JP5930388B2 - 振動発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動発生装置に関し、さらに詳しくは、振動体がコイル及びマグネットの相互作用によってスラスト方向に振動する振動発生装置に関する。
携帯電話等の携帯端末は、その使用者に着信を知らせために、振動発生装置を内蔵している。こうした振動発生装置は、いくつかの構成のものがある。その一つの構成は、振動体がコイル及びマグネットが形成する磁界の相互作用によってスラスト方向に振動されるものである。こうした振動発生装置は、これまでにも種々のものが提案されている。
特許文献1に提案された振動発生装置は、重り及び永久磁石で構成される加振重量と、この加振重量を保持するばねと、共振周波数の近傍で加振重量を連続して往復運動させる駆動コイルと、駆動コイルに電気信号を供給する手段と、加振重量の振動をばねを介して外部に伝達する手段と、を備えている。この振動発生装置は、振動体として機能する加振重量を、スラスト方向の両側からばねで保持している。
特許文献2に提案された振動発生装置は、内部空間を区画するケースと、ケースの下部に配設され、電流を印加して磁場を誘導するコイルが設置されたブラケットと、ヨーク、このヨークの中空部に収容されるマグネット及びヨークの外側に結合された重量体を含む振動子と、ケースの上部に結合され、振動子を支持するスプリング部材と、を備えている。そして、多数の凹部が重量体の外側に形成され、かつ、回転部材がこの凹部に挿入されている。この回転部材は、ケースの側壁と接触した状態で回転する。この振動発生装置の振動子の振れは、重量体に設けられた回転部材がケースの側面を転がりながら振動子をケースの側面に沿って移動することによって防止される。
特開平9−117721号公報 特開2011−25221号公報
しかしながら、特許文献1に提案された振動発生装置は、ばねを設置する領域が振動体のスラスト方向の両側に必要である。そのため、この振動発生装置は、振動体として機能する加振重量の振動のストロークが小さく、十分な振動を発生させることができない。また、ばねを両側に設ける構造は、振動発生装置の小型化の妨げにもなる。こうした加振重量のスラスト方向の両側にばねを設ける構造は、組み立てが困難である。また、一般に、振動発生装置の内部に粘性流体を充填することが、加振重量を短時間で静止させる方法として利用される。しかし、振動発生装置の内部に粘性流体を充填する方法は、振動発生装置の外殻をなすハウジングの気密性を高くしなければ、粘性流体が漏れ出すことを防止できない。
特許文献2に提案された振動発生装置は、回転部材を円滑にケースの側面に沿って回転させることが必要となる。そのため、重量体の凹部、回転部材及びケースの側面は、高い精度の加工が要求される。こうした高い精度の加工は、コストダウンの妨げになる。
本発明は、こうした問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、低コストであり、装置の小型化を阻害せずに振動体の振れを防止するとともに、短時間で振動体を静止させることができる振動発生装置を提供することにある。
本発明に係る振動発生装置は、磁界を発生するコイルと、マグネット及びウエイトが設けられ、かつ、該マグネットの磁界及び前記コイルが発生する磁界の相互作用によってスラスト方向に振動される振動体と、前記振動体をスラスト方向の片側で支持するばねと、前記振動体を貫いてスラスト方向に延び、該振動体をスラスト方向に摺動させるシャフトと、を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、振動体がスラスト方向の片側からのみばねで支持されるので、振動体のストロークを大きくすることができる。振動体をスラスト方向に摺動させるシャフトを備えているので、振動体がラジアル方向に振れることを防止することができ、振動体を円滑にスラスト方向に振動させることができる。また、シャフトが振動体のラジアル方向の振れを防止するので、振動体とコイルとの接触を防止でき、コイルの断線や振動体に取り付けられたマグネットの損傷を防止することができる。また、シャフトを設け、かつ、振動体をスラスト方向の片側からのみばねで支持する構造は、組立の容易化を図ることができる。
本発明に係る振動発生装置において、前記振動体は、スラスト方向に延びる摺動穴が形成された軸受けを備え、前記シャフトが前記摺動穴に通されていることを特徴とする。
この発明によれば、軸受けがシャフトに沿って摺動することによって振動体をスラスト方向に振動させるので、振動体を円滑にスラスト方向に振動させることができる。
本発明に係る振動発生装置において、前記シャフトが金属で形成され、前記軸受けが金属、セラミック又は樹脂で形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、シャフトと軸受けとの間に発生する摩擦を小さくすることができるので、振動体を円滑に振動させることができる。また、小さな摩擦が、シャフトと軸受けとの間に発生するので、振動している振動体を短時間で静止させることができる。
本発明に係る振動発生装置において、前記振動体は、前記コイルよりもラジアル方向の内側に配置され、前記マグネットは、前記振動体の外周部に取り付けられ、前記コイルと前記マグネットとが対向していることを特徴とする。
この発明によれば、コイルの半径を大きくし、周方向の長さを長くすることができるので、コイルの体積を大きくすることができる。また、コイルの半径を大きくし、周方向の長さを長くすることによって、コイルよりもラジアル方向の内側の領域を広く形成することができる。そのため、振動体のラジアル方向の寸法を大きくすることができる。ラジアル方向の寸法が大きな振動体の外周部に取り付けられるマグネットは、体積が大きくなるので、マグネットの性能を低く抑えることができる。そのため、振動体が振動する際に発生するコキング力を小さくすることができる。
本発明によれば、振動体がスラスト方向の片側からのみばねで支持されるので、振動体のストロークを大きくすることができる。そのため、装置の小型化を阻害することがない。振動体がスラスト方向の片側のみでばねによって支持されるので、組立作業を容易に行える。また、シャフトが振動体の振れを防止するので、振動体を円滑に振動させることができるとともに、振動体とコイルとの接触を防止でき、コイルの断線や振動体に取り付けられたマグネットの損傷を防止することができる。また、振動体がシャフトを摺動するので、短時間で振動体の振動を静止させることができる。
本発明の第1実施形態に係る振動発生装置の内部構造を示す縦断面図である。 図1に示す振動発生装置の分解斜視図である。 接続部の概略を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る振動発生装置の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る振動発生装置の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る振動発生装置の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の第5実施形態に係る振動発生装置の内部構造を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本願の実施形態」ともいう。)について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面にのみ限定されるものではない。
[基本構成]
本発明に係る振動発生装置1A,1B,1C,1D,1Eは、磁界を発生するコイル20,221,222,320,420と、マグネット60,260,360,460及びウエイト50,250,350,450が設けられ、かつ、マグネット60,260,360,460の磁界及びコイル20,221,222,320,420が発生する磁界の相互作用によってスラスト方向に振動される振動体40,240,340,440と、振動体40,240,340,440をスラスト方向の片側で支持するばね80,480と、振動体40,240,340,440を貫いてスラスト方向に延び、振動体をスラスト方向に摺動させるシャフト70,470と、を備えている。また、振動発生装置1A,1B,1C,1D,1Eは、ヨーク30,130,230,330,331,430,435を備えている。
本発明に係る振動発生装置1A,1B,1C,1D,1Eによれば、振動体40,240,340,440が、スラスト方向の片側からのみばね80,480で支持されるので、振動体40,240,340,440のストロークを大きくすることができる。振動体40,240,340,440がスラスト方向の片側のみでばね80,480によって支持されるので、組立作業を容易に行える。また、シャフト70,470が振動体40,240,340,440の振れを防止するので、振動体40,240,340,440を円滑に振動させることができるとともに、振動体40,240,340,440とコイル20,221,222,320,420との接触を防止でき、コイル20,221,222,320,420の断線や振動体40,240,340,440に取り付けられたマグネット60,260,360,460の損傷を防止することができる。また、振動体40,240,340,440がシャフト70,470を摺動するので、短時間で振動体40,240,340,440の振動を静止させることができる。
こうした振動発生装置1A,1B,1C,1D,1Eは、マグネット60,260,360を備えた振動体40,240,340がコイル20,221,222,320よりもラジアル方向の内側に配置された内磁構造の振動発生装置1A,1B,1C,1Dと、スピーカの構造に類似する形態の振動発生装置1Eと、に分けることができる。内磁構造の振動発生装置1A,1B,1C,1Dは、ヨーク30,130がコイル20側に設けられた振動発生装置1A,1Bと、ヨーク230,330,331がマグネット260,360側に設けられた振動発生装置1C,1Dと、に分けることができる。
ヨーク30,130がコイル20側に設けられた振動発生装置1A,1Bは、さらに、2つの形態のヨーク30,130に区分けすることができる。一つのヨーク30は、コイル20の内側を覆う内周壁31と、内周壁31のスラスト方向の両端の位置でケース12の周壁面13に向けて延びる一対の端面部32,33とから形成されたものである。もう一つのヨーク130は、コイル20の内周面を覆う内周壁131と、コイル20の外周面を覆う外周壁134と、ケースの天面側でコイル20の天面側を覆う上端面部132と、エンドプレート側でコイル20のエンドプレート側を覆う下端面部133とから構成されたものである。
ヨーク230,330,331がマグネット260,360側に設けられた振動発生装置1C,1Dは、スラスト方向にコイル221,222を並べて配置した振動発生装置1Cと、マグネット360をスラスト方向に並べて配置した振動発生装置1Dとに分けることができる。
以下、振動発生装置の各構成を実施形態ごとに詳細に説明する。なお、「スラスト方向」とは、振動発生装置1A,1B,1C,1D,1Eの高さ方向であり、「ラジアル方向」とは、振動発生装置1A,1B,1C,1D,1Eの半径方向である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る振動発生装置1Aの各構成について図1及び図2を参照して詳細に説明する。なお、図1の符号Rで示した振動発生装置1Aの半径方向は、ラジアル方向であり、図1の符号Sで示した振動発生装置1Aの高さ方向はスラスト方向である。
振動発生装置1Aは、外殻をなすハウジング10を備えている。このハウジング10は、振動発生装置1Aの底面をなすエンドプレート11と、エンドプレート11に被せるケース12とから構成されている。ケース12は、振動発生装置1Aの周囲を囲む円環状の周壁面13と、上部を覆う天面14とが一体に形成されている。このケース12は、磁性体で形成されている。
ハウジング10の内部には、磁界を発生させる円環状のコイル20と、コイル20の内周面側に配置され、コイル20と共に磁界の電磁力を増幅するためのヨーク30と、コイル20よりもラジアル方向の内側に配された振動体40と、振動発生装置1Aのラジアル方向の中心に設けられたシャフト70と、振動体40をスラスト方向に支持するばね80とが設けられている。
コイル20は、ケース12の周壁面13との間に微少な隙間を空けて周壁面13の内側に配置されている。このコイル20は、素線が巻き付けられて円環状に形成されたもので、コイル20よりも内側に設けられた振動体40の周囲を囲んでいる。コイル20は厚さが薄く形成されているとともに、スラスト方向の寸法がケース12のスラスト方法の寸法よりも若干小さめに形成されている。
ヨーク30は、コイル20と共に磁界の電磁力を増幅させている。このヨーク30は薄板の磁性体によって、円環状に形成されている。ヨーク30は、コイル20の内側を覆う内周壁31と、内周壁31のスラスト方向の両端の位置でケース12の周壁面13に向けて延びる一対の端面部32,33とから形成されている。一対の端面部32,33のうち、ケース12の天面14側で内周壁31の端部から周壁面13に向けて延びるものが上端面部32であり、エンドプレート11側で内周壁31の端部から周壁面13に向けて延びるものが下端面部33である。上端面部32の先端と下端面部33の先端とは、ケース12の周壁面13に突き当てられている。また、開口部35が、内周壁31のスラスト方向の中央に形成されている。この開口部35は、ヨーク30の全周にわたって形成されている。こうしたヨーク30は、上端面部32と下端面部33とがエンドプレート11及びケース12の天面14によって挟み込まれている。ヨーク30は、エンドプレート11及び天面14に挟み込まれることによって、一定の位置に固定される。
こうしたケース12、コイル20及びヨーク30の構造は、ヨーク30及びケース12の周壁面13をコイル20が発生する磁界で磁化させている。そのため、ケース12の周壁面13も磁気回路として機能する。また、ヨーク30を薄い板状の磁性体で形成することができる。その結果、ヨーク30よりもラジアル方向の内側の領域を広く形成することができる。
シャフト70は、ハウジング10のラジアル方向の中心に設けられていて、シャフト70の軸方向がスラスト方向に延びている。シャフト70の軸方向の一端はエンドプレート11に取り付けられ、他端はケース12の天面14に取り付けられている。このシャフト70は、例えば、金属で形成されている。こうしたシャフト70は、振動体40がスラスト方向に振動する際に、振動体40がラジアル方向に振れることを防止する。
振動体40は、ウエイト50と、このウエイト50の外周部に取り付けられたマグネット60と、ウエイト50のラジアル方向の中心に取り付けられた軸受け65と、を備えている。この振動体40は、コイル20が発生する磁界と、マグネット60が発生する磁界との相互作用によってスラスト方向に振動する。
ウエイト50は、円盤状に形成され、かつ、一定の厚さに形成されている。ウエイト50の厚さは、ヨーク30のスラスト方向の寸法よりも小さく形成されている。なお、このウエイト50は、振動発生装置1Aが使用される携帯端末等の機種等に応じ、所望の重さに形成される。
マグネット60は円環状に形成されており、ウエイト50の外周部に嵌め込まれている。マグネット60のスラスト方向の寸法は、ヨーク30のスラスト方向の寸法よりも小さく形成されている。そのため、コイル20及びヨーク30は、振動体40が最大振幅の位置に移動した場合にも、振動体40に推力を適切に与えている。
このマグネット60の外周面は、全周にわたってヨーク30の内周壁31に対向している。そして、マグネット60の外周面とヨーク30の内周壁31との間隔は、全周にわたって一定に形成されている。マグネット60の外周面は、ヨーク30を間に挟んでコイル20の内周面とも全周にわたり一定の間隔を空けて対向している。このように、振動発生装置1Aは、磁気回路が内磁構造となっている。
軸受け65は、ウエイト50のラジアル方向の中心に形成された取付穴51の内部に嵌め込まれている。取付穴51は、ウエイト50の厚さ方向を貫通して形成されている。取付穴51に嵌め込まれた軸受け65は、円筒状に形成されており、ラジアル方向の中心にスラスト方向に延びる摺動穴66が形成されている。シャフト70は、この摺動穴66の内側に通される。
摺動穴66の内周面は、振動体40がスラスト方向に振動する際に、シャフト70の外周面をスラスト方向に摺動する。そのため、軸受け65は、シャフト70に対する摩擦が小さいことが必要である。また、シャフト70の外周部に軸受け65が設けられる構造は、振動している振動体40を短時間で静止させる機能も備えることが必要である。そのため、軸受け65は、金属、セラミック又は樹脂等で形成される。また、シャフト70と摺動穴66との嵌合がきつすぎると、軸受け65がシャフト70に沿って円滑に摺動することができない。これに対し、シャフト70と摺動穴66との嵌合が緩すぎると、シャフト70が振動体40を水平に維持することができず、振動体40がラジアル方向に振れながらスラスト方向に振動する。そのため、軸受け65に形成された摺動穴の内径とシャフト70の外径とは、振動体40が円滑振動することができるように、適切な寸法にそれぞれ形成される。
こうした振動体40は、エンドプレート11に取り付けられたばね80によってスラスト方向に支持される。
ばね80は、板状のばね材が螺旋状に巻かれたもので、外形が円錐台状に形成された竹の子ばねである。このばね80は、ラジアル方向の外側から中心側に向かうにつれて巻き付けの半径が漸次小さくなるとともに、中心側がスラスト方向に突出している。ばね80は、ラジアル方向の外側がエンドプレート11に固着され、中心側が振動体40に取り付けられている。
ばね80の精度は、振動体40がラジアル方向に振れないように振動させるための重要な要素である。そのため、高い精度のばね80を使用することが、振動体40の振れを防止するために、一般に行われる。しかし、振動発生装置1Aは、上述したように、シャフト70を備えており、振動体40がこのシャフト70に沿って摺動する。そのため、振動体40は、高い精度のばねを用いなくても、ラジアル方向に振れることなくスラスト方向に円滑に振動する。このように、シャフト70を備える構造は、精度の低いばねを選定することができ、コストを低くすることができる。
振動体40がばね80によって支持されると、振動体40は、スラスト方向に振動される振幅の中心に位置される。また、振動体40がばね80によって支持されると、マグネット60のスラスト方向の中央は、ヨーク30に形成された開口部35の位置に一致される。
振動体40の支持構造は、このばね80によってエンドプレート11側のみから支持される片持ち構造である。こうした片持ち構造は、スラスト方向の振動体40よりもケース12側の領域を広く形成することができる。そのため、片持ち構造は、振動発生装置1Aのスラスト方向の寸法を大きくしないで、振動体40の振幅ストロークを大きくすることができる。また、片持ち構造は、両持ち構造と比較すると組立が容易である。
こうした振動発生装置1Aは、図3に示すように、接続部90をハウジング10の外側に備えている。接続部90は、コイル20から延びる2本のリード線21と、電源から延びる配線100とをはんだ付けして接続する部位である。接続部90は、FPC91(Flexible printed circuits)と、FPC91を覆うカバー93とを備えている。FPC91は回路基板であり、厚さが12μmから50μmのフィルム状の絶縁体と、この絶縁体の上に形成された接着層と、この接着層の上に形成された、厚さが12μmから50μm程度の導体箔とから形成されている。このFPC91は、はんだ付け部92を備えており、FPC91の表面は、絶縁体がはんだ付け部92以外の領域に被せられている。なお、図3は、説明を容易にするため、はんだ付け部92のみを記載している。
コイル20のリード線21は、ケース12の内外を貫通する穴を通されて、FPC91まで延ばされている。コイル20から延びる2本のリード線21と、コイル20に電流を流す電源から延びる配線100とは、このFPC91のはんだ付け部92で接続される。
以上の構成を備えた振動発生装置1Aは、コイル20に電流が流されると、コイル20及びヨーク30に磁界を発生させる。コイル20及びヨーク30が発生する磁界と、振動体40が備えるマグネット60の磁界とは、振動体40をスラスト方向に移動する力を振動体40に作用させる。振動体40は、ばね80によってスラスト方向に支持されているので、磁界から受ける力とばね80から受ける力によってスラスト方向に振動される。振動体40がスラスト方向に振動するとき、シャフト70が振動体40のラジアル方向の振れを防止するので、振動体40は、スラスト方向に円滑に振動する。
なお、振動体40が共振すると、振動発生装置1Aは、使用者に着信を効果的に報知することができる。そのため、振動発生装置1Aは、振動体40が共振するように構成することが好ましい。コイル20に流す電流値、振動発生装置1Aに組み込むウエイト50の重さ、ウエイト50に嵌め込むマグネット60の磁力及びばね80のばね定数は、振動体40が適切に共振するように、予め設定される。
振動体40が、コイル20及びヨーク30並びにマグネット60によって発生される磁界によってスラスト方向に振動されると、振動体40に取り付けられたマグネット60は、コキング力によってコイルの一定の位置に引き寄せられようとする。コキング力は、マグネット60の性能が高い場合に顕著に現れる。このため、低い性能のマグネットを使用することが、コキング力を抑制するためには有効である。
振動発生装置1Aの磁気回路は、上述したように、内磁構造になっている。こうした内磁構造は、ヨーク30よりもラジアル方向の内側の領域を広くすることができる。そのため、内磁構造は、振動体40のラジアル方向の寸法を大きくすることができる。ラジアル方向の寸法が大きな振動体40は、その外周部に取り付けられるマグネット60の体積が大きくなる。体積の大きなマグネット60は、形成される磁界の範囲が広い。そのため、体積の大きなマグネット60は、その性能が低い場合でもコキング力を抑制するとともに、振動体60を十分に振動させることができる。また、こうした内磁構造は、体積の大きなコイル20を用いることができるので、この点からも性能が低いマグネット60を使用することができる。
コイル20に流されていた電流が遮断されると、振動体40に作用していたスラスト方向の力がなくなり、振動体40は、静止する。振動体40が備える軸受け65はシャフト70の外周面を摺動しているので、軸受け65とシャフト70との間に発生する摩擦が、振動体40を短時間で静止させる。
なお、振動発生装置1Aが内蔵された携帯端末の使用者は、携帯端末を落下させてしまうことがある。こうした場合でも、シャフト70は、振動体40がラジアル方向に振れることを防止する。そのため、携帯端末を落下させた場合でも、振動体40がヨーク30に衝突することがなく、ヨーク30がコイル20に干渉することがない。その結果、コイル20の断線やマグネット60の損傷が防止される。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る振動発生装置1Bの各構成について図4を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態に係る振動発生装置1Bは、ヨーク130の構成のみが第1実施形態に係る振動発生装置1Aと異なり、他の構成が第1実施形態に係る振動発生装置1Aと同様である。そのため、第1実施形態に係る振動発生装置1Aと同様の構成については、同一の符号を付して概要のみを説明し、異なる構成のみを詳細に説明する。また、図4の符号Rで示した振動発生装置1Bの半径方向は、ラジアル方向であり、図4の符号Sで示した振動発生装置1Bの高さ方向はスラスト方向である。
振動発生装置1Bは、エンドプレート11及びケース12からなるハウジング10を備えている。ケース12は、周囲を囲む円環状の周壁面13と、上部を覆う天面14とが一体に形成されたものである。このケース12は、非磁性体で形成されている。
ハウジング10の内部には、磁界を発生させる円環状のコイル20と、コイル20の内周面、外周面、上端部及び下端部を覆い、コイル20と共に磁界の電磁力を増幅するためのヨーク130と、コイル20よりもラジアル方向の内側に配された振動体40と、振動発生装置1Bのラジアル方向の中心に設けられたシャフト70と、振動体40をスラスト方向に支持するばね80とが設けられている。
コイル20は、円環状に形成されていて、ケース12の周壁面13との間に微少な隙間を空けて周壁面13の内側に配置されている。コイル20は、厚さが薄く形成されているとともに、スラスト方向の寸法がケース12のスラスト方法の寸法よりも若干小さめに形成されている。
ヨーク130は、薄板の磁性体で形成されており、コイル20と共に磁界の電磁力を増幅させている。ヨーク130は外形が円環状に形成されている。このヨーク130は、コイル20の内周面を覆う内周壁131と、コイル20の外周面を覆う外周壁134と、ケースの天面側でコイル20の天面側を覆う上端面部132と、エンドプレート側でコイル20のエンドプレート側を覆う下端面部133とから構成されている。また、内周壁131のラジアル方向の内側と外側とを連通する開口部135が、内周壁131のスラスト方向の中央に形成されている。この開口部135は、ヨーク130の全周にわたって形成されている。こうしたヨーク130は、上端面部132と下端面部133とがエンドプレート11と天面14とによって挟み込まれている。ヨーク130は、エンドプレート11及び天面14によって挟み込まれることによって、一定の位置に固定される。
コイル20及びヨーク130が上記したように構成されているので、ヨーク130は、薄い板状の磁性体でコンパクトに形成されている。
シャフト70は、ラジアル方向の中心に設けられており、シャフト70の軸方向がスラスト方向に延びている。このシャフト70は、振動体40がスラスト方向に振動する際に、振動体40がラジアル方向に振れることを防止する。
振動体40は、ウエイト50と、このウエイト50の外周部に配置されたマグネット60と、ウエイト50のラジアル方向の中心部に取り付けられた軸受け65とを備えている。ウエイト50は、円盤状に形成され、かつ、一定の厚さに形成されている。マグネット60は円環状に形成されていて、ウエイト50の外周部に嵌め込まれている。このマグネット60のスラスト方向の寸法は、ヨーク130のスラスト方向の寸法よりも小さく形成されている。取付穴51は、ウエイト50のラジアル方向の中心に形成されていて、軸受け65がこの取付穴51の内部に嵌め込まれている。摺動穴66は、軸受け65のラジアル方向の中心に摺動方向に延びるようにして形成されている。シャフト70は、この摺動穴66に通される。
ばね80は、板状のばね材が螺旋状に巻かれたもので、外形が円錐台状に形成された竹の子ばねである。このばね80は、ラジアル方向の外側がエンドプレート11に固着され、中心側が振動体40に取り付けられている。振動体40の支持構造は、このばね80によってエンドプレート11側のみから支持される片持ち構造となっている。
振動体40がばね80によって支持されると、振動体40は、スラスト方向に振動される振幅の中心に位置される。また、振動体40がばね80によって支持されると、マグネット60のスラスト方向の中央は、ヨーク130に形成された開口部135の位置に一致される。
接続部90は、振動発生装置1Bのハウジング10の外側に設けられている(図3参照)。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る振動発生装置1Cの各構成について図5を参照して詳細に説明する。なお、第3実施形態に係る振動発生装置1Cと第1実施形態に係る振動発生装置1Aとの構成が同じものについては、図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略し、異なる構成のみを詳細に説明する。図5の符号Rで示した振動発生装置1Cの半径方向は、ラジアル方向であり、図5の符号Sで示した振動発生装置1Cの高さ方向はスラスト方向である。
振動発生装置1Cは、エンドプレート11と、エンドプレート11に被せるケース12とから構成されたハウジング10を備えている。ケース12は、周囲を囲む円環状の周壁面13と、上部を覆う天面14とが一体に形成されたものである。
ハウジング10の内部には、磁界を発生させる円環状の2つのコイル221,222と、コイル221,222よりもラジアル方向の内側に配された振動体240と、振動発生装置1Cのラジアル方向の中心に設けられたシャフト70と、振動体240をスラスト方向に支持するばね80とが設けられている。
2つのコイル221,222は、素線が巻き付けられて円環状にそれぞれ形成されている。2つのコイル221,222は、スラスト方向に並べられ配置されている。各コイル221,222の外周面は、ケース12の周壁面13に密接している。ケース12側に配置されているコイル221とエンドプレート11側に配置されているコイル222とは、素線が相互に逆方向に巻き付けられている。これら2つのコイル221,222は、内側に設けられた振動体240の周囲を囲んでいる。
シャフト70は、ハウジング10のラジアル方向の中心に設けられていて、シャフト70の軸方向がスラスト方向に延びている。シャフト70の軸方向の一端はエンドプレート11に取り付けられ、他端はケース12の天面14に取り付けられている。このシャフト70は、振動体240がスラスト方向に振動する際に、振動体240がラジアル方向に振れることを防止する。
振動体240は、ウエイト250と、このウエイト250の外周部に取り付けられたマグネット260と、ウエイト250のラジアル方向の中心に取り付けられた軸受け265と、を備えている。また、マグネット260の磁力を収束させる一対のヨーク230,230が、ウエイト250の外周部に設けられている。一対のヨーク230,230は、マグネット260のスラスト方向の両側に設けられている。この振動体240は、コイル221,222が発生する磁界と、マグネット260が発生する磁界との相互作用によってスラスト方向に振動する。
ウエイト250は、円盤状に形成され、かつ、一定の厚さに形成されている。ウエイト250の厚さは、コイル221,222のスラスト方向の寸法を合計した寸法よりも小さく形成されている。このウエイト250は、振動発生装置1Cが使用される携帯端末等の機種等に応じ、所望の重さに形成される。
マグネット260は円環状に形成されている。このマグネット260のスラスト方向の寸法は、ウエイト250のスラスト方向の寸法よりも小さく形成されている。マグネット260は、ウエイト250の外周部でウエイト250のスラスト方向の中央にはめ込まれている。こうしたマグネット260の外周面は、コイル221,222の内周面に対向している。マグネット260とコイル221,222との間隔は、全周にわたって一定に形成されている。
一対のヨーク230,230は、磁性体によって円環状にそれぞれ形成されている。各ヨーク230,230のラジアル方向の寸法は、マグネット260の厚さの寸法と同じ又は略同じに形成されている。そのため、ヨーク230,230の外周部とマグネット260の外周面とは、同じ又は略同じ位置に配置される。また、一対のヨーク230,230のスラスト方向の寸法と、マグネット260のスラスト方向の寸法とを合計した寸法は、ウエイト250のスラスト方向の寸法と同じ又は略同じである。
振動発生装置1Cの磁気回路は、マグネット260及びヨーク230,230がコイル221,222よりもラジアル方向の内側に配置されている内磁構造となっている。
ウエイト250のスラスト方向の寸法は、コイル221,222のスラスト方向の寸法を合計した寸法よりも小さく形成される。また、マグネット260のスラスト方向の寸法は、ウエイト250のスラスト方向の寸法よりも小さく形成されている。その結果、マグネット260のスラスト方向の寸法は、コイル221,222のスラスト方向の寸法を合計した寸法よりも小さい。このように、マグネット260のスラスト方向の寸法が、コイル221,222のスラスト方向の寸法を合計した寸法よりも小さいと、振動体240が、最大振幅の位置に移動した場合にも、コイル221,222は、振動体240に対して推力を適切に与えることができる。
取付穴251は、ウエイト250のラジアル方向の中心でウエイト250を貫通して形成されている。軸受け265は、この取付穴251の内部に嵌め込まれる。軸受け265は、円筒状をなし、ラジアル方向の中心にスラスト方向に延びる摺動穴266が形成されている。シャフト70は、この摺動穴266の内側に通される。
ばね80は、板状のばね材が螺旋状に巻かれたもので、外形が円錐台状に形成された竹の子ばねである。ばね80は、ラジアル方向の外側がエンドプレート11に固着され、中心側が振動体240に取り付けられている。振動体240の支持構造は、このばね80によってエンドプレート11側のみから支持される片持ち構造となっている。
振動体240がばね80によって支持されると、振動体240は、スラスト方向に振動される振幅の中心に位置される。また、振動体240がばね80によって支持されると、マグネット260のスラスト方向の中央が、2つのコイル221,222の境目の位置に一致される。
接続部90は、振動発生装置1Cのハウジング10の外側に設けられている(図3参照)。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る振動発生装置1Dの各構成について図6を参照して詳細に説明する。なお、第4実施形態に係る振動発生装置1Dと第1実施形態に係る振動発生装置1Aとの構成が同じものについては、図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略し、異なる構成のみを詳細に説明する。図6の符号Rで示した振動発生装置1Dの半径方向は、ラジアル方向であり、図6の符号Sで示した振動発生装置1Dの高さ方向はスラスト方向である。
振動発生装置1Dは、エンドプレート11と、エンドプレート11に被せるケース12とから構成されたハウジング10を備えている。ケース12は、周囲を囲む円環状の周壁面13と、上部を覆う天面14とが一体に形成されたものである。
ハウジング10の内部には、磁界を発生させる円環状のコイル320と、コイル320よりもラジアル方向の内側に配された振動体340と、振動発生装置1Dのラジアル方向の中心に設けられたシャフト70と、振動体340をスラスト方向に支持するばね80とが設けられている。
コイル320は、素線が円環状に巻かれて形成されたものである。このコイル320のスラスト方向の寸法は、振動体340のスラスト方向の寸法よりも小さく形成されている。コイル320のラジアル方向の寸法は、スラスト方向の寸法と同じに形成されるか又はスラスト方向の寸法よりも若干小さく形成されている。コイル320は、外周面がケース12の周壁面13に密着されることによって、ケース12のスラスト方向の中央の位置に配されている。
シャフト70は、ラジアル方向の中心に設けられており、シャフト70の軸方向がスラスト方向に延びている。このシャフト70は、振動体340がスラスト方向に振動する際に、振動体340がラジアル方向に振れることを防止している。
振動体340は、ウエイト350と、このウエイト350の外周部に取り付けられた2つのマグネット360,360と、ウエイト350のラジアル方向の中心に取り付けられた軸受け365と、を備えている。また、マグネット360,360の磁力を収束させる3つヨーク330,330,331が、ウエイト350の外周部に設けられている。この振動体340は、コイル320が発生する磁界と、マグネット360,360が発生する磁界との相互作用によってスラスト方向に振動する。
ウエイト350は、円盤状に形成され、かつ、一定の厚さに形成されている。ウエイト350の厚さは、コイル320のスラスト方向の寸法よりも大きく形成されている。このウエイト350は、振動発生装置1Dが使用される携帯端末等の機種等に応じ、所望の重さに形成される。
2つのマグネット360,360は円環状にそれぞれ形成されている。2つのマグネット360,360は、スラスト方向に並べて配置されて、ウエイト350の外周部に嵌め込まれている。こうしたマグネット360,360の外周面は、コイル320の内周面にそれぞれ対向している。マグネット360,360とコイル320との間隔は、全周にわたって一定に形成される。このように、振動発生装置1Dの磁気回路は、マグネット360,360がコイル320よりもラジアル方向の内側に配置されている内磁構造となっている。
3つのヨーク330,330,331は、磁性体によって円環状にそれぞれ形成されている。3つのヨーク330,330,331のうち1つのヨーク331は厚く形成され、他の2つのヨーク330,330は平坦に形成されている。厚く形成されたヨーク331は、2つのマグネット360,360の間に嵌め込まれている。平坦に形成された2つのヨーク330,330は、一方のヨーク330がウエイト350のケース12側の端面の位置でウエイト350の外周部に嵌め込まれ、他方のヨーク330がウエイト350のエンドプレート11側の端面の位置でウエイト350の外周部に嵌め込まれている。すなわち、ヨーク330,330,331とマグネット360,360は、ケース12側から、ヨーク330、マグネット360、ヨーク331、マグネット360、ヨーク330の順に配置されている。こうした3つのヨーク330,330,331及び2つのマグネット360,360のスラスト方向の寸法の合計は、ウエイト350のスラスト方向の寸法と同じ又は略同じに形成されている。
軸受け365は、ウエイト350のラジアル方向の中心に形成された取付穴351の内部に嵌め込まれている。なお、取付穴351は、ウエイト350をラジアル方向に貫通して形成されている。軸受け365は、円筒状に形成されており、ラジアル方向の中心に、スラスト方向に延びる摺動穴366が形成されている。シャフト70は、この摺動穴366の内側に通される。この軸受け365は、金属、セラミック又は樹脂等で形成される。
ばね80は、板状のばね材が螺旋状に巻かれたもので、外形が円錐台状に形成された竹の子ばねである。このばね80は、ラジアル方向の外側がエンドプレート11に固着され、中心側が振動体340に取り付けられている。振動体340の支持構造は、このばね80によってエンドプレート11側のみから支持される片持ち構造となっている。
振動体340がばね80によって支持されると、振動体340は、スラスト方向に振動される振幅の中心に位置される。また、振動体340がばね80によって支持されると、振動体340のスラスト方向の中心とコイル320のスラスト方向の中心とが対向される。すなわち、マグネット360,360の間に配置されたヨーク331が、コイル320のスラスト方向の中心と対向する。
接続部90は、振動発生装置1Dのハウジング10の外側に設けられている(図3参照)。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る振動発生装置1Eの各構成について図7を参照して詳細に説明する。なお、図7の符号Rで示した振動発生装置1Eの半径方向は、ラジアル方向であり、図7の符号Sで示した振動発生装置1Eの高さ方向は、スラスト方向である。
振動発生装置1Eは、外殻をなすハウジング410を備えている。このハウジング410は、エンドプレート411と、エンドプレート411に被せるケース412とから構成されている。ケース412は、振動発生装置1Eの周囲を囲む円環状の周壁面413と、上部を覆う天面414とが一体に形成されている。
振動発生装置1Eは、内部構造がスピーカの構造に類似しており、ハウジング410の内部には、磁界を発生させる円環状のコイル420と、ウエイト450、マグネット460及びマグネット460の磁力を収束させるための二つのヨーク430,435を備えた振動体440と、振動発生装置1Eのラジアル方向の中心に設けられたシャフト470と、振動体440をスラスト方向に支持するばね480とが設けられている。
コイル420は、素線が円環状に巻かれて形成されており、その半径がケース412の半径の1/3〜1/4に形成され、かつ、その軸方向の長さがケース412の高さの約1/2程度に形成されている。このコイル420は、軸方向の一端がエンドプレート411の表面に固着され、当該振動発生装置1Eの中心部分を囲むようにして配置されている。
シャフト470は、ハウジング410のラジアル方向の中心に設けられていて、シャフト470の軸方向がスラスト方向に延びている。シャフト470の軸方向の一端はエンドプレート411に取り付けられ、他端はケース412の天面414に取り付けられている。このシャフト470は、振動体440がスラスト方向に振動する際に、振動体440がラジアル方向に振れることを防止する。
振動体440は、ドーナツ状のウエイト450と、このウエイト450の内側に取り付けられたアウターヨーク430と、アウターヨーク430の中心に取り付けられた軸受け465と、軸受け465の外周部に取り付けられたマグネット460と、軸受け465の外周部、かつ、マグネット460の下側に取り付けられたインナーヨーク435とを備えている。この振動体440は、コイル420が発生する磁界と、マグネット460が発生する磁界との相互作用によってスラスト方向に振動する。
ドーナツ状のウエイト450は、一定の厚さに形成されている。このウエイト450の下面は、外周部及び内周部が斜めに切り落とされるようにして面取加工がそれぞれされている。なお、このウエイト450は、振動発生装置1Eが使用される携帯端末等の機種等に応じ、所望の重さに形成される。
アウターヨーク430は、円形に形成された上面431と、上面431からエンドプレート411側に伸びる側周面432とが一体に形成されたものである。このアウターヨーク430は、側周面432の外周部がウエイト450の内周部に嵌め込まれることによってウエイト450に固着され、ラジアル方向の中心が振動発生装置1Eの中心に一致されている。また、上面431を貫通する穴433が、上面431の中心に形成されており、シャフト470がこの穴433に通されている。なお、アウターヨーク430の上面431は、ウエイト450のケース412側に向けられた面よりもケース412の天面414側に突出している。
軸受け465は、円筒状に形成されており、ラジアル方向の中心にスラスト方向に延びる摺動穴466が形成されている。この軸受け465は、ラジアル方向の中心が振動発生装置1Eの中心に一致され、軸方向の一端がアウターヨーク430の上面431の裏側に固着されている。シャフト470は、軸受け465の摺動穴466の内側に通される。摺動穴466の内周面は、振動体440がスラスト方向に振動する際に、シャフト470の外周面をスラスト方向に摺動する。また、振動している振動体440は、軸受け465とシャフト470との間に生じる摩擦によって短時間で静止される。そのため、軸受け465は、金属、セラミック又は樹脂等で形成され、シャフト470は、金属等で形成される。また、シャフト470と摺動穴466との嵌合がきつすぎると、軸受け465がシャフト470に沿って円滑に摺動することができない。これに対し、シャフト470と摺動穴466との嵌合が緩すぎると、シャフト470が振動体440を水平に維持することができず、振動体440がラジアル方向に振れながらスラスト方向に振動する。そのため、軸受け465に形成された摺動穴466の内径とシャフト470の外径とは、振動体440が円滑振動することができるように、適切な寸法にそれぞれ形成される。
マグネット460は円環状に形成されている。マグネット460は、軸受け465の外周部に嵌め込まれ、かつ、軸方向の一端がアウターヨーク430の上面431の裏側に固着されている。このマグネット460とアウターヨーク430の側周面432との間は空間になっている。コイル420は、マグネット460と側周面432との間に形成された空間の位置に配置される。また、マグネット460のスラスト方向の寸法は、軸受け465のスラスト方向の寸法よりも小さく形成されている。マグネット460よりもエンドプレート411側の部位は、インナーヨーク435が取り付けられる部位である。
インナーヨーク435は、ドーナツ状に形成されている。このインナーヨーク435は、厚さ方向の一方の端面がマグネット460のエンドプレート側に向けられた端面に突き当てられ、内周部が軸受け465の外周部に嵌め込まれて固着されている。インナーヨーク435の外周面は、一定の間隔を空けてコイル420の内周面と対向している。
アウターヨーク430は、上面431がマグネット460に接触され、かつ、側周面432がコイル420の外側でコイル420と一定の間隔を空けて配置される。また、インナーヨーク435は、一方の端面がマグネット460と接触され、かつ、外周面がコイル420の内周面と一定の間隔を空けて配置される。こうしたアウターヨーク430及びインナーヨーク435の配置は、マグネット460の磁力を収束させる。
こうした振動体440は、ケース412の天面414に取り付けられたばね480によってスラスト方向に支持される。
ばね480は、板状のばね材が螺旋状に巻かれたもので、外形が円錐台状に形成された竹の子ばねである。このばね480は、ラジアル方向の外側から中心側に向かうにつれて巻き付けの半径が漸次小さくなるとともに、中心側がスラスト方向に突出している。ばね480は、ラジアル方向の外側がケース412の天面414に固着され、中心側がアウターヨーク430の上面431に取り付けられている。
振動体440の支持構造は、このばね480によってケース412側のみから支持される片持ち構造となっている。こうした片持ち構造は、スラスト方向の振動体440よりもエンドプレート側の領域を広く形成することができる。そのため、片持ち構造は、振動発生装置1Eのスラスト方向の寸法を大きくしないで、振動体440の振幅ストロークを大きくすることができる。
振動体440がばね480によって支持されると、振動体440は、スラスト方向に振動される振幅の中心に位置される。
こうした振動発生装置1Eは、図7に示すように、接続部490を備えている。この接続部490は、コイル420から延びるリード線(不図示)と、電源から延びる配線(不図示)とをはんだ付けして接続する部位である。接続部490は、板状に形成されたFPC491で構成されたもので、エンドプレート411の表面に取り付けられている。接続部490は、ハウジング410の内部に配置されている部位492とケース412の周壁面413から外側に張り出した部位493とから構成されている。コイル420は、ハウジング410の内部に配置された部位492に形成された円形の穴の内部を通されている。コイル420のリード線と電源の配線とは、周壁面413から外側に張り出した部位493ではんだ付けされる。なお、接続部490は、カバー(不図示)を備えており、このカバーが周壁面413から外側に張り出した部位493を覆っている。
1A,1B,1C,1D,1E 振動発生装置
10,410 ハウジング
11,411 エンドプレート
12,412 ケース
13,413 周壁面
14,414 天面
20,221,222,320,420 コイル
21 リード線
30,130,230、330,331 ヨーク
430 アウターヨーク
431 上面
432 側周面
433 穴
435 インナーヨーク
31,131 内周壁
32,132 上端面部
35,135 開口部
33,133 下端面部
134 外周壁
40,240,340,440 振動体
50,250,350,450 ウエイト
51,251,351 取付穴
60,260,360,460 マグネット
65,265,365,465 軸受け
66,266、366,466 摺動穴
70,470 シャフト
80,480 ばね
90,490 接続部
492 ハウジングの内部に配置されている部位
493 周壁面から外側に張り出した部位
91,491 FPC
92 はんだ付け部
93 カバー
100 配線

Claims (4)

  1. 磁界を発生するコイルと、
    マグネット及びウエイトが設けられ、かつ、該マグネットの磁界及び前記コイルが発生する磁界の相互作用によってスラスト方向に振動される振動体と、
    前記振動体をスラスト方向の片側で支持するラジアル方向の外側から中心側に向かうにつれて巻き付けの半径が漸次小さくなるとともに中心側がスラスト方向に突出している外形が円錐台状のばねと、
    前記振動体を貫いてスラスト方向に延び、該振動体をスラスト方向に摺動させるシャフトと、を備えていることを特徴とする振動発生装置。
  2. 前記振動体は、スラスト方向に延びる摺動穴が形成された軸受けを備え、
    前記シャフトが前記摺動穴に通されている、請求項1に記載の振動発生装置。
  3. 前記シャフトが金属で形成され、前記軸受けが金属、セラミック又は樹脂で形成されている、請求項2に記載の振動発生装置。
  4. 前記振動体は、前記コイルよりもラジアル方向の内側に配置され、
    前記マグネットは、前記振動体の外周部に取り付けられ、
    前記コイルと前記マグネットとが対向している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動発生装置。
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