JP5924383B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は接着剤組成物に関する。
従来、エポキシ樹脂とシリカ等とを含有する組成物が接着剤として使用できることが知られている。
例えば、本出願人は以前に、反応性基としてトリメトキシシリル基および/またはトリエトキシシリル基を有し主鎖が実質的にポリオキシアルキレンであるトリアルコキシシリル基変性ポリオキシアルキレン重合体100質量部と、エポキシ樹脂3〜100質量部と、特定の式(I)で表されるカルボニル化合物とポリアミンとを反応させることによって得られるケチミンと、数平均分子量が100〜5,000であり末端ヒドロキシ基が封鎖されているポリエーテル5〜50質量部と、硬化触媒とを含有し、前記ケチミンが有するイミノ基の量が、前記エポキシ樹脂が有するエポキシ基に対して、0.5〜1.5当量である接着剤組成物、さらに、ヒュームドシリカを含有し、前記ヒュームドシリカの量が前記トリアルコキシシリル基変性ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して1〜10質量部である接着剤組成物を提案した(特許文献1の請求項1、4)。
特開2010−242006号公報
しかし、本発明者は、エポキシ樹脂とその硬化剤とシリカとを含有する組成物を用いて得られる接着剤について、温水条件下での接着強度が低下する場合があることを見出した。これは、エポキシ樹脂とその硬化剤とシリカとを含有する組成物の硬化物は硬化の際吸水する場合があり、吸水された水分はマトリックス樹脂とシリカとの界面に集まりやすいためであると推測される。
そこで、本発明は接着性に優れる接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂の硬化剤と、複合シリカとを含有し、複合シリカが、重量平均分子量が10,000〜100,000であるポリウレタンとシリカ微粒子とを有する組成物が、接着性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
1. エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂の硬化剤と、複合シリカとを含有し、
前記複合シリカが、重量平均分子量が10,000〜100,000であるポリウレタンとシリカ微粒子とを有する、接着剤組成物。
2. 前記ポリウレタンが更にカルボキシル基を有する、上記1に記載の接着剤組成物。
3. 前記カルボキシル基を導入するために使用される、カルボキシル基を有するモノマーの量が、前記ポリウレタンを構成する全モノマー中の10モル%以上60モル%以下である、上記2に記載の接着剤組成物。
4. 前記ポリウレタンが前記シリカ微粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、上記1〜3のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
5. 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、上記1〜4のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
6. 前記硬化剤が、アミノ基、アミド結合、シアノ基及びイミダゾール骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する化合物、並びに/又はこれらの変性物である、上記1〜5のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
7. 前記硬化剤が、ポリアミン、ポリアミド、イミダゾール化合物およびこれらの変性物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記1〜6のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
8. 前記複合シリカの量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、0.5〜100質量部である、上記1〜7のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
9. 前記複合シリカが有する前記ポリウレタンの量は、前記複合シリカ中の10〜90質量%である、上記1〜8のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
10. 前記複合シリカが、有機溶媒中、前記シリカ微粒子の存在下において、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させことによって製造される、上記1〜9のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
本発明の接着剤組成物は、接着性に優れる。
図1は、本発明の接着剤組成物を用いて形成された接着層を有する積層体の一例の断面図である。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明の接着剤組成物は、
エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂の硬化剤と、複合シリカとを含有し、
前記複合シリカが、重量平均分子量が10,000〜100,000であるポリウレタンとシリカ微粒子とを有する、接着剤組成物である。
また、本明細書において数値範囲を示す「A〜B」はA以上B以下であることを意味する。
本明細書において、接着性に優れることを本発明の効果に優れるといい、接着性により優れることを本発明の効果により優れるということがある。
本発明の組成物は、マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂に対して、重量平均分子量が10,000〜100,000であるポリウレタンとシリカ微粒子とを有する複合シリカを使用することによって、接着性に優れる。
これは、シリカ微粒子が特定の範囲の重量平均分子量を有するポリウレタンで複合化されることによって、エポキシ樹脂とシリカ微粒子との相溶性が優れたものとなるため、及び/又は、複合シリカがポリウレタンを有することによってシリカとエポキシ樹脂との界面に水分が集まることを防ぐためと考えられる。
なおメカニズムが上記以外のものであっても本発明の範囲内である。
エポキシ樹脂について以下に説明する。
本発明の組成物に含有されるエポキシ樹脂は1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物である。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、が挙げられる。なかでも、本発明の効果により優れ、容易に入手できるという観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、380〜1000であるのが好ましく、380〜500であるのがより好ましい。本発明において、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算値である。
硬化剤について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させることが可能な硬化剤として一般的に使用されるものであれば特に制限されない。
硬化剤は、本発明の効果により優れ、汎用性に優れるという観点から、アミノ基、アミド結合、シアノ基及びイミダゾール骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する化合物、並びに/又はこれらの変性物であるのが好ましい。
アミノ基、アミド結合、シアノ基及びイミダゾール骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基は有機基に結合することができる。
有機基は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせが挙げられる。炭化水素基が有する炭素原子又は水素原子の少なくとも1個が、置換基と置き換わってもよい。
置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、ハロゲンのような1価の置換基;エーテル結合、イミノ結合、スルフィド結合、ポリスルフィド結合、ウレタン結合、ウレア結合、エステル結合、アミド結合のような2価の置換基が挙げられる。
硬化剤としての、アミノ基等から選ばれる少なくとも1種を有する化合物の変性物としては、例えば、ウレタン変性体、エーテル変性体が挙げられる。
硬化剤としては、例えば、ポリアミン、ポリアミド、イミダゾール化合物およびこれらの変性物からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
ポリアミンは、1分子中にアミノ基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。アミノ基は有機基と結合することができる。有機基は上記と同義である。
ポリアミンは、本発明の効果により優れ、硬化物の強靭性に優れるという観点から、ジシアンジアミドが好ましい。
ポリアミドは、1分子中にアミド結合を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。アミド結合は有機基と結合することができる。有機基は上記と同義である。
ポリアミドは、本発明の効果により優れ、加工性・安全性に優れるという観点から、ポリアミドアミンであるのが好ましい。ポリアミドアミンは、1分子にアミノ基を2個以上有する化合物が好ましい。
ポリアミドアミンとしては、例えば、ダイマー酸変性ポリアミドアミンが挙げられる。
イミダゾール化合物は、1分子中にイミダゾール骨格を1個以上有する化合物であれば特に制限されない。イミダゾール骨格は有機基と結合することができる。有機基は上記と同義である。
イミダゾール化合物は、本発明の効果により優れ、エポキシ樹脂との反応性に優れるという観点から、アルキル変性イミダゾールが好ましい。
硬化剤の量は、本発明の効果により優れるという観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、5〜70質量部であるのが好ましく、7〜50質量部であるのがより好ましい。
複合シリカについて以下に説明する。
本発明の組成物に含有される複合シリカは、重量平均分子量が10,000〜100,000であるポリウレタンとシリカ微粒子を有する。
複合シリカにおいて、ポリウレタンがシリカ微粒子の表面の少なくとも一部又は全部を被覆するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
複合シリカは、ポリウレタンとシリカ微粒子との間における、例えば相互作用によって複合体となることができる。相互作用としては例えば、吸着、水素結合、双極子相互作用が挙げられる。吸着は物理的であってもよい。
ポリウレタンについて以下に説明する。
複合シリカを構成するポリウレタンは、1分子中にウレタン結合を2個以上有する。
ポリウレタンが1分子中に有するウレタン結合の数は、本発明の効果により優れるという観点から、2〜50個であるのが好ましい。
ポリウレタンは、更に、例えば、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、アルキル結合を有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。これらの結合は、ポリウレタンを形成するために使用される、ポリイソシアネート及び/又はポリオールに由来してもよい。
ポリウレタンは、本発明の効果により優れるという観点から、更にカルボキシル基を有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
カルボキシル基はシリカ微粒子の表面に相互作用することができ、具体的には例えば、カルボキシル基がシリカ微粒子の表面に吸着することができる。シリカ微粒子がシラノール基を有する場合、カルボキシル基はそのシラノール基と吸着できるので好ましい。
ポリウレタンがカルボキシル基を有する場合、ポリウレタンを構成する、カルボキシル基を有する繰り返し単位の量は、本発明の効果により優れるという観点から、ポリウレタンを構成する全繰り返し単位中の、10モル%以上60モル%以下であるのが好ましく、10モル%以上50モル%以下であるのがより好ましく、15モル%以上45モル%以下であるのが更に好ましい。
なお本発明において、ポリウレタンを構成するために使用される全モノマー中の、カルボキシル基を有するモノマーの量は、ポリウレタンを構成する全繰り返し単位中の、カルボキシル基を有する繰り返し単位の量と一致するものとする。
ポリウレタンは、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによって製造することができる。
ポリウレタンを製造する際に使用されるポリイソシアネートは、1分子内にイソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI。例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような、脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートはなかでも、本発明の効果により優れ、ポリオールとの反応性に優れるという観点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、TDI、MDIがより好ましい。
ポリオールは、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有する化合物である。
ポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオールのようなポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオール;アクリルポリオール、ポリブタジエンジオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;ひまし油ポリオール;これらの組み合わせが挙げられる。
ポリオールは、なかでも、本発明の効果により優れ、イソシアネートとの反応性に優れるという観点から、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールが好ましい。
ポリオールの分子量(重量平均分子量)は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、500〜20000であるのが好ましく、1000〜15000であるのがより好ましい。本発明において、ポリオールの重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算値である。
ポリウレタンが更にカルボキシル基を有する場合、ポリウレタンにカルボキシル基を導入するために使用される、カルボキシル基を有するモノマーは、1分子中に、1個以上のカルボキシ基を有する化合物である。カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、1分子中に、1個以上のカルボキシ基と2個以上のヒドロキシ基とを有する化合物が挙げられる。なお当該モノマーが2個以上のヒドロキシ基を有する場合、この化合物は、イソシアネート基とヒドロキシ基との量の算出について、ポリオールに含まれる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、具体的には例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が挙げられる。
ポリウレタンの重量平均分子量は、本発明の効果により優れるという観点から、25000以上10万以下であるのが好ましく、30000以上10万以下であるのがより好ましい。本発明において、ポリウレタンの重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算値である。
シリカ微粒子について以下に説明する。
複合シリカが有するシリカ微粒子は、シリカの微細な粒である。
シリカ微粒子としては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土が挙げられる。シリカ微粒子は本発明の効果により優れ加工性に優れるという観点から、湿式シリカ、ヒュームドシリカが好ましい。
シリカ微粒子は、その表面にシラノール基を有するのが好ましい。
シリカ微粒子の平均粒径は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、0.007〜100μmであるのが好ましく、0.01〜50μmであるのがより好ましい。
シリカ微粒子はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
複合シリカが有するポリウレタンの量は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、複合シリカ中の10〜90質量%であるのが好ましく、15〜50質量部であるのがより好ましい。
本発明において、複合シリカが有するポリウレタンの量は、熱分解分析(TGA)のよって測定された。
複合シリカの製造方法としては、例えば、有機溶媒中、シリカ微粒子の存在下において、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させことによって製造する方法が挙げられる。
上記の製造方法において、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとが反応してポリウレタンが生成し、生成したポリウレタンがシリカ微粒子に例えば吸着して、複合シリカを製造することができる。
複合シリカの製造に使用される、ポリイソシアネート、ポリオール、シリカ微粒子は上記と同義である。複合シリカの製造に使用することができるカルボキシル基を有するモノマーは上記と同義である。
上記反応が終了した後、例えば、系内から有機溶媒を留去し、乾燥させて、複合シリカを製造してもよい。
複合シリカを製造する際に使用されるシリカ微粒子の量は、本発明の効果により優れるという観点から、ポリウレタンを製造する際に使用される、ポリイソシアネート及びポリオール(ポリウレタンがカルボキシル基を有する場合はカルボキシ基を有するモノマーを含む。)100質量部に対して、200〜1500質量部であるのが好ましく、300〜1000質量部であるのがより好ましい。
本発明において、複合シリカの製造に使用される有機溶媒は特に制限されない。例えば、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;塩化メチル、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ化合物;へキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等のような鎖状の炭化水素化合物;シクロヘキサンのような脂環式炭化水素化合物;これらの混合溶媒が挙げられる。
なかでも、本発明の効果により優れ、ポリウレタンのシリカへの吸着性に優れるという観点から、炭化水素系の溶媒が好ましく、脂環式炭化水素化合物がより好ましく、シクロヘキサンが更に好ましい。
複合シリカの製造に使用される有機溶媒の量は、ポリイソシアネート及びポリオールの合計(ポリウレタンがカルボキシル基を有する場合はカルボキシ基を有するモノマーを含む。)100質量部に対して、3〜20リットルであるのが好ましい。
複合シリカはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
複合シリカの量は、本発明の効果により優れるという観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.5〜100質量部であるのが好ましく、5〜100質量部であるのがより好ましく、10〜80質量部であるのが更に好ましい。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、所定の複合シリカ以外の複合シリカ、ポリウレタン、硬化触媒、充填剤(例えば、シリカ)、老化防止剤、溶剤、難燃剤、反応遅延剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、レベリング剤を含む、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤が挙げられる。添加剤の量は適宜選択できる。
本発明の組成物はその製造について特に制限されない。例えば、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、複合シリカ、必要に応じて使用することができる添加剤を混合装置で混合することによって製造することができる。
本発明の組成物は接着剤として使用することができる。例えば、構造用の接着剤として本発明の組成物を使用することができる。
本発明の組成物を適用することができる被着体は特に制限されない。例えば、プラスチック、ガラス、ゴム、金属等が挙げられる。
本発明の組成物を被着体に適用する方法は特に制限されない。例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の方法が挙げられる。
本発明の組成物は、例えば、50〜200℃の条件下において硬化することができる。
本発明の接着剤組成物を用いて形成された接着層を有する積層体について、添付の図面を用いて以下に説明する。本発明は添付の図面に制限されない。
図1は、本発明の接着剤組成物を用いて形成された接着層を有する積層体の一例の断面図である。
図1において、積層体100は、第1の部材としての部材102と、第2の部材としての部材106と、本発明の組成物を用いて形成される接着層104とを有する。部材102と部材106とは、接着層104によって接着されている。
各部材(被着体)および接着層の厚さは特に制限されない。
積層体の製造方法としては、例えば、第1の部材上に、本発明の組成物を付与し、必要ならば乾燥させた後、第2の部材を重ねあわせ、これを50〜200℃の条件下において硬化させる方法が挙げられる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただ、本発明はこれらに限定されない。
<複合シリカの製造>
1リットルのシクロヘキサンにシリカ微粒子を下記第1表に示す量で投入し、窒素でバブリングした。これに、同表に示すTDIからジメチロールブタン酸までの成分を同表に示す量で投入し、撹拌機で撹拌しながら70℃の条件下で反応させ、反応後シクロヘキサンを留去し乾燥させて、第1表に示す複合シリカを製造した。
<複合シリカが有するポリウレタンの含有量>
上記のとおり製造された複合シリカについて、熱重量分析(TGA)によって、複合シリカが有するポリウレタンの含有量を測定した。結果を第1表に示す。
本発明において、TGAの測定には、熱分析装置TG8120(リガク社製)を使用した。測定条件は、フロ−ガス種アルゴン、フローガス流量50mL/分、初期試料量10mg、昇温速度10℃/分、温度範囲室温〜750℃であった。
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・TDI:トリレンジイソシアネート、商品名TDI−100、三井化学社製
・MDI:フェニルメタンジイソシアネート、商品名コスモネートPH、三井化学社製
・ポリプロピレングリコール1:ポリオキシプロピレンジオール、商品名PPG1000、三洋化成工業社製
・ポリプロピレングリコール2:ポリオキシプロピレンジオール、商品名PPG2000、三洋化成工業社製
・ポリエチレングリコール:ポリオキシエチレンジオール、商品名PEG、和光純薬社製
・ポリエステルポリオール:1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸とから形成されたポリエステルジオール、商品名ニッポラン164、日本ポリウレタン社製
・ポリカプロラクトンジオール:商品名プラクセル200、ダイセル社製
・ひまし油ポリオール:商品名ひまし油工1、伊藤製油社製
・ジメチロールブタン酸:日本化成社製
・シリカ微粒子:商品名Zeosil 1165MP、ローディア社製、平均粒径20μm、N2SA:160m2/g、湿式シリカ
<組成物の製造>
下記第2表の各成分を第2表に示す組成(質量部)で用いて、これらを撹拌機で混合し、組成物を製造した。
<積層体の製造>
まず、冷間圧延鋼板(SPCC鋼板、幅:25mm、長さ:120mm、厚さ:3mm)を2枚用意した。
次に、第1の部材としての一方の冷間圧延鋼板の表面に、上記のとおり製造した各組成物を幅25mm、長さ10mmとなるように塗布した後、これを第2の部材としての他方の冷間圧延鋼板と張り合わせ、圧着させることで積層体を製造した。圧着後の接着材層の厚さは5mmであった。
上記のとおり製造した積層体を以下の条件下に置いて、接着性評価用の試験体を得た。
・条件1(常態):25℃の条件下で10時間放置
・条件2(温水):25℃の条件下で10時間放置後、更に50℃の温水に3日間浸漬
<接着性(剪断強度)>
上記のとおり得られた試験体を用いて、25℃の条件下でJIS K6850:1999に準じ引張試験(引っ張り速度50mm/分)を行い、常温せん断接着力(MPa)、耐温水せん断接着力(MPa)を測定した。また、上記のとおり測定された、常温せん断接着力、耐温水せん断接着力を下記式に当てはめて、耐温水試験後の剪断接着力の保持率を算出した。結果を下記第2表に示す。
保持率(%)=[(耐温水試験後の剪断接着力)/(常温せん断接着力)]×100
本発明において、保持率が70%以上である場合、接着性に優れるといえる。
第2表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・エポキシ樹脂(ビスA):ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量380、商品名
エピコート828、ジャパンエポキシレジン社製
・ポリアミドアミン:ダイマー酸変性ポリアミドアミン、商品名トーマイド296、富士化成工業社製
・DICY:ジシアンジアミド、商品名ジシアンジアミド、日本カーバイト工業社製
・イミダゾール:2メチルイミダゾール、商品名2MZ、四国化成工業社
・エポキシシラン:γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、商品名KBM403、信越化学社製
・アミノシラン:γアミノプロピルトリメトキシシラン、商品名KMB903、信越化学社製
・複合シリカ1〜8:上記のとおり製造された複合シリカ
第2表に示す結果から明らかなように、複合シリカを含有しない比較例1〜3はせん断接着力の保持率が低く、接着性に劣った。
ポリウレタンの重量平均分子量が所定の範囲より大きい比較例4は、せん断接着力の保持率が低く、接着性に劣った。
ポリウレタンの重量平均分子量が所定の範囲より小さい比較例5は、せん断接着力の保持率が低く、接着性に劣った。
これに対して、実施例1〜11は保持率が高く接着性に優れる。
また、実施例7と実施例9とを比較すると、複合シリカが有するポリウレタンがカルボキシル基を有する実施例9は、複合シリカが有するポリウレタンがカルボキシル基を有さない実施例7よりも、保持率が高く、接着性により優れた。
100 積層体
102 部材
104 接着層
106 部材

Claims (9)

  1. エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂の硬化剤と、複合シリカとを含有し、
    前記複合シリカが、重量平均分子量が10,000〜100,000であるポリウレタンとシリカ微粒子とを有する、接着剤組成物。
  2. 前記ポリウレタンが更にカルボキシル基を有する、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記カルボキシル基を導入するために使用される、カルボキシル基を有するモノマーの量が、前記ポリウレタンを構成する全モノマー中の10モル%以上60モル%以下である、請求項2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記ポリウレタンが前記シリカ微粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  6. 前記硬化剤が、アミノ基、アミド結合、シアノ基及びイミダゾール骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する化合物、並びに/又はこれらの変性物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  7. 前記硬化剤が、ポリアミン、ポリアミド、イミダゾール化合物およびこれらの変性物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  8. 前記複合シリカの量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、0.5〜100質量部である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  9. 前記複合シリカが有する前記ポリウレタンの量は、前記複合シリカ中の10〜90質量%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
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