JP5934434B2 - 位相シフトマスクの製造方法、位相シフトマスク、及び位相シフトマスクの製造装置 - Google Patents

位相シフトマスクの製造方法、位相シフトマスク、及び位相シフトマスクの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、微細かつ高精度な露光パターンを形成することが可能な位相シフトマスクの製造方法および位相シフトマスクに関し、特にフラットパネルディスプレイの製造に用いられる技術に関する。
本願は、2013年4月17日に、日本に出願された特願2013−086983号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
半導体において、高密度実装を行うため、長い期間にかけてパターンの微細化が行われてきている。そのために、露光波長を短波長化するとともに、露光方法の改善など様々な手法が検討されてきた。
フォトマスクにおいてもパターン微細化を行うために、複合波長を用い、遮光膜パターン形成したフォトマスクから、パターン縁において光干渉を用いて、単波長を用い、より微細なパターン形成可能な位相シフトマスクが使用されるに至っている。
上記に示す、半導体用位相シフトマスクでは、特許文献1に示すようにi線単波長を用いたエッジ強調型の位相シフトマスクが使用されていたが、更なる微細化のために、特許文献2に示すようにArF単波長まで露光波長を短くし、かつ、半透過型の位相シフトマスクが使用されてきている。
一方、フラットパネルディスプレイでは、低価格化を実現するために、高いスループットにて生産を行う必要があり、露光波長もg線、h線、i線の複合波長での露光にてパターン形成が行われている。
最近、上記フラットパネルディスプレイでも高精細な画面を形成するためにパターンプロファイルがより微細化されてきており、従来より使用されてきている遮光膜をパターン化したフォトマスクではなく、特許文献3に示すようにエッジ強調型の位相シフトマスクが使用されるに至っている。
日本国特開平08−272071号公報 日本国特開2006−078953号公報 日本国特開2007−271720号公報
近年、フラットパネルディスプレイの高精細化により、配線パターンの微細化に伴って、フラットパネルディスプレイの製造に用いられるフォトマスクにも微細な線幅精度の要求が高まっている。
しかし、フォトマスクの配線における微細化技術検討、もしくは、微細パターン形成に対する露光条件、現像条件等の検討だけでは対応が非常に難しくなってきており、さらなる微細化を達成するための新しい技術が求められるようになってきている。
上記を改善する手法として、位相シフトマスクを用い、フラットパネルの配線に転写時に、微細なパターンを形成する手法が前記に記載のように使用されるに至っているが、更に微細パターン形成するための手法が要求される状況になってきている。
上記課題に対する方法として、位相シフトマスクにおいて、透明基板上に形成した位相シフト層の表層の反射率を低減することがある。位相シフト層が最上層にある位相シフトマスクの場合、位相シフトマスクに入射する露光光全体のうち、位相シフト層の表層で反射される露光光の割合が多いと、反射によって介在波が形成されるために、微細な配線パターンを露光させることが難しくなってくる。ゆえに、位相シフト層の表層における露光光の反射率が低い位相シフトマスクが求められている。
本発明の態様は、位相シフト層の表層における露光光の反射率が低い位相シフトマスクを形成することが可能な位相シフトマスクの製造方法、位相シフトマスク、および位相シフトマスクの製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る位相シフトマスクの製造方法は、透明基板と、少なくとも前記透明基板の一面側に一定厚みで形成された部分を有するCrを主成分とし、300nm以上500nm以下の波長領域のいずれかの光に対して180°の位相差をもたせることが可能な位相シフト層とを有する位相シフトマスクの製造方法であって、前記位相シフト層を多段に形成する工程と、前記位相シフト層をエッチングして前記位相シフト層と前記透明基板とが平面視した境界部分を有するように前記位相シフト層をパターニングして位相シフトパターンを形成する工程と、を有し、少なくとも前記位相シフト層を構成する最上段の層は、それと面する下の層よりも酸素の含有量を多くさせたことを特徴とする。
前記位相シフト層を構成する最上段の層は、それより下の層よりも酸素の含有量を多くさせたことを特徴とする。
前記位相シフト層を構成する最上段の層よりも下の層は、最上段の層に近いほど酸素の含有量を多くさせたことを特徴とする。
前記位相シフト層のうち、最上段と面する層は、それと面する層よりも酸素の含有量を少なくさせたことを特徴とする。
前記透明基板上にCrを主成分とする遮光層を形成する工程を更に備えたことを特徴とする。
前記位相シフト層は、少なくとも最上段の層は、それと面する下の層よりも窒素の含有量が少ないことを特徴とする。
前記位相シフト層形成工程おいて、成膜雰囲気ガス中におけるCOガスの含有量を設定することで、前記最上段の層の酸素の含有量を、それより下の層よりも多くすることを特徴とする。
前記位相シフト層のうち、前記最上段の層の反射率が19%以下となるように酸素の含有量を制御したことを特徴とする。
前記位相シフト層において、異なる波長の光が位相差をもつように前記各層の厚みが対応することを特徴とする。
本発明の別の態様に係る位相シフトマスクは、透明基板と、前記透明基板に重ねて形成され、少なくとも前記透明基板の表面に一定厚みで形成された部分を有するCrを主成分とし、300nm以上500nm以下の波長領域のいずれかの光に対して180°の位相差をもたせることが可能な多段の位相シフト層と、を有する位相シフトマスクであって、前記位相シフト層には、前記透明基板と平面視した境界部分を有する位相シフトパターン、平面視した前記位相シフト層と前記透明基板との前記境界部分において、前記位相シフト層の厚みを多段に変化させた領域と、を有し、
前記位相シフト層における最上段に位置する第1層は、前記第1層の下に位置しかつ前記第1層と面する第2層よりも酸素の含有量が多いことを特徴とする。


前記位相シフト層の厚みが、g線、h線、i線の少なくとも一つにおいて位相差180°をもつように対応することを特徴とする。
前記各項記載の位相シフトマスクの製造方法に用いる位相シフトマスクの製造装置であって、前記位相シフト層を構成する各段を個別に形成する複数の成膜室を有し、前記位相シフト層のうち、最上段の層を成膜する成膜室は、それより下の層を形成する成膜室よりも、成膜雰囲気ガス中におけるCOガスの含有量が多くなるように制御することを特徴とする。
本発明の態様によれば、少なくとも位相シフト層を構成する最上段の層は、それと面する下の層よりも酸素の含有量を多くさせた。これにより、露光光の入射側となる最上段の位相シフト層は、反射率が低減される。よって、位相シフトマスクで反射される反射光を少なくし、反射光によるパターン形成精度の低下を防止して、微細かつ高精度なパターン形成を可能にすることができる。
本発明の位相シフトマスクを示す要部拡大断面図である。 本発明の位相シフトマスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の位相シフトマスクの形成例を示す断面図及び表である。 本発明の位相シフトマスクの形成例を示す断面図及び表である。 本発明の位相シフトマスクの形成例を示す断面図及び表である。 本発明の位相シフトマスクの形成例を示す断面図及び表である。 本発明の位相シフトマスクの形成例を示す断面図及び表である。 本発明の位相シフトマスクの形成例を示す断面図及び表である。 本発明の位相シフトマスクの形成例を示す断面図及び表である。 本発明の位相シフトマスクの形成例を示す断面図及び表である。 本発明の位相シフトマスクの製造装置を示す概略構成図である。 本発明の位相シフトマスクの効果を検証したグラフである。
図面を参照しながら、本発明の実施形態及び実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(位相シフトマスク)
図1は、本実施形態の位相シフトマスクを示す要部拡大断面図である。
本実施形態の位相シフトマスク10は、ガラス基板(透明基板)11と、このガラス基板11の一面11a側に形成された位相シフト層12とを備えている。位相シフト層12は、300〜500nmの領域にて180°の位相差をもたせることが可能な位相シフトパターン12pを有するものとされ、例えばFPD用ガラス基板に対するパターニング用マスクとして構成される。後述するように、当該マスクを用いたガラス基板のパターニングには、露光光にi線、h線及びg線の複合波長が用いられる。
位相シフトマスク10は、露光パターンの形成された露光領域において、平面視してガラス基板11が露出する部分Cと、形成された位相シフトパターン12pとの境界部分B1において、位相シフトパターン12pの厚みが一定値T12とされる均一厚さ領域B1aと、T12から厚みが減少する多段領域B1bとを有する。こうした多段領域B1bは、厚みの薄い層12a〜12hを複数、本実施形態では8層分積層させ、かつ、端部を段階的に短くすることによって得られる。こうした多段領域B1bのエッジ部分は、全体として見た時に略傾斜面(傾斜領域)を成している。多段領域B1bは、層12a〜12hの端部を、例えばウェットエッチングして形成する。
なお、積層数については8段に限定されることはなく、少なくとも2段以上有していればよい。さらに3段以上有していれば、より効果がある。
均一厚さ領域B1aにおいて、これら位相シフト層12の層12a〜12hどうしの境界面は、必ずしも明瞭ではなく、厚み方向に一体のものとして形成されていてもよい。以下の説明では、厚みの薄い位相シフト層12の層12a〜12hを積層したもの全体を、位相シフト層12として説明する。
透明基板11としては、透明性及び光学的等方性に優れた材料が用いられ、例えば、石英ガラス基板を用いることができる。透明基板11の大きさは特に制限されず、当該マスクを用いて露光する基板(例えばFPD用基板、半導体基板)に応じて適宜選定される。本実施形態では、径寸法100mm程度の基板や、一辺50〜100mm程度から、一辺300mm以上の矩形基板に適用可能であり、更に、縦450mm、横550mm、厚み8mmの石英基板や、最大辺寸法1000mm以上で、厚み10mm以上の基板も用いることができる。
また、透明基板11の表面を研磨することで、透明基板11のフラットネスを向上するようにしてもよい。透明基板11のフラットネスは、例えば、20μm以下とすることができる。これにより、マスクの焦点深度が深くなり、微細かつ高精度なパターン形成に大きく貢献することが可能となる。さらにフラットネスは10μm以下と、小さい方が良好である。
位相シフト層12は、Cr(クロム)を主成分とするものであり、具体的には、Cr単体、並びにCrの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物及び酸化炭化窒化物から選択される少なくとも1つで構成することができ、また、これらの中から選択される2種以上を積層して構成することもできる。
本実施形態の位相シフトマスク10は、例えばFPD用ガラス基板に対するパターニング用マスクとして構成することができる。後述するように、当該マスクを用いたガラス基板のパターニングには、露光光にi線、h線及びg線の複合波長が用いられる。
位相シフト層12を構成する層12a〜12hを合計した厚みが、露光光として一般的な波長である300nm以上500nm以下の波長領域の何れかの光(例えば、波長365nmのi線、波長436nmのg線、波長405nmのh線)に対して略180°の位相差をもたせることが可能な厚さ(例えば、90〜170nm)で形成される。以下の説明においては、露光光と言った場合、波長436nmのg線よりも短波長側の光、例えば、300nm以上500nm以下の波長の光を指すものとする。
位相シフト層12は、例えば、厚みが数nm〜数十nm程度の薄い層12a〜12hを段階的に積層したものであり、それぞれの層12a〜12hの厚みは、互いに同じであってもよいし、異なってもよい。あるいは、透明基板11の一面11aから遠ざかる上方向に向かうにつれて、層12a〜12hの厚みが漸減してもよい。
それぞれの層12a〜12hどうしは、酸素の含有量が異なっている。層12a〜12hのうち、最上層に位置する層12aは、それよりも下に位置する層12b〜12hよりも、フラットパネル製造工程におけるフラットパネルのレジスト膜に反射光起因の介在波がたち、微細パターン形成が困難にならないように露光光に対する反射率が低く設定される。また、位相シフト層12において、酸素含有量の設定により、より上に位置する層のほうが、露光光に対する反射率が低く設定することができる。例えば、露光光に対する反射率は、層12aが最も低く、次いで層12bが低く、それよりも下の層12c〜12hは、層12bよりは反射率が高くなる構成である。
また、位相シフト層12の各層の酸素含有量設定により最上層12aから3番目までの層12cにおいて、最上層12aの酸素含有量が最も高く、第3層12cが第2層12bよりも高く、第2層12bを最も低く設定した場合では、各層の反射率が、最上層12aが最も低く、第3層12cが次に低く、中間の層12bが最も高くなる。
さらに最上層12aの酸素含有量が2番目、第2層12bが3番目に高く、第3層12cが最も高く設定した場合では、各層の反射率が、最上層12aが2番目に低く、第2層12bが最も高く、第3層12cが最も低くなる。
露光光の入射側となる層12aは、例えば反射率が19%以下になるように形成されている。
こうしたそれぞれの層12a〜12hの露光光に対する反射率は、酸素の含有量によって変化する。具体的には、それぞれの層12a〜12hの成膜時に、成膜環境の酸素濃度が高いほど、露光光に対する反射率を低減させることができる。成膜環境の酸素濃度を高める方法として、酸素供給源としてのCO濃度を高くすることが挙げられる。
また、それぞれの層12a〜12hの露光光に対する反射率は、窒素の含有量によっても変化する。具体的には、それぞれの層12a〜12hの成膜時に、成膜環境の窒素濃度が低いほど、露光光に対する反射率を低減させることができる。
このような特性により、層12a〜12hのうち、最上層に位置する層12aは、それよりも下の層12b〜12hよりも、酸素の含有量が高い。また、層12b〜12hにおいても、より上に位置する層のほうが、酸素の含有量が高い。例えば、それぞれの層の酸素含有量は、層12aが最も高く、次いで層12bが高く、さらに下の層12c〜12hは、層12bよりは酸素含有量が低い。
最上層以外の酸素含有量については上記に限定されることなく、最上層12aが次の層12bより高く設定されていればよい。最上層より3層において、最上層12a、第3層12c、第2層12bの順に高い場合、および第3層12c、最上層12a、第2層12bの順に酸素含有量を高く設定できる場合もあり、その下の層については位相シフト層12のパターンプロファイル設定により適宜選定することが可能である。
このような特性により、層12a〜12hのうち、最上層12aは、それよりも下の層12b〜12hよりも、酸素の含有量が高い。また、層12b〜12hにおいても、より上に位置する層のほうが、酸素の含有量が高い。例えば、それぞれの層の酸素含有量は、層12aが最も高く、次いで層12bが高く、それよりも下の層12c〜12hは、層12bよりは酸素含有量が低くなる。
また、最上層12aが第2層12bより酸素量が高ければ良く、前記に限定されることはない。たとえば、最上層12aから3層分において、最上層12aが最も高く、第3層12c、第2層12bの順に高くてもよいし、第3層12c、最上層12a、第2層12bの順に高くてもよい。
こうした多段領域B1bをもつ位相シフト層12の形成方法は、製造方法において詳述する。例えば、位相シフト層12は、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、レーザ蒸着法、ALD法等により成膜できる。
位相シフトパターン12pは、均一厚さ領域B1aにおける厚さT12が、この境界部分B1以外における位相シフトパターン12pの厚さと等しくされる。この厚さT12は、例えばg線に対応した光強度がゼロになる厚さTg(例えば145.0nm)に対応した値とされている。あるいは、位相シフト層12の厚さT12はTgよりも大きな値とし、Th,Tiに対応する厚さを傾斜領域(多段領域B1b)に位置するようにすることができる。また、上記膜厚は、h線に対応した膜厚Th(例えば133.0nm)、又はi線に対応した膜厚Ti(例えば120.0nm)とすることもできる。厚さT12がh線に対応した膜厚Thである場合には、Tiに対応する膜厚を傾斜領域(多段領域)B1bに位置するようにできる。
位相シフトパターン12pは、多段領域B1bにおいて厚さが段階的に変化するように形成されることも可能である。具体的には、多段領域B1bの幅方向が、位相シフトパターン12pの厚さT12の端部12tから露出部分C(位相シフト層の厚さがゼロでガラス基板11が露出した部分)の端部12uまでとされる。ここで、多段領域B1bの幅寸法は、その厚さが減少する向きに関して設定される。
また、位相シフトパターンを構成する各層における膜厚設定は上記記載に限定されることなく、さまざまな形態をとることが可能である。
多段領域B1bは、多段領域B1bの表面に、h線に対応した光強度がゼロになる厚さTh(例えば133.0nm)に対応した厚さと、i線に対応した光強度がゼロになる厚さTi(例えば120.0nm)に対応した厚さとされた箇所を有することも可能である。これらの厚さTg、厚さTh、厚さTiとなる箇所がそれぞれ所定の範囲に収まるように、位相シフト層12の層12a〜12hが形成されている。また、光が通過するパターンエッジのプロファイルにおいてTh、Tiが含まれない場合もある。
更に、膜厚をThに設定した場合には、Tiの膜厚を含むことも可能である。さらには、光が通過するパターンエッジのプロファイルにおいてTiの膜厚が含まれない場合もある。
以上のような構成の本実施形態の位相シフトマスク10によれば、微細な配線パターンを形成するためのマスクパターンを露光させる際に、位相シフトマスク10に向けて照射された露光光のうち、露光光の入射側を成す位相シフト層12の表面で反射される露光光の割合を減らすことができる。即ち、多段に形成された位相シフト層12のうち、最上層12aの酸素含有量を、それよりも下の層12b〜12hよりも増やすことによって、位相シフト層12の表面での露光光の反射率を確実に低減することができる。例えば、従来の位相シフトマスクでは、位相シフト層12の露光光の反射率が20%以上であったが、本実施形態の位相シフトマスク10では、露光光の反射率を19%以下、例えば14%程度に抑えることができる。よって、反射光によるパターン形成精度の低下を防止して、微細かつ高精度なパターン形成が可能となる。これにより、高画質のフラットパネルディスプレイを製造することができる。
また、最も酸素含有量が高く、反射率が低い最上層12aよりも下の層12b〜12hにおいても、層12aに近い層12bや層12cを層12aに次いで酸素含有量を高くすることによって、最上層12aの直下に位置する層12b,12cの露光光に対する反射率も低減できる。これにより、位相シフト層12の表面の露光光に対する反射率をより確実に低減できる。
最上層12aの酸素含有量が次の層12bより高い場合であれば、効果が発生する。具体的には最上層12aより3層分において、最上層12a、第3層12c、第2層12bの順に高い場合、および第3層12c、最上層12a、第2層12bの順に酸素含有量を高く設定した場合においても露光光に対する反射率を低減できる。
更に、最上層12aの酸素含有量を、それよりも下の層12b〜12hよりも増やすと同時に、窒素含有量を低減させることで、更に露光光に対する反射率を低減することも可能となる。
(位相シフトマスクの製造方法)
以下、本実施形態の位相シフトマスク10を製造するための位相シフトマスクの製造方法について説明する。
図2は、本実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法を段階的に示した断面図である。
本実施形態の位相シフトマスク10は、図2(j)に示すように、露光領域の外側に当たる周辺部に位置合わせ用のアライメントマークを有し、このアライメントマークが遮光層13aで形成されている。上述のように、アライメントマーク用の遮光層13aがある場合もあるが、アライメントマーク用としての遮光層13aがなく、位相シフト層12のみの半透過膜によるものでもよい。
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板11の一面11a上にCrを主成分とする遮光層13を形成する。次に、図2(b)に示すように、遮光層13の上にフォトレジスト層14を形成する。フォトレジスト層14は、ポジ型でもよいしネガ型でもよい。
続いて、図2(c)に示すように、フォトレジスト層14を露光及び現像することで、遮光層13の上にレジストパターン14aが形成される。レジストパターン14aは、遮光層13のエッチングマスクとして機能し、遮光層13のエッチングパターンに応じて適宜形状が定められる。図2(c)では、ガラス基板11の周縁の所定範囲内にわたって遮光層13を残存させるべく、レジストパターン14aを形成した例を示す。フォトレジスト層14としては、液状レジストが用いられる。
続いて、図2(d)に示すように、このレジストパターン14a越しに第1エッチング液を用いて遮光層13をウェットエッチングする。第1エッチング液としては、硝酸セリウム第2アンモニウムを含むエッチング液を用いることができ、例えば、硝酸や過塩素酸等の酸を含有する硝酸セリウム第2アンモニウムを用いることが好ましい。
これにより、ガラス基板11の一面11a上に所定形状にパターニングされた遮光層13aが形成される。遮光層13aのパターニング後、図2(e)に示すように、レジストパターン14aは除去される。レジストパターン14aの除去には、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。
次に、位相シフト層12を形成する。位相シフト層12は、図2(f)に示すように、ガラス基板11の一面11a上に遮光層13aを被覆するように形成される。位相シフト層12は、酸化窒化クロム系材料からなり、DCスパッタリング法で成膜される。この場合、プロセスガスとして、窒化性ガス及び酸化性ガスの混合ガス、又は、不活性ガス、窒化性ガス及び酸化性ガスの混合ガスを用いることができる。成膜圧力は、例えば、0.1Pa〜0.5Paとすることができる。不活性ガスとしては、ハロゲン、特にアルゴンを適用することができる。
酸化性ガスとして、CO、CO、NO、NO、NO、O等を用いることができる。窒化性ガスとして、NO、NO、NO、N等を用いることができる。本実施形態では、例えば、COが用いられる。このCOの流量を制御することで、位相シフト層12の酸素含有量の制御が行われる。あるいは、COの濃度を制御することでも、位相シフト層12の酸素含有量の制御を行うことができる。不活性ガスとしては、Ar、He、Xe等が用いられるが、典型的には、Arが用いられる。なお、上記混合ガスに、CH等の炭化性ガスがさらに含まれてもよい。
位相シフト層12の形成(成膜)にあたっては、図1に示すように、1層の厚みが例えば、厚みが数nm〜数十nm程度の薄い層12a〜12hを段階的に積層する。例えば、最初に、ガラス基板11の一面11a上に層12hを成膜し、次にこの層12hに重ねて層12gを成膜する。更に、層12gに重ねて層12f〜層12aまでを順に重ねて成膜していく。
このように、位相シフト層12を多段で成膜していく際に、少なくとも、最上層12aの成膜の際には、それよりも下の層12b〜12hの成膜時よりも最上層12aに取り込まれる酸素含有量が多くなるように制御する。例えば、位相シフト層12の層12aの成膜時には、それよりも下の層12b〜12hの成膜時よりもCOの流量を多くしたり、濃度が濃くなるように制御する。こうした制御によって、最上層12aには、それよりも下の層12b〜12hよりも酸素含有量が多い層となる。
なお、各層の酸素含有量については上記に限定されることなく、最上層12aから3層分の層の酸素含有量について例示すると、最上層12a、第3層12c、第2層12bの順に酸素含有量が高くなる場合、第3層12c、最上層12a、第2層12bの順に酸素含有量が高くなる場合、第3層12c、第2層12b、最上層12aの順に酸素含有量が高くなる場合も挙げられる。
また、位相シフト層12を構成する層12b〜12hの成膜にあたっても、より層12aに近い層12b〜12h(層12b、12c)ほど、層12aに次いで酸素含有量が多くなるようにCOの流量や濃度を制御することが好ましい。
位相シフト層12を構成する層12a〜12hの成膜にあたっては、例えば、8つの成膜チャンバを利用して、それぞれの層12a〜12hに対応させて1層ずつ各層を成膜すればよい。この時、最上層12aを成膜する成膜チャンバは、COの流量を多くしたり、濃度が濃くなるように制御すればよい。
なお、上記記載例では位相シフト層12は8層より構成されているが、8層に限定されることなく、少なくとも2層以上であれば反射率を制御できるが、3層以上であるほうが好ましく、成膜装置においても3層以上であればよい。
あるいは、1つの成膜チャンバを利用して、位相シフト層12を構成する層12a〜12hを順次成膜していき、最上層12aを成膜するタイミングで、成膜チャンバのCOの流量を多くしたり、濃度が濃くなるように制御してもよい。
形成した位相シフト層12の全体の厚みT12は、多段領域B1bにおいて、300nm以上500nm以下の波長領域にあるg線とh線とi線とに対して180°の位相差をもたせることが可能な厚みとされる。180°の位相差が付与された光は、位相が反転することで、位相シフト層12を透過しない光との間の干渉作用によって、当該光の強度が打ち消される。このような位相シフト効果により、光強度が最小(例えばゼロ)となる領域が形成されるため露光パターンが鮮明となり、微細パターンを高精度に形成することが可能となる。
本実施形態では、上記波長領域の光は、i線(波長365nm)、h線(波長405nm)及びg線(波長436nm)の複合光(多色光)であり、目的とする波長の光に対して180°の位相差を付与し得る厚みで位相シフト層12が形成される。上記目的とする波長の光はi線、h線及びg線のうち何れでもよいし、これら以外の波長領域の光でもよい。位相を反転するべき光が短波長であるほど微細なパターンを形成することができる。
位相シフト層12の膜厚は、透明基板11の面内において露光領域内で境界部分B1以外では少なくとも均一であることが好ましい。
さらに、位相シフト層12の成膜条件として、雰囲気ガス中における酸化性ガスの流量比を設定することで、多段領域B1bの端部の形状を設定する。
位相シフト層12の成膜時における酸化性ガスの流量を調節することで、位相シフト層12におけるエッチング状態を制御して、階段状の傾斜面の形状を設定することができる。また、酸化性ガスの制御によりパターンエッジのプロファイルも適宜調整可能である。
酸化性ガスの流量比によって、パターンエッジのプロファイルの傾斜状態をコントロールして、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)を含む複合波長を露光光として用いた際に、位相の反転作用により光強度が最小となるようにパターン輪郭を形成して、露光パターンをより鮮明にする厚さとなるように境界部分B1の多段領域B1bの厚さ変化をエッチング後に設定可能とすることができる。
続いて、図2(g)に示すように、位相シフト層12を構成する層12a(図1参照)の上にフォトレジスト層14が形成される。次に、図2(h)に示すように、フォトレジスト層14を露光及び現像することで、位相シフト層12の上にレジストパターン14aが形成される。レジストパターン14aは、位相シフト層12のエッチングマスクとして機能し、位相シフト層12のエッチングパターンに応じて適宜形状が定められる。
続いて、位相シフト層12が所定のパターン形状にエッチングされる。これにより、図2(i)に示すように、ガラス基板11の一面11a上に所定形状にパターニングされた位相シフトパターン12pおよびガラス基板11の露出部分Cが形成される。位相シフト層12のパターニング後、図2(j)に示すように、レジストパターン14aは除去される。レジストパターン14aの除去には、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。以上の工程を経て、本実施形態の位相シフトマスク10を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。特に、位相シフト層12の境界部分B1における階段状の傾斜状態に関しては、様々な形状にすることができる。
以下、図3〜図10において、位相シフト層12の境界部分B1の形成例を挙げる。これら図3〜図10において、右側に位相シフト層12の境界部分B1の形状と構成する層構成を示す。また、左側の表には、それぞれの形状例における各層の成膜時の成膜ガスの流量や比率、各層の膜厚、距離/膜厚、および反射率を示す。なお、右側の形状図における各層を示す数字は、左側の層の数に対応している。層の数は下層から順に1層目、2層目の順に記載している。また、距離/膜厚とは、(平面視した傾斜面の幅)/(位相シフト層の厚さ)の値である。
図3では、位相シフト層12を8層から構成し、端部は1層目から上の8層目(最上層)に向けて緩やかに傾斜させている。
図4では、位相シフト層12を2層から構成し、厚みの厚い1層目と、その上に厚みが薄い2層目(最上層)を重ね、2層目の端部を緩やかに傾斜させている。
図5では、位相シフト層12を2層から構成し、厚みの厚い1層目と、その上に厚みが薄い2層目(最上層)の端部を緩やかに傾斜させている。
図6では、位相シフト層12を3層から構成し、厚みの厚い1層目と2層目との境界部分を凹ませ、厚みが薄い3層目と厚みの厚い2層目との境界部分を突出させている。
図7では、位相シフト層12を3層から構成し、厚みの厚い1層目と2層目との境界部分を突出させ、厚みが薄い3層目と厚みの厚い2層目との間を緩やかに傾斜させている。
図8では、位相シフト層12を6層から構成し、傾斜が緩やかな層と傾斜が急な層とを交互に重ね合わせ、1層目を他の層より厚くしている。
図9では、位相シフト層12を6層から構成し、傾斜が緩やかな層と傾斜が急な層とを交互に重ね合わせ、1層目を他の層より厚くしている。
図10では、位相シフト層12を3層から構成し、厚みの厚い1層目と2層目との境界部分を凹ませ、厚みが薄い3層目と厚みの厚い2層目との境界部分をわずかに突出させている。
なお、本実施例はその一例を示したのみであり、上記実施例に限定されることはなく、本実施例以外の様々な成膜条件と成膜積層数を設定することにより、反射率と断面形状を規定することが可能である。また、距離/膜厚とは、上記実施例より−3≦(平面視した傾斜面の幅)/(位相シフト層の厚さ)≦3の値に規定することが可能である。さらには、積層形態を調整することにより、−1<(平面視した傾斜面の幅)/(位相シフト層の厚さ)<1に設定することも可能である。
(位相シフトマスクの製造装置)
図11は、図1に示すような位相シフトマスクを製造する際に使用できる、位相シフトマスクの製造装置(成膜装置)を示す概要構成図である。
成膜装置(位相シフトマスクの製造装置)50は、例えば、8つの成膜チャンバ51a〜51hを備えている。それぞれの成膜チャンバ51a〜51hには、カソード52等が形成されている。そして、それぞれの成膜チャンバ51a〜51hに対して、COなど酸化性ガスを含む成膜ガスを供給するガス供給機構53が形成されている。ガス供給機構53は、成膜ガス源54や、供給管55などから構成されている。
8つの成膜チャンバ51a〜51hは、例えば、位相シフト層12を構成する8層の薄い位相シフト層12の層12a〜12h(図1参照)をそれぞれ成膜する。例えば、ガラス基板11に対して、まず、成膜チャンバ51hによって位相シフト層12の層12hを成膜する。次に成膜チャンバ51gによって位相シフト層12の層12gを成膜する。更に、位相シフト層12の層12f〜12bを、それぞれ成膜チャンバ51f〜51bで成膜する。そして、最後に、位相シフト層12の最上層である位相シフト層12の層12aを成膜チャンバ51aによって成膜する。
なお、チャンバは8層からなる位相シフト層12に対応したものに限定されるものではない。但し、層の数が非常に多い場合、成膜装置の製造コストが大幅に増加するので、20層以下とする方が好ましい。
こうした成膜チャンバ51a〜51hのうち、例えば、層12aを成膜する成膜チャンバ51aのCO流量を、他の7つの成膜チャンバ51b〜51hのCO流量よりも多くなるように制御する。これによって、成膜チャンバ51aで成膜される最上層の層12aは、それよりも下の層12b〜12hよりも酸素含有量が多くなる。
これによって、露光光の入射側となる最上層の層12aの反射率が低減される。
なお、層12aよりも下の層12b〜12hにおいても、層12aに近い層12b〜12hを成膜する成膜チャンバ51b〜51hほどCO流量が多くなるように制御することも好ましい。また、CO等の酸化性ガスは、流量の制御以外にも、濃度の制御やその両方を制御する構成であってもよい。
また、各層の酸素含有量については上記に限定されることなく、最上層12aから3層分の層の酸素含有量について例示すると、最上層12a、第3層12c、第2層12bの順に酸素含有量が高くなる場合、第3層12c、最上層12a、第2層12bの順に酸素含有量が高くなる場合、第3層12c、第2層12b、最上層12aの順に酸素含有量が高くなる場合も挙げられる。
また、この実施形態では、位相シフト層12を構成する8層の薄い層12a〜12hに合わせて8つの成膜チャンバ51a〜51hを設けているが、必ずしも位相シフト層12を構成する積層数と成膜チャンバの数が一致する必要はない。例えば、1つの成膜チャンバで層を2層ずつ成膜するなど、成膜チャンバの数は適宜選択可能である。
本発明の効果を検証した。
まず、位相シフト層12の成膜時に、従来のCO流量で成膜した位相シフトマスク(実施例1)、従来のCO流量よりもCO流量を減らして成膜した位相シフトマスク(実施例2)、および本発明である、従来のCO流量よりもCO流量を増やして成膜した位相シフトマスク(実施例3)をそれぞれ用意した。そして、これら3種類の位相シフトマスクについて測定光を照射し、それぞれの位相シフトマスクの反射率を測定した。測定光は、波長範囲を300nm〜800nmまで変化させた。
図12に、検証結果のグラフを示す。
図12に示すグラフによれば、露光光として使用されるi線(波長365nm)、h線(波長405nm)及びg線(波長436nm)を含む波長域である300nm〜500nmの波長域の光に対して、実施例2は実施例1よりも反射率が増加してしまった。一方、本発明の一例である実施例3は実施例1よりも反射率が低減している。こうした結果から、CO流量を増やして成膜した位相シフトマスク(実施例3)は、位相シフト層12の酸素含有量が増加し、その結果、300nm〜500nmの波長域の光に対して、反射率を大きく低減できることが確認された。
本実施例によれば、本発明の位相シフトマスクを用いて、フラットパネルにおけるパターニングを、従来反射率がg線において27.5%であった位相シフトマスクを用いた場合と、図12のg線において14.8%であった位相シフトマスクを用いた場合では、図12の位相シフトマスクを用いた場合にて、30%微細な線幅を形成することが可能であることが分かった。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
10 位相シフトマスク
11 ガラス基板(透明基板)
12 位相シフト層(積層体)
12a〜12h 層(位相シフト層を構成する各層)
13、13a 遮光層
B1b 多段領域

Claims (12)

  1. 透明基板と、
    少なくとも前記透明基板の一面側に一定厚みで形成された部分を有するCrを主成分とし、300nm以上500nm以下の波長領域のいずれかの光に対して180°の位相差をもたせることが可能な位相シフト層と、を有する位相シフトマスクの製造方法であって、
    前記位相シフト層を多段に形成する工程と、
    前記位相シフト層をエッチングして前記位相シフト層と前記透明基板とが平面視した境界部分を有するように前記位相シフト層をパターニングして位相シフトパターンを形成する工程と、を有し、
    前記位相シフト層における最上層に位置する第1層は、前記第1層の下に位置しかつ前記第1層に面する第2層よりも酸素の含有量を多くさせた
    ことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  2. 前記位相シフト層のうち、前記第2層は、前記第2層と面する第3層よりも前記酸素の含有量を少なくさせたことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  3. 前記位相シフト層のうち、前記第1層は、前記第1層より下の層よりも酸素の含有量を多くさせたことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  4. 前記位相シフト層における前記第1層よりも下の層は、前記第1層に近いほど酸素の含有量を多くさせたことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  5. 前記透明基板の上にCrを主成分とする遮光層を形成する工程を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  6. 前記位相シフト層は、少なくとも前記第1層が、前記第2層よりも窒素の含有量が少ないことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  7. 前記位相シフト層の形成工程において、成膜雰囲気ガス中におけるCOガスの含有量を設定することで、前記第1層の前記酸素の含有量を、前記第1層より下の層よりも多くすることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  8. 前記位相シフト層のうち、前記第1層の反射率が19%以下となるように、前記酸素の含有量を制御したことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  9. 前記位相シフト層において、異なる波長の光が位相差をもつように各層の厚みが対応することを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  10. 明基板と、前記透明基板に重ねて形成され、少なくとも前記透明基板の表面に一定厚みで形成された部分を有するCrを主成分とし、300nm以上500nm以下の波長領域のいずれかの光に対して180°の位相差をもたせることが可能な多段の位相シフト層と、を有する位相シフトマスクであって、
    前記位相シフト層には、前記透明基板と平面視した境界部分を有する位相シフトパターン
    平面視した前記位相シフト層と前記透明基板との前記境界部分において、前記位相シフト層の厚みを多段に変化させた領域と、を有し、
    前記位相シフト層における最上段に位置する第1層は、前記第1層の下に位置しかつ前記第1層と面する第2層よりも酸素の含有量が多い
    ことを特徴とする位相シフトマスク。
  11. 前記位相シフト層の厚みが、g線、h線、i線の少なくとも一つにおいて位相差180°をもつように対応することを特徴とする請求項10に記載の位相シフトマスク。
  12. 請求項1から9のいずれか1項に記載の位相シフトマスクの製造方法に用いる位相シフトマスクの製造装置であって、
    位相シフト層を構成する各段を個別に形成する複数の成膜室を有し、前記位相シフト層のうち、最上段の層を成膜する成膜室は、前記最上段の層より下の層を形成する成膜室よりも、成膜雰囲気ガス中におけるCOガスの含有量が多くなるように制御することを特徴とする位相シフトマスクの製造装置。
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