JP5930932B2 - ヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、十分に着色が抑制されたヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液を提供することを目的とするものである。
すなわち本発明は、(1)マレイン酸(塩)および/または無水マレイン酸と過酸化水素とをタングステン酸(塩)と水の存在下で反応させてエポキシコハク酸(塩)水溶液を製造する工程と、(2)上記エポキシコハク酸(塩)水溶液をpH9.0〜12.0に調整し、pH調整後の過酸化水素濃度を100ppm以下に調整する工程と、(3)上記(2)で得られたエポキシコハク酸(塩)とアスパラギン酸(塩)とを水の存在下で反応させる工程と、を含んで製造される、ヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
上記金属原子としては、カリウム原子、ナトリウム原子等のアルカリ金属原子が好ましい。
本発明のヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液における水の含有量としては、20〜99質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましく、40〜70質量%であることがさらに好ましい。
本発明のヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液は、水以外の溶媒を含んでいても良く、例えばメタノール、エタノール等のアルコール、ジオキサン等である。すなわち、本発明においては有機溶剤等を含んでいても「水溶液」に含まれる。本発明のヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液に含まれる溶媒の全量に対して、水の割合が80〜100質量%であることが好ましい。
上記反応溶媒としては、水を必須とし、有機溶媒を含んでいても良いが、全反応溶媒に対する水の割合が80〜100質量%であることが好ましい。触媒としては、タングステン酸および/またはその塩(タングステン酸(塩)という)を必須とするものであるが、他の触媒、例えばモリブデン酸、モリブデン酸の塩等を含んでも良い。
ここで「調整する」とは、pH調整後の過酸化水素濃度が上記範囲を超えていれば、加熱により過酸化水素を分解させること等を意味するが、pH調整後の過酸化水素濃度が上記範囲内であれば、何もしないことをも含む。
また、遊離のヒドロキシイミノジコハク酸は、本粗製品または溶媒含有粗製品から既知の方法により、例えば塩酸、硫酸等の酸を添加することによって得ることができる(以下、本発明のヒドロキシイミノジコハク酸という)。
本発明のヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液(b)は、好ましくは上記に記載の製造方法で製造される。本発明のヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液(b)の態様や好ましい態様は、好ましくは上記本発明のヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液と同様である。
本発明のヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液または本発明のヒドロキシイミノジコハク酸(塩)は、任意の適切な用途に用いることができる。その用途の一例を挙げれば、洗剤用ビルダー、自動食器洗浄機用金属補足剤、重金属補足剤、各種無機物や有機物の分散剤、凝集剤、増粘剤、粘着剤、接着剤、表面コーティング剤、架橋性組成物等であり、より具体的には、泥土分散剤、金属微粒子分散剤、カーボンブラック分散剤、スケール防止剤、金属表面処理剤、染色助剤、染料定着剤、泡安定剤、乳化安定剤、インク染料分散剤、水性インク安定剤、塗料用顔料分散剤、塗料用シックナー、感圧接着剤、紙用接着剤、スティック糊、医療用接着剤、貼付剤用粘着剤、化粧パック用粘着剤、樹脂用フィラー分散剤、樹脂用親水化剤、記録紙用コーティング剤、インクジェット紙用表面処理剤、感光性樹脂用分散剤、帯電防止剤、保湿剤、肥料用バインダー、医薬錠剤用バインダー、樹脂相溶化剤、写真薬添加剤、化粧用調剤添加剤、整髪料助剤、ヘアスプレー添加剤、サンスクリーン組成物用添加剤等に用いられる。
JIS K0071−1に記載の方法で測定した。
カラム:ODS−80TM(東ソー株式会社製)
移動相:5mMりん酸二水素アンモニウム水溶液(pH=2.4)
移動相流速:0.5ml/min
検出:UV(210nm)
カラム温度:20℃
<過酸化水素の定量方法>
測定機器:RQフレックス(MERCK社製)
試験紙:リフレクトクァント過酸化物テスト(MERCK社製)。
(エポキシ化反応)
攪拌機、温調を備えたガラス製反応器に、水567.7g、無水マレイン酸174.7gを仕込んだ後、48%NaOH205.6gを滴下した。これにタングステン酸ナトリウム2水和物1.2gを添加し、70℃、260hPaに調整した。
圧力260hPa、温度70℃に到達したところで35%過酸化水素173.1gを滴下し反応を開始させた。(過酸化水素の滴下開始時点を反応開始とする)反応開始後、48%NaOH水溶液を加えてpHを4.5〜5.5にコントロールしながら60分保った。次いで、反応液を80℃に昇温して反応を継続させ、反応開始から3時間経過したところで解圧して温度をさげて反応を終了させた。
エポキシ化反応終了後に、過酸化水素濃度を測定し必要に応じて過酸化水素を添加して、表1に示す過酸化水素濃度に調製した(この時の過酸化水素濃度とハーゼンを表1、(1)、(2)にそれぞれ示した)。その後、40℃で表1に示すpHになるように48%水酸化ナトリウムを加え、エポキシコハク酸二ナトリウム水溶液を得た(この時の過酸化水素濃度とpH、ハーゼンを表1、(3)、(4)、(5)にそれぞれ示した)。
(L−アスパラギン酸二ナトリウム水溶液の調製)
攪拌機、温調を備えた2LSUS316製反応器に、48%水酸化ナトリウム水溶液252.6gにL−アスパラギン酸209.5gを加えてLーアスパラギン酸二ナトリウム水溶液を調整した。
(ヒドロキシイミノジコハク酸ナトリウムの合成)
L−アスパラギン酸二ナトリウム水溶液462.1gと上記エポキシコハク酸二ナトリウム水溶液924.9gとを混合し、SUS316製の反応容器に仕込んだ。なお、上記混合時の混合液のハーゼンを表1(6)に示した。
上記反応液を、300hPa、沸点下で水を留去しながら7時間反応させた。留去した水は377.4gだった。その後、大気圧下、80℃で2時間熟成し、ヒドロキシイミノジコハク酸ナトリウム(以下、HIDSともいう)水溶液を得た。HIDS水溶液のハーゼンを表1(7)に示した。
エポキシコハク酸二ナトリウム水溶液の過酸化水素濃度、pHを表1に示す通り調節する以外は、実施例1と同様にして、HIDS水溶液を得た。HIDS水溶液のハーゼンを表1に示した。
Claims (2)
- (1)マレイン酸(塩)および/または無水マレイン酸と過酸化水素とをタングステン酸(塩)と水の存在下で反応させてエポキシコハク酸(塩)水溶液を製造する工程と、
(2)アルカリ化合物の添加により上記エポキシコハク酸(塩)水溶液をpH9.0〜12.0に調整し、pH調整後の過酸化水素濃度を100ppm以下に調整する工程(但し、マレイン酸塩と過酸化水素とを反応させて得られるシス−エポキシコハク酸塩含有液を活性炭と接触させることで、該液中の過酸化水素を除去する工程を除く)と、
(3)上記(2)で得られたエポキシコハク酸(塩)とアスパラギン酸(塩)とを水の存在下で反応させる工程と、を含む、
ヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液の製造方法。 - (1)マレイン酸(塩)および/または無水マレイン酸と過酸化水素とをタングステン酸(塩)と水の存在下で反応させてエポキシコハク酸(塩)水溶液を製造する工程と、
(2)アルカリ化合物の添加により上記エポキシコハク酸(塩)水溶液をpH9.0〜12.0に調整し、pH調整後の過酸化水素濃度を100ppm以下に調整する工程(但し、マレイン酸塩と過酸化水素とを反応させて得られるシス−エポキシコハク酸塩含有液を活性炭と接触させることで、該液中の過酸化水素を除去する工程を除く)と、
(3)上記(2)で得られたエポキシコハク酸(塩)とアスパラギン酸(塩)とを水の存在下で反応させる工程と、を含む、
ハーゼンが1以上、200以下である、
ヒドロキシイミノジコハク酸(塩)水溶液の製造方法。
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