JP6969476B2 - 高リン含有スラグおよびスラグ系肥料の製造方法ならびにリン酸肥料 - Google Patents

高リン含有スラグおよびスラグ系肥料の製造方法ならびにリン酸肥料 Download PDF

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Description

本発明は、高リン含有スラグの製造方法およびスラグ系肥料の製造方法に関するものである。
また、本発明は、スラグ系肥料の製造方法で得られたスラグ系肥料からなる、又は該スラグ系肥料を主原料とするリン酸肥料に関するものである。
リンの利用用途は、農業や食品、電子部品、医薬、自動車産業など多肢にわたる。しかしながら、リンの原料であるリン鉱石は、日本では全量輸入に依存している。
このため、リンを含む製鋼スラグなどの産業副産物からリンを回収する取り組みが盛んに行われている。
すなわち、高炉で生産される溶銑中には、リン酸が約0.1質量%含まれているため、溶銑の精錬工程で発生する製鋼スラグのうち、転炉スラグや溶銑予備処理スラグ中には、リン酸が1〜5質量%ほど含まれている。
このような事情から、製鋼スラグ中のリン酸が潜在的なリン酸含有物質として見直されている。但し、前述したとおり、溶銑中のリン酸濃度は約0.1質量%程度、また製鋼スラグのリン酸濃度は高々5質量%程度であり、リン酸濃度が低すぎるため、そのままではリン酸資源としての活用先はほとんどないのが実情であった。
製鋼スラグに含まれるリンを濃縮・分離し、肥料化する方法として、以下に述べるような提案がなされている。
例えば、特許文献1には、リンを含有する製鋼スラグを、炭素、珪素、アルミニウムなどの還元剤を用いて還元処理し、前記製鋼スラグ中の鉄酸化物及びリン酸化物をリン含有溶融鉄として還元・回収し、該リン含有溶鉄を脱リン処理し、この脱リン処理で生成する高濃度のリン酸を含有するスラグをリン酸資源として回収する技術が提案されている。そして、脱リンスラグのT.Fe濃度とMnO濃度との和が20質量%を下回ると、リン酸が濃縮されたスラグのク溶性リン酸濃度が高まり、植物の生育試験より、リン酸肥料として優れているとしている。
また、特許文献2には、高リンスラグの製造方法が記載されている。
特許文献2に記載された技術は、リン濃度が0.15質量%以下の溶銑を脱リンし、得られたリン含有スラグを溶銑浴に投入し、炭素材ならびに酸化鉄および/または酸素を供給してスラグ中のリンを溶銑浴中に還元抽出して、リン濃度が0.5〜3質量%の溶銑を生成する第1工程と、第1工程で生成したスラグを排滓した後、溶銑に処理後のスラグ塩基度が2〜8になるようにフラックスを添加し、さらに酸化鉄源の添加および/または酸素ガスの吹き込みを行って溶銑中に含まれる炭素濃度を1質量%以下まで低下させる第2工程により、処理後にリン酸濃度が10〜35質量%である高リンスラグを得る方法が提案されている。この方法で得られたスラグは、高濃度のリン酸を含み、直接、肥料として使用できるとしている。
特許文献2に記載された技術によれば、スラグ中の鉄の濃度を低くすることでリン酸の溶出特性を改善できる余地があるとしている。製鋼スラグを肥料として利用する際、リン酸の可溶性及びク溶性を高めるためには、リンの結晶状態や鉱物相を制御するほか、リン酸濃度を高める必要がある。また、リン酸の溶解特性はAl23やFe23が含有することにより低下することが知られている。しかしながら、スラグには不可避的に前記成分が含まれるため、スラグ中のリン酸濃度を高め、かつAl23やFe23濃度を低くすることが望ましい。
ところで、非特許文献1や非特許文献2より、溶銑脱リン反応向上を主目的とした基礎研究において、溶銑存在下でCaO-FeO-P25-MgOやCaO-FeO-P25-SiO2から構成される合成スラグを溶融すると二液相状態を呈する性質が知られている。この性質が確認されている組成領域を図1中にAで示す。この二液相状態は、P25含有割合が高く酸化鉄含有割合が低い相(高リン相)と、P25含有割合が低く酸化鉄含有割合が高い相(高鉄相)からなる。
しかしながら、従来の実脱リンスラグ(P25濃度(図1中B))は、図1中にAで示す組成領域と異なる組成を有しており、現実的に二液相分離状態を利用したリンの回収は困難であると考えられていた。さらに、MgOやSiO2、Al23を含んだ複雑な系である実スラグにおいても、非特許文献1および非特許文献2と類似した組成にしたとしても二液相を利用したリン資源回収方法は開発されていない。
また、特許文献3では、酸化鉄を含んで、リン酸濃度が高く、肥料効果が高いリン酸肥料成分組成及び冷却条件を制御することにより、肥料効果の高い鉱物相の晶出を促進させ、肥料効果の低い鉱物相の晶出を抑制することにより、酸化鉄を含有しても肥料効果の高いリン酸肥料を安定的に製造する方法を提案している。
上記特許文献3は、リンの結晶状態や鉱物相を制御しており、鉄を含有していても非晶質体としてリン酸が含有していれば溶出特性を向上できることを述べている。本発明とは異なる手段でリン酸の肥料特性向上を図っている例である。
特許第5935770号公報 特開2017−53017号公報 特開3017−31013号公報
ISIJ int. 第44号 2004年 476−481頁 Arch. Eisenhuttenwes. 第19号 1948年 111-117頁 独立行政法人農林水産消費安全技術センター、「肥料等試験法(2017)」
従来のリン濃縮方法では、鉄及びAl23の含有量が高く、リン鉱石代替物やリン酸質肥料などのリン資源として活用しにくいといった問題があった。
本発明は、製鋼精錬工程において発生する溶銑の予備脱リンスラグや転炉脱炭精錬スラグなどのリンを含有する製鋼スラグを活用し、製鋼スラグからリンを回収し、リンの回収された高リンスラグに対して二液相分離処理を施すことにより高リン含有スラグを得ることを第1の目的とする。
また、本発明は、この高リン含有スラグをリン酸質肥料として利用することにより、よりク溶性肥料成分が高く肥料効果の高い製鋼スラグ系肥料を得ることを第2の目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.高リン含有スラグの製造方法であって、
(1)製鋼精錬プロセスにおいて発生したリンを含有する製鋼スラグを、炭素、アルミニウムおよびシリコンのうちから選んだ少なくとも1つを含む還元剤を用いて還元処理し、該製鋼スラグ中の鉄酸化物を還元しリン含有溶融鉄として回収する第一の工程と、
(2)前記第一の工程で得られたリン含有溶融鉄を脱リン処理し、得られた高リンスラグを回収する第二の工程と、
(3)前記第二の工程で得られた高リンスラグを、1500℃以上の温度に加熱して二液相分離し、上層の超高リンスラグを回収する第三の工程と、
(4)前記第三の工程で得られた超高リンスラグを、そのまま、あるいは磁力選鉱、浮遊選鉱および比重分離のうち少なくともいずれか1つの方法を実施して、リン酸30質量%以上と、鉄分10質量%(Fe換算)未満を含有するスラグを得る第四の工程と
を含む高リン含有スラグの製造方法。
2.製鋼精錬プロセスにおいて発生したリンを含有する製鋼スラグから、リンを濃縮すると共に、鉄分を除去してリン酸質肥料を製造する方法であって、
(1)前記製鋼スラグを、炭素、アルミニウムおよびシリコンのうちから選んだ少なくとも1つを含む還元剤を用いて還元処理し、該製鋼スラグ中の鉄酸化物を還元しリン含有溶融鉄として回収する第一の工程と、
(2)前記第一の工程で得られたリン含有溶融鉄を脱リン処理し、得られた高リンスラグを回収する第二の工程と、
(3)前記第二の工程で得られた高リンスラグを、1500℃以上の温度に加熱して二液相分離し、上層の超高リンスラグを回収する第三の工程と、
(4)前記第三の工程で得られた超高リンスラグを、そのまま、あるいは磁力選鉱、浮遊選鉱および比重分離のうち少なくともいずれか1つの方法を実施して、リン酸30質量%以上と、鉄分10質量%(Fe換算)未満を含有するスラグを得る第四の工程と
を含むスラグ系肥料の製造方法。
3.前記製鋼スラグ系肥料のク溶性リン酸濃度が20質量%以上である前記2に記載のスラグ系肥料の製造方法。
4.前記2または3に記載されたスラグ系肥料からなる、又は該スラグ系肥料を主原料とし、結晶構造が多結晶質であることを特徴とするリン酸肥料。
本発明によれば、製鋼精錬工程において発生する溶銑の予備脱リンスラグや転炉脱炭精錬スラグなどのリンを含有する製鋼スラグ中からリンを回収し、リン資源として活用しやすい高リン含有スラグを得ることができる。
また、本発明によれば、上記のようにして得られた高リン含有スラグから、より肥料効果の高いスラグ系肥料を得ることができる。
1600℃におけるCaO−FeOn−P25の3元状態図である。なお、図中、黒塗りの□△はリン濃縮スラグ(高リンスラグ)を、白塗り□は本発明の実施例を、白塗り△は比較例を示す。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明では、出発原料として、溶銑予備脱リン処理時に発生する脱リンスラグや転炉での脱炭精錬において発生する転炉スラグなどのリンを含有する製鋼スラグを用いる。
ついで、製鋼スラグ中の鉄酸化物及びリン酸化物を、ロータリーキルンにて炭素、アルミニウム、シリコンのうちから選んだ少なくとも1つを用いて還元し、リン濃度が0.5質量%以上のリン含有溶融鉄を回収する。ここに、還元処理工程に使用する処理容器としては、ロータリーキルンの他、アーク炉、さらには溶銑を熱源及び種湯として保持した取鍋やトピードカーなどを用いることができる。なお、還元剤の投入量は溶融スラグ1トン当たり、炭素を用いる場合は30〜120kg、アルミを用いる場合は45〜180kg、シリコンを用いる場合は35〜145kg程度が好適である。
溶銑を熱源及び種湯として用いる場合は溶銑中の炭素の一部も還元剤として作用するので前記範囲の内で少な目に、溶銑を用いない場合は前記範囲の内で多目が良い。ただし、還元剤の過剰な投入はコストが上昇するのみならず、還元に供されずに余剰となったアルミとシリコンはリン含有融鉄中に溶解して後述する高リンスラグ中にAl23とSiO2として侵入し、P25の濃度を低下せしめたり二液相化を阻害するので望ましくない。
ついで、得られたリン含溶融鉄に石灰を用いて脱リン処理し、CaO含有フラックス中にP25濃度が7質量%以上となるようにリン酸を濃縮させて、高リンスラグとする。なお、高リンスラグ中のP25濃度だけでなく、SiO2濃度や酸化マンガン濃度を制御するため、脱リン処理を行なう前に、脱珪処理や脱マンガン処理を行ってもよい。
ここに、石灰源の供給方法としては特に制約はなく、浸漬ランスによる溶銑中へのインジェクションや上置き装入などの任意の方法で溶銑中への供給を行うことができる。浸漬ランスによる溶銑中へのインジェクションは、固体酸素源とともに行ってもよい。また、脱リン効率を高めるために石灰源を溶銑の浴面上方からキャリアガスを用いて浴面に投射する(吹き付ける)こともできる。このキャリアガスとしては、窒素や不活性ガスあるいは気体酸素を用いることができる。
上記のようにして得られた高リンスラグを、スラグ鍋や電気炉等に移し、容器の周辺、上部もしくは下部等から熱を加え、スラグ温度が1500℃以上になる温度まで加熱して、二液相に分離させる。
得られた二液相は、比重差により、上層は、P25>25質量%、酸化鉄(FeO+Fe23:FeO換算)と金属鉄(M.Fe:FeO換算)の和≦15質量%の高リン相となる。他方、下層は、P25<20質量%、酸化鉄(FeO+Fe23:FeO換算)と金属鉄(M.Fe:FeO換算)の和>15質量%の高鉄相になる。ここで、二液相上層を超高リンスラグとする。
ここに、再加熱の温度を限定する理由について説明すると次のとおりである。
脱リン処理は一般に温度が低い方がよく、1300〜1450℃程度で実施されるが、この温度域ではスラグ中に液相がほとんど生成しないため、高リン溶銑を再脱リン処理しただけではリン濃縮スラグは二液相に分離せず、高リンかつ低鉄相は得られない。リン濃縮スラグすなわち高リンスラグを1500℃以上に加熱することでスラグの液相率は70質量%以上となり二液相に分離させることができる。スラグの加熱コストおよび容器の溶損の点からは、加熱温度は1680℃以下であることが好ましい。
また、加熱時間は、リン濃縮スラグを十分に溶融させるために10分以上とすることが好ましい。また、この加熱保持時間の上限については特に制限はないが120分程度で十分である。
本発明では、図1Aに示した範囲内で二液相分離が確認されている。しかしながら、リン濃縮スラグ中のP25濃度が7質量%以下では、二液相を含む多相に分離したスラグとして回収する際、リン濃度が満足いくほどの二液相を含む多相に分離したスラグ量を得ることができない。
それ故、リン濃縮スラグ中のP25濃度は7質量%以上とする。好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。
また、リン濃縮スラグ中には、SiO2が混入する。このSiO2濃度が10質量%以上になると、液相が二相に分離せず、高リン相が得られないか、高リン相中の酸化鉄濃度が高くなるため、SiO2濃度は10質量%未満とする。より望ましいSiO2濃度は5質量%以下である。0質量%であっても良い。
さらに、本発明では、リン濃縮スラグ中にさらに、MgOを酸化マンガンと共に、MgO<16質量%で、かつ15質量%<酸化鉄(FeO+Fe23:FeO換算)と金属鉄(M.Fe:FeO換算)と酸化マンガン(MnO+MnO2:MnO換算)の和<80質量%を満足する範囲で含有させることができる。
ここで、MgO濃度が16質量%以上であると、高リン相の冷却後の主要相であるC3P相へのMgOの置換割合が増えるので好ましくない。一般に、リン鉱石は主にリン酸原料として多用されるが、リン鉱石を硫酸で分解した際、MgOの存在下では、不純物であるリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)が多量に生成してしまう。従って、かようなMAPの発生を防ぐために、MgOは10質量%未満とすることが好ましい。
また、酸化鉄濃度及び酸化マンガン濃度の和が15質量%以下では、二液相分離せず、ほぼ均一な相となるので好ましくなく、一方80質量%以上になると高リン相の生成量が少なく、再加熱コストに対する回収物生成量が少なくなるため、好ましくない。なお、酸化鉄、金属鉄及び酸化マンガンの和は、25質量%以上55質量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは40質量%以上55質量%以下の範囲である。
以上、本発明に従うリン濃縮スラグの好適組成について説明したが、当該スラグ中には、その他にもAl23が5質量%以下程度含有されている。
上記した超高リンスラグの回収方法としては、溶融状態で下部の出銑口から下層の低リンスラグを抜き取り、容器内に残融した超高リンスラグを回収する方法がある。また、傾倒スラグ畑に出湯後、固体状態で上下層の境界を破断又は切断し、上層を回収するようにしても良い。
溶融混合後、混合スラグを容器から取り出し、冷却固化させる。冷却・固化は、容器から取り出す際に行ってもよいし、取り出した混合スラグを収納した別の容器から取り出す際に行ってもよい。
冷却固化の方法としては、融体又は過冷却液体を冷却する場合には、例えば、生成した混合スラグに高圧空気を吹きつけて飛散させ、冷却するとともに粒状化する方法(風砕法)や、混合スラグに高圧水を吹きつけて飛散させ、冷却するとともに粒状化する方法(水砕法)、厚鋼板上に生成した混合スラグを流出させ、厚鋼板による強制冷却と空気への放熱により冷却する方法、などの方法を採用することができる。また、徐冷する場合には、スラグを滓ポットに受け、その後、スラグ処理場に排滓する方法が考えられる。
かくして得られたスラグは、そのままで、リン酸30質量%以上と、鉄分10質量%(Fe換算)未満を含有する超高リンスラグとすることができるが、さらに磁力選鉱、浮遊選鉱および比重分離のうち少なくともいずれか1つの方法を実施することにより、リン濃度をさらに高めることができる。
なお、冷却固化後の形状が塊状等の場合には、破砕(粉砕)処理を行ったのち、磁力選鉱、浮遊選鉱および比重選鉱のうち少なくともいずれか1つの方法を実施して、粒状の超高リンスラグとする。
粉砕処理は、粉砕後の粒径が75μm以下となるように粉砕機を用いて行うこととしている。なお、粉砕機は、スラグをジェットエアーに乗せてスラグ同士を衝突させることにより粉砕するジェットミル方式であってもよく、スラグと共に硬質のボールを容器内に入れて回転させることによってスラグを粉砕するボールミル方式であってもよい。
次に、スラグ系肥料の製造方法について説明する。
出発原料として、脱リンスラグや転炉スラグなどのリン含有製鋼スラグを用い、これを還元処理してリン含有溶融鉄とし、このリン含有溶融鉄を脱リン処理して高リンスラグとし、この高リンスラグを、1500℃以上の温度に加熱して二液相分離し、上層の超高リンスラグを回収してリン酸30質量%以上と、鉄分10質量%(Fe換算)未満を含有するスラグとするまでは、前述したところと同じである。
そして、このようにして得られた超高リンスラグをリン肥料として活用することにより、より肥料効果の高いスラグ系肥料を得ることができるのである。
ところで、高濃度のク溶性リン酸源として従来使用されて来た熔成リン肥料は、ガラス質であるために水分が内部に浸透し難いので、粒径によって肥効の発現時期と持続時間が様々に変化する。たとえば、微粉の熔成リン肥料は肥効の発現時期が早く持続時間が短いのに対し、粗大粒の熔成リン肥料は肥効の発現時期が遅く持続時間が長い。そのため、安定した肥効の発現時間と持続時間を得るためには、特定の粒径範囲を単独で使用する場合でも複数の粒径範囲を組み合わせて使用する場合でも、粒径の構成を厳密に管理する必要が有る。
本発明の製造方法は、従来使用されて来た熔成リン肥料の製造方法と異なり、急冷凝固を必要としないので、本発明の製造方法で製造される高リン含有スラグと製鋼スラグ系肥料をいずれも多結晶質の結晶構造を有している。多結晶質では、結晶間の粒界を通して水分が内部に浸透するので、粒径の変化に伴う肥効の発現時期と持続時間の変化が、ガラス質よりも緩やかとなる。
本発明の製造方法で製造された高リン含有スラグと製鋼スラグ系肥料のク溶性リン酸を非特許文献3に示された方法で測定した。ただし、非特許文献3に示された方法は試料を目開き1mmのふるいを全量通過するまで粉砕機で粉砕した後にクエン酸溶液中で1時間撹拌するものであるが、粒径の変化に伴うク溶性リン酸の溶出量の変化を調査するために試料の寸法は目開き1 mmのふるいを全量通過するもの、目開き2.8mmのふるいを通過せず目開き5.6 mmのふるいを全量通過するもの、目開き5.6mmのふるいを通過せず目開き11.2 mmのふるいを全量通過するもの、目開き11.2 mmのふるいを通過しないもの、の4通りの粒径のそれぞれについて測定した。
その結果、目開き2.8mmのふるいを通過せず目開き5.6 mmのふるいを全量通過するもの、目開き5.6mmのふるいを通過せず目開き11.2 mmのふるいを全量通過するもの、のク溶性リン酸の溶出量はいずれも目開き1 mmのふるいを全量通過するもののク溶性リン酸の溶出量と同等であった。目開き11.2 mmのふるいを通過しないもののク溶性リン酸の溶出量は目開き1 mmのふるいを全量通過するもののク溶性リン酸の溶出量に比べ、半量以下となり、かつ、不安定であった。
これにより、目開き11.2 mmのふるいを全量通過するものであれば、その範囲内で粒径が変化してもク溶性リン酸の溶出速度は変化しないことが判明した。
このように、本発明の製造方法で製造されたスラグ系肥料は、粒径構成の厳密な管理が不要という特徴を有している。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
高炉から出銑された高炉溶銑をトピードカーで受銑し、トピードカーに収容された高炉溶銑に脱珪処理及び予備脱リン処理を施し、その後、高炉溶銑を溶銑鍋に移し替え、溶銑鍋内の高炉溶銑に機械攪拌式脱硫装置により脱硫処理を施し、この脱硫処理終了後の高炉溶銑を転炉に装入して転炉にて脱炭精錬を施した。このような高炉溶銑から溶鋼を溶製する製銑−製鋼工程において本発明を適用した。すなわち、出発原料として、上記の製銑−製鋼工程において生成した転炉スラグを用いた。
なお、予め、磁力が3000G、スラグの処理能力が50〜150t/Hrである磁力選別機を用いて転炉スラグを磁気分離し、転炉スラグ中の金属鉄を分離・除去した。
製鋼工程で生成したリンを含有する50トンの製鋼スラグと、還元剤として4000kgのコークス(炭素)とを、加熱バーナーを備えたロータリーキルン炉に装入し、バーナーによって製鋼スラグ及びコークスを1000℃以上に加熱して、製鋼スラグの還元処理を施した。製鋼スラグ中の酸化鉄はコークスによって還元されて、還元鉄が生成した。また、製鋼スラグ中のリンも還元され、生成するリンと還元鉄とが反応し、すなわち生成するリンが還元鉄に取り込まれて、リンを高濃度に含有するリン含有還元鉄(リン含有溶融鉄)が生成した。なお、上記の還元処理において、還元剤として珪素やアルミニウムを炭素の代わりに用いても、何ら問題なく製鋼スラグ中の酸化鉄及びリン酸化物を還元することができたが、珪素やアルミニウムを用いる場合は還元に必要な量よりも大幅に過剰に使用すると後の脱リン処理でスラグ中のSiO2やAl23が上昇して二液相やク溶性リン酸の生成を阻害するので望ましくない。
上記の還元処理によって得られたリン含有還元鉄は、リンを1.0〜4.0質量%含有していた。このリン含有還元鉄を、溶銑保持容器に収容された高炉溶銑に投入して溶解させ、リン濃度を0.5〜3.0質量%に調整したリン含有溶銑を溶製した。
このリン含有溶銑を上底吹き転炉型の反応容器に装入し、上吹きランスから酸素ガスをリン含有溶銑に向けて吹き付けると同時に、上吹きランスから酸素ガスを搬送用ガスとして粒径が1mm以下の粉状生石灰(CaO純分:95質量%程度)を、リン含有還元鉄1トン当たり25kg吹き込んで脱リン処理を実施した。なお、使用した媒溶剤は粉状生石灰のみであり、蛍石などのフッ素化合物を混合しないものである。
上記の脱リン処理によって得られた高リンスラグを、スラグ鍋や電気炉等に移し、容器の周辺から加熱を加え、スラグ温度が1550℃以上になる温度まで再加熱して、二液相に分離させた。得られた二液相は、比重差により、上層は、P25>25質量%、酸化鉄と金属鉄(FeO換算)の和≦15質量%の高リン相、下層はP25<25質量%の低リン層となった。なお、SiO2が10質量%以上含まれる試料については、二液相分離は確認されなかった。
試験における主な結果を表1に示す。表1において、水準1及び水準2は、それぞれ高リンスラグの化学組成である。水準3は水準1に対して二液相分離プロセスを実施したスラグの化学組成、水準4は水準2に対して二液相分離プロセスを実施した超高リンスラグの化学組成である。
Figure 0006969476
SiO2が10質量%以上含まれる水準1に対して二液相分離プロセスを実施した水準3では、二液相分離が確認されなかった。
これに対し、水準2に対して二液相分離プロセスを実施した水準4では、二液相分離により、P25濃度が27.7質量%、T.Fe濃度が11.3質量%の超高リンスラグを得ることができた。
しかしながら、リン酸の溶解性を阻害するT.Fe濃度が高く、更に低減する余地がある。
(実施例2)
本実施例では、超高リンスラグの分離方法による影響の検証を行った。
対象として、水準4に示した超高リンスラグを用いた。
X線回折測定により、水準4の超高リンスラグは、C3P相、(FeMg2)O4相を有することが確認された。
そこで、上記超高リンスラグをボールミルで75μm以下に粉砕を行い、磁力選鉱、比重分離を実施した。
磁力選鉱は、粒子同士の凝集を防ぐため、湿式処理にて行った。また、比重分離は、サイクロン分離を実施した。
以上のようにして超高リンスラグの分離処理を実施した最終的な回収物について、P25濃度とT.Fe濃度を化学分析より測定した。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0006969476
同表に示したように、少なくとも1つの分離方法を実施することで、回収物中のP25濃度をより一層高くすることができ、併せてT.Fe濃度を10質量%未満に低減することができた。
次に、水準1及び水準5について、肥料成分の分析を行なった。
その結果を表3に示す。
Figure 0006969476
同表に示したとおり、分離前後でリン酸のク溶性が向上したことが分かる。
このように、本発明のリン酸質肥料の製造方法に従えば、P25濃度が高く、酸化鉄及び地金濃度が低く、肥料効果の高いリン酸肥料を得ることができる。
また、本発明で得られたリン酸質肥料の結晶構造について調べたところ、いずれも多結晶質であることが確認された。
実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。

Claims (3)

  1. 高リン含有スラグの製造方法であって、
    (1)製鋼精錬プロセスにおいて発生したリンを含有する製鋼スラグを、炭素、アルミニウムおよびシリコンのうちから選んだ少なくとも1つを含む還元剤を用いて還元処理し、該製鋼スラグ中の鉄酸化物を還元しリン含有溶融鉄として回収する第一の工程と、
    (2)前記第一の工程で得られたリン含有溶融鉄を脱リン処理し、得られたSiO濃度:10質量%未満の高リンスラグを回収する第二の工程と、
    (3)前記第二の工程で得られたSiO濃度:10質量%未満の高リンスラグを、1500℃以上の温度に加熱して二液相分離し、上層の超高リンスラグを回収する第三の工程と、
    (4)前記第三の工程で得られた超高リンスラグを、そのまま、あるいは磁力選鉱、浮遊選鉱および比重分離のうち少なくともいずれか1つの方法を実施して、リン酸30質量%以上と、鉄分10質量%(Fe換算)未満を含有するスラグを得る第四の工程と
    を含む高リン含有スラグの製造方法。
  2. 製鋼精錬プロセスにおいて発生したリンを含有する製鋼スラグから、リンを濃縮すると共に、鉄分を除去してリン酸質肥料を製造する方法であって、
    (1)前記製鋼スラグを、炭素、アルミニウムおよびシリコンのうちから選んだ少なくとも1つを含む還元剤を用いて還元処理し、該製鋼スラグ中の鉄酸化物を還元しリン含有溶融鉄として回収する第一の工程と、
    (2)前記第一の工程で得られたリン含有溶融鉄を脱リン処理し、得られたSiO濃度:10質量%未満の高リンスラグを回収する第二の工程と、
    (3)前記第二の工程で得られたSiO濃度:10質量%未満の高リンスラグを、1500℃以上の温度に加熱して二液相分離し、上層の超高リンスラグを回収する第三の工程と、
    (4)前記第三の工程で得られた超高リンスラグを、そのまま、あるいは磁力選鉱、浮遊選鉱および比重分離のうち少なくともいずれか1つの方法を実施して、リン酸30質量%以上と、鉄分10質量%(Fe換算)未満を含有するスラグを得る第四の工程と
    を含む製鋼スラグ系肥料の製造方法。
  3. 前記製鋼スラグ系肥料のク溶性リン酸濃度が20質量%以上である請求項2に記載の製鋼スラグ系肥料の製造方法。
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