本明細書において、「第3実施形態」とあるのは、「本実施形態」と読み替えるものとする。また、「第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態、第5実施形態、第6実施形態」とあるのは、「参考例」と読み替えるものとする。図1には、本発明の第1実施形態の燃料供給装置12の概略構成が示されている。この燃料供給装置12は、燃料が収容される燃料タンク本体14を有している。燃料タンク本体14は、たとえば略箱状に形成されており、上面14Uの角部(図1では右上の角部)に、インレット配管26が接続されている。インレット配管26を通じて、燃料を燃料タンク本体14内に給油できる。
燃料タンク本体14の内部には、複数のサブタンク15が備えられている。本実施形態では、サブタンク15の数を2つとしている。以下において、2つのサブタンク15を区別する場合は、第1サブタンク15A、第2サブタンク15Bとする。
第1サブタンク15Aには燃料ポンプモジュール32が備えられており、この点で、燃料ポンプモジュール32が備えられていない第2サブタンク15Bと異なっている。
サブタンク15のそれぞれは、燃料フィルタ16と、この燃料フィルタ16の上方に配置された貯留部材18とを有している。
図4にも詳細に示すように、燃料フィルタ16は、上下に配置された2枚の濾布(上側濾布16Uと下側濾布16L)を有している、本実施形態では、上側濾布16Uと下側濾布16Lとは、2枚の略同形状(たとえば四角形状等の多角形状であっても良いし、円形や楕円形などでも良い)に形成されている。上側濾布16Uと下側濾布16Lにおいて、それぞれの外周部分を、溶着や接着等により接合することで、全体として偏平な直方体形状の燃料フィルタ16を構成している。
そして、上側濾布16Uと下側濾布16Lとの間に図示しない間隔維持部材が配置されることで、上側濾布16Uと下側濾布16Lとの間に、燃料を収容するための空間が構成された、偏平な袋状(閉曲面状)の燃料フィルタ16となっている。
上側濾布16Uと下側濾布16Lとは、袋状とされた燃料フィルタ16の外側から内側へと燃料を通過させるが、その際に燃料中の異物を除去し、燃料フィルタ16の内部には異物が流入しないようにする作用を有する材料(たとえば織布、不織布、多孔質性樹脂、メッシュ状の部材等など)で構成されている。
燃料フィルタ16は、このように上側濾布16Uあるいは下側濾布16Lを通過した燃料GSを、その内部に貯留させることができる。さらに、燃料フィルタ16の少なくとも一部が燃料タンク本体14内の燃料GS(図1参照)に浸漬されている状態では、図4に示したように、燃料フィルタ16の表面に燃料による油膜LMが形成されて維持されるようになっている。
燃料フィルタ16(特に下側濾布16L)は、燃料タンク本体14の底面14Bに沿って略平行になるように配置されており、底面14Bとの隙間を通じて燃料を燃料フィルタ16内に流入させることができる。
燃料フィルタ16を構成する上側濾布16Uと下側濾布16Lとは異なる材質とされており、特に、上側濾布16Uの圧力損失が下側濾布16Lの圧力損失よりも大きくなるように、これら濾布の材質が選択されている。ここでいう「圧力損失」は、上側濾布16Uあるいは下側濾布16Lを燃料が通過するとき(たとえば後述する燃料ポンプ本体42の駆動時)の、通過前後の圧力差である。したがって、下側濾布16Lは上側濾布16Uよりも相対的に燃料を通過させ易くなっている。本実施形態では、このように圧力損失に差を設けるために、上側濾布16Uは、下側濾布16Lよりも不織布の空隙の総面積が小さい構造とされている。
図4に示すように、サブタンク15は、燃料フィルタ16の上側に位置するサブタンク上側部材15Uと、燃料フィルタ16の下側に位置するサブタンク下側部材15Lとを有している。サブタンク上側部材15Uと、サブタンク下側部材15Lは、それぞれの外周部分で、上側濾布16U及び下側濾布16Lの外周部分を上下方向に挟み込んでいる。
このように、サブタンク上側部材15Uとサブタンク下側部材15Lとで燃料フィルタ16を挟み込むことで、燃料フィルタ16の形状を維持すると共に、強度を確保している。また、燃料タンク本体14内において、所定位置(底面14Bに沿った位置)に安定的に配置できるようになる。
サブタンク上側部材15Uは、平面視(図4矢印A方向視)にて、燃料フィルタ16の周囲に位置する縦壁部20を有している。縦壁部20は、たとえば扁平な筒状に形成されている。縦壁部20の上端からは、平面視にて中心に向かう方向に、蓋板部22が延出されている。
本実施形態では、縦壁部20、蓋板部22、及び燃料フィルタ16の上側濾布16Uによって、貯留部材18が構成されている。換言すれば、貯留部材18の底部の少なくとも一部(本実施形態では全部)が、上側濾布16Uによって構成されていることになる。貯留部材18内には、燃料フィルタ16の上方において燃料を貯留することが可能とされる。
蓋板部22の略中央には、蓋板部22を厚み方向に貫通する流入孔24が形成されている。流入孔24を通じて、貯留部材18内に燃料を流入させることができる。
特に、第1サブタンク15では、図1及び図2から分かるように、流入孔24の中央部分に、燃料ポンプモジュール32を構成する燃料吸引配管44Aが挿通されている。流入孔24の内寸は、燃料吸引配管44Aの外径よりも大きくされている。流入孔24の孔縁と燃料吸引配管44Aとは非接触となっており、この流入孔24を通じて燃料タンク本体14内の燃料が貯留部材18の内部に流入可能となっている。流入孔24は、燃料吸引配管44Aを挿通するための挿通孔を兼ねているので、このような挿通孔をあらためて形成する必要がなく、構造の簡素化が図られている。
サブタンク下側部材15Lは、下側濾布16Lよりも下方に位置する底板部46を有している。底板部46には、厚み方向に貫通する複数の挿通孔48が形成されている。この挿通孔48を通じて、燃料タンク本体14内の燃料GSを、燃料フィルタ16の内部に流入させることができる。
図1及び図2に示すように、第1サブタンク15Aにおける貯留部材18の上方には燃料ポンプモジュール32が備えられている。燃料ポンプモジュール32は、燃料ポンプ本体42を有している。本実施形態では、燃料ポンプ本体42は、ブラケット42Bにより、第1サブタンク15Aの上方に支持されている。
燃料ポンプ本体42の一方の側面からは下方に向かって燃料吸引配管44Aが延出されている。燃料吸引配管44Aは、上側濾布16Uを貫通して燃料フィルタ16内に開口されており、これによって、燃料ポンプモジュール32が第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16に接続されている。また、燃料ポンプ本体42の他方の側面からは、上方に向かう燃料吐出配管44Bが、燃料タンク本体14の外部に延出されている。燃料ポンプ本体42の駆動により、燃料吸引配管44Aで燃料を吸引し、燃料吐出配管44Bから、図示しないエンジンに供給できるようになっている。
本実施形態では、燃料吸引配管44Aは中間部分で略直角に屈曲されている。屈曲部分は接続部44Cとされており、連結配管62の一端62Aが接続されている。すなわち、連結配管62は、その一端62Aにより、燃料ポンプモジュール32に接続されていることになる。
図1に示すように、連結配管62の他端62Bは、第2サブタンク15Bにおいて、第1サブタンク15Aと対向する側面16Sに接続され、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16内に開口している。したがって、第2サブタンク15B内の燃料が、連結配管62に他端側から流入可能である。そして、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16と第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16とが、連結配管62と、燃料吸引配管44Aによって連結されている。したがって、燃料吸引配管44Aは、本発明における「連結配管」の一部を兼ねていることになる。連結配管62のみに着目すると、第1実施形態(及び後述する第2実施形態、第3実施形態)は、2つの燃料フィルタ16を間接的に(燃料吸引配管44Aを一部で介して)接続している。
連結配管62は、第1サブタンク15Aの近傍において所定位置で屈曲されているが、全体として、他端側(第2サブタンク15B側)から一端側(接続部44C側)へ向かうにしたがって燃料タンク本体14の底面14Bから離間するよう傾斜されている。燃料タンク本体14は、底面14Bが略水平になるように車両に搭載されるため、連結配管62は、車両への搭載状態で、他端側から一端側に向かって上昇する。しかも、連結配管62には、局所的に上方に位置する部分(たとえば、山状に曲がった部分)や、下方に位置する部分(たとえば、谷状に曲がった部分)が存在しない形状とされている。実質的には、連結配管62は全体として略直線状に形成されており、上方あるいは下方に曲がった部分が存在しない形状とされている。したがって、連結配管62内に気体と燃料(液体)の双方が存在している場合には、比重の小さい気体が他端側(第2サブタンク15B側)から一端側(接続部44C側)に移動しやすくなる。
接続部44Cからは、上方に向けて気体排出管64が延出されている。気体排出管64の上端は気体排出口66とされている。気体排出口66は、連結配管62及び気体排出管64における最も高い位置にあり、連結配管62内の気体を、気体排出管64を通じて気体排出口66から排出することができる。
本実施形態では、気体排出口66の高さは、後述するように、燃料タンク本体14への初期給油が完了するまでは、燃料に液没しないという条件を満たす程度に高い位置に設けられている。たとえば、第1サブタンク15Aの貯留部材18よりも高い位置であれば、この条件を満たす。
また、気体排出管64の長さは、エンジン始動時に燃料吸引配管44Aあるいは連結配管62の燃料が気体排出管64を上昇して気体排出口66に達するという条件を満たす程度に短く設定されている。
図3に示すように、気体排出口66は、油膜フィルタ68で覆われている。油膜フィルタ68は、燃料フィルタ16を構成する上側濾布16Uや下側濾布16Lと同様の材料(たとえば織布、不織布、多孔質性樹脂、メッシュ状の部材等など)で構成されている。油膜フィルタ68の表面に燃料が付着していない状態では油膜が形成されず、油膜フィルタ68を気体が通過可能である。これに対し、油膜フィルタ68の表面に燃料による油膜が形成されていると、気体の通過は阻止される。
図1から分かるように、燃料タンク本体14に給油するためのインレット配管26は、気体排出口66(油膜フィルタ68)から離れた位置で燃料タンク本体14に取り付けられている。これにより、燃料給油時には、給油された燃料(インレット配管26の下端から燃料タンク本体14内に流出した燃料)が油膜フィルタ68に付着することが抑制されている。
次に、本実施形態の燃料供給装置12の作用を説明する。
燃料タンク本体14内において、貯留部材18の流入孔24よりも高い液位で燃料GSが存在している状態では、流入孔24を通じて流入した燃料GSが貯留部材18内に貯留されている。また、この状態で、燃料フィルタ16内にも燃料GSが存在している。
ここで、燃料ポンプモジュール32が駆動されると、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内の燃料GSが燃料吸引配管44A及び燃料吐出配管44Bを通じて外部(機関等)に送出される。第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内には、上側濾布16U及び下側濾布16Lを通過して燃料GSが流入可能である。また、貯留部材18内には、流入孔24を通じて燃料タンク本体14内の燃料GSが流入する。さらに、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16内の燃料GSも、連結配管62を通じて外部(機関等)に送出される。
そして、燃料タンク本体14内の燃料量が少なくなった状態においても、第1サブタンク15Aと第2サブタンク15Bの少なくとも一方の燃料フィルタ16の一部が燃料GSに浸漬されていれば、燃料フィルタ16の表面に、燃料GSによる油膜LMが形成され維持されている。本実施形態では、燃料フィルタ16を燃料タンク本体14の底面14Bに沿って配置しているので、燃料タンク本体14内の燃料GSが燃料フィルタ16(下側濾布16L)に接触した状態を、より確実に維持可能となっている。
ここで、車両の加減速時、旋回時等において、燃料タンク本体14内の燃料GSが偏在した場合を想定する。このとき、たとえば、燃料タンク本体14内の燃料GSが、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16から離れてしまっても、第1サブタンク15Aの貯留部材18内に燃料GSが貯留されていれば、燃料フィルタ16の表面の油膜LMは維持される。同様に、燃料タンク本体14内の燃料GSが、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16から離れてしまっても、第2サブタンク15Bの貯留部材18内に燃料GSが貯留されていれば、燃料フィルタ16の表面の油膜LMは維持される。
また、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16内に燃料GSが存在していれば、この燃料GSが連結配管62を通じて外部(機関等)に送出される。
特に、本実施形態では、燃料タンク本体14内にサブタンク15を複数(2つ)配置している。したがって、サブタンク15を1つのみ配置した構成と比較して、サブタンク15の燃料フィルタ16が燃料タンク本体14内の燃料GSに浸漬した状態を、より確実に維持可能となる。
ここで、本実施形態において、燃料タンク本体14内に燃料GSが全くない状態を想定する。たとえば、自動車を製造工場において製造した直後に、このように燃料タンク本体14内に燃料GSが無い状態になる。この状態における燃料タンク本体14への給油を、以下では「初期給油」という。
初期給油時には、インレット配管26から燃料タンク本体14に流入した燃料GSの液面は、燃料タンク本体14の底面14Bと平行な状態を維持しつつ上昇する。そして、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内、及び、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16内に入る。
さらに燃料GSは、燃料フィルタ16内から連結配管62に流入する。本実施形態では、連結配管62の他端側(第2サブタンク15B側)が、一端側(第1サブタンク15A側)よりも低くなっている。このため、連結配管62内には、第2サブタンク15B側から燃料GSが流入すると共に、連結配管62内の気体が、一端側に移動し、気体排出管64を経て気体排出口66から排出される。
特に、本実施形態では、インレット配管26が気体排出口66(油膜フィルタ68)から離れた位置にあり、給油された燃料GSが油膜フィルタ68に付着することが抑制されている。しかも、気体排出口66の位置は、初期給油時に燃料GSに液没しない高さとされている。したがって、初期給油時に燃料GSが油膜フィルタ68に付着して油膜が形成されてしまうという事態を避けることができ、気体排出口66からスムーズに気体を排出することができる。
初期給油の完了後のエンジン始動時には、燃料ポンプモジュール32の駆動により、燃料吸引配管44A及び連結配管62内の燃料GSがエンジン等に送出される。燃料吸引配管44A及び連結配管62内の燃料GSの一部は、気体排出管64を上昇し、油膜フィルタ68に到達する。これにより、油膜フィルタ68に油膜が形成されるので、気体排出口66からの気体の流入が抑制される。このように、気体排出口66からの気体の流入を抑制することで、短時間でエンジンに燃料を供給することが可能になる。
図5には、本発明の第2実施形態の燃料供給装置72が部分的に拡大して示されている。第2実施形態の燃料供給装置72において、第1実施形態の燃料供給装置12と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。また、第2実施形態の燃料供給装置72の全体的構成は、第1実施形態の燃料供給装置12と同一であるので、図示を省略する。
第2実施形態の燃料供給装置72では、気体排出口66を取り囲む形状(図5に示した例では円筒形状)の燃料付着防止壁74を有している。燃料付着防止壁74は、インレット配管26から給油された燃料GSが、油膜フィルタ68に付着することを抑制する作用を有している。
したがって、第2実施形態の燃料供給装置72では、第1実施形態の燃料供給装置12と略同様の作用効果を奏するが、特に、図5から分かるように、インレット配管26を気体排出口66(油膜フィルタ68)の近傍に配置した場合であっても、油膜フィルタ68における不用意な油膜の形成を抑制できる。特に、初期給油時において、連結配管62の気体を気体排出口66から排出しているときは、油膜フィルタ68に油膜が形成されないようにすることで、確実な気体排出が可能となる。
第2実施形態において、燃料付着防止壁74の形状は特に限定されず、上記した円筒状の他に、多角形の筒状や、半球状(ドーム状)等であってもよい。
図6には、本発明の第3実施形態の燃料供給装置82が部分的に拡大して示されている。第3実施形態の燃料供給装置82においても、第1実施形態の燃料供給装置12と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。また、第3実施形態の燃料供給装置82の全体的構成も、第1実施形態の燃料供給装置12と同様であるので、図示を省略する。
第3実施形態の燃料供給装置82では、燃料吐出配管44Bの途中にプレッシャレギュレータ84が設けられている。プレッシャレギュレータ84は、燃料吐出配管44Bを流れる燃料GSの圧力が一定範囲になるように調整すると共に、余剰の燃料(リターン燃料)を、リターン配管86を通じて燃料タンク本体14内に戻す作用を有している。なお、このプレッシャレギュレータ84は、他の実施形態の燃料供給装置においても、図示は省略しているが、必要に応じて設けられている。
リターン配管86の先端は、油膜フィルタ68の上方に位置している。したがって、リターン配管86から流出したリターン燃料は、油膜フィルタ68に付着する。
このような構成とされた第3実施形態の燃料供給装置82においても、第1実施形態の燃料供給装置12を略同様の作用効果を奏するが、特に、燃料ポンプモジュール32が駆動された後のリターン燃料GSを油膜フィルタ68に供給することで、油膜フィルタ68における油膜の形成を促進することが可能である。
また、油膜フィルタ68に油膜を形成するために燃料吸引配管44Aあるいは連結配管62内の燃料GSを、気体排出管64内で上昇させて油膜フィルタ68に到達させる必要がない。このため、気体排出口66の位置を、第1実施形態あるいは第2実施形態と比較して、より高い位置に設定することが可能である。
なお、上記各実施形態において、気体流入抑制手段としては、油膜フィルタ68に限定されない。たとえば、気体排出口66からの気体の排出方向の移動を許容し、その反対方向の移動は抑制する部材であればよい。たとえば、油膜フィルタ68に代えて逆止弁や電磁弁をもうけてもよい。
図7には、本発明の第4実施形態の燃料供給装置112が示されている。第4実施形態においても、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第4実施形態の燃料供給装置112として、図7では、インレット配管26が第1サブタンク15Aに近い側に設けられた例を挙げている。したがって、燃料供給装置112は燃料供給装置12と異なり、燃料タンク本体14への給油時には、第1サブタンク15A側から燃料が流入する。
連結配管62の一端側は、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内に開口されている。連結配管62の他端側は、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16内に開口されている。したがって、この第4実施形態(及び後述する第5実施形態、第6実施形態)は、連結配管62によって、2つの燃料フィルタ16が直接的に連結された例である。さらに、連結配管62は、インレット配管26から遠い側(図7の例では第2サブタンク15B側)に向かって上昇するよう配置されている。さらに、連結配管62の全体は、初期給油時において、給油された燃料に液没する位置に配置されている。
また、第1実施形態と同様の気体排出管64、気体排出口66及び油膜フィルタ68は設けられていないが、実質的に、連結配管62の他端側の開口部分が気体排出口として作用するようになっている。
第2サブタンク15Bの周囲には、包囲壁部材114が設けられている。包囲壁部材114は、第2サブタンク15Bを取り囲む複数枚(たとえば4枚)の流入制限壁114Wと、包囲壁部材114の底面を構成する底壁114Bとを有している。
底壁114Bは燃料タンク本体14の底面14Bに接触配置されており、実質的に、流入制限壁114Wが燃料タンク本体14の底面14Bから略垂直に立設された構造となっている。
流入制限壁114Wの高さH1(燃料タンク本体14の底面14Bからの高さ)は、燃料タンク本体14への初期給油時の燃料液面高さDHよりも高く、燃料タンク本体14の保証容量の燃料液面高さEHよりも低くなるように設定されている。この「保証容量」とは、燃料供給装置が搭載された自動車の通常使用状態で燃料タンク本体14内に貯留されている燃料量の最小容量であり、この容量を下回る(あるいはその可能性が高くなる)と、燃料量が減少していることを示す表示等が点灯するようになっている。
流入制限壁114Wの少なくとも1つには、導入孔118が形成されている。導入孔118は、初期給油時において、燃料タンク本体14内の燃料GSが流入制限壁114Wを超えない状態でも、包囲壁部材114内への燃料GSの流入を許容している。ただし、燃料GSの流入速度(単位時間当たりの流入量)は、連結配管62から気体が排出されるまでは、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が形成されない流入速度となるように、導入孔118の開口断面積が決められている。
初期給油時、すなわち燃料タンク本体14内の燃料液面高さが流入制限壁114Wを超える前であっても、給油された燃料GSは、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内に流入しつつ、燃料フィルタ16の表面に油膜を形成する。
これに対し、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16には、燃料GSの液面高さが流入制限壁114Wを超えるまでは、燃料GSが導入孔118を通じて包囲壁部材114の内部に流入するが、上記したように、連結配管62から気体が排出されるまでは、燃料フィルタ16に油膜が形成されないように燃料GSの流入速度が決められている。このため、連結配管62の他端側(気体排出口)から気体の排出が可能である。
すなわち、第4実施形態では、初期給油の開始から連結配管62の気体の排出までに要する時間をt1、初期給油からエンジン始動までの想定時間をt2としたとき、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が完全に形成される(気体が通過しなくなる)までの時間Tが、
t1<T<t2 (1)
の関係を満たすように、流入制限壁114Wの高さ、換言すれば包囲壁部材114内部への燃料流入速度が調整されている。
そして、時間Tの経過後に、包囲壁部材114の内側へ流入した燃料GSの量が所定量に達し、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が形成される。このように、連結配管62の他端62B側は、一端62A側よりも燃料GSの流入タイミングが遅いため、一端側から燃料GSを流入させつつ、他端側から気体を排出することが可能である。
このような構成とされた第4実施形態の燃料供給装置112でも、貯留部材18の流入孔24よりも高い液位で燃料GSが存在している状態では、流入孔24を通じて流入した燃料GSが貯留部材18内に貯留され、燃料フィルタ16内にも燃料が存在している。
燃料ポンプモジュール32が駆動されると、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内の燃料GSが燃料吸引配管44A及び燃料吐出配管44Bを通じて外部(機関等)に送出される。燃料フィルタ16内には、上側濾布16U及び下側濾布16Lを通過して燃料GSが流入し、さらに、貯留部材18内にも、流入孔24を通じて燃料タンク本体14内の燃料GSが流入する。さらに、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16内の燃料GSも、連結配管62を通じて第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内に移動し、外部(機関等)に送出される。
燃料タンク本体14内の燃料量が少なくなった状態においても、第1サブタンク15Aと第2サブタンク15Bの少なくとも一方の燃料フィルタ16の一部が燃料GSに浸漬されていれば、燃料フィルタ16の表面に、燃料GSによる油膜LM(図4参照)が形成され維持されている。
燃料タンク本体14内の燃料GSが偏在し、燃料タンク本体14内の燃料GSが、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16から離れてしまっても、第1サブタンク15Aの貯留部材18内に貯留された燃料GSにより、燃料フィルタ16の表面の油膜LMは維持される。同様に、燃料タンク本体14内の燃料GSが、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16から離れてしまっても、第2サブタンク15Bの貯留部材18内の燃料GSにより、燃料フィルタ16の表面の油膜LMは維持される。
特に、図9に示すように、第2サブタンク15B側に燃料GSが偏在した場合には、導入孔118を通じて包囲壁部材114内に流入する燃料GSに加えて、流入制限壁114Wを超えた燃料GSが包囲壁部材114内に流入する。このため、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が形成された状態を、より確実に維持できる。
初期給油時には、上記式(1)の関係から、最初に第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16を通じて燃料GSが連結配管62内に流入する。しかし、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16には、包囲壁部材114の存在により、燃料GSが達するのに所定の時間を要するため、初期給油の段階では油膜が形成されない。このように、第1サブタンク15Aと第2サブタンク15Bとで、燃料フィルタ16の油膜形成に所定の時間差が生じる。したがって、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が形成される前に、連結配管62内の気体を他端側から排出することができる。
上記した時間Tの経過後は、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が形成される。すなわち、エンジン始動時には、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16にも油膜が形成されている。連結配管62内には気体が滞留していないので、短時間でのエンジンへの燃料供給が可能になる。
図10及び図11には、本発明の第5実施形態の燃料供給装置132が示されている。第5実施形態の燃料供給装置132において、第4実施形態の燃料供給装置112と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第5実施形態の燃料供給装置132では、第4実施形態における包囲壁部材114に代えて、複数(図10及び図11に示した例では5つ)の迷路構成壁134が設けられている。迷路構成壁134の高さH2は、初期給油の燃料液面高さDH(図7参照)よりも高く、燃料タンク本体14の保証容量の燃料液面高さEH(同じく図7参照)よりも低くなるように設定されている。
また、迷路構成壁134は、燃料タンク本体14の長手方向に沿った2つの側壁14S、14Tから交互に延出されている。すなわち、図11において、第1サブタンク15A側から順に迷路構成壁134−1、134−2、134−3、134−4、134−5と順序付けた場合に、奇数番目の迷路構成壁134−1、134−3、134−5は側壁14Sから延出されているが、側壁14Tには達しない長さとされている。偶数番目の迷路構成壁134−2、134−4は、側壁14Tから延出されているが、側壁14Sには達しない長さとされている。なお、第5実施形態の連結配管62は、迷路構成壁134を貫通している。
このような構造の複数の迷路構成壁134を設けたことで、第5実施形態の燃料供給装置132では、第1サブタンク15A側から第2サブタンク15B側へ燃料GSが流れる流路が、矢印LBで示すように迷路状(略ジグザグ状)に蛇行している。そして、迷路構成壁134を設けない構成と比較して、初期給油時に燃料タンク本体14内の燃料GSが第1サブタンク15A側から第2サブタンク15B側へと移動し、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が完全に形成される(気体が通過しなくなる)までの時間Tに関し、上記式(1)と同様の関係が成立するように、迷路構成壁134の構造が決められている。
このような構成とされた第5実施形態の燃料供給装置132においても、第4実施形態の燃料供給装置112と同様に、貯留部材18の流入孔24よりも高い液位で燃料GSが存在していると、流入孔24を通じて流入した燃料が貯留部材18内に貯留され、燃料フィルタ16内に燃料が存在する。
燃料ポンプモジュール32が駆動されると、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内の燃料が燃料吸引配管44A及び燃料吐出配管44Bを通じて外部(機関等)に送出される。燃料フィルタ16内には、上側濾布16U及び下側濾布16Lを通過して燃料GSが流入し、さらに、貯留部材18内にも、流入孔24を通じて燃料タンク本体14内の燃料GSが流入する。さらに、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16内の燃料GSも、連結配管62を通じて第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内に流入し、外部(機関等)に送出される。
燃料タンク本体14内の燃料量が少なくなっても、第1サブタンク15Aと第2サブタンク15Bの少なくとも一方の燃料フィルタ16の一部が燃料GSに浸漬されていれば、燃料フィルタ16の表面に油膜LMが形成され維持されている。
燃料タンク本体14内の燃料GSの偏在により、燃料タンク本体14内の燃料GSが第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16から離れても、第1サブタンク15Aの貯留部材18内に貯留された燃料GSにより、燃料フィルタ16の表面の油膜LMは維持される。同様に、燃料タンク本体14内の燃料GSが、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16から離れても、第2サブタンク15Bの貯留部材18内の燃料GSにより、燃料フィルタ16の表面の油膜LMは維持される。
特に、図12に示すように、第2サブタンク15B側に燃料GSが偏在した場合には、迷路状に流れる燃料(矢印11の矢印LB参照)に加えて、迷路構成壁134を順に燃料GSが超えて第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に達する。このため、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が形成された状態を、より確実に維持できる。
初期給油時には、上記式(1)の関係から、最初に第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16を通じて燃料GSが連結配管62内に流入するが、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16には、迷路構成壁134に燃料GSが迷路状に流れるために、初期給油の段階では第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に燃料GS到達せず、油膜が形成されない。このように、第1サブタンク15Aと第2サブタンク15Bとで、燃料フィルタ16の油膜形成に所定の時間差が生じため、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が形成される前に、連結配管62内の気体を他端側から排出することができる。
上記した時間Tの経過後は、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜が形成される。すなわち、エンジン始動時には、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16にも油膜が形成されている。連結配管62内に気体が滞留していないので、短時間でのエンジンへの燃料供給が可能になる。
なお、第4実施形態の燃料供給装置112及び第5実施形態の燃料供給装置132において、連結配管62の傾斜は、インレット配管26との関係において決められる。すなわち、燃料フィルタ16の油膜形成が遅い側(気体を排出する側)が高い位置となるように傾斜されていれば、連結配管62内の気体の排出や、気体の滞留を防止する観点からは効果的である。また、連結配管62が傾斜していない構成であっても、連結配管62の内部から気体を効果的に排出することは可能である。
図13には、本発明の第6実施形態の燃料供給装置152が示されている。第6実施形態の燃料供給装置152において、第4実施形態の燃料供給装置112及び第5実施形態の燃料供給装置132と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第6実施形態の燃料供給装置152では、第4実施形態における包囲壁部材114や、第5実施形態における迷路構成壁134は設けられておらず、これらに代えて、燃料保持容器154が設けられている。
燃料保持容器154は、第1サブタンク15Aと第2サブタンク15Bのうち、インレット配管から近いほうのサブタンク15(図13に示した例では、第1サブタンク15A)において、貯留部材18のさらに上方に設けられている。そして、インレット配管26を通じて燃料タンク本体14内に給油される燃料GSが燃料保持容器154内に流入するように、インレット配管26の位置が調整されている。
図14及び図15にも示すように、燃料保持容器154の下面は、貯留部材18の蓋板部22(サブタンク上側部材15U)が兼ねている。燃料保持容器154に保持された燃料GSは、流入孔24を通じて貯留部材18内に流入する。そして、第1〜第4実施形態の燃料供給装置と同様に、燃料フィルタ16に貯留部材18内の燃料が触れていると、燃料フィルタ16の表面に油膜LMが形成される。第6実施形態の燃料供給装置152では、第1サブタンク15Aにおける貯留部材18と燃料保持容器154とを含んで、燃料保持部材が構成されている。
第6実施形態では、燃料保持容器154内の燃料液面高さが、連結配管62の高さよりも高くなるように設定されている。燃料保持容器154から貯留部材18を経て第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内に流入した燃料は、連結配管62内に流入する。このとき、燃料保持容器154内の燃料液面高さと連結配管62の高さの差に応じたヘッド圧が、連結配管62に流入する燃料に作用する。
燃料保持容器154は、貯留部材18の外縁部分から上方に立設された4つの容器側壁154Wを有している。燃料保持容器154における燃料保持容量は、初期給油時に、上記した式(1)の時間Tになるまでは、燃料GSが不用意に流れ出て第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に油膜を形成することが無い程度に十分な容量とされている。
図15に示すように、燃料保持容器154の容器側壁154Wの少なくとも1つには、燃料流入孔156が形成されている。さらに、この燃料流入孔156から燃料保持容器154への燃料流入は許容し、燃料保持容器154からの燃料排出は阻止する逆止弁158が容器側壁154Wに取り付けられている。燃料流入孔156の高さH2(燃料タンク本体14の底面14Bから、燃料流入孔156の下端までの長さ)は、保証容量の燃料液面高さEHより低くなるように設定されている。
このような構成とされた第6実施形態の燃料供給装置152においても、第4実施形態の燃料供給装置112や第5実施形態の燃料供給装置132と同様に、流入孔24を通じて流入した燃料が貯留部材18内に貯留され、燃料フィルタ16内に燃料が存在する。
特に、第1サブタンク15Aの上方の燃料保持容器154には、燃料流入孔156が形成されているので、燃料保持容器154内に燃料が流入し、燃料保持容器154内に燃料が保持される。
燃料ポンプモジュール32が駆動されると、第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内の燃料が燃料吸引配管44A及び燃料吐出配管44Bを通じて外部(機関等)に送出される。燃料フィルタ16内には、上側濾布16U及び下側濾布16Lを通過して燃料が流入し、さらに、貯留部材18内にも、流入孔24を通じて燃料タンク本体14内の燃料が流入する。さらに、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16内の燃料も、連結配管62を通じて第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16内に移動し、外部(機関等)に送出される。
燃料タンク本体14内の燃料量が少なくなっても、第1サブタンク15Aと第2サブタンク15Bの少なくとも一方の燃料フィルタ16の一部が燃料に浸漬されていれば、燃料フィルタ16の表面に油膜LMが形成され維持されている。
燃料タンク本体14内の燃料の偏在により、燃料タンク本体14内の燃料が第1サブタンク15Aの燃料フィルタ16から離れても、第1サブタンク15Aの貯留部材18内に貯留された燃料により、燃料フィルタ16の表面の油膜LMは維持される。同様に、燃料タンク本体14内の燃料が、第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16から離れても、第2サブタンク15Bの貯留部材18内の燃料により、燃料フィルタ16の表面の油膜LMは維持される。
特に、燃料流入孔156の高さH2が、保証容量の燃料液面高さDHより低くなるように設定されているため、燃料保持容器154内にも、保証容量の燃料の液面高さと同程度の燃料高さで燃料を保持できる。
初期給油時には、インレット配管26を通じて給油された燃料は、燃料保持容器154内に流入し、一時的に保持される。そして、流入孔24を通じて貯留部材18内へ移動し、さらに燃料フィルタ16内へ流入する。さらに、この燃料は、連結配管62内に自然流入する。そして、第2サブタンク15Bの燃料フィルタには油膜が形成される前に、連結配管62内の気体が他端側(第2サブタンク15B側)から排出される。
特に、燃料保持容器154内の燃料液面と連結配管62の高さとの差によるヘッド圧HPが、連結配管62内に流入する燃料に作用するので、連結配管62内の気体を他端側から効果的に流出させることができる。
連結配管62から気体が排出された後、燃料保持容器154から溢れた燃料が第2サブタンク15Bの燃料フィルタ16に達し、油膜が形成される。連結配管62内に気体が滞留していないので、短時間でのエンジンへの燃料供給が可能になる。
なお、第6実施形態の燃料供給装置152では、上記説明からも分かるように、連結配管62内に流入する燃料に所定のヘッド圧を作用させることで、連結配管62内の気体を効果的に排出できるようにしている。したがって、たとえば、連結配管62が水平に配置されていても、気体の排出が可能である。また、連結配管62の高さが、初期給油時における燃料タンク本体14内の燃料液面高さより高くてもよい。さらに、燃料保持容器154は、第1サブタンク15A及び第2サブタンク15Bよりも上方に位置していれば燃料を一時的に保持すると共に、所定のヘッド圧を燃料に作用させることが可能であり、第1サブタンク15Aの真上の位置や、第2サブタンク15Bの真上の位置に設けられている必要はない。
上記各実施形態において、第1サブタンク15における貯留部材18と燃料吸引配管44Aとの関係は、上記したものに限定されない。たとえば、燃料吸引配管44Aが、蓋板部22の流入孔24と異なる位置で蓋板部22を貫通する構造でもよい。
また、貯留部材18が、燃料フィルタ16の一部を覆わない(上方から見て、燃料フィルタ16の一部が貯留部材18から外側にはみ出している)構成としてもよい。この場合には、第1サブタンク15において、燃料吸引配管44Aを、燃料フィルタ16のはみ出し部分(貯留部材18の外部)に接続すれば、蓋板部22を貫通しない構造とすることが可能である。
本発明の「送出手段」として、上記では、燃料ポンプ本体42を有する燃料ポンプモジュール32を挙げているが、たとえば、燃料タンク本体14の外部から負圧によって燃料を送出する構成では、燃料ポンプ本体42は不要である。