持容器内で溶銑に対してCaO源と酸素源を添加して脱燐処理を行い、その際発生した脱燐スラグを燐酸質肥料用原料として回収する。
【選択図】 なし
【解決手段】 溶銑保持容器内で溶銑を脱珪処理するとともに、該脱珪処理の際及び/又は脱珪処理後に前記溶銑保持容器内にカリ原料を添加し、浴中に攪拌用ガスを吹き込んで攪拌することにより、溶銑保持容器内の脱珪スラグにカリ原料を融合させ、該カリ原料が融合した脱珪スラグをク溶性カリ肥料用原料として回収し、次いで溶銑保持容器内で溶銑に対してCaO源と酸素源を添加して脱燐処理を行い、その際発生した脱燐スラグを燐酸質肥料用原料として回収する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、溶銑予備処理として行われる精錬工程で生成したスラグを用いた肥料用原料の製造方法に関する。
従来、燐酸質肥料の多くはリン鉱石を原料として製造されているが、将来的には原料であるリン鉱石の供給がひっ追する可能性がある。一方において、上記のような鉄鋼製造において大量に副成するスラグの有効利用という要請があり、このため近年、燐酸を含有するスラグを燐酸質肥料用原料として利材化する研究が盛んに行われるようになってきた。
スラグを原料とする燐酸質肥料として最も広く知られているのがトーマス燐肥である。このトーマス燐肥は、高燐鉄鉱石を原料として製造されるトーマス溶銑(通常、[P]:1.8〜2.0mass%程度)を精錬し、この際に生成するスラグを原料とするもので、燐酸濃度が16〜22mass%と高濃度であることが特徴である。しかし、この技術は高燐鉄鉱石を原料とすること、脱燐後の溶銑のP濃度が高いこと、生成するスラグ量が多いこと等の制約や問題があり、現在は殆ど実施されていない。
一方、一般の鉄鉱石を原料とする溶銑を脱燐処理(溶銑予備処理)する場合、脱燐前の溶銑中のP濃度は0.1〜0.2mass%程度であるため、従来の一般的な脱燐処理法において生成する脱燐スラグの燐酸濃度は5mass%程度に過ぎず、燐酸質肥料用原料として利用できるような高濃度の燐酸を含むものではない。
従来、燐酸質肥料用原料として利材化が可能な燐酸濃度が高いスラグを得るために、以下のような技術が提案されている。
(a) 溶銑脱燐を2段階で実施し、2回目の溶銑脱燐で生成した含燐スラグを高炉装入原料の一部として高炉に装入することにより、高炉から出銑される溶銑中のP濃度を高め、1回目の溶銑脱燐で高濃度の燐酸を含有するスラグを回収する方法(特許文献1)、或いは溶銑脱燐後に行われる転炉精錬で生成した含燐スラグを高炉装入原料の一部として高炉に装入することにより、高炉から出銑される溶銑中のP濃度を高め、溶銑脱燐において高濃度の燐酸を含有するスラグを回収する方法(特許文献2)
(a) 溶銑脱燐を2段階で実施し、2回目の溶銑脱燐で生成した含燐スラグを高炉装入原料の一部として高炉に装入することにより、高炉から出銑される溶銑中のP濃度を高め、1回目の溶銑脱燐で高濃度の燐酸を含有するスラグを回収する方法(特許文献1)、或いは溶銑脱燐後に行われる転炉精錬で生成した含燐スラグを高炉装入原料の一部として高炉に装入することにより、高炉から出銑される溶銑中のP濃度を高め、溶銑脱燐において高濃度の燐酸を含有するスラグを回収する方法(特許文献2)
(b) P濃度が0.15mass%以下の溶銑を脱燐処理して得られた含燐スラグを溶銑浴に投入し、スラグ中のPを溶銑浴中に還元抽出することによりP濃度が0.5〜3mass%の溶銑とし、排滓後の溶銑を所定の条件で脱燐処理することにより、高濃度の燐酸を含有するスラグを回収する方法(特許文献3)
(c) 溶銑脱燐で生成したスラグから燐酸濃度が高い相を分離回収する方法(特許文献4)
特開平8−3612号公報
特開平8−3613号公報
特開平11−158526号公報
特開昭58−61210号公報
(c) 溶銑脱燐で生成したスラグから燐酸濃度が高い相を分離回収する方法(特許文献4)
しかし、これらの従来技術は燐酸濃度が高いスラグを得るために特別な工程を付加する必要があるため、脱燐処理やスラグ回収のコストが高くなるという問題があり、また、上記(a),(b)の技術は溶銑の高P濃度化が前提となるため、脱燐処理後の溶銑中P濃度を所定のレベルまで低減させることが困難になる場合がある。また、上記従来技術では脱燐スラグの燐酸濃度を高めることはできるものの、その他の成分については精錬条件や原料配合等から一義的に決まってしまうため、必ずしも肥料用原料として最適な組成にはなっていない。
一方、鉄鋼製造プロセス、特に脱炭処理に先立って行われる溶銑予備処理では大量のスラグが発生し、資源の再利用や排出物の処理など観点から、この大量のスラグをいかに有効利用するかが大きな課題となっている。
一方、鉄鋼製造プロセス、特に脱炭処理に先立って行われる溶銑予備処理では大量のスラグが発生し、資源の再利用や排出物の処理など観点から、この大量のスラグをいかに有効利用するかが大きな課題となっている。
したがって本発明の目的は、特別な工程を付加することなく脱燐スラグから燐酸質肥料用原料を得ることができ且つ脱珪スラグからも珪酸質カリ肥料用原料を得るなど、溶銑予備処理工程で発生する大量のスラグを肥料用原料として利材化することができる肥料用原料の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、脱燐処理自体も安定的且つ効率的に行うことができる肥料用原料の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、脱燐処理自体も安定的且つ効率的に行うことができる肥料用原料の製造方法を提供することにある。
まず、本発明者らは特別な工程を付加することなく安価に得ることができる脱燐スラグを前提に、燐酸質肥料用原料としての最適な特性(肥料特性)を有するスラグ組成及びその製造条件について検討を行い、その結果以下のような知見を得た。
(1) 燐酸質肥料用原料に適した高濃度の燐酸を含む脱燐スラグを得るという観点からは、Si濃度が好ましくは0.07mass%以下、より好ましくは0.05mass%以下、特に好ましくは0.03mass%以下の低珪素溶銑に対して、CaO源と酸素源を添加して脱燐処理を行うことにより、従来技術に較べて格段に高い脱燐効率(脱燐反応効率)で溶銑脱燐を行うことができるとともに、生成するスラグ量が極めて少なくなり、この結果、特別な工程を付加することなく燐酸質肥料用原料として好適な高濃度の燐酸を含有する脱燐スラグを得ることができる。
(2) また、上記(1)の溶銑脱燐の際に脱燐開始時の溶銑温度、脱燐終了時の溶銑温度を最適化すること、さらには脱燐剤(媒溶剤)であるCaO源と酸素源を所定の条件で供給すること等により脱燐効率がさらに向上するため、燐酸質肥料用原料として好適な高濃度の燐酸を含有する脱燐スラグをより安定的に得ることができる。
(3) 従来行われている溶銑脱燐ではCaOの滓化を促進するために媒溶剤の一部としてCaF2(ホタル石)を使用しているが、このCaF2によりスラグ中のフッ素濃度が高まるとク溶性(クエン酸可溶性)の燐酸濃度が低下し、燐酸質肥料としての役割を果たせなくなるという問題があるが、上記(1)の溶銑脱燐では従来技術に較べて格段に高い脱燐効率が得られるため、CaF2の使用量が従来技術に較べて格段に少なくて済み、場合によってはCaF2を使用しなくて済むため、ク溶性の燐酸濃度の高い脱燐スラグを得ることができる。
以上のように低珪素溶銑に対して特定の条件で脱燐処理を実施することにより燐酸質肥料用原料として好適な高濃度の燐酸を含有する脱燐スラグが得られることが判った。一方、このような低珪素溶銑に対する脱珪処理を行うためには、事前に高炉溶銑に対して十分な脱珪処理を実施することが不可欠であり、したがってこの脱珪処理により大量のスラグ(脱珪スラグ)が発生することになる。
そこで、本発明では低珪素溶銑に対して脱燐処理を行うことにより生成する脱燐スラグを燐酸質肥料用原料として回収するとともに、低珪素溶銑を得るために事前に行われる脱珪処理により発生する大量の脱珪スラグをも肥料用原料(ク溶性肥料用原料)として回収することにより、溶銑予備処理工程で発生する大量のスラグを肥料用原料として利材化できるようにしたものである。
そこで、本発明では低珪素溶銑に対して脱燐処理を行うことにより生成する脱燐スラグを燐酸質肥料用原料として回収するとともに、低珪素溶銑を得るために事前に行われる脱珪処理により発生する大量の脱珪スラグをも肥料用原料(ク溶性肥料用原料)として回収することにより、溶銑予備処理工程で発生する大量のスラグを肥料用原料として利材化できるようにしたものである。
本発明は以上のような知見及び着想に基づきなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1] 溶銑保持容器内で溶銑を脱珪処理するとともに、該脱珪処理の際及び/又は脱珪処理後に、前記溶銑保持容器内にカリ原料を添加し、浴中に攪拌用ガスを吹き込んで攪拌することにより、溶銑保持容器内の脱珪スラグにカリ原料を融合させ、該カリ原料が融合した脱珪スラグをク溶性カリ肥料用原料として回収し、次いで溶銑保持容器内で溶銑に対してCaO源と酸素源を添加して脱燐処理を行い、その際発生した脱燐スラグを燐酸質肥料用原料として回収することを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[2] 上記[1]の製造方法において、溶銑保持容器内にカリ原料とともに成分調整剤を添加することを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[1] 溶銑保持容器内で溶銑を脱珪処理するとともに、該脱珪処理の際及び/又は脱珪処理後に、前記溶銑保持容器内にカリ原料を添加し、浴中に攪拌用ガスを吹き込んで攪拌することにより、溶銑保持容器内の脱珪スラグにカリ原料を融合させ、該カリ原料が融合した脱珪スラグをク溶性カリ肥料用原料として回収し、次いで溶銑保持容器内で溶銑に対してCaO源と酸素源を添加して脱燐処理を行い、その際発生した脱燐スラグを燐酸質肥料用原料として回収することを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[2] 上記[1]の製造方法において、溶銑保持容器内にカリ原料とともに成分調整剤を添加することを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[3] 上記[1]または[2]の製造方法において、脱燐スラグが、脱燐処理開始時の溶銑温度を1280℃以上とした脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、脱燐スラグが、脱燐処理終了時の溶銑温度を1280〜1360℃とした脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、脱燐スラグが、CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、脱燐スラグが、脱燐処理終了時の溶銑温度を1280〜1360℃とした脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、脱燐スラグが、CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法において、脱燐スラグが、CaO源を溶銑保持容器の浴面上方から浴面に投射する脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする肥料用原料の製造方法。
[7] 一部または全部が上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法により得られたク溶性カリ肥料用原料からなることを特徴とするク溶性カリ肥料。
[8] 一部または全部が上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法により得られた燐酸質肥料用原料からなることを特徴とする燐酸質肥料。
[7] 一部または全部が上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法により得られたク溶性カリ肥料用原料からなることを特徴とするク溶性カリ肥料。
[8] 一部または全部が上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法により得られた燐酸質肥料用原料からなることを特徴とする燐酸質肥料。
本発明によれば、特別な工程を付加することなく脱燐スラグから燐酸質肥料用原料を得ることができるとともに、脱燐処理前に溶銑を低珪素化するために行われる脱珪処理で生成した脱珪スラグからもク溶性カリ肥料用原料を得ることができるため、溶銑予備処理工程で発生する大量のスラグを合理的に肥料用原料として利材化することができる。また、本発明法により得られる脱燐スラグは従来に較べてF含有量を少なくできるため、燐酸の溶解特性が優れた燐酸質肥料用原料とすることができる。
本発明は、溶銑予備処理として行われる脱珪処理と脱燐処理を特定の条件で行うことにより、それぞれの処理工程で肥料用原料に適したスラグを生成させ、これを肥料用原料として回収するものである。
まず、本発明では高炉から出銑された溶銑に対して溶銑保持容器内で脱珪処理を施す。この脱珪処理では、脱珪剤として酸素源が添加され、また必要に応じて媒溶剤として生石灰などのCaOが添加され、スラグの塩基度が調整される。脱珪剤としては、鉄鉱石やミルスケールなどの固体酸素源、若しくは酸素や酸素含有ガスなどの気体酸素源のいずれを用いてもよく、また両者を併用してもよい。脱珪処理では、溶銑をガス撹拌などにより十分に撹拌し、脱珪剤と溶銑とを強制的に混合することが、脱珪効率を高める上で有効である。この点、溶銑鍋などの溶銑保持容器内で行う脱珪処理は、その容器形状のために溶銑を撹拌できるため、他の方法、例えば高炉鋳床での脱珪処理などよりも効率がよい。溶銑保持容器としては、媒溶剤や脱珪剤などの供給手段と溶銑の撹拌手段能とを備えたものであればよく、先に述べた溶銑鍋などの取鍋、混銑車、その他の脱珪専用容器のいずれでもよい。
まず、本発明では高炉から出銑された溶銑に対して溶銑保持容器内で脱珪処理を施す。この脱珪処理では、脱珪剤として酸素源が添加され、また必要に応じて媒溶剤として生石灰などのCaOが添加され、スラグの塩基度が調整される。脱珪剤としては、鉄鉱石やミルスケールなどの固体酸素源、若しくは酸素や酸素含有ガスなどの気体酸素源のいずれを用いてもよく、また両者を併用してもよい。脱珪処理では、溶銑をガス撹拌などにより十分に撹拌し、脱珪剤と溶銑とを強制的に混合することが、脱珪効率を高める上で有効である。この点、溶銑鍋などの溶銑保持容器内で行う脱珪処理は、その容器形状のために溶銑を撹拌できるため、他の方法、例えば高炉鋳床での脱珪処理などよりも効率がよい。溶銑保持容器としては、媒溶剤や脱珪剤などの供給手段と溶銑の撹拌手段能とを備えたものであればよく、先に述べた溶銑鍋などの取鍋、混銑車、その他の脱珪専用容器のいずれでもよい。
脱珪剤や媒溶剤の添加は、溶湯流或いは溶銑浴面上への上置きや浴中への吹き込みにより行われる。例えば、溶銑鍋を用いた脱珪処理では、溶銑浴面に上吹きランスを通じて気体酸素源が吹き付けられるとともに、インジェクションランスを通じて撹拌ガスや生石灰粉などの媒溶剤が溶銑中に吹き込まれ、さらに必要に応じて固体酸素源が溶銑浴面に上置き装入される。
この脱珪処理によりスラグとしてSiO2が生成する。また、高炉から出銑される際に溶銑と同時に排出される高炉スラグは、高炉鋳床に設けられたスキンマにより溶銑と分離されるが、一部の高炉スラグは溶銑に混入して、脱珪処理を行う溶銑保持容器に流入する。この高炉スラグはCaO−SiO2−Al2O3−MgO系であり、このため脱珪処理により生成するSiO2と高炉スラグとが融合し、脱珪処理により生成されるスラグ(脱珪スラグ)は、SiO2を主成分としてCaO、Al2O3、MgO等を含む化合物組成となる。
ク溶性カリ肥料とは、水には溶解しないがクエン酸には溶解するカリ分(ク溶性カリ)を含み、緩効性を示すカリ肥料のことであり、このク溶性カリ肥料は、一般にK2O及びSiO2の他に、Al2O3、Fe2O3、FeO、MgO、CaOの1種以上の成分を含有するク溶性カリ化合物で構成されている。したがって、溶融状態にある脱珪スラグに対してカリ原料を添加し、スラグに融合させればク溶性カリ化合物組成のスラグが得られる。
本発明ではこれを実現するため、溶銑保持容器内で溶銑を脱珪処理する際又は脱珪処理した後若しくはその両方で、溶銑保持容器内にカリ原料を添加するとともに、浴中に攪拌用ガスを吹き込んで浴を攪拌することにより、溶銑保持容器内の脱珪スラグにカリ原料を融合させる。
本発明ではこれを実現するため、溶銑保持容器内で溶銑を脱珪処理する際又は脱珪処理した後若しくはその両方で、溶銑保持容器内にカリ原料を添加するとともに、浴中に攪拌用ガスを吹き込んで浴を攪拌することにより、溶銑保持容器内の脱珪スラグにカリ原料を融合させる。
上述したように脱珪処理では浴中に撹拌ガスを吹き込んで浴を撹拌する方法が採られるのが普通であり、したがって、脱珪処理時にカリ原料を添加する場合には、この浴の撹拌を利用して脱珪スラグとカリ原料の融合を行う。また、脱珪処理終了後にカリ原料を添加する場合には、脱珪処理時に行った撹拌ガスの吹き込みをこのカリ原料を添加後にも行う。溶銑保持容器内に添加されたカリ原料は、スラグや溶銑の顕熱による加熱と浴の撹拌作用によって溶融・分解して脱珪スラグと融合し、ク溶性カリ化合物組成の溶融スラグが生成する。このためカリ原料を溶融・分解させるための加熱は特別必要とされない。
添加するカリ原料としては、炭酸カリ、重炭酸カリ、硫酸カリ等のカリ塩、カリ長石等のカリ含有鉱物の1種以上が使用できる。
添加するカリ原料としては、炭酸カリ、重炭酸カリ、硫酸カリ等のカリ塩、カリ長石等のカリ含有鉱物の1種以上が使用できる。
脱珪スラグの組成は、高炉スラグの混入量に応じて変化する。そのため、例えば高炉スラグの混入量が多くてSiO2分が不足する場合には珪砂等のSiO2含有物質を、また高炉スラグの混入量が少なくてAl2O3、Fe2O3、MgO、CaO等が不足する場合には、それぞれボーキサイト、鉄鉱石、マグネシアクリンカー、生石灰等の成分を含有する物質を、ク溶性カリ肥料用原料の成分調整剤として添加すれば、所定の組成のク溶性カリ化合物を得ることができる。したがって、成分調整剤はSiO2、Al2O3、Fe2O3、FeO、MgO、CaOの1種以上を含有する物質であれば何を用いてもよい。
また、Mgは植物中の葉緑素を構成する重要な元素であり、Mgの化合物を含有する物質を成分調整剤として添加することは、ク溶性カリ肥料として特に好ましい。Mgの化合物とは、Mgの酸化物、炭酸塩、塩化物等であり、Mgの化合物を含む物質としては、上述のマグネシアクリンカーの他に、ドロマイト(CaCO3−MgCO3)や蛇紋岩(MgO−SiO2)等があり、これらの1種以上を添加する。
次工程である脱燐処理において肥料用原料として利用可能な高燐酸濃度の脱燐スラグが得られるようにするため、脱珪処理では溶銑中Si濃度が好ましくは0.07mass%以下、より好ましくは0.05mass%以下、特に好ましくは0.03mass%以下になるまで溶銑の脱珪を行うことが望ましい。
図1は溶銑保持容器として溶銑鍋1を用いた脱珪処理の実施状況の一例を示すもので、溶銑鍋1内に上吹きランス2を通じて気体酸素源が吹き込まれるとともに、インジェクションランス3を通じて撹拌ガスや粉体が浴中に吹き込まれ、さらに必要に応じて固体原料が鍋上方の原料投入装置4から上置き装入できるようになっている。
例えばこのような溶銑鍋を用いた脱珪処理を行う場合、本発明の第一の方法では、上記のような脱珪処理終了後、カリ原料(必要に応じて成分調整剤)を溶銑鍋1内に添加する。このカリ原料の添加は原料投入装置4からの上置き装入でもよいし、インジェクションランス3を用いた浴中への吹き込みでもよい。カリ原料を添加した後、インジェクションランス3から窒素ガスを浴中に吹き込んで浴を撹拌することにより脱珪スラグとカリ原料とを融合させ、これによりク溶性カリ化合物組成の溶融スラグが得られる。
また、本発明の第二の方法では、上記のような脱珪処理時にカリ原料(必要に応じて成分調整剤)を溶銑鍋1内に添加する。このカリ原料の添加は原料投入装置4からの上置き装入でもよいし、インジェクションランス3を用いた浴中への吹き込みでもよい。脱珪処理中はインジェクションランス3から窒素ガスを浴中に吹き込んで浴を撹拌しているため、脱珪スラグとカリ原料とが融合し、これによりク溶性カリ化合物組成の溶融スラグが得られる。
本発明では、以上のような脱珪処理がなされた後の低珪素溶銑(Si濃度が好ましくは0.07mass%以下、より好ましくは0.05mass%以下、特に好ましくは0.03mass%以下の溶銑)に対して、溶銑保持容器(脱珪処理を行った溶銑保持容器又は他の溶銑保持容器)内でCaO源と酸素源を添加して脱燐処理を行い、これにより得られた脱燐スラグを燐酸質肥料用原料として回収する。
低珪素溶銑、好ましくはSi濃度を0.07mass%以下、より好ましくは0.05mass%以下、特に好ましくは0.03mass%以下のレベルまで低減させた溶銑に対して脱燐処理を実施することにより、脱燐効率が飛躍的に高められ、また生成するスラグ量を従来の溶銑脱燐に較べて大幅に低減させることができる。したがって、このような溶銑脱燐により燐酸質肥料用原料として好適な高燐酸濃度の脱燐スラグが得られる。
低珪素溶銑、好ましくはSi濃度を0.07mass%以下、より好ましくは0.05mass%以下、特に好ましくは0.03mass%以下のレベルまで低減させた溶銑に対して脱燐処理を実施することにより、脱燐効率が飛躍的に高められ、また生成するスラグ量を従来の溶銑脱燐に較べて大幅に低減させることができる。したがって、このような溶銑脱燐により燐酸質肥料用原料として好適な高燐酸濃度の脱燐スラグが得られる。
また、上記のような脱燐処理の際に脱燐開始時の溶銑温度、脱燐終了時の溶銑温度を適切に制御すること、さらには脱燐剤であるCaO源と酸素源を所定の条件で供給すること等により脱燐効率がさらに向上し、これによって燐酸質肥料用原料として好適な高燐酸濃度の脱燐スラグがより安定的に得られる。
図2は、脱燐処理前に脱珪処理を行って溶銑中のSi濃度を調整した溶銑を転炉型容器を用いて脱燐処理した場合(脱燐処理開始時の溶銑温度:1280℃以上、脱燐処理終了時の溶銑温度:1280〜1360℃、生石灰上置き添加)について、脱燐処理前の溶銑中Si濃度と脱燐効率(燐分配Lp)との関係を示したもので、脱燐処理に供される溶銑中のSi濃度が0.07mass%以下になると、スラグの高塩基度化により脱燐効率の指標となる燐分配Lp(=(mass%P)/[mass%P],(mass%P):スラグ中のP濃度,[mass%P]:溶銑中のP濃度)が急激に上昇し、脱燐効率の顕著な向上が認められる。また、脱燐効率は溶銑中のSi濃度が低減するにしたがって高くなり、溶銑中Si濃度が略0.03mass%以下で最も高い脱燐効率が得られている。
このように高い脱燐効率で脱燐精錬が行われることにより脱燐スラグの燐酸濃度が高まるが、さらに脱燐処理前の溶銑中Si濃度が低いため生成するSiO2量が少なく、しかも塩基度調整のためのCaO量の添加量も少ないことにより、生成するスラグ量が従来の溶銑脱燐に較べて大幅に低減化(従来の一般的な溶銑脱燐に較べて1/3〜1/5程度のスラグ量)される。この結果、燐酸質肥料用原料として好適な高燐酸濃度の脱燐スラグが生成することになる。
以上のような脱燐処理において生成する脱燐スラグ中の燐酸濃度は、脱燐処理前後の溶銑中のP濃度や生成するスラグ量等によって異なることは言うまでもないが、一般には7mass%以上(通常7〜10mass%程度)である。また、後述するようなCaO源(脱燐剤)を溶銑保持容器の浴面上方から浴面に対して投射し、さらに好ましくはCaO源と酸素源の供給速度の比率を特定の範囲に規制する方式では、より高い燐酸濃度、すなわち一般には10mass%以上(通常10〜15mass%程度)の燐酸濃度を得ることができる。
また、同様にリン酸の溶解特性を高めるという観点から脱燐スラグ中のトータルFe(T.Fe)量はなるべく多い方が好ましい。すなわち、脱燐スラグ中のT.Fe量が多くなると、アケルマナイト様化合物の生成による不溶性リン酸の減少とリン酸カルシウムの増加とによって可溶性リン酸及びク溶性リン酸の割合が高まる。
また、従来の脱燐処理ではCaOの滓化を促進するためCaF2(ホタル石)を添加することが必要であったが、近年フッ素が環境に及ぼす影響を考慮し、鋼の精錬においてもCaF2の使用量を抑えることが要請されつつある。また、先に述べたようにCaF2によりスラグ中のフッ素濃度が高まるとク溶性(クエン酸可溶性)の燐酸濃度が低下し、燐酸質肥料としての役割を果たせなくなるという問題がある。この点、上述したような脱燐処理では高い脱燐反応効率が得られるので、従来法に較べてCaF2の使用量を大幅に削減でき、場合によってはCaF2を全く使用しなくても済むため、燐酸濃度が高いだけでなく可溶性及びク溶性の燐酸濃度も高い脱燐スラグを得ることができる。すなわち、脱燐スラグ中のF含有量が少ない(或いは実質的にFを含まない)と、不溶性化合物であるフッ素アパタイト(Ca5(PO4)3F)が少なく且つリン酸カルシウムが増加するので、可溶性リン酸及びク溶性リン酸の割合が高まる。
したがって、上記脱燐処理では、脱燐剤の一部としてCaF2を投入する場合でも、その投入量は1kg/溶銑ton以下とすることが好ましい。また、CaF2を実質的に含まないCaOを主体とした脱燐剤(但し、不可避的不純物として少量のFが含まれることは妨げない)のみを使用することが最も好ましく、これにより得られる脱燐スラグは高濃度燐酸(一般に燐酸濃度7mass%以上、好ましくは10mass%以上)を含み、且つ実質的にFを含有しないリン酸の溶解特性が極めて優れたものとなる。
脱燐処理は脱珪処理を経た低珪素溶銑、好ましくはSi濃度が0.07mass%以下、より好ましくは0.05mass%以下、特に好ましくは0.03mass%以下の溶銑に対して脱燐剤であるCaO源と酸素源を添加して行われる。通常、この脱燐処理は溶銑鍋や転炉型容器等の溶銑保持容器を用いて行うが、使用する容器に特別な制約はなく、同一容器内で脱珪処理と脱燐処理を順次実施してもよい。この場合は、脱珪処理後に除滓して脱珪スラブを回収し、しかる後脱燐処理を行う。
脱燐剤であるCaO源としては、通常は生石灰が用いられるが、これに限定されるものではない。これら脱燐剤や固酸は上置き添加やインジェクション等の方法で容器内に添加される。また、気酸については、一般に酸素ガスを上吹きランスや底吹きノズル等を用いて溶銑に吹き込み及び/又は吹き付ける等の方法で添加される。
脱燐処理の実施方法や処理条件に特別な制約はないが、脱燐処理を特に高効率に行うためには、以下のような条件で脱燐処理を行うことが好ましく、これにより高濃度の燐酸を含む脱燐スラグをより安定的に得ることができる。
(1) 脱燐処理開始時の溶銑温度を1280℃以上(より好ましくは、1320℃以上)とする。
(2) 脱燐処理終了時の溶銑温度を1280〜1360℃(より好ましくは、1300〜1340℃)とする。
(3) CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する。
(4) 媒溶剤の一部または全部として、FeO−CaO系脱燐剤を添加する。
(5) 溶銑が入れられた溶銑保持容器内に添加すべきCaO源の少なくとも一部を、溶銑保持容器内の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に投射することにより添加する。
(1) 脱燐処理開始時の溶銑温度を1280℃以上(より好ましくは、1320℃以上)とする。
(2) 脱燐処理終了時の溶銑温度を1280〜1360℃(より好ましくは、1300〜1340℃)とする。
(3) CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する。
(4) 媒溶剤の一部または全部として、FeO−CaO系脱燐剤を添加する。
(5) 溶銑が入れられた溶銑保持容器内に添加すべきCaO源の少なくとも一部を、溶銑保持容器内の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に投射することにより添加する。
ここで、先ず上記(1)の条件について説明すると、低Siの溶銑を脱燐処理する方法ではスラグの塩基度(=CaO/SiO2)が上昇するため融点が上がり、脱燐剤の初期滓化が不十分になって脱燐効率の低下を招き易い。このような脱燐効率の低下を防止するためには、脱燐処理開始時の溶銑温度を基準値以上に設定することによって初期滓化を促進し、早期に溶融FeOを生成させることが有効である。このため脱燐処理開始時の溶銑温度を1280℃以上、より好ましくは1320℃以上とすることが好ましい。
図3は、脱燐処理を転炉型容器で行った場合と溶銑鍋で行った場合について、脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐効率との関係(脱燐処理終了時の溶銑温度:1280〜1360℃、脱燐処理前の溶銑中Si濃度:0.07mass%以下、転炉型容器:生石灰上置き添加、溶銑鍋:生石灰上置き+一部インジェクション添加)を示したもので、脱燐処理開始時の溶銑温度を1280℃以上、より好ましくは1320℃以上とすることにより、特に優れた脱燐効率(燐分配Lp)が得られることが判る。また、同図によれば、溶銑鍋による脱燐処理に較べて転炉型容器による脱燐処理の方が撹拌効率が高いため、処理時間が限られているという制約の中で、より高い脱燐効率が得られていることが判る。そして、このように高い脱燐効率が得られ、しかも生成スラグ量が少ないことによって脱燐スラグ中の燐酸濃度が高められ、燐酸質肥料用原料として好適な高燐酸濃度の脱燐スラグが安定的に生成されることになる。
次に、上記(2)の条件について説明すると、溶銑の脱燐効率は溶銑温度が比較的低いほうが平衡論的には良好であるが、溶銑温度が低すぎると脱燐剤の滓化が不十分となるために脱燐効率は却って低下し、したがって操業上限られた時間内で脱燐するので脱燐処理温度には脱燐効率の面から適正な範囲が存在する。この適正温度範囲は、脱燐処理終了時の溶銑温度で1280〜1360℃、より好ましくは1300〜1340℃であり、この溶銑温度で脱燐処理を終了することにより良好な脱燐効率を確保することができる。
図4は、脱燐処理を転炉型容器で行った場合の脱燐処理終了時の溶銑温度と脱燐効率との関係(脱燐処理開始時の溶銑温度:1280℃以上、脱燐処理前の溶銑中Si濃度:0.07mass%以下、生石灰上置き添加)を示したもので、脱燐処理終了時の溶銑温度を1280〜1360℃、より好ましくは1300〜1340℃とすることにより、特に優れた脱燐効率(燐分配Lp)が得られることが判る。そして、このように高い脱燐効率が得られ、しかも生成スラグ量が少ないことによって脱燐スラグ中の燐酸濃度が高められ、燐酸質肥料用原料として好適な高燐酸濃度の脱燐スラグが安定的に生成されることになる。
さらに、上記(3)の条件については、脱燐剤であるCaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の同一位置に供給すること、つまり供給された酸素源によるFeOの生成ポイントにCaO源を同時供給することにより、CaO+FeOの反応による滓化が促進され、この結果、脱燐効率が高められる。
図5は、転炉型容器を用いた脱燐処理(脱燐処理終了時の溶銑温度:1280〜1360℃、脱燐処理前の溶銑中Si濃度:0.07mass%以下)において、CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給した場合(生石灰:上置き添加、気体酸素:上吹き)と、CaO源と酸素源を容器内の浴面または浴中の同一位置に供給した場合(生石灰+気体酸素:上吹き)について、脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐効率との関係を示している。同図によれば、CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する方が、CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給するよりも、相対的に優れた脱燐効率(燐分配Lp)が得られることが判る。そして、このように高い脱燐効率が得られ、しかも生成スラグ量が少ないことによって脱燐スラグ中の燐酸濃度が高められ、燐酸質肥料用原料として好適な高燐酸濃度の脱燐スラグが安定的に生成されることになる。
また、上記(4)の条件については、脱燐剤の一部または全部にCaO源と酸素源を含むFeO−CaO系脱燐剤を用いることにより、CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する上記(3)の場合と同等の作用効果が得られる。このFeO−CaO系脱燐剤としては、カルシウムフェライト、カルシアとフェライトの混合物の焼結物等を用いることができる。
図6は、転炉型容器を用いた脱燐処理(脱燐処理終了時の溶銑温度:1280〜1360℃、脱燐処理前の溶銑中Si濃度:0.07mass%以下)において、CaO源(脱燐剤)として生石灰を用い、このCaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給した場合(生石灰:上置き添加、気体酸素:上吹き)と、脱燐剤としてFeO−CaO系脱燐剤(FeO+CaOの混合焼結物)を用いた場合(脱燐剤:上置き添加、気体酸素:上吹き)について、脱燐処理開始時の溶銑温度と脱燐効率との関係を示している。同図によれば、脱燐剤としてFeO−CaO系脱燐剤を使用する方が、CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の別々の位置に供給するよりも、相対的に優れた脱燐効率(燐分配Lp)が得られることが判る。そして、このように高い脱燐効率が得られ、しかも生成スラグ量が少ないことによって脱燐スラグ中の燐酸濃度が高められ、燐酸質肥料用原料として好適な高燐酸濃度の脱燐スラグが安定的に生成されることになる。
また、図3にも示されるように、脱燐処理は溶銑保持容器として転炉型容器を用いて行った方が特に大きな効果(脱燐効率)が得られる。これは、転炉型容器は取鍋やトーピードに較べてフリーボードが大きいために撹拌動力を大きくすることができ、これにより迅速な滓化とPの物質移動が生じるためである。
通常、転炉型容器で行われる脱燐精錬では、溶銑装入後、上吹きランス等から酸素を吹錬するとともに、脱燐剤として所定量の焼石灰等を装入してCaO、SiO2、FeO等を主成分とするスラグを生成させ、溶銑からPを除去する。そして、溶銑の脱燐精錬終了後、倒炉して出鋼口を介して取鍋に出湯を行う。
通常、転炉型容器で行われる脱燐精錬では、溶銑装入後、上吹きランス等から酸素を吹錬するとともに、脱燐剤として所定量の焼石灰等を装入してCaO、SiO2、FeO等を主成分とするスラグを生成させ、溶銑からPを除去する。そして、溶銑の脱燐精錬終了後、倒炉して出鋼口を介して取鍋に出湯を行う。
また、上記(5)の条件については、脱燐剤であるCaO源をそのような特定の形態で添加することにより脱燐効率をさらに高めることができ、この結果、脱燐スラグの燐酸濃度をさらに高めることができる。
この特定の添加形態では、溶銑が入れられた溶銑保持容器(溶銑鍋、転炉型容器等)内に添加すべきCaO源(脱燐剤)の少なくとも一部を、溶銑保持容器内の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に投射する(吹き付ける)ことにより容器内に添加し、さらに好ましくは、このキャリアガスを用いて浴面に投射されるCaO源のCaO換算の供給速度B(kg/min/溶銑ton)が、溶銑保持容器内に供給される前記酸素源の気体酸素換算の供給速度A(Nm3/min/溶銑ton)に対して、0.3≦A/B≦7 を満足するようにする。
この特定の添加形態では、溶銑が入れられた溶銑保持容器(溶銑鍋、転炉型容器等)内に添加すべきCaO源(脱燐剤)の少なくとも一部を、溶銑保持容器内の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に投射する(吹き付ける)ことにより容器内に添加し、さらに好ましくは、このキャリアガスを用いて浴面に投射されるCaO源のCaO換算の供給速度B(kg/min/溶銑ton)が、溶銑保持容器内に供給される前記酸素源の気体酸素換算の供給速度A(Nm3/min/溶銑ton)に対して、0.3≦A/B≦7 を満足するようにする。
このようなCaO源と酸素源の添加形態は、酸素の供給によりスラグ中に生成するFeOの生成量に見合う分だけの供給速度でCaO(脱燐剤)を供給するものであり、これによって脱燐反応効率をより向上させることができる。すなわち、上記A/Bが0.3未満では酸素の供給量に対してCaOの供給量が過剰であるため、スラグ中でのFeOの生成量が少なく、CaOがスラグ中に固体のまま存在して脱燐に有効に作用しなくなる。一方、A/Bが7を超えると酸素の供給量に対して脱燐に必要なCaOが不足する。したがって、いずれの場合も脱燐効率の向上とこれに伴う脱燐スラグ中の燐酸の高濃度化の面からは好ましくない。
また、上記のような酸素とCaO源(脱燐剤)の供給速度比の最適化による効果は、CaO源の供給方法に大きく依存する。すなわち、上記の供給速度比を満足するように添加されるCaO源は、溶銑保持容器内の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に吹き付けられるCaO源であり、これにより初めて酸素とCaO源の供給速度比の最適化による効果が得られる。これは、溶銑保持容器内に添加された酸素により生成するFeOや燐酸化物(酸素がメタル中[P]と反応して生成した燐酸化物)は主としてメタル浴面に存在するため、このメタル浴面にCaO源を供給して燐酸化物の周辺にCaOを存在させることにより、脱燐反応が効果的に促進されるからである。
したがって、溶銑保持容器内に添加すべきCaO源は、その全量を溶銑保持容器内の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に吹き付けることが最も好ましく、また、溶銑保持容器内に添加すべきCaO源の少なくとも1/3程度を溶銑保持容器内の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に吹き付けることが好ましい。
溶銑保持容器内の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に吹き付ける手段としては、一般に上吹きランスが用いられ、キャリアガスとしては窒素や不活性ガス、或いは気体酸素(純酸素ガス又は酸素含有ガス)が用いられる。
溶銑保持容器内の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に吹き付ける手段としては、一般に上吹きランスが用いられ、キャリアガスとしては窒素や不活性ガス、或いは気体酸素(純酸素ガス又は酸素含有ガス)が用いられる。
溶銑保持容器内に供給される酸素源は気体酸素、固体酸素源のいずれでもよく、また両者を併用してもよい。使用する気体酸素は純酸素ガス、酸素含有ガスのいずれでもよく、また、固体酸素源としては酸化鉄やミルスケールなどを用いることができる。また、酸素源の供給方法に特別な制約はなく、気体酸素の場合にはランスによる上吹きや溶銑中へのインジェクション、或いは底吹きなどの任意の方法で送酸を行うことができ、また、固体酸素源の場合にはインジェクションや上置き装入などの任意の方法で溶銑中への供給を行うことができる。なお、気体酸素を供給する場合、脱燐処理を転炉型容器や溶銑鍋などを用いて実施する場合にはランスによる上吹きが、また、トーピードを用いて実施する場合にはランスによる溶銑中へのインジェクションが一般的である。
但し、この溶銑脱燐処理の効果を最も有効に得るためには、媒溶剤を浴面に吹き付けるためのキャリアガスとして、酸素源の少なくとも一部となる気体酸素(純酸素ガス又は酸素含有ガス)を用いることが好ましく、この場合には気体酸素がCaO源とともに浴面に上吹きされることになる。このような方法によれば、メタル浴面でのCaOとFeOの接触効率が高まり、脱燐反応をより顕著に促進することができる。
また、脱燐反応効率をさらに向上させるためには溶銑をガス撹拌することが好ましい。このガス撹拌は、例えばインジェクションランスや底吹きノズルなどを通じて窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを溶銑中に吹き込むことにより行われる。このような撹拌ガスの供給量としては、十分な浴撹拌性を得るために0.02Nm3/min/溶銑ton以上とし、また、浴の撹拌が強すぎると生成したFeOを溶銑中のCが還元する速度が大きくなり過ぎるためのため0.3Nm3/min/溶銑ton以下とすることが好ましい。
したがって、以上述べたようなCaO源、さらに好ましくはCaO源と酸素源を特定の形態で添加する溶銑脱燐を行うことにより脱燐効率をさらに高めることができ、この結果、脱燐スラグの燐酸濃度がさらに高められ、燐酸質肥料用原料として特に好適な高燐酸濃度の脱燐スラグがより安定的に生成されることになる。この溶銑脱燐では、一般には10mass%以上(通常10〜15mass%程度)のリン酸濃度の脱燐スラグを得ることができる。
したがって、以上述べたようなCaO源、さらに好ましくはCaO源と酸素源を特定の形態で添加する溶銑脱燐を行うことにより脱燐効率をさらに高めることができ、この結果、脱燐スラグの燐酸濃度がさらに高められ、燐酸質肥料用原料として特に好適な高燐酸濃度の脱燐スラグがより安定的に生成されることになる。この溶銑脱燐では、一般には10mass%以上(通常10〜15mass%程度)のリン酸濃度の脱燐スラグを得ることができる。
以上述べた本発明が前提とする溶銑脱燐処理では、P含有量が0.06mass%以上の高燐鉄鉱石から得られたP濃度が高い溶銑を高い脱燐反応効率で脱燐精錬することができる。そして、このようにP濃度の高い溶銑を脱燐処理することにより、燐酸質肥料用原料としてさらに好適な高燐酸濃度の脱燐スラグを生成させることができる。
従来、溶銑の製造に用いられている鉄鉱石の多くはP含有量が0.06mass%未満のものであり、これを超えるようなP含有量のものは効率的な脱燐処理が困難であるなどの理由から殆ど有効利用されていない。このため鉄鉱石の鉱山においては低燐濃度の鉱石が優先的に採掘され、採掘のためのエネルギーや労力などの増加や将来の資源枯渇が心配されており、原料資源の活用の観点からも高燐鉄鉱石の大量利用を可能とする鉄鋼製造法の確立が大きな課題となっている。この点、上述した脱燐処理によれば、高炉においてP含有量が0.06mass%以上の高燐鉄鉱石を用いて得られた溶銑を高い脱燐反応効率で脱燐精錬することができ、高燐鉄鉱石の大量利用を可能ならしめるものであるが、これにより生成した脱燐スラグは燐酸質肥料用原料として特に好適な燐酸濃度が高いものとなる。
[本発明例1]
高炉溶銑(Si濃度:0.25mass%、溶銑温度:1403℃)を図1に示す溶銑鍋(150ton)に保持し脱珪処理を行った。溶銑鍋内には、高炉スラグ(CaO:44mass%、SiO2:35mass%、MgO:6mass%、Al2O3:13mass%)が残留し、残留スラグ量は目視観察で約400kgであった。
この脱珪処理では、上吹きランスから酸素吹錬を行うとともに、固体酸素源(焼結粉)を上置き装入し、さらに造滓剤(生石灰)を窒素ガスとともにインジェクションランスを通じて浴中に吹き込み、溶銑中Si濃度が0.07mass%になるまで脱珪を行った。
高炉溶銑(Si濃度:0.25mass%、溶銑温度:1403℃)を図1に示す溶銑鍋(150ton)に保持し脱珪処理を行った。溶銑鍋内には、高炉スラグ(CaO:44mass%、SiO2:35mass%、MgO:6mass%、Al2O3:13mass%)が残留し、残留スラグ量は目視観察で約400kgであった。
この脱珪処理では、上吹きランスから酸素吹錬を行うとともに、固体酸素源(焼結粉)を上置き装入し、さらに造滓剤(生石灰)を窒素ガスとともにインジェクションランスを通じて浴中に吹き込み、溶銑中Si濃度が0.07mass%になるまで脱珪を行った。
脱珪処理終了後、カリ原料の添加前にインジェクションランスより窒素ガスを浴中に吹き込んで浴を攪拌し、次いで、窒素ガスの吹き込みを停止して、予めブリケットに成形したカリ原料(炭酸カリ)を上置き装入した後、インジェクションランスより浴中に窒素ガスを吹き込み、脱珪スラグとカリ原料との融合を促進して溶融スラグを得た。この溶融スラグを溶銑鍋から他の取鍋内に移し、さらに鉄箱内に溶融スラグを流し込み、冷却・固化させて塊状スラグとし、この塊状スラグを粒径2mm以下に破砕してク溶性カリ肥料原料を得た。
本実施例の脱珪処理条件を表1に、得られたク溶性カリ肥料用原料の成分及び炭酸カリの歩留りを表2に、ク溶性カリと水溶性カリの分析値を表3示す。表3においてT.K2Oは全カリ、C−K2Oはク溶性カリ、W−K2Oは水溶性カリを示す。なお、ク溶性カリは2mass%クエン酸に溶解したK2O分であり、ク溶性カリは水溶性カリを含んでいる。また、T.MgOは全苦土分、C−MgOはク溶性苦土分である。
次いで、脱珪処理された溶銑を溶銑鍋に保持したまま脱燐処理を行った。この脱燐処理では溶銑に所定量の媒溶剤を添加し、上吹きランスから酸素吹錬を行った。この脱燐処理条件と脱燐スラグの組成を表4示す。これによれば、溶銑中のSi濃度を0.07mass%以下(特に、0.03mass%以下)に低減させた上で脱燐処理を行った本発明例は、後述する比較例に較べて脱燐効率が飛躍的に改善され、しかもスラグ生成量も少ないため燐酸質肥料用原料に好適な燐酸濃度が高い脱燐スラグが得られている。
[本発明例2]
高炉溶銑を図1に示すような溶銑鍋(150ton)に保持し脱珪処理を行った。溶銑鍋内には、高炉スラグ(CaO:44mass%、SiO2:35mass%、MgO:6mass%、Al2O3:13mass%)が残留し、残留スラグ量は目視観察で約500kgであった。
高炉溶銑を図1に示すような溶銑鍋(150ton)に保持し脱珪処理を行った。溶銑鍋内には、高炉スラグ(CaO:44mass%、SiO2:35mass%、MgO:6mass%、Al2O3:13mass%)が残留し、残留スラグ量は目視観察で約500kgであった。
この脱珪処理では、上吹きランスから酸素吹錬を行うとともに、固体酸素源(焼結粉)とカリ原料(炭酸カリ)を上置き装入し、さらに造滓剤(生石灰)を窒素ガスとともにインジェクションランスを通じて浴中に吹き込み、溶銑中Si濃度が0.06mass%になるまで脱珪を行った。
脱珪処理終了後、溶銑鍋内の溶融スラグを他の取鍋内に移し、滓掻機を用いて一旦掻き出し、次いで、風砕法により冷却・固化させて直径が約5mmの粒状のク溶性カリ肥料原料を得た。
脱珪処理終了後、溶銑鍋内の溶融スラグを他の取鍋内に移し、滓掻機を用いて一旦掻き出し、次いで、風砕法により冷却・固化させて直径が約5mmの粒状のク溶性カリ肥料原料を得た。
本実施例の脱珪処理条件を表1に、得られたク溶性カリ肥料用原料の成分及び炭酸カリの歩留りを表2に、ク溶性カリと水溶性カリの分析値を表3示す。表3においてT.K2Oは全カリ、C−K2Oはク溶性カリ、W−K2Oは水溶性カリを示す。なお、ク溶性カリは2mass%クエン酸に溶解したK2O分であり、ク溶性カリは水溶性カリを含んでいる。また、T.MgOは全苦土分、C−MgOはク溶性苦土分である。
次いで、脱珪処理された溶銑を溶銑鍋に保持したまま脱燐処理を行った。この脱燐処理では溶銑に所定量の媒溶剤を添加し、上吹きランスから酸素吹錬を行った。この脱燐処理条件と脱燐スラグの組成を表4示す。これによれば、溶銑中のSi濃度を0.07mass%以下(特に、0.03mass%以下)に低減させた上で脱燐処理を行った本発明例は、比較例に較べて脱燐効率が飛躍的に改善され、しかもスラグ生成量も少ないため燐酸質肥料用原料に好適な燐酸濃度が高い脱燐スラグが得られている。
[比較例]
高炉から出銑された溶銑を溶銑鍋に保持し、脱珪処理することなく脱燐処理を実施した。この脱燐処理では溶銑に所定量の媒溶剤を添加し、上吹きランスから酸素吹錬を行った。なお、この比較例の脱燐処理は、上述した本発明例1及び本発明例2と同一処理時間で実施した。この比較例の脱燐処理条件と脱燐スラグの組成を表4示す。
高炉から出銑された溶銑を溶銑鍋に保持し、脱珪処理することなく脱燐処理を実施した。この脱燐処理では溶銑に所定量の媒溶剤を添加し、上吹きランスから酸素吹錬を行った。なお、この比較例の脱燐処理は、上述した本発明例1及び本発明例2と同一処理時間で実施した。この比較例の脱燐処理条件と脱燐スラグの組成を表4示す。
1 溶銑鍋
2 上吹きランス
3 インジェクションランス
4 原料投入装置
2 上吹きランス
3 インジェクションランス
4 原料投入装置
Claims (8)
- 溶銑保持容器内で溶銑を脱珪処理するとともに、該脱珪処理の際及び/又は脱珪処理後に、前記溶銑保持容器内にカリ原料を添加し、浴中に攪拌用ガスを吹き込んで攪拌することにより、溶銑保持容器内の脱珪スラグにカリ原料を融合させ、該カリ原料が融合した脱珪スラグをク溶性カリ肥料用原料として回収し、次いで溶銑保持容器内で溶銑に対してCaO源と酸素源を添加して脱燐処理を行い、その際発生した脱燐スラグを燐酸質肥料用原料として回収することを特徴とする肥料用原料の製造方法。
- 溶銑保持容器内にカリ原料とともに成分調整剤を添加することを特徴とする請求項1に記載の肥料用原料の製造方法。
- 脱燐スラグが、脱燐処理開始時の溶銑温度を1280℃以上とした脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする請求項1または2に記載の肥料用原料の製造方法。
- 脱燐スラグが、脱燐処理終了時の溶銑温度を1280〜1360℃とした脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする請求項1、2または3に記載の肥料用原料の製造方法。
- 脱燐スラグが、CaO源と酸素源を溶銑保持容器内の浴面または浴中の同一位置に供給する脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の肥料用原料の製造方法。
- 脱燐スラグが、CaO源を溶銑保持容器の浴面上方から浴面に投射する脱燐処理を行うことにより生成した脱燐スラグであることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の肥料用原料の製造方法。
- 一部または全部が請求項1、2、3、4、5または6に記載の製造方法により得られたク溶性カリ肥料用原料からなることを特徴とするク溶性カリ肥料。
- 一部または全部が請求項1、2、3、4、5または6に記載の製造方法により得られた燐酸質肥料用原料からなることを特徴とする燐酸質肥料。
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