JP5926269B2 - フィルム表面処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

この発明は、樹脂製のフィルムを表面処理する方法及び装置に関し、特に、フィルムの接着性を向上させるだけでなく、接着によって形成されたフィルム積層体の耐温水性を向上させるのに適したフィルム表面処理方法及び装置に関する。
例えば、液晶表示装置には、偏光板が搭載されている。偏光板は、偏光フィルムと保護フィルムを積層したフィルム積層体になっている。一般に、偏光フィルムは、ポリビニルアルコール(PVA)を主成分として含む樹脂フィルム(以下「PVAフィルム」と称す)にて構成されている。保護フィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)を主成分として含む樹脂フィルム(以下「TACフィルム」と称す)にて構成されている。これらフィルムを接着する接着剤としては、ポリビニルアルコール系やポリエーテル系等の水系接着剤が用いられている。PVAフィルムは上記接着剤との接着性が良好であるが、TACフィルムは接着性が良好でない。そこで、特許文献1、2では、上記接着工程の前に、保護フィルムの表面にアクリル酸等の重合性モノマーの薄膜(凝縮層)を形成した後、大気圧プラズマを照射して、ポリアクリル酸等の重合膜を形成している。
特開2009−25604号公報 特開2010−150372号公報
発明者が、上記大気圧プラズマ照射後のTACフィルムとPVAフィルムとを接着してなる偏光板を、高温または高湿度に対する耐久性評価の代替評価として、温水に浸したところ、色抜け(color omission)や剥がれ(delamination)が起き、温水に対する耐性(耐温水性)が低かった(後記比較例1参照)。特に、上記重合膜がポリアクリル酸等の水溶性ポリマーであると、耐温水性が低くなるものと考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、偏光板等のフィルム積層体を構成する樹脂フィルムの表面処理において、上記樹脂フィルムの接着性を向上させるだけでなく、接着によって形成されたフィルム積層体の温水に対する耐性(耐温水性)を高めることを目的とする。
上記問題点を解決するために、本発明方法は、樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理方法であって、
気化した前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを前記被処理フィルムに接触させる第1処理工程と、
前記第1処理工程後又は前記第1処理工程と併行して、放電生成ガスをプラズマ化(励起、活性化、ラジカル化、イオン化等を含む)して前記被処理フィルムに接触させる第2処理工程と、
を備え、前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率を所定範囲内に調節することを特徴とする。
第1処理工程及び第2処理工程によって、被処理フィルムの表面に重合性モノマーのプラズマ重合体の膜が形成される。このとき、架橋性添加成分によって前記重合体を架橋化(高架橋度化を含む)できる。そして、前記重合体の膜が接着性促進層となって被処理フィルムの接着性を高めることができ、更には前記架橋によって前記接着性促進層の疎水性を高めることができ、ひいては接着後のフィルム積層体の耐温水性を高めることができる。前記重合体がポリアクリル酸等の水溶性ポリマーであっても、疎水性を充分に高めることができ、耐温水性を充分に高くできる。架橋性添加成分の含有率を調節することによって、架橋化作用を確実に発現でき、かつ接着性を確保できる。前記含有率が小さ過ぎると架橋化作用を発現できない。前記含有率が大き過ぎると接着性が低下する。
ここで、耐温水性とは、前記被処理フィルムを他のフィルムと接着してなる偏光板等のフィルム積層体をある程度の温度(例えば50℃〜80℃)の温水にある程度の時間(例えば1h〜5h)浸漬しても、前記フィルム積層体が色抜けや剥がれを起こしにくい度合いを言う。
前記架橋性添加成分の重合性モノマーに対する含有率が、0.5wt%〜10wt%であることが好ましい。前記含有率を0.5wt%以上にすることで、重合性モノマーの架橋化作用を確実に発現できる。前記含有率を10wt%以下にすることで、接着剤に対する親和性を維持でき、接着強度を確実に得ることができる。
また、本発明装置は、樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理装置であって、
前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを生成する生成部と、
前記第1ガスを前記被処理フィルムに吹き付ける第1ノズルと、
互いの間のギャップ内に電界印加によって大気圧近傍の放電を生成する一対の電極と、
前記ギャップに放電生成ガスを供給する第2ノズルと、
前記被処理フィルムを、前記第1ノズルに面する第1処理空間を経て前記ギャップに通すように搬送する搬送手段と、
を備え、前記生成部によって前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率が所定範囲内に調節されていることを特徴とする。
第1ガスを被処理フィルムに吹き付けることによって、被処理フィルムの表面に重合性モノマー及び架橋性添加成分の混合凝縮層を形成できる。続いて、電極間の放電によって、前記混合凝縮層中の重合性モノマーをプラズマ重合させ、被処理フィルムの表面に重合性モノマーの重合体の膜を形成でき、かつ前記架橋性添加成分によって前記重合体を架橋化(高架橋度化を含む)できる。そして、前記重合体の膜が接着性促進層となって被処理フィルムの接着性を高めることができ、更には前記架橋によって前記接着性促進層の疎水性を高めることができ、ひいては接着後のフィルム積層体の耐温水性を高めることができる。前記生成部によって架橋性添加成分の含有率を調節することによって、架橋化作用を確実に発現でき、かつ接着性を確保できる。前記含有率は0.5wt%〜10wt%であることが好ましい。前記含有率が0.5wt%未満であると、架橋化作用を発現させることが難しい。前記含有率が10wt%を超えると、例えばPVA系の接着剤に対する親和性が低下し、接着強度が劣化する。
前記接着剤としては、例えば水系接着剤を用いることが好ましい。水系接着剤として、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリウレタン系接着剤(1液型でもよく2液型でもよい)、水性ウレタン接着剤、アクリル系接着剤、ポリサルファイト系接着剤、シリコーン系接着剤(1液型でもよく2液型でもよい)、変性シリコーン系接着剤、エポキシ変性シリコーン接着剤、ブチルゴム系接着剤等が挙げられる。
本発明は、大気圧近傍下で行なう表面処理に好適である。前記プラズマ化は大気圧近傍下で行うことが好ましい。ここで、大気圧近傍とは、1.013×10〜50.663×10Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×10〜10.664×10Paが好ましく、9.331×10〜10.397×10Paがより好ましい。
前記被処理フィルムは、好ましくは難接着性の光学樹脂フィルムである。本発明は、難接着性の光学樹脂フィルムを易接着性の光学樹脂フィルムに接着するにあたり、難接着性の光学樹脂フィルムの接着性及び耐温水性を向上させる表面処理に好適である。前記難接着性の光学樹脂フィルムの主成分としては、例えばトリアセチルセルロース(TAC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、シクロオレフィン重合体(COP)、シクロオレフィン共重合体(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。前記被処理フィルムは、より好ましくはTACフィルムである。前記易接着性の光学樹脂フィルムの主成分としては、例えばポリビニルアルコール(PVA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。
前記重合性モノマーは、プラズマ照射によって重合反応を起こすモノマーであることが好ましい。前記重合性モノマーとしては、不飽和結合及び所定の官能基を有するモノマーが挙げられる。所定の官能基は、水酸基、カルボキシル基、アセチル基、炭素数1〜10のエステル基、スルホン基、アルデヒド基から選択されることが好ましく、特に、カルボキシル基や水酸基等の親水基が好ましい。
不飽和結合及び水酸基を有するモノマーとしては、メタクリル酸エチレングリコール、アリルアルコール、メタクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。
不飽和結合及びカルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マイレン酸、2−メタクリロイルプロピオン酸等が挙げられる。
不飽和結合及びアセチル基を有するモノマーとしては、酢酸ビニル等が挙げられる。
不飽和結合及びエステル基を有するモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸2−エチル等が挙げられる。
不飽和結合及びアルデヒド基を有するモノマーとしては、アクリルアルデヒド、クロトンアルデヒド等が挙げられる。
前記被処理フィルムが、COP、COC、PP、PE等のオレフィン系モノマー重合フィルムである場合、前記重合性モノマーが、水溶性モノマー及びオレフィン系モノマーであってもよい。水溶性モノマーとしては、アセトアルデヒド、ビニルアルコール、アクリル酸(AA)、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミド等が挙げられる。オレフィン系モノマーとしては、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−シクロペンテン、1−シクロヘキセン、1−シクロヘプテン、1−シクロオクテンの他、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)等が挙げられる。
前記重合性モノマーは、プラズマ重合した際に被処理フィルムとの親和性が高いことがより好ましい。かかるモノマーとして、前記重合性モノマーは、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を有するモノマーが挙げられ、具体的にはアクリル酸(CH=CHCOOH)、メタクリル酸(CH=C(CH)COOH)が挙げられる。前記第1ガスの重合性モノマー及び前記第3ガスの重合性モノマーは、アクリル酸又はメタクリル酸であることがより好ましく、アクリル酸であることがより一層好ましい。これによって、プラズマ重合させた際に被処理フィルムとの親和性を発現できる。したがって、被処理フィルムの接着性ひいては接着耐久性を確実に高めることができる。
前記第1ガスが、重合性モノマー及び架橋性添加成分を搬送するキャリアガスを含んでいてもよい。前記キャリアガスは、好ましくは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスから選択される。経済性の観点からは、前記キャリアガスとして窒素を用いるのが好ましい。前記キャリアガスの成分が、前記放電生成ガスの成分と同じであってもよく異なっていてもよい。
アクリル酸やメタクリル酸等の重合性モノマーの多くは、常温常圧で液相である。そのような重合性モノマーは、不活性ガス等のキャリアガス中に気化させるとよい。前記生成部が、重合性モノマーの気化器を含んでいてもよい。重合性モノマーをキャリアガス中に気化させる方法としては、重合性モノマーの液面上の飽和蒸気をキャリアガスで押し出す押し出し方式、重合性モノマー液中にキャリアガスをバブリングするバブリング方式、重合性モノマー液を加熱して蒸発を促進させる加熱方式等が挙げられる。押し出し方式と加熱方式、又はバブリング方式と加熱方式を併用してもよい。キャリアガスの一部を気化器に導入し、残部は気化器に通さないことにし、気化器の下流側でキャリアガスの上記一部と残部を合流させることにしてもよい。気化器の温度やキャリアガスの上記一部と残部の分配比によって、前記第1ガス中の重合性モノマー濃度を調節できる。
加熱して気化させる場合、加熱器の負担を考慮し、重合性モノマーは、沸点が300℃以下のものを選択するのが好ましい。また、重合性モノマーは、加熱により分解(化学変化)しないものを選択するのが好ましい。
前記架橋性添加成分は、プラズマ照射によって重合体を架橋する性質を有することが好ましい。このような架橋性添加成分として、例えば分子中に不飽和結合を2つ以上有する不飽和炭化水素化合物や、三重結合を有する不飽和炭化水素化合物や、珪素若しくはチタンなどの金属アルコキシド化合物等が挙げられる。
前記不飽和結合を2つ以上有する不飽和炭化水素化合物としては、例えばジアリル化合物が挙げられる。ジアリル化合物としては、メタクリル酸アリル、マイレン酸ジアリル、1,5-ヘキサジエン又は1,7-オクタジエン等が挙げられる。前記架橋性添加成分が、メタクリル酸アリルであることがより好ましく、これにより、良好な耐温水性を得ることができる。前記架橋性添加成分がメタクリル酸アリルであり、かつ前記重合性モノマーに対する含有率が0.5wt%〜10wt%であることが一層好ましい。これによって、架橋化作用を確実に発現でき、かつ接着性を確実に得ることができる。
前記三重結合を有する不飽和炭化水素化合物としては、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、アセチレン等のアルキン化合物が挙げられる。
前記金属アルコキシド化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、t-ブチルトリメトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン等の珪素アルコキシド化合物、またはチタンエトキシド、チタンイソポロポキシド等のチタンアルコキシド化合物が挙げられる。珪素アルコキシド化合物は、沸点が低く、かつ気化させやすいため、前記架橋性添加成分として好ましい。前記架橋性添加成分を構成する珪素アルコキシド化合物としては、ビニルトリメトキシシランが好ましく、これにより、良好な耐温水性を得ることができる。
前記架橋性添加成分が、上記列記した化合物の他、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル等のグリシジル化合物であってもよく、その他、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジシクロペンタジエン等であってもよい。
前記列記の架橋性添加成分を複数組み合わせてもよい。
前記架橋性添加成分が、重合性モノマーと同様に重合性を有していてもよい。
前記架橋性添加成分の沸点は、重合性モノマーの沸点より低くても、同程度でも、高くてもよい。
前記架橋性添加成分は、常温常圧で液体であってもよい。前記生成部が、架橋性添加成分の気化器を含んでいてもよい。気化させる方法としては、前記架橋性添加成分の液面上の飽和蒸気を不活性ガス等のキャリアガスで押し出す押し出し方式、前記架橋性添加成分の液中にキャリアガスをバブリングするバブリング方式、前記架橋性添加成分の液を加熱して蒸発を促進させる加熱方式等が挙げられる。押し出し方式と加熱方式、又はバブリング方式と加熱方式を併用してもよい。前記キャリアガスの一部を前記架橋性添加成分の気化器に導入し、残部は前記気化器に通さないことにし、前記気化器の下流側でキャリアガスの上記一部と残部を合流させることにしてもよい。前記気化器の温度やキャリアガスの上記一部と残部の分配比によって、前記第1ガス中の架橋性添加成分の濃度を調節できる。
液相の重合性モノマーと液相の架橋性添加成分を混合し、その混合液を気化させることで、第1ガスを得てもよい。前記混合液の混合比や気化温度を調節することによって、前記含有率を調節できる。或いは、液相の重合性モノマーと液相の架橋性添加成分を互いに別々に気化させた後、気化した重合性モノマーと、気化した架橋性添加成分を混合して、第1ガスを得てもよい。前記被処理フィルムの表面上で前記重合性モノマーと前記架橋性添加成分とを混合してもよい。
前記生成部が、前記重合性モノマーと前記架橋性添加成分の混合液を気化させる気化器を含んでいてもよい。前記生成部が、前記重合性モノマーを気化させる第1気化器と、前記架橋性添加成分を気化させる第2気化器と、前記第1気化器からのガスと前記第2気化器からのガスを混合する混合部とを含んでいてもよい。
前記放電生成ガスは、不活性ガスであることが好ましい。前記不活性ガスとしては、窒素(N)の他、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)等の希ガスが挙げられる。経済性の観点からは、前記放電生成ガスが窒素であることがより好ましい。前記放電生成ガスが複数種のガスの混合ガスであってもよい。
前記第2処理工程では、前記放電生成ガスに酸素を添加してなる第2ガスをプラズマ化して前記被処理フィルムに接触させることにしてもよい。前記第2ノズルが、前記放電生成ガスに酸素を添加してなる第2ガスを前記ギャップに供給するようになっていてもよい。この場合、前記第2ガスの酸素含有率が、前記放電生成ガスに対して0.5vol%以下であることが好ましい。これによって、耐温水性を一層向上でき、かつ被処理フィルムの接着性の低下を抑制できる。
特許請求する本発明方法は、樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理方法であって、
前記被処理フィルムを、第1処理空間を経て第2処理空間を通るように搬送する搬送工程と、
気化した前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを前記第1処理空間内の前記被処理フィルムに接触させ、前記重合性モノマー及び架橋性添加成分を前記被処理フィルムの表面上で凝縮させる第1処理工程と、
前記第2処理空間内において放電生成ガスをプラズマ化して前記被処理フィルムに接触させる第2処理工程と、
を備え、前記第1処理空間及び前記第2処理空間の圧力が、1.013×10 〜50.663×10 Paであり、
前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率を0.5wt%〜10wt%に調節することを特徴とする。
特許請求する本発明装置は、樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理装置であって、
前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを生成する生成部と、
前記第1ガスを前記被処理フィルムに吹き付ける第1ノズルと、
前記被処理フィルムを温調することにより前記重合性モノマー及び架橋性添加成分を前記被処理フィルムの表面上で凝縮させる温調手段と、
互いの間のギャップ内に電界印加によって大気圧近傍の放電を生成する一対の電極と、
前記ギャップに放電生成ガスを供給する第2ノズルと、
前記被処理フィルムを、前記第1ノズルに面する第1処理空間を経て前記ギャップに通すように搬送する搬送手段と、
を備え、前記第1処理空間及び前記ギャップの圧力が、1.013×10 〜50.663×10 Paであり、
前記生成部によって前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率が0.5wt%〜10wt%に調節されていることを特徴とする。
本発明によれば、被処理フィルムの接着性を高めることができ、更には接着によって形成されたフィルム積層体の温水に対する耐性(耐温水性)を高めることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るフィルム表面処理装置を示す側面図である。 図2は、上記フィルム表面処理装置の斜視図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係るフィルム表面処理装置を示す側面図である。 図4は、本発明の第3実施形態に係るフィルム表面処理装置を示す側面図である。 図5は、上記第3実施形態に係るフィルム表面処理装置の斜視図である。 図6は、本発明の第4実施形態に係るフィルム表面処理装置を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示したものである。この実施形態の被処理フィルム9は、偏光板(フィルム積層体)の保護フィルムとなるべき樹脂フィルムである。被処理フィルム9は、トリアセチルセルロース(TAC)を主成分として含むTACフィルムにて構成され、連続シート状になっている。フィルム9の厚さは、例えば100μm程度である。
フィルム表面処理装置1は、フィルム9の支持部兼搬送手段3と、第1処理部91と、第2処理部92を備えている。支持部兼搬送手段3は、第1ロール31と、第2ロール32と、ガイドロール36とを有し、フィルム9を支持する支持部としての機能と、フィルム9を搬送する搬送手段としての機能とを併せ持っている。ロール31,32は、互いに同一径、同一軸長の円筒体になっている。各ロール31,32の軸線が、図1の紙面と直交する処理幅方向に向けられている。2つのロール31,32が平行に並べられている。これらロール31,32の間に狭いギャップ39が形成されている。ギャップ39の最も狭い箇所の厚さは、例えば約1mm〜数mm程度になっている。ギャップ39の下方に2つのガイドロール36,36が配置されている。
各ロール31,32の少なくとも外周部分は、金属にて構成され、かつ該金属部分の外周面には固体誘電体層が被膜されている。これらロール31,32は、フィルム表面処理装置1のプラズマ放電生成用の一対の電極を兼ねている。以下、適宜、ロール31を第1電極31と称し、ロール32を第2電極32と称す。図示は省略するが、第1電極31は電源に接続されている。第2電極32は電気的に接地されている。電源は、第1電極31に高周波電力を供給する。供給電力は、例えばパルス等の間欠波状であるが、これに限られず、正弦波等の連続波状でもよい。この電力供給によって、電極31,32間にプラズマ放電が生成され、ギャップ39が放電空間になる。
連続シート状の被処理フィルム9が、幅方向を処理幅方向(図1の紙面と直交する方向)に向けて、ロール31,32の上側の周面にそれぞれ半周程度掛け回されている。各ロール31,32の上側の周面及びギャップ39を画成する部分を含む約半周部分が、被処理フィルム9にて覆われている。被処理フィルム9は、ロール31,32どうし間においてギャップ39から下方に垂らされ、ガイドロール36,36に掛け回されている。これによって、ギャップ39とガイドロール36,36との間の被処理フィルム9が、処理幅方向から見て三角形状の折り返し部分9cを形成している。
図示は省略するが、各ロール31,32に回転機構が連結されている。回転機構は、モータ等の駆動部と、該駆動部の駆動力をロール31,32の軸に伝達する伝達手段とを含む。伝達手段は、例えばベルト・プーリ機構やギア列にて構成されている。図1において白抜き円弧状矢印にて示すように、回転機構によって、ロール31,32が、それぞれ自らの軸線まわりに、かつ互いに同期して同方向(図1において時計周り)に回転される。これにより、被処理フィルム9が、第1ロール31、第2ロール32の順に図において概略右方向へ搬送される。
各ロール31,32には、温調手段(図示省略)が設けられている。温調手段は、例えばロール31,32内に形成された温調路にて構成されている。温調路に、温調された水等の媒体を流すことにより、ロール31,32を温調できる。ひいては、ロール31,32の周面上の被処理フィルム9を温調できる。ロール31,32の設定温度は、好ましくは後記重合性モノマー及び架橋性添加成分の凝縮温度より低温である。
次に、第1処理部91について説明する。第1処理部91は、第1ガス供給系10を備えている。第1ガス供給系10は、第1ガス生成部11と、第1ノズル14を含む。生成部11は気化器にて構成されている。気化器11内に原料液が蓄えられている。原料液は、重合性モノマーに架橋性添加成分を所定量だけ混合したものである。ここで、重合性モノマーとしては、アクリル酸が用いられている。架橋性添加成分としては、メタクリル酸アリルが用いられている。気化器11には加熱器が付設されている。加熱器によって原料液の温度を調節できる。
気化器11内に所定流量のキャリアガスが導入される。キャリアガスとして、例えば窒素(N)が用いられている。このキャリアガス(N)に上記原料液成分(アクリル酸+メタクリル酸アリル)が気化する。気化は、バブリング方式でもよく、押し出し方式でもよい。これによって、第1ガスが生成される。第1ガスは、アクリル酸(重合性モノマー)と、メタクリル酸アリル(架橋性添加成分)と、窒素(キャリアガス)を含む。第1ガス中のメタクリル酸アリル(架橋性添加成分)のアクリル酸(重合性モノマー)に対する含有率は、アクリル酸より少量の所定範囲になるように設定され、好ましくは0.5wt%〜10wt%に設定されている。上記含有率は、気化器11中の原料液の混合比や気化器11の設定温度によって調節できる。
第1ガス供給系10が、重合性モノマーの気化器と架橋性添加成分の気化器を別々に有していてもよい。各気化器で気化させたガスを互いに混合することで第1ガスを生成してもよい。
気化器11から第1ガス供給路13が延びている。第1ガス供給路13には、リボンヒータ等からなる温調手段(図示省略)が設けられている。第1ガス供給路13の設定温度は、アクリル酸及びメタクリル酸アリルの凝縮温度より高温である。
第1ロール31の上側部には、第1ノズル14が配置されている。第1ガス供給路13が第1ノズル14に連なっている。第1ノズル14は、処理幅方向に長く延び、かつ第1ロール31の周方向(図1の左右)にある程度の幅を有している。第1ノズル14の底部には遮蔽部材15が設けられている。遮蔽部材15は、第1ロール31の周方向に沿う円弧状の断面をなし、かつ処理幅方向に第1ロール31とほぼ同じ長さ延びる湾曲板状になっている。遮蔽部材15の円弧方向(図1において左右)の両端部が、第1ノズル14よりも第1ロール31の周方向に延び出ている。
第1ノズル14と第1ロール31との間に第1処理空間93が画成されている。第1ノズル14の下面が第1処理空間93に面している。第1ロール31は、第1処理部91における第1処理空間画成部として提供されている。第1処理空間93は、第1ロール31の上側の周面に沿う断面円弧状の空間になっている。第1処理空間93の厚さは、例えば1mm〜10mm程度である。遮蔽部材15によって、第1処理空間93が、第1ノズル14よりも第1ロール31の周方向の両側に延長されている。
第1ノズル14の下面には、吹出し口14eが設けられている。吹出し口14eは、遮蔽部材15を貫通して第1処理空間93に連通している。吹出し口14eは、第1ノズル14の処理幅方向(図1の紙面と直交する方向)及びロール周方向(図1の左右方向)に分布して配置されている。第1ガスが、第1ガス供給路13から第1ノズル14に供給される。この第1ガスが、第1ノズル14内の整流部(図示省略)にて処理幅方向に均一に分散されたうえで、吹出し口14eから吹き出される。第1ガスの吹出し流は、処理幅方向に均一に分布した流れになる。
第1ノズル14には、温調水を通す温調路からなる温調手段(図示省略)が設けられている。第1ノズル14の設定温度は、アクリル酸及びメタクリル酸アリルの凝縮温度より高温である。
次に、第2処理部92について説明する。第2処理部92は、第2ガス供給系20を備えている。第2ガス供給系20は、第2ガス供給源21と、第2ノズル24を含む。第2ガス供給源21は、放電生成ガスとしての窒素(N)を供給する。第2ガス供給源21から第2ガス供給路23が延びている。第2ガス供給路23が第2ノズル24に連なっている。
第2ノズル24は、ロール31,32どうし間の下側の、被処理フィルム9の三角形状の折り返し部分9cの内部に設けられている。第2ノズル24は、処理幅方向に長く延び、かつその延び方向と直交する断面が上方に向かって先細になっている。第2ノズル24の上端(先端)の吹き出し口がギャップ39に臨んでいる。ギャップ39の下端部が、第2ノズル24によってある程度閉塞されている。第2ガス供給源21からの放電生成ガス(N)が、供給路23を経て、第2ノズル24内の整流部(図示省略)にて処理幅方向に均一に分散される。この放電生成ガスが、第2ノズル24の上端の吹出し口からギャップ39へ向けて吹き出され、ギャップ39内の電界印加によってプラズマ放電を起こす。放電生成ガスのノズル24からの吹出し流は、図1の紙面と直交する処理幅方向に均一に分布した流れになる。ギャップ39は、第2処理部92の第2処理空間を構成する。ロール31,32は、第2処理部92における第2処理空間画成部として提供されている。
第2ノズル24内には、図示しない温調路(放電生成ガス温調手段)が設けられている。水等の温調媒体が第2ノズル24内の温調路に通される。これによって、第2ノズル24を温調でき、ひいては放電生成ガスの吹き出し温度を調節できる。第2ノズル24の設定温度は、第1ノズル14の設定温度より低温であり、好ましくはアクリル酸(重合性モノマー)及びメタクリル酸アリル(架橋性添加成分)の凝縮温度より低温である。
ギャップ39より上側のロール31,32どうし間に閉塞部25が配置されている。閉塞部25が、ギャップ39を挟んで第2ノズル24と上下に対向している。閉塞部25は、処理幅方向に長く延び、かつその延び方向と直交する断面が下方に向かって先細になっている。閉塞部25の下端(先端)がギャップ39に臨んでいる。ギャップ39の上端部が、閉塞部25によってある程度閉塞されている。閉塞部25が、第2ノズル24と同一構造のノズルであってもよい。このノズル25を第2ノズル24とは上下に反転させて設置してもよく、ノズル25から放電生成ガスが吹出されるようにしてもよい。
上記構成のフィルム表面処理装置1によって被処理フィルム9を表面処理する方法、ひいては偏光板を製造する方法を説明する。
[支持工程、搬送工程]
ロール31,32及びガイドロール36,36に被処理フィルム9を掛け回す。
ロール31,32を図1において時計周りに回転させ、被処理フィルム9を概略右方向へ搬送する。
[第1処理工程]
第1ガス供給源11において、アクリル酸(重合性モノマー)及びメタクリル酸アリル(架橋性添加成分)をキャリアガス(N)中に気化させ、第1ガスを生成する。第1ガス中のメタクリル酸アリルの含有率は、アクリル酸に対して好ましくは0.5wt%〜10wt%である。この第1ガスを第1ガス供給路13にて第1ノズル14へ送る。第1ガス供給路13及び第1ノズル14を温調することによって、第1ガス中のアクリル酸及びメタクリル酸アリルが第1ガス供給路13及び第1ノズル14内で凝縮するのを防止できる。
上記第1ガスを吹出し口14eから第1処理空間93に吹き出す。この第1ガスが、第1処理空間93内の被処理フィルム9の表面に接触する。そして、第1ガス中のアクリル酸及びメタクリル酸アリルが凝縮して、被処理フィルム9に付着し、被処理フィルム9の表面に凝縮層が形成される。ロール31を温調し、ひいては被処理フィルム9を温調することによって、上記凝縮を確実に起こすことができる。凝縮層の大部分は、アクリル酸モノマーにて構成され、これに微量ないしは少量のメタクリル酸アリルが混じっている。遮蔽部材15によって第1ガスの拡散を抑制でき、上記凝縮層成分の被処理フィルム9への付着量を確保できる。
[第2処理工程]
ロール31,32の回転に伴ない、上記第1処理工程を経た被処理フィルム9が第2処理空間39へ向けて搬送される。放電生成ガスとして窒素(N)を第2ノズル24から第2処理空間39に吹き出す。併行して、第1ロール電極31に電力を供給し、第2処理空間39内に大気圧近傍の放電を生成し、窒素をプラズマ化して、窒素プラズマを生成する。この窒素プラズマが第2処理空間39内の被処理フィルム9の表面に接触する。これによって、上記凝縮層を構成するアクリル酸(重合性モノマー)のプラズマ重合反応が起き、かつメタクリル酸アリル(架橋性添加成分)のプラズマ架橋反応が起きる。上記プラズマ重合反応によって、被処理フィルム9の表面にポリアクリル酸の膜が形成される。ポリアクリル酸は、被処理フィルム9を構成するTACとの親和性が良好であり、TACの表面分子と充分に反応して被処理フィルム9に密着する。このポリアクリル酸膜が接着性促進層となり、TACフィルムの接着性を向上させることができる。更には、上記プラズマ架橋反応によって、ポリアクリル酸膜を架橋でき、重合度を高めることができる。これによって、接着性促進層の疎水性が高まる。
被処理フィルム9は、ガイドロール36にて折り返されることによって、第2処理空間39を往復し、第2処理空間39にて2回処理される。
上記表面処理後の被処理フィルム9を、PVA系接着剤を介してPVAフィルムと接着し、偏光板を作製する。被処理フィルム9の表面には上記プラズマ重合膜からなる接着性促進層が形成されているため、被処理フィルム9とPVA接着剤との接着強度を高めることができる。しかも、上記接着性促進層は架橋されて重合度を高められているため、偏光板の耐温水性を高めることができる。すなわち、偏光板を温水に長時間浸漬しても、色抜けや剥がれを抑制又は防止できる。
メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率を0.5wt%以上にすることで架橋作用を確実に発現でき、ひいては偏光板の耐温水性を確実に高めることができる。メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率を10wt%以下にすることで、接着性促進層の接着剤に対する親和性を確保でき、接着強度を確実に高くできる。この結果、偏光板の品質を高めることができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の実施形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図3は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態では、第2ガス供給系20のガス組成が第1実施形態と異なる。第2実施形態の第2ガス供給源22は、窒素(放電生成ガス)に微量の酸素(O2)を添加してなる第2ガスを供給路23へ送出する。この第2ガス(N+O)が、第2ノズル24からギャップ39に供給される。第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して0.5vol%以下であることが好ましい。第2ガス供給源22は、窒素と酸素の混合ガス(N+O)を蓄えたタンクであってもよく、窒素を蓄えたタンクと、酸素を蓄えたタンクを別々に有し、これらタンクのガスを適量ずつ混合するものであってもよい。
第2実施形態では、第1処理空間93での凝縮層の形成(第1処理工程)に引き続いて、第2ガス(N+O)を第2ノズル24から第2処理空間39に吹出してプラズマ化し、被処理フィルム9に接触させる(第2処理工程)。これによって、上記凝縮層をプラズマ重合させて接着性促進層を形成できる。第2ガスが微量の酸素を含むことで、上記接着性促進層の疎水性を更に高めることができる。この結果、偏光板の耐温水性を一層高めることができる。
図4及び図5は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態のフィルム表面処理装置1Xでは、支持部兼搬送手段3が3つのロール31,32,33を含み、第1処理部91が2つの第1ノズル14A,14Bを含み、第2処理部92が2つの第2ノズル24A,24Bを含む。3つのロール31,32,33は、互いの軸線を平行に揃え、かつ軸線と直交する方向に順に並べられている。これらロール31〜33は、プラズマ放電生成用の電極を兼ねている。以下、適宜、ロール31を第1電極31と称し、ロール32を第2電極32と称し、ロール33を第3電極33と称す。図示は省略するが、中央の第2電極32が電源に接続され、両端の第1電極31及び第3電極33が電気的に接地されている。これに代えて、両端の第1電極31及び第3電極33がそれぞれ電源に接続され、中央の第2電極32が電気的に接地されていてもよい。電極31,32どうしの間にギャップ39A(前段の第2処理空間)が形成されている。電極32,33の間にギャップ39B(後段の第2処理空間)が形成されている。
被処理フィルム9が、各ロール31,32,33の上側の周面に掛け回されている。被処理フィルム9における、第1ロール31と第2ロール32の間の部分9cは、ガイドロール36A,36Aに掛け回されて折り返されている。被処理フィルム9における、第2ロール32と第3ロール33の間の部分9dは、ガイドロール36B,36Bに掛け回されて折り返されている。
第1ロール31の上側に第1ノズル14Aが配置されている。第1ノズル14Aに遮蔽部材15Aが付加されている。第1ノズル14A及び遮蔽部材15Aの形状及び構造は、第1実施形態の第1ノズル14及び遮蔽部材15と同様である。第1ノズル14A及び第1ロール31どうしの間に前段の第1処理空間93Aが形成されている。
第2ロール32の上側に第1ノズル14Bが配置されている。第1ノズル14Bに遮蔽部材15Bが付加されている。第1ノズル14B及び遮蔽部材15Bの形状及び構造は、第1実施形態の第1ノズル14及び遮蔽部材15と同様である。第1ノズル14B及び第2ロール32どうしの間に後段の第1処理空間93Bが形成されている。
第1ガス供給路13が2つに分岐し、そのうち1つの分岐路13aが前段の第1ノズル14Aに接続され、もう1つの分岐路13bが後段の第1ノズル14Bに接続されている。供給源11からの第1ガスが、各分岐路13a,13bに分流し、各ノズル14A,14Bから処理空間93A,93Bに導入される。ノズル14A,14Bからの吹出し流量は、互いに同じでもよく、違っていてもよい。
なお、第1ガス供給源11をノズル14A,14Bごとに設けてもよい。その場合、2つの第1ガス供給源の第1ガスの組成、流量、架橋性添加成分の含有率等は互いに同じでもよく、互いに異なっていてもよい。
前段のロール間ギャップ39Aより下側の折り返し部分9c内に第2ノズル24Aが配置されている。ギャップ39Aの上側には閉塞部25Aが配置されている。第2ノズル24A及び閉塞部25Aの形状、構造は、第1実施形態のノズル24及び閉塞部25とそれぞれ同様である。
後段のロール間ギャップ39Bより下側の折り返し部分9d内に第2ノズル24Bが配置されている。ギャップ39Bの上側には閉塞部25Bが配置されている。第2ノズル24B及び閉塞部25Bの形状、構造は、第1実施形態のノズル24及び閉塞部25とそれぞれ同様である。
第3実施形態の第2ガス源21は、第1実施形態と同じく、放電生成ガス(N)のみを供出する。第2ガス源21からの供給路23が2つに分岐し、そのうち1つの分岐路23aが前段の第2ノズル24Aに接続され、もう1つの分岐路23bが後段の第2ノズル24Bに接続されている。供給源21からの放電生成ガス(N)が、各分岐路23a,23bに分流し、各ノズル24A,24Bからプラズマ処理空間39A,39Bに導入される。ノズル24A,24Bからの放電生成ガス(N)の吹出し流量は、互いに同じでもよく、違っていてもよい。なお、第2ガス供給源21をノズル24A,24Bごとに設けてもよい。
第3実施形態では、被処理フィルム9を、第1ロール31、第2ロール32、第2ロール33の順に図4において大略右方向に搬送する。これと併行して、第1ガスを第1ノズル14Aから吹き出し、前段の第1処理空間93A内の被処理フィルム9の表面にアクリル酸とメタクリル酸アリルの混合液からなる第1の凝縮層を形成する(前段の第1処理工程)。続いて、前段の第2処理空間39Aにおけるプラズマ放電によって、上記凝縮層成分のプラズマ重合反応及び架橋反応を起こさせ、被処理フィルム9の表面に第1の接着性促進層を形成する(前段の第2処理工程)。更に、第1ガスを第1ノズル14Bからも吹き出し、後段の第1処理空間93B内の被処理フィルム9の上記第1の接着性促進層の上にアクリル酸とメタクリル酸アリルの混合液からなる第2の凝縮層を形成する(後段の第1処理工程)。続いて、後段の第2処理空間39Bにおけるプラズマ放電によって、上記第1の凝縮層をプラズマ重合させて、第1の接着性促進層の上に第2の接着性促進層を形成する(後段の第2処理工程)。これによって、接着性促進層の厚さを増大できるとともに重合度を更に高めることができる、この結果、偏光板の耐温水度を一層高めることができる。
図6は、本発明の第4実施形態を示したものである。第4実施形態は、第3実施形態のフィルム表面処理装置1Xにおける第2ガス供給源の変形例に係る。第4実施形態の第2ガス源22は、窒素(N)に微量の酸素(O)を添加してなる第2ガスを供出する。第2ガスの酸素含有率は、第2実施形態と同様に、窒素(放電生成ガス)に対して0.5vol%程度以下である。
第4実施形態によれば、前段の第2処理空間39Aにおける窒素及び酸素プラズマ処理によって接着性促進層を疎水化でき、更には後段の第2処理空間39Bにおける窒素及び酸素プラズマ処理によって接着性促進層の疎水性を一層高めることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、その趣旨に反しない範囲内において種々の形態を採用することができる。
たとえば、第1処理工程と第2処理工程を同時併行して行なってもよい。第1ガスを第2ガスと一緒に第2処理空間39(39A,39B)に直接供給してもよい。
被処理フィルム9の主成分は、TACに限られず、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、シクロオレフィン重合体(COP)、シクロオレフィン共重合体(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリイミド(PI)等であってもよい。
重合性モノマーとして、アクリル酸に代えて、メタクリル酸、イタコン酸、マイレン酸等を用いてもよい。キャリアガスとして、Nに代えて、Ar、He等の希ガスを用いてもよい。
架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルに代えて又は加えて、マイレン酸ジアリル、1,7-オクタジエン等の他のジアリル化合物を用いてもよく、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール等のアルキン化合物を用いてもよく、テトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のケイ素アルコキシド(金属アルコキシド)を用いてもよく、さらにはアリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル等のグリシジル化合物を用いてもよく、その他、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジシクロペンタジエン等を用いてもよい。第1ガスが、複数種の架橋性添加成分を含有していてもよい。例えば、第1ガスが、架橋性添加成分として、メタクリル酸アリル及びビニルトリメトキシシランを含んでいてもよい。
第1ガスのキャリアガス成分として、Nに代えて、Ar、He等の希ガスを用いてもよい。
放電生成ガスとして、Nに代えて、Ar、He等の希ガスを用いてもよい。
第1ガス中の架橋性添加成分の重合性モノマーに対する含有率は、0.5wt%〜10wt%に限られず、所要の架橋作用を発現でき、かつ接着強度が劣化しないような範囲内で、架橋性添加成分と重合性モノマーと被処理フィルム9の成分の組み合わせに応じて設定するとよい。
第2処理工程において、電極間の外部に被処理フィルム9を配置し、電極間でプラズマ化されたガスを外部の被処理フィルム9に向けて噴出する所謂リモート式の大気圧プラズマ表面処理装置を用いてもよい。
第2処理工程のプラズマ照射は、大気圧近傍に限られず、真空下で行なってもよい。
複数の実施形態を互いに組み合わせてもよい。
本発明は、偏光板用保護フィルムの表面処理に限られず、種々の樹脂フィルムに重合性モノマーの重合膜を形成する処理に適用可能である。
実施例を説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
図1に示すフィルム表面処理装置1を用い、フィルム9の表面処理を行なった。
装置1の寸法構成は、以下の通りであった。
ロール31,32の処理幅方向の軸長:390mm
ロール31,32の直径:320mm
ノズル14,24の処理幅方向の吹き出し幅:300mm
第1処理空間93の円弧方向の周長:275mm
第1処理空間93の厚さ:5mm
放電ギャップ39の最狭部の厚さ:1mm
被処理フィルム9として、TACフィルムを用いた。TACフィルム9の幅は、325mmであった。
TACフィルム9の搬送速度は、2.5m/minとした。
ロール31,32の温度、ひいてはTACフィルム9の温度は、35℃に設定した。
[第1処理工程]
気化器11においてキャリアガス(N)にアクリル酸(重合性モノマー)及びメタクリル酸アリル(架橋性添加成分)を気化させて第1ガスを生成した。気化器11の温度は130℃であった。第1ガスの各成分の流量は以下の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.015g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.5wt%であった。
上記第1ガスを第1ノズル14から吹き出し、第1処理空間93内のTACフィルム9に接触させた。第1ノズル14の設定温度ひいては第1ガスの吹出し温度は、75℃であった。
[第2処理工程]
次に、第2ガスを第2ノズル24から放電ギャップ39に導入してプラズマ化し、TACフィルム9に接触させた。
第2ガスの組成は、放電生成ガスとしての窒素(N)のみであり、その流量は、10slmであった。
第2ノズル24の設定温度ひいては第2ガスの吹き出し温度は、75℃であった。
プラズマ放電のための供給電力は、760W(400V、1.9Aの直流を高周波変換)であった。
電極31,32間の印加電圧は、16.4kVであった。
[偏光板作製]
表面処理後のTACフィルム9の被処理面にPVA系接着剤を塗布し、PVAフィルムと貼り合わせた。PVA系接着剤として、(A)重合度500のPVA 5wt%水溶液と、(B)カルボキシメチルセルロースナトリウム 2wt%水溶液とを混合した水溶液を用いた。(A)及び(B)の混合比は、(A):(B)=20:1とした。PVA系接着剤の乾燥条件は80℃、5分間とした。
上記PVAフィルムの反対側の面には、鹸化処理したTACフィルムを上記と同じPVA系接着剤にて貼り合わせた。これにより、3層構造の偏光板サンプルを複数作製した。偏光板サンプルの幅は、1inchとした。
[接着強度評価]
接着剤が硬化した後、後述する温水処理を経ていない偏光板サンプルについて、被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの接着強度(引張強度)を測定した。測定方法は浮動ローラー法(JIS K6854)に依った。測定結果は、5つの偏光板サンプルの平均で、9.6N/inchであり、充分な接着強度を得ることができた。
[耐温水性評価]
残余の偏光板サンプルに対して、上記PVA系接着剤が効果した後、温水処理を施した。すなわち、偏光板サンプルを70℃の温水に3時間浸漬した。温水処理後の偏光板サンプルの被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。また、温水処理後の偏光板サンプルの色抜け幅を測定した。測定結果は、5つの偏光板サンプルの平均で0.91mmであり、充分な耐温水性を得ることができた。
実施例2では、図1の装置1において、第1処理工程における第1ガスの各成分の流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.3g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.8N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.89mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例3では、図1の装置1において、第1処理工程における第1ガスの各成分の流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.03g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、1wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.2N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.95mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例4では、図1の装置1において、第1処理工程における第1ガスの各成分の流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.1g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、3.3wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.9N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.92mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例5では、図1の装置1において、第1処理工程における第1ガスの各成分の流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.1N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.86mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例6では、図1の装置1において、第1処理工程における第1ガスの各成分の流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.2g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、6.7wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.7N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.9mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
[比較例1]
比較例として、図1の装置1において、第1ガスに架橋性添加成分を添加しないことにした。第1ガスの組成及び各成分の流量は以下の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、9.4N/inchであり、高い接着強度が得られた。一方、耐温水性評価の色抜け幅は、5.35mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間の剥がれも確認され、耐温水性は実施例1〜6と比べて低かった。
[比較例2]
比較例2では、図1の装置1において、第1ガスの組成及び各成分の流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.005g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.17wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、9.5N/inchであり、接着強度は高かった。一方、耐温水性評価の色抜け幅は、5.21mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間の剥がれも確認され、耐温水性は実施例1〜6と比べて低かった。
[比較例3]
比較例3では、図1の装置1において、第1ガスの組成及び各成分の流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.5g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、16.7wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.99mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、2.5N/inchであり、接着強度は低かった。
表1は、実施例1〜6の処理条件及び結果をまとめたものであり、表2は、比較例1〜3の処理条件及び結果をまとめたものである。これら実施例及び比較例より、第1ガスに適量の架橋性添加成分を添加することによって、偏光板の接着強度を高く維持でき、かつ耐温水性を向上できることが確認された。これは、架橋性添加成分によってアクリル酸のプラズマ重合膜を架橋化できたためと考えられる。特に、第1ガス中のメタクリル酸アリルの添加量を0.5wt%〜10wt%とすることによって、偏光板の接着強度を高く維持でき、かつ耐温水性を向上できた。一方、架橋性添加成分(メタクリル酸アリル)の添加量がゼロないしは小さ過ぎると所期の耐温水性を得られず、上記添加量が大き過ぎると耐温水性は高いが接着強度が損なわれることが判明した。
Figure 0005926269
Figure 0005926269
実施例7では、図3に示すフィルム表面処理装置1を用いてTACフィルム9の表面処理を行った。第1ガスの組成及び各成分の流量は、下記の通り、実施例1と同じとした。したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.5wt%であった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.015g/min
第2ガスには、放電生成ガスとしての窒素(N)に加えて酸素(O)を添加した。第2ガスの各成分の流量は下記の通りとした。
10slm
40sccm=0.04slm
したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス) に対して、0.4vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.1N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.55mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。特に、耐温水性を大きく向上できた。
実施例8では、実施例7(図3)において第1ガスの各成分の流量を下記のように変更した。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.3g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
第2ガスの組成及び各成分の流量は、下記の通り実施例7と同じとした。したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.4vol%であった。
10slm
40sccm=0.04slm
それ以外の処理条件は、実施例1及び実施例7と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1,7と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=7.8N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.3mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。特に、耐温水性を大きく向上できた。
[比較例4]
比較例4では、図3の装置1において、第1ガスの組成及び各成分の流量を実施例7と同じく、下記の通りとした。したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.5wt%であった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.015g/min
第2ガスの組成及び各成分の流量は下記の通りであり、実施例7に対して酸素添加量を変更した。
10slm
70sccm=0.07slm
したがって、第2ガス中の酸素含有量は、窒素(放電生成ガス) に対して、0.7vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1,7と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1,7と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.49mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、2.1N/inchであり、接着強度は低かった。
[比較例5]
比較例5では、図3の装置1において、第1ガスの組成及び各成分の流量を、下記の通り実施例8と同じとした。したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.3g/min
第2ガスの組成及び各成分の流量は下記の通りであり、実施例8に対して酸素添加量を変更した。
10slm
70sccm=0.07slm
したがって、第2ガス中の酸素含有量は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.7vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1,8と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1,8と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.32mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、1.9N/inchであり、接着強度は低かった。
表3は、実施例7,8及び比較例4,5の処理条件及び結果をまとめたものである。これら実施例及び比較例より、第1ガスに適量の架橋性添加成分を添加するだけでなく、更に第2ガスに微量の酸素を添加することによって、偏光板の耐温水性を一層向上できることが確認された。これは、酸素添加によってアクリル酸のプラズマ重合膜の疎水性が高まったためと考えられる。一方、第2ガス中の酸素添加量が大き過ぎると偏光板の接着強度が損なわれることが判明した。
Figure 0005926269
実施例9では、図4に示すフィルム表面処理装置1Xを用いてTACフィルム9の表面処理を行った。第1ガス供給源11からの第1ガスを、ちょうど半分ずつ2つの第1ノズル14A,14Bに分流した。装置1X全体での第1ガスの流量及び各成分の流量比は、第1実施形態と同じとした。したがって、各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量は、下記の通りであり、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.5wt%であった。
キャリアガス(N) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.0075g/min
また、第2ガス供給源21からの放電生成ガス(N)を、ちょうど半分ずつ2つの第2ノズル24A,24Bに分流した。各第2処理空間39A,39Bへの放電生成ガスの供給流量は、10slmであった。
中央のロール電極32への供給電力は、760W(400V、1.9Aの直流を高周波変換)であった。この電力の半分(380W)を前段の放電ギャップ39Aのプラズマ放電に消費し、残り半分(380W)を後段の放電ギャップ39Bのプラズマ放電に消費した。ロール電極31,32間の印加電圧及びロール電極32,33間の印加電圧は、共に16.4kVであった。
ロール31,32,33の設定温度ひいてはフィルム9の温度は、35℃であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=11.2N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.56mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に実施例1よりも良好であった。
実施例10では、実施例9(図4)において、各第1処理空間93A,93Bへの第1ガス成分の供給流量を下記のように変更した。
キャリアガス(N) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=10.3N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.48mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
[比較例6]
比較例6では、図4の装置1Xにおいて、第1ガスに架橋性添加成分を添加しないこととし、第1ガスの成分をアクリル酸(重合性モノマー)及び窒素(キャリアガス)のみとした。各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量は以下の通りであった。
キャリアガス(N) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。接着強度評価の結果は、10N/inchであり、接着強度は高かった。一方、耐温水性評価の色抜け幅は、4.63mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれも確認され、耐温水性は低かった。
[比較例7]
比較例7では、図4の装置1Xにおいて、各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.003g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.2wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。接着強度評価の結果は、10.1N/inchであり、接着強度は高かった。一方、耐温水性評価の色抜け幅は、4.56mmであった、被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれも確認され、耐温水性は低かった。
[比較例8]
比較例8では、図4の装置1Xにおいて、各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.25g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、16.7wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.87mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、2.9N/inchであり、接着強度は低かった。
表4は、実施例9,10及び比較例6〜8の処理条件及び結果をまとめたものである。第1ガスに適量の架橋性添加成分を添加し、かつ第1処理工程及び第2処理工程を反復して2回行うことによって、偏光板の接着強度をより高くでき、かつ耐温水性をより向上できることが確認された。これは、架橋性添加成分による2段階の処理によって、アクリル酸のプラズマ重合膜の架橋度を一層高めることができたためと考えられる。一方、2段階処理でも架橋性添加成分(メタクリル酸アリル)の添加量がゼロないしは小さ過ぎると所期の耐温水性を得られず、上記添加量が大き過ぎると耐温水性は高いが接着強度が損なわれることが判明した。
Figure 0005926269
実施例11では、図6に示すフィルム表面処理装置1Xを用いてTACフィルム9の表面処理を行った。第1ガス供給源11からの第1ガスを、ちょうど半分ずつ2つの第1ノズル14A,14Bに分流した。各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量は、下記の通り、実施例9と同じとした。
キャリアガス(N) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.0075g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.5wt%であった。
また、第2ガス供給源22の第2ガスには、放電生成ガスとしての窒素(N)に加えて酸素(O)を添加した。この第2ガスを、ちょうど半分ずつ2つの第2ノズル24A,24Bに分流した。各第2処理空間39A,39Bへの第2ガスの組成及び各成分の供給流量は、下記の通り、実施例7と同じとした。
10slm
40sccm=0.04slm
したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.4vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.5N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.51mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。特に、耐温水性を大きく向上できた。
実施例12では、実施例11(図6)において、各第1処理空間93A,93Bへの第1ガス成分の供給流量を下記のように変更した。
キャリアガス(N) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例11と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例11と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.5N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.31mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
[比較例9]
比較例9では、図6の装置1において、各第2処理空間39A,39Bへの第2ガス成分の供給流量を下記のように変更した。
10slm
70sccm=0.07slm
したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.7vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例11と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例11と同じであった。接着強度評価の結果は、耐温水性評価の色抜け幅は、0.56mであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、2N/inchであり、接着強度は低かった。
[比較例10]
比較例10では、図6の装置1において、各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量を下記のように実施例12と同じにした。
キャリアガス(N) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
また、各第2処理空間39A,39Bへの第2ガスの組成及び各成分の供給流量は、下記の通りとした。
10slm
70sccm=0.07slm
したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.7vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例11と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例11と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.29mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、1.8N/inchであり、接着強度は低かった。
表5は、実施例11,12及び比較例9,10の処理条件及び結果をまとめたものである。第1ガスに適量の架橋性添加成分を添加し、かつ第2ガスに適量の酸素を添加し、さらに第1処理工程及び第2処理工程を反復して2回行うことによって、偏光板の接着強度をより高くでき、かつ耐温水性をより向上できることが確認された。一方、第2ガスの酸素添加量が過剰になると、偏光板の接着強度が損なわれることが判明した。
Figure 0005926269
実施例13では、図1の装置1における架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルに代えて、同じジアリル化合物であるマイレン酸ジアリルを用いた。第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
マイレン酸ジアリル 0.3g/min
したがって、第1ガス中のマイレン酸ジアリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.2N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.98mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例14では、図1の装置1における架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルに代えて、同じジアリル化合物である1,7-オクタジエンを用いた。第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
1,7-オクタジエン 0.3g/min
したがって、第1ガス中の1,7-オクタジエンのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度は、8.3N/inchであり、耐温水性は、色抜け幅=0.99mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例15では、図1の装置1における架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルに代えて、1,7-オクタジエンを用いた。第1ガスの各成分の流量を下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
1,7-オクタジエン 0.15g/min
したがって、第1ガス中の1,7-オクタジエンのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.9N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.99mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例16では、図1の装置1における架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルに代えて、アルキン化合物である3-メチル-1-ブチン-3-オールを用いた。第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
3-メチル-1-ブチン-3-オール 0.15g/min
したがって、第1ガス中の3-メチル-1-ブチン-3-オールのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.3N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=1.55mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例17では、図1の装置1における架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルに代えて、アルキン化合物である3-メチル-1-ペンチン-3-オールを用いた。第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
3-メチル-1-ペンチン-3-オール 0.15g/min
したがって、第1ガス中の3-メチル-1-ペンチン-3-オールのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.2N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=1.49mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例18では、図1の装置1における架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルに代えて、ケイ素アルコキシドであるテトラエトキシシランを用いた。第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
テトラエトキシシラン 0.15g/min
したがって、第1ガス中のテトラエトキシシランのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=1.22mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例19では、図1の装置1における架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルに代えて、ケイ素アルコキシドであるビニルトリメトキシシランを用いた。第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
ビニルトリメトキシシラン 0.15g/min
したがって、第1ガス中のビニルトリメトキシシランのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.6N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.9mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例20では、図1の装置1における架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルのみに代えて、メタクリル酸アリル及びビニルトリメトキシシランの2種を用いた。第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
ビニルトリメトキシシラン 0.15g/min
したがって、第1ガス中のアクリル酸に対する架橋性添加成分(メタクリル酸アリル+ビニルトリメトキシシラン)の合計含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.7N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.75mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
実施例21では、実施例7と同様に、図3に示すフィルム表面処理1を用いて表面処理を行なった。架橋性添加成分として、メタクリル酸アリル及びビニルトリメトキシシランを用いた。第1処理工程における第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
ビニルトリメトキシシラン 0.15g/min
したがって、第1ガス中の架橋性添加成分(メタクリル酸アリル+ビニルトリメトキシシラン)のアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
第2ガスの組成及び各成分の流量は、下記の通り実施例7と同じとした。したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.4vol%であった。
10slm
40sccm=0.04slm
それ以外の処理条件は、実施例1及び実施例7と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1,7と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=7.7N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.29mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。特に、耐温水性を大きく向上できた。
[比較例11]
比較例11として、図1の装置1において、第1ガスの添加成分として、非架橋性のメタクリル酸メチルを用いた。第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸メチル 0.3g/min
したがって、メタクリル酸メチルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度は、7.9N/inchであった。一方、耐温水性は、色抜け幅=4.32mmであった。
表6〜8は、実施例13〜21及び比較例11の処理条件及び結果をまとめたものである。第1ガスの架橋性添加成分として、マイレン酸ジアリルや1,7-オクタジエン等の、メタクリル酸アリル以外のジアリル化合物を用いた場合でも、接着強度を高く維持しながら耐温水性を向上できた。すなわち、不飽和結合を2つ以上有する不飽和炭化水素化合物を架橋性添加成分として用いることで、接着強度を高く維持しながら耐温水性を向上できた。また、3-メチル-1-ブチン-3-オールや3-メチル-1-ペンチン-3-オール等のアルキン化合物すなわち三重結合を有する不飽和炭化水素化合物を架橋性添加成分として用いた場合でも、接着強度を高く維持しながら耐温水性を向上できた。更に、テトラエトキシシランやビニルトリメトキシシラン等のケイ素アルコキシド化合物を架橋性添加成分として用いた場合でも、接着強度を高く維持しながら耐温水性を向上できた。これら架橋性添加成分を複数種混合して用いても、接着強度を高く維持しながら耐温水性を向上できた。一方、第1ガスの添加成分が架橋性を有しない場合(比較例11)、耐温水性はほとんど向上しなかった。
Figure 0005926269
Figure 0005926269
Figure 0005926269
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ(FPD)の偏光板の製造に適用可能である。
1,1X フィルム表面処理装置
9 被処理フィルム
9c 折り返し部分
3 支持部兼搬送手段
10 第1ガス供給系
11 気化器(生成部)
13 第1ガス供給路
14,14A,14B 第1ノズル
14e 吹出し口
15,15A,15B 遮蔽部材
20 第2ガス供給系
21 第2ガス供給源
22 第2ガス供給源
23 第2ガス供給路
24,24A,24B 第2ノズル
25 閉塞部
31 第1ロール(電極)
32 第2ロール(電極)
33 第3ロール(電極)
36,36A,36B ガイドロール
39,39A,39B プラズマ放電ギャップ(第2処理空間)
91 第1処理部
92 第2処理部
93 第1処理空間

Claims (7)

  1. 樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理方法であって、
    前記被処理フィルムを、第1処理空間を経て第2処理空間を通るように搬送する搬送工程と、
    気化した前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを前記第1処理空間内の前記被処理フィルムに接触させ、前記重合性モノマー及び架橋性添加成分を前記被処理フィルムの表面上で凝縮させる第1処理工程と、
    前記第2処理空間内において放電生成ガスをプラズマ化して前記被処理フィルムに接触させる第2処理工程と、
    を備え、前記第1処理空間及び前記第2処理空間の圧力が、1.013×10 〜50.663×10 Paであり、
    前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率を0.5wt%〜10wt%に調節することを特徴とするフィルム表面処理方法。
  2. 前記架橋性添加成分が、ジアリル化合物、アルキン化合物、又はケイ素アルコキシド化合物であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム表面処理方法。
  3. 前記架橋性添加成分が、メタクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、1,7−オクタジエン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、テトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム表面処理方法。
  4. 前記第2処理工程では、前記放電生成ガスに酸素を添加してなる第2ガスをプラズマ化して前記被処理フィルムに接触させ、前記第2ガスの酸素含有率が、前記放電生成ガスに対して0.5vol%以下であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のフィルム表面処理方法。
  5. 樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理装置であって、
    前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを生成する生成部と、
    前記第1ガスを前記被処理フィルムに吹き付ける第1ノズルと、
    前記被処理フィルムを温調することにより前記重合性モノマー及び架橋性添加成分を前記被処理フィルムの表面上で凝縮させる温調手段と、
    互いの間のギャップ内に電界印加によって大気圧近傍の放電を生成する一対の電極と、
    前記ギャップに放電生成ガスを供給する第2ノズルと、
    前記被処理フィルムを、前記第1ノズルに面する第1処理空間を経て前記ギャップに通すように搬送する搬送手段と、
    を備え、前記第1処理空間及び前記ギャップの圧力が、1.013×10 〜50.663×10 Paであり、
    前記生成部によって前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率が0.5wt%〜10wt%に調節されていることを特徴とするフィルム表面処理装置。
  6. 前記第2ノズルが、前記放電生成ガスに酸素を添加してなる第2ガスを前記ギャップに供給し、前記第2ガスの酸素含有率が、前記放電生成ガスに対して0.5vol%以下であることを特徴とする請求項に記載のフィルム表面処理装置。
  7. 前記架橋性添加成分が、メタクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、1,7−オクタジエン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、テトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5又は6に記載のフィルム表面処理装置。
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