JP5933395B2 - 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート、その製造方法、及び、容器 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート、その製造方法、及び、容器 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート、その製造方法、及び、容器に関する。
熱可塑性ポリエステル系樹脂は、剛性や耐熱性に優れており、熱可塑性ポリエステル系樹脂を発泡させることにより、断熱性を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート(以下、単に「発泡シート」ともいう。)を作製することができることが知られている(例えば、特許文献1)。
特開平8−3358号公報
しかしながら、従来の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートについて金型等を用いて深絞り成形(例えば、深絞り率:1.0)を試みても、発泡シートが破れる等して成形できない場合がある。
また、発泡シートが破れずに成形できたとしても、発泡シートが充分に延伸されず成形品に薄い部分が生じる場合がある。薄い部分が生じると、機械強度が低いものとなるという問題がある。
従って、従来の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートでは、機械強度に優れた深絞り容器を作製することが困難であった。
即ち、従来の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、深絞り成形性が十分ではなかった。
本発明は、上記問題点に鑑み、深絞り成形性に優れた熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを提供することを一の課題とし、機械強度に優れた容器を提供することを他の課題とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、数平均分子量が20,000〜45,000であり且つ固有粘度が0.8〜1.1である熱可塑性ポリエステル系樹脂を用い、更に、得られる熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が250,000〜800,000であることにより、深絞り成形性に優れた熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを得ることができることを見出し、本発明を想到するに至った。
即ち、本発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂を溶融し、溶融した該熱可塑性ポリエステル系樹脂と、架橋剤と、発泡剤とを混合して発泡性混合物を得、該発泡性混合物を発泡させることで熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを得る発泡工程を備えており、前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の数平均分子量が20,000〜45,000であり、前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.8〜1.1であり、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が250,000〜800,000であることを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法にある。
また、本発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂を溶融し、溶融した該熱可塑性ポリエステル系樹脂と、架橋剤と、発泡剤とを混合して発泡性混合物を得、該発泡性混合物を発泡させることで熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを得る発泡工程を実施することにより得られ、前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の数平均分子量が20,000〜45,000であり、前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.8〜1.1であり、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が250,000〜800,000であることを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートにある。
また、本発明は、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを深絞り率1.0以上で深絞り成形して得られることを特徴とする容器にある。
本発明によれば、深絞り成形性に優れた熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを提供することができる。また、機械強度に優れた容器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本実施形態のアクリル系樹脂発泡シートの製造方法について説明する。
本実施形態のアクリル系樹脂発泡体の製造方法は、熱可塑性ポリエステル系樹脂を溶融し、溶融した該熱可塑性ポリエステル系樹脂と、架橋剤と、発泡剤とを混合して発泡性混合物を得、該発泡性混合物を発泡させることで熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート(以下、「発泡シート」ともいう。)を得る発泡工程を備えている。
該発泡工程では、溶融した熱可塑性ポリエステル系樹脂どうしが前記架橋剤によって架橋反応し、得られる熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量を測定した値が高いものとなる。
前記熱可塑性ポリエステル系樹脂とは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称である。
前記熱可塑性ポリエステル系樹脂は、例えば、ジカルボン酸成分とグリコール成分を縮重合させることによって得られるものである。
なお、本明細書において熱可塑性とは、加熱すると塑性を示して自由な変形が可能となり、また、冷却すると再び硬くなる性質を意味する。
熱可塑性ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などが挙げられる。
また、熱可塑性ポリエステル系樹脂を構成するグリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコールなどが挙げられる。
本実施形態における発泡シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂としては上述のジカルボン酸成分、グリコール成分の中でも特にテレフタル酸とエチレングリコールを用いて成るポリエチレンテレフタレート樹脂が汎用性に優れ好ましく用いられる。
また、熱可塑性ポリエステル系樹脂の原料としては、分子構造中にカルボキシル基とヒドロキシル基とを有し、自己縮重合によってポリエステルを形成するヒドロキシ酸、たとえばグリコール酸、乳酸などの脂肪族ヒドロキシ酸を採用することもできる。
また、ポリD−乳酸樹脂、ポリL−乳酸樹脂、ポリD−乳酸とポリL−乳酸との共重合体であるポリDL−乳酸樹脂、ポリD−乳酸樹脂とポリL−乳酸樹脂との混合物(ステレオコンプレックス)、ポリD−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリD−乳酸又はポリL−乳酸と脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールとの共重合体などといったポリ乳酸樹脂もポリエチレンテレフタレート樹脂と同様に汎用性に優れ好ましく用いられる。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリ乳酸樹脂については、耐熱性や成形性を損ねない範囲で、他のジカルボン酸成分、またはグリコール成分を分子内に導入(共重合)させても良い。
また、熱可塑性ポリエステル系樹脂を2種以上併用しても良い。
前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の数平均分子量は、20,000〜45,000、好ましくは23,000〜40,000、より好ましくは26,000〜36,000である。
本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法は、該数平均分子量が20,000以上であることにより、溶融させるために熱可塑性ポリエステル系樹脂を加熱した際に分解物が生じ難くなり、得られる発泡シートに該分解物が付着し難くなる。よって、発泡状態が良好な発泡シートを得ることができるという利点がある。また、熱可塑性ポリエステル系樹脂と架橋剤との反応によって、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量を250,000〜800,000にさせやすい。
また、本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法は、該数平均分子量が45,000以下であることにより、熱可塑性ポリエステル系樹脂と架橋剤との反応によって、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が過剰に高くなり難く、発泡性の低下や溶融粘度の増加による押出安定性の低下が起こり難いという利点がある。また、熱可塑性ポリエステル系樹脂と架橋剤との反応によって、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量を250,000〜800,000にさせやすい。
なお、前記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて内部標準法にて測定した、ポリスチレン(PS)換算平均分子量を意味する。
前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度は、0.8〜1.1、好ましくは0.82〜0.95、より好ましくは0.83〜0.88である。
本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法は、該固有粘度が0.8〜1.1であることにより、押出発泡性と押出安定性に優れるとともに、得られる発泡シートが機械強度に優れたものとなるという利点を有する。
なお、前記固有粘度は、JIS K 7367−5(2000)に準じて測定したものを意味する。
前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の全末端基に占めるヒドロキシル末端基の割合(以下、「ヒドロキシル基比率」ともいう。)は、好ましくは20%以上、より好ましくは50%〜80%である。
本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法は、該ヒドロキシル基比率が50%〜80%であることにより、前記発泡工程において、熱可塑性ポリエステル系樹脂どうしの架橋反応が進行しやすくなる。よって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量を所望の値に制御することが容易になるという利点を有する。
なお、前記ヒドロキシル基比率は、以下のようにして求めたものを意味する。
即ち、熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度より算出した全末端基数から、中和適定法により測定した末端カルボキシル基数を差し引くことにより、末端ヒドロキシル基数を求める。そして、末端ヒドロキシル基数を全末端基数で割ることにより、ヒドロキシル基比率を求める。
また、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートが環境適合性に優れるという利点があるので、前記溶融工程で用いる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の植物度は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、特に好ましくは20%以上である。
なお、前記植物度は、ASTM(米国材料試験協会:American Society for Testing and Materials) D 6866によって求めたものを意味する。
前記発泡工程で用いる架橋剤としては、特に限定されず、例えば、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などの1分子中に二個以上の酸無水物基を有する酸無水物;ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルオルトフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添BP−Aジグリシジルエーテル、2、2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどの1分子中に二個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物;オキサゾリン化合物;オキサジン化合物などが挙げられる。
該架橋剤としては、熱可塑性ポリエステル系樹脂との反応性に優れ、Z平均分子量を調整し易いことから、上記酸無水物が好ましく、無水ピロメリット酸が特に好ましい。なお、架橋剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
前記発泡工程では、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂100質量部に対して前記架橋剤を、好ましくは0.16〜0.5質量部、より好ましくは0.18〜0.4質量部混合させる。
前記熱可塑性ポリエステル系樹脂100質量部に対して前記架橋剤を0.16質量部以上混合させることにより、前記発泡工程での熱可塑性ポリエステル系樹脂の架橋反応を促進させることができる。よって、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量を高めることができる。従って、押出発泡時の発泡性混合物の粘度を高めることができ、押出発泡しやすくするという利点や熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの深絞り成形性が向上するという利点がある。
また、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂100質量部に対して前記架橋剤を0.5質量部以下混合させることにより、前記発泡工程での熱可塑性ポリエステル系樹脂の過剰な架橋反応を抑制させることができる。よって、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が高まり過ぎるのを抑制することができる。よって、押出発泡時の発泡性混合物の粘度が過剰に高くなることを防止できる。従って、押出発泡の際に用いる押出機への負荷を抑制でき、押出発泡しやすくするという利点がある。
前記発泡工程で用いる前記発泡剤としては、ブタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン等の脂肪族炭化水素やシクロペンタン、シクロへキサン等の脂環族炭化水素、および、炭酸ガス、窒素等の不活性ガスが挙げられる。
前記発泡工程では、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂100質量部に対して前記発泡剤を、好ましくは0.5〜8.0質量部、より好ましくは0.7〜5.0質量部混合させる。
前記発泡性混合物は、気泡核剤等を備えてもよい。
該気泡核剤としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、ガラスビーズなどの無機化合物;ポリテトラフルオロエチレン、アゾジカルボンアミドなどの有機化合物;炭酸水素ナトリウムとクエン酸との混合物;窒素などの不活性ガスなどが挙げられる。
前記発泡工程では、前記発泡性混合物の材料を押出機に入れて発泡性混合物とし、押出機の先端に取り付けたダイから該発泡性混合物を押出発泡させて発泡シートを作製する。
前記ダイとしては、押出発泡において汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、Tダイ、環状ダイなどが挙げられる。
前記ダイとしてTダイを用いる場合には、押出機からシート状に前記発泡性混合物を押出発泡することによって発泡シートを製造することができる。
一方、前記ダイとして環状ダイを用いる場合には、環状ダイから円筒状に前記発泡性混合物を押出発泡して円筒状体を製造し、この円筒状体を徐々に拡径した上で冷却マンドレルに供給して冷却した後、円筒状体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断し切り開いて展開することによって発泡シートを製造することができる。なお、環状ダイの開口部における内側ダイの外径と、冷却マンドレルの押出機側端部の外径との比(冷却マンドレルの押出機側端部の外径/内側ダイの外径)、所謂、ブローアップ比は、2.5〜3.5が好ましい。
本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法は、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量を測定した値が250,000〜800,000、好ましくは250,000〜600,000、より好ましくは300,000〜500,000である。
前記Z平均分子量を測定した値が250,000以上であることにより、押出発泡時においても熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が高いものとなる。よって、長鎖分岐による絡み合いの相互作用が生じ、押出発泡時に熱可塑性ポリエステル系樹脂の張力が高いものとなるという利点がある。また、前記Z平均分子量を測定した値が250,000以上であることにより、発泡シートを深絞り成形させた時には、長鎖分岐による絡み合いの相互作用が生じ、成形した容器に破れや薄肉化が生じ難いものとなるという利点がある。また、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの機械強度が高くなるという利点がある。
また、前記Z平均分子量を測定した値が800,000以下であることにより、押出発泡時における熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が高くなりすぎず、押出機を用いた押出発泡の際の押出機への負荷を抑制できるという利点がある。
なお、前記Z平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて内部標準法にて測定した、ポリスチレン(PS)換算平均分子量を意味する。
本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法は、前記発泡工程前に、熱可塑性ポリエステル系樹脂を乾燥する乾燥工程を実施してもよい。
前記乾燥工程は、乾燥した気体の雰囲気の下で熱可塑性ポリエステル系樹脂を加熱して乾燥させる工程である。
該気体としては、空気などを用いることができる。
乾燥した気体としては、露点が−10℃以下の気体が好ましく、また、露点が−20〜−30℃の気体がより好ましい。
前記乾燥工程での加熱温度は、熱可塑性ポリエステル系樹脂が溶融する温度未満であり、好ましくは100〜150℃、より好ましくは120〜130℃である。
また、前記乾燥工程での加熱時間は、加熱温度にもよるが、好ましくは3〜8時間、より好ましくは4〜6時間である。
本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法は、該乾燥工程を実施することにより、発泡工程で溶融させた熱可塑性ポリエステル系樹脂が加水分解により低分子量化することを防ぎ、また、熱可塑性ポリエステル系樹脂に架橋剤を添加した際に期待される架橋反応が水の存在により阻害されることを防ぐことができるという利点を有する。
次に、本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートについて説明する。
本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、熱可塑性ポリエステル系樹脂を溶融し、溶融した該熱可塑性ポリエステル系樹脂と、架橋剤と、発泡剤とを混合して発泡性混合物を得、該発泡性混合物を発泡させることで発泡シートを得る発泡工程を実施することにより得られる発泡シートである。
また、前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の数平均分子量が20,000〜45,000である。
さらに、前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.8〜1.1である。
また、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が、250,000〜800,000である。
さらに、該発泡シートの厚みは、0.5〜3mmが好ましい。該発泡シートは、厚みが0.5mm以上であることにより、成形した際に薄肉状態になり難く、機械強度が高い成形品(容器)を得ることができる。
また、該発泡シートの見掛け密度は0.1〜0.5g/cm3 が好ましい。該発泡シートは、見掛け密度が0.1g/cm3 以上であることにより、該発泡シートを成形した際に機械強度が高い成形品(容器)を得ることができる。また、該発泡シートは、見かけ密度が0.5g/cm3 以下であることにより、軽量性及び断熱性に優れたものとなる。
ここで、上記「熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの見掛け密度」は、発泡シートから試験片を切り出して、試験片の体積及び重量を測定し、重量を体積で除すことで得られる値である。
次に、本実施形態に係る容器について説明する。
本実施形態に係る容器は、本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを深絞り率1.0以上で深絞り成形して得られる容器である。
深絞り成形は、雄型と雌型とを用いて行う。
深絞り成形の深絞り率は、1.0以上、好ましくは1.0〜1.5、より好ましくは1.0〜1.3である。
なお、深絞り率は下記式で求めたものを意味する。
深絞り率 = 容器の深さの内寸 / 容器の開口部の内寸であって開口部の中心を通り且つ最も短い長さ
なお、前記開口部の中心は、開口部の形状における重心を意味する。
容器の開口部の内寸であって開口部の中心を通り且つ最も短い長さとは、例えば、容器の開口部が円形の場合は、その円の直径を意味し、また、例えば、容器の開口部が長方形の場合は、短辺の長さを意味する。
尚、本実施形態に係る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート、容器、及び、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法は、上記構成を有するものであったが、本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート、容器、及び、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
(評価)
発泡シートについて各種の評価を行った事例を示す。
まず、熱可塑性ポリエステル系樹脂の物性、発泡シートの物性、及び、発泡シートの評価方法について説明する。
(熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度)(固有粘度は極限粘度ともいう)
熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度(IV値)は、JIS K 7367−5(2000)に準じて測定を行った。
具体的には、以下のようにして測定を行った。
(1)試料の前処理
粉砕機で熱可塑性ポリエステル系樹脂の各試料を粉砕し、これを乾燥(40℃、真空引き、15時間)した。
(2)試料溶液の調製
前処理した試料0.10000gを20mLのメスフラスコに入れ、該メスフラスコに混合溶媒(フェノール50質量%、1,1,2,2−テトラクロロエタン50質量%)を約15mL入れた。該メスフラスコをホットプレート上に置き加熱(130℃前後)し、試料を溶解させた。溶解後、放冷して20mLに容量調製し試料溶液(濃度は、0.500g/100mL)にした。
(3)測定
試料溶液8mLをホールピペットで粘度計に入れ、水槽(25.0℃)を使用して温度を安定させた後、ストップウォッチで流下時間を測定した。
試料溶液を希釈すべく、順次粘度計内に混合溶媒8mLを入れてよく混合し希釈した試料溶液を作製した。そして、希釈した試料溶液の流下時間を希釈していない試料溶液とは別に測定した。
(4)計算
混合溶媒の流下時間(t0 )、試料溶液の流下時間(t)、及び、試料溶液中における熱可塑性ポリエステル系樹脂の濃度Cから以下を算出した。
相対粘度(ηr) = t/t0
比粘度(ηsp) = (t―t0 )/t0 =ηr―1
還元粘度 = ηsp/C
濃度C(g/100mL)を種々に変えた試料溶液の測定結果から、縦軸を還元粘度とし、横軸を濃度としてグラフ化を行い、得られた直線関係をC=0に外挿した縦軸切片からIV値[η]を求めた。
[η]=lim(ηsp/C)
C0
(熱可塑性ポリエステル系樹脂のヒドロキシル基比率)
熱可塑性ポリエステル系樹脂のヒドロキシル基比率は、以下のようにして求めた。
まず、熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度より算出した全末端基数から、中和適定法により測定した末端カルボキシル基数を差し引くことにより、末端ヒドロキシル基数を求めた。そして、末端ヒドロキシル基数を全末端基数で割ることにより、ヒドロキシル基比率を求めた。
全末端基数は、以下のようにして求めた。即ち、まず、前述の固有粘度(極限粘度)Yから次の式により平均分子量Mnを求めた。
Mn = {Y/(3.07×10-4)}1/0.77
次に、Mnの値から熱可塑性ポリエステル系樹脂106 gあたりの全末端基数を次の式から求めた。
全末端基数(eq/T)=106 /Mn×2
また、末端カルボキシル基数は、以下(1)〜(3)より求めた。
(1)試料の前処理
熱可塑性ポリエステル系樹脂の試料を乾燥器で乾燥処理(40℃,一夜,真空引き)したものを測定試料とした。
(2)滴定液の調製
水酸化ナトリウムのエタノール溶液を調製して滴定液を作製した。そして、滴定液における水酸化ナトリウムの濃度を決定すべく、滴定液を塩酸で滴定して濃度を決定した。濃度は、0.02N(または0.02mol/L)であった。水酸化ナトリウムのファクターは、0.984であった。
(3)測定
秤量した測定試料約100mgとベンジルアルコール10mLとを容器(攪拌羽根及び冷却器を装着した容器)に入れ、窒素雰囲気下で200℃油浴中で溶解させた。
次に、該容器内にフェノールレッドを入れ、前記滴定液(水酸化ナトウム溶液)で滴定を行った。また、試料を加えない空試験についても同様に測定を行った。滴定量の値から、下記の計算式でカルボキシル基の量を求めた。
カルボキシル基(eq/g)=[(T1 −T2 )×C×F/W]/1000
1 :試料の滴定量(mL)
2 :空試験の滴定量(mL)
C:滴定液における水酸化ナトリウムの濃度(ここでは0.02N)
F:水酸化ナトリウムのファクター(ここでは0.984)
W:試料量(g)
そして、全末端基数と、末端カルボキシル基数との単位を揃え、全末端基数から末端カルボキシル基数を差し引くことにより、末端ヒドロキシル基数を求めた。
次に、末端ヒドロキシル基数を全末端基数で割ることにより、ヒドロキシル基比率を求めた。
(数平均分子量およびZ平均分子量)
<常温GPC−クロロホルム−UV検出器バージョン−PET>
熱可塑性ポリエステル系樹脂の数平均分子量およびZ平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて内部標準法にて測定した。なお、ここでの数平均分子量およびZ平均分子量は、ポリスチレン(PS)換算平均分子量を意味する。
具体的には、熱可塑性ポリエステル系樹脂の試料約5mgにHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)0.5mLを加え、その後、0.1質量%BHT(ブチルヒドロキシトルエン)入りクロロホルム0.5mLを加え、軽く振とうし、5hr程度放置して溶解したことを確認後、0.1質量%BHT入りクロロホルムで10mLに希釈して軽く振とう混合し、非水系0.45μmクロマトディスクで濾過し、ろ液を測定に供した。測定に用いた装置や測定条件は以下に示す。
HLC-8320GPC専用データ解析プログラムGPCワークステーション(EcoSEC-WS)にて予め作成しておいた標準ポリスチレンの検量線から試料の数平均分子量およびZ平均分子量を求めた。
使用装置:東ソー 高速GPC装置HLC-8320GPC EcoSECシステム(RI検出器 UV検出器内蔵)
ガードカラム:TOSOH TSK guardcolumn HXL-H(6.0mmI.D.×4.0cm)×1本
カラム:(リファレンス側)TOSOH TSKgel Super H-RC(6.0mmI.D.×15cm)×2本
(サンプル側)TOSOH TSKgel GMHXL(7.8mmI.D.×30cm)×2本
カラム温度:40℃
移動相:クロロホルム
移動相流量:S.PUMP 1.0mL/min
R.PUMP 0.5mL/min
検出器:UV検出器
波長:254nm
注入量:15μL
測定時間:10−32min
ランタイム:23min
サンプリングピッチ:500msec
検量線用標準ポリスチレン試料は、重量平均分子量が5,620,000、3,120,000、1,250,000、442,000、131,000、54,000、20,000、7,590、3,450、1,320のものであって、昭和電工社製の商品名「shodex」のものを用いた。
検量線の作成方法は、以下のようにして作成した。即ち、上記検量線用標準ポリスチレンをA(5,620,000、1,250,000、131,000、20,000、3,450),B(3,120,000、442,000、54,000、7,590、1,320)にグループ分けし、A(5,620,000、1,250,000、131,000、20,000、3,450)の各試料を順に(2mg、3mg、4mg、10mg、10mg)秤量後、0.1質量%BHT(ブチルヒドロキシトルエン)入りクロロホルム30mLに溶解、B(3,120,000、442,000、54,000、7,590、1,320)の各試料を順に(3mg、4mg、8mg、10mg、10mg)秤量後、0.1質量%BHT (ブチルヒドロキシトルエン)入りクロロホルム30mLに溶解し、溶解した検量線用標準ポリスチレンを測定装置に50μL注入し測定を行った。そして、これらの保持時間から較正曲線(三次式)をHLC-8320GPC専用データ解析プログラム GPCワークステーション(EcoSEC-WS)にて作成し、平均分子量の測定に用いた。
(発泡シートの見掛け密度)
発泡シートの見かけ密度は、JIS K 7222:1999記載の方法に準拠した方法により測定した。具体的には、元のセル構造を変えないように切断した10cm3 以上の試験片について、その質量を測定し、次式により見かけ密度を算出した。
見かけ密度(g/cm3 )=試験片質量(g)/試験片体積(cm3
(発泡シートの引張最大点応力および引張弾性率)
発泡シートの引張最大点応力および引張弾性率は、JIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」記載の方法に準拠して測定した。
具体的には、以下のようにして求めた。
まず、発泡シートをダンベル形 タイプ1(ISO1798規定)の試験片にした。
次に、テンシロン万能試験機UCT−10T((株)オリエンテック製)、及び、万能試験機データ処理(UTPS−STDソフトブレーン(株)製)を用いて、該試験片の切断にいたるまでの最大荷重、引張応力−ひずみ曲線における初めの直線上の2点間の元の平均断面積による応力の差、及び、同じ2点間のひずみの差を測定した。この測定では、試験速度を500mm/minとし、つかみ具間隔を100mmとした。試験片の数は5個とした。
引張最大点応力および引張弾性率は次式により算出した。
T=F/(W×t)
T:引張最大点応力(MPa)
F:切断にいたるまでの最大荷重(N)
W:試験片の幅(mm)
t:試験片の厚さ(mm)
また、引張弾性率は次式により算出した。
Figure 0005933395
(発泡シートの引裂強さ)
発泡シートの引裂強さは、以下のようにして求めた。
まず、発泡シートをJIS K6767:1999に定める試験片にした。
次に、JIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」により、テンシロン万能試験機UCT−10T((株)オリエンテック製)、及び、万能試験機データ処理(UTPS−STDソフトブレーン(株)製)を用いて、該試験片の切断にいたるまでの最大荷重を測定した。この測定では、試験速度を500mm/minとし、チャック間隔を50mmとした。
そして、下記式により、引裂強さを求めた。
引裂強さ(N/cm) = 切断にいたるまでの最大荷重(N)/試験片厚さ(cm)
(発泡シートの深絞り成形性の評価)
発泡シートの深絞り成形性の評価は、以下のようにして行った。
まず、開口部の直径が100mmで深さ100mmの円筒形の成型金型(深絞り率 = 1.0)を用いて深絞り成形を10回行った。
成型回数10回の内で破れや薄肉状態(発泡シートの成形前厚みに比べて5%未満の厚みとなる部分が生じた状態)が生じたか否か確認し、発泡シートの深絞り成形性の評価を行った。
具体的には、破れや薄肉状態が観察されない良好な成形品が成型10回中全てで得られるシートの成型性を○と評価した。また、上記以外のシート、つまり成型10回中で破れや薄肉状態が1回以上確認されるシートの成型性を×と評価した。
(実施例1)
まず、熱可塑性ポリエステル系樹脂(使用樹脂)としてのポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう。)(三井化学社製 SA−135)(IV値:0.88、ヒドロキシル基比率:54%、Mn:26,000)を除湿乾燥機に入れ、該除湿乾燥機内に露点が−30℃である空気を循環させながら、PETを該除湿乾燥機内で130℃の温度条件で4時間乾燥した。
そして、乾燥したPET100質量部に、タルク粉末1.83質量部と、架橋剤としての無水ピロメリット酸0.18質量部とを加えて混合物を得た。
次に、この混合物を押出機(口径:65mm、L/D:35)に入れ、該押出機のスクリューの回転数を30rpmにして混合物を混練し、押出機バレルの途中から発泡剤としてのブタンを混合物中に圧入させることで、混合物100質量部に対してブタン1質量部となるように混合物にブタンを混合し、発泡性混合物を得た。このとき押出機は、供給部を270℃に、圧縮部を300℃に、溶融部を265℃に、ヘッド部を275℃に維持した。
そして、前記押出機先端に取り付けたサーキュラーダイ(280℃に温度調節された直径70mmの円環状の吐出口(吐出口の開口幅0.45mm)を有するもの)から29kg/hの吐出量で前記発泡性混合物を押出することで押出発泡を実施し、円筒状体を得た。
次に、冷却用マンドレル(外径:200mm)により前記円筒状体を拡径(ブローアップ比:2.9)しつつ前記円筒状体を冷却した。
そして、前記円筒状体を展開して、発泡シートを作製した。
(実施例2)
乾燥したPET100質量部に加える無水ピロメリット酸の量を0.24質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを作製した。
(実施例3)
乾燥したPET100質量部に加える無水ピロメリット酸の量を0.30質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを作製した。
(実施例4)
乾燥したPET100質量部に加える無水ピロメリット酸の量を0.36質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを作製した。本実施例では、押出機スクリュー回転数の設定が同じであったが押出圧力が高くなり、実施例1と比べて吐出量が約3重量%減少した。
(実施例5)
熱可塑性ポリエステル系樹脂として、PET(Honam社製 BCB80)(IV値:0.83、ヒドロキシル基比率:63%、Mn:36,000)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、発泡シートを作製した。
(比較例1)
熱可塑性ポリエステル系樹脂として、PET(三井化学社製 J005)IV値:0.63、ヒドロキシル基比率:30%、Mn:20,000)を用いたこと、前記除湿乾燥機でPETを乾燥させる前に、結晶化装置で4時間かけてPETの結晶化を十分に促進させたこと以外は、実施例2と同様にして、発泡シートを作製した。
(比較例2)
乾燥したPET100質量部に加える無水ピロメリット酸の量を0.15質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを作製した。
試験結果を表1に示す。
Figure 0005933395
表1に示すように、本発明の範囲内である実施例1〜5の発泡シートは、IV値が0.62である熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いて得られ且つZ平均分子量が220,000である比較例1の発泡シート、及び、Z平均分子量が240,000である比較例2の発泡シートに比べて、深絞り成形しても破れが生じず且つ薄肉した部分が生じなかった。
従って、本発明によれば、深絞り成形性に優れた熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを提供することができることがわかる。
また、本発明の範囲内である実施例1〜5の発泡シートは、比較例1の発泡シートに比べて、引張最大点応力が高く、引張弾性率が高く、引裂強さが高かった。

Claims (5)

  1. 熱可塑性ポリエステル系樹脂を溶融し、溶融した該熱可塑性ポリエステル系樹脂と、架橋剤と、発泡剤とを混合して発泡性混合物を得、該発泡性混合物を発泡させることで熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを得る発泡工程を備えており、
    前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の数平均分子量が20,000〜45,000であり、
    前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.8〜1.1であり、
    前記熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が250,000〜800,000であることを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法。
  2. 前記架橋剤が、1分子中に二個以上の酸無水物基を有する酸無水物であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法。
  3. 前記発泡工程では、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂100質量部に対して前記架橋剤を0.16〜0.5質量部混合させる請求項1又は2に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法。
  4. 熱可塑性ポリエステル系樹脂を溶融し、溶融した該熱可塑性ポリエステル系樹脂と、架橋剤と、発泡剤とを混合して発泡性混合物を得、該発泡性混合物を発泡させることで熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを得る発泡工程を実施することにより得られ、
    前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の数平均分子量が20,000〜45,000であり、
    前記発泡工程で前記溶融させる前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.8〜1.1であり、
    前記熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを形成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のZ平均分子量が250,000〜800,000であることを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート。
  5. 請求項4に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを深絞り率1.0以上で深絞り成形して得られることを特徴とする容器。
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