以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下の縁上)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の前面には、表示ユニット40が設けられている。表示ユニット40は、透明な導光板を備え、遊技者は、導光板を通して画像表示装置5を視認することができる。表示ユニット40は、例えば、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、導光板に画像を表示する。表示ユニット40の詳細については後述する。
遊技盤2における遊技領域の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図10に示す大入賞口扉用となるソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を遊技球が通過(進入)すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート26を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、内側フレーム40等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が検出された場合、図10に示す演出制御基板12によって表示装置5における表示演出が変更されたり、演出可動機構50における動作やスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート26を遊技球が通過するなどといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第1始動口スイッチによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第2始動口スイッチによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図ゲームが行われるごとに設定される特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となったり、このリーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)により、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される。
次に、画像表示装置5の前面に設けられている表示ユニット40の詳細な構造について説明する。図2は、(a)は表示ユニットを斜め前方から示す斜視図、(b)は表示ユニットを斜め後方から示す斜視図である。図3は、導光板とフレーム体とを分解して示す斜視図である。図4は、導光板とフレーム体との構造を示す分解斜視図である。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右方向を説明する。
図2から図4に示すように、表示ユニット40は、透明な2枚の導光板42(前導光板42A、後導光板42B)と、前導光板42A及び後導光板42Bを重ねて(対面させて)保持するフレーム体50と、前導光板42Aと後導光板42Bとのそれぞれに個別に光を出射可能な光出射部60と、から主に構成される。
図5は、(a)は前導光板を示す正面図、(b)は後導光板を示す正面図である。なお、図5には、光出射部60の集光レンズ62についても合わせて示している。導光板42は、所定の前後幅寸法L3(例えば5mm板厚など)を有するアクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂板で形成され、正面視横長長方形状に形成されている。前導光板42A及び後導光板42Bのそれぞれには、フレーム体50に取り付けるためのネジNを挿通させる複数の貫通孔43Aa〜43Af、43Ba〜43Bf(以下、まとめて貫通孔43ともいう)が形成されている。複数の貫通孔43のそれぞれは、導光板42における光出射部60からの光が入射される面(図5中、網掛部参照)から離れた位置に、つまり光出射部60の集光レンズ62が対向する位置とは異なる位置に形成されている。
複数の貫通孔43のそれぞれは、前導光板42Aと後導光板42Bとで異なる位置となるように形成されている。この実施の形態では、図5に示すように、導光板42には、上縁、左縁、下縁のそれぞれに2つずつ貫通孔43が形成されており、前導光板42Aの上縁の2つの貫通孔43Aa、43Abのそれぞれは、後導光板42Bの上縁の2つの貫通孔43Ba、43Bbのそれぞれよりも右側に形成されている。また、前導光板42Aの左縁の2つの貫通孔43Ac、43Adは、後導光板42Bの左縁の2つの貫通孔43Bc、43Bdよりも上下方向の端側に形成されており、前導光板42Aの下縁の2つの貫通孔42Ae、42Afは、後導光板42Bの下縁の2つの貫通孔42Be、42Bfよりも右側に形成されている。さらに、前導光板42A及び後導光板42Bの上縁の2つの貫通孔43の間には切り欠き44A、44Bが形成されており、前導光板の切り欠き44Aは、後導光板の切り欠き44Bよりも右側に形成されている。
前導光板42A及び後導光板42Bは、予め定められた向き(組付姿勢、図3など参照)でフレーム体50に取り付けられるように設計されており、この向きに対して裏返したり、回転させたときには、貫通孔43の位置が元の位置からずれるように構成されている。例えば、前導光板42Aは、上縁と下縁に形成されている貫通孔43Aa、43Ab、43Ae、43Afのそれぞれが左右方向に見て互いに異なる位置に形成されている。同様に、後導光板42Bは、上縁と下縁に形成されている貫通孔43Ba、43Bb、43Be、43Bfのそれぞれが左右方向に見て互いに異なる位置に形成されている。また、前導光板42A及び後導光板42Bには、左下に切り欠き45が形成されており、この切り欠き45を基準にして、導光板42の向きを判断することができる。
なお、前導光板42Aと後導光板42Bとは、上縁、左縁、下縁に2つずつ貫通孔43が形成されるものに限定されず、上縁、左縁、下縁に1つずつ又は3つ以上ずつ貫通孔43が形成されてもよいし、異なる数の貫通孔43が形成されていてもよい。
前導光板42A及び後導光板42Bには、光出射部60からの光によって発光する発光部46Aa、46Ab、46Ba、46Bbが形成されている。図6は、(a)は前導光板の表示パターンを示す図、(b)は後導光板の表示パターンを示す図、(c)は後導光板のドットパターンの一部を示す拡大図、(d)は裏面側のドットパターンでの光の反射を説明する断面図である。図6(a)に示すように、前導光板42Aの前面には、中央に「大当り」の文字が表れるように発光部46Aaが形成され(図6(a)中、実線参照)、前導光板42Aの背面には、前面の「大当り」の文字の上下両側に、「確変」の文字が表れるように発光部46Abが形成されている(図6(a)中、破線参照)。また、図6(b)に示すように、後導光板42Bの前面には、「チャンス」の文字が上下に2つずつ表れるとともに、左側中央に上に凸となる三角形の図形が、右側中央に下に凸となる三角形の図形が表れるように発光部が46Ba形成されている(図6(b)中、実線参照)。さらに、後導光板42Bの背面には、前面の「チャンス」に冠して「大」の文字が表れるとともに、前面の左側の三角形の図形に重なって下に凸となる三角形の図形が、前面の右側の三角形の図形に重なって上に凸となる三角形の図形が表れるように発光部46Bbが形成されている(図6(b)中、破線参照)。この実施の形態では、前導光板42A及び後導光板42Bに上下方向に沿って光が入射したときには、主に前面に形成された発光部46Aa、46Baが光を反射し、左右方向に沿って光が入射したときには、主に裏面に形成された発光部46Ab、46Bbが光を反射するように構成されている。このため、表示ユニット40では、前導光板42Aと後導光板42Bのそれぞれに対して、光出射部60により下側と左側とから光を出射することにより、計4種類の画像を表示することができる。
発光部46(発光部46Aa、46Ab、46Ba、46Bb)は、図6(c)、(d)に示すように、導光板42内を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。また、前面に形成された発光部46Aa、46Baは、導光板42に上下方向に沿って入射した光によって発光するように横長に形成されており、背面に形成された発光部46Ab、46Bbは、導光板42に左右方向に沿って入射した光によって発光するように縦長に形成されている。発光部46は、具体的には、スタンパーやインジェクションにより導光板の表面に凹凸部をつける成型方式にて構成されているが、例えばアクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により発光部を構成してもよい。
なお、この実施の形態では、導光板42の発光部46を光の進行方向の断面視が略三角波形状の横長又は縦長の凹凸部としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら発光部46の断面形状を略半円形状等、光を前面に向けて反射して導光板42に画像を表示するものであれば種々に変形可能である。なお、図6(a)、(b)などにおいて、発光部46は枠線で囲まれた文字や図柄として表されているが、実際には枠線はなく、上記ドット等の集まりによって文字や絵柄が形成されている。
また、この実施の形態では、導光板42によって表示可能とする画像(表示情報)として文字や図形が例示されているが、これら以外にも、記号、絵柄、あるいは模様などの装飾も含む他の画像を表示可能としてもよい。
フレーム体50は、非透光性を有する部材(例えば合成樹脂材など)で形成され、前導光板42A及び後導光板42Bと、光出射部60とを保持する。フレーム体50は、上フレーム52と、左フレーム54と、下フレーム56とからなり、各フレーム52、54、56には、表示ユニット40をパチンコ遊技機1に組み付けるための取付具58が設けられている。図7は、(a)は上フレームを下方から見た斜視図、(b)は上フレームの前側の差込溝より後方を前方から見た断面図、(c)は上フレームの後側の差込溝より後方を前方から見た断面図である。なお、図7および後述する図8、図9では、パチンコ遊技機1に組み付けるための取付具58の図示を省略している。図7に示すように、上フレーム52の内側面には、前後2つの差込溝52a,52bが長手方向に連続して、かつ平行に形成されている。上フレーム52の2つの差込溝52a,52bを隔てる隔壁52cには、前導光板42Aと後導光板42Bとに形成されている貫通孔43に対応した位置に、ネジ孔52dが形成されている。また、上フレーム52の前面には、前導光板42Aの貫通孔43に対応する位置に、ネジNを挿通させる凹部52eが形成されており(図7(a)参照)、背面には、後導光板42Bの貫通孔43に対応する位置に、ネジNを挿通させる凹部52fが形成されている(図7(a)(c)参照)。さらに、上フレーム52には、図7(b)に示すように、前側の差込溝52aに、前導光板42Aに形成されている切り欠き44Aに対応して凸部52gが形成され、後側の差込溝52bに、後導光板42Bに形成されている切り欠き44Bに対応して凸部52hが形成されている。なお、この実施の形態では、図7に示すように、上フレーム52の2つの差込溝52a、52bを隔てる隔壁52cには、ネジ孔52dが形成されている部分を除いて2つの差込溝52a、52bに平行する溝が中央に形成されており、上フレーム52の軽量化が図られている。ただし、上フレーム52の隔壁52cに、こうした溝が形成されなくてもよい。
図8は、(a)は左フレームを右側(中央側)から見た図、(b)は左フレームの前側の差込溝より後方を前方から見た断面図、(c)は左フレームの後側の差込溝より後方を前方から見た断面図である。図8に示すように、左フレーム54の内側(右側)の側面には、前後2つの差込溝54a、54bが上下方向に沿って平行に形成されている。2つの差込溝54a、54bのそれぞれは、上下方向の両端に、前導光板42A及び後導光板42Bと当接する底部55aが形成されており、上下方向の中央は左右方向に貫通する貫通孔55bとなっている。この貫通孔55bの上下端部には、上下中央に向けて突出するリブ55cが形成されるとともに、中央には、前後方向に隔壁54cを繋ぐ中央係止部55dが形成されており、光出射部60の集光レンズ62が左側(外側)から挿入される。貫通孔55bは、導光板42に向けて(外側から内側に)漸次前後幅寸法が小さくなるようにテーパ状に形成されている(図12参照)。左フレーム54の2つの差込溝54a、54bを隔てる隔壁54cには、前導光板42Aと後導光板42Bとに形成されている貫通孔43に対応した位置に、ネジ孔54dが形成されている。このネジ孔54dは、図8(b)に示すように、前導光板42A、後導光板42Bと当接する底部55aが形成されている部分の隔壁54cに形成されている。つまり、左フレーム54のネジ孔54dは、上下方向に、光出射部60の集光レンズ62から離れた位置に形成されている。また、左フレーム54の前面には、前導光板42Aの貫通孔43に対応する位置に、ネジを挿通させる凹部54e(図8(a)参照)が形成されており、背面には、後導光板42Bの貫通孔43に対応する位置に、ネジを挿通させる凹部54fが形成されている(図8(a)、(c)参照)。
図9は、(a)は下フレームを上側(中央側)から見た図、(b)は下フレームの前側の差込溝より後方を前方から見た断面図、(c)は下フレームの後側の差込溝より後方を前方から見た断面図である。図7に示すように、下フレーム56の内側(上側)の側面には、前後2つの差込溝56a、56bが左右方向に沿って形成されている。2つの差込溝56a、56bのそれぞれは、左右方向の両端に前導光板42A、後導光板42Bと当接する底部57aが形成されており、左右方向の中央は上下方向に貫通する貫通孔57bとなっている。この貫通孔57bの左右端部には、左右方向の中央に向けて突出するリブ57cが形成されるとともに、中央には、前後方向に隔壁56cを繋ぐ中央係止部57dが2箇所に形成されており、光出射部60の集光レンズ62が下側(外側)から挿入される。この実施の形態では、下フレーム56の前側に収容される集光レンズ62は、後側に収容される集光レンズ62よりも長手方向に短く構成されており、前側の差込溝56aの貫通孔57aは、集光レンズ62の形状に合わせて左右方向に短く、つまりリブ57c同士の間が狭く形成されている。また、集光レンズ62の形状に合わせて、前側の差込溝56aの中央係止部57dは、後側の差込溝56bの中央係止部57dよりも間隔が狭く形成されている。下フレーム56の2つの差込溝56a、56bを隔てる隔壁56cには、前導光板42Aと後導光板42Bとに形成されている貫通孔43に対応した位置に、ネジ孔56dが形成されている。このネジ孔56dは、図7(b)に示すように、前導光板42A、後導光板42Bと当接する底部57aが形成されている部分の隔壁56cに形成されている。つまり、下フレーム56のネジ孔56dは、左右方向に、光出射部60の集光レンズ62から離れた位置に形成されている。また、下フレーム56の前面には、前導光板42Aの貫通孔43に対応する位置に、ネジを挿通させる凹部56eが形成されており、背面には、後導光板42Bの貫通孔43に対応する位置に、ネジを挿通させる凹部56fが形成されている。
図4及び図7から図9に示すように、この実施の形態の前導光板42Aと後導光板42Bとのそれぞれは、フレーム体50との取り付けのための貫通孔43が互いに異なる位置に形成されているので、前導光板42Aをフレーム体50の後側の差込溝52b、54b、56bに差し込んで取り付けようとした場合には、フレーム体50の背面に形成されたネジ止め凹部52f、54f、56fと前導光板42Aの貫通孔43との位置が合わないため前導光板42Aをフレーム体50に取り付けることができず、後導光板42Bをフレーム体50の前側の差込溝52a、54a、56aに差し込んで取り付けようとした場合には、フレーム体50の前面に形成されたネジ止め凹部52e、54e、56eと後導光板42Aの貫通孔43の位置が合わないため後導光板42Aをフレーム体50に取り付けることができない。したがって、前導光板42Aと後導光板42Bとフレーム体50との組み付け間違いを防止することができ、導光板42とフレーム体50とを容易に組み付けることができる。しかも、前導光板42Aと後導光板42Bとのそれぞれは、前導光板42Aと後導光板42Bを予め定められた組付姿勢(図3など参照)に対して裏返したり、回転させたときには、貫通孔43の位置がずれるように構成されており、予め定められた組付姿勢に対して裏返したり、回転させたときには、フレーム体50におけるネジ止めをするためのネジ孔54d、56dやネジ止め凹部55c、57cと位置が対応しないように構成されているので、前導光板42Aや後導光板42Bを裏返したり回転させた状態で前導光板42や後導光板42Bとフレーム体50とを組み付けてしまうのを防止することができる。
また、この実施の形態のフレーム体50は、前導光板42A及び後導光板42Bを上側から保持する上フレーム52と、前導光板42A及び後導光板42Bを左側から保持する左フレーム54と、前導光板42A及び後導光板42Bを下側から保持する下フレーム56との複数のフレームで構成され、前導光板42A及び後導光板42Bは、上フレーム52、左フレーム54、下フレーム56の各フレームに取り付けるための貫通孔43のそれぞれが、前導光板42Aと後導光板42Bとで異なる位置に形成されている。このため、上フレーム52、左フレーム54、下フレーム56のそれぞれに対して、前導光板42Aと後導光板42Bとの組み付け間違いを防止することができる。さらに、前導光板42A及び後導光板42Bは、前導光板42Aと後導光板42Bを予め定められた組付姿勢(図3など参照)に対して裏返したり、回転させたときには、上フレーム52、左フレーム54、下フレーム56の各フレームに取り付けるための貫通孔43のそれぞれの位置がずれるように構成されており、上フレーム52、左フレーム54、下フレーム56の各フレームについて、前導光板42Aや後導光板42Bを裏返したり回転させた状態で前導光板42や後導光板42Bとフレーム体50とを組み付けてしまうのを防止することができる。
また、フレーム体50は、上フレーム52、左フレーム54、下フレーム56の3つの部材で構成されるものに限定されず、例えば、上フレーム52を備えずに左フレーム54、下フレーム56とでフレーム体50が構成されてもよいし、各フレーム52、54、56が一体に形成されてもよい。
光出射部60は、フレーム体50の左フレーム54と下フレーム54のそれぞれに取り付けられて支持される。図4に示すように、光出社部60は、表示用LED67が複数取り付けられたLED基板66と、表示用LED67からの光を前導光板42A及び後導光板42Bに案内する集光レンズ62とを有する。図10は、(a)は集光レンズの正面図、(b)は集光レンズの平面図、(c)は(a)のA−A断面図、(d)は(a)のB−B断面図である。図11は、(a)は下フレームを示す要部拡大断面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は(a)のD−D断面図である。
集光レンズ62は、アクリルまたはポリカーボネート等の透光性を有する部材(例えば合成樹脂材など)によって長尺板状に形成される。集光レンズ62は、正面視で前導体板42Aおよび後導体板42B側(内側)に膨出する略半円形状の複数の凸部62aが長手方向に連続して並接されている。各凸部62aは、表示用LED67のそれぞれに対応して1つずつ形成され、各凸部62aの先端面、つまり、集光レンズ62における前導光板42A及び後導光板42Bに対向する面(出射面)には、複数の湾曲面(レンズ面)を構成している。また、集光レンズ62には、フレーム体50のリブ55c、57cと当接するフック片62bがの長手方向の両端に設けられるとともに、フレーム体50の中央係止部55d、57dと当接する係子凹部62cが、中央係止部55d、57dに対応して設けられている(図8、図9参照)。
なお、複数の凸部62aは表示用LEDのそれぞれに対応に一体一に対応するものに限らず、例えば2以上のLED(発光体)に対応する凸部(レンズ面)が複数設けられていてもよい。また、集光レンズ62は、複数の凸部62aが一体に設けられた単一の部材にて構成されるものとしたが、LED(発光体)に対応して別個に形成された複数の集光レンズを用いてもよい。
集光レンズ62の表示用LED側(外側)の面には、正面視で外側に僅かに膨張する湾曲形状の膨出部62eが長手方向に複数連続して形成されている。各膨出部62eは、表示用LEDの各々に対応して1つずつ形成され、各膨出部62eの先端面、つまり集光レンズ62における表示用LED67に対向する面(入射面)は、複数の湾曲面(レンズ面)を構成している。なお、表示用LED67に対向する湾曲面は、前導光板42A及び後導光板42Bに対向する湾曲面に比べて曲率は小さく、僅かに膨出する程度に形成されている。
また、集光レンズ62は、前導光板42A及び後導光板42Bに対向する面の前後幅寸法L1(板厚)は、表示用LEDに対向する面の前後幅寸法L2(板厚)よりも短寸とされている(L1<L2)。また、集光レンズ62における前導光板42A及び後導光板42Bに対向する面の前後幅寸法L1は、前導光板42A及び後導光板42Bの前後幅寸法L3とほぼ同寸とされ(L1≒L3)、集光レンズ62における表示用LED67に対向する面の前後幅寸法L2は、表示用LED67の発光面67aの前後幅寸法L4(図12参照)とほぼ同寸に形成されている(L2≒L4)。
そして、集光レンズ62は、表示用LED67側から前導光板42A及び後導光板42B側(外側から内側)に向けて、前面62Fが漸次後側に傾斜する平坦な傾斜面を構成するとともに、背面62Bが漸次前側に傾斜する平坦な傾斜面を構成している。つまり、集光レンズ62は、表示用LED67側から前導光板42A及び後導光板42B側に向けて漸次板厚が薄くなるテーパ状に形成されている。なお、この実施の形態では、集光レンズ62は、表示用LED側(外側)の端部に、板厚が均一な短寸の非傾斜部62fが設けられている。
図4や図11に示すように、このように構成された集光レンズ62は、左フレーム54や下フレーム56の貫通孔55b、57bに外側から差し込まれ、外側の面が左フレーム54や下フレーム56の外側の面とほぼ面一となる位置まで差し込まれると、集光レンズ62のフック片62bが左フレーム54や下フレーム56のリブ55c、57cに当接する。この状態で、外側からLED基板66がフレーム体50にネジ止めされることによって、集光レンズ62は、前後に所定の隙間を隔ててフレーム体50に保持される。このように光出射部60がフレーム体50に保持されることによって、フレーム体50に取り付けられる導光板42と光出射部60との位置ずれを防止することができる。しかも、この実施の形態では、集光レンズ62は、フック片62bが左フレーム54や下フレーム56のリブ55c、57cに当接するとともに、集光レンズ62の係止凹部62cと左フレーム54や下フレーム56の中央係止部57dとが係止されるので、集光レンズ62とフレーム体50との位置ずれを防止することができる。
また、集光レンズ62は、表示用LED67側の面の前後幅寸法L2と表示用LED62の発光面67aの前後幅寸法L4とがほぼ同寸のため(L2≒L4)、表示用LED67からの出射光は前後方向に拡散されることなく集光レンズ62に入射される。さらに、集光レンズ62は、導光板42側の面の前後幅寸法L1と導光板42の前後幅寸法L3とがほぼ同寸のため(L1≒L3)、集光レンズ62からの出射光は前後方向に拡散されることなく導光板42に入射される。
また、この実施の形態では、フレーム体50に集光レンズ62と導光板42とが取り付けられたときには、集光レンズ62と導光板42との間に若干(例えば、約1mm〜3mm程度など)の隙間が設けられる。これにより、パチンコ遊技機1の輸送や使用の際に生じる振動によって集光レンズ62や導光板42に傷が付くことを防止することができる。
次に、表示用LED67からの出射光の導光状態について説明する。図12は、表示ユニットの縦断面を示す要部拡大断面図である。図13は、(a)は下方の光出射部が駆動されたときの後導光板の表示パターンを示す模式図、(b)は左方の光出射部が駆動されたときの後導光板の表示パターンを示す模式図である。図12及び図13に示すように、各表示用LED67から出射された出射光は、集光レンズ62に入射される。ここで、集光レンズ62の表示用LED側の面の前後幅寸法L2と、表示用LEDの発光面67aの前後幅寸法L4とはほぼ同寸であるため(L2≒L4)、各表示用LED67からの出射光は、前後方向に拡散せずにほぼ集光レンズ62内に入射する。LEDの光は指向性が高いが、集光レンズ62の入射面62eは、レンズ面をなすように湾曲状に形成されているので、集光レンズ62への入射光は、集光レンズ62内で左右方向に放射状に拡散される。そして、入射光は、内側(導光板側)の湾曲状のレンズ面を通過する際に、下フレーム56に支持された光出射部60では上方向(鉛直方向)に向けて屈折し(図13(a)参照)、左フレーム54に支持された光出射部60では右方向(水平方向)に向けて屈折して出射される(図13(b)参照)。
これにより、指向性が高い表示用LEDからの出射光を、集光レンズ62によってある程度放射状に拡散させることができ、導光板42における発光領域を広げることが可能となる。また、集光レンズ62から出射される光は、鉛直方向または水平方向に向けて誘導されて放射状に拡がることはないので、各表示用LED67に対応する領域のみを部分的に発光させることができる。
また、図13に示すように、表示用LED67から集光レンズ62に入射された入射光は、前後(板厚)方向に全反射を繰り返し、前後方向の略中央位置に向けて集光され、最終的に前後幅が小さい導光板42側の端面から出射される。
このように、表示用LED67からの光を前後幅(板厚)方向に拡散させることなく集光して導光板42から出射させることができるので、光の減衰が抑制される。特に、表示用LEDの発光面67aの前後幅寸法L4が、集光レンズ62における表示用LED側端部の前後幅寸法L2よりも大きい場合(L4>L2)であっても、表示用LED67からの光を前後幅(板厚)方向に拡散させることなく導光板42に導くことができるので、表示用LED67からの光が周囲に拡散されることが防止される。
また、特に図示しないが、例えば表示用LED67が前後幅方向に複数配置される場合でも、集光レンズ62における表示用LED67側の前後幅寸法L2を表示用LEDに応じて拡げ、これにより出射光を周囲に拡散させずに集光レンズ62に入射さえることができる。よって、導光板42の前後幅寸法(板厚)L3よりも表示用LED67の発光領域の前後幅寸法が大きい場合でも、表示用LED67からの出射光を誘導しながら板厚方向に集光して導光板42に入射させることができる。
集光レンズ67から導光板42に光が出射され、発光部46に光が到達すると、発光部46にて光が前面側に向けて反射されることで、遊技者からは、それぞれの発光部46に対応する箇所が反射光により発光されることで、所定の文字や図形などの画像(表示情報)が表示されるようになる。
表示ユニット40による表示演出の一例を説明する。パチンコ遊技機1では、例えばリーチ演出や大当り演出が行われるときに、特図変動時演出制御パターンに従って表示ユニット40による演出演出が行われる。図14及び図15は、表示ユニットの表示制御の一例である。例えば、パチンコ遊技機1が備えるコンピュータによって、下フレーム56に取り付けられた後導光板42Bに対応する光出射部60の表示用LED67を点灯させることで、「チャンス」の文字と三角形の図形が表示され(図14(a)参照)、続いて左フレーム54に取り付けられた後導光板42Bに対応する光出射部60の表示用LED67を点灯させることで「チャンス」に冠する「大」の文字と、前面側の三角形に重なる三角形の図形とが表示される(図14(b)参照)。そして、大当り演出として、下フレーム56に取り付けられた前導光板42Aに対応する光出射部60の表示用LED67を点灯させることで「大当り」の文字が表示される(図14(c)参照)。
また、例えば、表示ユニット40に「大当り」の文字だけが表示されている状態で(図15(a)参照)、続いて左フレーム54に取り付けられた前導光板42Aに対応する光出射部60の表示用LED67を点灯させることで、「大当り」の文字の上下に「確変」の文字が表示される(図15(b)参照)。
このように、前後の導光板42Aの前面と背面とのそれぞれに対応する表示用LED67を個別に表示制御可能とすることで、1枚の導光板を用いたり、2枚の導光板の前面と背面との一方だけを用いたりする場合に比べて、表示のバリエーションを増やすことができる。このため、多彩な表示パターンでの表示が可能となる。
ここで、リーチ演出における表示ユニット40を用いた演出動作では、大当り期待度が高いリーチ演出のときほど、演出効果の高い演出動作が行われるように予め演出パターンを定めておいてもよい。例えば、ノーマルリーチ演出が行われるときには、表示ユニットに「チャンス」の文字だけが表され(図14(a)参照)、スーパーリーチ演出が行われるときには、「チャンス」の文字に冠して、「大」の文字が表されるように演出制御を行うなどとしてもよい(図14(b)参照)。
なお、表示ユニット40を用いた演出動作については、これらの例に限定されるものではなく、光出射部60を駆動することによって実現できる種々の演出動作が採用されればよい。また、リーチ演出や大当り演出以外の演出において、表示ユニット40を用いた演出動作が行われてもよい。例えば、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出において、表示ユニット40を用いた演出動作が行われてもよいし、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出において、表示ユニット40を用いた演出動作が行われてもよい。
また、この実施の形態の表示ユニット40は、導光板42の背面側に、表示ユニット40とは異なる別個の画像表示装置5が設けられていることで、画像表示装置5にて表示を行っているときに、非表示の導光板42の発光部46を構成する凹凸部が目立つのを防止することができる。さらに、図1に示すように、表示ユニット40とともに、画像表示装置5を表示制御することで、さらに表示のバリエーションを増やすことが可能となる。
また、例えば表示ユニット40の表示領域を、上下方向や左右方向に複数に分割して、分割した領域毎に光出射部60の表示用LED67の駆動を行って表示演出を行ってもよい。例えば、リーチ演出として、初めに、下フレーム56に取り付けられた前導光板42Aに対応する表示用LED67のうち、左側3分の1の表示用LED67だけから光を出射させて「大」の文字を表示し、続いて、下フレーム56に取り付けられた前導光板42Aに対応する表示用LED67のうち、右側3分の1の表示用LED67から光を出射させて「り」の文字を表示し、最後に、大当り演出として、下フレーム56に取り付けられた前導光板42Aに対応する表示用LED67のうち、中央3分の1の表示用LED67から光を出射させて「当」の文字を表示するなどとしてもよい。
また、例えば表示用LED67から複数色の光を出射できるものとし、表示用LED67からの光を反射させる発光部46を設定すると同時に、表示用LED67から出射する光の色を設定して表示演出を実行してもよい。
この実施の形態の表示ユニット40では、導光板の前後幅寸法(板厚)L3を、表示用LED67の配置位置や発光面67aの前後幅寸法L4によって制限されることなく、肉薄とすることができるため、製造コストを低減できるとともに、装置の小型化を図ることができる。さらに、導光板42の前後幅寸法L3である板厚を薄くできることで、例えば遊技者が、パチンコ遊技機1の正面から左右いずれか側にややずれた位置から画像表示装置5を視認する場合に、導光板42の板厚によって表示画像が屈折して見えてしまうことも極力抑えることができる。
以上説明した本実施の形態のパチンコ遊技機1では、左フレーム54に取り付けられた光出射部60と、下フレーム56に取り付けられた光出射部60とのそれぞれから前導光板42Aと後導光板42Bとに光を入射させることによって、前導光板42Aと後導光板42Bとに画像を表示させることができる。そして、前導光板42Aと後導光板42Bとでは、フレーム体50に取り付けるための貫通孔43が異なる位置に形成されているので、前導光板42Aと後導光板42Bとフレーム体50との組み付け間違いを防止することができ、導光板42とフレーム体50とを容易に組み付けることができる。
また、前導光板42Aと後導光板42Bとのそれぞれは、前導光板42Aと後導光板42Bを予め定められた組付姿勢(図3など参照)に対して裏返したり、回転させたときには、貫通孔43の位置がずれるように構成されている。つまり、予め定められた組付姿勢に対して裏返したり、回転させたときには、フレーム体50におけるネジ止めをするためのネジ孔52d、54d、56dやネジ止め凹部52e、52f、54e、54f、56e、56fと位置が対応しないように構成されているので、前導光板42Aや後導光板42Bを裏返したり回転させた状態で前導光板42や後導光板42Bとフレーム体50とを組み付けてしまうのを防止することができる。
また、前導光板42Aと後導光板42Bとのそれぞれに光を入射する光出射部60は、前導光板42A及び後導光板42Bを保持するフレーム体50に取り付けられるので、前導光板42Aと後導光板42Bと光出射部60との位置決めを容易に行うことができる。
また、光源としての表示用LED67と導光板42との間には、表示用LED67からの光を導光板42の板厚方向に集光して導光板42の側面に向けて出射する集光レンズ62が設けられているので、表示用LED67からの光を板厚方向に拡散させることなく導光板42の側面に導くことができ、これにより光の減衰が抑制されるので、導光板42における表示の輝度の低下を防止できる。
次に、変形例の表示ユニット40’について説明する。図16は、(a)は変形例の表示ユニットを斜め前方から示す斜視図、(b)は変形例の表示ユニットを斜め後方から示す斜視図である。図17は、変形例の表示ユニットの内部構造を示す分解斜視図である。図18は、変形例の導光板を示す正面図である。図19は、(a)は変形例の前導光板を示す正面図、(b)は変形例の後導光板を示す正面図である。図20は、(a)変形例の表示ユニットのフレーム枠体の縦断面図、(b)は変形例の表示ユニットのフレーム枠体の横断面図である。
変形例の表示ユニット40’は、図16及び図17に示すように、液晶表示器51の前面側に配置されて、液晶表示器51と一体的に組み付けられてなる。液晶表示器51は、パチンコ遊技機1に組み付けるための取付け金具59aが左右側辺に設けられた取付部材59の前面に取り付けられている。表示ユニット40’は、液晶表示器51の前面側を覆うように配置された状態で、上辺及び下辺から背面側に向けて突設された係止爪503aを介して取付部材59に係止されている。
変形例の表示ユニット40’は、光を透過可能な透光性を有する前導光板142A及び後導光板142Bからなる導光板142と、非透光性を有する部材(例えば合成樹脂など)により四角枠状に形成されたフレーム枠体504と、導光板142の端面に光を入射可能に設けられる光出射部60とを備える。変形例の表示ユニット40’では、光出射部60は、上側にだけ設けられ、導光板142には上端面からのみ光が入射される。そして、変形例の導光板142には、背面にだけ発光部46が形成されており、光出射部60から光が入射されるたときに発光部46が発光し、導光板142に画像が表示される。
変形例の表示ユニット40’の導光板142は、所定の前後幅寸法(例えば5mm板厚など)を有するアクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂板で形成され、正面視横長長方形状に形成されている。変形例の表示ユニット40’の導光板142は、図18及び図19に示すように、フレーム枠体504に差し込まれる差込部143A、143Bのうち、光出射部60が設けられていない下方と左右両方の差込部(つまり、前導光板及び後導光板における光源から光が入射される面から離れた部分、図19中、網掛部参照)143A、143Bが、前導光板142Aと後導光板142Bとで異なる形状に構成されている。具体的には、変形例の表示ユニット40’では、前導光板142Aは、フレーム枠体504に差し込まれる差込部143Aのうち下方の差込部143Aが後導光板142Bの下方の差込部143Bよりも上下幅寸法が短寸に形成され、左右両側の差込部143Aが後導光板142Bの左右両側の差込部143Aよりも左右幅寸法が長寸に形成されている。反対に、後導光板142Bは、フレーム枠体504に差し込まれる差込部143Bのうち下方の差込部143Bが前導光板142Aの下方の差込部143Aよりも上下幅寸法が長寸に形成され、左右両側の差込部143Bが前導光板142Aの左右両側の差込部143Bよりも左右幅寸法が短寸に形成されている。
なお、図18及び図19に示すように、変形例の表示ユニット40’の前導光板142Aと後導光板142Bとのそれぞれには、下端部の左右両端に凹部145が形成されており、この凹部145を基準にして導光板142の上下の向きを判断することができる。この実施の形態では、前導光板142Aと後導光板142Bの下端部の凹部145は、左右で対称な形状に形成されているが、左右で異なる形状に形成することによって、凹部145を基準にして導光板142の左右の向きを判断できるようにしてもよい。また、凹部145は、導光板142の下端に形成されるものに限らず、左右側端部や上端に形成されてもよく、2つ以上の端部に形成されてもよい。
変形例の表示ユニット40’のフレーム枠体504は、左フレーム504a及び右フレーム504bと、これら左フレーム504a及び右フレーム504bの下端間を連結する下フレーム504c及び上端間を連結する上フレーム504dと、により四角枠状に形成されている。左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cは、一体化されて上向きに開口するコ字状に形成されており、上フレーム504dは、左フレーム504a及び右フレーム504bの上端にネジN1により着脱可能に取り付けられ、上辺を開放可能に設けられている。
左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cの内側面には、前導光板142Aが差し込まれる差込溝508aと、後導光板142Bが差し込まれる差込溝508bと、が長手方向にわたり連続して、かつ平行に形成されており、図17に示すように上フレーム504dを取り外すことで導光板142を上方から差込溝508a,508bに差込み及び上方に抜き取り可能とされている。このように導光板142を左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cから取り外し可能に設けることで、導光板142を容易に交換することができる。
左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cに形成された差込溝508a、508bは、導光板142の差込部143A、143Bの形状に対応した形状となっており、導光板142がフレーム枠体504に保持されるときに、導光板142の差込部143A、143Bがフレーム枠体504と当接する。具体的には、導光板142の下方の差込部143A、143Bは、前導光板142Aの下方の差込部143Aが後導光板142Bの下方の差込部143Bよりも上下幅寸法が短寸に形成されているため、図20(a)に示すように、下フレーム504cでは、前側の差込溝508aの方が後側の差込溝508bよりも浅く(後側の差込溝508bの方が前側の差込溝508aよりも深く)構成されている。また、導光板142の左右両側の差込部143A、143Bは、前導光板142Aの左右両側の差込部143Aが後導光板142Bの左右両側の差込部143Bよりも左右幅寸法が長寸に形成されているため、図20(b)に示すように、左フレーム504a及び右フレーム504bでは、前側の差込溝508aの方が後側の差込溝508bよりも深く(後側の差込溝508bの方が前側の差込溝508aよりも浅く)構成されている。
この変形例の前導光板142Aと後導光板142Bは、フレーム枠体504と当接する差込部143A、143Bが互いに異なる形状に形成されているので、前導光板142Aをフレーム枠体504の後側の差込溝508bに差し込んで取り付けようとしても、フレーム枠体504の後側の差込溝508bの左右幅寸法よりも前導光板142Aの左右幅寸法の方が大きいので、前導光板142Aを後側の差込溝508aに差し込むことができず、後導光板142Bをフレーム体508の前側の差込溝508aに差し込んで取り付けようとした場合には、後導光板142Bの差込部143Bの全てが差し込まれる前に後導光板142Bと下フレーム508cとが当接し、後導光板143Bの上端が左フレーム504a及び右フレーム504bの上端よりも突出して後導光板143Bをフレーム枠体504に収容することができない。したがって、変形例の表示ユニット40’によっても、前導光板142Aと後導光板142Bとフレーム枠体504との組み付け間違いを防止することができ、導光板142とフレーム枠体504とを容易に組み付けることができる。
以上説明した変形例の表示ユニット40’においても、上フレーム504dに取り付けられた光出射部60から前導光板142Aと後導光板142Bとに光を入射させることによって、前導光板142Aと後導光板142Bとに画像を表示させることができる。そして、前導光板142Aと後導光板142Bとでは、フレーム枠体504に保持されるときにフレーム枠体504と当接する差込部143A、143Bが互いに異なる形状に形成されているので、前導光板142Aと後導光板142Bとフレーム枠体508との組み付け間違いを防止することができ、導光板142とフレーム枠体508とを容易に組み付けることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。例えば、上記実施の形態で説明した表示ユニット40と、変形例の表示ユニット40’とを組み合わせてもよく、図21の変形例の導光板242A、242Bに示すように、導光板242A、242Bにおけるフレーム体50(フレーム枠体508)の差込溝に差し込む差込部(フレーム体50(フレーム枠体508)に保持されるときに当接する部分)244A、244Bが、前導光板242Aと後導光板242Bとで異なる形状に形成されるとともに、前導光板242A及び後導光板242Bをフレーム体50(フレーム枠体508)に取り付けるための貫通孔(取付部)243が、前導光板242Aと後導光板242Bとで異なる位置に形成されてもよい。図21の例では、前導光板242Aおよび後導光板242Bのそれぞれの右下端部が異なる形状に切り欠かれて差込部244A、244Bが形成されているとともに(前導光板242Aでは横長の三角形状、後導光板242Bでは縦長の三角形状)、前導光板242Aおよび後導光板242Bをフレーム体50(フレーム枠体508)にネジ止めするための貫通孔243が異なる位置に形成されている(前導光板242Aの上部の貫通孔243が後導光板242Bの上部の貫通孔243よりも右に位置し、前導光板242Aの左部の貫通孔243が後導光板242Bの左部の貫通孔243よりも下に位置する)。
上記実施の形態の表示ユニット40では、前導光板42Aと後導光板42Bとには、フレーム体50との取り付けのためにネジNが挿通される貫通孔43が互いに異なる位置に形成されるものとしたが、導光板42は、係合部材によってフレーム体と係合されるものであればよく、貫通孔43に代えてネジ孔や溝などが前導光板42Aと後導光板42Bとで異なる位置に形成されていてもよい。
上記変形例の表示ユニット40’では、前導光板42Aと後導光板42Bとで、フレーム枠体504の差込溝508a、508bに差し込まれる差込部143の寸法が異なるものとしたが、フレーム枠体508に保持されるときにフレーム枠体508と当接する当接部が前導光板142Aと後導光板142Bとで異なる形状に形成されていればよく、例えば図21に示すように、導光板142A、142Bの四角や側面に、前導光板142Aと後導光板142Bとで異なる形状の切り欠きが形成されるなどとしてもよい。
上記実施の形態では、表示ユニット40、40’は、フレーム体50(フレーム枠体508)に導光板42、142が差し込まれるものとしたが、フレーム体50(フレーム枠体508)は、前導光板42A、142Aと後導光板42B、142Bとを対面させた状態で保持することができるものであればよく、例えば前導光板42A、142A及び後導光板42B、142Bを前方と後方とから支持する2以上の部材でフレーム体50(フレーム枠体508)が構成されるなどでもよい。
上記実施の形態や変形例では、集光レンズ62は長尺板状に形成されていたが、表示用LED67からの入射光を導光板42、142側に誘導しながら板厚(前後)方向に集光して導光板42、142に向けて光を出射することが可能であれば、例えば図22に示すように、表示用LED67として被覆可能なドーム形状の透光性部材からなる集光レンズを用いてもよい。
この集光レンズには、表示用LEDを収納可能な凹部162aが形成され、その凹部162aの内面が入射面となっている。形状は、表示用LED67側から導光板側42に向けて先細りとなるドーム形状をなし、図22中の下端部から光を出射可能に構成されている。このような集光レンズ162にあっても、表示用LED67から導光板42に向けて前後幅寸法が漸次短寸となり、入射光を全反射により導光板42側に誘導しながら前後方向に集光させて出射させることができる。
上記実施の形態の集光レンズ62は、前面及び背面のそれぞれが平坦状の傾斜面に形成されていたが、内部に入射された光を導光板42、142側に誘導可能であれば、図22に示す集光レンズ162のような曲面に構成されてもいてもよい。
上記実施の形態の集光レンズ62の出射面は、正面視略半円形状に形成され、入射面が湾曲状に構成されていたが、例えば図23の変形例の集光レンズ262に示すように、凸部262aが台形状に形成されるなど種々に変更可能である。また、入射面も、必ずしも湾曲面に構成されていなくてもよい。
上記実施の形態及び変形例では、導光板42、142の発光部46は、導光板42、142の表面に形成される凹部で構成されていたが、導光板42、142の内部に入射された入射光を前面に出射させることで導光板42,142に表示情報を表示可能なものであれば、例えば図24に示すように、導光板42、142の内部に入射された入射光を全反射させずに、前面から出射させる複数の凸部等の透光誘導部であってもよいし、あるいは、前後面に形成される凹部や凸部ではなく、導光板42、142の内部に形成される反射部等であってもよい。
上記実施の形態では、表示ユニット40、40’には、光源としての表示用LED67と導光板42、142との間に、表示用LED67からの光を導光板42、142の板厚方向に集光して導光板42、142の側面に向けて出射する集光レンズ67が設けられたが、こうした集光レンズを備えなくてもよい。
上記実施の形態では、表示ユニット40、40’の導光板42、142は、前導光板42A、142Aと後導光板42B、142Bとから構成されていたが、前後方向に重畳して配置した3枚以上の導光板から構成されてもよい。
上記実施の形態及び変形例では、前導光板42A、142Aと後導光板42B、142Bとが所定の隙間を隔てて離間配置されることで、後導光板142Bにて反射されて前側に出射された出射光により前側の導光板42、142の発光部で反射して光ることが防止されていたが、互いに当接して配置されていてもよい。
上記実施の形態及び変形例では、表示ユニット40には、導光板42、142の左端面と下端面とから光を入射可能に構成され、表示ユニット40’は、導光板の上端面から光を入射可能に構成されていたが、表示ユニット40の導光板42の一辺にのみ光源が設けられてもよいし、表示ユニット40’の導光板142の二辺に光源が設けられてもよい。また、光源から導光板42、142への光の出射は、上下側端面、左右側端面のいずれからなされてもよい。さらに光源は、LEDに限定されるものではなく、例えば冷陰極管等他の発光体を用いてもよい。
上記実施の形態及び変形例では、表示ユニット40は、遊技盤2の画像表示装置5の前面に取り付けられるものとしたが、遊技盤2の画像表示装置5の前面以外の場所に取り付けられてもよいし、例えば遊技機用枠3の前面板が導光板42、142で形成されて、この導光板42に光が入射されるように表示ユニット40が構成されるなど、遊技用枠3に表示ユニット40が設けられてもよい。
上記実施の形態及び変形例では、前導光板42A、142A及び後導光板42B、142Bは、透明板で構成されるものとしたが、光源からの光を反射して表示情報を表示できるように透光性を有するものであればよく、半透明や不透明であってもよい。また、着色されていてもよく、有色透明などであってもよい。
上記実施の形態では、遊技機として、パチンコ遊技機1に、本発明を適用して説明したが、例えば、スロットマシンやゲーム機などに上述の表示ユニット40、40’が搭載されるなど、他の遊技機に本発明を適用してもよい。