以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
以下に、本発明にかかる電子部品実装装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、電子部品実装装置の概略構成を示す模式図である。
図1に示す電子部品実装装置10は、基板8の上に電子部品を搭載する装置である。電子部品実装装置10は、筐体11と、基板搬送部12と、部品供給ユニット14f、14rと、ヘッド15と、XY移動機構16と、VCSユニット17と、交換ノズル保持機構18と、部品貯留部19と、制御装置20と、操作部40と、表示部42と、基準マーク群48と、を有する。なお、XY移動機構16は、X軸駆動部22と、Y軸駆動部24と、を備える。ここで、本実施形態の電子部品実装装置10は、図1に示すように、基板搬送部12を中心にしてフロント側とリア側に部品供給ユニット14f、14rを備える。電子部品実装装置10は、部品供給ユニット14fが電子部品実装装置10のフロント側に配置され、部品供給ユニット14rが電子部品実装装置10のリア側に配置される。また、以下では、2つの部品供給ユニット14f、14rを特に区別しない場合、部品供給ユニット14とする。
図2は、電子部品実装装置の筐体の概略構成を示す斜視図である。なお、図2は、筐体11をわかりやすく示すために、部品供給ユニット14f、14rの図示を省略している。筐体11は、図2に示すように、本体11aとカバー11bf、11brと、を有する。本体11aは、電子部品実装装置10を構成する各部を収納する箱である。本体11aは、フロント側に、カバー11bfとフロント側の部品供給ユニット14fと操作部40と表示部42とが配置され、リア側に、カバー11brが形成されている。本体11aは、2つの側面にそれぞれ基板8を装置内に搬入し、排出する2つの開口11cが形成されている。本実施形態の操作部40は、キーボード40aとマウス40bとを有する。本実施形態の表示部42は、タッチパネル42aとビジョンモニタ42bとを有する。なお、タッチパネル42aは、操作部40の一部ともなる。
カバー11bfは、本体11aのフロント側の一部に設けられた囲いであり、鉛直方向上側に配置されている。カバー11brは、本体11aのリア側の一部に設けられた囲いであり、鉛直方向上側に配置されている。カバー11bf、11brは、本体11aの正面または背面の一部と上面の一部を覆う形状であり断面がLとなる。カバー11bf、11brは、本体11aに対して開閉することができる。カバー11bf、11brが開状態となることで、本体11aの内部に配置された各部に対する作業を行うことができる。カバー11bf、11brは、上面の先端が本体11aに連結されており、連結部分を支点にして回動する。
電子部品実装装置10の説明を続ける。以下、図1に加え、図3を用いて電子部品実装装置10を説明する。図3は、電子部品実装装置の概略構成を示す模式図である。基板8は、電子部品を搭載する部材であればよく、その構成は特に限定されない。本実施形態の基板8は、板状部材であり、表面に配線パターンが設けられている。基板8に設けられた配線パターンの表面には、リフローによって板状部材の配線パターンと電子部品とを接合する接合部材であるはんだが付着している。また、基板8には、電子部品が挿入されるスルーホール(挿入穴、基板孔)も形成されている。
基板搬送部12は、基板8を図中X軸方向に搬送する搬送機構である。基板搬送部12は、X軸方向に延在するレールと、基板8を支持し、基板8をレールに沿って移動させる搬送機構とを有する。基板搬送部12は、基板8の搭載対象面がヘッド15と対面する向きで、基板8を搬送機構によりレールに沿って移動させることで基板8をX軸方向に搬送する。基板搬送部12は、電子部品実装装置10に供給する機器から供給された基板8を、レール上の所定位置まで搬送する。ヘッド15は、前記所定位置で、電子部品を基板8の表面に搭載する。基板搬送部12は、前記所定位置まで搬送した基板8上に電子部品が搭載されたら、基板8を、次の工程を行う装置に搬送する。なお、基板搬送部12の搬送機構としては、種々の構成を用いることができる。例えば、基板8の搬送方向に沿って配置されたレールと前記レールに沿って回転するエンドレスベルトとを組合せ、前記エンドレスベルトに基板8を搭載した状態で搬送する、搬送機構を一体としたベルト方式の搬送機構を用いることができる。
電子部品実装装置10は、フロント側に部品供給ユニット14fが配置され、リア側に部品供給ユニット14rが配置されている。フロント側の部品供給ユニット14fと、リア側の部品供給ユニット14rは、それぞれ基板8上に搭載する電子部品を多数保持し、ヘッド15に供給可能、つまり、ヘッド15で保持(吸着または把持)可能な状態で保持位置に供給する電子部品供給装置を備える。本実施形態の部品供給ユニット14f、14rは、同様の構成であり、複数の電子部品供給装置を備える。電子部品供給装置は、それぞれヘッド15が電子部品を保持する保持位置に電子部品を供給する。以下、部品供給ユニット14の構成として説明する。
部品供給ユニット14は、図5に示すように、複数の電子部品供給装置(以下、単に「部品供給装置」ともいう。)100と、複数の電子部品供給装置100aと、を有する。図5に示す複数の部品供給装置100、100aは、支持台(バンク)102に保持される。また、支持台102は、部品供給装置100、100aの他の装置(例えば、計測装置やカメラ等)を搭載することができる。
部品供給ユニット14は、複数のラジアルリード型電子部品(ラジアルリード部品)をテープ本体に固定した電子部品保持テープ(ラジアル部品テープ)を装着し、当該電子部品保持テープで保持したラジアルリード型電子部品のリードを保持位置(第2保持位置)で切断し、当該保持位置にあるラジアルリード型電子部品をヘッドに備えた吸着ノズルまたは把持ノズルで保持可能とする電子部品供給装置100を複数装着する。また、部品供給ユニット14は、複数の搭載型電子部品をテープ本体に固定した電子部品保持テープ(チップ部品テープ)を装着し、当該電子部品保持テープで保持した搭載型電子部品の保持位置(第1保持位置)でテープ本体から剥がし、当該保持位置にある搭載型電子部品をヘッドに備えた吸着ノズルまたは把持ノズルで保持可能とする電子部品供給装置100aを備えている。
電子部品供給装置100は、ラジアルフィーダであり、保持領域(吸着位置、把持位置、保持位置)に電子部品を供給する。各部品供給装置100が保持位置に供給した電子部品は、ヘッド15により基板8に実装される。部品供給装置100は、テープに複数のラジアルリード型電子部品のリードを貼り付けて構成される電子部品保持テープを使用してヘッド15にラジアルリード型電子部品を供給する。部品供給装置100は、電子部品保持テープを保持し、保持している電子部品保持テープを送り、保持しているラジアルリード型電子部品をヘッド15のノズルにより電子部品が保持できる保持領域(吸着位置、把持位置、保持位置)まで移動するテープフィーダである。部品供給装置100は、保持領域まで移動させたラジアルリード型電子部品のリードを切断して分離することで、当該テープでリードが固定されたラジアルリード型電子部品を所定位置に保持可能な状態とすることができ、当該ラジアルリード型電子部品をヘッド15のノズルにより保持(吸着、把持)することができる。ラジアルリード型電子部品は、基板に形成された挿入穴にリードが挿入されて基板に実装される。複数の部品供給装置100は、それぞれ異なる品種の電子部品を供給しても、別々の電子部品を供給してもよい。
電子部品供給装置100aは、テープに基板搭載するチップ型の電子部品を貼り付けて構成される電子部品保持テープを使用してヘッド15に電子部品を供給する。なお、電子部品保持テープは、テープに複数の格納室が形成されており、当該格納室に電子部品が格納されている。電子部品供給装置100aは、電子部品保持テープを保持し、保持している電子部品保持テープを送り、格納室をヘッド15のノズルにより電子部品が吸着できる保持領域まで移動させるテープフィーダである。なお、格納室を保持領域に移動させることで、当該格納室に収容されている電子部品を所定位置に露出した状態とすることができ、当該電子部品をヘッド15のノズルにより吸着、把持することができる。電子部品供給装置100aは、テープフィーダに限定されず、チップ型電子部品を供給する種々のチップ部品フィーダとすることができる。チップ部品フィーダとしては、例えば、スティックフィーダ、バルクフィーダを用いることができる。なお、チップ電子部品(搭載型電子部品)とは、基板の形成された挿入穴(スルーホール)に挿入するリードを備えないリードなし電子部品である。搭載型電子部品としては、SOP、QFP等が例示される。チップ型電子部品は、リードを挿入穴に挿入せずに、基板に実装される。
部品供給ユニット14は、支持台102に保持されている複数の部品供給装置100、100aが、搭載する電子部品の種類、電子部品を保持する機構または供給機構が異なる複数種類の部品供給装置100、100aで構成される。また、部品供給ユニット14は、同一種類の部品供給装置100、100aを複数備えていてもよい。また、部品供給ユニット14は、装置本体に対して着脱可能な構成とすることが好ましい。部品供給ユニット14は、電子部品を供給する種々の電子部品供給装置を用いることができる。例えば、部品供給ユニット14は、電子部品供給装置100aとしてスティックフィーダやトレイフィーダを設置してもよい。また、部品供給ユニット14は、部品供給装置としてボウルフィーダを設けてもよい。
ヘッド15は、部品供給ユニット14に保持された電子部品(電子部品供給装置100に保持されたラジアルリード型電子部品(リード型電子部品、挿入型電子部品)や電子部品供給装置100aに保持された搭載型電子部品)、をノズルで保持(吸着または把持)し、保持した電子部品を基板搬送部12によって所定位置に移動された基板8上に実装する機構である。なお、ヘッド15の構成については、後述する。
XY移動機構16は、ヘッド15を図1及び図3中、X軸方向及びY軸方向、つまり、基板8の表面と平行な面上で移動させる移動機構でありX軸駆動部22とY軸駆動部24とを有する。X軸駆動部22は、ヘッド15と連結しており、ヘッド15をX軸方向に移動させる。X軸駆動部22は、ボールねじ22aを有しており、ボールねじ22aを回転させることで、ヘッド15を支持している支持部をX方向に移動させる。また、X軸駆動部22は、ボールねじ22aが回転してもヘッド15が回転しないようにX軸方向に移動可能な状態で支持するリニアガイドも備えている。Y軸駆動部24は、X軸駆動部22を介してヘッド15と連結しており、X軸駆動部22をY軸方向に移動させることで、ヘッド15をY軸方向に移動させる。Y軸駆動部24は、ボールねじ24aを有しており、ボールねじ24aを回転させることで、ヘッド15を支持している支持部をY方向に移動させる。また、Y軸駆動部24は、ボールねじ24aが回転してもX軸駆動部22が回転しないようにY軸方向に移動可能な状態で支持するリニアガイドも備えている。XY移動機構16は、ヘッド15をXY軸方向に移動させることで、ヘッド15を基板8と対面する位置、または、部品供給ユニット14f、14rと対面する位置に移動させることができる。また、XY移動機構16は、ヘッド15を移動させることで、ヘッド15と基板8との相対位置を調整する。これにより、ヘッド15が保持した電子部品を基板8の表面の任意の位置に移動させることができ、電子部品を基板8の表面の任意の位置に搭載することが可能となる。つまり、XY移動機構16は、ヘッド15を水平面(XY平面)上で移動させて、部品供給ユニット14f、14rの電子部品供給装置にある電子部品を基板8の所定位置(搭載位置、実装位置)に移送する移送手段となる。なお、X軸駆動部22としては、ヘッド15を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。Y軸駆動部24としては、X軸駆動部22を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。対象物を所定の方向に移動させる機構(X軸駆動部22、Y軸駆動部24)としては、ボールねじとリニアガイドとを用いた搬送機構以外の機構も用いることができる。X軸駆動部22、Y軸駆動部24の機構としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオン、ベルトを利用した搬送機構等を用いることができる。
VCSユニット17と、交換ノズル保持機構18と、部品貯留部19とは、XY平面において、ヘッド15の可動領域と重なる位置で、かつ、Z方向における位置がヘッド15よりも鉛直方向下側となる位置に配置されている。本実施形態では、VCSユニット17と、交換ノズル保持機構18と、部品貯留部19とは、基板搬送部12と部品供給ユニット14rとの間に、隣接して配置される。
VCSユニット(部品状態検出部、状態検出部)17は、画像認識装置であり、ヘッド15のノズル近傍を撮影するカメラや、撮影領域を照明する照明ユニットを有する。VCSユニット17は、ヘッド15のノズルで吸着された電子部品の形状や、ノズルによる電子部品の保持状態を認識する。より具体的には、VCSユニット17は、対面する位置にヘッド15が移動されると、ヘッド15のノズルを鉛直方向下側から撮影し、撮影した画像を解析することで、ノズルで吸着された電子部品の形状や、ノズルによる電子部品の保持状態を認識する。VCSユニット17は、取得した情報を制御装置20に送る。
交換ノズル保持機構18は、複数種類のノズルを保持する機構である。交換ノズル保持機構18は、複数種類のノズルをヘッド15が着脱交換可能な状態で保持する。ここで、本実施形態の交換ノズル保持機構18は、電子部品を吸引することで保持する吸引ノズルと、電子部品を把持することで保持する把持ノズルと、を保持している。ヘッド15は、交換ノズル保持機構18で装着するノズルを変更し、装着されたノズルに対して空気圧を供給して駆動することで、保持する電子部品を適切な条件(吸引または把持)で保持することができる。
部品貯留部19は、ヘッド15がノズルで保持し、基板8に実装しない電子部品を貯留する箱である。つまり、電子部品実装装置10では、基板8に実装しない電子部品を廃棄する廃棄ボックスとなる。電子部品実装装置10は、ヘッド15が保持している電子部品の中に基板8に実装しない電子部品がある場合、ヘッド15を部品貯留部19と対面する位置に移動させ、保持している電子部品を解放することで、電子部品を部品貯留部19に投入する。
基準マーク群48は、交換ノズル保持機構18と基板搬送部12との間に配置されている。基準マーク群48が、ヘッド15の位置を判定する際に使用する各種基準マーク、つまり、電子部品実装装置10内の位置において基準8となる位置を示すマークが形成されている。図4は、電子部品実装装置の基準マークの概略構成を示す模式図である。基準マーク群48は、電子部品実装装置10が電子部品を基板に実装する動作の際に位置を補正するために、各種目的で使用する基準マークが複数形成されている。基準マーク群48は、電子部品を実装する動作の際の確認に用いる基準マーク以外にも必要な種々の基準マークを形成することができる。基準マーク群48は、電子部品実装装置10の筐体11の所定位置に固定されている。基準マーク群48は、後述するヘッド15のメンテナンス時に使用する基準マーク49が形成されている。
制御装置20は、電子部品実装装置10の各部を制御する。制御装置20は、各種制御部の集合体である。操作部40は、作業者が操作を入力する入力デバイスであり、キーボード40a、マウス40bと、タッチパネル42aと、を有する。操作部40は検出した各種入力を制御装置20に送る。表示部42は、作業者に各種情報を表示する画面であり、タッチパネル42aとビジョンモニタ42bとを有する。表示部42は、制御装置20から入力される画像信号に基づいて各種画像をタッチパネル42aとビジョンモニタ42bとに表示させる。
なお、本実施形態の電子部品実装装置10は、ヘッドを1つとしたが部品供給ユニット14f、14rのそれぞれに対応して2つのヘッドを設けてもよい。この場合、X軸駆動部を2つ設け、2つのヘッドをそれぞれXY方向に移動させることで、2つのヘッドを独立して移動させることができる。電子部品実装装置10は、2つのヘッドを備えることで、1つの基板8に対して、交互に電子部品を搭載することができる。このように、2つのヘッドで交互に電子部品を搭載することで、一方のヘッドが電子部品を基板8に搭載している間に、他方のヘッドは、部品供給装置にある電子部品を保持することができる。これにより、基板8に電子部品が搭載されない時間をより短くすることができ、効率よく電子部品を搭載することができる。さらに、電子部品実装装置10は、基板搬送部12を平行に2つ配置することも好ましい。電子部品実装装置10は、2つの基板搬送部12で2つの基板を交互に電子部品搭載位置に移動させ、前記2つのヘッド15で交互に部品搭載すれば、さらに効率よく基板に電子部品を搭載することができる。
次に、図6から図8を用いて、ヘッド15の構成について説明する。図6は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す模式図である。図7は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す模式図である。図8は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す模式図である。なお、図6には、電子部品実装装置10を制御する各種制御部と部品供給ユニット14の1つの部品供給装置100もあわせて示す。ヘッド15は、図6及び図7に示すように、ヘッド本体30と撮影装置(基板状態検出部)36と高さセンサ(基板状態検出部)37とレーザ認識装置(部品状態検出部、状態検出部)38と特殊用途ヘッド70とを有する。
電子部品実装装置10は、図6に示すように、制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、を有する。制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64とは、上述した制御装置20の一部である。また、電子部品実装装置10は、電源と接続されており電源から供給される電力を制御部60、ヘッド制御部62、部品供給制御部64及び各種回路を用いて、各部に供給する。制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64とについては後述する。
電子部品供給装置100は、電子部品保持テープに電子部品80の本体が上方に露出している。電子部品供給装置100は、電子部品保持テープを引き出し、移動させることで、電子部品保持テープに保持された電子部品80を保持領域(吸着領域、把持領域)に移動させる。本実施形態では、部品実装装置100のY軸方向の先端近傍が、電子部品保持テープに保持された電子部品80をヘッド15のノズルが保持する保持領域となる。また、電子部品供給装置100aの場合も同様に、所定の位置が、ヘッド15のノズルが電子部品保持テープに保持された電子部品80を保持する保持領域となる。
ヘッド本体30は、各部を支持するヘッド支持体31と、複数のノズル32と、ノズル駆動部34と、を有する。本実施形態のヘッド本体30には、図7及び図8に示すように、6本のノズル32が一列に配置されている。6本のノズル32は、X軸に平行な方向に並んでいる。なお、図7及び図8に示すノズル32は、いずれも電子部品を吸着して保持する吸着ノズルが配置されている。
ヘッド支持体31は、X軸駆動部22と連結している支持部材であり、ノズル32及びノズル駆動部34を支持する。なお、ヘッド支持体31は、撮影装置(基板状態検出部)36と高さセンサ(基板状態検出部)37とレーザ認識装置38と特殊用途ヘッド70も支持している。
ノズル32は、電子部品80を吸着し、保持する吸着機構である。ノズル32は、先端に開口33を有し、この開口33から空気を吸引することで、先端に電子部品80を吸着し、保持する。なお、ノズル32は、開口33が形成され電子部品80を吸着する先端部に連結されたシャフト32aを有する。シャフト32aは、先端部を支持する棒状の部材であり、Z軸方向に延在して配置されている。シャフト32aは、内部に開口33とノズル駆動部34の吸引機構とを接続する空気管(配管)が配置されている。
ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動させ、ノズル32の開口33で電子部品80を吸着させる。ここで、Z軸は、XY平面に対して直交する軸である。なお、Z軸は、基板8の表面に対して直交する方向となる。また、ノズル駆動部34は、電子部品の実装時等にノズル32をθ方向に回転させる。θ方向とは、すなわち、ノズル駆動部がノズル32を移動させる方向と平行な軸であるZ軸を中心とした円の円周方向と平行な方向である。なお、θ方向は、ノズル32の回動方向となる。
ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動させる機構として、例えば、Z軸方向が駆動方向となる直動リニアモータを有する機構がある。ノズル駆動部34は、直動リニアモータでノズル32のシャフト32aをZ軸方向に移動させることで、ノズル32の先端部の開口33をZ軸方向に移動させる。また、ノズル駆動部34は、ノズル32をθ方向に回転させる機構として、例えばモータとシャフト32aに連結された伝達要素とで構成された機構がある。ノズル駆動部34は、モータから出力された駆動力を伝達要素でシャフト32aに伝達し、シャフト32aをθ方向に回転させることで、ノズル32の先端部もθ方向に回転させる。
ノズル駆動部34は、ノズル32の開口33で電子部品80を吸着させる機構、つまり吸引機構としては、例えば、ノズル32の開口33と連結された空気管と、当該空気管と接続されたポンプと、空気管の管路の開閉を切り換える電磁弁と、を有する機構がある。ノズル駆動部34は、ポンプで空気管の空気を吸引し、電磁弁の開閉を切り換えることで開口33から空気を吸引するか否かを切り換える。ノズル駆動部34は、電磁弁を開き開口33から空気を吸引することで開口33に電子部品80を吸着(保持)させ、電磁弁を閉じ開口33から空気を吸引しないことで開口33に吸着していた電子部品80を開放する、つまり開口33で電子部品80を吸着しない状態(保持しない状態)とする。
また、本実施形態のヘッド15は、電子部品80の本体を保持するときに本体上面がノズル(吸着ノズル)32で吸着できない形状である場合には、後述する把持ノズルを用いる。把持ノズルは、吸着ノズルと同様に空気を吸引開放することで固定片に対して可動片が開閉することで電子部品80の本体を上方から把持開放することができる。また、ヘッド15は、ノズル駆動部34でノズル32を移動させ、交換動作を実行することで、ノズル駆動部34が駆動させるノズル32を換えることができる。
撮影装置36は、ヘッド本体30のヘッド支持体31に固定されており、ヘッド15と対面する領域、例えば、基板8や電子部品80が搭載された基板8等を撮影する。撮影装置36は、カメラと、照明装置と、を有し、照明装置で視野を照明しつつ、カメラで画像を取得する。これにより、ヘッド本体30に対面する位置の画像、例えば、基板8や、部品供給ユニット14の各種画像を撮影することができる。例えば、撮影装置36は、基板8の表面に形成された基準マークとしてのBOCマーク(以下単にBOCともいう)やスルーホール(挿入穴)の画像を撮影する。ここで、BOCマーク以外の基準マークを用いる場合、当該基準マークの画像を撮影する。
高さセンサ37は、ヘッド本体30のヘッド支持体31に固定されており、ヘッド15と対面する領域、例えば、基板8や電子部品80が搭載された基板8との距離を計測する。高さセンサ37としては、レーザ光を照射する発光素子と、対面する位置で反射して戻ってくるレーザ光を受光する受光素子とを有し、レーザ光を発光してから受光するまでの時間で対面する部分との距離を計測するレーザセンサを用いることができる。また、高さセンサ37は、測定時の自身の位置及び基板8の位置を用いて、対面する部分との距離を処理することで、対面する部分、具体的には電子部品80の高さを検出する。なお、電子部品との距離の測定結果に基づいて電子部品80の高さを検出する処理は制御部60で行ってもよい。
レーザ認識装置38は、光源38aと、受光素子38bと、を有する。レーザ認識装置38は、ブラケット50に内蔵されている。ブラケット50は、図6に示すように、ヘッド支持体31の下側、基板8及び部品供給装置100側に連結されている。レーザ認識装置38は、ヘッド本体30のノズル32で吸着した電子部品80に対して、レーザ光を照射することで、電子部品80の状態を検出する装置である。ここで、電子部品80の状態とは、電子部品80の形状、ノズル32で電子部品80を正しい姿勢で吸着しているか等である。光源38aは、レーザ光を出力する発光素子である。受光素子38bは、Z軸方向における位置、つまり高さが同じ位置であり、光源38aに対向する位置に配置されている。レーザ認識装置38による形状の認識処理については後述する。
特殊用途ヘッド70は、ヘッド本体30に連結している。特殊用途ヘッド70は、ノズルの本数が1本である以外は、ヘッド本体30と同様の構成である。特殊用途ヘッド70は、各部を支持するヘッド支持体71と、1本のノズル72と、ノズル駆動部74と、を有する。本実施形態の特殊用途ヘッド70には、図7に示すように、ヘッド本体30の6本のノズル32が配置されている列の延長線上にノズル72が配置されている。6本のノズル32は、X軸に平行な方向に並んでいる。ノズル72は、電子部品80を吸着して保持する吸着ノズルが配置されている。
ヘッド支持体71は、ヘッド支持体31と連結している支持部材であり、ノズル72及びノズル駆動部74を支持する。なお、ヘッド支持体71は、ノズル72をヘッド支持体31とは一定距離離れた位置で支持する。
ノズル72は、電子部品80を吸着し、保持する吸着機構である。ノズル72は、先端に開口を有し、この開口から空気を吸引することで、先端に電子部品80を吸着し、保持する。なお、ノズル72は、開口が形成され電子部品80を吸着する先端部に連結されたシャフト72aを有する。シャフト72aは、先端部を支持する棒状の部材であり、Z軸方向に延在して配置されている。シャフト72aは、内部に開口とノズル駆動部74の吸引機構とを接続する空気管(配管)が配置されている。
ノズル駆動部74、ノズル72をZ軸方向に移動させ、ノズル72の開口で電子部品80を吸着させる。また、ノズル駆動部74は、電子部品80の実装時等にノズル72をθ方向に回転させる。ノズル駆動部74は、ノズル72をZ軸方向に移動させる機構として、例えば、Z軸方向が駆動方向となる直動リニアモータを有する機構がある。ノズル駆動部74は、直動リニアモータでノズル72のシャフト72aをZ軸方向に移動させることで、ノズル72の先端部の開口をZ軸方向に移動させる。また、ノズル駆動部74は、ノズル72をθ方向に回転させる機構として、例えばモータとシャフト72aに連結された伝達要素とで構成された機構がある。ノズル駆動部74は、モータから出力された駆動力を伝達要素でシャフト72aに伝達し、シャフト72aをθ方向に回転させることで、ノズル72の先端部もθ方向に回転させる。
ノズル駆動部74は、ノズル72の開口で電子部品80を吸着させる機構、つまり吸引機構としては、例えば、ノズル72の開口と連結された空気管と、当該空気管と接続されたポンプと、空気管の管路の開閉を切り換える電磁弁と、を有する機構がある。ノズル駆動部74は、ポンプで空気管の空気を吸引し、電磁弁の開閉を切り換えることで開口から空気を吸引するか否かを切り換える。ノズル駆動部74は、電磁弁を開き開口から空気を吸引することで開口に電子部品80を吸着(保持)させ、電磁弁を閉じ開口から空気を吸引しないことで開口に吸着していた電子部品80を開放する、つまり開口で電子部品80を吸着しない状態(保持しない状態)とする。
ヘッド15は、ヘッド本体30から離れた位置にノズル72が配置された特殊用途ヘッド70を備えることで、ヘッド15が部品供給ユニット14と基板8との間の一度の往復で実装する電子部品の選択肢をより広くすることができる。例えば、離れた位置のノズル72で大きな電子部品(ノズル32の配置間隔よりも大きい電子部品)を保持しつつ、隣接した6本のノズル32で小さい電子部品を保持することができる。つまり、ノズル32で吸着すると他のノズル32で電子部品を保持できなくなる大きい電子部品がある場合でも、ノズル72を用いることで、他のノズル32の保持に影響を与えることなく作業を行うことができる。
ヘッド15は、以上のような構成である。なお、上記実施形態のヘッド15は、ノズル32、72に吸着ノズルを装着している場合として説明したが、ノズル32、72に電子部品を把持して保持する把持ノズルを用いることができる。ヘッド15は、ノズル32、72に把持ノズルを用いる場合も、ノズル32、72に供給する空気圧を調整することで、把持ノズルの駆動部を稼動させて、電子部品を把持している状態と開放している状態を切り換える。また、ヘッド15は、撮影装置(基板状態検出部)36と高さセンサ(基板状態検出部)37とレーザ認識装置38と特殊用途ヘッド70を備えていることが好ましいが、必ずしも備えていなくてもよい。
次に、電子部品実装装置10の装置構成の制御機能について説明する。電子部品実装装置10は、図6に示すように、制御装置20として、制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、を有する。各種制御部は、それぞれ、CPU、ROMやRAM等の演算処理機能と記憶機能とを備える部材で構成される。また、本実施形態では、説明の都合で複数の制御部としたが、1つの制御部としてもよい。また、電子部品実装装置10の制御機能を1つの制御部とした場合、1つの演算装置で実現しても複数の演算装置で実現してもよい。
制御部60は、電子部品実装装置10の各部と接続されており、入力された操作信号や、電子部品実装装置10の各部で検出された情報に基づいて、記憶されているプログラムを実行し、各部の動作を制御する。制御部60は、例えば、基板8の搬送動作、XY移動機構16によるヘッド15の駆動動作、レーザ認識装置38による形状の検出動作等を制御する。また、制御部60は、上述したようにヘッド制御部62に各種指示を送り、ヘッド制御部62による制御動作も制御する。制御部60は、ヘッド制御部62や部品供給制御部64による制御動作も制御する。
ヘッド制御部62は、ノズル駆動部34、74、ヘッド支持体31に配置された各種センサ及び制御部60に接続されており、ノズル駆動部34、74を制御し、ノズル32、72の動作を制御する。ヘッド制御部62は、制御部60から供給される操作指示及び各種センサ(例えば、距離センサ)の検出結果に基づいて、ノズル32、72の電子部品80の吸着(保持)/開放動作、各ノズル32、72の回動動作、Z軸方向の移動動作を制御する。
部品供給制御部64は、部品供給ユニット14f、14rによる電子部品80の供給動作を制御する。部品供給制御部64は、部品供給装置100、100a毎に設けても、1つですべての部品供給装置100、100aを制御してもよい。例えば、部品供給制御部64は、電子部品供給装置100によるトレイの交換動作、移動動作を制御する。また、部品供給制御部64は、部品供給装置100による電子部品保持テープの引き出し動作(移動動作)、リードの切断動作及びラジアルリード型電子部品の保持動作を制御する。また、部品供給制御部64は、部品供給装置100aによる電子部品保持テープの引き出し動作(移動動作)等を制御する。部品供給制御部64は、制御部60による指示に基づいて各種動作を実行する。部品供給制御部64は、電子部品保持テープまたは電子部品保持テープの引き出し動作を制御することで、電子部品保持テープまたは電子部品保持テープの移動を制御する。
次に、電子部品実装装置の各部の動作について説明する。なお、下記で説明する電子部品の各部の動作は、いずれも制御装置20に基づいて各部の動作を制御することで実行することができる。
図9は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図9を用いて、電子部品実装装置10の全体の処理動作の概略を説明する。なお、図9に示す処理は制御装置20が各部を制御することで実行される。電子部品実装装置10は、ステップS52として、生産プログラムを読み込む。生産プログラムは、専用の生産プログラム作成装置で作成されたり、入力された各種データに基づいて制御装置20によって作成されたりする。
電子部品実装装置10は、ステップS52で生産プログラムを読み込んだら、ステップS54として、装置の状態を検出する。具体的には、部品供給ユニット14f、14rの構成、充填されている電子部品80の種類、準備されているノズル32、72の種類等を検出する。電子部品実装装置10は、ステップS54で装置の状態を検出し、準備が完了したら、ステップS56として、基板8を搬入する。電子部品実装装置10は、ステップS56で基板を搬入し、電子部品を実装する位置に基板を配置したら、ステップS58として電子部品を基板に実装する。電子部品実装装置10は、ステップS58で電子部品の実装が完了したら、ステップS60として基板を搬出する。電子部品実装装置10は、ステップS60で基板を搬出したら、ステップS62として生産終了かを判定する。電子部品実装装置10は、ステップS62で生産終了ではない(No)と判定した場合、ステップS56に進み、ステップS56からステップS60の処理を実行する。つまり、生産プログラムに基づいて、基板に電子部品を実装する処理を実行する。電子部品実装装置10は、ステップS62で生産終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
電子部品実装装置10は、以上のようにして、生産プログラムを読み込み、各種設定を行った後、基板に電子部品を実装することで、電子部品が実装された基板を製造することができる。また、電子部品実装装置10は、電子部品として、本体と当該本体に接続されたリードとを有するリード型電子部品を基板に実装、具体的には、リードを基板に形成された穴(挿入穴)に挿入することで当該電子部品を基板に実装することができる。
図10は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図10に示す処理動作は、基板を搬入してから、基板への電子部品の搭載が完了するまでの動作である。また、図10に示す処理動作は、制御部60が各部の動作を制御することで実行される。
制御部60は、ステップS102として、基板8を搬入する。具体的には、制御部60は、電子部品を搭載する対象の基板を基板搬送部12で所定位置まで搬送する。制御部60は、ステップS102で基板を搬入したら、ステップS104として保持移動を行う。ここで、保持移動(吸着移動)とは、ノズル32が部品供給ユニット14の保持領域にある電子部品80と対面する位置までヘッド本体30を移動させる処理動作である。
制御部60は、ステップS104で保持移動を行ったら、ステップS106として、ノズル32を下降させる。つまり、制御部60は、電子部品80を保持(吸着、把持)できる位置までノズル32を下方向に移動させる。制御部60は、ステップS106でノズル32を下降させたら、ステップS108として、ノズル32で部品を保持し、ステップS110として、ノズル32を上昇させる。制御部60は、ステップS110でノズルを所定位置まで上昇させたら、具体的には電子部品80をレーザ認識装置38の計測位置まで移動させたら、ステップS112として、ノズル32で吸着している電子部品80の形状を検出する。制御部60は、ステップS112で電子部品の形状を検出したら、ステップS114としてノズル32を上昇させる。なお、制御部60は、上述したようにステップS112で電子部品の形状を検出し、保持した電子部品が搭載不可であると判定した場合、電子部品を廃棄し、再び電子部品を吸着する。制御部60は、ノズルを所定位置まで上昇させたら、ステップS116として、搭載移動、つまりノズル32で吸着している電子部品を基板8の搭載位置(実装位置)に対向する位置まで移動させる処理動作を行い、ステップS118として、ノズル32を下降させ、ステップS120として部品搭載(部品実装)、つまりノズル32から電子部品80を開放する処理動作を行い、ステップS122として、ノズル32を上昇させる。つまり、制御部60は、ステップS112からステップS120の処理動作は、上述した実装処理を実行する。
制御部60は、ステップS122でノズル32を上昇させた場合、ステップS124として全部品の搭載が完了したか、つまり基板8に搭載する予定の電子部品の実装処理が完了したかを判定する。制御部60は、ステップS124で全部品の搭載が完了していない(No)、つまり搭載する予定の電子部品が残っていると判定した場合、ステップS104に進み、次の電子部品を基板8に搭載する処理動作を実行する。このように制御部60は、基板8に全部品の搭載が完了するまで、上記処理動作を繰り返す。制御部60は、ステップS124で全部品の搭載が完了した(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
電子部品実装装置10は、図10に示す処理動作を実行することで、基板に電子部品を搭載することができ、電子部品が実装された基板を生産することができる。
次に、図11から図20を用いて電子部品供給装置100のヘッド15を移動させるXY移動機構16のメンテナンス動作、つまり保守動作について説明する。図11は、操作画面の一例を示す説明図である。図12は、電子部品供給装置の動作の一例を示すフローチャートである。図13は、操作画面の一例を示す説明図である。図14は、操作画面の一例を示す説明図である。図15は、電子部品供給装置の動作の一例を示すフローチャートである。図16は、操作画面の一例を示す説明図である。図17は、操作画面の一例を示す説明図である。図18は、操作画面の一例を示す説明図である。図19は、電子部品供給装置の動作の一例を示すフローチャートである。図20は、画面の一例を示す説明図である。
まず、図11から図13を用いて、メンテナンス動作の一例について説明する。電子部品実装装置10は、XY移動機構16のメンテナンス動作の処理条件を設定するメニューを選択する操作を検出した場合、表示部42に操作画面110を表示させる。なお、表示部42は、タッチパネル42aとビジョンモニタ42bのいずれに操作画面110を表示させてもよい。操作画面110は、ヘッド15の移動情報(稼動情報)が軸稼動情報として表示されている。操作画面110には、XY移動機構16がヘッド15を移動させた移動距離がX軸総移動距離とY軸総移動距離で表示されている。ここで、X軸総移動距離は、X軸駆動部22がヘッド15を移動させた距離の積算値である。Y軸総移動距離は、Y軸駆動部24がX軸駆動部22を移動させた距離の積算値である。なお、移動距離は、制御装置20がXY移動機構16を移動させる制御信号に基づいて算出することが好ましいが、各軸方向への移動量を検出するセンサで計測してもよい。操作画面110には、ノズル本体30のノズル32と特殊用途ヘッド70のノズル72のそれぞれのZ軸総移動距離と、θ軸総移動距離も表示されている。ここで、操作画面110において「L1−Head」から「L6−Head」がノズル32に対応し、「R−Head」がノズル72に対応する。なお、Z軸総移動距離は、ノズル駆動部34、74がノズル32、72をZ軸方向に移動させた距離の積算値である。θ軸総移動距離(回転)は、ノズル駆動部34、74がノズル32、74をθ軸方向に回転させた距離の積算値である。Z軸総移動距離とθ軸総移動距離も同様に制御装置20、具体的にはヘッド制御部62の制御信号に基づいて算出することができる。
操作画面110には、グリス補給後移動距離の表示領域に項目112、114とボタン118とが表示されている。項目112、114は、直近でグリスを補給した後、メンテナンスを通知する基準とする移動距離を入力する項目である。項目112は、X軸移動距離を入力する項目であり、項目114は、Y軸移動距離を入力する項目である。本実施形態の項目112、114は、共に距離1000kmが入力されている。この場合、電子部品実装装置10及び制御装置20は、X軸移動距離、Y軸移動距離に対するメンテナンスの通知の基準を1000kmとする。ボタン118は、グリス補給をしたことを通知するボタンである。電子部品実装装置10及び制御装置20は、ボタン118が押されると、グリス補給後移動距離を0にリセットする。オペレータは、操作画面110を表示させ、項目112、114に数値を入力することで、閾値を設定することができる。
次に、図12を用いて、電子部品実装装置10のメンテナンス動作について説明する。電子部品実装装置10は、電子部品80を基板8に実装する生産動作の実行と平行して、制御装置20で図12に示す処理を行う。制御装置20は、ステップS212として装置の駆動開始を検出したら、ステップS214として、移動距離を検出する。ここで、装置の駆動開始とは、ヘッド15を移動させる動作の開始である。なおヘッド15を移動させる動作としては、XY移動機構16による移動、ノズル駆動部34によるノズル32の移動、ノズル駆動部74によるノズル72の移動等が含まれる。
制御装置20は、ステップS214で移動距離を検出したら、ステップS216として移動距離を積算する。ここで、制御装置20は、ヘッド15の移動を種々のパラメータで検出し、移動距離を積算することで、ヘッド15のX軸総移動距離、ヘッド15のY軸総移動距離、各ノズルのZ軸総移動距離及び各ノズルのθ軸総移動距離を算出する。また、制御装置20は、総移動距離に加え、グリス補給後移動距離、つまり直近でグリスを供給してからのヘッド及び各ノズルの移動距離を算出する。なお、総移動時間は算出しなくてもよい。
制御装置20は、ステップS216で移動距離を積算したら、ステップS218として、閾値<移動距離であるかを判定する。ここで、移動距離としては、グリス補給後移動距離を用いる。制御装置20は、グリス補給後移動距離のうちX軸移動距離とY軸移動距離のそれぞれを閾値と比較し、いずれか一方が閾値<移動距離である場合、閾値<移動距離であると判定する。なお、本実施意形態の閾値とは、上述した操作画面110で項目112、114に入力された値である。
制御装置20は、ステップS218で閾値<移動距離である(Yes)と判定した場合、ステップS220として警告画面を表示し、本処理を終了する。制御装置20は、警告画面として、図13に示す画面120を表示させる。画面120は、ボタン124を含むウインドウ122を表示している。ウインドウ122は、「規定の移動距離に達しましたので、ボールねじへのグリス補給を実施してください」というメッセージを表示させている。また、ボタン124は「OK」が表示されたボタンであり、ウインドウ122を確認したことを示す操作の入力対象のボタンである。制御装置20は、画面120を表示させることで、XY移動機構16のボールネジ22a、24aにグリスの補給が必要であることをオペレータに通知することができる。
制御装置20は、ステップS218で閾値<移動時間ではない(No)、つまり移動時間が閾値以下であると判定した場合、ステップS222として、装置を停止するかを判定する。制御装置20は、電子部品実装装置10の生産動作等、ヘッド15の移動を伴う動作を停止する場合、装置を停止すると判定する。制御装置20は、ステップS222で装置を停止しない(No)と判定した場合、ステップS214に進み、上記処理を再び行う。制御装置20は、ステップS222で装置を停止する(Yes)と判定した場合、ステップS224として装置を停止し、本処理を終了する。なお、装置の停止は、他の処理として実行してもよい。
電子部品実装装置10は、図11から図13に示すように、移動距離が設定した閾値を超えた場合、表示部42に警告画面を表示させることで、オペレータにメンテナンスが必要なタイミングを適切に通知することができる。また、ヘッドの移動動作、本実施形態では、移動距離に基づいて、メンテナンスのタイミングを判定することで、電子部品実装装置10の使用頻度によらず適切なタイミングでメンテナンスを実行することができる。具合的には、一定の期間ごと、例えば3ヶ月毎のメンテナンスでは、使用頻度が高く消耗している電子部品実装装置と使用頻度が低く消耗していない電子部品実装装置とのメンテナンスが同じタイミングとなるが、本実施形態の電子部品実装装置10は、ヘッド15の動作の実績に基づいて判定するため、必要なメンテナンスを必要なタイミングで実行しやすくなる。これにより、故障の発生を抑制しつつ、不要なメンテナンスや部品の交換が生じることを抑制することができる。電子部品実装装置10は、使用に即したメンテナンスを行うことで、生産時にヘッドの動作にずれが生じることを防止できる。また、電子部品実装装置10は、故障の発生を抑制しつつ、不要なメンテナンスや部品の交換が生じることを抑制することができることで、必要以上に装置が停止することを抑制できる。これにより基板8の生産効率を高くすることができる。また、電子部品実装装置10は、メンテナンスを適切に実行することで、電子部品実装装置10自体や消耗部品の寿命を長くすることができる。
電子部品実装装置10は、X軸移動距離とY軸移動距離を別々に判定したがこれに限定されず、XY移動機構16がヘッド15を移動させた総移動距離を判定の対象としてもよい。また、電子部品実装装置10は、各ノズル34、72のZ軸方向、θ軸方向の移動距離についても同様の操作を実行し、ノズル駆動部34、74のメンテナンスを行うようにしてもよい。
電子部品実装装置10は、図11から図13に示す例では、移動距離を判定の対象としたが、これに限定されない。電子部品実装装置10は、装置稼働時間を判定の対象としてもよい。
図14から図16を用いて、メンテナンス動作の他の例について説明する。図14から図16に示す例は、装置稼働時間を判定の対象としている。電子部品実装装置10は、XY移動機構16のメンテナンス動作の処理条件を設定するメニューを選択する操作を検出した場合、表示部42に操作画面130を表示させる。なお、表示部42は、タッチパネル42aとビジョンモニタ42bのいずれに操作画面130を表示させてもよい。操作画面130は、ヘッド15の移動情報(稼動情報)が軸稼動情報として表示されている。軸稼動情報のうち、グリス補給後稼働時間の欄以外は、操作画面110と同様である。操作画面130には、グリス補給後稼動時間の表示領域に項目132とボタン118とが表示されている。項目132は、直近でグリスを補給した後、メンテナンスを通知する基準とする装置稼動時間を入力する項目である。本実施形態の項目132は、1000時間が入力されている。この場合、電子部品実装装置10及び制御装置20は、装置稼動時間に対するメンテナンスの通知の基準を1000時間とする。装置稼動時間とは、電子部品実装装置10が稼動している時間である。なお、電子部品実装装置10及び制御装置20は、ヘッド15が動いている時間を装置稼働時間としてもよい。ボタン118は、グリス補給をしたことを通知するボタンである。電子部品実装装置10及び制御装置20は、ボタン118が押されると、グリス補給後稼動時間を0にリセットする。オペレータは、操作画面130を表示させ、項目132に数値を入力することで、閾値を設定することができる。なお、項目132に入力する時間はオペレータが任意の時間とすることができ、例えば600時間としてもよい。
次に、図15を用いて、電子部品実装装置10のメンテナンス動作について説明する。電子部品実装装置10は、電子部品80を基板8に実装する生産動作の実行と平行して、制御装置20で図15に示す処理を行う。制御装置20は、ステップS232として装置の駆動開始を検出したら、ステップS234として、稼働時間を検出する。
制御装置20は、ステップS234で稼働時間を検出したら、ステップS236として稼働時間を積算する、制御装置20は、総稼働時間と、グリス補給後稼働時間、つまり直近でグリスを供給してからの装置の稼働時間を算出する。なお総稼働時間は算出しなくてもよい。
制御装置20は、ステップS236で稼働時間を積算したら、ステップS238として、閾値<稼働時間であるかを判定する。ここで、稼働時間としては、グリス補給後稼動時間を用いる。なお、本実施形態の閾値とは、上述した操作画面130で項目132に入力された値である。
制御装置20は、ステップS238で閾値<稼働時間である(Yes)と判定した場合、ステップS240として警告画面を表示し、本処理を終了する。制御装置20は、警告画面として、図16に示す画面140を表示させる。画面140は、ボタン144を含むウインドウ142を表示している。ウインドウ142は、「規定の稼働時間に達しましたので、ボールねじへのグリス補給を実施してください」というメッセージを表示させている。また、ボタン144は「OK」が表示されたボタンであり、ウインドウ142を確認したことを示す操作の入力対象のボタンである。制御装置20は、画面140を表示させることで、XY移動機構16のボールねじ22a、24aにグリスの補給が必要であることをオペレータに通知することができる。
制御装置20は、ステップS238で閾値<稼働時間ではない(No)、つまり稼働時間が閾値以下であると判定した場合、ステップS242として、装置を停止するかを判定する。制御装置20は、電子部品実装装置10の生産動作等、ヘッド15の移動を伴う動作を停止する場合、装置を停止すると判定する。制御装置20は、ステップS242で装置を停止しない(No)と判定した場合、ステップS234に進み、上記処理を再び行う。制御装置20は、ステップS242で装置を停止する(Yes)と判定した場合、ステップS244として装置を停止し、本処理を終了する。なお、装置の停止は、他の処理として実行してもよい。
電子部品実装装置10は、図14から図16に示すように、稼働時間が設定した閾値を超えた場合、表示部42に警告画面を表示させることで、オペレータにメンテナンスが必要なタイミングを適切に通知することができる。このように、移動距離に代えて稼働時間を用いても同様の効果を得ることができる。つまり、電子部品実装装置10は、使用頻度によらず適切なタイミングでメンテナンスを実行することができる。電子部品実装装置10は、使用に即したメンテナンスを行うことで、生産時にヘッド15の動作にずれが生じることを防止できる。また、電子部品実装装置10は、故障の発生を抑制しつつ、不要なメンテナンスや部品の交換が生じることを抑制することができることで、必要以上に装置が停止することを抑制できる。これにより基板8の生産効率を高くすることができる。また、電子部品実装装置10は、メンテナンスを適切に実行することで、電子部品実装装置10自体や消耗部品の寿命を長くすることができる。
ここで、電子部品実装装置10は、図11から図16に示す例で警告画面として、ボール軸へのグリスの補給を表示させたが、これに限定されない。電子部品実装装置10は、警告画面として、種々の画面を表示することができる。電子部品実装装置10は、例えば、警告画面として、グリスの補給以外のメンテナンス動作を推奨するメッセージを表示させてもよい。また、電子部品実装装置10は、警告画面として、ボールネジ、リニアガイド等の部品の交換を推奨するメッセージを表示させてもよい。電子部品実装装置10は、総移動距離や総稼働時間に応じて、警告画面に表示させるメッセージや操作を変更するようにしてもよい。また、電子部品実装装置10は、グリス補給後移動距離やグリス補給後稼働時間と同様に、対象とするメンテナンス項目毎に移動距離や稼働時間の閾値を設定できるようにしてもよい。この場合、対応するメンテナンスを実行したことを検出(操作の入力、センサでの検出)する毎に移動距離、稼働時間のカウンタを0にすればよい。
また、電子部品実装装置10は、閾値の移動距離、稼働時間が経過したことを検出した場合、搭載精度自己診断モードを実行することを推奨する警告画面を表示させてもよい。例えば、制御装置20は、警告画面として、図17に示す画面170を表示させてもよい。画面170は、ボタン174を含むウインドウ172を表示している。ウインドウ172は、「規定の移動距離に達しましたので、搭載精度自己診断モードを実施してください」というメッセージを表示させている。また、ボタン174は「OK」が表示されたボタンであり、ウインドウ172を確認したことを示す操作の入力対象のボタンである。制御装置20は、画面170を表示させることで、搭載精度自己診断モードでの精度の確認が必要であることをオペレータに通知することができる。
制御装置20は、警告画面として、図18に示す画面180を表示させてもよい。画面180は、ボタン184を含むウインドウ182を表示している。ウインドウ182は、「規定の稼動時間に達しましたので、搭載精度自己診断モードを実施してください」というメッセージを表示させている。また、ボタン184は「OK」が表示されたボタンであり、ウインドウ182を確認したことを示す操作の入力対象のボタンである。制御装置20は、画面180を表示させることで、搭載精度自己診断モードでの精度の確認が必要であることをオペレータに通知することができる。
ここで、搭載精度自己診断モードとは、ヘッド15を移動させる機構であるXY移動機構16の移動精度を診断するモードである。電子部品実装装置10は、XY移動機構16の移動精度を診断することで、XY移動機構16の部品の交換が必要か、より詳細なメンテナンスが必要か等の診断を行う。なお、電子部品実装装置10は、ボタン174、184を押す操作が入力された場合、搭載精度自己診断モードを開始するようにしてもよい。
以下、図19及び図20を用いて、電子部品実装装置10が、搭載精度自己診断モードで実行する動作を説明する。なお、電子部品実装装置10は、搭載精度自己診断モードにおいて、X軸方向の移動精度と、Y軸方向の移動精度と、を別々に計測する。これにより、X軸駆動部22の状態とY軸駆動部24の状態とを別々に計測することができる。図19及び図20は、X軸方向の移動精度を計測する場合の例である。なお、Y軸方向の移動精度を計測する場合は、X軸方向の移動精度を計測する場合のX軸とY軸を入れ替えることで計測することができる。図19に示す動作は、制御装置20が各部の動作を制御することで実現することができる。
制御装置20は、ステップS262として、ヘッド15を所定位置に移動させる。ここで、所定位置とは、予め設定されている位置である。なお、制御装置20は、ヘッド15を確実に所定位置に移動できるように、所定位置を、ヘッド15の稼動領域の端としてもよい。また、撮影装置36や高さセンサ37で対向する位置の状態を確認して、位置を補正するようにしてもよい。なお、所定位置は、基準マーク49の位置とY軸方向が同じ位置である。つまり制御装置20は、ヘッド15をX軸方向に移動させることでヘッド15が基準マークと重なる位置を所定位置とする。
制御装置20は、ステップS262でヘッド15を所定位置に移動させたら、ステップS264としてヘッドを所定位置から基準マークに向けて、設定時間、低速で移動させる。制御装置20は、所定位置からヘッド15の撮影装置36が基準マーク49と対面する位置まで、設定された低い速度で移動した場合にかかる時間を設定時間とする。つまり、制御装置20は、低速で所定位置から基準マークまで移動させた場合、理論的に撮影装置36が基準マークと対面する位置となる条件を用いて、ヘッドを基準マークに向けて移動させる。なお、基準マークは、基準マーク群48に形成された基準マーク49を用いる。
制御装置20は、ステップS264で移動が完了したら、ステップS266として、撮影装置36で基準マーク49を撮影し、ステップS268として、撮影した画像を解析し、基準マークの低速時すれ量を算出する。ここで、制御装置20は、算出した結果を表示部42に表示させる。具体的には、制御装置20は、図20に示す画面190を表示部42に表示させる。画面190は、解析結果を示す画面であり、画像領域192と、項目194a、194b、196a、196bとを含む。画像領域192は、撮影装置36が撮影した画像の基準マークと設計値とを比較した結果を示す画像が表示されている。ここで、画像表示領域192の円が撮影装置36で撮影した基準マークの位置であり、円と重なっている縦横の線の交点が設計座標上の基準マークの中心となる位置である。項目194a、194bは、設計値上の基準マークの中心の座標(Calブロックマーク位置、規定値)である。項目194aは、中心のX軸座標を表示し、項目194bは、中心のY軸座標を表示している。項目196a、196bは、撮影し解析した基準マークの中心の座標(認識位置、計測値)である。項目196aは、中心のX軸座標を表示し、項目196bは、中心のY軸座標を表示している。
制御装置20は、図20に示す例では、項目194aに表示されているように規定値が334.5となり、項目196aに表示されているように計測値が334.5013となる。この場合、制御装置20は、ステップS268で低速時ずれ量を0.0013として算出する。なお、ずれ量を絶対値で算出する。
制御装置20は、ステップS268で低速時ずれ量を算出したら、ステップS270として、ヘッド15を所定位置に移動させる。ここで、所定位置は、ステップS262の所定位置と同じ位置である。
制御装置20は、ステップS270でヘッド15を所定位置に移動させたら、ステップS272としてヘッドを所定位置から基準マーク49に向けて、設定時間、高速で移動させる。制御装置20は、所定位置からヘッド15の撮影装置36が基準マークと対面する位置まで、設定された速い速度(高い速度)で移動した場合にかかる時間を設定時間とする。つまり、制御装置20は、高速で所定位置から基準マークまで移動させた場合、理論的に撮影装置36が基準マークと対面する位置となる条件を用いて、ヘッドを基準マークに向けて移動させる。ここで、高速とは、電子部品を実装する際のヘッドの移動速度である。
制御装置20は、ステップS272で移動が完了したら、ステップS274として、撮影装置36で基準マークを撮影し、ステップS276として、撮影した画像を解析し、基準マーク49の高速時ずれ量を算出する。制御装置20は、例えば、規定値が334.5000であり、計測値が334.5023である場合、ステップS276で高速時ずれ量を0.0023として算出する。
制御装置20は、ステップS276で高速時ずれ量を算出したら、ステップS278として、低速時ずれ量と高速時ずれ量との差分を計算する。上記例では、低速時ずれ量が0.0013で、高速時ずれ量が0.0023となるため、差分は、0.0010となる。
制御装置20は、ステップS278で差分を計算したら、ステップS280として差分≦閾値であるか、つまり差分が閾値以下であるかを判定する。ここで、閾値としては、種々の値を設定することができる。例えば、閾値は、0.05とすることができる。制御装置20は、ステップS280で差分≦閾値である(Yes)と判定した場合、ステップS282として、正常と判定し、本処理を終了する。上記実施形態では、差分が0.0010であり、閾値が0.05以下であるため、制御装置20は、ステップS280でYesと判定し、ステップS282で正常と判定して、本処理を終了する。
制御装置20は、ステップS280で差分≦閾値ではない(No)と判定した場合、ステップS284として、ボールねじの交換が必要であるメッセージを表示し、本処理を終了する。例えば、高速時での計測値が334.5550であり、規定値は334.5000であるため、高速時ずれ量が0.0550となる。なお、規定値は、基準マークの設計値であるため、低速時と高速時で同じ値となる。この場合、差分が0.0537となり閾値0.05以上であるため、制御装置20は、ステップS280でNoと判定し、ステップS284でメッセージを表示して、本処理を終了する。
このように、電子部品実装装置10及び制御装置20は、搭載精度自己診断モードでヘッド15の移動の際に生じる設計値と計測値とのずれ量を低速時ずれ量と高速時ずれ量の2回計測し、差分を検出することで、ヘッド15の移動の精度を検出することができる。これにより、ヘッド15を移動させる移動機構、本実施形態ではXY移動機構16の状態を自動で簡単に判定することができ、部品の交換時期を好適に判定することができる。なお、電子部品実装装置10は、低速時ずれ量を検出し、低速時ずれ量を基準とすることで、初期誤差や種々の要因の誤差を除去して、XY移動機構16の移動によるずれ量を判定の対象とすることができる。なお、低速時ずれ量が大きい場合は、他のずれの要因を検出し、検出した要因に基づいたメンテナンスを要求する旨のメッセージを表示させてもよい。
ここで、上記実施形態では、X軸の計測結果の一例を示したが、Y軸の計測の場合も同様である。例えば、規定値が543.2000であり、低速時の計測値が543.2028の場合、低速時ずれ量が0.0028となる。さらに、高速時での計測値が543.2039である場合、高速時ずれ量が0.0039となる。この場合、差分は、0.0011となり、閾値0.05以下であるため正常と判定する。また、高速時での計測値が543.2622である場合、高速時ずれ量が0.0622となる。この場合、差分は、0.0594となり、閾値0.05より大きいためY軸のボールねじの交換が必要であることを通知する。
ここで、上記実施形態では、ボールねじの交換の判定の閾値(限界値)を0.05としたが数値は任意に設定することができる。閾値は、装置の構成や必要な移動の精度に応じて決定すればよい。
ここで、上記実施形態の電子部品実装装置10は、部品供給ユニット14が、ラジアルフィーダの電子部品供給装置100、搭載型電子部品を供給する電子部品供給装置100aを備える構成としたが、これに限定されない。電子部品実装装置10は、部品供給ユニットを各種組み合わせとすることができる。例えば、フロント、リアの両方の部品供給ユニットにリード型電子部品を供給する電子部品供給装置100を設置してもよいし、フロント、リアの両方の部品供給ユニットに搭載型電子部品を供給する電子部品供給装置100aを設置してもよい。また、フロント側、リア側の部品供給ユニットには種々の電子部品供給装置を用いることができる。また、フロント、リアのうち、一方の部品供給ユニットの電子部品供給装置を、全て電子部品供給装置(チップ部品フィーダ)100aとしてもよい。また、フロント、リアのうち、一方の部品供給ユニットの電子部品供給装置を、リード型電子部品を供給する電子部品供給装置100としてもよい。フロント、リアの一方の部品供給ユニットは、リード型電子部品(基板に挿入される電子部品)を供給し、他方は、リードなし電子部品(基板に搭載される電子部品)を供給するようにしてもよい。さらに、電子部品実装装置は、電子部品供給装置としてテープに保持されたアキシャル型電子部品のリードを上記のように基板下に短く出るように切断してコ字型に折り曲げた状態で保持位置に供給するアキシャルフィーダを用いることもできる。
また、本実施形態のヘッド15は、1台のヘッドでより多くの種類の電子部品を実装できるようにするため複数のノズルを備えている場合は、ノズル自動交換装置(本実施形態では交換ノズル保持機構とヘッド本体との組合せで実現されるヘッド交換動作)を使って実装生産中に各ノズルを種々の吸着ノズル、把持ノズルに交換できる。電子部品実装装置10は、搭載型電子部品及びリード型電子部品に対する大きさ、重さ、部品本体上面が吸着可能な平面を有するかどうか、及び部品本体を把持可能かどうか等の部品条件により、部品ごとに適切な吸着孔径の吸着ノズルまたは適切な形状の把持部材を備えた把持ノズルが指定され、生産プログラムに記憶されている。電子部品実装装置10は、生産プログラムに記憶されている電子部品とノズルとの対応関係に基づいて、ヘッドに装着するノズルを切り換えたり、ヘッド内で当該電子部品を保持するノズルを決定したりする。