JP5925522B2 - 粘着性放熱シートおよび粘着性放熱シートの粘着力増加方法 - Google Patents

粘着性放熱シートおよび粘着性放熱シートの粘着力増加方法 Download PDF

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Description

本発明は粘着性を有する放熱シートに関する。
近年の電子部材の高性能化に伴い、その部材の発熱密度が大きくなっておりこの熱を逃がすために放熱材シートの必要性も大きくなっている。
従来の技術では、放熱シートに粘着性がなかったか、粘着性を付与させた放熱シートであってもその粘着力が十分でないために、その放熱シートを挟み込むように別途ねじでとめる必要があり多くの手間を要した。
特開2005−54006号公報 特開2004−27039号公報
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑み、シート状の粘着力が高く、優れた高温接着性を有する粘着性放熱シートを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)アクリル樹脂またはシリコーン樹脂から選択される樹脂30〜70体積%及び無機粉末70〜30体積%、引張弾性率が10〜10Paである単層からなる粘着性放熱シートであり、シート表面の凸部の最も高い箇所と凹部の最も低い箇所の段差が10μm〜100μm、且つシート表面積中の凸部の占める面積が50%〜95%である、粘着性放熱シート。
(2)ポリイミド層を層構造に含む多層シートである前記(1)に記載の粘着性放熱シート。
(3)無機粉末が水酸化アルミニウム又はアルミナである(1)又は(2)に記載の粘着性放熱シート。
(4)アクリル樹脂またはシリコーン樹脂から選択される樹脂30〜70体積%及び無機粉末70〜30体積%である単層からなる粘着性放熱シートの粘着力増加方法であってシートの引張弾性率を10 〜10 Paとし、シート表面の凸部の最も高い箇所と凹部の最も低い箇所の段差を10μm〜100μmとし、且つシート表面積中の凸部の占める面積を50%〜95%とすることによる粘着力増加方法。
本発明によれば、粘着力が高く、優れた高温接着性を有する粘着性放熱シートが得られる。
粘着性放熱シートの表面形状が両面凹凸タイプの単層品。 粘着性放熱シートの表面形状が両面凹凸タイプの複層品。 粘着性放熱シートの表面形状。 高温保形性、高温接着性の試験体。 トランジスタの形状
本発明の粘着性放熱シートは、引張弾性率が10〜10Paである。引張弾性率が10Paより小さいと軟らかすぎて高温粘着性が低下してしまうため好ましくない。10Paより大きいと硬いため粘着力が低下し、さらに接着界面の濡れが悪いため好ましくない。なお、引張弾性率は25℃の引張弾性率である。
本発明の粘着性放熱シートは、連続したシートの表面の凸部の最も高い箇所と凹部の最も低い箇所の段差が10μm以上100μm以下である。
シートの表面の凸部と凹部の段差が10μm未満では接着させたときに生じた空気の抜けが悪く、接着面積が少なくなるので、粘着力が低下する。シートの表面の凸部と凹部の段差が100μmを超えると段差が大きすぎるため、不均一に接着され空気抜けが悪く、接着面積が少なくなるので、粘着力が低下する。
本発明の粘着性放熱シートは、シートの面積に対して凸部が占める面積が50%から95%である。
粘着性放熱シートの面積に対して凸部が占める面積が50%未満では、接着面積が小さくなり、粘着性放熱シートが剥がれ易くなる。また、接着面積が小さすぎるため、熱抵抗値が増加し、放熱特性が悪化するので好ましくない。
粘着性放熱シートの面積に対して凸部が占める面積が95%を超えると、接着時に接着面の中央部に生じた空気を取り込んだまま残り、その空気の逃げ場がないため、粘着性放熱シートの非接着部分が大きくなり、接着面の熱抵抗値が増加し放熱特性が悪化するため好ましくない。
なお、シートの凸部が占める面積とは、シートを水平に設置し、シートの両端部のシートの厚さの平均値を基準として、シートの面方向に水平線を引いて水平面とする。その水平面から上に出た部分を凸部が占める面積とする。
粘着性放熱シートの表面の形状は、凹凸があるものである。
シートの表面の形状は、凸部の形状が四角形、長方形、ひし形、平行四辺形、丸型等いずれの形状でもよい。
凹部の形状が、U字、四角、三角、台形いずれでも良く、凸部を囲むように連続的につながり格子状になっている溝を形成していることが好ましい。あるいは、凸部の2辺を挟みこむ様にライン状、または湾曲したライン状になっている溝が連続して形成していることが好ましい。
例えば凸部の形状が菱形であり、凹部の形状が台形で格子状の誘導溝がある形状が好ましい。
誘導溝とは、シートに連続的に形成された格子状、あるいはライン状の凹部である。
粘着性放熱シートの加工は、表面に凹凸をつけるため、例えば粘着性放熱材の剥離ライナーフィルムにエンボス加工したPETフィルムを使用することができる。
凹凸を付与するための凹凸加工は、例えば、あらかじめ表面を荒したマット処理加工、サンドブラスト加工、プラズマ加工、エンボス加工などがある。
そのなかでも、エンボス加工が望ましい。
さらに、エンボス加工したロールに剥離ライナーPETを挟みこみながら、剥離ライナーに凹凸加工を施しラミネートし、粘着性放熱材を塗工することが好ましい。
この他押出成形であれば、ダイリップ形状に凹凸付与するため、ダイス口金形状を加工する、あるいはプレス成型、または射出成型により粘着性放熱シートを成形する場合、プレスあるいは射出金型内表面をエンボス加工、絞り加工、ブラスト加工することも好適であり、これらの1つあるいは2つ以上を用いて加工しても差し支えない。転写用シートを使用してそれを金型内に挿入してサンド成形、インサート成型することも特に限定されず加工することも好適である。
凹凸表面にした粘着性放熱材は、平滑な表面の粘着性放熱材に比べ、被着体の平面度、荒さ、うねり等に影響されにくく、粘着性放熱材が被着体に追従するため接着性が良好である。特に、凹部の加工工形状が格子状に誘導溝がある形状はエアー抜けが良いので、接着し易い。また、熱抵抗が小さくなり放熱性が良好になる。
誘導溝の占める面積がシート面積に対して50%を超えて広すぎる場合は、粘着シートの接着面積が小さくなり、熱抵抗が大きくなるため放熱特性が下がる、また接着力が小さくなるため剥がれやすくなるため好ましくない。
また、粘着性放熱シートの貼り付け条件は、10N/cm以上の圧力で接着させることが好ましい。
被着体との接着面積率は、50%より小さくなると放熱シートが剥がれやすくなり、熱抵抗値が大きくなり放熱特性が悪化するため好ましくない。80%以上になると熱抵抗値は小さくなり、放熱特性が良好になるので好ましい。
シートの厚さは、500μmを超えて大きくなると熱抵抗値が大きく放熱特性小さくなるので好ましくなく、50μm未満になるとシートの取り扱い性が難しくなる。シート厚さは、50μmから500μmの範囲が取り扱い性、シートの加工性、放熱特性が良好であり好適である。
粘着性放熱シートの構成は、最外層に剥離ライナーフィルム基材1(上)、基材1(下)、このフィルムに挟み込む形態で粘着性放熱シート2が(中)に入った3層構造である。絶縁性を持たせるために粘着性放熱材の間に例えば、ポリイミドフィルムをインサートした構成にした5層構造にしても良く、粘着性放熱シートは単層、多層は問わず、用途に応じて剥離ライナーの間に積層した構造が一般的である。
特に、ポリイミドフィルムをインサートする場合、ポリイミドフィルムにコロナ処理、サンドブラスト処理、プラズマ処理したものいずれでも良い。
ポリイミドフィルム層を挿入した多層構造は、特に絶縁特性が向上する点で好ましく、特に絶縁性に問題がない製品であれば挿入しない場合もある。
また、ロール巻きする場合、剥離ライナーと粘着性放熱材界面は凹凸加工し、反対面は平滑表面構成にしても良く、対象被着体の構成にあわせ表面形状を可変させることも有用である。多層構造の場合は、上下面の粘着性放熱材の厚さを変え、より被着体の接着性を向上させるために可変させることもできる。
本発明における樹脂は、例えばアクリル樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。
アクリル樹脂とは、下記の(a)及び/又は(b)を主成分とする樹脂である。
(a)炭素数2−12 のアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレート、
(b)式(1)で表されるアクリル系モノマー、

CHCRCO−(OR−OR 式(1)

式(1) においてR1は水素またはメチル基を表す。R2はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基を表し、R3は水素または炭素数1−12のアルキル基または置換または非置換のフェニル基を表し、nは1−12の整数を表す。
(a)の成分の例としては炭素数2−12のアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートは炭素数が2〜12のアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルである。
(b)の成分の例としては2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリエチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のメトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のエトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリプロピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のメトキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のエトキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、ブチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリブチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリエチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ブチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリブチレングリコールモノメタクリレート等が例示されるが、これに限られるものではない。
アクリル樹脂は、光重合反応、加熱硬化反応などで硬化させることができる。
アクリル樹脂を光重合反応で硬化させる場合には、光重合開始剤を用いた光重合反応によるのが、硬化反応制御の面から好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、4,4−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、クロロチオキサントン、m−クロルアセトン、プロピオフェノン、アンスラキノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンジル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン1−[4−(2−ヒドロキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどが挙げられるが、これらに限定されるものでない。但し、可視光に吸収波長を有する光開始剤は塗料の貯蔵安定性に欠けることから、可視光に吸収を持たないベンゾフェノン、1−ヒドロキシ‐シクロへキシル‐フェニルケトンを用いることが好ましい。これらの光開始剤は単独で用いても、混合して用いてもよい。
アクリル樹脂を加熱硬化反応で硬化させる場合には、加熱硬化開始剤とし、有機過酸化物やアゾ化合物類等といった熱分解型の重合開始剤が用いられる。有機過酸化物としては、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、クミルパーオキシネオデカノエイト、ヘキシルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート等のアルキルパーオキシエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネイト及びジアリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート類、ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、ジキュミルパーオキサイド、t−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、クメンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等が挙げられる。
硬化促進剤は、前記熱分解型の重合開始剤と反応し、ラジカルを発生する公知の硬化促進剤であれば使用できる。代表的な硬化促進剤としては例えば、第3級アミン、チオ尿素誘導体及び遷移金属塩等が挙げられる。第3級アミンとしては例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン及びN,N−ジメチル−p−トルイジン等が挙げられる。チオ尿素誘導体としては例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素、シブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素及びエチレンチオ尿素等が挙げられる。遷移金属塩としては例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトネート等が挙げられる。
アクリル樹脂を用いた場合には、公知の重合性化合物や公知の多官能ビニル化合物や多官能アクリレートや多官能アリル化合物等の共重合性の架橋成分を含むことができる。
シリコーン樹脂としては、オルガノポリシロキサンであり、ケイ素原子に直結したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するものであれば直鎖状でも分岐状でもよい。このオルガノポリシロキサンは、1種類であっても、2種以上の異なる粘度のものの混合物でも良い。上記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−へキセニル基などが例示されるが、一般的に合成のし易さ及びコストの面からビニル基であることが好ましい。ケイ素原子に結合する他の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基などのアラルキル基、更にはクロロメチル基、3,3,3,−トリフルオロプロピル基などの置換炭化水素基等が挙げられる。これらのなかでは、メチル基であることが好ましい。
ケイ素原子に結合するアルケニル基は、オルガノポリシロキサンの分子鎖の末端、途中の何れに存在してもよい。
樹脂には、公知の添加剤を任意の添加量で添加することができる。添加剤としては例えば粘度、粘性をコントロールするための各種添加物、その他、改質剤、老化防止剤、熱安定剤、着色剤などがあげられる。
本発明で使用される無機粉末はアルミナ、二酸化チタン等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素等の窒化物、炭化珪素、水酸化アルミニウム等が挙げられ、単独あるいは数種類を組み合わせて使用することができる。難燃性を考慮すると水酸化アルミニウムが好ましく、熱伝導性を考慮するとアルミナが好ましい。
樹脂と無機粉末の配合は、樹脂30〜70体積%、無機粉末70〜30体積が好ましい。樹脂材料が30体積%未満では粘着力が低下する恐れがあり、70体積%を超える場合には、放熱性が低下する恐れがある。
樹脂と無機粉末の混合方法は、特に限定されるのもではないが、少量の場合は手混合も可能であるが、万能混合機、プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、ボールミル、ミキシングロール等の一般的な混合機が用いられる。
混合に際して、各成形方法に適する混合物とするため、水、トルエン、アルコール等の各種溶剤を添加することもできる。
樹脂と無機粉末からなる樹脂組成物のシートへの加工方法としては、従来公知の方法、例えば、コーター法、ドクターブレード法、押出成形法、射出成形法、プレス成形法等の各種成形法を用いることができる。なお、基材補強方法としては、本発明のシートが両面粘着性を有している場合には、シートと基材を通常のラミネート法、プレス法など公知の積層方法を用いて積層させることが可能であるが、コーター法などで使用する基材としてこれら補強用基材を使用し、直接作製しても良い。
粘着性放熱シートの製造方法は、粘着性放熱シートを調製する工程、該組成物を塗工あるいは成形する工程があり、粘着性放熱材表面の連続面に凹凸加工工程を具備する。また粘着性放熱材シートを硬化させる工程では、紫外線硬化、加熱硬化等の硬化工程を備える。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4、6〜19、22〜33:アクリル樹脂 紫外線硬化型)
表1の各実施例に記載の各材料を自公転式ミキサーで混合し、スラリー状の混合物を作製した。そのスラリーを2枚の剥離ライナーPETフィルムで挟持し、ラミネート成形後、紫外線を照射し硬化させ、シート状成形体を得た。剥離ライナーフィルムは、エンボス加工したPETフィルムを使用した。粘着性放熱シートの表面形状は、凸部の形状は菱形であり、凹部の形状は台形で格子状の誘導溝がある形状を使用した。
(実施例5:アクリル樹脂 加熱硬化型)
表1の実施例5に記載の各材料を自公転式ミキサーで混合し、スラリー状の混合物を作製した。そのスラリーを剥離ライナーPETフィルムで挟持し、ラミネート成形後、120℃20分加熱硬化させ、シート状成形体を得た。剥離ライナーフィルムは、エンボス加工したPETフィルムを使用した。粘着性放熱シートの表面形状は、凸部の形状は菱形であり、凹部の形状は台形で格子状の誘導溝がある形状を使用した。
(実施例20〜21:シリコーン樹脂)
表1の実施例20〜21に記載の各材料を自公転式ミキサーで混合し、スラリー状の混合物を作製した。そのスラリーを剥離ライナーPETフィルムで挟持し、ラミネート成形後、120℃20分加熱硬化させ、シート状成形体を得た。剥離ライナーフィルムは、エンボス加工したPETフィルムを使用した。粘着性放熱シートの表面形状は、凸部の形状は菱形であり、凹部の形状は台形で格子状の誘導溝がある形状を使用した。
(比較例1〜6)
表2の比較例1〜6に記載の各材料を自公転式ミキサーで混合し、スラリー状の混合物を作製した。そのスラリーを2枚の剥離ライナーPETフィルムで挟持し、ラミネート成形後、紫外線を照射し硬化させ、シート状成形体を得た。
剥離ライナーフィルムは、エンボス加工したPETフィルムを使用した。粘着性放熱シートの表面形状は、凸部の形状は菱形であり、凹部の形状は台形で格子状の誘導溝がある形状を使用した。
実施例及び比較例はともに、粘着性放熱シートの表面形状が両面凹凸タイプである。実施例は、粘着性放熱シートを用いた単層品、粘着性放熱シートとポリイミドフィルムを用いた複層品を評価した。
(図1、図2、図3参照)
実施例及び比較例の使用材料等について、下記に示す。
1)AR53L 商品名(アクリルゴム、日本ゼオン社製)
2)2−EHA 商品名(アクリル酸2−エチルヘキシルアクリレート、東亜合成社製)
3)アクリル酸 東亞合成社製
4)UC203 商品名(メタクロイル変性液状イソプレンゴム、クラレ社製)
5)DMDO 商品名(1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、丸善ケミカル社製)
6)Irgacure651 商品名(ベンゾフェノン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン混合物、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
7)パーブチルZ 商品名(t−ブチルパーオキシベンゾエート、日本油脂社製)
8)H−32 商品名(水酸化アルミニウム、昭和電工社製)
9)HP−360 商品名(水酸化アルミニウム、昭和電工社製)
10)DAW45S 商品名(球状アルミナ 電気化学工業社製)
11)SE−1885 商品名(SE−1885、シリコーン東レ・ダウコーニング社製)12)RD−1 商品名(Si−Hシロキサン、東レ・ダウコーニング社製)
13)被着体 アルミニウム放熱フィン
材質 (1) #1050材
材質 (2) ニッケルメッキ(#1051材)
14)ポリイミドフィルム カプトンフィルム(東レ・デュポン社製)
15)プッシュプルゲージ FB50N(イマダ社製)
16)トランジスタ K3432 TO−220型(NEC社製)
17)スライドグラス (マツナミ社製)
18)トルクレンチ N20DPSK(KANON社製)
粘着性放熱シートのガラスとの接着方法について説明する。
ガラス表面に粘着性放熱シートを貼り付け、トランジスタをシートの上に載せた。実施例及び比較例は、圧力10N/cmでプッシュプルゲージを使用し、3秒間加圧して貼り付けた。ガラス面の裏側からガラス越しに観察し、トランジスタ接着面積に対するエアー噛み部分を除いた接着部分の面積を、プラニメーターで評価した。
高温保形性について説明する。
粘着性放熱シートは以下の被着体に貼り付けて評価した。
(1)アルミニウム#1050材、(2)Niメッキ(アルミニウム)材
アルミニウム材の放熱フィンに粘着性放熱シートを貼り付けた。さらに剥離ライナー基材を剥がし、その上にトランジスタを載せ、圧力10N/cmで垂直加圧治具に固定したプッシュプルゲージで3秒間、垂直に加圧してトランジスタ(図5)を貼り付けた。トランジスタに通電し、トランジスタ温度は120℃に昇温させた。トランジスタの保持、落下の有無を評価した。
(図4参照)
高温接着性評価は、トランジスタの落下の有無を確認した(n=3)。
トランジスタ温度が所定温度に達し、15分間保持した場合を○、トランジスタが落下した場合、あるいはずれた場合を×として評価した。n=3全て保持した場合○、1つでも落下あるいは、ずれを生じた場合は×とした。
トランジスタは下側、フィンは上側としてトランジスタに通電し続け、フィンは空冷し続けて評価した。トランジスタは、NEC社製TO−220型トランジスタを使用した。
その後、トランジスタが常温になったことを確認後、トランジスタをトルクレンチで回転させ、トランジスタを剥がした後の、トランジスタ接着面積に対するエアー噛み部分を除いた接着部分の面積をプラニメーターで評価した。
使用した粘着性放熱シートの形状は、20mm×20mmの正方形。トルクレンチは、KANON社製トルクレンチ(20DPSK)であり、先端幅10.5mmでトランジスタを直接くわえ、トルクレンチを45°当たり3秒間で回転させた。
(図4参照)
トルク粘着力について説明する。
粘着性放熱シートを介してトランジスタを圧力10N/cmで3秒間加圧し、被着体にトランジスタを貼り付け、室温25℃で10分間養生した。養生が済んだトランジスタをトルクレンチで回転させて被着体からトランジスタが外れた時のトルクレンチの荷重Nを測定した。トランジスタは、NEC社製TO−220型トランジスタを使用した。
使用した粘着性シートの形状は、20mm×20mmの正方形。トルクレンチは、KANON社製トルクレンチ(20DPSK)であり、先端幅10.5mmでトランジスタを直接くわえ、トルクレンチを45°当たり3秒間で回転させた。
粘着力の試験方法について説明する。
まず試験対象となる粘着性放熱シートについて、20mm×20mmの正方形のサンプルを用意する。このサンプルをAL試験片(1050材、25mm×80mm)に貼り付ける。片面にこのAL試験片を貼り付けた後に2kgローラーで圧着した後、30分室温25℃にて養生する。その後、引張試験機(テンシロン、エーアンドディー社製)にて両側のAL試験片を引っ張ることで粘着力(N/25mm)を測定した。引張速度は、5mm/分。
熱抵抗測定方法について説明する。
熱抵抗測定は下記に示す方法で測定した。トランジスタ温度T1と放熱フィン上部T2間に、図4に示すように取り付けた粘着性放熱シート測定サンプル(20mm×20mmの正方形)を挟み、上部から圧力10N/cmで3秒間、プッシュプルゲージで加圧した。トランジスタの温度が120℃になるように電力調整し、そのときのサンプルT1/T2間の温度差を測定し、下記の式(2)より熱抵抗を算出した。

熱抵抗(℃/W)=温度差(℃) /印加電圧(W) 式(2)
実施例に示した粘着性放熱シートは、粘着力が高く、優れた高温接着性を発現した。これに対し、比較例は粘着力、高温接着性に劣っていた。
本発明の粘着性放熱シートは、電子部品のみならず放熱性と粘着性が求められるあらゆる分野での応用が期待される。
1 剥離ライナーPETフィルム
2 粘着性放熱シート
3 表面凹凸処理
4 ポリイミドフィルム
5 凸部の形状が菱形
6 凹部の形状が台形で格子状の誘導溝
7 冷却フィン
8 粘着性放熱シート
9 トランジスタ
10 トランジスタ温度センサー
11 冷却フィン温度センサー

Claims (4)

  1. アクリル樹脂またはシリコーン樹脂から選択される樹脂30〜70体積%及び無機粉末70〜30体積%、引張弾性率が10〜10Paである単層からなる粘着性放熱シートであり、シート表面の凸部の最も高い箇所と凹部の最も低い箇所の段差が10μm〜100μm、且つシート表面積中の凸部の占める面積が50%〜95%である、粘着性放熱シート。
  2. 請求項1に記載の粘着性放熱シート表面の対向する面に、ポリイミド樹脂を含む層を配置した、粘着性放熱シート。
  3. 無機粉末が水酸化アルミニウム又はアルミナである、請求項1又は2に記載の粘着性放熱シート。
  4. アクリル樹脂またはシリコーン樹脂から選択される樹脂30〜70体積%及び無機粉末70〜30体積%である単層からなる粘着性放熱シートの粘着力増加方法であってシートの引張弾性率を10 〜10 Paとし、シート表面の凸部の最も高い箇所と凹部の最も低い箇所の段差を10μm〜100μmとし、且つシート表面積中の凸部の占める面積を50%〜95%とすることによる粘着力増加方法。
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