JP2014110736A - すり板の局部摩耗検出装置とその局部摩耗検出プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】離線発生箇所特定部は、離線検出装置が離線を検出した時刻と同一時刻においてトロリ線位置検出装置が検出したトロリ線位置を離線発生箇所として特定する。離線発生回数演算部10cは、トロリ線とすり板とが離れる離線が発生する離線発生回数を離線発生箇所毎に演算する。離線発生回数演算部10cは、各離線発生箇所(トロリ線位置)に対応させて離線発生箇所毎に離線発生回数を計数する。局部摩耗判定部10dは、トロリ線とすり板とが離れる離線が発生する離線発生回数に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する。局部摩耗判定部10dは、離線発生箇所毎の離線発生回数が所定値(しきい値)を超えたときには、すり板に局部摩耗が発生していると判定する。
【選択図】図3
Description
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図2、図3、図6及び図10〜図12に示すように、トロリ線(1a)と摺動するすり板(5f)に発生する局部摩耗(W)を検出するすり板の局部摩耗検出装置であって、前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生回数(N)に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定部(10d)を備えることを備えるすり板の局部摩耗検出装置(10)である。
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1に示す架線1は、線路上空に架設される架空電車線である。架線1は、所定の間隔をあけて架線支持装置2によって支持点Pで支持されている。図1に示す架線1は、トロリ線1aと、ちょう架線1bと、ハンガイヤー1cなどを備えるシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線である。架線1は、トロリ線1a及びちょう架線1bの径間長(径間)Lが所定の長さ(例えば45〜50m程度)になるように架線支持装置2によって支持されている。ここで、径間長Lとは、トロリ線1aが支持される支持点P間の距離である。
以下では、図3に示す制御部10gの動作を中心として説明する。
図8に示すステップ(以下、Sという)100において、離線が発生したか否かを制御部10gが判断する。図3に示すトロリ線位置検出装置8、離線検出装置9A,9B及び局部摩耗検出装置10に電源装置から電力が供給されると、局部摩耗検出プログラムをプログラム記憶部10fから制御部10gが読み出して、一連の局部摩耗検出処理を制御部10gが実行する。図1、図5及び図7に示すように、車両4がすり板5fとともに軌道3上を起点(出発地点)からV方向に走行を開始すると、図7に示すようにすり板5fに対してトロリ線1aが左右方向に往復動作しながらトロリ線1aとすり板5fとが摺動する。その結果、図3に示すトロリ線位置検出装置8が左右方向に移動するトロリ線1aの現在位置であるトロリ線位置±ΔXを検出してトロリ線位置情報を局部摩耗検出装置10の信号入力部10aに出力する。信号入力部10aから制御部10gにトロリ線位置情報が入力すると、離線発生箇所特定部10bにこのトロリ線位置情報を制御部10gが出力する。
(1) この第1実施形態では、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線が発生する離線発生回数Nに基づいて、このすり板5fの局部摩耗Wの有無を局部摩耗判定部10dが判定する。このため、すり板5fの所定箇所で複数回にわたり離線が発生するときには、すり板5fに発生する局部摩耗Wを発生初期の段階で迅速にその場で検出することができる。
以下では、図1〜図7に示す部分と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図9及び図10に示す離線検出装置9Cは、トロリ線1aとすり板5fとが離れる離線を検出する装置である。離線検出装置9Cは、図1及び図3に示す離線検出装置9A,9Bと同様に、車両4に搭載された状態でこの車両4とともに軌道3上を移動してリアルタイムで離線を検出する。図9及び図10に示す離線検出装置9Cは、すり板5fに対してトロリ線1aが摺動しながら左右方向に往復移動するときに、離線によって発生するアークAとこのアークAの発生時のトロリ線位置±ΔXとを撮影する。離線検出装置9Cは、離線発生時に発生するアークAの光を検出する光学式離線検出装置としての機能と、すり板5fに対するトロリ線1aの位置を撮影してこのトロリ線1aの左右方向の位置を検出するトロリ線位置検出装置としての機能とを有する。離線検出装置9Cは、例えば、図1及び図3に示す離線検出装置9Bと同様の紫外線検出式の撮影装置である。離線検出装置9Cは、離線発生時のアークAとこの離線発生時のトロリ線位置±ΔXとを同時に撮影して、この撮影画像を離線検出情報(離線検出信号)として局部摩耗検出装置10に出力する。
(1) この第2実施形態では、離線発生箇所±ΔX1,…を離線発生回数演算部10hが特定して、この離線発生箇所±ΔX1,…毎に離線発生回数Nをこの離線発生回数演算部10hが演算する。このため、第1実施形態に比べて離線発生箇所±ΔX1,…とこの離線発生箇所±ΔX1,…毎の離線発生回数Nとを一つの離線発生回数演算部10hによって一度に測定することができ、局部摩耗検出装置10の構成を簡単にすることができる。例えば、トロリ線1aとすり板5fとが離線したときに発生するアークAの撮影画像に基づいて、すり板5f上の離線発生箇所±ΔX1,…を簡単に特定することができるとともに、離線発生回数Nを簡単に計数することができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、架線1がシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線である場合を例に挙げて説明したが、このような架線方式に限定するものではない。例えば、シンプルカテナリ式ちょう架方式の架線1のトロリ線1aとちょう架線1bとの間に補助ちょう架線を1本架設し、補助ちょう架線にトロリ線1aをハンガイヤー1cによって吊り下げるコンパウンドカテナリ式ちょう架方式の架線についてもこの発明を適用することができる。同様に、シンプルカテナリ式ちょう架方式の架線を所定の間隔をあけて2組平行に架設したツインシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、電車線として架空式電車線路を例に挙げて説明したが、架空式電車線路のうち線条ではなく剛体を使用する剛体ちょう架式電車線路、導電性レールを使用する第三軌条式(サードレール式)電車線路などについてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、旅客又は貨物の運輸営業を行う営業車である車両4に局部摩耗検出装置10を搭載する場合を例に挙げて説明したが、架線1及び軌道3などの使用状態における機能を検査する検測車に局部摩耗検出装置10を搭載することもできる。
1a トロリ線
2 架線支持装置
3 軌道
3a レール
4 車両
5 集電装置
5f すり板
6 主回路装置
7 通電部
8 トロリ線位置検出装置
8a 距離測定部
8b 走査部
8c 回転角度検出部
8d トロリ線位置演算部
9A〜9C 離線検出装置
10 局部摩耗検出装置
10a 信号入力部
10b 離線発生箇所特定部
10c,10h 離線発生回数演算部
10d 局部摩耗判定部
10e 判定結果送信部
10f プログラム記憶部
10g 制御部
11 告知装置
A アーク
L 径間長
P 支持点
W 局部摩耗
Δ トロリ線偏位
D1 光路長
D2 距離
θ 回転角度
±ΔX トロリ線位置
±ΔX1,… 離線発生箇所(トロリ線位置)
N 離線発生回数
Nth 所定値
O 基準位置
R 基準スケール
Claims (14)
- トロリ線と摺動するすり板に発生する局部摩耗を検出するすり板の局部摩耗検出装置であって、
前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生回数に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定部を備えること、
を備えるすり板の局部摩耗検出装置。 - 請求項1に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
前記局部摩耗判定部は、前記離線が発生する前記すり板上の離線発生箇所と、この離線発生箇所毎の前記離線発生回数とに基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定すること、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。 - 請求項2に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
前記局部摩耗判定部は、前記離線発生箇所毎の前記離線発生回数が所定値を超えたときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定すること、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
前記離線発生箇所を特定する離線発生箇所特定部と、
前記離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算部とを備えること、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。 - 請求項4に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
前記局部摩耗判定部は、前記離線発生箇所特定部の特定結果と前記離線発生回数演算部の演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定すること、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
前記離線発生箇所を特定して、この離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算部を備えること、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。 - 請求項6に記載のすり板の局部摩耗検出装置において、
前記局部摩耗判定部は、前記離線発生回数演算部の演算結果に基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定すること、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出装置。 - トロリ線と摺動するすり板に発生する局部摩耗を検出するすり板の局部摩耗検出プログラムであって、
前記トロリ線と前記すり板とが離れる離線が発生する離線発生回数に基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する局部摩耗判定手順をコンピュータに実行させること、
を備えるすり板の局部摩耗検出プログラム。 - 請求項6に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
前記局部摩耗判定手順は、前記離線が発生する前記すり板上の離線発生箇所と、この離線発生箇所毎の前記離線発生回数とに基づいて、このすり板の局部摩耗の有無を判定する手順を含むこと、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。 - 請求項9に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
前記局部摩耗判定手順は、前記離線発生箇所毎の前記離線発生回数が所定値を超えたときには、前記すり板に局部摩耗が発生していると判定する手順を含むこと、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。 - 請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
前記離線発生箇所を特定する離線発生箇所特定手順と、
前記離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算手順とを含むこと、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。 - 請求項11に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
前記局部摩耗判定手順は、前記離線発生箇所特定手順における特定結果と前記離線発生回数演算手順における演算結果とに基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定すること、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。 - 請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
前記離線発生箇所を特定して、この離線発生箇所毎に前記離線発生回数を演算する離線発生回数演算手順を含むこと、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。 - 請求項13に記載のすり板の局部摩耗検出プログラムにおいて、
前記局部摩耗判定手順は、前記離線発生回数演算部の演算結果に基づいて、前記すり板の局部摩耗の有無を判定する手順を含むこと、
を特徴とするすり板の局部摩耗検出プログラム。
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