JP4963022B2 - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ化合物の製造方法に関する。より詳しくは、各種工業原料等に好適に用いることができるエポキシ化合物の製造方法に関する。
エポキシ化合物は、種々の工業原料として好適に用いることができる工業的に優れた原料の一つであり、エポキシ化合物を原料として、例えば、キレート化合物を得ることができる。キレート化合物は、有機キレート剤、スケール防止剤、水処理剤、洗剤用ビルダー、漂白助剤、マスキング剤、繊維処理剤、紙・パルプ用添加剤、半導体洗浄剤、写真薬剤、土壌改質剤等の各種用途に好適に用いることができるものである。このような種々の用途において、キレート化合物を更に高品質なものとすることが求められており、その原料であるエポキシ化合物も、より高い品質のものが望まれていた。
エポキシ化合物の製造方法としては、例えば、シス−エポキシこはく酸アルカリ金属塩の製造方法に関し、マレイン酸もしくは無水マレイン酸を、過酸化水素と反応させてシス−エポキシコハク酸を製造する際、触媒(タングステン酸もしくはモリブデン酸)を0.02−0.15mol%使用し、反応温度を60−80℃、次いで少なくとも5℃以上昇温して2段階反応を行って製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、エポキシ化合物の製造方法に関し、金属反応容器中でエチレン化合物を過酸化水素によりエポキシ化して対応するエポキシ化合物を製造する際、反応終了直前における反応液中に過酸化水素が少なくとも2モル%(仕込みエチレン系化合物基準)残存する条件下で行うエポキシ化合物の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、エポキシ化合物及びヒドロキシイミノジコハク酸の製造方法に関し、エチレン化合物を過酸化水素によりエポキシ化して対応するエポキシ化合物を製造する際に、該エポキシ化反応を金属製反応系中で、かつ反応系中の気相部が接触する反応系内表面積(S:m)と反応系中の反応液量(V:m)とが式:0<S/V≦2(m/m)を満足するような条件下で行うエポキシ化合物の製造方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、これらの製造方法においては、高品質のエポキシ化合物が得られるようにしつつ、より経済的に優れた方法とすることによって、工業的に有用なエポキシ化合物を種々の用途において好適に適用できるようにするための工夫の余地があった。
特開平4−290879号公報(第1、2頁) 特開平9−132570号公報(第1、2頁) 特開平9−183773号公報(第1、2頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、工業的に優れた原料の一つであるエポキシ化合物を高い品質のものとし、高収率かつ着色を生じることなく製造でき、適用範囲の広い経済的に優れた方法で製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、エポキシ化合物の製造方法について種々検討したところ、エポキシ化工程で着色物質が生じていることに着目し、エポキシ化反応時にアセトアルデヒドが生成し着色の原因となることを見いだした。また、着色原因を特定できたことに起因して、定量的な着色抑制方法とすることができ、過酸化物の必要量を特定し、特定の時点で特定量の過酸化物を存在させると、着色の抑制が達成できることを見いだした。また、反応装置の適用範囲を拡大できることを見いだし、高品質のエポキシ化合物の製造方法を、経済的に優れた高収率のものとすることができることも見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。更に、エポキシ化合物を原料として、アミノ酸と反応させ、製造される化合物であるヒドロキシカルボン酸類、例えば、エポキシコハク酸をアスパラギン酸と反応させた場合に製造される化合物、3−ヒドロキシ−2,2−イミノジコハク酸は、着色が抑制された高品質なものとできることから、食品工業用洗浄剤用途、家庭用洗浄剤用途等の様々な用途に好適に適用することができることも見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、エチレン系化合物をエポキシ化反応によってエポキシ化する工程を含んでなるエポキシ化合物の製造方法であって、上記エポキシ化工程は、エチレン系化合物を含有する反応液の過酸化物含有量が、エポキシ化反応を終了させるときに反応液中に含有するアセトアルデヒドに対し、過酸化物/アセトアルデヒド>0.6の割合(モル比)となるようにするエポキシ化合物の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明は、エチレン系化合物をエポキシ化反応によってエポキシ化する工程を含んでなるエポキシ化合物の製造方法である。本発明において、エチレン系化合物とは、エチレン(CH=CH)の水素原子が置換されてなる化合物をいい、置換基を適宜選択することにより、種々のエポキシ化合物を製造することができる。
上記エポキシ化工程は、過酸化物を用いて、エチレン系化合物をエポキシ化して対応するエポキシ化合物を得る工程であって、エチレン系化合物を含有する反応液の過酸化物含有量が、エポキシ化反応を終了させるときに反応液中に含有するアセトアルデヒドに対し、過酸化物/アセトアルデヒド>0.6の割合(モル比)となるようにするものである。
上記エポキシ化に用いることができる過酸化物としては、過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過ハロゲン酸塩、ヒドロペルオキシ硫酸塩、過酢酸、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム等が好ましい。より好ましくは、過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩であり、更に好ましくは、過酸化水素である。エチレン系化合物のエポキシ化反応を工業的規模で実施する場合において、過酸化水素は、コストパフォーマンスに優れ、また、水溶液であるために取り扱いが容易であるため、好適に用いることができる。
上記過炭酸塩、過ホウ酸塩、過ハロゲン酸塩、ヒドロペルオキシ硫酸塩において、塩の形態としては、アルカリ金属塩が好適である。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩の形態が好適である。
上記「エポキシ化反応を終了させるとき」とは、アルカリ性物質を添加して、反応液のpHを調整するときを言う。上記アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の塩基性アルカリ金属塩等を挙げることができる。中でも水酸化アルカリ金属が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましく、水酸化ナトリウムが更に好ましい。なお、これらのアルカリ性物質は、使用上の観点から、水溶液の形態であることが好ましい。
上記過酸化物含有量は、エポキシ化反応を終了させるときに反応液中に含有するアセトアルデヒドに対し、過酸化物/アセトアルデヒド>0.6の割合(モル比)となるものである。過酸化物/アセトアルデヒドが0.6以下であると、着色を充分には低減することができないおそれがある。より好ましくは、0.8を超える割合であり、更に好ましくは、1を超える割合である。また、上限としては、過酸化物/アセトアルデヒド(モル比)が15未満であることが好ましい。15以上であると、コストパフォーマンスに優れず、経済的に不利となるおそれがある。より好ましくは、11.25未満であり、更に好ましくは、7.5未満である。
上記過酸化物/アセトアルデヒドの範囲としては、上述の下限値及び上限値の範囲に入るものであれば特に限定されず、例えば、15>過酸化物/アセトアルデヒド>0.6であることが好適である。このように、上記過酸化物含有量は、15>過酸化物/アセトアルデヒド>0.6の割合(モル比)となるようにするエポキシ化合物の製造方法もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
上記過酸化物含有量をエポキシ化反応を終了させるときにエチレン系化合物に対する割合で表すと、過酸化物含有量は、エポキシ化反応を終了させるときにエチレン系化合物100モル%に対し、2モル%未満となるようにすることが好ましい。2モル%以上であると、コストパフォーマンスに優れず、経済的に不利となるおそれがある。より好ましくは、1.5モル%未満であり、更に好ましくは、1.0モル%未満である。下限としては、0.07モル%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.10モル%以上であり、更に好ましくは、0.12モル%以上である。なお、過酸化物含有量は、エチレン系化合物100モル%に対する量であり、エチレン系化合物の総仕込み量に対する割合である。
本発明においては、このようにエポキシ化反応を終了させるときに、アセトアルデヒド1モルに対して過酸化物を0.6モルを超えて含有させることで、種々の用途に好適に用いることができる高品質のエポキシ化合物を高収率かつ着色を生じることなく得ることができる。
上記エポキシ化合物の着色の程度としては、ハーゼン値を指標とすることができる。ハーゼン値の測定方法は、JIS K0071−1記載の方法に従った。エポキシ化合物の着色の程度は、ハーゼン値の上昇により判断することができ、その上昇値としては、好ましくは100以下であり、より好ましくは70以下であり、更に好ましくは40以下である。
上記エポキシ化合物の着色に関し、従来、例えば、マレイン酸よりシスエポキシコハク酸を製造する際には、過酸化水素を添加することにより、着色が抑制されることは、定性的に知られていたが、本発明において、エポキシ化合物の製造時の着色原因がアセトアルデヒドであると特定することにより、定量的な着色抑制方法とすることができることを見いだした。すなわち、エポキシ化工程においては、通常、エポキシ化反応を終了させるときに、反応液のpHを調整するためにアルカリ性物質を添加する。その際に、エポキシ化反応時に生成したアセトアルデヒドが、アルドール反応により共役系の重合物を生成し、着色の原因となっていると考えられる。従って、反応終了直前(エポキシ化反応を終了させるとき)に過酸化物をアセトアルデヒドに対し一定量以上存在させることで着色を定量的に抑制することができる。この場合、アセトアルデヒドが反応終了直前に100ppm前後(10〜200ppm)含有していることが分かった。なお、アセトアルデヒドが100ppm含有している場合、アセトアルデヒドは、仕込みエチレン系化合物に対して、約0.12mol%存在していた。
上記エポキシ化工程におけるエポキシ化合物の着色は、上述のように、エポキシ化反応時にアセトアルデヒドが生成し着色の原因となっている。着色抑制に必要な過酸化水素の量をアセトアルデヒドに対する割合(モル比)で示すと、過酸化水素/アセトアルデヒドが0.6を超える割合(過酸化水素/アセトアルデヒド>0.6)であることが好ましい。より好ましくは、過酸化水素/アセトアルデヒドが0.8を超える割合(過酸化水素/アセトアルデヒド>0.8)であり、更に好ましくは、過酸化水素/アセトアルデヒドが1を超える割合(過酸化水素/アセトアルデヒド>1)である。
上記エポキシ化工程は、金属反応容器中で、反応系中の気相部が接触する反応系内表面積S(m)と反応系中の反応液量V(m)とが、式:S/V>2(m/m)を満たす条件下で行われることが着色抑制効果が非常に顕著に現れるため好ましい。すなわち、反応系中の気相部が接触する反応系内表面積をSmとし、反応系中の反応液量をVmとしたときに、S/V>2(m/m)を満たすことが好ましい。上記S/Vとしては、より好ましくは、S/V>5であり、更に好ましくは、S/V>10である。
上記において、「金属製反応容器」としては、ステンレス鋼製反応容器が好適に用いられる。例えば、SUS304、304L、316、316L等のステンレス鋼製の反応容器を挙げることができる。また、「反応系」とは、反応容器及び反応容器に設けられたパイプ、バルブ等を総称するものであり、上記の「反応系中の気相部が接触する反応系内表面積」とは、反応容器、パイプ、バルブ等気相部が接触する内表面積の合計を意味する。反応容器の内表面積は、パイプ、バルブ等の内表面積もその径及び長さから算出することができる。
従来は、反応系内表面積と反応液量とがS/V>2であると、反応時に気化して反応容器中の気相部のステンレス鋼製表面に接触する一部の過酸化水素の量が増加し、その結果ステンレス鋼の作用により分解する過酸化水素の量が増すため、関連して生成する副生物がエポキシ化合物中に残存し、着色するとともに、得られるエポキシ化合物の収率が低下するとされていた。本発明においては、上記S/V>2の範囲であっても、エチレン系化合物を含有する反応液の過酸化物含有量が、エポキシ化反応を終了させるときに反応液中に含有するアセトアルデヒドに対し、過酸化物/アセトアルデヒド>0.6の割合(モル比)となるようにすることにより、得られるエポキシ化合物の着色を抑えることができ、高品質のエポキシ化合物を得ることができる。
また上記において、S/Vを2以下とするためには、例えば、ステンレス製容器以外の容器(例えば、ガラス容器)を用いる必要があったり、気相部が接触するパイプ、バルブ等の反応系内表面をガラスライニング、樹脂ライニング、セラミックコーティング等を施して不動態化したりする必要が生じるおそれがあるが、本発明においては、S/V>2の範囲であっても、好適に本発明の作用効果を発揮できることから、工業的規模で実施する際にも好適に用いることができ、適用範囲の広い経済的に優れた方法とすることができる。
本発明のエポキシ化工程においては、通常、エチレン系化合物、反応媒体(例えば、水)、触媒等を反応容器に仕込んだ後に過酸化物を徐々に導入又は添加(例えば、滴下)して行うことが好ましい。上記方法では上記の式S/Vは、反応段階に応じて若干変わるが、本発明の方法によれば、全ての反応段階を通して、S/V>2であることが好ましい。S/V>2は、反応容器等の反応系内表面積等を求めた上で、反応媒体、エチレン系化合物及び過酸化物の使用量を調整することにより実現することができる。このように、上記金属反応容器中(S/V>2)でエチレン系化合物を過酸化物によりエポキシ化し、対応するエポキシ化合物を製造する際に、該エポキシ化反応をその終了直前における反応液中の過酸化物量が、反応液中に含有するアセトアルデヒドに対し、過酸化物/アセトアルデヒド>0.6の割合(モル比)となる条件下で行うエポキシ化合物の製造方法もまた、本発明の好ましい形態の一つである。また、上記、反応液中の過酸化物量が、仕込みエチレン系化合物に対して、0.07モル%以上から2モル%未満含有する条件下で行うエポキシ化合物の製造方法も好ましい。
以下にエチレン系化合物のエポキシ化工程の反応条件等について詳述する。
本発明の方法によれば、過酸化物含有量と、必要に応じてS/Vとを上記範囲とすることにより、本発明の作用効果を発揮するものである限り、エチレン系化合物のエポキシ化反応を行う際の方法及び条件については特に制限はなく、一般に用いられている方法及び条件にて行うことができる。
上記エチレン系化合物としては、エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
上記エチレン性不飽和化合物としては、分子内にカルボン酸を有するカルボン酸(塩)系化合物が好適である。このようなカルボン酸(塩)系化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸系化合物;クロトン酸、α−ヒドロキシアクリル酸、α−ヒドロキシメチルアクリル酸、2−ペンテン酸、2−ヘキセン酸等のモノエチレン性不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のモノエチレン性不飽和脂肪族ジカルボン酸及びこれらの酸無水物;及びこれらの塩が好ましい。これらの中でもより好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びこれらの塩又は無水物であり、更に好ましくは、マレイン酸及びこれらの塩又は無水物である。
上記カルボン酸(塩)系化合物が塩の場合としては、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム原子、有機アンモニウム基等からなる塩が好適である。アルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が好適である。アルカリ土類金属原子としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等を挙げることができる。有機アンモニウム基(有機アミン基)としては、モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等を挙げることができる。中でも、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム又はカリウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
上記カルボン酸(塩)系化合物以外のエチレン系化合物としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエチルスルホン酸等のスルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和化合物;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール等の水酸基を有する不飽和炭化水素;及びこれらが塩の形態をとり得るときは、これらの塩等が好適である。
上記エチレン系化合物としては、また、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルエーテル類、スチレン、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
上記エポキシ化工程は、過酸化物を用いて、エチレン系化合物をエポキシ化する反応であるが、反応媒体中で反応させることが好ましく、また、触媒を用いて反応を行ってもよい。
上記過酸化物としては、上述のものを好適に用いることができ、その使用量としては、エチレン系化合物1モルに対し、1.0〜1.5モルが好適である。
上記反応媒体としては、水、アセトニトリル等が好適である。上記触媒としては、タングステン酸、モリブデン酸及びこれらの塩、タングステン又はモリブデンを含むヘテロポリ酸及びそれらの塩の1種又は2種以上を用いることができる。触媒の使用量としては、エチレン系化合物に対し、0.02〜0.15mol%が好適である。
上記エポキシ化工程における反応溶液のpHとしては、4〜6であることが好ましい。反応液のpHをこのような範囲に調整することによりエポキシ化を効率よく行うことができる。上記エポキシ化反応の反応温度としては、60〜90℃であることが好ましい。なお、エポキシ化反応においては、上記温度範囲である限り特に限定されず、反応工程中一定に維持しても、温度を変化させてもよい。例えば、反応温度を2段階に異ならせて、2段階反応としてもよい。2段階反応とすることにより、エポキシ化工程における触媒量を低減することができるだけでなく、収率よくエポキシ化合物を得ることができる。このような2段階反応としては、第一段では60〜80℃の範囲の温度で反応を行い、第二段では第一段よりも少なくとも5℃昇温させた温度で反応を行う形態であることが好ましい。
本発明の製造方法の好適な具体例として、過酸化物として過酸化水素を用い、無水マレイン酸をエポキシ化してエポキシコハク酸を製造する方法を例に挙げて説明する。
上記金属製反応容器に上記無水マレイン酸を水溶液として、アルカリ化合物及び触媒とともに充填する。触媒としては、タングステン酸(又はその塩)及び/又はモリブデン酸(又はその塩)が好適である。アルカリ化合物は反応液のpHを4〜6程度の範囲に調整するために使用するものであり、アルカリ化合物としては、特に水酸化ナトリウムが好適に用いられる。次に、無水マレイン酸水溶液を60〜90℃程度の温度に昇温した後に過酸化水素を滴下してエポキシ化反応を行わせる。過酸化水素としては、通常、30〜70重量%程度の濃度の水溶液が用いられる。なお、この場合、エポキシコハク酸はナトリウム塩として得られる。本発明のエポキシ化反応は一段階反応でもよく、上述した二段階反応、すなわち第一段では60〜80℃の範囲の温度で反応を行い、第二段では第一段よりも少なくとも5℃昇温させた温度で反応を行ってもよい。
本発明の製造方法により得られるエポキシ化合物は、上述のように、着色がなく、高品質であるため、このエポキシ化合物を原料として製造される種々の生成物もまた、高品質なものとすることができる。このように、上記製造方法で得られたエポキシ化合物とアミノ酸とを反応させて得られるヒドロキシカルボン酸類もまた、本発明の一つである。
上記ヒドロキシカルボン酸類としては、例えば、上記エポキシ化合物のエポキシコハク酸と、アミノ酸と反応させることにより、着色を生じることなく高品質なヒドロキシカルボン酸類を製造することができる。上記アミノ酸としては、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、バリン、及び、塩の形態がある場合はこれらの塩が好ましい。より好ましくは、アスパラギン酸及び/又はその塩、グルタミン酸及び/又はその塩であり、更に好ましくは、アスパラギン酸及び/又はその塩である。なお、塩の形態としては、上述したカルボン酸(塩)系化合物が塩の形態である場合と同じであることが好ましい。上記ヒドロキシカルボン酸類として具体的には、エポキシコハク酸と、アスパラギン酸及び/又はその塩とを水性媒体中で反応させることにより得ることができる3−ヒドロキシ−2,2−イミノジコハク酸(生分解性キレート剤。以降、HIDSとも言う。)が挙げられる。
このようにして製造されたHIDSは、高品質なものであるから、各種食品製造機器類(食品や飲料用の設備、食品工場のタンクや配管等)、ビール瓶、牛乳瓶等の各種瓶類等の洗浄用途や自動食器洗浄機用途、家庭用又は業務用の自動食器洗浄機による洗浄、化学・機械工業における金属表面洗浄、金属清浄、精密洗浄等の各種洗浄用途に用いることができる。具体的には、食品工業、化学工業等においては、ビールやジュース等の飲料、加工食品等の食料品を装填する容器類;これらの容器を収納するコンテナ類;ビール等の発酵タンク等のタンク類;食料品製造装置の配管、殺菌プレート、充填機等の装置類;作業場;タンク車輛、コンテナ車輛等の運搬車輛等の洗浄に好適に用いられるものである。このような食品工業用洗浄剤用途、家庭用洗浄剤用途等の中でも、家庭用洗浄剤用途においては、着色抑制されたHIDSが好ましい。
上記HIDSの用途としては、更に、有機キレート剤、スケール防止剤、水処理剤、洗剤用ビルダー、漂白助剤、マスキング剤、繊維処理剤、紙・パルプ用添加剤、半導体洗浄剤、写真薬剤、土壌改質剤等として用いることができる。また、各種洗浄用途において、ガラス、プラスチックや金属等の硬表面に付着した汚れを洗浄、除去するのに好適に用いることができる。
本発明のエポキシ化合物の製造方法は、上述の構成よりなり、工業的に優れた原料の一つであるエポキシ化合物を高い品質のものとし、高収率かつ着色を生じることなく製造でき、適用範囲の広い経済的に優れた方法で製造する方法を提供するものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例1〜5
過酸化物を含有しておらず、アセトアルデヒド100ppmを含むエポキシ化反応終了直前のエポキシコハク酸溶液(S/V=12)に所定量(過酸化物/アセトアルデヒド>0.6)(モル比:対アセトアルデヒド含量)の過酸化物(過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)を添加し、80℃で水酸化ナトリウムを添加して、当量中和した。添加後、80℃で30分間攪拌後の着色度合いについて色相の変化(ハーゼン値の上昇度合い)及び外観を表1に示した。ハーゼン値は、上述のとおり測定した。
比較例1
過酸化水素を含有していないアセトアルデヒド100ppmを含むエポキシ化反応終了直前のエポキシコハク酸溶液(S/V=12)に過酸化物を全く添加せず、80℃で水酸化ナトリウムを添加して、当量中和した。添加後80℃で30分間攪拌後の着色度合いについて色相の変化(ハーゼンの上昇値)及び外観を表1に示した。
比較例2〜3
過酸化水素を含有していないアセトアルデヒド100ppmを含むエポキシ化反応終了直前のエポキシコハク酸溶液(S/V=12)に表1記載した量の過酸化物を添加し、80℃で水酸化ナトリウムを添加して、当量中和した。添加後、80℃で30分間攪拌後の着色度合いについて色相の変化(ハーゼンの上昇値)及び外観を表1に示した。その結果、過酸化物/アセトアルデヒド<0.6では、着色抑制効果が認められなかった。
Figure 0004963022

Claims (5)

  1. エポキシ化合物の着色を抑制する方法であって、
    該着色抑制方法は、エチレン系化合物のエポキシ化反応を終了させるときに、反応液中の過酸化物含有量を、エポキシ化反応を終了させるときに反応液中に含有するアセトアルデヒドに対し、過酸化物/アセトアルデヒド>0.6の割合(モル比)となるようにすることを特徴とするエポキシ化合物の着色抑制方法。
  2. 前記過酸化物含有量は、15>過酸化物/アセトアルデヒド>0.6の割合(モル比)となるようにすることを特徴とする請求項1記載のエポキシ化合物の着色抑制方法。
  3. 前記エチレン系化合物は、マレイン酸、マレイン酸塩又は無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ化合物の着色抑制方法。
  4. 前記過酸化物は、過酸化水素、過炭酸塩又は過ホウ酸塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ化合物の着色抑制方法。
  5. 前記着色抑制方法は、前記アセトアルデヒドに対する過酸化物含有量を設定した後に、アルカリ性物質を添加して反応液を中和することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ化合物の着色抑制方法。
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