JP5929080B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
キャリア周期(T)毎にスイッチングを行うことにより入力を所定周波数、及び所定電圧の交流に変換して出力するインバータ回路(4)と、
前記スイッチングを制御して、インバータ出力の相電圧を6ステップモードとなるよう制御するとき、180度毎に訪れる相電圧が切替るタイミングにおいて、電圧誤差をなくすようにパルス電圧を出力するキャリア周期(T)を存在させる制御を行う制御部(5)と、
を備えたことを特徴とする。
第1の発明の電力変換装置において、
前記制御部(5)は、電圧ベクトルが整数回のキャリアで進む角度から計算した弦の長さが6つの基本電圧ベクトルからなる六角形の一辺の長さと等しくなるように、前記電圧ベクトルの大きさを決定することを特徴とする。
第1の発明の電力変換装置において、
前記制御部(5)は、キャリア周期(T)の開始時の電圧を示す第1電圧ベクトル(va)がキャリア周期(T)の終了時の電圧を示す第2電圧ベクトル(vb)まで変化する間に、相電圧が直流リンク電圧(Vdc)に切替る境界線、又は相電圧が0Vに切替る境界線の少なくともどちらか一方を通過した場合には、電圧ベクトルが直流リンク電圧(Vdc)又は0V一定となる区間(A,C)を通過した時間と、電圧ベクトルが直流リンク電圧(Vdc)と0Vの間で変化する区間(B)を通過した時間の電圧積算値から求めるキャリア周期(T)内の平均電圧に基づいて、前記パルス電圧の幅を決定することを特徴とする。
〈全体構成〉
図1は、本発明の実施形態1に係る電力変換装置(1)の構成を示すブロック図である。同図に示すように電力変換装置(1)は、コンバータ回路(2)、直流リンク部(3)、インバータ回路(4)、及び制御部(5)を備え、三相交流電源(6)から供給された交流の電力を所定の周波数の電力に変換して、モータ(7)に供給するようになっている。なお、本実施形態のモータ(7)は、永久磁石同期電動機であってもよいし、リラクタンス同期電動機、誘導電動機、など空間ベクトル変調を行えるモータならよい。モータ(7)は、例えば空気調和機の冷媒回路に設けられた圧縮機を駆動する。
コンバータ回路(2)は、三相交流電源(6)に接続され、三相交流電源(6)が出力した三相交流を全波整流する。この例では、コンバータ回路(2)は、複数(本実施形態では6つ)のダイオード(D1〜D6)がブリッジ状に結線されたダイオードブリッジ回路である。なお、直流リンク部(3)に整流された電圧を供給できるなら、コンバータ回路(2)の相数、整流方式は限定しない。
直流リンク部(3)は、コンデンサ(3a)を備えている。コンデンサ(3a)は、コンバータ回路(2)の出力ノードにリアクトル(L1)を介して並列接続されている。このコンデンサ(3a)は、インバータ回路(4)の入力ノード間に接続され、該コンデンサ(3a)の両端に生じた直流電圧(直流リンク電圧(Vdc))が、インバータ回路(4)に印加されている。コンデンサ(3a)は、例えば電解コンデンサによって構成する。
インバータ回路(4)は、直流リンク部(3)の出力をスイッチングして三相交流に変換し、接続されたモータ(7)に供給するようになっている。インバータ回路(4)は、複数のスイッチング素子がブリッジ結線されて構成されている。スイッチング素子(S)は、IGBT(Insulated-gate bipolar transistor)で構成されている。勿論、スイッチング素子(S)は、例えばFET(Field effect transistor)等の他の種類の半導体素子で構成してもよい。
制御部(5)は、マイクロコンピュータとそれを動作させるプログラムを含み、キャリア周期(T)毎にPWM変調を行い前記スイッチングを制御している。インバータ回路(4)の相電圧一次成分(以下、基本波成分ともいう)の振幅を、正弦波駆動で駆動できる最大振幅よりも大きくしたい場合には、過変調制御(後述)を用いる。過変調制御で出力出来る最大の相電圧を出力している状態が6ステップモードと呼ばれる相電圧が180度毎に切替る状態となる。
n×θc×L=1/3×π×Vdc ・・・条件式(1)
(ただし、n:正の整数、θc:電圧ベクトルが1キャリア周期(T)の間に進む角度、Vdc:直流リンク電圧)
が成り立つときには、電圧ベクトル(v)がnキャリア周期の間に進む円弧の長さと、図2で示した基本電圧ベクトル60度分の円弧の長さ(図5では区間(B)の基本電圧ベクトルからなる円弧の長さ)が同じ大きさになる。そのため、このLで電圧ベクトル(v)をコントロールすると誤差がキャンセルされる。図5に示すように、0V側で出力電圧が低くなり(0V側の電圧が大きくなる)、且つVdc側で電圧が高くなる(すなわち、Vdc側の電圧が大きくなる)。そして、0V側とVdc側の電圧が同じ大きさで大きくなっている。つまり、共に同じ大きさで電圧が大きくなるため電圧のアンバランスがなくなる。
2×L×sin(n×θc/2)=2×Vdc×sin30° ・・・条件式(2)
が本来の条件式となる。ただし、近似的には、条件式(1)を利用しても差し支えない。
正弦波駆動状態における動作は、一般的なインバータ回路と同様である。一方、過変調制御時は、制御部(5)が前記条件式(条件式(1)、(2)の何れか)を用いて電圧ベクトル(v)を決定する。電圧ベクトル(v)が決定されると、スイッチング素子(S)のオン時間が定まり、制御部(5)は、該オン時間に基づいて挿入する調整パルスのパルス幅を決定する。
実施形態2の電力変換装置(1)は、制御部(5)における過変調制御時の電圧ベクトル(v)の決定方法が実施形態1とは異なる。図6は、実施形態2における電圧ベクトル(v)の決定方法を説明する図である。図6の右側部分は、U相の電圧ベクトル等を時間軸直線に投影して表示したものである。
図8は、制御部(5)における電圧ベクトル(v)の決定動作を説明するフローチャートである。制御部(5)は、ステップ(S01)からステップ(S06)の動作により、電圧ベクトル(v)を決定する。
4 インバータ回路
5 制御部
Claims (3)
- キャリア周期(T)毎にスイッチングを行うことにより入力を所定周波数、及び所定電圧の交流に変換して出力するインバータ回路(4)と、
前記スイッチングを制御して、インバータ出力の相電圧を6ステップモードとなるよう制御するとき、180度毎に訪れる相電圧が切替るタイミングにおいて、電圧誤差をなくすようにパルス電圧を出力するキャリア周期(T)を存在させる制御を行う制御部(5)と、
を備えたことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1の電力変換装置において、
前記制御部(5)は、電圧ベクトルが整数回のキャリアで進む角度から計算した弦の長さが6つの基本電圧ベクトルからなる六角形の一辺の長さと等しくなるように、前記電圧ベクトルの大きさを決定することを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1の電力変換装置において、
前記制御部(5)は、キャリア周期(T)の開始時の電圧を示す第1電圧ベクトル(va)がキャリア周期(T)の終了時の電圧を示す第2電圧ベクトル(vb)まで変化する間に、相電圧が直流リンク電圧(Vdc)に切替る境界線、又は相電圧が0Vに切替る境界線の少なくともどちらか一方を通過した場合には、電圧ベクトルが直流リンク電圧(Vdc)又は0V一定となる区間(A,C)を通過した時間と、電圧ベクトルが直流リンク電圧(Vdc)と0Vの間で変化する区間(B)を通過した時間の電圧積算値から求めるキャリア周期(T)内の平均電圧に基づいて、前記パルス電圧の幅を決定することを特徴とする電力変換装置。
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