JP5922009B2 - すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム - Google Patents

すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5922009B2
JP5922009B2 JP2012265489A JP2012265489A JP5922009B2 JP 5922009 B2 JP5922009 B2 JP 5922009B2 JP 2012265489 A JP2012265489 A JP 2012265489A JP 2012265489 A JP2012265489 A JP 2012265489A JP 5922009 B2 JP5922009 B2 JP 5922009B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding plate
local wear
separation
occurrence
separation line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012265489A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014110736A (ja
Inventor
喜雄 久保田
喜雄 久保田
早坂 高雅
高雅 早坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2012265489A priority Critical patent/JP5922009B2/ja
Publication of JP2014110736A publication Critical patent/JP2014110736A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5922009B2 publication Critical patent/JP5922009B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)

Description

この発明は、トロリ線と摺動するすり板に発生する局部摩耗を検出するすり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラムに関する。
従来のすり板の局部摩耗検出装置は、車両基地の入口に設置されてこの車両基地に入線する電車の集電装置のすり板の表面を連続的に測定するビームセンサと、このビームセンサを駆動するスライダ機構と、ビームセンサからの出力信号に基づいてすり板の表面形状データを生成する情報処理端末手段などを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来のすり板の局部摩耗検出装置では、ビームセンサからの出力信号に基づいて生成したすり板の表面形状データと予め格納された設計データとを情報処理端末手段が比較して、この情報処理端末手段がすり板の摩耗量を演算している。
特開2010-136563号公報
従来のすり板の局部摩耗検出装置では、検出精度が低いためすり板の局部摩耗がかなり進行しないと、このすり板の局部摩耗を検出することができない問題点がある。また、従来のすり板の局部摩耗検出装置では、車両基地内のビームセンサの下を車両が通過しない限り、すり板の局部摩耗を検出することができない。このため、従来のすり板の局部摩耗検出装置では、すり板の局部摩耗が発生する初期の段階でこのすり板の局部摩耗を発見することができず、車両基地の入口を車両が通過する前にすり板の局部摩耗が急激に進展したときには、このような局部摩耗を検出することができない問題点がある。さらに、従来のすり板の局部摩耗検出装置では、車両基地内の全ての線路上にビームセンサなどを設置するとコストが高くなるため、車両基地内の一部の線路上にのみビームセンサなどを設置している。このため、従来のすり板の局部摩耗検出装置では、ビームセンサなどが設置されていない線路上を電車が走行するときには、この電車のすり板の局部摩耗を検出することができない問題点がある。
この発明の課題は、すり板の局部摩耗の発生を早期に検出することができるすり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラムを提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図2、図3、図6及び図10〜図12に示すように、トロリ線(1a)と摺動するすり板(5f)に発生する局部摩耗(W)を検出するすり板の局部摩耗検出装置であって、前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生回数(N)に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定部(10d)を備え、前記局部摩耗判定部は、前記離線が発生する前記すり板上の離線発生箇所(±Δ X1 ,…)と、この離線発生箇所毎の前記離線発生回数とに基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定すること特徴とするすり板の局部摩耗検出装置(10)である。
請求項2の発明は、請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、図6及び図12に示すように、前記局部摩耗判定部は、前記離線発生箇所毎の前記離線発生回数が所定値(Nth)を超えたときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定することを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、図3に示すように、前記離線発生箇所を特定する離線発生箇所特定部(10b)と、前記離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算部(10c)とを備えることを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項4の発明は、請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、前記局部摩耗判定部は、前記離線発生箇所特定部の特定結果と前記離線発生回数演算部の演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定することを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項5の発明は、請求項1又は請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、図10に示すように、前記離線発生箇所を特定して、この離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算部(10h)を備えることを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項6の発明は、請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、前記局部摩耗判定部は、前記離線発生回数演算部の演算結果に基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定することを特徴とするすり板の局部摩耗検出装置である。
請求項7の発明は、図2、図3、図6、図8及び図10〜図12に示すように、トロリ線(1a)と摺動するすり板(5f)に発生する局部摩耗(W)を検出するすり板の局部摩耗検出プログラムであって、前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生回数(N)に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定(S130,S140)する局部摩耗判定部(10d)としてコンピュータ(10)を機能させ、前記離線が発生する前記すり板上の離線発生箇所(±ΔX1,…)と、この離線発生箇所毎の前記離線発生回数とに基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する手段として前記局部摩耗判定部を機能させることを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項8の発明は、請求項7に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、図6、図8及び図12に示すように、前記離線発生箇所毎の前記離線発生回数が所定値(Nth)を超えたときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定(S140)する手段として前記局部摩耗判定部を機能させることを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、図3及び図8に示すように、前記離線発生箇所を特定(S110)する離線発生箇所特定部(10b)と、前記離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算(S120)する離線発生回数演算部(10c)としてコンピュータ(10)を機能させることを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項10の発明は、請求項9に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、前記離線発生箇所特定部の特定結果と前記離線発生回数演算部の演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定する手段として前記局部摩耗判定部を機能させることを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項11の発明は、請求項7又は請求項8に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、図6及び図10に示すように、前記離線発生箇所を特定して、この離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算(S110,S120)する離線発生回数演算部としてコンピュータ(10)を機能させることを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
請求項12の発明は、請求項11に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、前記離線発生回数演算部の演算結果に基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定する手段として前記局部摩耗判定部を機能させることを特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラムである。
この発明によると、すり板の局部摩耗の発生を早期に検出することができる。
この発明の第1実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置を備える車両を模式的に示す構成図である。 この発明の第1実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置によって検出されるすり板の局部摩耗の発生状況を模式的に示す正面図であり、(A)は局部摩耗の発生前の状況を示す正面図であり、(B)は局部摩耗の発生後の状況を示す正面図である。 この発明の第1実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置を概略的に示す構成図である。 この発明の第1実施形態に係るすり板の局部摩耗測定装置におけるトロリ線位置の測定原理を説明するための模式図である。 この発明の第1実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置によって局部摩耗が検出されるすり板とトロリ線との位置関係を説明するための平面図である。 この発明の第1実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置の離線発生回数演算部の演算処理及び局部摩耗判定部の判定処理を説明するための模式図であり、(A)は離線発生箇所毎の離線発生回数を示すグラフであり、(B)はすり板上の離線発生箇所と局部摩耗との関係を離線発生回数と対比して示す正面図である。 この発明の第1実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置によって検出されるすり板の局部摩耗の発生状況をすり板が一定速度で直線区間を移動する場合を例に挙げて説明するための平面図である。 この発明の第1実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置を備える車両を模式的に示す構成図である。 この発明の第2実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置を概略的に示す構成図である。 この発明の第2実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置の離線発生箇所特定部の特定処理を説明するための模式図であり、(A)はすり板に局部摩耗が発生していないときの基準撮影画像であり、(B)はすり板に局部摩耗が発生しているときの撮影画像である。 この発明の第2実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置の離線発生回数演算部の演算処理及び局部摩耗判定部の判定処理を説明するための模式図であり、(A)は離線発生箇所毎の離線発生回数を示すグラフであり、(B)はすり板上の離線発生箇所と局部摩耗との関係を離線発生回数と対比して示す正面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1に示す架線1は、線路上空に架設される架空電車線である。架線1は、所定の間隔をあけて架線支持装置2によって支持点Pで支持されている。図1に示す架線1は、トロリ線1aと、ちょう架線1bと、ハンガイヤー1cなどを備えるシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線である。架線1は、トロリ線1a及びちょう架線1bの径間長(径間)Lが所定の長さ(例えば45〜50m程度)になるように架線支持装置2によって支持されている。ここで、径間長Lとは、トロリ線1aが支持される支持点P間の距離である。
図1、図2及び図5に示すトロリ線1aは、集電装置5のすり板5fが接触する電線である。トロリ線1aは、すり板5fが摺動(接触移動)することによって車両4に負荷電流を供給する。トロリ線1aは、例えば、材質が硬銅又は銀若しくはすずなどを僅かに含有する銅合金であり、鋼線を銅で被覆した複合トロリ線(CSトロリ線)、鋼心をアルミニウムで被覆した複合トロリ線(TAトロリ線)、又は大きな引張強さと高い導電率を有する銅合金トロリ線でCr,Zr,Siを僅かに含有する銅合金を熱処理することによって特性を向上させたクロム・ジルコニウム系高強度銅合金トロリ(PHCトロリ線)などである。
図1に示すちょう架線1bは、トロリ線1aを支持する線条(撚線)である。ちょう架線1bは、トロリ線1aの重量による弛み(弛度)が小さくなるようにこのトロリ線1aを吊るして水平に保持する。ハンガイヤー1cは、トロリ線1aをちょう架線1bに吊り下げる架線金具(電車線金具)である。ハンガイヤー1cは、トロリ線1aの高さを略一定に保持するようにこのトロリ線1aの長さ方向に所定の間隔をあけて配置されている。
図1及び図2に示す架線支持装置2は、架線1を支持する装置である。架線支持装置2は、図1及び図5に示すように、トロリ線1a及びちょう架線1bを支持しており、図2及び図5に示すようにトロリ線1aにトロリ線偏位Δを付与している。ここで、トロリ線偏位Δとは、図1に示す軌道3の左右のレール3aに対して垂直な軌道中心面と図5に示すトロリ線1aとの間の最短距離であり、図2及び図5に示す集電装置5のすり板5fが左右方向に平均的に摩耗して、このすり板5fの同一箇所をトロリ線1aが摺動しないように、トロリ線1aの数径間周期で付与されるジグザグ偏位(左右偏位)である。トロリ線偏位Δは、普通鉄道の場合には250mm以内に設定されており、新幹線の場合には300mm以内に設定されている。架線支持装置2は、図5に示すように、左右交互にトロリ線1aが偏位するように、このトロリ線1aを外側に引っ張る曲線引金具、又はトロリ線1aの振動を抑えてこのトロリ線1aを支持する振止金具などの架線金具である。
図1に示す軌道3は、車両4が走行する通路(線路)である。軌道3は、車両4の車輪4dが転がり接触する左右一対のレール3aを備えている。車両4は、軌道3に沿って走行する移動体である。車両4は、例えば、電車又は電気機関車などの電気車(鉄道車両)である。車両4は、車体4aと、屋根上面4bと、台車4cなどを備えている。車体4aは、乗客又は貨物などの搭載物を積載し輸送するための構造物であり、屋根上面4bは集電装置5、トロリ線位置検出装置8及び離線検出装置9Bなどの屋根上機器が設置される部分である。台車4cは、車体4aを支持して走行する装置であり車輪4dなどを備えている。
図1及び図2に示す集電装置(パンタグラフ)5は、架線1のトロリ線1aから電力を車両4に導くための装置である。集電装置5は、図1に示す台枠5aと、碍子(がいし)5bと、枠組5cと、図1及び図2に示す集電舟(舟体)5dと、ホーン5eと、すり板5fなどを備えている。集電装置5は、架線1のトロリ線1aと摺動するすり板5fによってこのトロリ線1aから集電する。図1に示す集電装置5は、車両4の進行方向に対して非対称であり、一方向又は両方向に使用可能なシングルアーム式パンタグラフである。
図1に示す台枠5aは、枠組5cを支持して車体4aの屋根上に設置される部材であり、碍子5b上に設置されている。碍子5bは、車体4aと台枠5aとの間を電気的に絶縁する部材である。枠組5cは、集電舟5dを支持する部材であり、集電舟5dを支持した状態で上下方向に動作可能なリンク機構である。枠組5cは、台枠5aに取り付けられて上昇力を付与する主ばね(押上げ用ばね)によって上方に押上げられている。図1及び図2に示す集電舟5dは、すり板5fを取り付けて支持する部材である。集電舟5dは、図2に示すように、一般にトロリ線1aと直交する方向(まくらぎ方向)に伸びた細長い金属製の柱状部材である。図1及び図2に示すホーン5eは、車両4が分岐器を通過するときに、この分岐器の上方で交差する2本のトロリ線1aのうち車両4の進行方向とは異なる方向のトロリ線1aへの割込みを防止するための部材である。ホーン5eは、図2に示すように、集電舟5dの長さ方向の両端部から突出しており、先端部が湾曲して形成された金属製の部材である。
図1及び図2に示すすり板5fは、トロリ線1aと摺動する部材である。すり板5fは、図2に示すように、車両4の進行方向と直交する方向に伸びた金属製又は炭素製の板状部材である。すり板5fは、集電舟5dとは別個に製造される別部品であり、この集電舟5dと一体に取り付けられている。すり板5fは、トロリ線1aと接触移動(摺動)して大電流が流れるため、一定の機械的強度、導電性及び耐摩耗性などが要求される。すり板5fは、車両4が本線走行時に主にトロリ線1aと摺動する主すり板として機能するすり板片であり、このすり板片を複数並べた状態で配置されている。すり板5fは、例えば、外観形状が略平行四辺形の薄板状部材であり、集電舟5dの中央部に取り付けられている。すり板5fは、図5に示すように、集電舟5dの進行する方向(すり板5fの長さ方向と直交する方向)に対して所定の傾斜角度で両端部が斜めに直線状に切断されている。すり板5fは、例えば、カーボン(炭素)を主原料とするカーボン系すり板、鉄又は銅などを主成分とする焼結合金すり板である。
図2(B)に示す局部摩耗Wは、すり板5fの摺動面に発生する局所的な摩耗である。局部摩耗Wは、すり板5fの摺動面の同一箇所でトロリ線1aと摺動が続いたときに、この箇所のみですり板5fの摩耗が進行してこのすり板5fに発生する凹状の摩耗(段付き摩耗)である。局部摩耗Wは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線が発生したときに、このトロリ線1aとこのすり板5fとの間にアークAが発生し、このアークAの発生によってすり板5fの摺動面に形成される。局部摩耗Wは、すり板5fが摩耗するときにある部位の摩耗だけが特に早く進行し、一旦すり板5fに発生すると成長してすり板5fの寿命を短くする。
図1に示す主回路装置6は、車両4を駆動するために必要な電気機器を接続した電気回路である。主回路装置6は、例えば、車両4が直流電車の場合には、集電装置5から導かれるトロリ線1aの直流電流を開閉する遮断器と、車両4の車輪4dを回転駆動する駆動力を発生する主電動機と、遮断器からの直流電流を交流電流に変換して主電動機を駆動するインバータ装置などを備えている。主回路装置6は、例えば、車両4が交流電車の場合には、集電装置5から導かれるトロリ線1aの交流電流を開閉する遮断器と、車両4の車輪4dを回転駆動する駆動力を発生する主電動機と、遮断器からの交流電流を一旦直流電流に変換するコンバータと、コンバータが出力する直流電流を交流電流に変換して主電動機を駆動するインバータ装置などを備えている。
通電部7は、集電装置5から主回路装置6に電流を流す部材である。通電部7は、例えば、電力供給のための絶縁された電線又は導体などの母線である。通電部7は、集電装置5の枠組5cから主回路装置6の遮断器まで引き通されてこれらを電気的に接続しており、トロリ線1aからすり板5fを通じて主回路装置6に電力を供給する。
図1、図3及び図4に示すトロリ線位置検出装置8は、トロリ線1aの左右方向の位置を検出する装置である。トロリ線位置検出装置8は、図4及び図5に示すように、すり板5fに対してトロリ線1aが摺動しながら左右方向に往復移動するときに、このすり板5fに対するトロリ線1aの位置(偏位位置)をトロリ線位置±ΔXとして検出する。ここで、トロリ線位置±ΔXは、図4に示す軌道3の左右のレール3aの上面に対して垂直な軌道中心面と交わるすり板5fの長さ方向の中間点を基準位置(原点)Oとしたときに、左右方向に往復移動するトロリ線1aとこの基準位置Oとの間の距離である。トロリ線位置±ΔXは、図4及び図5に示す基準位置Oに対してすり板5fの進行方向左側を+で示し、基準位置Oに対してすり板5fの進行方向右側を−で示している。トロリ線位置検出装置8は、図4に示すように、車両4に搭載された状態でこの車両4とともに軌道3上を移動して、リアルタイムでトロリ線位置±ΔXを検出する。トロリ線位置検出装置8は、例えば、トロリ線1aの摺動面にレーザ光を照射してこのトロリ線1aの摺動面で反射する反射レーザ光を受光することによってトロリ線位置±ΔXを測定するレーザ式のトロリ線偏位測定装置などである。トロリ線位置検出装置8は、図4に示すように、距離測定部8aと、走査部8bと、回転角度検出部8cと、トロリ線位置演算部8dなどを備えている。
図4に示す距離測定部8aは、トロリ線1aの摺動面までの距離を測定する手段である。距離測定部8aは、例えば、トロリ線1aの摺動面に向けてレーザ光を照射してこのトロリ線1aの摺動面で反射する反射レーザ光を受光して、トロリ線1aの摺動面からの光路長D1を測定する回転式レーザ変位計のようなレーザ距離計である。距離測定部8aは、レーザ光を照射する照射部と、反射レーザ光を受光する受光部とを備えており、照射部が照射するレーザ光と受光部が受光する反射レーザ光との位相差に基づいて、トロリ線1aの摺動面から反射する反射光の光路長D1を測定する。距離測定部8aは、図4に示す軌道3の左右のレール3aの中間位置を通過する直線とこの距離測定部8aの照射部及び受光部の中心線とが一致し、かつ、これらの照射部及び受光部の中心線がすり板5fの基準位置Oを通過するように、車両4の屋根上面4bに固定されている。
図4に示す走査部8bは、距離測定部8aの照射部から照射されるレーザ光をトロリ線1aの移動方向に走査する手段である。走査部8bは、例えば、距離測定部8aの照射部から照射されるレーザ光を反射面8eによってトロリ線1aの摺動面に向かって反射させるとともに、このトロリ線1aの摺動面で反射する反射レーザ光を距離測定部8aの受光部にこの反射面8eによって反射させるポリゴンミラーのような回転ミラーである。走査部8bは、図4に示す軌道3の左右のレール3aの中間位置を通過する直線上にこの走査部8bの回転中心が位置し、かつ、この走査部8bの回転中心が距離測定部8aの照射部及び受光部の中心線上に位置するように、車両4の屋根上面4bに回転自在に支持されている。回転角度検出部8cは、走査部8bの回転角度θを検出する手段である。回転角度検出部8cは、例えば、図4に示すように、走査部8bの回転軸の回転角度θを検出するエンコーダなどである。
図4に示すトロリ線位置演算部8dは、トロリ線1aの位置を演算する手段である。トロリ線位置演算部8dは、距離測定部8aの測定結果と回転角度検出部8cの検出結果とに基づいて、トロリ線1aの位置を演算する。トロリ線位置演算部8dは、距離測定部8aからトロリ線1aの摺動面までの光路長D1であり、走査部8bの反射面8eから距離測定部8aまでの距離D2であり、走査部8bの回転角度θであるときに、以下の数1によってトロリ線位置±ΔXを演算する。
Figure 0005922009
トロリ線位置検出装置8は、すり板5f上のトロリ線位置±ΔXを検出して、この検出結果をトロリ線位置情報(トロリ線位置信号)として現在時刻情報とともに局部摩耗検出装置10に出力する。トロリ線位置検出装置8は、すり板5fに対するトロリ線1aの現在位置とこの現在位置にトロリ線1aが位置する時刻とが対応するように、トロリ線位置情報をトロリ線位置±ΔXの検出時刻と対応させて局部摩耗検出装置10に出力する。
図1及び図3に示す離線検出装置9A,9Bは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線を検出する装置である。離線検出装置9A,9Bは、図1に示すように、車両4に搭載された状態でこの車両4とともに軌道3上を移動して、リアルタイムで離線を検出する。離線検出装置9Aは、トロリ線1aからすり板5fを通じて流れる電流が離線発生中にゼロになるのを検出する電流式離線検出装置である。離線検出装置9Aは、例えば、通電部7を流れる電流による磁界を測定することによって離線の発生を検出するクランプメータなどの架線電流計である。離線検出装置9Aは、一編成に複数の集電装置5が存在する場合にはそれぞれの集電装置5のすり板5fを通じてトロリ線1aから流れる電流を検出する。離線検出装置9Aは、例えば、一編成に2つ集電装置5が存在する場合には、一方の集電装置5のすり板5fにトロリ線1aから流れる電流の低下を検出し、他方の集電装置5のすり板5fにトロリ線1aから流れる電流の増加を検出することによって離線を検出する。離線検出装置9Bは、離線発生時に発生するアークAの光を検出する光学式離線検出装置である。離線検出装置9Bは、例えば、太陽光を遮断してアークAの光に含まれる紫外線成分を検出して離線を検出する紫外線検出式の撮影装置のような離線センサである。離線検出装置9Bは、一編成に1つの集電装置5のみが存在する場合には、離線が発生してもすり板5fを通じてトロリ線1aから電流が流れることがあるため、離線検出装置9Aを補完するために車両4に搭載されてアークAを検出する。離線検出装置9A,9Bは、離線を検出してこの検出結果を離線検出情報(離線検出信号)として局部摩耗検出装置10に出力する。離線検出装置9A,9Bは、トロリ線位置検出装置8と同様に、離線の発生とこの離線が発生した時刻とが対応するように、離線検出情報を離線発生時刻と対応させて局部摩耗検出装置10に出力する。
図1及び図3に示す局部摩耗検出装置10は、トロリ線1aと摺動するすり板5fに発生する局部摩耗Wを検出する装置である。局部摩耗検出装置10は、車両4に搭載された状態でこの車両4とともに軌道3上を移動して、トロリ線1aにすり板5fが摺動するときに発生する局部摩耗Wをリアルタイムで検出する。局部摩耗検出装置10は、左右方向に往復動作するトロリ線1aの現在位置と、トロリ線1aとすり板5fとの間に離線が発生するタイミングとを、トロリ線位置検出装置8及び離線検出装置9A,9Bを使用することによって検出して局部摩耗Wを検出する。局部摩耗検出装置10は、図3に示すように、信号入力部10aと、離線発生箇所特定部10bと、離線発生回数演算部10cと、局部摩耗判定部10dと、判定結果送信部10eと、プログラム記憶部10fと、制御部10gなどを備えている。
図3に示す信号入力部10aは、種々の信号を入力させる手段である。信号入力部10aには、トロリ線位置検出装置8が出力するトロリ線位置情報と、離線検出装置9A,9Bが出力する離線検出情報とが入力し、信号入力部10aはこれらのトロリ線位置情報及び離線検出情報を制御部10gに出力する。
離線発生箇所特定部10bは、離線発生箇所±ΔX1,…を特定する手段である。離線発生箇所特定部10bは、トロリ線1aが左右方向に偏位するときに、すり板5fとこのトロリ線1aとの間で離線が発生する離線発生箇所±ΔX1,…を特定する。離線発生箇所特定部10bは、離線検出装置9A,9Bが離線を検出して離線検出情報を出力するタイミングで、トロリ線位置検出装置8が検出するトロリ線1aの位置を離線発生箇所±ΔX1,…として特定する。離線発生箇所特定部10bは、図7に示すように、離線検出装置9A,9Bが離線を検出した時刻t1,…と同一時刻t1,…において、図6に示すようにトロリ線位置検出装置8が検出したトロリ線位置±ΔXを離線発生箇所±ΔX1,…として特定する。離線発生箇所特定部10bは、例えば、図3に示す離線検出装置9A,9Bが出力する離線検出情報とトロリ線位置検出装置8が出力するトロリ線位置情報とを照合しこれらの現在時刻情報が一致(離線発生時刻t1,…とトロリ線位置±ΔXの検出時刻t1,…とが一致)したときには、この時刻t1,…において離線が発生した図2に示すトロリ線位置±ΔXを図6に示すすり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…であると特定する。離線発生箇所特定部10bは、離線検出装置9A,9Bの検出結果とトロリ線位置検出装置8の検出結果とに基づいて、トロリ線1aの離線発生箇所±ΔX1,…を特定し、この離線発生箇所±ΔX1,…を離線発生箇所情報(離線発生箇所信号)として制御部10gに出力する。
図3に示す離線発生回数演算部10cは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線が発生する離線発生回数Nを離線発生箇所±ΔX1,…毎に演算する手段である。離線発生回数演算部10cは、例えば、図6に示すように、各離線発生箇所±ΔX1,…に対応させて離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数Nを計数する。ここで、図5に示す横軸は、離線発生箇所(トロリ線位置±ΔX)であり、縦軸は離線発生回数Nである。離線発生回数演算部10cは、図7に示すように、V方向にすり板5fが移動して時刻t1から離線が発生したときには、離線が発生する各時刻t1,t2,…のトロリ線位置±ΔXにおける離線発生回数Nを計測する。離線発生回数演算部10cは、離線検出装置9A,9Bの検出結果と離線発生箇所特定部10bの特定結果とに基づいて、離線発生回数Nを計数し、この離線発生回数Nを離線発生回数情報(離線発生回数信号)として制御部10gに出力する。
図3に示す局部摩耗判定部10dは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線が発生する離線発生回数Nに基づいて、このすり板5fの局部摩耗Wの有無を判定する手段である。局部摩耗判定部10dは、離線が発生するすり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…と、この離線発生箇所±ΔX1,…毎の離線発生回数Nとに基づいて、このすり板5fの局部摩耗Wの有無を判定する。局部摩耗判定部10dは、離線発生箇所±ΔX1,…毎の離線発生回数Nが所定値(しきい値)Nthを超えたときには、すり板5fに局部摩耗Wが発生していると判定する。ここで、所定値Nthは、例えば、実際のトロリ線1aを模擬した模擬トロリ線と実際のすり板5fを模擬した模擬トロリ線とを摺動させて離線を発生させる集電材摩耗試験機などの試験結果に基づいて設定される。局部摩耗判定部10dは、例えば、図6に示すように、離線発生回数Nが所定値Nthを超えている離線発生箇所+ΔX3では局部摩耗Wが発生していると判定する。一方、局部摩耗判定部10dは、例えば、図5に示すように、離線発生回数Nが所定値Nth以下である離線発生箇所+ΔX3以外では局部摩耗Wが発生していない判定する。局部摩耗判定部10dは、離線発生箇所特定部10bの特定結果と離線発生回数演算部10cの演算結果とに基づいて、すり板5fの局部摩耗Wの有無を判定し、すり板5fに局部摩耗Wが発生しているときには局部摩耗判定情報(局部摩耗判定信号)を制御部10gに出力する。
図3に示す判定結果送信部10eは、局部摩耗判定部10dの判定結果を送信する手段である。判定結果送信部10eは、図2(B)、図6(B)及び図7に示すような局部摩耗Wがすり板5fに発生していると局部摩耗判定部10dが判定したときに、告知装置11などにこの判定結果を送信する送信機などである。
図3に示すプログラム記憶部10fは、トロリ線1aと摺動するすり板5fに発生する局部摩耗Wを検出する局部摩耗検出プログラムを記憶する手段である。プログラム記憶部10fは、例えば、情報記録媒体から読み取った局部摩耗検出プログラム、又は電気通信回線を通じて取り込まれた局部摩耗検出プログラムなどを記憶するメモリである。
制御部10gは、局部摩耗検出装置10に関する種々の動作を制御する手段(中央処理部(CPU))である。制御部10gは、プログラム記憶部10fから局部摩耗検出プログラムを読み出して局部摩耗検出装置10のコンピュータに所定の処理を指令し実行させる。制御部10gは、例えば、信号入力部10aが出力するトロリ線位置情報を離線発生箇所特定部10bに出力したり、信号入力部10aが出力する離線検出情報を離線発生箇所特定部10b及び離線発生回数演算部10cに出力したり、離線発生箇所特定部10bに離線発生箇所±ΔX1,…の特定を指令したり、離線発生箇所特定部10bが出力する離線発生箇所情報を離線発生回数演算部10cに出力したり、離線発生回数演算部10cに離線発生回数Nの演算を指令したり、局部摩耗判定部10dに局部摩耗Wの有無の判定を指令したり、局部摩耗判定部10dが出力する局部摩耗判定情報を判定結果送信部10eに出力したり、判定結果送信部10eに局部摩耗判定情報の送信を指令したり、プログラム記憶部10fから局部摩耗検出プログラムを読み出したりする。制御部10gには、信号入力部10a、離線発生箇所特定部10b、離線発生回数演算部10c、局部摩耗判定部10d、判定結果送信部10e及びプログラム記憶部10fが相互に通信可能なようにバスなどの通信部によって接続されている。
告知装置11は、すり板5fの局部摩耗Wの発生を告知する装置である。告知装置11は、すり板5fに局部摩耗Wが発生していると局部摩耗判定部10dが判定したときに、この判定結果を告知する。告知装置11は、車両4の乗務員が運転操作する乗務員室内の運転台などに設置されている。告知装置11は、例えば、判定結果を音声で案内するスピーカ又は警報音などの音声発生装置、この判定結果を文字、図形、記号又はこれらの組み合わせによって案内する液晶画面などの表示装置である。
次に、この発明の実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置の動作を説明する。
以下では、図3に示す制御部10gの動作を中心として説明する。
図8に示すステップ(以下、Sという)100において、離線が発生したか否かを制御部10gが判断する。図3に示すトロリ線位置検出装置8、離線検出装置9A,9B及び局部摩耗検出装置10に電源装置から電力が供給されると、局部摩耗検出プログラムをプログラム記憶部10fから制御部10gが読み出して、一連の局部摩耗検出処理を制御部10gが実行する。図1、図5及び図7に示すように、車両4がすり板5fとともに軌道3上を起点(出発地点)からV方向に走行を開始すると、図7に示すようにすり板5fに対してトロリ線1aが左右方向に往復動作しながらトロリ線1aとすり板5fとが摺動する。その結果、図3に示すトロリ線位置検出装置8が左右方向に移動するトロリ線1aの現在位置であるトロリ線位置±ΔXを検出してトロリ線位置情報を局部摩耗検出装置10の信号入力部10aに出力する。信号入力部10aから制御部10gにトロリ線位置情報が入力すると、離線発生箇所特定部10bにこのトロリ線位置情報を制御部10gが出力する。
図1に示す軌道3上を起点から車両4が走行を開始して、図5及び図7に示すすり板5fに対してトロリ線1aが相対的に左右方向に往復移動すると、すり板5fの摺動面とトロリ線1aとが離線することがある。その結果、トロリ線1aからすり板5fを通じて流れる電流が離線発生時にゼロになるとともに、トロリ線1aとすり板5fとの間に離線発生時にアークAが発生することがある。図3に示す離線検出装置9A,9Bが離線を検出して離線検出情報を局部摩耗検出装置10の信号入力部10aに出力すると、この信号入力部10aから制御部10gにこの離線検出情報が入力する。離線検出情報が制御部10gに入力したときには離線が発生したと制御部10gが判断してS110に進み、離線検出情報が制御部10gに入力しなかったときには離線が発生していないと制御部10gが判断してS160に進む。
S110において、離線発生箇所±ΔX1,…の特定を離線発生箇所特定部10bに制御部10gが指令する。信号入力部10aからトロリ線位置情報及び離線検出情報が制御部10gに入力すると、これらのトロリ線位置情報及び離線検出情報を離線発生箇所特定部10bに制御部10gが出力するとともに、離線検出情報を離線発生回数演算部10cに制御部10gが出力する。その結果、トロリ線位置情報と離線検出情報とに基づいて離線発生箇所特定部10bが離線発生箇所±ΔX1,…を特定する。例えば、図7に示すように、離線発生箇所特定部10bに離線検出情報が入力した時刻t1,…と同一時刻t1,…におけるトロリ線位置情報に基づいて、すり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…を離線発生箇所特定部10bが特定する。
例えば、図7に示すように、車両4がすり板5fとともに軌道3上をV方向に走行している場合に、時刻t0では離線が発生していないが、時刻t1において初めて離線が発生し、時刻t1以降も間欠的に離線が発生しているものと仮定する。この場合に、図7に示す離線が発生している各時刻t1,…におけるトロリ線位置±ΔXを、図6に示すすり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…であると離線発生箇所特定部10bが特定し、この離線発生箇所±ΔX1,…に相当する離線発生箇所情報を離線発生箇所特定部10bが制御部10gに出力する。
S120において、離線発生回数Nの演算を離線発生回数演算部10cに制御部10gが指令する。信号入力部10aから離線検出情報が制御部10gに入力すると、この離線検出情報を離線発生回数演算部10cに制御部10gが出力する。また、離線発生箇所情報を離線発生箇所特定部10bが制御部10gに出力すると、この離線発生箇所情報が離線発生回数演算部10cに制御部10gが出力する。その結果、離線検出情報と離線発生箇所情報とに基づいて離線発生回数演算部10cが離線発生回数Nを演算する。例えば、離線発生箇所特定部10bが特定した図6に示す離線発生箇所±ΔX1,…と同一箇所で離線が再度発生して離線検出情報が離線発生回数演算部10cに入力したときには、すり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数N=N+1に離線発生回数演算部10cがインクリメントする。
例えば、図1に示すように、車両4がすり板5fとともに軌道3上をV方向に走行している場合に、図7に示す時刻t1において図6に示す離線発生箇所+ΔX3で初めて離線が発生したときには、この離線発生箇所+ΔX3の離線発生回数N=1と離線発生回数演算部10cがカウントする。次に、図7に示す時刻t2において離線が発生したときには、図6に示す離線発生箇所-ΔX4の離線発生回数N=1と離線発生回数演算部10cがカウントする。次に、時刻t3において離線発生箇所+ΔX3で2回目の離線が発生したときには、離線発生箇所+ΔX3の離線発生回数N=2と離線発生回数演算部10cがカウントする。このように、離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数Nを離線発生回数演算部10cが計数して、この離線発生箇所±ΔX1,…毎の離線発生回数情報を離線発生回数演算部10cが制御部10gに出力する。
S130において、局部摩耗Wの有無の判定を局部摩耗判定部10dに制御部10gが指令する。離線発生回数情報が局部摩耗判定部10dに制御部10gから入力すると、この離線発生回数情報に基づいて局部摩耗判定部10dが局部摩耗Wの有無を判定する。
S140において、離線発生回数Nが所定値Nthを超えているか否かを局部摩耗判定部10dが判定する。例えば、図6に示す所定値Nth=6に設定されている場合に、図7に示す時刻t1,t3,t4,t6,t7,t9,t10,…では、同一の離線発生箇所+ΔX3で離線が7回発生している。この場合には、離線発生箇所+ΔX3における離線発生回数N=7が所定値Nth=6を超えているため、離線発生箇所+ΔX3に局部摩耗Wが発生していると局部摩耗判定部10dが判定する。一方、すり板5fの局部摩耗Wの発生の有無とは無関係に、トロリ線1aに振動が発生したり集電舟5dを下降させる方向の揚力が作用したりすると、トロリ線1aとすり板5fとの間に離線が発生することがある。例えば、図7に示す時刻t2,t5,t8,…では、同一の離線発生箇所−ΔX4で離線が3回発生している。この場合には、離線発生箇所−ΔX4における離線発生回数N=3が所定値Nth=6以下であるため、離線発生箇所−ΔX4に局部摩耗Wが発生していないと局部摩耗判定部10dが判定する。このように、図6に示すように、各離線発生箇所±ΔX1,…における離線発生回数Nが所定値Nthを超えているか否かを局部摩耗判定部10dが判定し、離線発生回数Nが所定値Nthを超えていると局部摩耗判定部10dが判定したときには、この局部摩耗判定部10dが判定結果情報を制御部10gに出力する。局部摩耗判定部10dから判定結果情報が入力したと制御部10gが判断したときにはS150に進み、局部摩耗判定部10dから判定結果情報が入力していないと制御部10gが判断したときにはS100に戻り、S110以降の局部摩耗検出処理を制御部10gが繰り返す。
S150において、判定結果の送信を判定結果送信部10eに制御部10gが指令する。図3に示す局部摩耗判定部10dから判定結果情報が制御部10gに入力すると、この判定結果情報を制御部10gが判定結果送信部10eに出力し、判定結果送信部10eが告知装置11にこの判定結果情報を送信する。その結果、すり板5fの局部摩耗Wの発生を告知装置11が告知し、車両4内の乗務員に局部摩耗Wの発生が警告される。
S160において、局部摩耗Wの検出を終了するか否かを制御部10gが判断する。図1に示す軌道3上を走行する車両4が終点(終着点)に到着したか否かを制御部10gが判断する。車両4が終点に到着したと制御部10gが判断したときには、一連の局部摩耗検出処理を制御部10gが終了する。一方、車両4が終点に到着していないと制御部10gが判断したときにはS100に戻り、S100以降の局部摩耗検出処理を制御部10gが繰り返す。
この発明の第1実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置とその検出プログラムには、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線が発生する離線発生回数Nに基づいて、このすり板5fの局部摩耗Wの有無を局部摩耗判定部10dが判定する。このため、すり板5fの所定箇所で複数回にわたり離線が発生するときには、すり板5fに発生する局部摩耗Wを発生初期の段階で迅速にその場で検出することができる。
(2) この第1実施形態では、離線が発生するすり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…と、この離線発生箇所±ΔX1,…毎の離線発生回数Nとに基づいて、このすり板5fの局部摩耗Wの有無を局部摩耗判定部10dが判定する。このため、すり板5f上の特定箇所で離線が複数回発生しているときに、この特定箇所に対応する離線発生回数Nを計数するだけで、この局部摩耗Wの発生を簡単に検出することができる。
(3) この第1実施形態では、離線発生箇所±ΔX1,…毎の離線発生回数Nが所定値Nthを超えたときには、すり板5fに局部摩耗Wが発生していると局部摩耗判定部10dが判定する。このため、すり板5f上の特定箇所で離線が繰り返されたときに、離線発生回数Nがしきい値を超えたか否かを判定するだけで、局部摩耗Wの発生を簡単に検出することができる。
(4) この第1実施形態では、離線発生箇所±ΔX1,…を離線発生箇所特定部10bが特定し、この離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数Nを離線発生回数演算部10cが演算する。このため、すり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…とこの離線発生箇所±ΔX1,…に対応する離線発生回数Nとを検出するだけで、局部摩耗Wの発生を簡単に検出することができる。
(5) この第1実施形態では、離線発生箇所特定部10bの特定結果と離線発生回数演算部10cの演算結果とに基づいて、すり板5fの局部摩耗Wの有無を局部摩耗判定部10dが判定する。このため、離線発生箇所±ΔX1,…を特定するとともにこの離線発生箇所±ΔX1,…毎の離線発生回数Nを計測することによって、すり板5fの局部摩耗Wの発生を安価で簡単な装置によって簡単に検出することができる。
(第2実施形態)
以下では、図1〜図7に示す部分と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図9及び図10に示す離線検出装置9Cは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線を検出する装置である。離線検出装置9Cは、図1及び図3に示す離線検出装置9A,9Bと同様に、車両4に搭載された状態でこの車両4とともに軌道3上を移動してリアルタイムで離線を検出する。図9及び図10に示す離線検出装置9Cは、すり板5fに対してトロリ線1aが摺動しながら左右方向に往復移動するときに、離線によって発生するアークAとこのアークAの発生時のトロリ線位置±ΔXとを撮影する。離線検出装置9Cは、離線発生時に発生するアークAの光を検出する光学式離線検出装置としての機能と、すり板5fに対するトロリ線1aの位置を撮影してこのトロリ線1aの左右方向の位置を検出するトロリ線位置検出装置としての機能とを有する。離線検出装置9Cは、例えば、図1及び図3に示す離線検出装置9Bと同様の紫外線検出式の撮影装置である。離線検出装置9Cは、離線発生時のアークAとこの離線発生時のトロリ線位置±ΔXとを同時に撮影して、この撮影画像を離線検出情報(離線検出信号)として局部摩耗検出装置10に出力する。
図9及び図10に示す局部摩耗検出装置10は、図1及び図3に示す局部摩耗検出装置10とは異なり、左右方向に往復動作するトロリ線1aの現在位置と、トロリ線1aとすり板5fとの間に離線が発生するタイミングとを、一つの離線検出装置9Cを使用することによって検出して局部摩耗Wを検出する。局部摩耗検出装置10は、図3に示す離線発生箇所特定部10b及び離線発生回数演算部10cに代えて、図10に示す離線発生回数演算部10hを備えている。局部摩耗判定部10dは、離線発生回数演算部10hの演算結果に基づいて、すり板5fの局部摩耗Wの有無を判定し、すり板5fに局部摩耗Wが発生しているときには局部摩耗判定情報(局部摩耗判定信号)を制御部10gに出力する。
図10に示す離線発生回数演算部10hは、離線発生箇所±ΔX1,…を特定するとともに、この離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数Nを演算する手段である。離線発生回数演算部10hは、図12に示すように、トロリ線1aが左右方向に偏位するときに、すり板5fとこのトロリ線1aとの間で離線が発生する離線発生箇所±ΔX1,…を特定して、この離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数Nを演算する。離線発生回数演算部10hは、図11(B)に示すような離線検出装置9Cが離線発生時に撮影した撮影画像に基づいて、図11(A)に示すようにすり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…を特定するとともに、この離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数Nを計数する。離線発生回数演算部10hは、離線が発生する毎に離線検出装置9Cが時系列順に出力する撮影画像を順次画像処理して、アークAの発生時のトロリ線位置±ΔXを撮影画像毎に離線発生箇所±ΔX1,…として特定するとともに、各離線発生箇所±ΔX1,…に対応する離線発生回数Nを計数する。
離線発生回数演算部10hは、図11(A)に示すように、正常時のすり板5fを離線検出装置9Cによって撮影したときの撮影画像が基準スケールRと対応するように、この撮影画像と基準スケールRとを合成処理した基準撮影画像を記憶している。離線発生回数演算部10hは、図11(B)に示すような離線発生時の撮影画像と、図11(A)に示すような基準撮影画像とを照合することによって、離線発生時のすり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…を特定する。離線発生回数演算部10hは、図1に示す車体4aに対して図11に示すすり板5fが上下方向には移動するが左右方向には殆ど移動しない特性を利用して、図11(A)に示すように基準スケールRのY軸がすり板5fの基準位置Oを通過し、かつ、この基準スケールRのX軸がすり板5fの長さ方向の中心線と一致するような基準撮影画像を記憶している。離線発生回数演算部10hは、例えば、図11(B)に示す基準位置Oを回転中心としてすり板5fが微小角度回転してこのすり板5fが傾いたようなときには、離線検出装置9Cによって撮影された撮影画像を基準撮影画像と照合可能なように、この撮影画像を傾きがない状態に補正する。
離線発生回数演算部10hは、例えば、図12に示すように、各離線発生箇所±ΔX1,…に対応させて離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数Nを計数する。ここで、図12(A)に示す横軸は、離線発生箇所(トロリ線位置±ΔX)であり、縦軸は離線発生回数Nである。図12(B)に示す横軸は、基準スケールRのX軸であり、縦軸は基準スケールRのY軸である。離線発生回数演算部10hは、離線検出装置9Cの検出結果に基づいて、各離線発生箇所±ΔX1,…に対応する離線発生回数Nを計数し、この離線発生回数Nを離線発生回数情報(離線発生回数信号)として制御部10gに出力する。
この発明の第2実施形態に係るすり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラムには、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、離線発生箇所±ΔX1,…を離線発生回数演算部10hが特定して、この離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数Nをこの離線発生回数演算部10hが演算する。このため、第1実施形態に比べて離線発生箇所±ΔX1,…とこの離線発生箇所±ΔX1,…毎の離線発生回数Nとを一つの離線発生回数演算部10hによって一度に測定することができ、局部摩耗検出装置10の構成を簡単にすることができる。例えば、トロリ線1aとすり板5fとが離線したときに発生するアークAの撮影画像に基づいて、すり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…を簡単に特定することができるとともに、離線発生回数Nを簡単に計数することができる。
(2) この第2実施形態では、離線発生回数演算部10hの演算結果に基づいて、すり板5fの局部摩耗Wの有無を局部摩耗判定部10dが判定する。このため、離線発生箇所±ΔX1,…を特定するとともにこの離線発生箇所±ΔX1,…毎の離線発生回数Nを計測することによって、すり板5fの局部摩耗Wの発生を安価で簡単な装置によって簡単に検出することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、架線1がシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線である場合を例に挙げて説明したが、このような架線方式に限定するものではない。例えば、シンプルカテナリ式ちょう架方式の架線1のトロリ線1aとちょう架線1bとの間に補助ちょう架線を1本架設し、補助ちょう架線にトロリ線1aをハンガイヤー1cによって吊り下げるコンパウンドカテナリ式ちょう架方式の架線についてもこの発明を適用することができる。同様に、シンプルカテナリ式ちょう架方式の架線を所定の間隔をあけて2組平行に架設したツインシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、電車線として架空式電車線路を例に挙げて説明したが、架空式電車線路のうち線条ではなく剛体を使用する剛体ちょう架式電車線路、導電性レールを使用する第三軌条式(サードレール式)電車線路などについてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、旅客又は貨物の運輸営業を行う営業車である車両4に局部摩耗検出装置10を搭載する場合を例に挙げて説明したが、架線1及び軌道3などの使用状態における機能を検査する検測車に局部摩耗検出装置10を搭載することもできる。
(2) この実施形態では、集電装置5がシングルアーム式パンタグラフである場合を例に挙げて説明したが、車両4の進行方向に対して対称である菱形パンタグラフ又は翼型パンタグラフなどの他の形式のパンタグラフについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、局部摩耗Wの有無の判定結果を車両4内の告知装置11に送信する場合を例に挙げて説明したが、車両4の運行を円滑に進めるための運転指令及び業務指令を地上側から車両4側に行って、車両4の運行状況を管理する中央指令装置にこの判定結果を送信することもできる。さらに、この第1実施形態では、トロリ線位置検出装置8がレーザ式のトロリ線偏位測定装置である場合を例に挙げて説明したが、このような測定装置に限定するものではない。例えば、低圧ナトリウムランプでトロリ線1aを照明し、このトロリ線1aの摺動面で反射する光をCCDラインセンサカメラによって撮像して、トロリ線位置±ΔXを検出するナトリウムランプ式のトロリ線偏位測定装置を使用することもできる。
(3) この第1実施形態では、離線検出装置9A,9Bが電流式又は光学式の離線検出器である場合を例に挙げて説明したが、トロリ線1aからすり板5fを通じて流れる電流の電圧降下を検出する分圧式の離線検出器を使用することもできる。また、この第1実施形態では、離線検出装置9A,9Bを車両4が搭載する場合を例に挙げて説明したが、いずれか一方の離線検出装置9A,9Bを省略することもできる。例えば、一編成の複数の集電装置5が母線を通じて電気的に接続されている場合であって、ある集電装置5に離線が発生して他の集電装置5に離線が発生していないようなときには、離線してもアークAが発生しないことがある。このような場合には、アークAの発生の有無に関わらず離線の発生を検出可能な電流式の離線検出装置9Aのみを車両4に搭載することもできる。また、この第2実施形態では、離線発生時のアークAの光と離線発生時のトロリ線位置±ΔXとを一つの離線検出装置9Cによって検出する場合を例に挙げて説明したが、離線発生時のアークAの光を離線検出装置9Bによって検出し、離線発生時のトロリ線位置±ΔXをステレオ画像に基づいて計測する3Dディジタルカメラなどによって撮影して検出することもできる。
1 架線
1a トロリ線
2 架線支持装置
3 軌道
3a レール
4 車両
5 集電装置
5f すり板
6 主回路装置
7 通電部
8 トロリ線位置検出装置
8a 距離測定部
8b 走査部
8c 回転角度検出部
8d トロリ線位置演算部
9A〜9C 離線検出装置
10 局部摩耗検出装置
10a 信号入力部
10b 離線発生箇所特定部
10c,10h 離線発生回数演算部
10d 局部摩耗判定部
10e 判定結果送信部
10f プログラム記憶部
10g 制御部
11 告知装置
A アーク
L 径間長
P 支持点
W 局部摩耗
Δ トロリ線偏位
1 光路長
2 距離
θ 回転角度
±ΔX トロリ線位置
±ΔX1,… 離線発生箇所(トロリ線位置)
N 離線発生回数
th 所定値
O 基準位置
R 基準スケール

Claims (12)

  1. トロリ線と摺動するすり板に発生する局部摩耗を検出するすり板の局部摩耗検出装置であって、
    前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生回数に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定部を備え、
    前記局部摩耗判定部は、前記離線が発生する前記すり板上の離線発生箇所と、この離線発生箇所毎の前記離線発生回数とに基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定すること、
    特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  2. 請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記局部摩耗判定部は、前記離線発生箇所毎の前記離線発生回数が所定値を超えたときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定すること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記離線発生箇所を特定する離線発生箇所特定部と、
    前記離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算部とを備えること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  4. 請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記局部摩耗判定部は、前記離線発生箇所特定部の特定結果と前記離線発生回数演算部の演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定すること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  5. 請求項1又は請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記離線発生箇所を特定して、この離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算部を備えること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  6. 請求項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
    前記局部摩耗判定部は、前記離線発生回数演算部の演算結果に基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定すること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。
  7. トロリ線と摺動するすり板に発生する局部摩耗を検出するすり板の局部摩耗検出プログラムであって、
    前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生回数に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定部としてコンピュータを機能させ
    前記離線が発生する前記すり板上の離線発生箇所と、この離線発生箇所毎の前記離線発生回数とに基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する手段として前記局部摩耗判定部を機能させること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  8. 請求項7に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記離線発生箇所毎の前記離線発生回数が所定値を超えたときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定する手段として前記局部摩耗判定部を機能させること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記離線発生箇所を特定する離線発生箇所特定と、
    前記離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算部としてコンピュータを機能させること
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  10. 請求項9に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記離線発生箇所特定部の特定結果と前記離線発生回数演算部の演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定する手段として前記局部摩耗判定部を機能させること、
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  11. 請求項7又は請求項8に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記離線発生箇所を特定して、この離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算部としてコンピュータを機能させること
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
  12. 請求項11に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
    前記離線発生回数演算部の演算結果に基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定する手段として前記局部摩耗判定部を機能させること
    を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
JP2012265489A 2012-12-04 2012-12-04 すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム Expired - Fee Related JP5922009B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012265489A JP5922009B2 (ja) 2012-12-04 2012-12-04 すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012265489A JP5922009B2 (ja) 2012-12-04 2012-12-04 すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014110736A JP2014110736A (ja) 2014-06-12
JP5922009B2 true JP5922009B2 (ja) 2016-05-24

Family

ID=51031060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012265489A Expired - Fee Related JP5922009B2 (ja) 2012-12-04 2012-12-04 すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5922009B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6487269B2 (ja) * 2015-05-15 2019-03-20 東海旅客鉄道株式会社 集電装置監視システム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5465905A (en) * 1977-11-04 1979-05-28 Nippon Kokan Kk <Nkk> Circuit for detecting loose contact
JPH04217801A (ja) * 1990-12-18 1992-08-07 Hitachi Electron Eng Co Ltd トロリー線の離線検出方式および離線検出装置
JP2001059710A (ja) * 1999-08-25 2001-03-06 Central Japan Railway Co トロリ線摩耗量測定装置
JP2010122102A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 East Japan Railway Co 紫外線検出装置及び離線検出記録計
JP5481232B2 (ja) * 2010-03-03 2014-04-23 東海旅客鉄道株式会社 パンタグラフ監視装置
JP5467932B2 (ja) * 2010-05-21 2014-04-09 公益財団法人鉄道総合技術研究所 パンタグラフの摺り板の局所的凹部検知方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014110736A (ja) 2014-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3295158B1 (en) System and method for the video inspection of a pantograph along an overhead contact line
CN113320447A (zh) 轨道-接触网设备健康状态一体化综合检测机器人
AU2014292200A1 (en) System for detecting the state of a current collector
JP4919331B2 (ja) 剛体電車線凹凸測定装置
CN113091833A (zh) 一种弓网综合检测系统
JP2016192863A (ja) パンタグラフの異状検出装置、検出方法、及び、パンタグラフ異状検出時の対処方法
JP5073693B2 (ja) パンタグラフ異常検出方法およびそのシステム
JP2014110737A (ja) すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム
JP2012191778A (ja) パンタグラフの動特性の異常検出方法
JP5922009B2 (ja) すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム
JP5467932B2 (ja) パンタグラフの摺り板の局所的凹部検知方法及び装置
JP5536536B2 (ja) パンタグラフの摺り板の局所的凹部検知方法及び装置
JP6416739B2 (ja) パンタグラフ異常検知方法及び検知装置
CN105004305B (zh) 一种受电弓弓头碳滑块厚度检测装置
WO2018051738A1 (ja) 碍子検出装置及び碍子検出方法
JP6825548B2 (ja) トロリー線の異常診断方法、トロリー線の異常診断装置及び電動移動体
JP5885303B2 (ja) すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム
JP4322708B2 (ja) パンタグラフ故障診断装置
JP5402096B2 (ja) 電気鉄道保守用車両位置測定装置
JP5402272B2 (ja) 電気鉄道保守用車両位置測定装置
JP2015150997A (ja) パンタグラフ異常検知方法及び検知装置
JP6389783B2 (ja) 渡り線相対位置管理装置及び方法
CN114659558A (zh) 一种弓网关系检测方法
JP6308681B2 (ja) 渡り線設備監視装置及び方法
JP6115997B2 (ja) 離線発生予測装置及び離線発生予測プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5922009

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees