JP5934987B2 - 直線部材保持用支持装置及び直線部材の敷設方法 - Google Patents

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本発明は例えば天井から床に向けて気流を発生させるクリーンルームの床材を支持するために使用される桁(根太)等のように、二方向の枠材で区画された敷設領域に幅方向に間隔を置いて敷設される複数本の直線部材を決められた間隔で配列させるために使用される直線部材保持用支持装置、及び支持装置を使用して直線部材の敷設作業を行う敷設方法に関するものである。
クリーンルームの床(グレーチング)を支持する桁(根太)、大引き上に敷設される根太、あるいは母屋上に敷設される垂木等、二方向の枠材で区画された敷設領域に幅方向に間隔を置き、互いに平行に配列する直線部材は隣接する直線部材の材軸(軸心)間に数10mm〜数100mm程度の一定の間隔を置いて配列し、敷設領域を区画する前記桁や母屋等の枠材に固定される。
このように区画された敷設領域内に敷設される直線部材を周囲で支持する枠材上に1本単位で吊り込み、敷設することは効率が悪いため、複数本の直線部材を纏めて敷設領域に吊り込み、敷設することが行われる(特許文献1、2参照)。
その場合、複数本の直線部材を纏めて吊り支持し、敷設領域に吊り込む作業を行うための吊り部材が使用されるが、直線部材は敷設領域まで吊り込まれた後、吊り部材から外されたときに、そのまま敷設状態での間隔で配列するよう、敷設領域での敷設間隔と同じ間隔を置いて予め吊り部材に仮固定される。
特開平8−189196号公報(段落0004〜0006、図1〜図4) 特開2002−155630号公報(請求項1、段落0008〜0017、図1、図2)
但し、敷設間隔と同じ間隔で直線部材を吊り部材に仮固定する方法では、特許文献1、2のように仮固定状態で隣接する直線部材の側面間距離dが直線部材の幅wより大きい(d>w)場合に、吊り部材の全幅(全長)の内、直線部材が重なっている区間が、直線部材が重なっていない区間より短くなる。すなわち、吊り部材に支持される複数本(N本)の全直線部材を合わせた幅N×w(面積)が1個の吊り部材の全幅W(面積)の半分以下になり、吊り部材の全幅の半分以上の領域を遊ばせている状態になるため、吊り部材の使用効率が低下する。
吊り部材に支持されている状態での隣接する直線部材の材軸(軸心)間距離をL、直線部材の幅をw、隣接する直線部材の側面間距離をdとすれば、L=d+wであり、d=0のときに隣接する直線部材の側面が接触した状態になり、直線部材が隙間なく配列する状態になるから、吊り部材が最も多くの直線部材を支持した、使用効率の高い状態になる。
しかしながら、実際には敷設領域において隣接する直線部材の側面が互いに接触した状態で配列することはなく、特許文献2のように隣接する直線部材の側面間には1本以上の直線部材が納まるだけの間隔Lが確保されることから、吊り部材の全幅の半分以上の領域が、直線部材が不在の空白状態になるため、効率の低い使用状態になっている。
これに対し、上記のように隣接する直線部材の側面間の距離を1本の直線部材(w)が納まる間隔d程度以下に抑えることができれば、吊り部材の支持効率を高めることが可能である。
本発明は上記背景より、敷設領域での敷設間隔が1本の直線部材の幅寸法を超える大きさになる場合にも、吊り部材の支持効率の向上を図ることができ、また敷設効率の向上に寄与し得る直線部材保持用支持装置及び直線部材の敷設方法を提案するものである。
請求項1に記載の発明の直線部材保持用支持装置は、敷設領域に幅方向に間隔を置き、並列して敷設される複数本の直線部材の上に、この直線部材の軸方向に間隔を置いて載置され、前記複数本の直線部材を仮支持する支持部を有する複数本の支持部材を備えた前記直線部材を保持するための支持装置であり、
幅方向両側の前記支持部材は前記敷設領域に敷設される複数本の前記全直線部材に同時に跨り、前記直線部材に交差する方向を向いて配列した状態で前記全直線部材に直接接続され、または前記支持部材に接続されて前記支持部を構成する支持材を介して間接的に接続され、幅方向両側の前記直線部材と共に概略的に四辺形を構成可能であり、
前記支持部が、前記支持部材に仮支持された状態での1本置き、もしくは複数本置きの2本の前記直線部材の材軸間の間隔を前記敷設領域における敷設状態での隣接する前記直線部材の材軸間の間隔に保持することを構成要件とする。
請求項2に記載の発明は請求項1に記載の直線部材保持用支持装置において、前記支持部が、前記支持部材が支持する前記直線部材の本数分以上、前記各支持部材の軸方向に形成、もしくは接続されていることを構成要件とする。
支持部材は直線部材の軸方向に直交する方向等、交差する方向を向き、直線部材の軸方向に間隔を置いて複数本(2本以上)、基本的に平行に配置され、この直線部材の軸方向に配列する複数本の支持部材が支持装置を構成する。「基本的に」とは、必ずしも互いに平行である必要はないことの意味である。
各支持部材は敷設領域(複数nの区画領域:1個(1本)の支持装置が受け持つ分)に敷設される分の複数本(N本)の全直線部材に同時に跨り、直線部材に交差する方向を向いて配列した状態で全直線部材に直接、もしくは間接的に接続されることで、直線部材と共に平面上、四辺形を構成し、直線部材の仮支持によって支持装置としての四辺形状の形態を維持する能力を持つ。「間接的に」とは、例えば支持部材に接続され、支持部を構成する金具等の支持材を介して接続されるようなことを言う。
すなわち、支持装置は支持部が仮支持する直線部材を利用することで、基本的に複数本の平行な支持部材のみによって構成されることが可能であり、支持部材に交差する方向の補助部材を要しないため、特許文献2の吊治具のように2方向の部材から構成される必要がない。支持部材に交差する方向の部材の役割は支持対象である直線部材が兼ねることになる。
支持部材(支持装置)が仮支持する全直線部材の数Nは原則として、最大で区分された各区画領域に配置される直線部材の数M(またはM前後)×区分数(区画領域数)n(N=n×M)、またはそれ前後になる。「最大で」とは1個の支持装置が支持し得る直線部材の最大の本数である。敷設対象に応じては支持装置が最大本数の直線部材を支持する必要がないこともあり、支持装置が支持し得る最大の本数N以下であれば、1個の支持装置が対象とする区画領域数nと1区画領域分の直線部材の本数Mは自由に選択し得るから、以下、「N=n×M」と「n×M」、「M」は参考の数字を表している。
支持装置はそれに仮支持されている(N本の)全直線部材を区分された区画領域毎に(M本、もしくはM本前後単位で)、複数回(複数nの領域)に分けて支持装置から取り外し、敷設するために使用されるため、敷設領域は直線部材の幅方向に隣接する複数nの区画領域に区分される。この複数nに区分された区画領域数と支持装置(支持部材)から取り外される単位となる直線部材の群(組)の数は等しい。支持装置(支持部材)から取り外される単位(群)は支持部材に仮支持された状態での1本置き、もしくは複数本置きの2本以上の直線部材である。
原則としてこの区分数(区画領域数)nと1区画領域に敷設される直線部材の数M(またはM前後)の積(n×M)の数が前記のように支持装置に仮支持される全直線部材の数Nであるため(N=n×M)、支持部はこの区分数nと1区画領域に敷設される直線部材の数M(またはM前後)の積(n×M)の数N以上、支持部材の軸方向に一定の間隔を置き、例えば等間隔で配置される。「等間隔でない」場合は、敷設領域において直線部材が変則的に、あるいは部分的に等間隔でない間隔で配置される場合を指している。
支持装置は少なくとも2区画領域分(2×M=N本分)の直線部材を仮支持した状態で、最初の区画領域に吊り込み、N本の全直線部材の取り外しが完了するまで直線部材を吊り支持する。最初(第1)の区画領域での第1群の直線部材の敷設工程では1区画領域分(M本)の直線部材が支持装置から取り外され、第2の区画領域での二度目の敷設工程で例えば最初の区画領域に隣接する区画領域分(M本、もしくはM本前後)の第2群の直線部材が取り外される。敷設領域が3以上に区分される場合、第3区画領域以降、同じ作業が繰り返される。二度目以降の敷設工程での取り外し数は最初の取り外し数と等しいとは限らず、二度目以降の数が少ない場合と多い場合がある。
支持装置が少なくとも2区画領域分(2×M=N本分)の直線部材を仮支持する場合、各区画領域分(各群)の直線部材が敷設される区画領域は必ずしも直線部材の幅方向に隣接する必要はなく、1区画領域、あるいは複数区画領域を飛ばした先の区画領域であることもある。
図1、図3は支持装置に仮支持されている全直線部材の数Nが偶数である場合に、各区画領域にそれぞれ同数M本の直線部材に分割して敷設する場合の敷設要領を示している。図1、図3に示す例のように支持装置に仮支持されている全直線部材の数が偶数である場合に、全直線部材を各区画領域に均等に分割して敷設する場合には、一度目と二度目以降の本数は等しくなる、あるいは等しくすることができる。
これに対し、図2に示すように例えば支持装置に仮支持されている直線部材の数Nが奇数である場合に、全直線部材を2区画領域に分割して敷設する場合には、例えば最初(一度目)の区画領域では端面に付してある番号の順通りに、支持装置の端部側の直線部材を含め、それから1本置き、M本(第1群)の直線部材が取り外される。二度目の区画領域では最初に取り外された直線部材に挟まれていた(第2群の)直線部材が取り外されるから、二度目の区画領域に敷設される直線部材の本数は最初の区画領域に敷設される直線部材の本数(M本)より1本、少ない。図2の配列例の場合、最初の区画領域と二度目の区画領域で取り外される直線部材の組は端面に付した番号の逆順になる場合もある。
最初の敷設工程とそれ以降の敷設工程のいずれの1区画領域においても、支持部材に仮支持されている(N本の)全直線部材の内、1本置き、もしくは複数本置きに配列している1区画領域分のM本の直線部材が1区画領域分の、1群(1組)の直線部材であり、直線部材は1群単位で各区画領域において支持部から取り外される(切り離される)。但し、前記のように二度目以降の1区画領域での取り外し数はM本より少ない場合と多い場合がある。
ここで、最初の敷設工程でその区画領域分の全直線部材の取り外しと敷設作業が完了した後、次の区画領域での敷設工程に移行するには、支持装置を1区画領域の幅分、平行移動させればよく、支持装置を敷設工程毎に地上のストックヤード等、直線部材の支持装置への仮支持を行う場所との間を往復させる必要がないため、複数区画領域分の直線部材を仮支持する支持装置の使用により敷設作業効率の向上が図られ、作業時間の短縮が図られる。
支持部材には前記のように区画領域数nと1区画領域の直線部材の数M(M前後)の積の数N本分の直線部材が仮支持されるため、その数に対応し、N個以上の支持部が支持部材の軸方向(長さ方向)に配置される。支持部は直線部材に対してはボルトとナットでの接続、把持(クランプ)、挟持(チャック)、係合等、複数通りの手段の組み合わせを含め、何らかの手段で安全に直線部材を仮支持できる機能を持てばよいため、支持部材が鋼材である場合の、例えば図4〜図6における挿通孔2a、2b自体、あるいは挿通孔2a、2bを含むフランジやウェブ等、支持部材2の一部である場合と、山形鋼や溝形鋼の一部(ピース)等、付加的に固定される部品(支持材31)である場合、あるいはまたその部品(支持材31)の挿通孔3a、3b自体である場合がある。よって支持部3は支持部材2に直接形成される場合と、別に接続(連結)、もしくは固定される支持材31に形成される場合がある。
請求項1で言う「支持部材に仮支持された状態での1本置き、もしくは複数本置き(の2本の直線部材)」の「1本置き、もしくは複数本置き」の本数は直線部材の敷設領域を複数の隣接する領域(区画領域)に区分したときの区分数(区画領域数)nから1を引いた数を表している。
例えば図1、図2に示すように「1」の番号を付した「1本置きの直線部材」は例えば最初の、一度(1区画領域)に敷設される1群(第1群)の直線部材を指し、「1」の番号の「1本置きの直線部材」に挟まれた「2」の番号を付した「1本置きの直線部材」は次の区画領域に敷設される1群(第2群)の直線部材を指す。このため、「1本置き」に1群(1組)の直線部材が配列する場合、「1本置き」とはその「1本置きの直線部材」に挟まれた「1本の直線部材」を含むもう1群(1組)の直線部材があることを意味するから、支持部材には2群(2組)の直線部材が支持されていることになる。
敷設領域が2区画領域に区分された(区分数が2の)場合、支持部材(支持装置)に一度に支持されるN本の全直線部材はM本(またはM本前後)単位で2群(2組)に区分されることになり(N=2×M)、敷設領域が3区画領域に区分された(区分数が3の)場合、支持部材に支持される全直線部材は3群(3組)に区分されることになる(N=3×M)。
支持部材に仮支持された状態での「1本置き、もしくは複数本置きの2本の直線部材」の「2本の直線部材」はいずれかの同一の区画領域に敷設される1群の直線部材の一部であるから、この「2本の直線部材」の間には、「2本の直線部材」に挟まれ、他の区画領域に敷設される分の1本、もしくは複数本の直線部材が配置されている。前記のようにこの「他の区画領域」に敷設される直線部材の本数は「1本置き」の場合は1本であり、「複数本置き」の場合は2本以上の複数本であり、その「2本の直線部材に挟まれた直線部材の本数+1」が敷設領域の区分数(区画領域数)nになっている。
同一の区画領域に敷設される1群の直線部材は「1本置き、もしくは複数本置き」の複数本の直線部材であり、例えば支持装置に仮支持されている状態で支持装置の幅方向に見たとき、「1本置き」の場合は図1、図2に示すように幅方向一方側から奇数番目の直線部材が同一区画領域に敷設される1群、M本の直線部材になる。「2本置き」の場合は図3に示すように幅方向一方側から1番目と4番目、7番目……の直線部材が同一区画領域に敷設される1群、M本の直線部材になる。
前記のように「1本置き、もしくは複数本置きの2本の直線部材」は複数本の直線部材の群(組)がその群単位(M本単位)で各区画領域に敷設されたときの、幅方向に隣接するいずれか2本の直線部材を指している。よって請求項1における「支持部が支持部材に仮支持された状態での1本置き、もしくは複数本置きの2本の直線部材の材軸(軸心)間の間隔(距離)を敷設領域における敷設状態での隣接する直線部材の材軸(軸心)間の間隔(距離)に保持する」とは、図1〜図3に示すように各区画領域単位で1群、M本の直線部材が仮支持状態での間隔を維持したまま、支持部材から取り外されることで、隣接する直線部材が各敷設領域において保つべき材軸(軸心)間の間隔Lを保持することを言う。すなわち、各直線部材が1本ずつ支持部に仮支持されている状態で、既に各直線部材が敷設状態での隣接する直線部材の材軸(軸心)間の間隔(距離)Lを保って支持部材に仮支持されていることになる。
この結果、1区画領域で支持部材から取り外される1群(M本)の直線部材は支持部材に仮支持されていたときの間隔(材軸(軸心)間距離L)を保ったまま、1区画領域に敷設される。1区画領域に敷設されたとき、1群の直線部材は幅方向に隣接する直線部材の材軸(軸心)間に数10mm〜数100mm程度の一定の間隔Lを置いて配列する。このときの一定の間隔Lは仮支持状態での1本置き、もしくは複数本置きの2本の直線部材の材軸(軸心)間の間隔であるため、直線部材の支持部材からの取り外し後の敷設時には直線部材の位置調整を必要とせず、直線部材は取り外された位置でそのまま、区画領域を区画している枠材に固定されればよい。
図1、図2に示すように支持部材(支持装置)に仮支持されている全直線部材を2区画領域(2回)に分けて敷設する場合(n=2)、敷設状態で隣接する2本の直線部材の材軸(軸心)間距離Lは、直線部材が支持部材に仮支持されている状態での1本置きの直線部材の材軸間距離Lになっている。同様に例えば図3に示すように3区画領域(3回)に分けて敷設する場合(n=3)は、仮支持されている状態での2本置きの直線部材の材軸間距離Lが敷設状態で隣接する2本の直線部材の材軸(軸心)間距離Lになっている。
支持部材に仮支持されているときの1本置き、もしくは複数本置きの1群(1組)、M本の(図1〜図3において1の番号を付した)直線部材は隣接する直線部材の材軸間に間隔Lを保っているが、その1本置き、もしくは複数本置きの隣接する直線部材の側面間には、その1群の直線部材の敷設領域に隣接する次の1区画領域に敷設される1本、もしくは複数本の(図1〜図3において2の番号、または2と3の番号を付した)直線部材が介在しているため、1個(1本)の支持部材(支持装置)は複数の区画領域分(n×M本)の直線部材を仮支持可能である。
従って支持装置の幅の半分以上を直線部材の仮支持のために使用した状態にすることが可能になっており、直線部材の不在区間が短縮されるため、支持装置の支持効率が向上する。因みに1本置きの場合は、図1に示すようにL=2(w+d)の関係にあり、2本置きの場合は、図3に示すようにL=3(w+d)の関係にある。
直線部材が支持部材に仮支持されている状態では、隣接する直線部材の側面が互いに接触している場合(d=0)が隣接する直線部材の材軸(軸心)間距離Lが最小(L=2w、またはL=3w)になる。その場合、1個(1本)の支持部材(支持装置)の幅Wは少なくとも1群(M本)の全直線部材の幅wの和(M×w)の区画領域数nの積(M×w×n)に相当する大きさを持てばよく、支持部材が最も多くの直線部材を支持した状態になり、支持効率が最も高くなる。このことから、支持部材は軸方向(長さ方向)には少なくともM×w×n以上の長さを持ち、隣接する直線部材の側面間に間隔dがある場合に、最短の長さ(M×w×n)に(N−1)×d分の長さが加算される。
いずれにしても、敷設工程数(区画領域数)nが最も少ない「1本置き」に直線部材が配列する場合の1群(M本)の直線部材の内、仮支持状態で隣接する直線部材の側面間に1本の直線部材の幅w以上の隙間dがない状態、すなわち隣接する直線部材の側面間の隙間dが直線部材の幅w以下(d≦w)程度であれば、1個(1本)の支持部材の幅Wの半分以上の領域を直線部材が占める状態になるため、支持部材の支持効率の低下はなく、非効率的な使用状態は回避される。結局、隣接する直線部材の側面間の隙間dが直線部材の幅w以下(d≦w)程度であれば、敷設領域での敷設間隔(直線部材の側面間距離:L−w)が1本の直線部材の幅wを超える大きさになる場合(L−w>w)にも、支持装置の支持効率の向上を図ることができる。
敷設領域(区画領域)に敷設されるときの隣接する直線部材の側面間(L−w)に1本の直線部材の幅w以上の距離が空く場合(L−w>w(L>2w))には、その敷設状態で支持部材に沿って配列するときの隣接する直線部材間に、次の区画領域に配置される直線部材の群(組)を構成する1本以上の直線部材wを配置する(介在させる)ことが可能である。よって敷設領域(区画領域)に敷設されるときの隣接する直線部材間の間隔(L−w)が大きい場合にも、1個(1本)の支持装置が仮支持する直線部材の数が減らされることはなく、支持装置の支持効率の低下を招くことはない。
請求項に記載の発明の直線部材の敷設方法は、敷設領域に幅方向に間隔を置き、並列して敷設される複数本の直線部材の上に、この直線部材の軸方向に間隔を置いて載置され、前記複数本の直線部材を仮支持する複数本の支持部材を備える直線部材保持用の支持装置に仮支持された状態から、前記直線部材を前記複数の敷設領域に敷設する方法であり、
前記複数本の直線部材が、1本置き、もしくは複数本置きの2本の前記直線部材の材軸(軸心)間の間隔が前記敷設領域における敷設状態での隣接する前記直線部材の材軸(軸心)間の間隔を維持した状態で、前記支持部材に仮支持されており、
前記敷設領域が前記直線部材の幅方向に隣接する複数の区画領域に区分され、この区分された複数の区画領域の内、いずれかの区画領域において、前記敷設状態での隣接する前記直線部材の材軸間の間隔を維持した状態にある2本以上の前記直線部材を前記支持部材から外して前記敷設領域に敷設する工程と、続いてその区画領域以外の他の区画領域において、いずれかの、前記敷設状態での隣接する前記直線部材の材軸間の間隔を維持した状態にある2本以上の前記直線部材を前記支持部材から外して前記区画領域に敷設する工程を含むことを構成要件とする。
請求項に記載の直線部材の敷設方法は基本的には請求項1、もしくは請求項2に記載の直線部材保持用支持装置を用いて実施されるが、作業手順が請求項に記載の通りに遂行されればよいため、必ずしも請求項1、もしくは請求項2に記載の支持装置を使用する場合には限られない。
請求項で言う「1本置き、もしくは複数本置きの2本の直線部材の材軸(軸心)間の間隔が敷設領域における敷設状態での隣接する直線部材の材軸(軸心)間の間隔を維持した状態で、支持部材に仮支持され」とは、請求項1、もしくは請求項2の支持装置(支持部材)に仮支持されている状態での全直線部材が各区画領域での敷設状態での隣接する直線部材間の間隔を保った状態であることと同じ意味である。全直線部材は区画領域数n毎の1群の直線部材の本数(M本、またはM本前後)分であるから、n×M=N本、またはN本前後ある。
N本の全直線部材が支持装置に仮支持された状態からは、請求項1、もしくは請求項2の支持装置の使用方法と同様に、複数nの区画領域に区分された敷設領域の内、最初の区画領域まで支持装置に仮支持されたまま、N本の全直線部材が吊り込まれ、最初の区画領域に敷設されるべき第1群のM本の直線部材が支持装置から取り外され、そのまま枠材上に敷設され、固定される。最初の区画領域で支持装置から取り外される直線部材は基本的には1本置き、もしくは複数本置きの2本以上の直線部材になるが、前記のように敷設対象に応じ、支持装置が最大本数の直線部材を支持しないこともあるから、必ずしもそうであるとは限らない。最初の区画領域で「1本置き、もしくは複数本置きの2本以上の直線部材」が取り外された場合、支持装置には残りの1区画領域分、もしくは複数領域分の1群以上の直線部材が支持装置に仮支持されたままの状態にある。
最初の区画領域で「1本置き、もしくは複数本置きの2本以上の直線部材」が取り外された場合、続いて残りの、あるいは次の第2群の「1本置き、もしくは複数本置きの1区画領域分の複数本(M本、またはM本前後)の直線部材」が支持装置と共に、例えば最初の区画領域に直線部材の幅方向に隣接する次の区画領域に平行移動させられ、その次の区画領域に「1本置き、もしくは複数本置きの1区画領域分の複数本(M本、またはM本前後)の直線部材」が支持装置から取り外され、枠材上に敷設され、固定される。
最初の区画領域での敷設後の次の区画領域は前記のように1区画領域、あるいは複数区画領域を飛ばした先の区画領域であることもあるから、必ずしも最初の区画領域に隣接する区画領域であるとは限らない。
敷設領域が2区画領域に区分されている場合はこの2度の敷設作業で1本の支持装置を用いた吊り込み(搬入)が終了するが、3区画領域以上に区分されている場合は、更に同じ作業が繰り返される。
敷設領域に敷設すべき全直線部材を仮支持する支持部材の支持部が、仮支持した状態での1本置き、もしくは複数本置きの2本の直線部材の材軸間の間隔を敷設領域における敷設状態での隣接する直線部材の材軸間の間隔に保持するため、各区画領域ではその領域内に敷設すべき全直線部材を支持部材から取り外して敷設するだけでよい。従って直線部材の支持部材からの取り外し後の敷設時には、直線部材の位置調整を必要としないため、敷設作業効率の向上が図られる。
また仮支持した状態での1本置き、もしくは複数本置きの2本の直線部材間に、他の区画領域に敷設される1本以上の直線部材が介在するから、これらの両直線部材を含め、隣接する直線部材間の側面間距離を直線部材の幅以下にすることで、支持装置の幅の半分以上を使用した状態にすることができるため、支持装置の支持効率が向上する。
2区画領域に分割して敷設される各群の直線部材がそれぞれ偶数本である場合に、2区画領域分(2群分)の直線部材が支持部材に仮支持されているときの様子と、1本置きの直線部材が各区画領域に敷設されるときの様子を示した、直線部材の軸方向に見た断面(端面)図である。 2区画領域に分割して敷設される全直線部材の内、最初の区画領域に敷設される第1群の直線部材が偶数本で、二度目の区画領域に敷設される第2群の直線部材が奇数本である場合に、2区画領域分(2群分)の直線部材が支持部材に仮支持されているときの様子と、1本置きの直線部材が各区画領域に敷設されるときの様子を示した、直線部材の軸方向に見た断面(端面)図である。 3区画領域に分割して敷設される各群の直線部材がそれぞれ偶数本である場合に、3区画領域分(3群分)の直線部材が支持部材に仮支持されているときの様子と、1本置きの直線部材が各区画領域に敷設されるときの様子を示した、直線部材の軸方向に見た断面(端面)図である。 (a)は支持装置を構成する1組の支持部材と直線部材との平面上の関係を示した平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)のx−x線の矢視図、(d)は(a)における両側の支持部(支持材)部分の裏面を示した背面図である。 (a)は図4に示す支持装置を用いて長さの相違する2群、7本の直線部材を仮支持したときの様子を示した平面図、(b)は(a)の側面図である。 図4に示す支持装置を用いて図5と連結位置(挿通孔位置)の相違する2群、7本の直線部材を仮支持したときの様子を示した平面図である。 (a)〜(f)は支持装置が2群、7本の直線部材を仮支持したまま、敷設現場で1群の4本の直線部材を支持装置から取り外して敷設し、次の1群、3本の直線部材を支持装置から取り外して敷設するまでの手順を示した断面図である。 (a)、(b)は長さの等しい2群、7本の直線部材を2区画領域に分けて敷設する様子を示した平面図である。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1〜図3は敷設領域に幅方向に間隔を置き、並列して敷設される複数本の直線部材5の上に、図4に示すように直線部材5の軸方向に間隔を置いて載置され、複数本の直線部材5を仮支持する支持部3を有する複数本の支持部材2を備えた、直線部材5を保持するための支持装置1(支持部材2)と直線部材5の関係を示す。図1〜図3は支持装置1に後述する複数群、複数本の直線部材5が仮支持されている状態での、軸方向に見た直線部材5の断面(端面)を示している。
直線部材5は前記のように例えばクリーンルームの床(グレーチング)を支持する桁(根太)、大引きと土台上に敷設される根太、母屋上に敷設される垂木等の他、橋脚間等に並列して架設される橋桁の桁部材(主桁)等、二方向の枠材6、6で区画された敷設領域に幅方向に間隔を置いて互いに平行に配列する部材全般を含む。直線部材5の敷設面は桁や根太のように水平面の場合と垂木のように水平面でない場合がある。
図4は直線部材5の軸方向両側に分散して配置された2本の支持部材2、2から支持装置1を構成した場合の例を示しているが、支持部材2は複数本の直線部材5を仮支持した状態での安定性向上のために3本以上、配置されることもある。支持部材2は原則として軸方向が直線部材5の軸方向に直交する方向を向いた状態で、互いに平行に直線部材5上に配置されるが、敷設領域の条件等によっては直交でない状態で、あるいは平行でない状態で配置されることもある。
支持部材2と直線部材5の詳細な連結方法は後述するが、支持部材2は幅方向の複数箇所で直線部材5に連結されることで、直線部材5に対する鉛直軸回りの相対的な回転が生じにくい状態になり、回転に対して安定するため、支持装置1は少なくとも2本の支持部材2のみによって構成可能になっている。図4ではT形鋼からなる支持部材2のウェブを挟んだ両側のフランジに直線部材5との連結のための挿通孔2a、2aを形成することにより、図5、図6に示すように支持部材2を幅方向の複数箇所で直線部材5に連結している。
直線部材5の敷設対象となる敷設領域は図7、図8に示すように直線部材5を支持する前記した桁、梁、大引き、母屋その他の枠材6が平面上、直線部材5の軸方向と幅方向の二方向を向いて配置されることによって区画される。敷設領域が直線部材5の幅方向に複数nの区画領域に区分される。複数本の直線部材5は複数nに区分された区画領域単位で敷設される本数(M本、もしくはM本前後:以下、単にM本と言うこともある)毎に1本置き、もしくは複数本置きに支持装置1に仮支持される。
支持部材2の支持部3に仮支持された状態での1本置き、もしくは複数本置きの2本の直線部材5の材軸(軸心)間の間隔Lは図1〜図3に示すように敷設領域(区画領域)における敷設状態での隣接する直線部材5、4の材軸間の間隔Lに保持される。支持部材2(支持部3)が直線部材5の軸心を通る点で直線部材5を支持する場合に、例えば支持部材2の挿通孔2aを貫通するボルト4を使用する場合には、図4に示すように挿通孔2aの中心が、材軸(軸心)間の間隔Lを保って配列したときの直線部材5の材軸(軸心)に合致するように挿通孔2aが形成(穿設)される。
支持部材2(支持部3)が直線部材5の軸心を通る点で直線部材5を支持することには、支持部3が直線部材5を仮支持した状態での、支点(ボルト4の軸)回りの直線部材5の幅方向の平衡(釣り合い)が確保される意味がある。但し、支持部3が支持部材2の軸方向に等間隔で配置されていれば、必ずしも支持部3が直線部材5の軸心を通らなくても、直線部材5の材軸(軸心)間に一定の間隔Lを保持することはできる。
1個の支持装置1には区画領域数(n)と各区画領域単位で敷設される本数(M本、もしくはM本前後)の積の数(N本)、またはその数程度(N本前後)の直線部材5が仮支持される。支持装置1(支持部材2)に仮支持される1本置き、もしくは複数本置きのM本、またはM本前後の直線部材5は1区画領域に敷設される1群の直線部材5の組を構成し、支持装置1には区画領域数(n)分、すなわち複数群(n群)分の数の直線部材5が仮支持される。枠材6に区分された各区画領域ではそれぞれの区画領域に敷設される1群の複数本(M本)ずつ、支持装置1から分離し、枠材6上に敷設される。
言い換えれば、N本、またはN本前後の直線部材5は複数の区画領域単位に、その区分数n分の複数の群に分割され、その分割された群単位で支持部材2(支持装置1)から取り外され、区画領域毎に敷設される。この分割された群の数、すなわち区分数n単位で、複数本(M本)の直線部材5はその幅方向に1本置き、もしくは複数本置きに支持装置1に仮支持されている。前記のように1群を構成する複数本の直線部材5の本数をM本とすれば、N=n×M、またはそれ前後になる。
図1はN本の全直線部材5を2区画領域(2群)に区分し(n=2)、各群の複数本の直線部材5が4本である(M=4)場合の例を、図2は区画領域数が2(n=2)、第1群目の直線部材5が4本で(M=4)、第2群目の直線部材5が3本である(M=3)場合の例を示している。図1では全直線部材5の数Nがn×M(2×4)の8本、図2では(n×M−1)(4+3)の7本になっている。図3はN本の全直線部材5を3区画領域(3群)に区分し(n=3)、各群(第1群目〜第3群目)の直線部材5が4本である場合の例を示している。図3では全直線部材5の数Nがn×M(3×4)の12本になっている。図4は支持装置1(支持部材2)が2群、7本の直線部材5を仮支持している図2に示す支持例の具体例を示している。
支持部材2の支持部3は支持装置1に仮支持されるN本の全直線部材5を1本ずつ、仮支持するため、支持部材2(支持装置1)が仮支持する全直線部材5の本数以上、各直線部材5の仮支持位置に応じて形成、あるいは固定される。換言すれば、支持部3は支持部材2の軸方向に間隔を置き、敷設領域を直線部材5の幅方向に隣接する複数の区画領域に区分したときの区分数nと、この1区画領域に敷設される直線部材5の本数Mの積の数N以上、配列する。支持部3は複数本の直線部材5が区画領域に敷設されるときの間隔Lを置いて直線部材5を仮支持するため、基本的には図1〜図4に示すように支持部材2の軸方向には等間隔に配列する。
支持部3は前記した挿通孔2aのような、直線部材5をボルト4とナットで連結するための孔のように支持部材2の一部に直接、形成される場合と、後述の支持材31のような部品の溶接等の固定によって支持部材2に接続される場合がある。支持部材2の製品図を示す図4では部品(支持材31)としての山形鋼のピース(アングルピース)をT形鋼の支持部材2のフランジに溶接した場合の例を示しているが、支持部3の形態、及び形成方法、あるいは接続方法は問われない。
図4ではT形鋼の支持部材2のフランジを下側(直線部材5側)に向け、ウェブを上に向けることによりフランジを直線部材5の仮支持のために利用し、ウェブを揚重機に吊り上げられるワイヤ8等を接続するために利用している。ここでは特にウェブを挟んだ一方側(直線部材5の端部側)のフランジに直線部材5との接続のための挿通孔2aを形成し、他方側(直線部材5の中間部側)に同じく直線部材5との接続のための支持部3となる、2通りの挿通孔3a、3bを有する支持材31を溶接等によって固定している。支持部材2のウェブには図4−(c)、図7に示すように揚重機に吊り支持された吊り具7のフック、もしくはワイヤ8等が挿通するための挿通孔2cが複数箇所に形成される。
支持部材2は直線部材5の上面に重なる部分を持てば、支持部3として直接、もしくは支持材31を介して間接的に直線部材5を仮支持可能であるため、支持部材2の形態も問われず、H形鋼、山形鋼、溝形鋼、角形鋼管等も使用される。また図4〜図6では支持材31を支持部材2のウェブに関して直線部材5の中間部側に配置しているが、直線部材5の端部側に配置することもある。
図4−(a)中、支持材31の全長の内、支持部材2のフランジに重なる部分に形成されている1個、もしくは2個の挿通孔3aは(b)に示すように支持部材2のフランジに形成されている挿通孔2bに合致し、両挿通孔3a、2bを貫通するボルト4によって直線部材5に連結(接続)される。
支持材31の支持部材2に重ならない部分に形成されている2個、もしくは4個の挿通孔3bは直接、または図4−(b)に示すように支持材31の底面と直線部材5との間に介在し、支持部材2のフランジの底面と同一面で支持材31を直線部材5に重ねるための裏当て32に重なった状態で直線部材5に連結される。支持部材2のフランジと支持材31の底面には図4−(b)に示すように直線部材5との連結(接続)時の直線部材5への損傷を防止するための、ゴム等の緩衝材33が介在させられる。支持材31の挿通孔3bの形成区間に重なる裏当て32にも支持材31の挿通孔3bに対応した挿通孔が形成されている。
図示しないが、直線部材5に形成(穿設)されている、支持部材2(支持材3)との連結のための挿通孔は敷設(区画)領域で直線部材5を敷設した後、枠材6に連結されるために使用されることもある。この枠材6との接合のために形成されている直線部材5の挿通孔の位置が例えば図5、図6の直線部材5に付した番号が表す各群の直線部材5毎に相違することに対応し、図4〜図6では支持装置1を構成する2本の支持部材2に接合される各支持材31の挿通孔3a、3bの位置と数が相違している。
図4−(a)中、左側の支持材31の支持部材2に重なる部分に形成されている2個の挿通孔3a、3aは直線部材5の長さの相違、あるいは群の相違する直線部材5に形成(穿設)されている挿通孔の位置の相違に対応し、直線部材5との連結位置を変更するために直線部材5の長さ方向に並列して形成されている。
図4−(a)の左側の支持材31のように支持部材2に重なる支持材31の2個の挿通孔3a、3aに対応し、支持材31が重なる支持部材2のフランジにも図4−(b)に示すように2個の挿通孔2b、2bが支持部材2の幅方向に並列して形成されている。図4−(a)の右側の支持部材2の、支持材31が重なる部分に形成される挿通孔2bは支持材31の挿通孔3aに対応し、(b)に示すように1個になっている。
図4−(a)の右側にある支持材31の、支持部材2に重ならない部分には4箇所に挿通孔3bが形成されているが、ここにある4個の挿通孔3bは左側の支持材31の支持部材2に重なる部分の挿通孔3aと同様、直線部材5の長さ方向に並列する2個の挿通孔3b、3bが直線部材5の長さ方向の2箇所に分散して配置されている様子を示している。
図4−(a)中、右側の支持材31の2箇所に分散したそれぞれの箇所で並列する2個の挿通孔3b、3bは左側の支持材31の並列する挿通孔3a、3aと同じく、直線部材5の長さ、あるいは群の相違する直線部材5の挿通孔位置の相違に対応し、直線部材5との連結位置を変更するためにある。右側の支持材31の支持部材2に重なる部分の挿通孔3aは上記のように1個のみ形成され、その挿通孔3aに連通する支持部材2の挿通孔2bも1個のみ形成されている。
このように図4〜図6では例えば枠材6への固定のための挿通孔位置が相違する直線部材5に追従するために、図4−(d)に示すように直線部材5の長さ方向両側に配置された支持材31、31に形成されている挿通孔3a、3bの数と配置が互いに相違し、それに伴い、支持材31が重なる部分に形成されている支持部材2の挿通孔2bの数と配置も両側の支持部材2、2で相違している。いずれの側においても支持材31の並列する挿通孔3a、3a、3b、3bの内のいずれかの挿通孔3a、3bが図5、図6に示すように直線部材5との連結のために使用される。図4−(a)の左側においては支持材31の並列する挿通孔3a、3aの内のいずれかに対応した支持部材2の挿通孔2bにボルト4が挿通する。
図4〜図6に示す例のように支持部3を構成する、支持部材2の挿通孔2a、2bと支持部3としての支持材31の挿通孔3a、3bの少なくともいずれかを直線部材5の軸方向に複数、形成しておくことで、例えば枠材6への固定のために形成されている直線部材5の挿通孔が直線部材5毎に、あるいは直線部材5の群毎に相違する場合にも、単一(1本)の支持装置1(支持部材2)の使用によって直線部材5の挿通孔位置の相違に対応(追従)することが可能である。図4〜図6は支持部材2の挿通孔2a、2bと支持材31の挿通孔3a、3bの双方が直線部材5の軸方向に複数、形成されている場合である。枠材6への固定のための挿通孔が直線部材5毎に相違することは、例えば枠材6上で隣接する直線部材5、5のボルトの位置を千鳥に配置する場合等に生ずる。
図4は支持部材2の長さ方向に前記した2群、7本の直線部材5を仮支持可能な状態に支持装置1を構成した場合の例を、図5、図6は図4の支持装置2に、挿通孔の位置の相違する直線部材5を仮支持させた様子を示している。7本の直線部材5は第1群目の4本の直線部材5の組と第2群目の3本の直線部材5の組に分割される。図5の直線部材5に付した1と3の番号、及び図6の直線部材5に付した1と2の番号は前記敷設領域を複数の区画領域に区分したときの区画領域の位置を指している。
前記のように図4は図2に示す支持例の具体例を示しているが、図5と図6は図2に示す支持状態にある直線部材5の第2群の3本の直線部材5の長さ、あるいは挿通孔位置が相違する点で、相違している。図5、図6では支持部材2の支持部3(挿通孔2aが形成されたフランジ)と、支持部3としての支持材31の挿通孔3a、3bを挿通し、支持部3(支持部材2)を各直線部材5に連結しているボルト4の位置を実線の円で示している。破線の円はボルト4が使用されていない(挿通していない)挿通孔を示している。
図1は支持部材2の長さ方向に2群、8本の直線部材5を仮支持している支持装置1を用いて直線部材5を2区画領域に分割して敷設するときの敷設要領を、図2は2群、7本の直線部材5を2区画領域に分割して敷設するときの敷設要領を示している。図3は長さ方向に3群、12本の直線部材5を3区画領域に分割して敷設するときの敷設要領を示している。
図1〜図3では便宜的に第1番目〜第3番目までの各区画領域に敷設される直線部材5に区画領域の番号を付してあるが、直線部材5は1本置き、もしくは複数本置きの1群の複数本の直線部材5単位で各区画領域に敷設されればよいため、必ずしも番号1〜3の順序通りに各区画領域に敷設されていく必要はなく、2の番号、あるいは3の番号から敷設されていくこともある。
図1〜図3に示すように各区画領域に敷設される各群の4本、もしくは3本の直線部材5は区画領域で敷設されるときの間隔Lと同一の間隔Lを置いて予め支持部材2に仮支持されている。各区画領域では支持部材2に仮支持されている状態のまま、直下に落とし込まれれば、決められた敷設位置に配置され、枠材6に接合される。この敷設要領は全区画領域において共通し、ある区画領域での1群の敷設作業が終了した後には支持部材2の長さ分相当の距離を水平に平行移動させればよい。直線部材5の枠材6への接合(固定)は前記のように支持部材2(支持材31)とのボルト4による連結(仮支持)のために形成されている挿通孔を利用して行われることもある。
図7は図4〜図6に示すように2群、7本の直線部材5を仮支持した支持装置1を2段に積み重ねた状態で敷設現場へ搬入した後((a))の、支持装置1を用いた直線部材5の敷設要領を示している。敷設現場では上段の支持装置1の支持部材2に吊り具7が接続され((b))、上段の支持装置1が揚重機に吊り上げられた状態で最初の区画領域に移動させられる((c))。最初の区画領域では揚重機に吊り支持されている支持装置1が区画領域の枠材6上に降下させられ、第1群、M本(4本)の直線部材5が枠材6上に載置され、支持部材2から取り外されてそのまま枠材6に接合(固定)される((d))。
第1群の直線部材5の枠材6への接合(固定)後、支持装置1が敷設済みの直線部材5との衝突が生じない程度、一旦、上昇させられ((e))、隣接する第2の区画領域まで平行移動させられ、第2群の各直線部材5の敷設位置で降下させられる((f))。その状態で残りの(M−1)(3本)の各直線部材5が枠材6上に載置され、枠材6に接合されることにより1個(1本)の支持装置1を用いたN本の全直線部材5の一度の敷設作業が終了する。一度の敷設作業が終了した支持装置1は次の敷設作業のために繰り返して使用されるか、回収される。
図8−(a)は図7−(d)の状況を上方から見た様子を、図8−(b)は図7−(f)の状況を上方から見た様子を示している。図7では最初の区画領域に敷設される直線部材5に1〜4の番号を付し、続く隣接する区画領域に敷設される直線部材5にA、B、Cの符号を付しているが、直線部材5の敷設の順序で言えば、図2と同じである。
図8−(a)、(b)では支持装置1が仮支持している7本の直線部材5を直線部材5の幅方向に隣接する2区画領域に分割して敷設する場合に、最初の区画領域に敷設する3本の直線部材5に番号1を付し、次の区画領域に敷設する4本の直線部材5に番号2を付してある。この敷設順序は図2において番号2を付した3本の直線部材5を最初の区画領域に敷設し、続く隣接する区画領域に番号1を付した4本の直線部材5を敷設している手順になっており、支持部材2の軸方向端部に位置する直線部材5を含む1本置きの直線部材5を最初に取り外す図7の例とは逆の順序になっている。
1……支持装置、
2……支持部材、2a……挿通孔(フランジの一方側)、2b……挿通孔(フランジの他方側)、2c……挿通孔(ウェブ)、
3……支持部、
31……支持材、3a……挿通孔(支持部材に重なる側)、3b……挿通孔(支持部材に重ならない側)、
32……裏当て、33……緩衝材、
4……ボルト、
5……直線部材、
6……枠材、
7……吊り具、8……ワイヤ。

Claims (3)

  1. 敷設領域に幅方向に間隔を置き、並列して敷設される複数本の直線部材の上に、この直線部材の軸方向に間隔を置いて載置され、前記複数本の直線部材を仮支持する支持部を有する複数本の支持部材を備えた前記直線部材を保持するための支持装置であり、
    幅方向両側の前記支持部材は前記敷設領域に敷設される複数本の前記全直線部材に同時に跨り、前記直線部材に交差する方向を向いて配列した状態で前記全直線部材に直接接続され、または前記支持部材に接続されて前記支持部を構成する支持材を介して間接的に接続され、幅方向両側の前記直線部材と共に四辺形を構成可能であり、
    前記支持部が、前記支持部材に仮支持された状態での1本置き、もしくは複数本置きの2本の前記直線部材の材軸間の間隔を前記敷設領域における敷設状態での隣接する前記直線部材の材軸間の間隔に保持することを特徴とする直線部材保持用支持装置。
  2. 前記支持部は前記支持部材が支持する前記直線部材の本数分以上、前記各支持部材の軸方向に形成、もしくは接続されていることを特徴とする請求項1に記載の直線部材保持用支持装置。
  3. 敷設領域に幅方向に間隔を置き、並列して敷設される複数本の直線部材の上に、この直線部材の軸方向に間隔を置いて載置され、前記複数本の直線部材を仮支持する複数本の支持部材を備える直線部材保持用の支持装置に仮支持された状態から、前記直線部材を前記複数の敷設領域に敷設する方法であり、
    前記複数本の直線部材は、1本置き、もしくは複数本置きの2本の前記直線部材の材軸間の間隔が前記敷設領域における敷設状態での隣接する前記直線部材の材軸間の間隔を維持した状態で、前記支持部材に仮支持されており、
    前記敷設領域は前記直線部材の幅方向に隣接する複数の区画領域に区分され、この区分された複数の区画領域の内、いずれかの区画領域において、前記敷設状態での隣接する前記直線部材の材軸間の間隔を維持した状態にある2本以上の前記直線部材を前記支持部材から外して前記敷設領域に敷設する工程と、続いてその区画領域以外の他の区画領域において、いずれかの、前記敷設状態での隣接する前記直線部材の材軸間の間隔を維持した状態にある2本以上の前記直線部材を前記支持部材から外して前記区画領域に敷設する工程を含むことを特徴とする直線部材の敷設方法。
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