JP5925352B2 - プリント回路板及びプリント配線板 - Google Patents
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Description
本発明は、受信回路が分岐配線で主幹配線に電気的に接続されるプリント回路板及びプリント配線板に関する。
一般に、メモリシステムは、メモリコントローラと複数のメモリデバイスとを有して構成されている。メモリデバイスとしては、DDR3−SDRAM(Double Data Rate 3 Synchronous Dynamic Random Access Memory)が一般的に知られている。
メモリデバイスの実装形態としては、マザーボードに実装される場合と、モジュール基板に実装される場合とがある。メモリデバイスがモジュール基板に実装される場合は、メモリコントローラが実装されたマザーボードにコネクタ接続されてメモリシステムが構成される。
メモリコントローラは、アドレス信号又はコマンド信号(アドレス/コマンド信号)を送信し、各メモリデバイスは、アドレス/コマンド信号を受信することで制御され、メモリコントローラと複数のメモリデバイスとの間でデータ信号の送受信が行われる。特に高機能な電子機器では、メモリ容量の確保のため、複数のDDR3−SDRAMを搭載して使用する場合が多い。
DDR3−SDRAMであるメモリデバイスは、信号伝送タイミングを調整する機能を内蔵している。各メモリデバイスは、アドレス/コマンド信号の高速化が可能なフライバイと呼ばれる一筆書きの主幹配線に接続されている(非特許文献1参照)。
非特許文献1において、主幹配線は、プリント配線板の内層の2層が使用されている。また、非特許文献1では、メモリデバイスは、BGA(Ball grid array)型の半導体パッケージが用いられている。プリント配線板には、主幹配線からメモリデバイスに分岐する分岐配線を構成する、主幹配線上に形成されたヴィアと、BGA型半導体パッケージの受信端子に接続される実装パッドと、ヴィアと実装パッドとを接続する引き出し配線とが形成されている。分岐配線の一部に、実装パッド間に配置可能な小径ヴィアを使用することで、メモリデバイスへの分岐配線を短くすることを可能としている。
モジュール基板に実装されたDDR3−SDRAMを有するDIMM(Dual Inline Memory Module)について、DIMM上の分岐配線長を調整することで波形のリンギングを低減しようとする提案がなされている(特許文献1参照)。
JEDEC standard No.21C PC3−6400/PC3−8500/PC3−10600/PC3−12800/PC3−14900/PC3−17000 DDR3 Unbuffered SO−DIMM Reference Design Specification Revision 2.0
しかしながら、特許文献1や非特許文献1の構成においては、DIMMの規格に準拠して分岐配線の配線長が3〜5[mm]程度と短く定義されている。そのため、従来は、ヴィアを実装パッドに隣接して配置することで引き出し配線の配線長を短くし、その結果、分岐配線の配線長を短くしていた。ところが、アドレスコマンド配線等、本数が多いバス配線で、しかも実装パッドを高密度に配置する場合には、ヴィアを実装パッド間に配置できず、実装パッド群の外側に配置することがあり、その場合には、分岐配線の配線長が長くなる。分岐配線の配線長が長くなるほど、信号の減衰や反射の問題が大きくなり、信号の波形が乱れる、即ち信号のリンギングの原因となる。特にDDR3−SDRAMにおいてアドレス/コマンド信号の波形で問題となるのは、信号のリンギングが大きくなり、信号の入力電圧条件を満足できない場合が生じることである。
そこで、本発明は、第1受信回路にて受信される信号の波形のリンギングを抑えることができるプリント回路板及びプリント配線板を提供する。
本発明のプリント回路板は、プリント配線板と、前記プリント配線板に実装され、送信回路から送信された信号を、前記プリント配線板の配線を介して受信する第1受信回路及び第2受信回路と、を備え、前記プリント配線板には、始端が前記送信回路に電気的に接続された主幹配線と、一端が前記主幹配線の第1分岐接続箇所に電気的に接続され、他端が前記第1受信回路に電気的に接続された第1分岐配線と、一端が前記始端に対して前記第1分岐接続箇所よりも遠い前記主幹配線の第2分岐接続箇所に電気的に接続され、他端が前記第2受信回路に電気的に接続された第2分岐配線と、が形成され、前記主幹配線の前記始端と前記第1分岐接続箇所との間は、前記始端から順に第1配線部と、第2配線部とに分かれており、前記第1分岐接続箇所と前記第2分岐接続箇所との間は第3配線部であり、前記第1配線部の特性インピーダンスは、前記第3配線部の特性インピーダンス以下に設定され、前記第2配線部の特性インピーダンスは、前記第1配線部の特性インピーダンスよりも高く設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1分岐接続箇所で発生する信号波のマイナス反射が、第1配線部と第2配線部との特性インピーダンスの不整合によりプラス反射となって、第2分岐接続箇所にて発生する信号波のマイナスの反射を打ち消すことが可能となる。その結果、第1受信回路に到達する信号のリンギングを抑えることができる。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント回路板の一例としてのメモリシステムの配線構成を示すトポロジー図である。プリント回路板であるメモリシステム100は、プリント配線板であるマザーボード200と、送信回路であるメモリコントローラ301と、複数の受信回路である複数のメモリデバイス302A〜302Dと、を備えている。第1実施形態では、メモリデバイス302A〜302Dは、DDR3−SDRAM(Double Data Rate 3 Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。メモリコントローラ301及び複数のメモリデバイス302A〜302Dは、マザーボード200に実装されている。具体的に説明すると、メモリコントローラ301は、マザーボード200の表面及び裏面のうちいずれか一方に実装されている。メモリデバイス302A,302Cは、表面に実装され、メモリデバイス302B,302Dは、裏面に実装されている。なお、表面及び裏面は相対的なものであり、表面を一方の表面又は第1表面、表面とは反対側の裏面を他方の表面又は第2表面ともいう。また、マザーボード200の表面を表層、裏面を裏層ともいう。表層(導体層)と裏層(導体層)との間には、絶縁体層を介して内層(導体層)が配置されている。導体層は、導体パターンが配置されている層である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント回路板の一例としてのメモリシステムの配線構成を示すトポロジー図である。プリント回路板であるメモリシステム100は、プリント配線板であるマザーボード200と、送信回路であるメモリコントローラ301と、複数の受信回路である複数のメモリデバイス302A〜302Dと、を備えている。第1実施形態では、メモリデバイス302A〜302Dは、DDR3−SDRAM(Double Data Rate 3 Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。メモリコントローラ301及び複数のメモリデバイス302A〜302Dは、マザーボード200に実装されている。具体的に説明すると、メモリコントローラ301は、マザーボード200の表面及び裏面のうちいずれか一方に実装されている。メモリデバイス302A,302Cは、表面に実装され、メモリデバイス302B,302Dは、裏面に実装されている。なお、表面及び裏面は相対的なものであり、表面を一方の表面又は第1表面、表面とは反対側の裏面を他方の表面又は第2表面ともいう。また、マザーボード200の表面を表層、裏面を裏層ともいう。表層(導体層)と裏層(導体層)との間には、絶縁体層を介して内層(導体層)が配置されている。導体層は、導体パターンが配置されている層である。
メモリコントローラ301は、メモリデバイス302A〜302Dを制御するものである。メモリコントローラ301は、メモリデバイス302A〜302Dへ信号、第1実施形態では、アドレス/コマンド信号を、マザーボード200を介して送信するものである。
各メモリデバイス302A〜302Dは、マザーボード200を介してメモリコントローラ301から送信されたアドレス/コマンド信号を受信する。そして、メモリコントローラ301と各メモリデバイス302A〜302Dとは、データ信号の送受信を行う。
第1実施形態では、アドレス信号用のバス配線及びコマンド信号用のバス配線は、フライバイ方式による配線構造であり、これら複数のバス配線のうちの1つのバス配線201を、図1に示している。
メモリコントローラ301は、送信素子である半導体チップからなる送信チップ311と、送信チップ311に接続された送信端子312と、を有する半導体パッケージである。メモリデバイス302A〜302Dは、受信素子である半導体チップからなるメモリセル321A〜321Dと、メモリセル321A〜321Dに内部配線323A〜323Dを介して接続された受信端子322A〜322Dとを有する半導体パッケージである。なお、内部配線323A〜323Dは、メモリデバイス302A〜302Dの実効的な配線である。各メモリデバイス302A〜302Dは、同一構成の半導体パッケージであり、特性が同一のものである。
マザーボード200は、メモリコントローラ301(送信素子)とメモリデバイス302A〜302D(受信素子)とをフライバイ方式により接続するバス配線201を有している。
バス配線201は、始端217がメモリコントローラ301の送信端子312に電気的に接続され、終端218が終端抵抗(ターミネータ)310の一端に電気的に接続された主幹配線216を有している。なお図1において、送信端子312と始端217は、便宜上異なる位置として記載しているが、現実的には同じ位置を示している。主幹配線216は、始端217から終端218まで配線方向に一筆書き状に延びて形成されている。終端抵抗310の他端は、終端電位が印加される終端配線211に電気的に接続されている。このように、主幹配線216の始端217がメモリコントローラ301に電気的に接続され、終端218が終端抵抗(ターミネータ)310に電気的に接続されているので、終端218における信号の反射が終端抵抗310により抑制されている。
また、バス配線201は、メモリデバイス302A,302Bの受信端子322A,322Bを分岐接続箇所207Aに電気的に接続する分岐配線206A,206Bを有している。また、バス配線201は、メモリデバイス302C,302Dの受信端子322C,322Dを分岐接続箇所207Aとは異なる位置の分岐接続箇所207Bに電気的に接続する分岐配線206C,206Dを有している。
具体的に説明すると、分岐配線206Aの配線方向の一端219Aと分岐配線206Bの配線方向の一端219Bとが分岐接続箇所207Aに電気的に接続されている。また、分岐配線206Cの配線方向の一端219Cと分岐配線206Dの配線方向の一端219Dとが分岐接続箇所207Bに電気的に接続されている。また、各分岐配線206A〜206Dの配線方向の他端220A〜220Dが、各メモリデバイス302A〜302Dの受信端子322A〜322Dに電気的に接続されている。なお、分岐接続箇所207Aと、分岐配線206Aの一端219Aおよび分岐配線206Bの一端219Bとは、図1においては便宜上異なる位置として記載しているが、現実的には同じ箇所のことを示している。また分岐接続箇所207Bと、分岐配線206Cの一端219Cおよび分岐配線206Dの一端219Dとは、図1においては便宜上異なる位置として記載しているが、現実的には同じ箇所のことを示している。
第1実施形態では、メモリデバイス302A,302Bが第1受信回路、メモリデバイス302C,302Dが第2受信回路である。つまり、第1実施形態では、第1受信回路が複数個(例えば2つ)あり、第2受信回路が複数個(例えば2つ)ある。
なお、第1実施形態では、第1、第2受信回路が複数の場合について説明するが、1つの場合でもよい。また、第1実施形態では、表面に実装される第1受信回路としてのメモリデバイス302Aが1つの場合について説明するが、複数の場合であってもよい。同様に、裏面に実装される第1受信回路としてのメモリデバイス302Bが1つの場合について説明するが、複数の場合であってもよい。同様に、表面に実装される第2受信回路としてのメモリデバイス302Cが1つの場合について説明するが、複数の場合であってもよい。同様に、裏面に実装される第2受信回路としてのメモリデバイス302Dが1つの場合について説明するが、複数の場合であってもよい。
ここで、分岐接続箇所207Aが第1分岐接続箇所、分岐接続箇所207Bが主幹配線216の始端217に対して分岐接続箇所207Aよりも遠い第2分岐接続箇所である。分岐配線206A,206Bが第1分岐配線、分岐配線206C,206Dが第2分岐配線である。分岐配線206A〜206Dは、配線長(配線方向の長さ)が同一に設定されている。
第1実施形態における主幹配線216の、始端217と第1分岐接続箇所207Aとの間は、始端217から互いに特性インピーダンスが異なる第1配線部203A、第2配線部203Bの順に配置されている。第1配線部203Aと第2配線部203Bとの境界部となる点を、ここでは便宜上接続箇所208としている。
すなわち、始端217と接続箇所208との間の配線部が第1配線部203A、接続箇所208と分岐接続箇所207Aとの間の配線部が第2配線部203Bとなる。また、主幹配線216はさらに、分岐接続箇所207Aと分岐接続箇所207Bとの間の配線部(第3配線部)204A、及び分岐接続箇所207Bと終端218との間の配線部205を有している。
第1実施形態では、配線部203Bの特性インピーダンスが、配線部203Aの特性インピーダンスよりも高く設定されている。このとき、配線部203Aの特性インピーダンスは、配線部204Aの特性インピーダンス以下に設定されている。
また、配線部203Aの配線長と配線部203Bの配線長は、配線204Aの配線長と同等以上、且つ配線部204Aの配線長に分岐配線206C(206D)における実効分岐配線長を加えた配線長未満で構成されている。
ここで、分岐配線206C(206D)における実効分岐配線長とは、分岐配線206C(206D)の配線長と、メモリデバイス302C(206D)の内部の実効的な配線323C(323D)の実効配線長とを合計した配線長である。
主幹配線216を上記した配線構造としたことにより、メモリデバイス302A(302B)にて受信される信号のリンギングを抑制するものである。
なお、第1実施形態では、主幹配線216は、マザーボード200の内層もしくは表裏層に形成されている。分岐配線206A,206Cは、マザーボード200の内層と表層とに跨って形成されている。分岐配線206B,206Dは、マザーボード200の内層と裏層とに跨って形成されている。そして、メモリデバイス302A〜302Dは、BGA型の半導体パッケージであり、メモリデバイス302A,302Cはマザーボード200の表層に、メモリデバイス302B,302Dはマザーボード200の裏層に実装される。
図2は、メモリデバイスが実装される付近のマザーボードの平面図である。図2では、各メモリデバイス302A〜302Dを、メモリデバイス302とし、各分岐配線206A〜206Dを、分岐配線206として、1つのメモリデバイス302について代表して図示している。
図2では、分岐配線206が、複数(21本)図示されており、内層に形成された図2では不図示の複数(21本)の主幹配線216のそれぞれに電気的に接続されている。また、図示は省略するが、メモリデバイス302の底面には、受信端子322が複数アレイ状に設けられている。分岐配線206は、主幹配線216に電気的に接続されたヴィア241と、表層(又は裏層)に形成された、分岐配線206の他端である実装パッド220と、ヴィア241と実装パッド220とを電気的に接続する引き出し配線パターン242と、を有する。複数の実装パッド220はアレイ状に配置されている。各実装パッド220は、不図示のはんだボール等の接続導体でメモリデバイス302の受信端子322に電気的に接続されている。
ヴィア241は、これら複数の実装パッド220からなる実装パッド群の外側に配置されており、比較的大きな径に形成することができるので、安価なマザーボード200を実現している。実装パッド220,220の間隔dは、例えば0.8[mm]ピッチとなる。そのときの分岐配線206の配線長は、最大10[mm]程度となる。
片面分岐の場合は、直下の裏面側に分岐配線やメモリデバイスは存在しないが、両面分岐の場合は、不図示の裏面側でも同様に分岐配線が構成され、メモリデバイスが接続されている。
ここで、比較例として、第1実施形態のマザーボード200において、配線部203Aの特性インピーダンスと配線部203Bの特性インピーダンスがZ1と同じ場合について説明する。
図12は、比較例のプリント回路板の一例としてのメモリシステム100Xの配線構成を示すトポロジー図である。なお、図12に示すメモリシステム100Xは、マザーボード200Xを有しており、マザーボード200Xは、バス配線201Xを有しており、バス配線201Xは、主幹配線216Xを有している。図12に示す主幹配線216Xの始端217から第1分岐接続箇所207Aまでが配線部203Aであり、配線部203Aの特性インピーダンスは一定となっている。それ以外の構成は、第1実施形態と同様である。
分岐配線206A〜206Dの配線長が長くなるほど、信号の減衰や反射の問題が大きくなり、信号の波形が乱れる原因となる。特にDDR3−SDRAMのアドレス/コマンド信号の波形で問題となるのは、信号のリンギングが大きくなり、信号の入力電圧条件を満足できない場合があることである。
図2に示すような安価なマザーボード200で使用可能なヴィア241のランドの大きさは、φ0.6[mm]程度であり、実装パッド220の大きさはφ0.4[mm]程度である。そのため、0.8[mm]ピッチの実装パッド220間にヴィア241を配置することできない。従って、ヴィア241はメモリデバイス302の外側に配置される。その結果、ヴィア241から実装パッド220までの引き出し配線パターン242が長くなることにより、先に述べた波形の信号の入力電圧条件の問題が起こりやすい。
また、メモリデバイス302の内部には、パッケージ配線や内部容量により、メモリセル321までの伝搬遅延が存在する。この伝搬遅延を、プリント配線板上の長さに置き換えたものを実効的な内部配線323の配線長と考える。この実効的な内部配線323の配線長を含む分岐配線長、即ち内部配線323と分岐配線206との合計の配線長は、通常でも10[mm]〜20[mm]程度のばらつきがあり、メモリベンダーの違いや世代間の違いを考慮すると更に広く考える必要がある。上述したように、この内部配線323と分岐配線206との合計の配線長が、実効分岐配線長(実効的な分岐配線長)である。実効分岐配線長は、25〜30[mm]程度を考慮する必要がある。
図6は、第1実施形態及び比較例のメモリシステムのメモリデバイス302Aが受信する信号を示す波形図である。図6(a)〜図6(c)は、比較例のメモリシステム100Xにおける実効分岐配線長の違いによる波形図である。図6(a)は実効分岐配線長が20[mm]の場合の波形であり、図6(b)は実効分岐配線長が25[mm]の場合の波形であり、図6(c)は実効分岐配線長が30[mm]の場合の波形である。なお、メモリデバイス302Aにおける信号電圧をV31、メモリデバイス302Cにおける信号電圧をV32とする。メモリデバイス302B,302Dが受信する信号の波形は、メモリデバイス302A,302Cと同じとなるため、ここでは省略する。
内部配線323Aと分岐配線206Aとの合計の配線長が長いほど、信号の波形のリンギングが大きくなる。なお、リンギングは、クロストークなどのノイズの影響で更に大きくなる場合もあり、設計上はできるだけ閾値電圧から離れた電圧差分を持つことが必要となる。
図6(b)及び図6(c)に示すように、メモリデバイス302A,302Cのうち、メモリデバイス302Aが受信する信号の電圧V31が、入力電圧条件を満足していない。なお、閾値電圧VIL,VIHが信号の入力電圧条件の大きさで、通常は200[mV]の電圧差であり、電圧VIHより信号の電圧が高いと論理値「ハイ」となり、電圧VILより信号の電圧が低いと論理値「ロー」となる。しかし、電圧VIHと電圧VILとの間に信号の電圧が留まると、論理値が不安定になる。従って、信号が変化する際に、一度信号の入力電圧条件を超えた信号が、リンギングにより電圧VIHと電圧VILとの間に再び入ることは動作上問題となる。
メモリデバイス302Aに到達する信号の波形にリンギングが発生していた主要因が、主幹配線216Xの分岐接続箇所207Bからのマイナスの反射であることを見出した。以下、これらの要因について具体的に説明する。
図3は、分岐接続箇所における信号成分の反射と透過を説明するための図である。図3(a)では、特性インピーダンスZ1の配線500と、特性インピーダンスZ2の配線501と、特性インピーダンスZ3の配線502とが接続箇所505で接続されている。そして、配線500側から信号が伝わるものと仮定する。図3(a)には、配線500側から伝わる信号が接続箇所505で反射を起こして戻る経路r−500と、同じ信号が接続箇所505を透過し、配線501,502へ伝わる経路t−500とが図示されている。
配線500側からみた配線501と配線502との合成インピーダンスZaは、以下の式(1)となる。
例えば、特性インピーダンスZ2と特性インピーダンスZ3がそれぞれ50[Ω]の場合は、合成インピーダンスZaは25[Ω]となる。
配線500側から伝わった信号が接続箇所505で反射する電圧割合は、以下の式(2)で表される。
例えば特性インピーダンスZ1が50[Ω]で、合成インピーダンスZaが25[Ω]の場合、式(2)の値は、−1/3となり、−1/3の電圧が反射する。配線500側から伝わった信号が接続箇所505で透過する電圧割合は、以下の式(3)で表される。
例えば特性インピーダンスZ1が50[Ω]で、合成インピーダンスZaが25[Ω]の場合、式(3)の値は2/3となり、2/3の電圧が透過する。
図3(b)では、特性インピーダンスZ1の配線510と、特性インピーダンスZ2の配線511と、特性インピーダンスZ3の配線512と、特性インピーダンスZ4の配線513とが接続箇所515で接続されている。そして、配線510側から信号が伝わるものと仮定する。図3(b)には、配線510側から伝わる信号が接続箇所515で反射を起こして戻る経路r−510と、同じ信号が接続箇所515を透過し、配線511,512,513へ伝わる経路t−510とが図示されている。
配線510側からみた配線511と配線512との合成インピーダンスZaは、以下の式(4)となる。
例えば、特性インピーダンスZ2と特性インピーダンスZ3と特性インピーダンスZ4がそれぞれ50[Ω]の場合は、合成インピーダンスZaは約17[Ω]となる。
配線510側から伝わった信号が接続箇所505で反射する電圧割合は、前記式(2)で表される。例えば特性インピーダンスZ1が50[Ω]で、合成インピーダンスZaが約17[Ω]の場合、式(2)の値は、−1/2となり、−1/2の電圧が反射する。
配線510側から伝わった信号が接続箇所515で透過する電圧割合は、前記式(3)で表される。例えば特性インピーダンスZ1が50[Ω]で、合成インピーダンスZaが17[Ω]の場合、式(3)の値は1/2となり、1/2の電圧が透過する。
図4は、図12に示した比較例のメモリシステム100Xにおける信号の波形を説明するための図である。図4(a)は、メモリデバイス302Aのメモリセル321Aに直接伝わる信号経路s−1aと、分岐接続箇所207Bからの反射経路ma−2aを説明するためのトポロジー図である。
メモリコントローラ301の送信チップ311から伝わる信号波の信号経路s−1aは、配線203,206A,323Aを通過してメモリセル321Aに至る経路である。反射経路ma−2aは、配線203,204Aを通過して、分岐接続箇所207Bで折り返し、配線204A,206A,323Aを通過してメモリセル321Aに至る経路である。
図4(b)は、メモリセル321Aの後段のメモリセル321Cで反射する反射経路pa−2aを説明するためのトポロジー図である。信号波の反射経路pa−2aは、配線203,204A,206C,323Cを通過し、メモリセル321Cでプラスの反射により折り返して、配線323C,206C,204A,206A,323Aを通過して、メモリセル321Aに至る経路である。ここで、メモリセル321A〜321Dは、入力インピーダンスが配線に対して高インピーダンスであり、プラスの反射となる。なお、メモリセル321Dからも同様のプラスの反射が発生し、メモリセル321Aに同じ電圧、タイミングで到達するが、図では省略する。
図4(c)は、メモリセル321Aに伝わる信号波の電圧を個別に表した波形図である。ここで、全配線の特性インピーダンスは同じとして説明する。信号波Ss−1aは、信号経路s−1aを通過し、メモリセル321Aに伝わる信号波(直接波)の電圧を示す。即ち、信号波Ss−1aは、始端217から分岐配線206A(メモリデバイス302A、即ちメモリセル321A)に直接伝搬する直接波である。具体的には、信号波Ss−1aは、始端217から、配線203,206A(及び配線323A)を経てメモリデバイス302(メモリセル321A)に伝搬する信号波である。
経路ma−2aを通過する信号波Sma−2aは、配線部203を伝搬し、分岐接続箇所207Aで減衰し、配線204Aを伝搬し、分岐接続箇所207Bでマイナスの反射を起こして、配線204Aを伝搬する。更に、分岐接続箇所207Aで減衰し、分岐配線206A及び内部配線323Aを伝搬し、メモリセル321Aに到達する。
即ち、信号波Sma−2aは、始端217から配線部203,204Aを順次通過し、分岐接続箇所207Bで分岐接続箇所207Aの側に反射することで配線204Aを1往復し、分岐配線206Aを通じてメモリセル321Aに伝搬する反射波である。従って、信号波Sma−2aは、図4(c)に示す信号波Ss−1aに対して、配線204Aを1往復する分の伝搬遅延時間、遅れてメモリデバイス302A(メモリセル321A)、即ち分岐接続箇所207Aに到達する。
経路pa−2aを通過する信号波Spa−2aは、配線部203を伝搬し、分岐接続箇所207Aで減衰し、配線204Aを伝搬し、分岐接続箇所207Bで減衰し、配線206B,323Bを伝搬して、メモリセル321Bでプラスの反射を起こす。更に、配線323B,206Bを伝搬し、分岐接続箇所207Bで減衰し、配線204Aを伝搬し、分岐接続箇所207Aで減衰し、配線206A,323Aを伝搬して、メモリセル321Aに到達する。したがって、信号波Spa−2aは、図4(c)に示す信号波Ss−1aに対して、配線204A,206B,323Bを1往復する分の伝搬遅延時間、信号波Sma−2aよりも遅れてメモリセル321A(分岐接続箇所207A)に到達する。
経路pa−2aを通過する信号波Spa−2aと同じ電圧、同じタイミングで来るメモリセル231Dの反射波と、信号波Spa−2aを合算して、信号波Spa−2aaを点線で表記する。即ち、メモリセル321Cとメモリセル321Dからのプラス反射は、信号波Spa−2aaとして表される。
図4(d)は、全ての信号波Ss−1a,Sma−2a,Spa−2aaの合計電圧を表した波形図である。分岐接続箇所207Bのマイナスの反射と、メモリセル321C,321Dのプラスの反射によって、合計の信号波SS1の波形は、図4(d)のように変化する。
なお、以上の説明はメモリセルが4個の場合であるが、6個や8個と負荷が増えても、同じメカニズムで考えられる。また、以上の説明では分岐接続箇所から2つの分岐配線があり、それぞれに1つのメモリセルがある場合について説明したが、分岐接続箇所から1つの分岐配線と1つのメモリセルがある場合についても同様の考え方で説明できることが分かった。更に、分岐接続箇所から1つの分岐配線と複数のメモリセルがある場合についても同様の考え方で説明できることが分かった。
そこで、第1実施形態では、分岐接続箇所207Bからのマイナスの反射による反射波を打ち消すために、マイナスの反射を打ち消すタイミングでプラスの反射を発生させる手法を用いることとした。すなわち、配線部203を、配線部203Aと配線部203Bとに分割し、配線部203Aを相対的に低い特性インピーダンス、配線部203Bを相対的に高い特性インピーダンスとした。更に、配線部203Aの長さと配線部203Bの長さを、マイナス反射を打ち消すための適切な条件になるように設定した。
図5は、第1実施形態のメモリシステム100における信号の波形を説明するための図である。図5(a)は、配線部203Aと配線部203Bにて発生する反射波の経路p−1aを説明するためのトポロジー図である。メモリコントローラ301の送信チップ311から伝わる信号波の経路p−1aは、配線部203A,203Bを通過して、分岐接続箇所207Aでマイナスの反射で折り返す。更に、配線部203Bを通過して、接続箇所208でまたマイナスの反射で折り返し、配線部203Bを通過して、配線206A,323Aを通過してメモリセル321Aに至る経路である。
経路p−1aを通過する信号波は、分岐接続箇所207Aでマイナスの反射が発生し、接続箇所208でまたマイナスの反射が発生するため、プラスの信号となる。
即ち、経路p−1aを通過する信号波Sp−1aは、始端217から配線部203A,203Bを順次通過し、分岐接続箇所207Aで接続箇所208の側に反射し、更に接続箇所208で分岐接続箇所207Aの側へ反射する。そして、信号波Sp−1aは、配線部203Bを1往復し、分岐配線206Aを通じて他端220Aに伝搬する反射波である。従って、信号波Sp−1aは、図4(c)に示す信号波Ss−1aに対して、配線部203Bを1往復する分の伝搬遅延時間、遅れてメモリデバイス302A(メモリセル321A)、即ち分岐接続箇所207Aに到達する。
この信号波Sp−1aの遅延時間をリンギングが発生するタイミングに合わせればリンギングを効果的に改善できる。即ち、配線部203Bの配線長を、配線部204Aの配線長以上、且つ配線部204Aの配線長と、分岐配線206Cの配線長と、メモリデバイス302Cの内部の実効配線長とを合計した実効分岐配線長未満に設定すれば、リンギングを効果的に改善できる。なお、信号波Sp−1aのプラスレベルは、配線部203Aの配線長に依存する。このため、配線部203Aの配線長も、配線部204Aの配線長以上、且つ配線部204Aの配線長と、分岐配線206Cの配線長と、メモリデバイス302Cの内部の実効配線長とを合計した実効分岐配線長未満に設定することが好ましい。
以上、第1実施形態によれば、配線部203Bの特性インピーダンスは、配線部203Aの特性インピーダンスよりも高く設定されている。換言すれば、配線部203Aの特性インピーダンスは、配線部203Bの特性インピーダンスよりも低く設定されている。このように設定することで、信号波Sp−1aを発生させている。この信号波Sp−1aにより、信号波Sma−2aを打ち消すことができ、メモリデバイス302A(即ちメモリセル321A)に到達する信号のリンギングを改善(抑制)することができる。
更に、第1実施形態によれば、配線部203Bの配線長を、配線部204Aの配線長以上であり、且つ配線部204Aの配線長と、分岐配線206Cの配線長と、メモリデバイス302Cの内部の実効配線長とを合計した実効分岐配線長未満に設定している。これにより、信号波Sp−1aと信号波Sma−2aとがメモリデバイス302A(即ちメモリセル321A)に到達する時刻を合わせることができ、より効果的に信号のリンギングを改善することができる。特に、配線部203Bの配線長を、配線部204Aの配線長に近づけるほど、信号波Sp−1aと信号波Sma−2aとのメモリデバイス302A(即ちメモリセル321A)に到達する時刻を効果的に合わせることができる。
更に、第1実施形態によれば、配線部203Aの配線長を、配線部204Aの配線長以上であり、且つ配線部204Aの配線長と、分岐配線206Cの配線長と、メモリデバイス302Cの内部の実効配線長とを合計した実効分岐配線長未満に設定している。これにより、接続箇所208で分岐接続箇所207A側に反射する正の電圧レベルと、分岐接続箇所207Bで分岐接続箇所207A側に反射する負の電圧レベルとの絶対値を近づけることができる。したがって、より効果的に信号のリンギングを改善することができる。特に、配線部203Aの配線長を、配線部204Aの配線長に近づくほど、電圧レベルの絶対値が近づくので、より効果的に信号のリンギングを改善することができる。
すなわち第1実施形態によれば、分岐接続箇所207Aで発生する信号波のマイナス反射が、配線部203Aと配線部203Bとの特性インピーダンスの不整合によりプラス反射となる。このプラスの反射によって、分岐接続箇所207Bにて発生する信号波のマイナスの反射を打ち消すことが可能となる。その結果、第1受信回路であるメモリデバイス302Aに到達する信号のリンギングを抑えることができる。
なお、第1実施形態によれば、メモリデバイス302A(メモリセル321A)に到達する信号について説明したが、メモリデバイス302B(メモリセル321B)に到達する信号についても同様に、リンギングを改善することができる。
なお本実施の形態における各配線部の特性インピーダンスは、配線部のそれぞれの位置における特性インピーダンスの平均値である。特性インピーダンスは、前述の主幹配線216の視点から所定の周波数の信号を入力し、その反射波を計測することで、配線の各位置の特性インピーダンスを計測することができる。
[実施例1]
次に、図1に示すメモリシステム100の構成でシミュレーションを行った結果について説明する。図6(d)〜図6(f)は、図1の配線構造においてシミュレーションを行った結果を示す、実施例1のメモリシステム100のメモリデバイス302Aが受信する信号の波形図である。以下にシミュレーションを行った条件を示す。
次に、図1に示すメモリシステム100の構成でシミュレーションを行った結果について説明する。図6(d)〜図6(f)は、図1の配線構造においてシミュレーションを行った結果を示す、実施例1のメモリシステム100のメモリデバイス302Aが受信する信号の波形図である。以下にシミュレーションを行った条件を示す。
メモリコントローラ301が送信する信号(パルス)の電圧は、1.5[V]で、内部特性インピーダンスは50[Ω]、立ち上がり時間は2[V/ns]とした。メモリデバイス302A〜302Dは1[pF]で負荷近似した。配線部203A,203B以外の配線の特性インピーダンスは50[Ω]、遅延時間は7[ns/m]とした。配線部203Aの特性インピーダンスは30[Ω]で、配線長を40[mm]、配線部203Bの特性インピーダンスは60[Ω]で、配線長を40[mm]とした。配線204Aの配線長を20[mm]、配線部205の配線長を10[mm]とした。終端抵抗310の抵抗値は50[Ω]、終端配線211に印加した終端電位は0.75[V]とした。
さらに、マザーボード200の分岐配線206A〜206Dの配線長と、メモリデバイス302A〜302D内部の実効的な配線長との合計の配線長(実効分岐配線長)を、20[mm]、25[mm]、30[mm]の3種類の条件で行った。図6(d)は実効分岐配線長が20[mm]の場合、図6(e)は実効分岐配線長が25[mm]の場合、図6(f)は実効分岐配線長が30[mm]の場合である。
図6(d)〜図6(f)において、メモリデバイス302Aが受信する信号の電圧をV1、メモリデバイス302Cが受信する信号の電圧をV2とする。なお、メモリデバイス302B,302Dが受信する信号は、メモリデバイス302A,302Cが受信する信号の波形とほぼ同じ波形となるため、ここでは説明を省略する。
図6(d)〜図6(f)に示すように、いずれの条件でもメモリデバイス302Aのメモリセル321Aが受信する信号の波形(電圧V1)は、閾値VIHを下回ることがなくなり、信号のリンギングが改善していることが確認できた。
なお、メモリデバイス302Cのメモリセル321Cが受信する信号の波形(電圧V2)も閾値VIHを下回ることがなく、信号の品質が確保されていた。
次に、図1の配線構造において、効果がある配線部203A,203Bの特性インピーダンスの条件を確認するため、シミュレーションを行った。シミュレーションの条件は以下のとおりである。
メモリコントローラ301が送信する信号(パルス)の電圧のレベルは1.5[V]で、内部特性インピーダンスは50[Ω]、立ち上がり時間は2[V/ns]とした。メモリデバイス302A〜302Dは0[pF]とした。配線部203A,203B以外の配線の特性インピーダンスは50[Ω]、遅延時間は7[ns/m]とした。配線部203Aの配線長を40[mm]、配線部203Bの配線長を40[mm]とした。配線部204Aの配線長を20[mm]、配線部205の配線長を10[mm]とした。終端抵抗310の抵抗値は50[Ω]、終端配線211に印加した終端電位は0.75[V]とした。さらに、マザーボード200の分岐配線206A〜206Dの配線長と、メモリデバイス302A〜302D内部の実効的な配線長との合計の配線長(実効分岐配線長)を、25[mm]の条件で行った。
この条件で配線部203A,203Bの特性インピーダンスを20〜70[Ω]の範囲で振り、全ての特性インピーダンスについて、特性インピーダンスが50[Ω]の場合と比較した。全ての特性インピーダンスについて、特性インピーダンスが50[Ω]の場合のその結果を表1に示す
表1で縦軸は配線部203Aの特性インピーダンスを、横軸は配線部203Bの特性インピーダンスを表す。表1に示す結果は、各条件における最大のリンギング値[mV]の差を示しており、プラスであれば波形が改善されており、マイナスであれば改善されていないことを示している。
表1に示すシミュレーションの結果、太枠で囲んだ範囲が波形のリンギングが改善されていることが分かった。つまり、表1のシミュレーションの結果から、配線部204Aの特性インピーダンス(この場合50[Ω])に対し、配線部203Aの特性インピーダンスが配線部204Aの特性インピーダンス以下に設定されている必要があることが分かった。この設定の下で、配線部203Bの特性インピーダンスを、配線部203Aの特性インピーダンスよりも高く設定することで、信号波形のリンギングが改善できることが確認できた。
具体的に説明すると、配線部203Aの特性インピーダンスが20[Ω]以上50[Ω]以下であり、配線部203Bの特性インピーダンスが40[Ω]以上70[Ω]以下であるのが好ましいことが分かった。このとき、配線部203Bの特性インピーダンスが配線部203Aの特性インピーダンスよりも高いという条件が必要である。即ち、配線部203Aの特性インピーダンスが40[Ω]で配線部203Bの特性インピーダンスが40[Ω]の場合や、配線部203Aの特性インピーダンスが50[Ω]で配線部203Bの特性インピーダンスが50[Ω]の場合は除かれる。また、10[mV]以上の改善を得るためには、配線部203Aの特性インピーダンスと配線部204Aの特性インピーダンスの差は、10[Ω]以上であることが好ましく、20[mV]以上の改善を得るためには20[Ω]以上であることがより好ましい。
ここで、配線部203Aの特性インピーダンスの上限値(50[Ω])は、これを上回ると波形の改善が望めなくなるため、波形の改善が望める境界値に設定されている。逆に、配線部203Aの特性インピーダンスの下限値(20[Ω])は、これを下回ると信号波Ss−1aの接続箇所208における透過率が極端に低下するためであり、信号レベルが許容される境界値に設定されている。
また、配線部203Bの特性インピーダンスの上限値(70[Ω])は、これを上回ると信号波Ss−1aの分岐接続箇所207Aにおける透過率が極端に低下するためであり、信号レベルが許容される境界値に設定されている。逆に、配線部203Bの特性インピーダンスの下限値(40[Ω])は、これを下回ると波形の改善が望めなくなるため、波形の改善が望める境界値に設定されている。なお、波形の改善効果を高めるためには、分岐接続箇所207Aで反射し、配線部203Bを伝わってきた信号が接続箇所208で大きなマイナス反射量を得る必要がある。そのためには、できるだけ配線部203Bの特性インピーダンスよりも配線部203Aの特性インピーダンスを低く設定し、インピーダンスの差が大きい方が有利と考えられる。
表1に示すシミュレーションの結果の中で、この最も特性インピーダンスの差が小さい条件は、配線部203Aの特性インピーダンスが50[Ω]、配線部203Bの特性インピーダンスが60[Ω]のときである。これは、特性ンピーダンスの比率で表すと20[%]である。したがって、配線部203Aの特性インピーダンスよりも配線部203Bの特性インピーダンスが20[%]以上高い条件であれば、波形の改善効果を高めることができる。
また、このときに配線部203Bを伝わってきた信号が接続箇所208で反射する反射量は−10[%]であり、−10[%]以下であれば波形の改善効果を高めることができる。
また、シミュレーションでは、第3配線部の特性インピーダンスと分岐配線の特性インピーダンスを全て同じ50[Ω]と定義している。しかし、反射や透過の特性が改善効果を維持できる範囲であれば、特性インピーダンスは50[Ω]でなくても構わず、また全て同じでなくても構わない。
例えば、波形の改善効果を高めるためには、配線部203Bから伝わった信号が境界である分岐接続箇所207Aで大きなマイナス反射量を得ることが必要である。そのためには配線部204Aを含む合成インピーダンスは、配線部203Bに対して、できるだけ低い方が有利と考えられる。
表1に示すシミュレーションの結果では、前述のマイナス反射量が最も小さいのは、第2配線部の特性インピーダンスが40[Ω]の場合である。このときの第3配線部の特性インピーダンスは、第2配線部の特性インピーダンスの125[%]の条件となる。したがって、本シミュレーション結果では、第3配線部の特性インピーダンスが第2配線部の特性インピーダンスの125[%]以下となる場合に、波形の改善効果を高めることができる。
例えば、配線部203Bの配線の特性インピーダンスが70[Ω]であれば、その125[%]は約85[Ω]である。なお、このときに配線部203Bを伝わってきた信号が接続箇所208で反射する反射量は約−41[%]であり、−41[%]以下であれば波形の改善効果を高めることができる。
以上の範囲に配線部203A,203Bの特性インピーダンスを設定することで、効果的に波形のリンギングが改善された。
次に、図1の配線構造において、配線部203A,203Bの長さの条件を確認するため、シミュレーションを行った結果を図7に示す。図7は、配線部203Bの配線長に対する信号電圧の改善量を示すグラフである。
効果がある配線部203A,203Bの長さの条件を確認するための条件は以下のとおりである。
配線部203Aの特性インピーダンスを30[Ω]、長さを50[mm]とし、配線部203Bの特性インピーダンスを60[Ω]とし、それ以外は、上記した特性インピーダンス条件と同じとした。すなわち配線部204Aの特性インピーダンスは50[Ω]、長さは20[mm]とし、第2分岐配線206Bの配線長と、メモリデバイス302B内部の実効的な配線長との合計の配線長(実効分岐配線長)は25[mm]である。この条件で配線部203Bの長さを0〜55[mm]の範囲で5[mm]刻みで振り、配線部203Bの長さが0[mm]の場合と比較した。
なお、図7に示す結果は、表1と同様にプラスであれば波形が改善されており、マイナスであれば改善されていない結果となる。図7に示すシミュレーションの結果、配線部204Aの長さと同等以上で、配線部204Aの長さに実効分岐配線長を加えた長さ未満である20〜45[mm]の場合に、波形のリンギングがより改善(40[mV]以上)されていることを確認した。また、配線部203Bの長さが配線部204Aの長さよりも10[mm]以上長く、配線部204Aの長さに実効分岐配線長を加えた長さよりも10[mm]以上短い場合は、リンギングの改善量は60[mV]以上となりより好ましい形態である。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板の一例としてのメモリシステムの配線構成を示すトポロジー図である。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板の一例としてのメモリシステムの配線構成を示すトポロジー図である。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
プリント回路板であるメモリシステム100Aは、プリント配線板であるマザーボード200Aと、送信回路であるメモリコントローラ301と、複数の受信回路である複数のメモリデバイス302A〜302Hと、を備えている。第2実施形態では、メモリデバイス302A〜302Hは、DDR3−SDRAMである。メモリコントローラ301及び複数のメモリデバイス302A〜302Hは、マザーボード200Aに実装されている。具体的に説明すると、メモリコントローラ301は、マザーボード200Aの表面及び裏面のうちいずれか一方に実装されている。メモリデバイス302A,302C,302E,302Gは、表面に実装され、メモリデバイス302B,302D,302F,302Hは、裏面に実装されている。
メモリコントローラ301は、メモリデバイス302A〜302Hを制御するものである。メモリコントローラ301は、メモリデバイス302A〜302Hへ信号、第2実施形態では、アドレス/コマンド信号を、マザーボード200Aを介して送信するものである。
各メモリデバイス302A〜302Hは、マザーボード200Aを介してメモリコントローラ301から送信されたアドレス/コマンド信号を受信する。そして、メモリコントローラ301と各メモリデバイス302A〜302Hとは、データ信号の送受信を行う。
メモリデバイス302A〜302Hは、受信素子である半導体チップからなるメモリセル321A〜321Hと、メモリセル321A〜321Hに内部配線323A〜323Hを介して接続された受信端子322A〜322Hとを有する半導体パッケージである。なお、内部配線323A〜323Hは、メモリデバイス302A〜302Hの実効的な配線である。
第2実施形態では、アドレス信号用のバス配線及びコマンド信号用のバス配線は、フライバイ方式による配線構造であり、これら複数のバス配線のうちの1つのバス配線201Aを、図8に示している。
マザーボード200Aは、メモリコントローラ301(送信素子)とメモリデバイス302A〜302H(受信素子)とをフライバイ方式により接続するバス配線201Aを有している。
バス配線201Aは、始端217がメモリコントローラ301の送信端子312に電気的に接続され、終端218が終端抵抗(ターミネータ)310の一端に電気的に接続された主幹配線216Aを有している。終端抵抗310の他端は、終端電位が印加される終端配線211に電気的に接続されている。このように、主幹配線216Aの始端217がメモリコントローラ301に電気的に接続され、終端218が終端抵抗(ターミネータ)310に電気的に接続されているので、終端218における信号の反射が終端抵抗310により抑制されている。
また、バス配線201Aは、メモリデバイス302A〜302Hの受信端子322A〜322Hを主幹配線216A上の互いに異なる位置の分岐接続箇所207A〜207Dに電気的に接続する分岐配線206A〜206Hを有している。具体的に説明すると、分岐配線206E,206Fの一端219E,219Fが分岐接続箇所207Cに、分岐配線206G,206Hの一端219G,219Hが分岐接続箇所207Dに、電気的に接続されている。また、各分岐配線206A〜206Hの他端220A〜220Hが、各メモリデバイス302A〜302Hの受信端子322A〜322Hに電気的に接続されている。
なお、第2実施形態では、メモリデバイス302E,302Fが第3受信回路、メモリデバイス302G,302Hが第4受信回路である。また、第2実施形態では、メモリデバイス302A〜302Hがそれぞれ1つの場合について説明するが、複数あってもよい。
分岐接続箇所207Cが主幹配線216Aの始端217に対して分岐接続箇所207Bよりも遠い第3分岐接続箇所である。分岐接続箇所207Dが主幹配線216Aの始端217に対して分岐接続箇所207Cよりも遠い第4分岐接続箇所である。分岐配線206E,206Fが第3分岐配線、分岐配線206G,206Hが第4分岐配線である。分岐配線206A〜206Hは、配線長(配線方向の長さ)が同一に設定されている。
主幹配線216Aは、始端217と接続箇所208との間の配線部203A、接続箇所208と分岐接続箇所207Aとの間の配線部203B、分岐接続箇所207Aと分岐接続箇所207Bとの間の配線部204Aを有している。また、主幹配線216Aは、分岐接続箇所207Bと分岐接続箇所207Cとの間の配線部204B、分岐接続箇所207Cと分岐接続箇所207Dとの間の配線部204C、分岐接続箇所207Dと終端218との間の配線部205を有している。
第2実施形態では、主幹配線216Aは、マザーボード200Aの内層もしくは表裏層に形成され、表層側の分岐配線206A,206C,206E,206Gは、マザーボード200Aの内層と表層とに跨って形成されている。裏層側の分岐配線206B,206D,206F,206Hは、マザーボード200Aの内層と裏層とに跨って形成されている。そして、メモリデバイス302A〜302Hは、BGA型の半導体パッケージである。メモリデバイス302A,302C,302E,302Gはマザーボード200Aの表層に、メモリデバイス302B,302D,302F,302Hはマザーボード200Aの裏層に実装される。
このように、第2実施形態では、メモリシステム100Aは、メモリデバイス302A,302B及びメモリデバイス302C,302Dに加え、メモリデバイス302E,302F及びメモリデバイス302G,302Hを備えている。メモリデバイス302E〜302Hが付加される場合であっても、上記第1実施形態と同様、分岐接続箇所207Bにおけるマイナスの反射を相殺することができ、メモリデバイス302A,302Bが受信する信号のリンギングを抑制することができる。
[第3実施形態]
次に、図9は、本発明の第3実施形態に係るプリント回路板の一例としてのメモリシステム100Bの配線構成を示すトポロジー図である。なお、上記第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
次に、図9は、本発明の第3実施形態に係るプリント回路板の一例としてのメモリシステム100Bの配線構成を示すトポロジー図である。なお、上記第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
メモリシステム100Bは、図8のメモリシステム100Aの構成に対して、メモリデバイス302B,302D,302F,302Hを省略したものであり、それ以外は、メモリシステム100Aと同一の構成である。
即ち、メモリシステム100Bは、バス配線201Bの構成が、上記第2実施形態のバス配線201Aと異なるマザーボード200Bを備えている。なお、バス配線201Bは、上記第2実施形態で説明した主幹配線216Aを有しており、当該主幹配線上の各分岐接続箇所から分岐する分岐配線206B,206D,206F,206Hは省略した構成となっている。
このような構成であっても、上記第2実施形態と同様、メモリデバイス302Aが受信する信号のリンギングを抑制することができる。
[実施例2]
次に、上記第2及び第3実施形態で説明した図8及び図9の配線構造と、当該図8及び図9において配線部203A,203Bを同一の特性インピーダンスにした比較例とを比較したシミュレーション結果について説明する。
次に、上記第2及び第3実施形態で説明した図8及び図9の配線構造と、当該図8及び図9において配線部203A,203Bを同一の特性インピーダンスにした比較例とを比較したシミュレーション結果について説明する。
まず、図8及び図9の配線構造における条件は、以下のとおりとした。即ち、配線部203Aの特性インピーダンスを30[Ω]、配線部203Bの特性インピーダンスを60[Ω]とした。
次に、比較例として、図8及び図9の配線構造において、配線部203A,203Bを同一の特性インピーダンスにした条件は、以下のとおりとした。即ち、配線部203A,203Bの特性インピーダンスを50[Ω]とした。
確認した条件のうち、共通の条件は以下のとおりとした。メモリコントローラ301が送信する信号(パルス)の電圧は、1.5[V]で、内部特性インピーダンスは50[Ω]、立ち上がり時間は2[V/ns]とし、メモリデバイス302A〜302Hは0[pF]とした。203A,203B以外の配線の特性インピーダンスは50[Ω]、遅延時間は7[ns/m]とした。配線部203Aの配線長を40[mm]、配線部203Bの配線長を40[mm]とした。各配線部204A、204B、204Cの配線長を20[mm]、配線部205の配線長を10[mm]とした。終端抵抗310の抵抗値は50[Ω]、終端配線211に印加した終端電位は0.75[V]とした。さらに、分岐配線206A〜206Hの配線長と、メモリデバイス302A〜302Hの内部の実効的な配線長との合計の配線長(実効分岐配線長)を、20[mm]の条件で行った。
図10は、実施例2及び比較例のメモリシステムのメモリデバイスが受信する信号を示す波形図である。この図10には、シミュレーション結果を示す信号が図示されている。なお、図10において、メモリデバイス302Aにおける信号電圧をV31、メモリデバイス302Cにおける信号電圧をV32、メモリデバイス302Eにおける信号電圧をV33、メモリデバイス302Gにおける信号電圧をV34とした。また、メモリデバイス302B,302D,302F,302Hは、メモリデバイス302A,302C,302E,302Gと同じ波形となるため、ここでは省略した。
図10(a)は、図8の配線構造において配線部203A,203Bを同一の特性インピーダンスにした比較例の波形図である。図10(b)は、図8の配線構造において配線部203A,203Bを異なる特性インピーダンスにした実施例の波形図である。図10(a)及び図10(b)の結果により、図10(b)が図10(a)よりもリンギングが改善していることが確認できた。
図10(c)は、図9の配線構造において配線部203A,203Bを同一の特性インピーダンスにした比較例の波形図である。図10(d)は、図9の配線構造において配線部203A,203Bを異なる特性インピーダンスにした実施例の波形図である。図10(c)及び図10(d)の結果により、図10(d)が図10(c)よりもリンギングが改善していることが確認できた。
従って、図8及び図9の構成においても、メモリデバイス302A(メモリデバイス302B)が受信する信号のリンギングが改善することが確認できた。
次に、図1、図8、図9の配線構造において、分岐配線206とメモリデバイス302内の実効的な内部配線323とを合計した配線の実効分岐配線長の違いによるリンギングの改善量を確認した結果を図11に示す。図11は、実施例2における実効分岐配線長に対するリンギングの改善量を示すグラフである。図11において、図1の配線構造を例1、図8の配線構造を例2、図9の配線構造を例3とした。
ここで、効果がある図1、図8、図9の配線構造を確認するための共通の条件は以下のとおりである。メモリコントローラ301が送信する信号(パルス)の電圧の電圧レベルは1.5[V]で、内部特性インピーダンスは50[Ω]、立ち上がり時間は2[V/ns]とし、メモリデバイス302A〜302Hは0[pF]で負荷近似した。配線部203A,203B以外の配線部の特性インピーダンスは50[Ω]、遅延時間は7[ns/m]とした。配線部203Aの特性インピーダンスは30[Ω]で、配線長を40[mm]、配線部203Bの特性インピーダンスは60[Ω]で、配線長を40[mm]とした。配線部204Aの配線長を20[mm]、配線部205の配線長を10[mm]とした。終端抵抗310の抵抗値は50[Ω]、終端配線211に印加した終端電位は0.75[V]とした。
さらに、分岐配線206A〜206Dの配線長と、メモリデバイス302A〜302D内部の実効的な配線長との合計の配線長(実効分岐配線長)を、20[mm]、25[mm]、30[mm]の3種類の条件で行った。
図11に示すシミュレーション結果から、メモリデバイス302の内部配線を含む分岐配線における実効分岐配線長が長いほど、リンギングの改善量が大きくなることが確認できた。即ち、分岐配線206Aにおける実効分岐配線長、及び分岐配線206Cにおける実効分岐配線長が、配線部204Aの配線長よりも長い。これにより、メモリデバイス302A(メモリデバイス302B)が受信する信号のリンギングの改善量が大きくなり、より効果的にリンギングが改善される。
特性インピーダンス調整として一般的な方法としては、プリント配線板上の配線幅を変更する方法や、近くにGND配線を置く方法がある。例えば、配線幅を太くしたり、近傍にGND配線を置くことで、配線の特性インピーダンスを下げることが可能となる。また、配線層毎に配線の特性インピーダンスを異なる設計をすれば、配線層を変更することで特性インピーダンスを変えることも可能である。また特殊な方法としては、リファレンスとなるGNDベタを局部的に削除したり、メッシュ状にする方法や、絶縁厚や誘電率を局部的に変更する手段などが挙げられる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
上記実施形態では、プリント回路板が、メモリシステムであり、プリント配線板が、メモリデバイスおよびメモリコントローラが実装されるマザーボードである場合について説明したが、これに限定するものではない。プリント回路板が、プリント配線板としてのモジュール基板と、モジュール基板に実装されたメモリデバイスとで構成されたメモリモジュール(DIMM)であってもよい。この場合、メモリコントローラは、マザーボードに実装されており、メモリモジュールをマザーボードにコネクタ等で接続することにより、メモリコントローラとメモリデバイスとが電気的に接続されることになる。
100…メモリシステム(プリント回路板)、200…マザーボード(プリント配線板)、201…バス配線、203A…配線部(第1配線部)、203B…配線部(第2配線部)、204A…配線部(第3配線部)、206A,206B…分岐配線(第1分岐配線)、206C,206D…分岐配線(第2分岐配線)、207A…分岐接続箇所(第1分岐接続箇所)、207B…分岐接続箇所(第2分岐接続箇所)、208…接続箇所、217…始端、218…終端、301…メモリコントローラ(送信回路)、302A,302B…メモリデバイス(第1受信回路)、302C,302D…メモリデバイス(第2受信回路)
Claims (12)
- プリント配線板と、
前記プリント配線板に実装され、送信回路から送信された信号を、前記プリント配線板の配線を介して受信する第1受信回路及び第2受信回路と、を備え、
前記プリント配線板には、
始端が前記送信回路に電気的に接続された主幹配線と、
一端が前記主幹配線の第1分岐接続箇所に電気的に接続され、他端が前記第1受信回路に電気的に接続された第1分岐配線と、
一端が前記始端に対して前記第1分岐接続箇所よりも遠い前記主幹配線の第2分岐接続箇所に電気的に接続され、他端が前記第2受信回路に電気的に接続された第2分岐配線と、が形成され、
前記主幹配線の前記始端と前記第1分岐接続箇所との間は、前記始端から順に第1配線部と、第2配線部とに分かれており、前記第1分岐接続箇所と前記第2分岐接続箇所との間は第3配線部であり、
前記第1配線部の特性インピーダンスは、前記第3配線部の特性インピーダンス以下に設定され、前記第2配線部の特性インピーダンスは、前記第1配線部の特性インピーダンスよりも高く設定されていることを特徴とするプリント回路板。 - 前記第2配線部の配線長は、前記第3配線部の配線長以上であり、且つ前記第3配線部の配線長と、前記第2分岐配線の配線長と、前記第2受信回路の内部の実効配線長とを合計した配線長未満であることを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
- 前記第2配線部の配線長は、前記第3配線部の配線長よりも10[mm]以上長く、且つ前記第3配線部の配線長と、前記第2分岐配線の配線長と、前記第2受信回路の内部の実効配線長とを合計した配線長よりも10[mm]以上短いことを特徴とする請求項2に記載のプリント回路板。
- 前記第1配線部の配線長は、前記第3配線部の配線長以上であり、且つ前記第3配線部の配線長と、前記第2分岐配線の配線長と、前記第2受信回路の内部の実効配線長とを合計した配線長未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリント回路板。
- 前記第2配線部の特性インピーダンスが前記第1配線部の特性インピーダンスよりも高く、前記第1配線部の特性インピーダンスが20[Ω]以上50[Ω]以下であり、前記第2配線部の特性インピーダンスが40[Ω]以上70[Ω]以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント回路板。
- 前記第1配線部の特性インピーダンスと前記第2配線部の特性インピーダンスとの差は10[Ω]以上であることを特徴とする請求項5に記載のプリント回路板。
- 前記第1分岐配線の配線長と前記第1受信回路の内部の実効配線長とを合計した配線長、及び前記第2分岐配線の配線長と前記第2受信回路の内部の実効配線長とを合計した配線長が、前記第3配線部の配線長よりも長いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプリント回路板。
- 前記第1受信回路及び前記第2受信回路は、それぞれが複数個、前記プリント配線板に実装されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプリント回路板。
- 前記送信回路が、前記プリント配線板に実装されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプリント回路板。
- 前記第1受信回路及び前記第2受信回路が、メモリデバイスであり、
前記送信回路が、前記メモリデバイスを制御するメモリコントローラであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプリント回路板。 - 前記メモリデバイスが、DDR3−SDRAMであることを特徴とする請求項10に記載のプリント回路板。
- 送信回路、第1受信回路及び第2受信回路のうち、少なくとも前記第1受信回路及び前記第2受信回路が実装されるプリント配線板であって、
始端が前記送信回路に電気的に接続された主幹配線と、
一端が前記主幹配線の第1分岐接続箇所に電気的に接続されており、他端が前記第1受信回路に電気的に接続される第1分岐配線と、
一端が前記始端に対して前記第1分岐接続箇所よりも遠い前記主幹配線の第2分岐接続箇所に電気的に接続されており、他端が前記第2受信回路に電気的に接続される第2分岐配線と、を有し、
前記主幹配線の前記始端と前記第1分岐接続箇所との間は、前記始端から順に第1配線部と、第2配線部とに分かれており、前記第1分岐接続箇所と前記第2分岐接続箇所との間は第3配線部であり、
前記第1配線部の特性インピーダンスは、前記第3配線部の特性インピーダンス以下に設定され、前記第2配線部の特性インピーダンスは、前記第1配線部の特性インピーダンスよりも高く設定されていることを特徴とするプリント配線板。
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