JP2013253239A - 金属面保護用粘着シート - Google Patents

金属面保護用粘着シート Download PDF

Info

Publication number
JP2013253239A
JP2013253239A JP2013097748A JP2013097748A JP2013253239A JP 2013253239 A JP2013253239 A JP 2013253239A JP 2013097748 A JP2013097748 A JP 2013097748A JP 2013097748 A JP2013097748 A JP 2013097748A JP 2013253239 A JP2013253239 A JP 2013253239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
sensitive adhesive
pressure
monomer
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013097748A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihito Niwa
理仁 丹羽
Kaori Miki
香 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2013097748A priority Critical patent/JP2013253239A/ja
Publication of JP2013253239A publication Critical patent/JP2013253239A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J7/00Adhesives in the form of films or foils
    • C09J7/30Adhesives in the form of films or foils characterised by the adhesive composition
    • C09J7/38Pressure-sensitive adhesives [PSA]
    • C09J7/381Pressure-sensitive adhesives [PSA] based on macromolecular compounds obtained by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C09J7/385Acrylic polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J2301/00Additional features of adhesives in the form of films or foils
    • C09J2301/40Additional features of adhesives in the form of films or foils characterized by the presence of essential components
    • C09J2301/412Additional features of adhesives in the form of films or foils characterized by the presence of essential components presence of microspheres

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】金属鋼板に対して、接合時には高い金属接着力を維持しつつ、被着体から剥がす際には容易に剥離可能であり、さらに腐食性を示さない金属面保護用粘着シートを提供する。
【解決手段】少なくとも、アクリル系ポリマー及び熱膨張性微粒子を含むアクリル系粘着剤層が、基材の片面に形成されている金属面保護用粘着シートであって、前記アクリル系ポリマーは、カルボン酸当量が0.0010当量/g以下であり、アミン当量が0.0050当量/g〜0.0600当量/gであることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属板の表面を保護する金属面保護用粘着シートであって、貼り付け時には十分な接着性を有し、長期保存後であっても加熱により容易に剥離可能であり、さらに粘着シートによる腐食を示さない金属面保護用粘着シートに関する。
従来より、車両用鋼板、金属加工部材や電子部品などの製造・加工工程では、各種材料などの仮止め、マスキング、あるいは金属板などの表面保護などが行われており、このような用途に用いられる表面保護部材は使用目的を終えた後に被着体から容易に剥離除去できることが要求されている。
そのような要求がある中、従来より、セラミックシートや電子部品の製造プロセスの製造・加工において、加熱処理により剥離できる感圧接着シートが開示されている(特許文献1参照)。しかし、加熱剥離性を発現するのに適度な弾性率の範囲が制限されることなどから、種々の用途ごとの適度な粘着力(例えば用途ごとに制御した所望の粘着力)と、必要に応じ容易に剥離できる易剥離性とを両立することが困難であった。
また例えばアクリル酸に代表される、カルボキシル基含有モノマーに由来する構造単位をポリマー骨格中に多く含有する粘着剤を用いた熱剥離性感圧接着シートでは(特許文献2参照)、高い接着信頼性、すなわち粘着力と耐反撥特性とを発現する感圧接着シートを得ることは容易となる反面、経時で接着力が大きく上昇してしまい、易剥離性の点で問題を生じていた。特に金属系の被着体に使用されていた場合などでは、加熱処理を行っても十分な易剥離性を発現できず、また金属板を腐食するなどの問題があった。このため、使用する被着体が制限されるといった課題もあった。
このように、金属板に対して良好な接着性を発揮し、加熱処理後の容易な剥離性を兼ね備え、さらに腐食性を示さない金属面保護用粘着シートが望まれている。
特開平5−43851号公報 特開平6−306337号公報
本発明の目的は、金属板に対して、接合時には高い金属接着力を維持しつつ、被着体から剥がす際には容易に剥離可能であり、さらに腐食性を示さない金属面保護用粘着シートを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、カルボン酸当量が0.0010当量/g以下であり、アミン当量が0.0050当量/g〜0.0600当量/gであるアクリル系ポリマー及び熱膨張性微粒子を含むアクリル系粘着剤層を設けた金属面保護用粘着シートとすることにより、接合時には高い金属接着力を維持しつつ、被着体から剥がす際には容易に剥離可能であり、さらに腐食性を示さない金属面保護用粘着シートが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、少なくとも、アクリル系ポリマー及び熱膨張性微粒子を含むアクリル系粘着剤層が基材の片面に形成されている金属面保護用粘着シートであって、前記アクリル系ポリマーは、カルボン酸当量が0.0010当量/g以下であり、アミン当量が0.0050当量/g〜0.0600当量/gであることを特徴とする、金属面保護用粘着シートを提供する。
前記金属面保護用粘着シートにおいては、前記熱膨張性微粒子の含有量が、前記アクリル系ポリマー100質量部に対して10質量部〜200質量部であることが好ましい。
前記アクリル系ポリマーは、下記モノマー(a1)、(a2)及び(a3)を構成単位とし、下記構成比率で構成されていることが好ましい。
(a1)ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃未満である、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー:構成比率40質量%〜90質量%
(a2)分子内に少なくとも1つの窒素原子と、1つのエチレン性不飽和結合とを有するモノマー:構成比率5質量%〜40質量%
(a3)ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃以上である、分子内に1つのエチレン性不飽和結合を有するモノマー(前記(a2)は除く):構成比率0質量%〜40質量%
(上記構成比率は、(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の各モノマーの割合(質量%)を示す)
前記金属面保護用粘着シートを構成するアクリル系ポリマーは、前記(a2)が、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニル−2−カプロラクタムからなる群より選ばれる少なくとも1のモノマーであることが好ましい。
また前記金属面保護用粘着シートを構成するアクリル系ポリマーは、前記(a3)が、ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃以上である、(メタ)アクリロイルオキシ基と第3級炭素原子とが結合している構造を有する(メタ)アクリレートモノマー、又は、ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃以上である、(メタ)アクリロイルオキシ基と単環又は多環の脂環式炭化水素の環を構成する炭素原子とが結合している構造を有する(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましく、さらに前記(a3)が、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1のモノマーであることが好ましい。
また前記金属面保護用粘着シートを構成する前記基材が、70℃〜180℃のいずれかの温度において5%以上収縮する熱収縮フィルムであることが好ましい。
ここに開示される金属面保護用粘着シートは、前記構成を有しているので、金属板(好ましくは金属鋼板)に対して、接合時には高い金属接着力を維持しつつ、被着体から剥がす際には容易に剥離可能であり、さらに腐食性を示さない金属面保護用粘着シートを形成することができる。
ここに開示される金属面保護用粘着シートは、少なくとも、アクリル系ポリマー及び熱膨張性微粒子を含むアクリル系粘着剤層が、基材の片面に形成されている金属面保護用粘着シートであって、前記アクリル系ポリマーは、カルボン酸当量が0.0010当量/g以下であり、アミン当量が0.0050当量/g〜0.0600当量/gであることを特徴とする。
(アクリル系粘着剤層)
ここに開示される金属面保護用粘着シートは、少なくとも、アクリル系ポリマー及び熱膨張性微粒子を含むアクリル系粘着剤層を少なくとも1層有する。
前記アクリル系粘着剤層におけるアクリル系ポリマーの含有割合は、前記アクリル系粘着剤層全量(100質量%)に対して、30質量%以上(例えば、30質量%〜90質量%)であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上(例えば、50質量%〜85質量%)、さらに好ましくは60質量%以上(例えば、60質量%〜80質量%)である。アクリル系ポリマーの含有割合が30質量%未満となると、粘着剤層を形成し難くなり、金属接着力や凝集力が低下する場合がある。
前記アクリル系粘着剤層は、熱膨張性微粒子を含有する。熱膨張性微粒子は、熱(典型的には加熱)により体積が膨張する微粒子のことをいう。熱膨張性微粒子は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられていてもよい。
前記アクリル系粘着剤層が熱膨張性微粒子を含有していることにより、前記アクリル系粘着剤層は、金属板面などの被着体へ貼付後、加熱されると、加熱による熱膨張性微粒子の発泡に伴う粘着剤層と被着体との接触面積の減少が生じて、(i)接着力が容易に低下する特性(剥離性、易剥離性)及び(ii)接合部の解体性(分離性)を発揮する。なお、本明細書では、本願では、(i)及び(ii)の特性をまとめて、「剥離解体性」と称する場合がある。
前記熱膨張性微粒子は、特に限定されないが、マイクロカプセル化されている熱膨張性微粒子が好ましい。このようなマイクロカプセル化されている熱膨張性微粒子としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨脹する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球が挙げられる。
前記熱膨張性微粒子の殻は、熱可塑性物質、熱溶融性物質、熱膨脹により破裂する物質などで形成されることが好ましい。また、熱膨張性微粒子の殻を形成する物質としては、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性微粒子は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造される。
また、前記熱膨張性微粒子としては、市販品が挙げられる。前記熱膨張性微粒子の市販品としては、例えば、商品名「マツモトマイクロスフェアF−30」「マツモトマイクロスフェアF−50」「マツモトマイクロスフェアF−80S」「マツモトマイクロスフェアF−85」(松本油脂製薬株式会社製);商品名「エクスパンセルDu シリーズ」(エクスパンセル社製)などが挙げられる。中でも、商品名「エクスパンセル 051Du40」(エクスパンセル社製)が好ましい。
前記熱膨張性微粒子の平均粒径は、特に限定されないが、分散性や薄層形成性などの点から、1〜80μmが好ましく、より好ましくは3〜50μmである。
さらに、前記熱膨張性微粒子は、加熱処理による接着力の低下を効率よく生じさせる点、後述の金属接着力を調整する点より、体積膨張率が5倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない強度を有するものが好ましい。なお、低い体積膨張率で破裂する熱膨張性微粒子(例えば、5倍未満の体積膨張率で破裂する熱膨張性微粒子など)やマイクロカプセル化されていない熱膨張剤(熱発泡剤)を用いた場合には、加熱処理による接着力の低下を効率よく生じさせることができず、後述のガラス接着力を得ることができない場合がある。
なお、体積膨張率は下記の式により求められる。
体積膨張率=(加熱後の熱膨張性微小球の体積)/(加熱前の熱膨張性微小球の体積)
前記アクリル系粘着剤層の前記熱膨張性微粒子の含有量は、特に限定されないが、前記アクリル系ポリマー100質量部に対して、10質量部〜200質量部が好ましく、より好ましくは20質量部〜125質量部であり、さらに好ましくは25質量部〜100質量部であり、特に好ましくは25質量部〜80質量部である。前記熱膨張性微粒子の含有量が10質量部以上であると、良好な加熱解体性を得ることができる。また、前記熱膨張性微粒子の含有量が200質量部以下であると、良好な金属接着性を得ることができ、その他の接着特性を低下させることが無く好ましい。
ここに開示される技術において、前記アクリル系ポリマーは、カルボン酸当量が0.0010当量/g以下であり、アミン当量が0.0050当量/g〜0.0600当量/gであることを特徴とする。
ここに開示される技術におけるカルボン酸当量とは、アクリル系ポリマー1g中に含有するカルボン酸基(−COOH)の当量のことをいい、例えばカルボン酸がアクリル酸由来の場合には、アクリル系ポリマー1g中のアクリル酸重量に、アクリル酸中のカルボン酸基の重量割合(−COOHの分子量45/アクリル酸の分子量72=0.625)を乗ずることにより算出される値(当量/g)をいう。
ここに開示される技術におけるアミン当量とは、アクリル系ポリマー1g中に含有する窒素原子(−N−)の当量のことをいい、例えば窒素原子がN−ビニルカプロラクタム(NVC)由来の場合には、アクリル系ポリマー1g中のNVC重量に、NVC中の窒素原子の重量割合(Nの分子量14/NVCの分子量139=0.101)を乗ずることにより算出される値(当量/g)をいう。
ここに開示される技術において、カルボン酸当量が0.0010当量/g以下であるアクリル系ポリマーを用いることにより、金属面に対する腐食性を低下させることが出来る。すなわち金属面保護用粘着シートにおいて、金属面を腐食させる原因は粘着剤層中、特にアクリル系ポリマー中に含まれる酸成分であって、これは主にカルボン酸由来と考えられる。このためアクリル系ポリマー中のカルボン酸当量を0.0010当量/g以下とすることで、金属面の腐食を低減できると考えられる。従って、ここに開示される金属面保護用粘着シートにおいては、アクリル系ポリマーのカルボン酸当量が0.0010当量/g以下であり、好ましくは0.0005当量/g以下であり、望ましくは0.0000当量/gである。
また、ここに開示される技術において、アミン当量が0.0050当量/g〜0.0600当量/gであるアクリル系ポリマーを用いることにより、良好な金属接着性を得ることが出来る。すなわち金属面保護用粘着シートにおいては、前記腐食性の問題から酸成分を配合できないため、接着力を向上させることは困難となる。このような問題に対し、ここに開示される技術では酸成分の代わりにアミン成分を配合することにより、腐食の発生を抑えつつ接着性を向上させることが出来る。従って、ここに開示される金属面保護用粘着シートにおいては、アクリル系ポリマーのアミン当量が0.0050当量/g〜0.0600当量/gであり、好ましくは0.0100当量/g〜0.0500当量/gであり、より好ましくは0.0150当量/g〜0.0400当量/gである。アクリル系ポリマーのアミン当量が0.0050当量/g〜0.0600当量/gの範囲内であれば、金属面に対し腐食性を示さず、良好な金属接着性を得ることができる。一方アクリル系ポリマーのアミン当量が0.0050当量/g未満では、充分な金属接着性が得られない場合があり、アクリル系ポリマーのアミン当量が0.0600当量/gを超えると、アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)が高くなりアクリル系ポリマーの柔軟性が低下することから、金属接着性が低下する場合がある。
ここに開示される技術において、アクリル系ポリマーのカルボン酸当量およびアミン当量は、アクリル系ポリマーの構成単位であるモノマー成分の組成および構成比率により適宜調整することができる。すなわちカルボン酸当量は、アクリル酸やメタクリル酸といったカルボキシル基を含むモノマーを構成単位として含有することで調整される。またアミン当量は、窒素原子を含有するモノマー、例えばアクリルアミド系のモノマーを構成単位として含有することで調整される。
前記アクリル系粘着剤層に主成分として含まれるアクリル系ポリマーは、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須の構成単位として構成される。また、前記アクリル系ポリマーは、モノマー成分として、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共に、共重合性モノマーを構成単位として構成していてもよい。また、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。さらに、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。すなわち、ここに開示されるアクリル系ポリマーは、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須かつ主要成分(通常50質量%以上)とし、必要に応じて共重合性モノマーを含むモノマー混合物を構成単位とするものであり、当該モノマー混合物を重合することにより得ることが出来る。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、「アクリル酸」及び/又は「メタクリル酸」を意味し、他も同様である。
ここに開示される金属面保護用粘着シートにおいては、前記アクリル系ポリマーは、下記モノマー(a1)、(a2)及び(a3)を構成単位とし、下記構成比率で構成されていることが好ましい。
(a1)ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃未満である、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート:構成比率40質量%〜90質量%
(a2)分子内に少なくとも1つの窒素原子と、1つのエチレン性不飽和結合とを有するモノマー:構成比率5質量%〜40質量%
(a3)ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である、分子内に1つのエチレン性不飽和結合を有するモノマー(前記(a2)は除く):構成比率0質量%〜40質量%
(上記構成比率は、(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の各モノマーの割合(質量%)を示す)
前記アクリル系ポリマーは、(a2)及び(a3)を構成単位とするので、前記アクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層は、良好な金属接着性と加熱解体性を発揮する。(a2)や(a3)は、粘着剤層の接着力や凝集力の向上に寄与するためである。
また(a2)は分子内に少なくとも1つの窒素原子を有するモノマーであって、前記アクリル系ポリマーのアミン当量に関係する。すなわち(a2)を構成単位として用いることで、前記アクリル系ポリマーのアミン当量を調整することができる。
また(a3)は(a2)の効果を高める成分でもあるので、前記アクリル系ポリマーは、(a3)を含むことが好ましい。
また、(a2)や(a3)は金属面との間に相互作用が生じる官能基を有するモノマーではないので、前記アクリル系粘着剤層は、接着力が経時で上昇しにくい。このため、長期間保存後であっても加熱解体性が低下することはない。この点で、前記アクリル系ポリマーは好ましい。
なお、本明細書において、「ホモポリマーとした時のガラス転移温度(Tg)」とは、「当該モノマーの単独重合体のガラス転移温度(Tg)」を意味し、あるモノマー(「モノマーX」と称する場合がある)のみをモノマー成分として形成される重合体のガラス転移温度(Tg)を意味する。具体的には、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons,Inc,1989年)に数値が挙げられている。なお、前記文献に記載されていない単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、例えば、以下の測定方法により得られる値をいう。すなわち、温度計、撹拌機、窒素導入管及び還流冷却管を備えた反応器に、モノマーX100質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部及び重合溶媒として酢酸エチル200質量部を投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌する。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33質量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液を剥離ライナー上に流延塗布し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。そして、この試験サンプルをアルミニウム製のオープンセルに約1〜2mg秤量し、温度変調DSC(商品名「Q−2000」 ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて、50ml/minの窒素雰囲気下で昇温速度5℃/minにて、ホモポリマーのReversing Heat Flow(比熱成分)挙動を得る。JIS−K−7121を参考にして、得られたReversing Heat Flowの低温側のベースラインと高温側のベースラインを延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度をホモポリマーとした時のガラス転移温度(Tg)とする。
また、本明細書において、「エチレン性不飽和結合」とは、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を意味する。また、エチレン性不飽和結合を有する基としては、特に限定されないが、例えば、ビニル基、ビニリデン基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。さらに、本明細書において、「単官能」とはエチレン性不飽和結合を分子内に1つ有することを意味し、「多官能」とはエチレン性不飽和結合を分子内に2つ以上有することを意味する。
前記アクリル系粘着剤層は、アクリル系粘着剤組成物により形成される。すなわちアクリル系粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤層を構成する前駆体として定義される。
前記アクリル系粘着剤組成物は、粘着剤層の形成方法によって異なり、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマーを必須成分とするアクリル系粘着剤組成物、アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分の混合物(「モノマー混合物」と称する場合がある)又はその部分重合物を必須成分とするアクリル系粘着剤組成物などが挙げられる。特に限定されないが、前者としては、例えば、いわゆるエマルジョン型、溶剤型、熱溶融型(ホットメルト型)の粘着剤組成物などが挙げられる。すなわち、モノマー混合物をエマルジョン重合、溶液重合、バルク重合などの方法で重合してアクリル系ポリマーを得、これに熱膨張性微粒子を配合することで得られるアクリル系粘着剤組成物である。一方、後者としては、例えば、いわゆる活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物などが挙げられる。すなわち、モノマー混合物又はその部分重合物に熱膨張性微粒子を配合することで得られるアクリル系粘着剤組成物である。
前者のアクリル系粘着剤組成物は、適宜な基材(支持体)上にアクリル系粘着剤組成物を層状に設け、アクリル系粘着剤組成物中に溶媒(例えばトルエンや酢酸エチルなどの有機溶媒や水)が含まれている場合はこれを乾燥除去することで、アクリル系粘着剤組成物をアクリル系粘着剤層へ変換することができる。一方、後者のアクリル系粘着剤組成物は、適宜な基材(支持体)上にアクリル系粘着剤組成物を層状に設け、加熱するか、紫外線に代表される活性エネルギー線を照射することでモノマー成分を重合しアクリル系ポリマーを得ることで、アクリル系着剤組成物をアクリル系粘着剤層へ変換することができる。なお、これらのアクリル系粘着剤組成物は、必須成分(アクリル系ポリマー、あるいは、モノマー混合物又はその部分重合物、熱膨張性微小球)の他に、必要に応じて、その他の添加剤を含んでいてもよい。
前記「モノマー混合物」とは、アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分のみからなる混合物を意味する。また、前記「部分重合物」とは、前記モノマー混合物の構成成分のうち1又は2以上の成分が部分的に重合している組成物を意味する。
中でも、前記アクリル系粘着剤組成物は、モノマー混合物又はその部分重合物を必須成分とするアクリル系粘着剤組成物(活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物)であることが好ましい。
前記の通り、ここに開示される技術において、前記アクリル系ポリマーは、下記モノマー(a1)、(a2)及び(a3)を構成単位とし、下記構成比率で構成されていることが好ましい。すなわち前記アクリル系ポリマーは、下記モノマー(a1)、(a2)及び(a3)を、下記構成比率で含むモノマー混合物を重合して得られるものであることが好ましく、前記アクリル系ポリマーは、下記モノマー(a1)、(a2)及び(a3)を、下記構成比率で含むモノマー混合物又はその部分重合物を含有するアクリル系粘着剤組成物により形成されることが特に好ましい。
(a1)ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃未満である、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート:構成比率40質量%〜90質量%
(a2)分子内に少なくとも1つの窒素原子と、1つのエチレン性不飽和結合とを有するモノマー:構成比率5質量%〜40質量%
(a3)ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃以上である、分子内に1つのエチレン性不飽和結合を有するモノマー(前記(a2)は除く):構成比率0質量%〜40質量%
(上記構成比率は、(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の各モノマーの割合(質量%)を示す)
なお、本明細書では、「モノマー(a1)、(a2)及び(a3)を含むモノマー混合物又はその部分重合物を含有するアクリル系粘着剤組成物」を「アクリル系粘着剤組成物A」と称する場合がある。
(a1)は、ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃未満である、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーである。また、(a1)は、分子内に1の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであり、分子内に1のエチレン性不飽和結合を有するモノマーである。(a1)はいわゆる単官能モノマーである。なお、前記アクリル系粘着剤組成物Aに含有されるモノマー混合物において、(a1)は、必須のモノマー成分である。
(a1)としては、例えば、下記表1に示すものが挙げられる。なお、(a1)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
Figure 2013253239
中でも、(a1)は、ホモポリマーとした時のガラス転移温度が−20℃未満である炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、より好ましくはホモポリマーとした時のガラス転移温度が−40℃未満である炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーである。
具体的には、(a1)は、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、2−
エチルブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレートが好ましく、より好ましくはn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートである。
前記アクリル系ポリマーの構成単位において、(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a1)の構成比率は、40〜90質量%が好ましく、より好ましくは50〜85質量%であり、さらに好ましくは60〜80質量%である。(a1)の構成比率が40質量%以上であると、粘着剤層の柔軟性が保たれ、良好な金属接着性を得ることができ好ましい。また、(a1)の構成比率が90質量%以下であるとその他(a2)、(a3)などのモノマーによる効果が期待でき、良好な金属接着力の他、耐反撥性、凝集性など各種接着特性のバランスが図れ、好ましい。
なお前記アクリル系粘着剤組成物Aよりアクリル系粘着剤層を得る場合、モノマー混合物はほぼ100%アクリル系ポリマーに変換されることから、前記アクリル系粘着剤組成物Aのモノマー混合物において、モノマー(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a1)の含有率は、前記アクリル系ポリマーにおける(a1)の構成比率に対応する。すなわち前記アクリル系粘着剤組成物Aのモノマー混合物において、モノマー(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a1)の含有率は、40〜90質量%が好ましく、より好ましくは50〜85質量%であり、さらに好ましくは60〜80質量%である。
なお、前記アクリル系ポリマーが、(a1)の代わりに、「ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃を超える、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーを含有するモノマー混合物又はその部分重合物」を含有していると、形成される粘着剤層の金属接着力が低下しやすくなる。また、前記アクリル系ポリマーが、(a1)の代わりに、「ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃を超える、炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーを含有するモノマー混合物又はその部分重合物」や、「ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が0℃を超える、炭素数12を超えるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーを含有するモノマー混合物又はその部分重合物」を含有していると、形成される粘着剤層の金属接着力が低下しやすくなる。
(a2)は、分子内に少なくとも1つの窒素原子と1つのエチレン性不飽和結合を有するモノマーである。(a2)は、エチレン性不飽和結合を分子内に1つ有することから、単官能モノマーである。(a2)は(a1)の共重合性成分である。(a2)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
(a2)は、分子内に少なくとも1つの窒素原子と1つのエチレン性不飽和結合を有するモノマーであれば特に限定されないが、N−ビニル環状アミド、(メタ)アクリルアミド類からなる群より選択される少なくとも1のモノマーであることが好ましい。
前記N−ビニル環状アミドとしては、例えば、下記式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2013253239
(式(1)中、Rは2価の有機基を示す。)
なお、式(1)において、Rは、好ましくは飽和炭化水素基であり、より好ましくは炭素数3〜5のアルキレン基などである。
前記N−ビニル環状アミドとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロールなどが挙げられる。
また、前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。N−アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチルアクリルアミドなどが挙げられる。さらに、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドのようなアミノ基含有(メタ)アクリルアミドなども挙げられる。次に、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
さらには、前記(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルロイルモルフォリン、(メタ)アクリロイルピロリドン、(メタ)アクリロイルピロリジンなどのN−アクリロイル基を有する環状(メタ)アクリルアミドも挙げられる。
さらにまた、前記(メタ)アクリルアミド類としては、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を有するN−ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリルアミドモノマーが挙げられる。該炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を有するN−ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリルアミドモノマーとしては、例えば、下記式(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2013253239
(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜10の飽和炭化水素基を示す。)
なお、式(2)において、Rは、直鎖状の鎖状構造を有していてもよく、分岐鎖状の鎖状構造を有していてもよい。
前記炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を有するN−ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリルアミドモノマーとしては、例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)メタクリルアミド、N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
さらに、前記N−ビニル環状アミド及び前記(メタ)アクリルアミド類以外の(a2)としては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有するモノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド骨格を有するモノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマーなどが挙げられる。
(a2)は、前記アクリル系粘着剤層における接着信頼性と柔軟性とのバランスの取りやすさの点から、N−ビニル−2−ピロリドンやN−ビニル−2−カプロラクタム;炭素数が1〜4(より好ましくは1又は2)のN−アルキル基を1個または2個有する(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのN,N−ジアルキルアクリルアミド);N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)アクリルアミドなどが好ましい。特に、(a2)は、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−カプロラクタムが好ましく、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−カプロラクタムが最も好ましい。
前記アクリル系ポリマーの構成単位において、(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a2)の構成比率は、5質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは10質量%〜38質量%、さらに好ましくは15質量%〜30質量%である。(a2)の構成比率が5質量%以上であると、良好な金属接着性が得られ好ましい。また、(a2)の含有量が40質量%以下であると、適度な柔軟性が得られ、良好な金属接着性を得ることができ、またその他の接着特性を低下させることが無く好ましい。
前記(a1)同様、前記アクリル系粘着剤組成物Aよりアクリル系粘着剤層を得る場合、モノマー混合物はほぼ100%アクリル系ポリマーに変換されることから、前記アクリル系粘着剤組成物Aのモノマー混合物において、モノマー(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a2)の含有率は、前記アクリル系ポリマーにおける(a2)の構成比率に対応する。すなわち前記アクリル系粘着剤組成物Aのモノマー混合物において、モノマー(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a2)の含有率は、5質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは10質量%〜38質量%、さらに好ましくは15質量%〜30質量%である。
(a3)は、ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃以上である、分子内に1のエチレン性不飽和結合を有するモノマーである。(a3)には、前記(a2)は含まれない。(a3)は、エチレン性不飽和結合を分子内に1つ有することから、単官能モノマーである。(a3)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられていてもよい。
(a3)としては、例えば、下記表2に示すものが挙げられる。
Figure 2013253239
中でも、(a3)は、ホモポリマーとした時のガラス転移温度が10℃以上である、分子内に1つのエチレン性不飽和結合を有するモノマー(前記(a2)は除く)が好ましく、より好ましくはホモポリマーとした時のガラス転移温度が15℃以上である、分子内に1つのエチレン性不飽和結合を有するモノマー(前記(a2)は除く)である。
ここに開示される金属面保護用粘着シートにおいて、粘着剤層の主成分であるアクリル系ポリマーのモノマー構成単位として(a3)を含むことは、接着時の接着信頼性と剥離解体性を付与するという利点がある。これは(a3)の極性が低いことと、ガラス転移温度が高いためであると考えられる。
また、(a3)は、分子内に被着体との間で相互作用を生じさせる構造(例えば、酸性基など)を有しないことや、粘着剤層の弾性や柔軟性を調整することから、「ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃以上である、(メタ)アクリロイルオキシ基と第3級炭素原子とが結合している構造を有する(メタ)アクリレートモノマー」や、「ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃以上である、(メタ)アクリロイルオキシ基と単環又は多環の脂環式炭化水素の環を構成する炭素原子とが結合している構造を有する(メタ)アクリレートモノマー」が好ましい。
具体的には、(a3)は、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、フルフリルアクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが好ましく、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが、重合性の点から、より好ましい。さらに、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレートが高Tgであり、特に好ましい。
前記アクリル系ポリマーの構成単位において、(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a3)の構成比率は、0質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜30質量%、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。(a3)の構成比率が3質量%以上であると、良好な金属接着性が得られ好ましい。また、(a3)の含有量が40質量%以下であると、金属接着性の低下を防ぐことができ、またその他の接着特性を低下させることが無く好ましい。
前記(a1)同様、前記アクリル系粘着剤組成物Aよりアクリル系粘着剤層を得る場合、モノマー混合物はほぼ100%アクリル系ポリマーに変換されることから、前記アクリル系粘着剤組成物Aのモノマー混合物において、モノマー(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a3)の含有率は、前記アクリル系ポリマーにおける(a3)の構成比率に対応する。すなわち前記アクリル系粘着剤組成物Aのモノマー混合物において、モノマー(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a3)の含有率は、0質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜30質量%、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
前記アクリル系ポリマーの構成単位としては、本発明の効果を損なわない範囲で、(a1)、(a2)、(a3)と共に、共重合性モノマー(a4)を含んでいてもよい。(a4)には、前記(a1)、前記(a2)、前記(a3)及び後述の多官能モノマーは含まれない。(a4)は、分子内に1のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノマーである。また、(a4)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。なお、(a4)の含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を損なわない範囲で選択される。
一方、前述のとおり、ここに開示される技術においてはアクリル系ポリマー中のカルボン酸当量は0.0000当量/gであることが望ましく、アクリル系ポリマー中にはカルボキシル基を有さないことが望ましい。また腐食性の観点からは、カルボキシル基以外の酸性官能基についても実質的に含まないことが望ましい。従って、ここに開示されるアクリル系ポリマーを構成するモノマー構成単位としては、カルボキシル基やカルボキシル基以外の酸性官能基を有するモノマーを実質的に含まないことが望ましい。
前記酸性官能基とは、活性水素を有する官能基をいう。前記酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられる。酸性官能基を「実質的に含まない」とは、不可避的に混入する場合を除いて能動的に配合しないことを指す。具体的には、前記アクリル系ポリマーを構成する構成単位全量における、酸性官能基を有するモノマーの割合(質量%)が、1質量%未満であり、好ましくは0.5質量%未満であることを意味する。
前記酸性官能基を有するモノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマーなどが挙げられる。前記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。また、無水マレイン酸や無水イタコン酸などの酸無水物モノマーも挙げられる。前記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などが挙げられる。リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどが挙げられる。
金属面への接合時に良好な接着力を得る点、及び、剥離解体性の点より、前記アクリル系ポリマーの構成単位において、(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a1)の構成比率が40〜90質量%であり、(a2)の構成比率が5〜40質量%であり、(a3)の構成比率が0〜40質量%であることが好ましい。すなわち、ここに開示される金属面保護用粘着シートは、(a1)、(a2)及び(a3)を含むモノマー混合物又はその部分重合物を含有し、該モノマー混合物における(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a1)の含有量が40〜90質量%であり、(a2)の含有量が5〜40質量%であり、(a3)の含有量0〜40質量%であるアクリル系粘着剤組成物Aにより形成されるアクリル系粘着剤層を有することが特に好ましい。
また金属面への接合時に良好な接着力を得る点、及び、剥離解体性の点より、前記アクリル系ポリマーの構成単位において、また前記アクリル系粘着剤組成物Aのモノマー混合物では、(a2)と(a3)の割合(質量比)が(a2)/(a3)=1/1〜4/1であることが好ましく、1.5/1〜3.5/1であることがより好ましく、2/1〜3/1であることが更に好ましい。(a2)と(a3)の割合(質量比)が(a2)/(a3)=1/1〜4/1であれば、良好な金属接着力を得ることができる。一方(a2)と(a3)の含有割合(質量比)が1/1未満であるような場合は、(a3)モノマーに対する(a2)モノマーの割合が少なくなり、良好な金属接着力が得られない場合がある。また(a2)と(a3)の含有割合(質量比)が4/1を超えるような場合は、(a2)モノマーに対する(a3)モノマーの割合が少なくなり、良好な金属接着力が得られない場合がある。
また、前記アクリル系粘着剤組成物Aでは、前記のモノマー混合物又はその部分重合物とともに、前記熱膨張性微粒子を含有することが好ましい。
すなわち、前記アクリル系粘着剤層は、モノマー(a1)、(a2)及び(a3)を含むモノマー混合物又はその部分重合物、並びに、熱膨張性微粒子を含有し、(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の(a1)の含有率が40〜90質量%であり、(a2)の含有率が5〜40質量%であり、(a3)の含有率が0〜40質量%であるアクリル系粘着剤組成物Aにより形成されることが特に好ましい。
前記アクリル系粘着剤組成物A中の前記熱膨張性微粒子の含有量は、特に限定されないが、前記(a1)同様、前記アクリル系粘着剤組成物Aよりアクリル系粘着剤層を得る場合、モノマー混合物はほぼ100%アクリル系ポリマーに変換されることから、前記アクリル系粘着剤組成物Aのモノマー混合物又はその部分重合物100質量部に対する前記熱膨張性微粒子の含有量は、前記アクリル系ポリマーに対する前記熱膨張性微粒子の含有量に対応する。すなわち前記アクリル系粘着剤組成物Aのモノマー混合物において前記熱膨張性微粒子は、前記モノマー混合物又はその部分重合物100質量部に対して、10質量部〜200質量部が好ましく、より好ましく20質量部〜125質量部であり、さらに好ましくは25質量部〜100質量部であり、特に好ましくは25質量部〜80質量部である。前記熱膨張性微粒子の含有量が10質量部以上であると、良好な加熱解体性を得ることができる。また、前記熱膨張性微粒子の含有量が200質量部以下であると、良好な金属接着性を得ることができ、その他の接着特性を低下させることが無く好ましい。
さらに、前記アクリル系粘着剤組成物Aには、前記熱膨張性微粒子とともに、熱重合開始剤や光重合開始剤などの重合開始剤が含有されていることが好ましい。前記アクリル系粘着剤組成物Aが重合開始剤を含有していると、アクリル系粘着剤層を形成する際に、熱や活性エネルギー線による硬化反応を有効に利用することができるので、熱膨張性微粒子が混合された形態でアクリル系粘着剤組成物Aを硬化させてアクリル系粘着剤層を容易に得ることができる。つまり、前記アクリル系粘着剤組成物Aが重合開始剤を含有していると、熱膨張性微粒子が安定して含有された構造を有するアクリル系粘着剤層を容易に得ることができる。特に、前記アクリル系粘着剤組成物Aは後述のように光重合開始剤を含有することが好ましいので、活性エネルギー線を用いた重合反応(光硬化反応)を利用して、熱膨張性微粒子が安定して含有された構造を有するアクリル系粘着剤層を容易に得ることができる。なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
特に、アクリル系粘着剤組成物Aによるアクリル系粘着剤層形成時の硬化時間を短くすることができる点から、前記重合開始剤は光重合開始剤が好ましい。また、活性エネルギー線による硬化反応を利用する際に照射される活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線、紫外線などが挙げられ、中でも紫外線が好ましい。なお、活性エネルギー線の照射エネルギーやその照射時間などは、特に限定されないが、重合反応を阻害しない範囲で適宜選択される。
前記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の具体例としては、ケタール系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン社製)などが挙げられる。α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名「ダロキュア1173」、BASFジャパン社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名「イルガキュア2959」、BASFジャパン社製)などが挙げられる。α−アミノケトン系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名「イルガキュア907」、BASFジャパン社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名「イルガキュア369」、BASFジャパン社製)などが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(商品名「ルシリンTPO」、BASFジャパン社製)などが挙げられる。
前記アクリル系粘着剤組成物A中の前記重合開始剤の含有量は、その種類によっても異なり、特に限定されないが、光重合開始剤の場合、前記モノマー混合物100質量部に対して、0.001質量部〜5質量部が好ましく、より好ましく0.01質量部〜5質量部であり、さらにより好ましくは0.05質量部〜3質量部である。前記光重合開始剤の含有量が0.001質量部以上であると、重合反応に要する時間が長くなることを抑制でき好ましい。また、5質量部以下であると、アクリル系粘着剤層に含まれるアクリル系ポリマーの分子量低下を抑制し、粘着特性のバラツキを抑制できるので好ましい。
さらにまた、前記アクリル系粘着剤組成物Aは、アクリル系粘着剤層の弾性や柔軟性を調整したり、さらには、アクリル系粘着剤層の凝集力を上げて、接着力を向上させる点から、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有するモノマーを構成成分とすることが好ましい。また、加熱処理による熱膨張性微粒子の発泡に伴う接着力の低下を効率よく生じさせることができる点からも、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有するモノマーを含有することが好ましい。なお、本明細書では、「分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有するモノマー」を「多官能モノマー」と称する場合がある。また、前記多官能モノマーには、前記(a2)及び前記(a3)は含まれない。なお、多官能モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
前記多官能モノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有し、少なくとも1のエチレン性不飽和結合が(メタ)アクリロイル基中のエチレン性不飽和結合であるモノマーが好ましい。本明細書では、「分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有し、少なくとも1のエチレン性不飽和結合が(メタ)アクリロイル基中のエチレン性不飽和結合であるモノマー」を「多官能(メタ)アクリレート」と称する場合がある。なお、該多官能(メタ)アクリレートでは、分子内のエチレン性不飽和結合が全て(メタ)アクリロイル基中のエチレン性不飽和結合であってもよい。
前記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、末端に(メタ)アクリロイル基を複数個有する反応性ハイパーブランチポリマー(例えば、商品名「CN2300」「CN2301」「CN2320」、SARTOMER社製など)などが挙げられる。なお、多官能(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
前記アクリル系粘着剤組成物A中の前記多官能モノマーの含有量は、特に限定されない。具体的には、前記アクリル系粘着剤組成物Aにおいて前記多官能(メタ)アクリレートを含有する場合、その含有量は、前記モノマー混合物100質量部に対して、5質量部以下(例えば0.001質量部〜5質量部)が好ましく、より好ましくは3質量部以下(例えば0.001質量部〜3質量部)であり、さらにより好ましくは1質量部以下(例えば0.001質量部〜1質量部)である。多官能(メタ)アクリレートの含有量が5質量部以下であると、アクリル系粘着剤層の柔軟性が確保され、良好な金属接着性が得られるので、好ましい。また、多官能(メタ)アクリレートの含有量が0.001質量部以上であると、アクリル系粘着剤層において十分な凝集力が得られ、良好な接着信頼性を得ることができ好ましい。
なお、前記アクリル系粘着剤組成物Aでは、前記多官能モノマー(特に多官能(メタ)アクリレート)は、後述のアクリル系粘着剤層の溶剤不溶分(ゲル分率)が所望の溶剤不溶分になるように適宜調整して含有されることが好ましい。
さらにまた、前記アクリル系粘着剤組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、添加剤が含有されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤などの架橋剤;ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などの粘着付与剤;可塑剤;充填剤;老化防止剤;界面活性剤などが挙げられる。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
前記アクリル系粘着剤組成物は、その取り扱い上、塗工に適した粘度(通常、B型粘度計における粘度測定において、測定温度:25℃の条件で測定された粘度として、0.3Pa・s〜40Pa・s)に、調整されてもよい。前記粘度を得る点から、前記アクリル系粘着剤組成物Aでは、前記モノマー混合物の部分重合物を含有することが好ましい。また、増粘用ポリマーが配合されていてもよい。
前記のように、前記モノマー混合物の部分重合物は、前記モノマー混合物に含まれるモノマー成分のうち1又は2以上のモノマー成分が部分的に重合している組成物のことをいう。前記モノマー混合物の部分重合物は、その重合率により、粘性を有するシロップ状のことがある。
前記モノマー混合物の部分重合物は、前記モノマー混合物に含まれるモノマー成分の一部を重合させることにより得られる。例えば、モノマー混合物の部分重合物は、酸素との接触を避けて活性エネルギー線(特に紫外線)をモノマー混合物に照射することにより得られる。
前記モノマー混合物の部分重合物の重合率は、特に限定されないが、前記アクリル系粘着剤組成物Aを取り扱いや塗工に適した粘度とする点から、2質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは5質量%〜20質量%である。前記部分重合物の重合率は、以下のようにして求められる。
<部分重合物の重合率の測定方法>
部分重合物の一部をサンプリングし、精秤して1gの試料を得る。とする。これを「乾燥前の部分重合物の重量」(1g)とする。次に、試料を130℃で2時間乾燥して、乾燥後の試料を精秤しその重量を求めて、「乾燥後の部分重合物の重量」とする。そして、「乾燥前の部分重合物の重量」及び「乾燥後の部分重合物の重量」から、130℃で2時間の乾燥により減少した試料の重量を求め、「重量減少量」(揮発分、未反応モノマー重量)とする。
得られた「乾燥前の部分重合物の重量」及び「重量減少量」から、下記式より、部分重合物の重合率(質量%)を求める。
部分重合物の重合率(質量%)=[1−(重量減少量)/(乾燥前の部分重合物の重量)]×100
前記アクリル系粘着剤組成物Aの作製方法としては、特に限定されないが、例えば、前記モノマー混合物又はその部分重合物に、熱膨張性微粒子と必要に応じて添加される成分(例えば、前記光重合開始剤、前記多官能(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー、その他の添加剤など)を配合することが挙げられる。
前記アクリル系粘着剤層は、公知または慣用の方法により形成される。例えば、剥離フィルムや基材などの適当な支持体上に、前記アクリル系粘着剤組成物を塗布してアクリル系粘着剤組成物層を得て、次に、該アクリル系粘着剤組成物層を、必要に応じて乾燥や硬化(例えば、熱や活性エネルギー線による硬化)をさせることにより形成される。なお、活性エネルギー線による硬化(光硬化)を利用する場合には、光重合反応は空気中の酸素に阻害されるので、例えば、粘着剤組成物層上に剥離フィルムを貼り合わせること、窒素雰囲気下で光硬化させること等により、酸素を遮断することが好ましい。
活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、中でも紫外線が好ましい。また、活性エネルギー線の照射エネルギーやその照射時間は、モノマー成分の反応を生じさせることができればよく、特に限定されない。活性エネルギー線の照射の好ましい態様としては、例えば、波長300nm〜400nmにおける照度1mW/cm〜200mW/cmである紫外線の光量400mJ/cm〜4000mJ/cmの照射が挙げられる。
活性エネルギー線として紫外線を照射する際に用いられる光源は、波長180nm〜460nm(好ましくは300nm〜400nm)の領域にスペクトル分布を持つものである限り特に限定されないが、例えば、ケミカルランプ、ブラックライト(例えば、東芝ライテック社製のブラックライト)、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの一般の照射装置が挙げられる。また、前記波長より長波長あるいは短波長の電磁放射線を発生させることができる照射装置も挙げられる。
前記アクリル系粘着剤層の溶剤不溶分(ゲル分率)は、50質量%以上(例えば50質量%〜90質量%)であり、好ましくは60質量%以上(例えば60質量%〜90質量%)、より好ましくは65質量%以上(例えば65質量%〜85質量%)である。溶剤不溶分が50質量%以上であると、良好な加熱解体性が得られやすくなる。また、良好な金属接着性を得る点からも好ましい。また、溶剤不溶分が90質量%以下であると、粘着剤層の濡れ性が向上し、良好な金属接着性を得ることができ、好ましい。
前記アクリル系粘着剤層の溶剤不溶分は、粘着剤層中の「溶剤不溶成分の割合」を指し、以下の「粘着剤層の溶剤不溶分の測定方法」により算出される値である。なお、粘着剤層の溶剤不溶分には、溶剤に不溶の熱膨張性微粒子も含まれる。
<粘着剤層の溶剤不溶分の測定方法>
粘着剤層を約1g採取し、これを試料とする。該試料を精秤し、その重量を求めて、「浸漬前の粘着剤層の重量」とする。次に、試料を酢酸エチル40gに7日間浸漬した後、酢酸エチルに不溶解な成分(不溶解部分)を全て回収し、回収した全不溶解部分を130℃で2時間乾燥させてから、その重量を求めて、「不溶解部分の乾燥重量」とする。そして、得られた数値を以下の式に代入して算出する。
粘着剤層の溶剤不溶分(%)=[(不溶解部分の乾燥重量)/(浸漬前の粘着剤層の重量)]×100
前記アクリル系粘着剤層の厚さは、適宜選択されるが、表面の平滑性を保持するため、熱膨張性微粒子を含む場合には最大粒径以上とすることが好ましい。前記アクリル系粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、接着信頼性、剥離解体性、及び、後述の金属接着力を所望の値とする点より、10μm〜2000μmが好ましく、より好ましくは30μm〜1000μmであり、さらに好ましくは50μm〜500μmである。なお、前記アクリル系粘着剤層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
(基材)
前記より、ここに開示される金属面保護用粘着シートは、基材の少なくとも片面に前記アクリル系粘着剤層が形成されている。このような基材としては、特に限定されないが、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;各種樹脂(オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)など)によるフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)などが挙げられる。なお、基材として、後述の発熱層が用いられていてもよい。
さらに、前記基材としては、熱収縮フィルムも挙げられる。熱収縮フィルムは、延伸フィルムの分子配向に基づく内部応力などを利用して、加熱によって少なくとも任意の一軸方向に対し収縮が生じるフィルムである。基材が熱収縮フィルムであると、粘着シートのガラス面からの剥離時に加熱することで、基材の熱収縮(変形)による剥離効果が生じ、容易にその接着強度を低下させることができる。また、基材が熱収縮フィルムであると、後述のガラス接着力を容易に調整することができる。
なお、基材としての熱収縮フィルムの少なくとも片面側に熱膨張性微粒子を含有する前記アクリル系粘着剤層を有する基材付き粘着シートであると、粘着シートのガラス面からの剥離時に加熱することで、熱膨張性微粒子の発泡によるアクリル系粘着剤層の変形による接着力の低下に加え、熱収縮フィルムの熱収縮(変形)による剥離効果が加わり、より容易にその接着強度を低下させることができる。
前記熱収縮フィルムとしては、70℃〜180℃の何れかの温度(例えば、80℃、145℃、170℃など)において、下記測定方法で評価される主収縮方向に対する収縮率が5%以上(より好ましくは8%以上、さらに好ましくは10%以上、特に好ましくは20%以上)である熱収縮フィルムが好ましい。収縮率が5%以上であると、粘着剤層を被着体から引きはがす力が働き、効率的な剥離が生じやすくなり、好ましい。なお、収縮率が5%未満であると、熱収縮フィルムの体積変形が十分に得られず、効率的な剥離が生じにくくなる場合がある。また、前記収縮率の上限は、通常、90%である。
<収縮率の測定方法>
室温(23℃)において任意のサイズ(例えば20mm×20mm程度)の正方形状(一辺は流れ方向に対して平行になるよう)に切り取った熱収縮フィルムを熱風乾燥機の中に投入し、所定の温度で4分間加熱処理し、加熱処理前後のフィルムの各4辺のサイズを測定し、以下に示す式で各4辺の収縮率を算出する。最も収縮率の大きい辺の収縮率の値を主収縮方向の収縮率とする。
収縮率(%)=[(収縮前の寸法−収縮後の寸法)/収縮前の寸法]×100
特に、基材としての熱収縮フィルムの少なくとも片面側に熱膨張性微粒子を含有する前記アクリル系粘着剤層を有する金属面保護用粘着シートにおいて、前記熱収縮フィルムは、熱膨張性微粒子が膨張する温度(膨張温度、発泡温度)で、前記測定方法で評価される主収縮方向に対する収縮率が5%以上(より好ましくは10%以上)であることが好ましい。熱収縮フィルムの収縮と熱膨張性微小球の膨張とが同じタイミングで起こると、(i)熱収縮フィルムの収縮による粘着剤層の変形により被着体から剥離する作用と、(ii)熱膨張性微粒子の膨張及び/又は発泡によるアクリル系粘着剤層の膨張変形に伴う粘着剤層表面の凹凸形状への変形により接着力が低下または喪失する作用との相乗効果が生じるためである。
前記熱収縮フィルムを構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂;ポリノルボルネン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリ塩化ビニリデン樹脂;ポリスチレン樹脂などが挙げられる。なお、前記材料は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられていてもよい。
中でも、前記熱収縮フィルムを構成する材料としては、ポリエステル樹脂が好ましい。すなわち、前記熱収縮フィルムは、ポリエステル樹脂製の熱収縮フィルムであることが好ましい。ポリエステル樹脂製の熱収縮フィルムは、粘着剤層との接着力(投錨力)が高く、下塗り処理を必要としないという利点がある。
前記熱収縮フィルムは、市販品であってもよい。前記熱収縮フィルムの市販品としては、例えば、商品名「スペースクリーン」(東洋紡績株式会社製)、商品名「ファンシーラップ」(グンゼ株式会社製)、商品名「トレファン」(東レ株式会社製)、商品名「アートン」(JSR株式会社製)、商品名「ゼオノア」(日本ゼオン株式会社製)、商品名「サンテック」(旭化成株式会社製)などが挙げられる。
前記基材の厚さ(特に前記熱収縮フィルムの厚さ)としては、特に限定されないが、例えば、10μm〜500μmが好ましく、より好ましくは12μm〜200μmであり、さらに好ましくは15μm〜100μmである。なお、前記基材は、単層の形態を有していてもよく、複層の形態を有していてもよい。また、基材には、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理、下塗り処理などの各種処理が施されていてもよい。
(その他の層)
ここに開示される金属面保護用粘着シートは、前記アクリル系粘着剤層や前記基材の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の層を有していてもよい。
前記その他の層としては、発熱層が挙げられる。発熱層は、必要な時に発熱可能な層である。ここに開示される金属面保護用粘着シートが発熱層を有していると、発熱層を発熱させることにより、基材としての熱収縮フィルムの収縮や、熱膨張性微粒子を含有するアクリル系粘着剤層における熱膨張性微粒子の膨張及び/又は発泡による粘着剤層の膨張変形を生じさせることができる。
前記発熱層は、特に限定されないが、面状発熱体が好ましい。面状発熱体は、通電することによって発熱し、形状が平板状やシート状の発熱素子を少なくとも有する。形状が平板状やシート状の発熱素子としては、例えば、金属箔、金属板、シート状グラファイトカーボン、カーボン粉末又は金属粉末などを含むシート状の材料などが挙げられる。また、面状発熱体は、形状が平板状やシート状の発熱素子を被覆する電気絶縁性シートを含んでいてもよい。
前記発熱層の厚みは、特に限定されないが、10μm〜300μmが好ましく、より好ましくは10μm〜150μmである。
なお、ここに開示される金属面保護用粘着シートは、前記面状発熱体を基材とする基材付きタイプの粘着シートであってもよい。
さらに、前記その他の層としては、中間層、下塗り層、前記アクリル系粘着剤層以外の粘着剤層などが挙げられる。
(剥離フィルム)
ここに開示される金属面保護用粘着シートは、粘着面を保護する目的で、使用時まで剥離フィルムにより保護されていてもよい。前記剥離フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、剥離処理剤(離型処理剤)により少なくとも一方の面が剥離処理(離型処理)された基材の他、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体など)からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂)からなる低接着性基材などが挙げられる。なお、低接着性基材では両面が剥離面として利用され、一方、剥離処理された基材では剥離処理された面が剥離面として利用される。剥離フィルムは、公知または慣用の方法により形成される。
前記剥離処理剤により少なくとも一方の面が剥離処理された基材における基材(剥離フィルム用基材)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのオレフィン系樹脂フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリイミドフィルム;ナイロンフィルムなどのポリアミドフィルム;レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)などが挙げられる。また、上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙などの紙類から構成される紙系基材も挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルムが好ましい。
前記剥離処理剤により少なくとも一方の面が剥離処理された基材(剥離フィルム用基材)における剥離処理剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤などが挙げられる。なお、剥離処理剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
前記剥離フィルムの厚さは、特に限定されない。また、前記剥離フィルムは、単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
(金属面保護用粘着シート)
ここに開示される金属面保護用粘着シートの金属板面に対する接着力(金属接着力)は、10.0N/20mm以上であり、好ましくは11.0N/20mm以上、より好ましくは12.0N/20mm以上(通常20.0N/20mm以下、好ましくは16.0N/20mm以下)である。
ここに開示される金属面保護用粘着シートは、前記金属接着力が10.0N/20mm以上であるので、金属板を保護する際には十分な接着力により強固に接着し、金属板を確実に保護することができる。ここに開示される技術における金属接着力は、後述の実施例において記載する方法、条件により、測定される。
ここに開示される金属面保護用粘着シートの厚さは、特に限定されないが、10μm〜2000μmであり、好ましくは30μm〜1000μmである。なお、金属面保護用粘着シートの厚さには、粘着面を保護する剥離フィルムの厚さは含まれない。
ここに開示される金属面保護用粘着シートの形態は、特に限定されないが、ロール状に巻回された形態であってもよく、シートが積層された形態であってもよい。すなわち、ここに開示される金属面保護用粘着シートは、シート状、テープ状などの形態を有することができる。
なお、ロール状に巻回された形態の金属面保護用粘着シートは、粘着面を剥離フィルムにより保護した状態でロール状に巻回された形態を有していてもよい。また、ロール状に巻回された形態の金属面保護用粘着シートは、基材の片面側(粘着剤層が形成されていない面)に剥離処理層(背面処理層)を形成し、粘着面を保護した状態でロール状に巻回された形態を有していてもよい。
また、ここに開示される粘着シートは、作製後に加工されて、シート状とは異なる形状を有していてもよい。例えば、任意な形状に打ち抜き加工されていても良い。
ここに開示される金属面保護用粘着シートの作製方法は、特に限定されないが、公知または慣用の方法により作製されてもよい。例えば、前記基材の少なくとも一方の面側に前記アクリル系粘着剤組成物を塗布してアクリル系粘着剤組成物層を得てから、該アクリル系粘着剤組成物層を硬化して、前記アクリル系粘着剤層を得ることにより作製される。また、前記基材の少なくとも一方の面側に、別途作製した前記アクリル系粘着剤層を転写することにより作製されてもよい。
ここに開示される金属面保護用粘着シートは、金属板面に対する使用時には接着力が大きく、金属板面からの剥離時には、自然剥離が可能な程度に接着力を小さくすることができる。さらに、ここに開示される金属面保護用粘着シートは、加熱により金属板面に対する接着性が低下する性質を有する。つまり、ここに開示される金属面保護用粘着シートは、加熱剥離性を有する。
また、ここに開示される金属面保護用粘着シートは、金属板面からの剥離時には自然剥離が可能な程度に接着力を小さくすることができる。つまり、易剥離性を有する。このため、ここに開示される金属面保護用粘着シートは、金属素材の搬送時の保護用途や、または金属板への一時的な化粧フィルム用途に好ましく用いられる。具体的には、車両及び各種機械用鋼板、金属加工部材や電子部品、タイヤホイールや風力発電ブレード、金属製看板や広告用外装フィルムなどにも用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(粘着剤組成物Aの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):70質量部、N−ビニルカプロラクタム(NVC):20質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA):10質量部よりなるモノマー混合物:100質量部、光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン株式会社製):0.05質量部、及び、光重合開始剤としての2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン株式会社製):0.05質量部を、4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で粘度(BH粘度系No.5ローター、10rpm、温度30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線を照射して、光重合させることにより、モノマー混合物の部分重合物(部分重合モノマーシロップ)を得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、7.2質量%であった。
この部分重合モノマーシロップ:100質量部に、熱膨張性微粒子(発泡剤、商品名「EXPANCEL 051DU40」、エクスパンセル社):30質量部、及び、多官能(メタ)アクリレートとしての1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.028質量部を添加し、これらを均一に混合して、粘着剤組成物Aを得た。
(粘着剤組成物Bの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):60質量部、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA):30質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA):10質量部よりなるモノマー混合物を用い、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、部分重合モノマーシロップを得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、12.6質量%であった。
この部分重合モノマーシロップを用いて、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、粘着剤組成物Bを得た。
(粘着剤組成物Cの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):70質量部、N−ビニルカプロラクタム(NVC):20質量部、t−ブチルアクリレート(t−BA):10質量部よりなるモノマー混合物を用い、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、部分重合モノマーシロップを得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、5.9質量%であった。
この部分重合モノマーシロップを用いて、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、粘着剤組成物Cを得た。
(粘着剤組成物Dの調製)
ラウリルアクリレート(LA):70質量部、N−ビニルピロリドン(NVP):20質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA):10質量部よりなるモノマー混合物を用い、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、部分重合モノマーシロップを得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、10.1質量%であった。
この部分重合モノマーシロップを用いて、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、粘着剤組成物Dを得た。
(粘着剤組成物Eの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):70質量部、N−ビニルピロリドン(NVP):20質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA):10質量部よりなるモノマー混合物を用い、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、部分重合モノマーシロップを得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、8.5質量%であった。
この部分重合モノマーシロップを用いて、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、粘着剤組成物Eを得た。
(粘着剤組成物Fの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):75質量部、アクリル酸(AA):25質量部よりなるモノマー混合物を用い、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、部分重合モノマーシロップを得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、7.0質量%であった。
この部分重合モノマーシロップを用いて、この部分重合モノマーシロップ:100質量部に、熱膨張性微粒子(発泡剤、商品名「EXPANCEL 051DU40」、エクスパンセル社):20質量部添加したこと以外は粘着剤組成物Aの調製と同様にして、粘着剤組成物Fを得た。
(粘着剤組成物Gの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):90質量部、アクリル酸(AA):10重量よりなるモノマー混合物を用い、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、部分重合モノマーシロップを得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、11.0質量%であった。
この部分重合モノマーシロップを用いて、この部分重合モノマーシロップ:100質量部に、熱膨張性微粒子(発泡剤、商品名「EXPANCEL 051DU40」、エクスパンセル社):20質量部添加したこと以外は粘着剤組成物Aの調製と同様にして、粘着剤組成物Gを得た。
(粘着剤組成物Hの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):70質量部、N−ビニルカプロラクタム(NVC):20質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA):9.5質量部、アクリル酸(AA):0.5重量よりなるモノマー混合物を用い、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、部分重合モノマーシロップを得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、6.7質量%であった。
この部分重合モノマーシロップを用いて、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、粘着剤組成物Hを得た。
(粘着剤組成物Iの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):80質量部、N−ビニルカプロラクタム(NVC):3質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA):17質量部よりなるモノマー混合物を用い、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、部分重合モノマーシロップを得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、6.7質量%であった。
この部分重合モノマーシロップを用いて、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、粘着剤組成物Iを得た。
(粘着剤組成物Jの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):30質量部、N−ビニルカプロラクタム(NVC):60質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA):10質量部よりなるモノマー混合物を用い、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、部分重合モノマーシロップを得た。なお、この部分重合モノマーシロップの重合率は、6.7質量%であった。
この部分重合モノマーシロップを用いて、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、粘着剤組成物Jを得た。
(基材の使用例1)
基材として、厚さ50μmのPETフィルム(商品名「ルミラー S−50」、東レ株式会社製)を使用した。このPETフィルムを基材Aとした。
(基材の使用例2)
基材として、熱収縮フィルム(商品名「スペースクリーンS7200」、東洋紡績株式会社製、厚さ30μm、145℃における収縮率35%)を使用した。この熱収縮フィルムを基材Bとした。
(剥離フィルムの使用例1)
剥離フィルムとして、一方の面がシリコーン系剥離処理剤で剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「DIAFOIL MRN−38」、三菱樹脂株式会社製)を使用した。この剥離フィルムを剥離フィルムAとした。
(実施例1)
(基材レス両面粘着シート)
粘着剤組成物Aを、剥離フィルムAの剥離処理面上に、硬化後の粘着剤層の厚さが50μmとなるように塗布して、粘着剤組成物層を形成した、次に、該粘着剤組成物層上に、別の剥離フィルムAを、剥離処理面と粘着剤組成物層とが接するように貼り合わせて、2枚の剥離フィルム間に粘着剤組成物層を有するシートを得た。
該粘着剤組成物層シートに、照度:4mW/cm、光量:1200mJ/cmの条件で紫外線を照射し、粘着剤組成物層を光硬化させ、粘着剤層Aを有する基材レス両面粘着シートを作製した。
この基材レス両面粘着シートは、剥離フィルムA/粘着剤層A/剥離フィルムAの積層構成を有する。
また、粘着剤層Aの厚さは50μmであり、粘着剤層Aの溶剤不溶分は81.8質量%であった。
(基材付き片面粘着シート)
前記で作製した実施例1の基材レス両面粘着シートの一方の剥離フィルムAを剥がして露出した粘着面に基材Aを貼り合わせて、基材付き片面粘着シートを作製した。
この基材付き片面粘着シートは、剥離フィルムA/粘着剤層A/基材Aの積層構成を有する。
(実施例2)
前記で作製した実施例1の基材レス両面粘着シートの一方の剥離フィルムAを剥がして露出した粘着面に基材Bを貼り合わせて、基材付き片面粘着シートを作製した。
この基材付き片面粘着シートは、剥離フィルムA/粘着剤層A/基材Bの積層構成を有する。
(実施例3)
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Bを使用し、硬化後の粘着剤層の厚さが100μmとなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤層Bを有する基材レス両面粘着シート及び基材付き片面粘着シートを作製した。
なお、粘着剤層Bの溶剤不溶分は81.8質量%であった。
(実施例4)
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Cを使用し、硬化後の粘着剤層の厚さが100μmとなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤層Cを有する基材レス両面粘着シート及び基材付き片面粘着シートを作製した。
なお、粘着剤層Cの溶剤不溶分は78.0質量%であった。
(実施例5)
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Dを使用し、硬化後の粘着剤層の厚さが100μmとなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤層Dを有する基材レス両面粘着シート及び基材付き片面粘着シートを作製した。
なお、粘着剤層Dの溶剤不溶分は65.4質量%であった。
(実施例6)
前記で作製した実施例5の基材レス両面粘着シートの一方の剥離フィルムAを剥がして露出した粘着面に基材Bを貼り合わせて、基材付き片面粘着シートを作製した。
この基材付き片面粘着シートは、剥離フィルムA/粘着剤層D/基材Bの積層構成を有する。
(実施例7)
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Eを使用し、硬化後の粘着剤層の厚さが100μmとなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤層Eを有する基材レス両面粘着シート及び基材付き片面粘着シートを作製した。
なお、粘着剤層Eの溶剤不溶分は73.6質量%であった。
(実施例8)
前記で作製した実施例7の基材レス両面粘着シートの一方の剥離フィルムAを剥がして露出した粘着面に基材Bを貼り合わせて、基材付き片面粘着シートを作製した。
この基材付き片面粘着シートは、剥離フィルムA/粘着剤層E/基材Bの積層構成を有する。
(比較例1)
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Fを使用し、実施例1と同様にして、粘着剤層Fを有する基材レス両面粘着シート及び基材付き片面粘着シートを作製した。
なお、粘着剤層Fの溶剤不溶分は72.2質量%であった。
(比較例2)
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Gを使用し、実施例1と同様にして、粘着剤層Gを有する基材レス両面粘着シート及び基材付き片面粘着シートを作製した。
なお、粘着剤層Gの溶剤不溶分は74.5質量%であった。
(比較例3)
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Hを使用し、硬化後の粘着剤層の厚さが100μmとなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤層Hを有する基材レス両面粘着シート及び基材付き片面粘着シートを作製した。
なお、粘着剤層Hの溶剤不溶分は80.6質量%であった。
(比較例4)
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Iを使用し、硬化後の粘着剤層の厚さが100μmとなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤層Iを有する基材レス両面粘着シート及び基材付き片面粘着シートを作製した。
なお、粘着剤層Iの溶剤不溶分は69.6質量%であった。
(比較例5)
粘着剤組成物Aの代わりに粘着剤組成物Jを使用し、硬化後の粘着剤層の厚さが100μmとなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤層Jを有する基材レス両面粘着シート及び基材付き片面粘着シートを作製した。
なお、粘着剤層Jの溶剤不溶分は78.4質量%であった。
(測定又は評価)
実施例及び比較例について、金属接着力、加熱解体性、及び、金属腐食性を測定又は評価した。その結果を表3に示した。
<金属接着力>
実施例及び比較例で作製した基材付き片面粘着シートを、幅20mm、長さ100mmのシート状に切断し、測定用サンプルとした。
次に、23℃雰囲気下、測定用サンプルから剥離フィルムAを剥がして、イソプロピルアルコールを染み込ませたクリーンウェスで10往復擦って洗浄した清浄な銅箔板(厚さ0.1mm)に、2kgローラー、1往復の条件で圧着して、貼り合わせた。そして、23℃で0.5時間エージングした。
エージング後、23℃雰囲気下、引張試験機(装置名「TG−1kN」ミネベア社製)を用いて、剥離速度300mm/min、剥離角度180°の条件で、銅箔板より基材付き片面粘着シートを引きはがすことにより、180°引きはがし接着強さ(N/20mm)を求めた。そして、この180°引きはがし接着強さを金属接着力とした。
<加熱解体性>
実施例および比較例で作製した基材付き片面粘着シートを、幅:20mm、長さ:20mmの正方形状に切り取り測定用サンプルとした。
次に測定用サンプルから剥離フィルムAを剥がし、イソプロピルアルコールを染み込ませたクリーンウェスにて、10往復擦って洗浄した清浄な銅箔板(厚さ0.1mm)、および鉄箔板(厚さ0.1mm)に、23℃雰囲気下、2kgローラー、1往復の条件で圧着して、銅箔板、および鉄箔板に測定用サンプルを貼付した。
そして、23℃雰囲気下で0.5時間エージングを行った測定用サンプルと、60℃、95%RH雰囲気下で168時間(7日間)エージングを行った測定用サンプルの2種類の加熱解体性評価用サンプルを得た。
測定用サンプルが銅箔板、および鉄箔板に貼着した状態を維持しつつ、加熱解体性評価用サンプルを熱風乾燥機に投入し、145℃で4分間加熱処理した。
加熱処理終了後の加熱解体性評価用サンプルの状態を確認し、下記基準により、加熱解体性を評価した。
極めて良好(◎):測定用サンプルが銅箔板(または鉄箔板)から自然剥離している場合
良好(○):測定用サンプルを銅箔板(または鉄箔板)から容易に剥離できる場合
不良(×):測定用サンプルが銅箔板(または鉄箔板)から容易に剥離できない場合
<金属腐食性>
実施例および比較例で作製した基材付き片面粘着シートを、幅:20mm、長さ:20mmの正方形状に切り取り測定用サンプルとした。
次に測定用サンプルから剥離フィルムAを剥がし、イソプロピルアルコールを染み込ませたクリーンウェスにて、10往復擦って洗浄した清浄な銅箔板(厚さ0.1mm)、に、23℃雰囲気下、2kgローラー、1往復の条件で圧着して、銅箔板に測定用サンプルを貼付した。
そして、60℃、95%RH雰囲気下で48時間及び168時間(7日間)エージングを行い腐食性評価用サンプルを得た。
その後、基材側から、目視により銅箔の表面を観察し、下記基準により、腐食性を評価した。
良好(○):銅箔表面に変色がない場合
不良(×):銅箔表面に変色が見られた場合
Figure 2013253239
実施例は、金属被着体に対し良好な金属接着性を示した。また解体性も銅箔および鉄箔に関わらず良好で、加熱することで容易に剥離(解体)することが可能であった。さらに高温加湿下にも関わらず金属腐食性は見られなかった。
一方、カルボン酸当量が高いアクリル系ポリマーを用いた比較例1〜3は、いずれも金属腐食が確認された。またアミン当量が低すぎるアクリル系ポリマーを用いた比較例4は金属接着性に劣り、アミン当量が高すぎるアクリル系ポリマーを用いた比較例5は金属接着性に劣ることが確認された。

Claims (7)

  1. 基材と、該基材の少なくとも片面に形成されているアクリル系粘着剤層とを備える金属面保護用粘着シートであって、
    前記アクリル系粘着剤層は、アクリル系ポリマーと、熱膨張性微粒子と、を含み、
    前記アクリル系ポリマーは、カルボン酸当量が0.0010当量/g以下であり、アミン当量が0.0050当量/g〜0.0600当量/gであることを特徴とする、金属面保護用粘着シート。
  2. 前記熱膨張性微粒子の含有量が、前記アクリル系ポリマー100質量部に対して10質量部〜200質量部であることを特徴とする、請求項1に記載の金属面保護用粘着シート。
  3. 前記アクリル系ポリマーは、下記モノマー(a1)、(a2)及び(a3)を構成単位とし、下記構成比率で構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属面保護用粘着シート。
    (a1)ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃未満である、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー:構成比率40質量%〜90質量%
    (a2)分子内に少なくとも1つの窒素原子と、1つのエチレン性不飽和結合とを有するモノマー:構成比率5質量%〜40質量%
    (a3)ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃以上である、分子内に1つのエチレン性不飽和結合を有するモノマー(前記(a2)は除く):構成比率0質量%〜40質量%
    (上記構成比率は、(a1)、(a2)及び(a3)の合計量(100質量%)中の各モノマーの割合(質量%)を示す)
  4. 前記(a2)が、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニル−2−カプロラクタムからなる群より選ばれる少なくとも1のモノマーである、請求項3に記載の金属面保護用粘着シート。
  5. 前記(a3)が、ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃以上である、(メタ)アクリロイルオキシ基と第3級炭素原子とが結合している構造を有する(メタ)アクリレートモノマー、又は、ホモポリマーとした時のガラス転移温度が0℃以上である、(メタ)アクリロイルオキシ基と単環又は多環の脂環式炭化水素の環を構成する炭素原子とが結合している構造を有する(メタ)アクリレートモノマーである、請求項3または4に記載の金属面保護用粘着シート。
  6. 前記(a3)が、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1のモノマーである、請求項3〜5の何れか1項に記載の金属面保護用粘着シート。
  7. 前記基材が、70℃〜180℃のいずれかの温度において5%以上収縮する熱収縮フィルムであることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の金属面保護用粘着シート。
JP2013097748A 2012-05-10 2013-05-07 金属面保護用粘着シート Pending JP2013253239A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013097748A JP2013253239A (ja) 2012-05-10 2013-05-07 金属面保護用粘着シート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012108114 2012-05-10
JP2012108114 2012-05-10
JP2013097748A JP2013253239A (ja) 2012-05-10 2013-05-07 金属面保護用粘着シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013253239A true JP2013253239A (ja) 2013-12-19

Family

ID=48227046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013097748A Pending JP2013253239A (ja) 2012-05-10 2013-05-07 金属面保護用粘着シート

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20130303646A1 (ja)
EP (1) EP2662428A1 (ja)
JP (1) JP2013253239A (ja)
CN (1) CN103387800A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015190234A1 (ja) * 2014-06-11 2017-04-20 Dic株式会社 接着テープ、物品及びモーター

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014172999A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Nitto Denko Corp 粘着シート
TW201606037A (zh) * 2014-05-27 2016-02-16 漢高智慧財產控股公司 用於熱管理應用之增強的壓敏黏著劑
CN104559827B (zh) * 2014-12-29 2017-11-21 3M创新有限公司 可压缩的微米级聚合物颗粒及其用途、可固化组合物及其制备方法、压敏粘合剂、胶带
IT202100006368A1 (it) * 2021-03-17 2022-09-17 Ppm Ind S P A Nastro per mascheratura di precisione di superfici delicate

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5086088A (en) * 1989-03-09 1992-02-04 Minnesota Mining And Manufacturing Company Epoxy-acrylate blend pressure-sensitive thermosetting adhesives
US4994322A (en) * 1989-09-18 1991-02-19 Minnesota Mining And Manufacturing Pressure-sensitive adhesive comprising hollow tacky microspheres and macromonomer-containing binder copolymer
JP2970963B2 (ja) 1991-08-14 1999-11-02 日東電工株式会社 剥離性感圧接着剤及びその粘着部材
JP3308672B2 (ja) 1993-02-26 2002-07-29 日東電工株式会社 接着シート
US6893718B2 (en) * 2002-05-20 2005-05-17 3M Innovative Properties Company Pressure sensitive adhesive composition, articles made therewith and method of use
JP5419376B2 (ja) * 2007-04-20 2014-02-19 日東電工株式会社 粘着シートの自動車塗膜面への接着方法
JP5483835B2 (ja) * 2007-10-22 2014-05-07 日東電工株式会社 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート
WO2010122943A1 (ja) * 2009-04-21 2010-10-28 日東電工株式会社 加熱膨張型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート
JP2012122027A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Nitto Denko Corp 粘着テープ又はシート
JP2013047321A (ja) * 2011-07-28 2013-03-07 Nitto Denko Corp 粘着シート

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015190234A1 (ja) * 2014-06-11 2017-04-20 Dic株式会社 接着テープ、物品及びモーター

Also Published As

Publication number Publication date
EP2662428A1 (en) 2013-11-13
US20130303646A1 (en) 2013-11-14
CN103387800A (zh) 2013-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5404174B2 (ja) 熱剥離性感圧接着テープ又はシート
JP2012117040A (ja) 粘着テープ又はシート
JP5342174B2 (ja) 粘着剤組成物およびその利用
JP5483835B2 (ja) 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート
JP2013047321A (ja) 粘着シート
JP2013133464A (ja) ガラス板用粘着シート
JP5480477B2 (ja) 粘着剤組成物、粘着シートおよびその製造方法
JP5281318B2 (ja) 粘着剤組成物および金属面貼付用粘着シート
JP2013159743A (ja) 粘着剤積層物の剥離方法およびそれに用いる粘着剤層
JP5502543B2 (ja) アクリル系粘着テープ
JP2012117041A (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層、及び、粘着テープ又はシート
WO2010122942A1 (ja) 加熱膨張型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート
WO2015005387A1 (ja) 粘着剤組成物
JP2010209263A (ja) アクリル系粘着シート
JP2010209261A (ja) アクリル系粘着シート
JP2013253239A (ja) 金属面保護用粘着シート
JPWO2011118182A1 (ja) アクリル系粘着テープ
JP2014040595A (ja) 熱剥離性感圧接着テープ又はシート
JP2023131574A (ja) 補強フィルム
JP2023131575A (ja) 補強フィルム