JP5926269B2 - フィルム表面処理方法及び装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、偏光板等のフィルム積層体を構成する樹脂フィルムの表面処理において、上記樹脂フィルムの接着性を向上させるだけでなく、接着によって形成されたフィルム積層体の温水に対する耐性(耐温水性)を高めることを目的とする。
気化した前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを前記被処理フィルムに接触させる第1処理工程と、
前記第1処理工程後又は前記第1処理工程と併行して、放電生成ガスをプラズマ化(励起、活性化、ラジカル化、イオン化等を含む)して前記被処理フィルムに接触させる第2処理工程と、
を備え、前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率を所定範囲内に調節することを特徴とする。
ここで、耐温水性とは、前記被処理フィルムを他のフィルムと接着してなる偏光板等のフィルム積層体をある程度の温度(例えば50℃〜80℃)の温水にある程度の時間(例えば1h〜5h)浸漬しても、前記フィルム積層体が色抜けや剥がれを起こしにくい度合いを言う。
前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを生成する生成部と、
前記第1ガスを前記被処理フィルムに吹き付ける第1ノズルと、
互いの間のギャップ内に電界印加によって大気圧近傍の放電を生成する一対の電極と、
前記ギャップに放電生成ガスを供給する第2ノズルと、
前記被処理フィルムを、前記第1ノズルに面する第1処理空間を経て前記ギャップに通すように搬送する搬送手段と、
を備え、前記生成部によって前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率が所定範囲内に調節されていることを特徴とする。
本発明は、大気圧近傍下で行なう表面処理に好適である。前記プラズマ化は大気圧近傍下で行うことが好ましい。ここで、大気圧近傍とは、1.013×104〜50.663×104Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×104〜10.664×104Paが好ましく、9.331×104〜10.397×104Paがより好ましい。
不飽和結合及びカルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マイレン酸、2−メタクリロイルプロピオン酸等が挙げられる。
不飽和結合及びアセチル基を有するモノマーとしては、酢酸ビニル等が挙げられる。
不飽和結合及びエステル基を有するモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸2−エチル等が挙げられる。
不飽和結合及びアルデヒド基を有するモノマーとしては、アクリルアルデヒド、クロトンアルデヒド等が挙げられる。
前記被処理フィルムが、COP、COC、PP、PE等のオレフィン系モノマー重合フィルムである場合、前記重合性モノマーが、水溶性モノマー及びオレフィン系モノマーであってもよい。水溶性モノマーとしては、アセトアルデヒド、ビニルアルコール、アクリル酸(AA)、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミド等が挙げられる。オレフィン系モノマーとしては、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−シクロペンテン、1−シクロヘキセン、1−シクロヘプテン、1−シクロオクテンの他、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)等が挙げられる。
前記不飽和結合を2つ以上有する不飽和炭化水素化合物としては、例えばジアリル化合物が挙げられる。ジアリル化合物としては、メタクリル酸アリル、マイレン酸ジアリル、1,5-ヘキサジエン又は1,7-オクタジエン等が挙げられる。前記架橋性添加成分が、メタクリル酸アリルであることがより好ましく、これにより、良好な耐温水性を得ることができる。前記架橋性添加成分がメタクリル酸アリルであり、かつ前記重合性モノマーに対する含有率が0.5wt%〜10wt%であることが一層好ましい。これによって、架橋化作用を確実に発現でき、かつ接着性を確実に得ることができる。
前記三重結合を有する不飽和炭化水素化合物としては、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、アセチレン等のアルキン化合物が挙げられる。
前記金属アルコキシド化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、t-ブチルトリメトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン等の珪素アルコキシド化合物、またはチタンエトキシド、チタンイソポロポキシド等のチタンアルコキシド化合物が挙げられる。珪素アルコキシド化合物は、沸点が低く、かつ気化させやすいため、前記架橋性添加成分として好ましい。前記架橋性添加成分を構成する珪素アルコキシド化合物としては、ビニルトリメトキシシランが好ましく、これにより、良好な耐温水性を得ることができる。
前記架橋性添加成分が、上記列記した化合物の他、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル等のグリシジル化合物であってもよく、その他、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジシクロペンタジエン等であってもよい。
前記列記の架橋性添加成分を複数組み合わせてもよい。
前記架橋性添加成分が、重合性モノマーと同様に重合性を有していてもよい。
前記架橋性添加成分は、常温常圧で液体であってもよい。前記生成部が、架橋性添加成分の気化器を含んでいてもよい。気化させる方法としては、前記架橋性添加成分の液面上の飽和蒸気を不活性ガス等のキャリアガスで押し出す押し出し方式、前記架橋性添加成分の液中にキャリアガスをバブリングするバブリング方式、前記架橋性添加成分の液を加熱して蒸発を促進させる加熱方式等が挙げられる。押し出し方式と加熱方式、又はバブリング方式と加熱方式を併用してもよい。前記キャリアガスの一部を前記架橋性添加成分の気化器に導入し、残部は前記気化器に通さないことにし、前記気化器の下流側でキャリアガスの上記一部と残部を合流させることにしてもよい。前記気化器の温度やキャリアガスの上記一部と残部の分配比によって、前記第1ガス中の架橋性添加成分の濃度を調節できる。
前記生成部が、前記重合性モノマーと前記架橋性添加成分の混合液を気化させる気化器を含んでいてもよい。前記生成部が、前記重合性モノマーを気化させる第1気化器と、前記架橋性添加成分を気化させる第2気化器と、前記第1気化器からのガスと前記第2気化器からのガスを混合する混合部とを含んでいてもよい。
特許請求する本発明方法は、樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理方法であって、
前記被処理フィルムを、第1処理空間を経て第2処理空間を通るように搬送する搬送工程と、
気化した前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを前記第1処理空間内の前記被処理フィルムに接触させ、前記重合性モノマー及び架橋性添加成分を前記被処理フィルムの表面上で凝縮させる第1処理工程と、
前記第2処理空間内において放電生成ガスをプラズマ化して前記被処理フィルムに接触させる第2処理工程と、
を備え、前記第1処理空間及び前記第2処理空間の圧力が、1.013×10 4 〜50.663×10 4 Paであり、
前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率を0.5wt%〜10wt%に調節することを特徴とする。
特許請求する本発明装置は、樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理装置であって、
前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを生成する生成部と、
前記第1ガスを前記被処理フィルムに吹き付ける第1ノズルと、
前記被処理フィルムを温調することにより前記重合性モノマー及び架橋性添加成分を前記被処理フィルムの表面上で凝縮させる温調手段と、
互いの間のギャップ内に電界印加によって大気圧近傍の放電を生成する一対の電極と、
前記ギャップに放電生成ガスを供給する第2ノズルと、
前記被処理フィルムを、前記第1ノズルに面する第1処理空間を経て前記ギャップに通すように搬送する搬送手段と、
を備え、前記第1処理空間及び前記ギャップの圧力が、1.013×10 4 〜50.663×10 4 Paであり、
前記生成部によって前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率が0.5wt%〜10wt%に調節されていることを特徴とする。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示したものである。この実施形態の被処理フィルム9は、偏光板(フィルム積層体)の保護フィルムとなるべき樹脂フィルムである。被処理フィルム9は、トリアセチルセルロース(TAC)を主成分として含むTACフィルムにて構成され、連続シート状になっている。フィルム9の厚さは、例えば100μm程度である。
[支持工程、搬送工程]
ロール31,32及びガイドロール36,36に被処理フィルム9を掛け回す。
ロール31,32を図1において時計周りに回転させ、被処理フィルム9を概略右方向へ搬送する。
第1ガス供給源11において、アクリル酸(重合性モノマー)及びメタクリル酸アリル(架橋性添加成分)をキャリアガス(N2)中に気化させ、第1ガスを生成する。第1ガス中のメタクリル酸アリルの含有率は、アクリル酸に対して好ましくは0.5wt%〜10wt%である。この第1ガスを第1ガス供給路13にて第1ノズル14へ送る。第1ガス供給路13及び第1ノズル14を温調することによって、第1ガス中のアクリル酸及びメタクリル酸アリルが第1ガス供給路13及び第1ノズル14内で凝縮するのを防止できる。
ロール31,32の回転に伴ない、上記第1処理工程を経た被処理フィルム9が第2処理空間39へ向けて搬送される。放電生成ガスとして窒素(N2)を第2ノズル24から第2処理空間39に吹き出す。併行して、第1ロール電極31に電力を供給し、第2処理空間39内に大気圧近傍の放電を生成し、窒素をプラズマ化して、窒素プラズマを生成する。この窒素プラズマが第2処理空間39内の被処理フィルム9の表面に接触する。これによって、上記凝縮層を構成するアクリル酸(重合性モノマー)のプラズマ重合反応が起き、かつメタクリル酸アリル(架橋性添加成分)のプラズマ架橋反応が起きる。上記プラズマ重合反応によって、被処理フィルム9の表面にポリアクリル酸の膜が形成される。ポリアクリル酸は、被処理フィルム9を構成するTACとの親和性が良好であり、TACの表面分子と充分に反応して被処理フィルム9に密着する。このポリアクリル酸膜が接着性促進層となり、TACフィルムの接着性を向上させることができる。更には、上記プラズマ架橋反応によって、ポリアクリル酸膜を架橋でき、重合度を高めることができる。これによって、接着性促進層の疎水性が高まる。
被処理フィルム9は、ガイドロール36にて折り返されることによって、第2処理空間39を往復し、第2処理空間39にて2回処理される。
図3は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態では、第2ガス供給系20のガス組成が第1実施形態と異なる。第2実施形態の第2ガス供給源22は、窒素(放電生成ガス)に微量の酸素(O2)を添加してなる第2ガスを供給路23へ送出する。この第2ガス(N2+O2)が、第2ノズル24からギャップ39に供給される。第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して0.5vol%以下であることが好ましい。第2ガス供給源22は、窒素と酸素の混合ガス(N2+O2)を蓄えたタンクであってもよく、窒素を蓄えたタンクと、酸素を蓄えたタンクを別々に有し、これらタンクのガスを適量ずつ混合するものであってもよい。
たとえば、第1処理工程と第2処理工程を同時併行して行なってもよい。第1ガスを第2ガスと一緒に第2処理空間39(39A,39B)に直接供給してもよい。
被処理フィルム9の主成分は、TACに限られず、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、シクロオレフィン重合体(COP)、シクロオレフィン共重合体(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリイミド(PI)等であってもよい。
重合性モノマーとして、アクリル酸に代えて、メタクリル酸、イタコン酸、マイレン酸等を用いてもよい。キャリアガスとして、N2に代えて、Ar、He等の希ガスを用いてもよい。
架橋性添加成分として、メタクリル酸アリルに代えて又は加えて、マイレン酸ジアリル、1,7-オクタジエン等の他のジアリル化合物を用いてもよく、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール等のアルキン化合物を用いてもよく、テトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のケイ素アルコキシド(金属アルコキシド)を用いてもよく、さらにはアリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル等のグリシジル化合物を用いてもよく、その他、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジシクロペンタジエン等を用いてもよい。第1ガスが、複数種の架橋性添加成分を含有していてもよい。例えば、第1ガスが、架橋性添加成分として、メタクリル酸アリル及びビニルトリメトキシシランを含んでいてもよい。
第1ガスのキャリアガス成分として、N2に代えて、Ar、He等の希ガスを用いてもよい。
放電生成ガスとして、N2に代えて、Ar、He等の希ガスを用いてもよい。
第1ガス中の架橋性添加成分の重合性モノマーに対する含有率は、0.5wt%〜10wt%に限られず、所要の架橋作用を発現でき、かつ接着強度が劣化しないような範囲内で、架橋性添加成分と重合性モノマーと被処理フィルム9の成分の組み合わせに応じて設定するとよい。
第2処理工程において、電極間の外部に被処理フィルム9を配置し、電極間でプラズマ化されたガスを外部の被処理フィルム9に向けて噴出する所謂リモート式の大気圧プラズマ表面処理装置を用いてもよい。
第2処理工程のプラズマ照射は、大気圧近傍に限られず、真空下で行なってもよい。
複数の実施形態を互いに組み合わせてもよい。
本発明は、偏光板用保護フィルムの表面処理に限られず、種々の樹脂フィルムに重合性モノマーの重合膜を形成する処理に適用可能である。
図1に示すフィルム表面処理装置1を用い、フィルム9の表面処理を行なった。
装置1の寸法構成は、以下の通りであった。
ロール31,32の処理幅方向の軸長:390mm
ロール31,32の直径:320mm
ノズル14,24の処理幅方向の吹き出し幅:300mm
第1処理空間93の円弧方向の周長:275mm
第1処理空間93の厚さ:5mm
放電ギャップ39の最狭部の厚さ:1mm
TACフィルム9の搬送速度は、2.5m/minとした。
ロール31,32の温度、ひいてはTACフィルム9の温度は、35℃に設定した。
気化器11においてキャリアガス(N2)にアクリル酸(重合性モノマー)及びメタクリル酸アリル(架橋性添加成分)を気化させて第1ガスを生成した。気化器11の温度は130℃であった。第1ガスの各成分の流量は以下の通りであった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.015g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.5wt%であった。
上記第1ガスを第1ノズル14から吹き出し、第1処理空間93内のTACフィルム9に接触させた。第1ノズル14の設定温度ひいては第1ガスの吹出し温度は、75℃であった。
次に、第2ガスを第2ノズル24から放電ギャップ39に導入してプラズマ化し、TACフィルム9に接触させた。
第2ガスの組成は、放電生成ガスとしての窒素(N2)のみであり、その流量は、10slmであった。
第2ノズル24の設定温度ひいては第2ガスの吹き出し温度は、75℃であった。
プラズマ放電のための供給電力は、760W(400V、1.9Aの直流を高周波変換)であった。
電極31,32間の印加電圧は、16.4kVであった。
表面処理後のTACフィルム9の被処理面にPVA系接着剤を塗布し、PVAフィルムと貼り合わせた。PVA系接着剤として、(A)重合度500のPVA 5wt%水溶液と、(B)カルボキシメチルセルロースナトリウム 2wt%水溶液とを混合した水溶液を用いた。(A)及び(B)の混合比は、(A):(B)=20:1とした。PVA系接着剤の乾燥条件は80℃、5分間とした。
上記PVAフィルムの反対側の面には、鹸化処理したTACフィルムを上記と同じPVA系接着剤にて貼り合わせた。これにより、3層構造の偏光板サンプルを複数作製した。偏光板サンプルの幅は、1inchとした。
接着剤が硬化した後、後述する温水処理を経ていない偏光板サンプルについて、被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの接着強度(引張強度)を測定した。測定方法は浮動ローラー法(JIS K6854)に依った。測定結果は、5つの偏光板サンプルの平均で、9.6N/inchであり、充分な接着強度を得ることができた。
残余の偏光板サンプルに対して、上記PVA系接着剤が効果した後、温水処理を施した。すなわち、偏光板サンプルを70℃の温水に3時間浸漬した。温水処理後の偏光板サンプルの被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。また、温水処理後の偏光板サンプルの色抜け幅を測定した。測定結果は、5つの偏光板サンプルの平均で0.91mmであり、充分な耐温水性を得ることができた。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.3g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.8N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.89mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.03g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、1wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.2N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.95mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.1g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、3.3wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.9N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.92mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.1N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.86mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.2g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、6.7wt%であった。それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.7N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.9mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
比較例として、図1の装置1において、第1ガスに架橋性添加成分を添加しないことにした。第1ガスの組成及び各成分の流量は以下の通りであった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、9.4N/inchであり、高い接着強度が得られた。一方、耐温水性評価の色抜け幅は、5.35mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間の剥がれも確認され、耐温水性は実施例1〜6と比べて低かった。
比較例2では、図1の装置1において、第1ガスの組成及び各成分の流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.005g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.17wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、9.5N/inchであり、接着強度は高かった。一方、耐温水性評価の色抜け幅は、5.21mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間の剥がれも確認され、耐温水性は実施例1〜6と比べて低かった。
比較例3では、図1の装置1において、第1ガスの組成及び各成分の流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.5g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、16.7wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.99mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、2.5N/inchであり、接着強度は低かった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.015g/min
第2ガスには、放電生成ガスとしての窒素(N2)に加えて酸素(O2)を添加した。第2ガスの各成分の流量は下記の通りとした。
N2 10slm
O2 40sccm=0.04slm
したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス) に対して、0.4vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.1N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.55mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。特に、耐温水性を大きく向上できた。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.3g/min
したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
第2ガスの組成及び各成分の流量は、下記の通り実施例7と同じとした。したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.4vol%であった。
N2 10slm
O2 40sccm=0.04slm
それ以外の処理条件は、実施例1及び実施例7と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1,7と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=7.8N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.3mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。特に、耐温水性を大きく向上できた。
比較例4では、図3の装置1において、第1ガスの組成及び各成分の流量を実施例7と同じく、下記の通りとした。したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.5wt%であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.015g/min
第2ガスの組成及び各成分の流量は下記の通りであり、実施例7に対して酸素添加量を変更した。
N2 10slm
O2 70sccm=0.07slm
したがって、第2ガス中の酸素含有量は、窒素(放電生成ガス) に対して、0.7vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1,7と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1,7と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.49mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、2.1N/inchであり、接着強度は低かった。
比較例5では、図3の装置1において、第1ガスの組成及び各成分の流量を、下記の通り実施例8と同じとした。したがって、第1ガス中のメタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.3g/min
第2ガスの組成及び各成分の流量は下記の通りであり、実施例8に対して酸素添加量を変更した。
N2 10slm
O2 70sccm=0.07slm
したがって、第2ガス中の酸素含有量は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.7vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1,8と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1,8と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.32mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、1.9N/inchであり、接着強度は低かった。
キャリアガス(N2) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.0075g/min
また、第2ガス供給源21からの放電生成ガス(N2)を、ちょうど半分ずつ2つの第2ノズル24A,24Bに分流した。各第2処理空間39A,39Bへの放電生成ガスの供給流量は、10slmであった。
中央のロール電極32への供給電力は、760W(400V、1.9Aの直流を高周波変換)であった。この電力の半分(380W)を前段の放電ギャップ39Aのプラズマ放電に消費し、残り半分(380W)を後段の放電ギャップ39Bのプラズマ放電に消費した。ロール電極31,32間の印加電圧及びロール電極32,33間の印加電圧は、共に16.4kVであった。
ロール31,32,33の設定温度ひいてはフィルム9の温度は、35℃であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=11.2N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.56mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に実施例1よりも良好であった。
キャリアガス(N2) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=10.3N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.48mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
比較例6では、図4の装置1Xにおいて、第1ガスに架橋性添加成分を添加しないこととし、第1ガスの成分をアクリル酸(重合性モノマー)及び窒素(キャリアガス)のみとした。各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量は以下の通りであった。
キャリアガス(N2) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。接着強度評価の結果は、10N/inchであり、接着強度は高かった。一方、耐温水性評価の色抜け幅は、4.63mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれも確認され、耐温水性は低かった。
比較例7では、図4の装置1Xにおいて、各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N2) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.003g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.2wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。接着強度評価の結果は、10.1N/inchであり、接着強度は高かった。一方、耐温水性評価の色抜け幅は、4.56mmであった、被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれも確認され、耐温水性は低かった。
比較例8では、図4の装置1Xにおいて、各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量を下記の通りとした。
キャリアガス(N2) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.25g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、16.7wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.87mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、2.9N/inchであり、接着強度は低かった。
キャリアガス(N2) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.0075g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、0.5wt%であった。
また、第2ガス供給源22の第2ガスには、放電生成ガスとしての窒素(N2)に加えて酸素(O2)を添加した。この第2ガスを、ちょうど半分ずつ2つの第2ノズル24A,24Bに分流した。各第2処理空間39A,39Bへの第2ガスの組成及び各成分の供給流量は、下記の通り、実施例7と同じとした。
N2 10slm
O2 40sccm=0.04slm
したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.4vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例9と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例9と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.5N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.51mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。特に、耐温水性を大きく向上できた。
キャリアガス(N2) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例11と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例11と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.5N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.31mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
比較例9では、図6の装置1において、各第2処理空間39A,39Bへの第2ガス成分の供給流量を下記のように変更した。
N2 10slm
O2 70sccm=0.07slm
したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.7vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例11と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例11と同じであった。接着強度評価の結果は、耐温水性評価の色抜け幅は、0.56mであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、2N/inchであり、接着強度は低かった。
比較例10では、図6の装置1において、各第1処理空間93A,93Bへの第1ガスの組成及び各成分の供給流量を下記のように実施例12と同じにした。
キャリアガス(N2) 15slm
アクリル酸 1.5g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
したがって、メタクリル酸アリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
また、各第2処理空間39A,39Bへの第2ガスの組成及び各成分の供給流量は、下記の通りとした。
N2 10slm
O2 70sccm=0.07slm
したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.7vol%であった。
それ以外の処理条件は、実施例11と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例11と同じであった。耐温水性評価の色抜け幅は、0.29mmであり、耐温水性は高かった。しかし、接着強度評価の結果は、1.8N/inchであり、接着強度は低かった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
マイレン酸ジアリル 0.3g/min
したがって、第1ガス中のマイレン酸ジアリルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.2N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.98mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
1,7-オクタジエン 0.3g/min
したがって、第1ガス中の1,7-オクタジエンのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度は、8.3N/inchであり、耐温水性は、色抜け幅=0.99mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
1,7-オクタジエン 0.15g/min
したがって、第1ガス中の1,7-オクタジエンのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.9N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.99mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
3-メチル-1-ブチン-3-オール 0.15g/min
したがって、第1ガス中の3-メチル-1-ブチン-3-オールのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.3N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=1.55mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
3-メチル-1-ペンチン-3-オール 0.15g/min
したがって、第1ガス中の3-メチル-1-ペンチン-3-オールのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.2N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=1.49mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
テトラエトキシシラン 0.15g/min
したがって、第1ガス中のテトラエトキシシランのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=1.22mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
ビニルトリメトキシシラン 0.15g/min
したがって、第1ガス中のビニルトリメトキシシランのアクリル酸に対する含有率は、5wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=9.6N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.9mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
ビニルトリメトキシシラン 0.15g/min
したがって、第1ガス中のアクリル酸に対する架橋性添加成分(メタクリル酸アリル+ビニルトリメトキシシラン)の合計含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1及び14と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1及び14と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=8.7N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.75mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸アリル 0.15g/min
ビニルトリメトキシシラン 0.15g/min
したがって、第1ガス中の架橋性添加成分(メタクリル酸アリル+ビニルトリメトキシシラン)のアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
第2ガスの組成及び各成分の流量は、下記の通り実施例7と同じとした。したがって、第2ガス中の酸素含有率は、窒素(放電生成ガス)に対して、0.4vol%であった。
N2 10slm
O2 40sccm=0.04slm
それ以外の処理条件は、実施例1及び実施例7と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1,7と同じであった。接着強度評価の結果は、接着強度=7.7N/inchであった。耐温水性評価の結果は、色抜け幅=0.29mmであった。被処理TACフィルム9とPVAフィルムとの間に剥がれは確認されなかった。したがって、接着強度及び耐温水性の両方共に良好であった。特に、耐温水性を大きく向上できた。
比較例11として、図1の装置1において、第1ガスの添加成分として、非架橋性のメタクリル酸メチルを用いた。第1ガスの各成分の流量は下記の通りであった。
キャリアガス(N2) 30slm
アクリル酸 3g/min
メタクリル酸メチル 0.3g/min
したがって、メタクリル酸メチルのアクリル酸に対する含有率は、10wt%であった。
それ以外の処理条件は、実施例1と同じとした。表面処理後の偏光板サンプルの作製手順、並びに接着強度評価及び耐温水性評価の内容についても実施例1と同じであった。接着強度は、7.9N/inchであった。一方、耐温水性は、色抜け幅=4.32mmであった。
9 被処理フィルム
9c 折り返し部分
3 支持部兼搬送手段
10 第1ガス供給系
11 気化器(生成部)
13 第1ガス供給路
14,14A,14B 第1ノズル
14e 吹出し口
15,15A,15B 遮蔽部材
20 第2ガス供給系
21 第2ガス供給源
22 第2ガス供給源
23 第2ガス供給路
24,24A,24B 第2ノズル
25 閉塞部
31 第1ロール(電極)
32 第2ロール(電極)
33 第3ロール(電極)
36,36A,36B ガイドロール
39,39A,39B プラズマ放電ギャップ(第2処理空間)
91 第1処理部
92 第2処理部
93 第1処理空間
Claims (7)
- 樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理方法であって、
前記被処理フィルムを、第1処理空間を経て第2処理空間を通るように搬送する搬送工程と、
気化した前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを前記第1処理空間内の前記被処理フィルムに接触させ、前記重合性モノマー及び架橋性添加成分を前記被処理フィルムの表面上で凝縮させる第1処理工程と、
前記第2処理空間内において放電生成ガスをプラズマ化して前記被処理フィルムに接触させる第2処理工程と、
を備え、前記第1処理空間及び前記第2処理空間の圧力が、1.013×10 4 〜50.663×10 4 Paであり、
前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率を0.5wt%〜10wt%に調節することを特徴とするフィルム表面処理方法。 - 前記架橋性添加成分が、ジアリル化合物、アルキン化合物、又はケイ素アルコキシド化合物であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム表面処理方法。
- 前記架橋性添加成分が、メタクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、1,7−オクタジエン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、テトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム表面処理方法。
- 前記第2処理工程では、前記放電生成ガスに酸素を添加してなる第2ガスをプラズマ化して前記被処理フィルムに接触させ、前記第2ガスの酸素含有率が、前記放電生成ガスに対して0.5vol%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のフィルム表面処理方法。
- 樹脂製の被処理フィルムの表面上で重合性モノマーをプラズマ重合させて、前記表面に前記重合性モノマーの重合体を被膜するフィルム表面処理装置であって、
前記重合性モノマーと、前記重合体をプラズマ架橋可能な架橋性添加成分とを含有する第1ガスを生成する生成部と、
前記第1ガスを前記被処理フィルムに吹き付ける第1ノズルと、
前記被処理フィルムを温調することにより前記重合性モノマー及び架橋性添加成分を前記被処理フィルムの表面上で凝縮させる温調手段と、
互いの間のギャップ内に電界印加によって大気圧近傍の放電を生成する一対の電極と、
前記ギャップに放電生成ガスを供給する第2ノズルと、
前記被処理フィルムを、前記第1ノズルに面する第1処理空間を経て前記ギャップに通すように搬送する搬送手段と、
を備え、前記第1処理空間及び前記ギャップの圧力が、1.013×10 4 〜50.663×10 4 Paであり、
前記生成部によって前記第1ガス中の前記架橋性添加成分の前記重合性モノマーに対する含有率が0.5wt%〜10wt%に調節されていることを特徴とするフィルム表面処理装置。 - 前記第2ノズルが、前記放電生成ガスに酸素を添加してなる第2ガスを前記ギャップに供給し、前記第2ガスの酸素含有率が、前記放電生成ガスに対して0.5vol%以下であることを特徴とする請求項5に記載のフィルム表面処理装置。
- 前記架橋性添加成分が、メタクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、1,7−オクタジエン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、テトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5又は6に記載のフィルム表面処理装置。
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