JP2000316268A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JP2000316268A
JP2000316268A JP2000058495A JP2000058495A JP2000316268A JP 2000316268 A JP2000316268 A JP 2000316268A JP 2000058495 A JP2000058495 A JP 2000058495A JP 2000058495 A JP2000058495 A JP 2000058495A JP 2000316268 A JP2000316268 A JP 2000316268A
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JP
Japan
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spiral
damper
slit
spiral spring
ring portion
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Application number
JP2000058495A
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English (en)
Inventor
Toru Kumagai
徹 熊谷
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性を高め、長期間の使用においても安
定した特性と高い信頼性を得ることができる。 【解決手段】支持フレーム9に磁気回路(ヨーク1、永
久磁石2、プレート3および中心軸4)を支持するダン
パ7における、内側および外側リング部71、72とこ
れらリング部間を繋ぐ複数のスパイラル状の各スプリン
グ部73は、内外側リング部71、72間をスパイラル
状に延在し、内側および外側に形成されるスパイラル状
のスリット74、75によつて規定される。この構成
で、スプリング部73の内側スリットの内端から外側ス
リットの外端までのダンパ中心周りの有効角度θが55
度以上に選ばれているか、または各スプリング部73が
平均半径r(単位mm)と有効角度θとの積(r・θ)
で与えられる320以上の有効スプリング長を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気回路と駆動用
コイルとを有する電気機械変換器を利用し、この磁気回
路をダンパで支持した構造の振動アクチュエータに関
し、特に、ダンパの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の振動アクチュエータで
は、電気機械変換器が動電型の場合、磁石と磁性ヨーク
とで磁気ギャップを有する磁気回路を構成し、その磁気
ギャップにムービングコイルあるいはリボンを配置して
いる。このムービングコイルへ交流駆動電流を与えるこ
とによって、ムービングコイルあるいはリボンは、磁気
回路に関して振動する。その振動周波数は交流駆動電流
の周波数によって決まる。ここで、ムービングコイルあ
るいはリボンは、駆動用電流を与えられるので、駆動コ
イルであると共に、振動のために可動であるので、可動
素子と呼ばれる。
【0003】交流駆動信号が可聴周波数の場合、ムービ
ングコイルあるいはリボンがその可聴周波数で振動する
ので、薄い板あるいはダイアフラムがムービングコイル
あるいはリボンへ接続されていると、この薄い板あるい
はダイアフラムはその可聴周波数で振動し、音を発生す
る。これは、動電型スピーカとしてよく知られている。
【0004】他方、電磁型の電気機械変換器は、磁石と
磁性ヨークとこの磁性ヨークに設置した駆動用コイルと
で磁気ギャップを有する磁気回路を構成し、この磁気ギ
ャップ中に可動素子としての磁性アーマチャ即ち磁性片
を配置した構成を有する。交流駆動電流を駆動コイルに
印加すると、磁性アーマチャは、交流駆動電流の周波数
で振動する。この電磁型電気機械変換器も、磁性アーマ
チャを薄い板あるいはダイアフラムに結合することによ
って、スピーカとして用いられる。
【0005】上記いずれのタイプの電気機械変換器にお
いても、上記磁気回路を剛性の支持体にダンパを介して
支持し、可動素子をこの支持体に固定した構造とし、駆
動コイルに音声周波数より低い周波数のすなわち低周波
の駆動電流を印加すると、磁気回路が、この低周波信号
で振動し、ダンパを介して支持体に低周波の振動が伝達
される。従って、支持体あるいは支持体に取り付けた物
体が人体に触れていれば、皮膚を通して振動を感じるこ
とができる。即ち、上述した電気機械変換器は、振動ア
クチュエータとしても利用できる。
【0006】そのような振動アクチュエータにおいて、
駆動コイルに音声周波数の交流駆動電流を印加すると、
可動素子が音声周波数で振動し、その振動が支持体に伝
達される。支持体に薄板あるいはダイアフラムが結合さ
れていると、それが振動し、可聴音を発生する。この原
理を利用して、例えば、携帯電話において、音声、電話
の呼出し音などの可聴音、または呼出し用の低周波振動
を発生するために用いる小型の振動アクチュエータが提
案されている。例えば、特開平10−165892号公
報、特開平11−027921号公報などがある。
【0007】これらの日本刊行物は、特開平10−16
5892号公報の図5および特開平11−027921
号公報の同じく図5に示されるように、磁気回路を支持
するためにスパイラル状のスプリング部を有するダンパ
を開示している。このダンパは、金属プレートのような
弾性ディスクからなり、内側リング部と、外側リング部
と、これら内外リング部を結合する複数のスパイラル状
スプリング部とからなっている。内側リング部は磁気回
路に固定され外側リング部は支持フレームに固定され
る。
【0008】例えば、図3に示される振動アクチュエー
タは、動電型の電気機械変換器を有しており、図3
(a)で理解されるように、中心軸4を中心とする円盤
形状をなしている。磁気回路は中心軸4を中心としてそ
の周囲に円盤状の永久磁石2を挟み込むように配置され
たヨーク1とプレート3とにより形成され、ヨーク1の
外周部分が磁気空隙6をもって永久磁石2とプレート3
とを囲んでいる。この磁気空隙部分6に駆動コイル即ち
可動コイル5が配置されて磁気回路1〜4が形成されて
いる。
【0009】円盤状のダンパ170が磁気回路1〜4を
支持フレーム9に支持している。ダンパ170は、内側
リング部171と、外側リング部172と、これら内外
リング部を繋ぐ複数のスパイラル状スプリング部173
からなる。各スパイラル状スプリング部173は、その
内側のスパイラル状スリット174およびその外側のス
パイラル状スリット175とによって規定されている。
この内側のスパイラル状スリット174の内端からその
外側のスパイラル状スリット175の外端までに至るダ
ンパ170の中心軸周りの角度は、ほぼ55度に選ばれ
ている。
【0010】中心軸4は、ボルト形状をなし、ダンパ1
70の内側リング部171の中心穴を貫通して磁気回路
の中心穴に嵌入している。従って、磁気回路とダンパ1
70とは中心軸4によって同軸上に位置決めされる。ま
た、磁気回路1〜4が、そのプレート3側の中心部にお
いて、内側リング部171の下面に固定されている。ま
た、外側リング部172は支持フレーム9に固定されて
いる。この結果、磁気回路1〜4はダンパ170によっ
て支持フレーム9に弾性的に支持される。
【0011】駆動コイル6は、外側リング部172の下
面に接着剤等により固定されている。尚、緩衝材8が支
持フレーム9と外側リング部172との間に接着剤等で
固定されている。この緩衝材8は、磁気回路1〜4が振
動する際にヨーク1の外周壁の先端が支持フレーム9等
に衝突して異音を発生することを防止するためのもので
ある。
【0012】支持フレーム9は、リング状のフレームで
樹脂その他の剛性のある材料からなり、その上に振動板
としての薄板状の蓋部材10を取り付けてなる。この蓋
部材10は、支持フレーム9と同じ材料をもって一体に
形成されても良い。この蓋部材10はダンパ170の上
を覆っている。
【0013】このような構造で、低周波の駆動電流がコ
イル5に印加された場合、磁気回路は、スパイラル状ス
プリング部173の比較的高いコンプライアンスの弾性
により柔軟に支持されているので、中心軸4の軸方向に
往復動すなわち振動する。その振動がダンパ170を介
して支持フレーム9および蓋部材10に伝達される。こ
れにより、支持フレーム9あるいは蓋部材10に触れて
いるものに振動が伝達される。
【0014】交流駆動電流が可聴周波数の場合、磁気回
路ではなく駆動コイル5がその可聴周波数で振動する。
何故なら、磁気回路は高コンプライアンスのダンパ17
0によって支持されているからである。駆動コイル5の
振動は、外側リング部172および/または支持フレー
ム9を介して薄板の蓋部材10に伝達される。こうし
て、薄い蓋部材10がその可聴周波数で振動し、可聴音
を発生する。
【0015】上述したように、振動アクチュエータにお
けるスパイラル状スプリング部の各々は、内側リング部
から外側リング部に向かってスパイラル状に延びてお
り、内側スパイラル状スリットと外側スパイラル状スリ
ットによって規定されている。この構造によるときは、
ダンパが制限された半径を持つ場合でも、スパイラル状
のスプリング部は、スプリング部を半径方向の腕として
構成する場合と比較して長い寸法を有する。したがっ
て、磁気回路は、ダンパ半径に比較して高いコンプライ
アンスで支持されることができる。
【0016】ところで、上述したスパイラル状スプリン
グ部を有するダンパの実際の構造では、一つのスパイラ
ル状スプリング部の長さは、そのスパイラル状スプリン
グ部を規定する内側スパイラル状スリットの内端から外
側スパイラル状スリットの外端までのダンパ中心周りの
角度(以下、この角度を有効角度と呼ぶ)によって、主
に決まる。この有効角度は、磁気回路を比較的高いコン
プライアンスで支持するためには最大55度あればよい
と考えられていた。また、この角度が大きいとダンパの
製造が困難であることも考慮して、通常、55度が選ば
れていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の振動アクチュエータでは、外部衝撃などによる
異常な応力が加わると、ダンパに永久ひずみが残るなど
の場合があるという問題点があった。
【0018】本発明者はその理由を種々検討した。その
結果、有効角度がほぼ55度以下に選ばれたスパイラル
状スプリング部を有するダンパでは、落下衝撃のような
径方向の外力に対しては、径方向において剛性を呈する
ことが判明した。スパイラル状スプリング部の径方向に
おける剛性が大きいと、落下衝撃のような径方向の外力
により磁気回路が径方向に異常に変位することがある。
このような異常に大きな変位が発生すると、ダンパに永
久ひずみが残る。更には、振動の際に磁気回路の中心軸
が傾くことがあり、このひずみまたは傾きが大きい場合
にはダンパに異常な応力が加わることになり、特性の安
定性が劣化するのである。
【0019】本発明の課題は、このような問題点を解決
して、耐衝撃性を高め、長期間の使用においても安定し
た特性と高い信頼性を得ることができる振動アクチュエ
ータを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、永久磁石およ
び磁性ヨークを含む磁気回路と駆動コイルとを有する電
気機械変換器を有する振動アクチュエータである。この
振動アクチュエータは、支持フレームと、この支持フレ
ームに前記磁気回路を支持するダンパとを有する。この
ダンパは、内側リング部と、外側リング部と、この内側
リング部と外側リング部との間を繋ぐ複数のスパイラル
状スプリング部とからなる。各スパイラル状スプリング
部は、内外リング部間をスパイラル状に延在し、外側ス
パイラル状スリットと内側スパイラル状スリットによつ
て規定されている。そして、各スパイラル状スプリング
部の内側スパイラル状スリットの内端から外側スパイラ
ル状スリットの外端までに至る前記ダンパの中心周りの
有効角度が、55度以上に選ばれていることを特徴とし
ている。
【0021】本発明による特別な態様は、上記構造にお
いて、各スパイラル状スプリング部の有効スプリング長
が、320以上、好ましくは、400以上に選ばれてい
ることである。ここで、有効スプリング長は、スパイラ
ル状スプリング部の平均半径(r:mm単位)と有効角
度(θ:度数表示)との積(r・θ)で与えられてお
り、スパイラル状スプリング部の有効角度(θ)は、前
記内側スパイラル状スリットの内端から外側スパイラル
状スリットの外端までに至る前記ダンパの中心周りの有
効角度(度数表示)である。スパイラル状スプリング部
の平均半径(r)は、ダンパの中心から、該スパイラル
状スプリング部の内側から外側まで(前記有効角度の基
点から前記有効角度(θ)だけ移動した終端位置まで)
該スパイラル状スプリング部の幅方向の中心部を延在す
るスパイラル曲線上の種々の点に至る距離(単位はmm
である)の平均値で与えられる。
【0022】また、この平均半径(r)は、近似的に
は、前記有効角度の基点における距離(D)と前記終
端位置における距離(Dθ)との和の平均値((D
θ)/2)で与えられ、または前記基点から所定の角
度(θ/2)だけ回転した位置における距離(すなわ
ち、ダンパの中心から、前記スパイラル曲線の前記基点
と終端位置との中間点までの距離)(D)によっても
近似できる。
【0023】この構造により、スパイラル状スプリング
部の有効スプリング長を長くできるので、ダンパの径方
向への衝撃応力に対しても剛性が十分に小さくなる。こ
のため、径方向へ落下衝撃のような外力が加わった場合
でも、磁気回路は径方向へ一時的に変位するが、永久ひ
ずみが残ることはない。
【0024】好ましくは、ダンパが、SUS304、S
US301、洋白、りん青銅、およびベリリウム・銅
(Be−Cu)合金のうち、少なくとも一種類の非磁性
金属ばね材もしくは弾性を有するプラスチック樹脂によ
り形成される。また、スパイラル状スプリング部を規定
する複数個のスパイラル状スリットは、円盤上で等角度
間隔位置に配備されることである。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0026】図1は本発明の実施の一形態を示す機能ブ
ロック図である。図1に示された振動アクチュエータ
は、図3に示される従来例の振動アクチュエータと基本
的構造は類似しており、ヨーク1、永久磁石2、プレー
ト3、中心軸4、コイル5、ダンパ7、緩衝材8、支持
フレーム9、および薄板の蓋部材10により構成されて
いる。図1において図3と同一構成要素には、同じ参照
符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
【0027】ダンパ7は、内側リング部71、外側リン
グ部72、複数のスパイラル状スプリング部73を有
し、各スパイラル状スプリング部73がそれに沿って内
側リング部71から外側リング部72へスパイラル状に
延びる内側および外側スパイラル状スリット74、75
によつて規定されている点で、従来のダンパ170と基
本的に同様である。内側リング部71は磁気回路1〜4
に固定され、外側リング部72は支持フレーム9に固定
される。
【0028】ダンパ7には、ばね材料としてSUS30
4、SUS301、洋白、りん青銅、ベリリウム・銅
(Be−Cu)合金およびプラスチック樹脂などの弾性
を有する非磁性の材質が用いられる。
【0029】次に、本発明による特徴であるスパイラル
状スプリング部73の構成について説明する。
【0030】図示されるように、ダンパ7は、その内側
リング部71から外側リング部72にスパイラル状に延
びる3つのスパイラル状スリットを形成されている。こ
れら3つのスパイラル状スリットは、ダンパ7の中心に
対して180度以上の角度にわたって延在するととも
に、等角度間隔に配備されている。これら3つのスパイ
ラル状スリットのうちダンパの半径方向で互いに隣り合
う2つが、その間に一つのスパイラル状スプリング部7
3を規定している。図1では、一つのスパイラル状スプ
リング部73を規定している内外2つのスパイラル状ス
リットを、それぞれ、「74」および「75」で示し
た。
【0031】各スパイラル状スプリング部73は、角度
55度以上の有効角度(θ)を有している。ここで、有
効角度(θ)は、スパイラル状スプリング部73を規定
する内側スパイラル状スリット74の内端と外側スパイ
ラル状スリット75の外端との間の角度(度数表示)で
与えられる。
【0032】更に、好ましくは、各スパイラル状スプリ
ング部73は、「320」以上の有効スプリング長を有
していることである。更に好ましい有効スプリング長は
「400」以上である。
【0033】ここで、有効スプリング長は、スパイラル
状スプリング部73の平均半径(r)と有効角度(θ)
との積(r・θ)で与えられる。また、平均半径(r)
は、ダンパ7の中心から、スパイラル状スプリング部7
3の内側から外側まで(前記有効角度の基点から有効角
度(θ)だけ移動した終端位置まで)スパイラル状スプ
リング部73の内側スパイラル状スリット74の内端と
外側スパイラル状スリット75の外端との間である幅方
向の中心部を延在するスパイラル曲線上の種々の点に至
る距離(mm単位による)の平均値で与えられる。
【0034】また、この平均半径(r)は、近似的に
は、前記有効角度の基点における距離(D)と前記終
端位置における距離(Dθ)との和の平均値((D
θ)/2)で与えられ、または前記基点から所定の角
度(θ/2)だけ回転した位置における距離(すなわ
ち、ダンパの中心から、前記スパイラル曲線の前記基点
と終端位置との中間点までの距離)(D)によっても
近似できる。
【0035】また、図1(b)に示されるように、各ス
パイラル状スリットの形状は(一つのスパイラル状スリ
ット75を代表に、図示説明する)、その内側輪郭a
が、スリットの外端Eから内端Eに向かって描かれ
るスパイラルの曲線a1と、内端部近傍部分で内側リン
グ部71の外形と同心の円弧aとからなっており、外
側輪郭bがこのスリットの内端Eから外端Eに向か
って描かれるスパイラルの曲線bと、外端部近傍にお
いて外側リング部72の内径と同心の円弧bとからな
り、スパイラル状スリット75の内端部および外端部で
スリットの幅が大きくなっている。この形状のため、内
側リング部71および外側リング部72の間に残される
ダンパ材料の量が少なくなるので、スパイラル状スプリ
ング部73の剛性およびダンパにおける半径方向の剛性
を更に低減することができる。
【0036】以上に説明された図1の実施の形態におい
ては、薄い板の蓋部材10が支持フレーム9に固定さ
れ、もしくはそれと一体に形成されている。しかし、別
の変形として、この蓋部材10を省略することができ
る。この場合、その振動アクチュエータを取り付ける装
置は、ダイヤフラムまたは薄板を有し、このダイヤフラ
ムまたは薄板が支持部材を介してコイルの振動を伝達
し、この振動に基づく音を発生する。
【0037】図1におけるダンパ7の内側リング部71
および外側リング部72はスパイラル状スプリング部7
3の厚みより厚い軸方向の長さを有している。従って、
内側リング部71はダンパ7の中心リブ、ハブまたはボ
スを構成し、外側リング部72は外側リブまたはリムを
構成する。しかしながら、変形例としての内側および外
側リング部は、スパイラル状スプリング部と同じ厚みを
有し、スパイラル状スプリング部と一枚板のダンパを形
成してもよい。
【0038】更に、緩衝材8は、磁気回路1〜4が振動
する際にヨーク1が支持フレーム9に衝突しないよう
に、ヨーク1と支持フレーム9とが配置されている場合
には、省略することができる。
【0039】次に、図2を参照して図1とは別の実施の
形態による振動アクチュエータについて説明する。この
振動アクチュエータは上述した変形の全てを備えてい
る。すなわち、支持フレーム29はリング形状を有して
おり、薄板の蓋部材は備えられていない。ダンパ27
は、平面図では図1(b)と同様な構成を有し、一枚の
薄い弾性板から形成され、内側および外側リング部27
1,272は、スパイラル状スプリング部273と同じ
厚みを有している。この内側リング部271はボルト状
の中心軸4を使用して弾性スペーサ11を介して磁気回
路1〜4に固定されている。この弾性スペーサ11は、
内側リング部271と磁気回路1〜4、特に、磁気プレ
ート3との間に配置され、挟持されている。外側リング
部272は支持フレーム29の底面に固定されており、
従って、支持フレーム29はダンパ27の上に配置され
ている。この支持フレーム29の配置では、ヨーク1は
支持フレーム29に衝突することはない。従って、緩衝
材は省略されている。
【0040】このダンパ27は、先に挙げた材料の薄板
から、例えば打ち抜き等によって、形成される。板材の
厚みとしては、振動アクチュエータの大きさにもよる
が、携帯電話に呼び出し用のアクチュエータとして組み
込まれるときには、0.1〜0.3mm程度が適当であ
る。
【0041】図2の構成を有する外径が15mmの振動
アクチュエータを、種々の材料からなり、異なる有効ス
プリング長を有するダンパ27を用いて作製し、振動に
必要なストロークを確保するストッパーを付加し、重量
100gの樹脂製の筐体内に固定し、1.8mの高さか
らコンクリート床の上に落下させて、その変形を見る落
下試験を行った。材料として板厚0.15mmのSUS
304板を用いた場合の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】 同表において、平均半径rは、基点から所定の角度(θ
/2)だけ回転した位置における距離(D)を用い
た。×は落下によりダンパに大きな変形が生じたことを
示し、△は変形がわずかなもので引き続き使用可能であ
ることを示し、は変形が生じなかったことを示す。
【0043】この表1から、有効スプリング長は「32
0」以上、好ましくは「400」以上であることが確認
された。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、支持フ
レームに磁気回路を支持するダンパが、内側リング部
と、外側リング部と、この内側リング部と外側リング部
との間を繋ぐ複数のスパイラル状スプリング部とからな
り、更に、各スパイラル状スプリング部は、内外リング
部間をスパイラル状に延在し、外側スパイラル状スリッ
トと内側スパイラル状スリットによつて規定されている
振動アクチュエータに関するものであり、本発明によれ
ば、各スパイラル状スプリング部は、「320」以上の
有効スプリング長を有し、好ましい有効スプリング長は
「400」以上である振動アクチュエータが得られる。
ここで、有効スプリング長は、スパイラル状スプリング
部の平均半径(r)と有効角度(θ)との積(r・θ)
で与えられる。また、有効角度(θ)は、スパイラル状
スプリング部を規定する内側スパイラル状スリットの内
端と外側スパイラル状スリットの外端との間の角度で与
えられる。
【0045】このような構造で、交流駆動電流が駆動コ
イルに印加された場合の動作は、従来例と同様である
が、スパイラル状スプリング部の有効長が長く、コンプ
ライアンスが比較的高いので、磁気回路の振動を大きく
取ることができ、従って、磁気回路の小型軽量化を可能
とする。
【0046】また、径方向へ落下衝撃のような外力が磁
気回路に加わった場合、磁気回路は径方向へ変位する
が、ダンパ自体およびスパイラル状スプリング部の径方
向の剛性が小さいので、これらに、永久ひずみが残るこ
とはない。
【0047】従って、長期間の使用においても安定した
特性と高い信頼性が得られるという効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の実施の一形態による振動
アクチュエータを示す縦断面図、図1(b)は図1
(a)におけるのダンパの平面図である。
【図2】本発明の実施の他の一形態による振動アクチュ
エータを示す縦断面図である。
【図3】図3(a)は従来の振動アクチュエータの一例
を示す縦断面図、図3(b)は図3(a)のダンパの一
例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ヨーク 2 永久磁石 3 プレート 4 中心軸 5 可動コイル 6 磁気空隙部分 7、27 ダンパ 8 緩衝材 9、29 支持フレーム 10 蓋部材 11 弾性スペーサ 71、271 内側リング部 72、272 外側リング部 73、273 スプリング部 74、75 スリット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石および磁性ヨークを含む磁気回
    路と駆動コイルとを有する電気機械変換器を有する振動
    アクチュエータであって、支持フレームと、この支持フ
    レームに前記磁気回路を支持するダンパとを有し、この
    ダンパは、内側リング部と、外側リング部と、この内側
    リング部と外側リング部との間を繋ぐ複数のスパイラル
    状スプリング部とからなり、各スパイラル状スプリング
    部は、内外リング部間をスパイラル状に延在し、外側ス
    パイラル状スリットと内側スパイラル状スリットによつ
    て規定されている振動アクチュエータにおいて、各スパ
    イラル状スプリング部の内側スパイラル状スリットの内
    端から外側スパイラル状スリットの外端までに至る前記
    ダンパの中心周りの有効角度が、55度以上に選ばれて
    いることを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 永久磁石および磁性ヨークを含む磁気回
    路と駆動コイルとを有する電気機械変換器を有する振動
    アクチュエータであって、支持フレームと、この支持フ
    レームに前記磁気回路を支持するダンパとを有し、この
    ダンパは、内側リング部と、外側リング部と、この内側
    リング部と外側リング部との間を繋ぐ複数のスパイラル
    状スプリング部とからなり、各スパイラル状スプリング
    部は、内外リング部間をスパイラル状に延在し、外側ス
    パイラル状スリットと内側スパイラル状スリットによつ
    て規定されている振動アクチュエータにおいて、各スパ
    イラル状スプリング部の有効スプリング長は、320以
    上、好ましくは、400以上に選ばれており、ここで、
    該有効スプリング長は、スパイラル状スプリング部の平
    均半径(r:mm単位)と有効角度(θ:度数表示)と
    の積(r・θ)で与えられ、スパイラル状スプリング部
    の有効角度(θ)は、前記内側スパイラル状スリットの
    内端から外側スパイラル状スリットの外端までに至る前
    記ダンパの中心周りの有効角度(度数表示)であること
    を特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記スパイラル状ス
    プリング部の平均半径(r)は、ダンパの中心から、該
    スパイラル状スプリング部の内側から外側まで(前記有
    効角度の基点から前記有効角度(θ)だけ移動した終端
    位置まで)該スパイラル状スプリング部の幅方向の中心
    部を延在するスパイラル曲線上の種々の点に至る距離
    (mm単位による)の平均値で与えられることを特徴と
    する振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記平均半径(r)
    は、近似的には、前記有効角度の基点における距離(D
    )と前記終端位置における距離(Dθ)との和の平均
    値((D+Dθ)/2)で与えられることを特徴とす
    る振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項2において、前記平均半径(r)
    は、前記基点から所定の角度(θ/2)だけ回転した位
    置における距離(すなわち、ダンパの中心から、前記ス
    パイラル曲線の前記基点と終端位置との中間点までの距
    離)(D)によって近似されていることを特徴とする
    振動アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項2において、前記ダンパは、SU
    S304、SUS301、洋白、りん青銅、およびベリ
    リウム・銅(Be−Cu)合金のうち、少なくとも一種
    類の金属ばね材により形成されることを特徴とする振動
    アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 請求項2において、前記ダンパのスパイ
    ラル状スプリング部を規定するスパイラル状スリット
    は、該ダンパの中心の周りに等角度間隔に形成されてい
    ることを特徴とする振動アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 請求項2において、各スパイラル状スリ
    ットの形状は、その内側輪郭(a)が、スリットの外端
    (E)から内端(E)に向かってスパイラルの曲線
    (a)で、内端部近傍部分で内側リング部(271)
    の外形と同心の円弧(a)からなっており、外側輪郭
    (b)が、当該スリットの内端(E)から外端
    (E)に向かってスパイラルの曲線(b)で、外端
    部近傍において外側リング部(272)の内径と同心の
    円弧(b)からなり、スパイラル状スリットは、その
    内端部および外端部でスリットの幅が大きくなっている
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
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