JP2012191778A - パンタグラフの動特性の異常検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パンタグラフの動特性の異常によって影響を受けるトロリ線の挙動を監視することによって、パンタグラフの異常(動特性異常)を検出する方法を提供する。
【解決手段】 トロリ線Tのモニター位置P1には加速度計30が取り付けられており、トロリ線Tの上下加速度が検知される。監視されるパンタグラフ1がモニター位置P1を通過する際のトロリ線の振動(監視振動という)を加速度計30で測定する。一方、このパンタグラフが、正常な状態において、モニター位置P1を通過する際のトロリ線の振動(参照振動という)を加速度計30で測定しておく。そして、参照振動と監視振動とを比較して、運行状態におけるパンタグラフの動特性が正常であるか異常であるかを検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パンタグラフの動特性(ばね定数など)の異常を検出する方法に関する。
現状の電気鉄道においては、トロリ線(架線)から車体屋根に搭載されたパンタグラフを介して車両に電力を送る方式が一般的である。このようなパンタグラフは、トロリ線に押し当てられるすり板体、すり板体に弾性力を与える復元ばね、これらを支持する舟体、舟体を昇降可能に支持するとともに、トロリ線に押し当てる押上力を与える支持機構等を備えている。
このようなパンタグラフにおいて、復元ばねの折損や可動部の固渋が生じると、パンタグラフの挙動が異常となり、トロリ線とすり板体との接触力が変動して、離線現象や著大なトロリ線の歪みなどパンタグラフやトロリ線に対して好ましくない影響を及ぼす場合がある。パンタグラフの異常を検知する方法としては、車両に所定のセンサ(加速度計、歪ゲージなど)を搭載し、該センサでパンタグラフの挙動を示す要素を計測するものや、地上設備あるいは車両の屋根に搭載した設備(カメラやセンサ)で、パンタグラフを監視するものなどが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2003−156397号公報 特開2001−235310号公報
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであって、パンタグラフ自身や地上あるいは車上の設備を用いずに、パンタグラフの動特性の異常によって影響を受けるトロリ線の挙動を監視することによって、パンタグラフの異常(動特性異常)を検出する方法を提供することを目的とする。
本発明のパンタグラフの動特性の異常検出方法は、 トロリ線から電車に給電するパンタグラフの動特性の異常を検出する方法であって、 対象となるパンタグラフが正常な状態において、該パンタグラフが前記トロリ線の所定の位置を所定の速度で通過する際の該トロリ線の振動(参照振動という)を測定しておき、 前記電車の運行状態において、前記パンタグラフが前記トロリ線の所定の位置を所定の速度で通過する際の該トロリ線の振動(監視振動という)を測定し、 前記参照振動と前記監視振動とを比較して、前記運行状態における前記パンタグラフの動特性が正常であるか異常であるかを検出することを特徴とする。
本発明においては、パンタグラフによって加振されるトロリ線の振動特性を監視することによって、パンタグラフの動特性を判定する。この場合、例えば、パンタグラフの挙動を、パンタグラフ自体にセンサを取り付けて計測する方法や、車両の屋根に搭載したカメラなどで監視する方法と比べて、一か所における監視で多くの車両の検査ができる。また、パンタグラフの外観から判別できない動特性の異常を検出できるという利点もある。
パンタグラフのバネの折損や連結部の固渋が生じると、パンタグラフの動特性が変動し、この変動に伴いパンタグラフが摺動するトロリ線の振動特性(加速度)も変動する。そこで、正常なパンタグラフがトロリ線のモニター位置を通過する際の加速度と、監視されるパンタグラフがモニター位置を通過する際の加速度を検知し、参照加速度と監視加速度を比較することにより、監視されるパンタグラフの動特性が異常であるかどうかを検出できる。
例えば、電車の基地や駅にモニター位置を設けて、予め、パンタグラフの種別ごと及び車両速度毎に振動特性(参照振動)を求めておく。試験時には、監視パンタグラフをモニター位置を通過させて、振動特性(監視振動)を求める。この監視振動と、該当する種別及び車両速度の参照振動とを比較して、監視パンタグラフの動特性を判定する。このような方法によれば、パンタグラフの異常を早期に発見できるので、パンタグラフや架線設備の重大な事故を未然に防ぐことができる。
本発明においては、 前記トロリ線の振動測定として前記トロリ線の参照振動と監視振動の上下加速度を測定し、 測定された上下加速度を短時間フーリエ変換し、 フーリエ変換後の前記参照振動と前記監視振動の複素空間における差の絶対値を算出する手法が、振動特性の判定に効果的である。この場合、絶対値が所定のしきい値未満の場合は正常、所定のしきい値以上の場合は異常と判定する。
本発明においては、 前記トロリ線の振動のうち、前記パンタグラフの追随振幅特性の極値周辺の周波数の振動のみを測定又は比較の対象とすることが好ましい。
パンタグラフの動特性に異常が発生した際には、追随振幅の極値の周波数がシフトすることが予想される。このため、この周波数の範囲で監視することにより、効果的に異常検知ができる。
別言すれば、極値周辺以外は、パンタグラフの動特性が変わってもトロリ線の振動特性があまり変わらないので、測定・比較の対象とする価値があまりない。それどころか、ノイズを拾って誤検出のおそれが増えるので、予め追随振幅特性の極値周辺の周波数領域を観察することが好ましい。
追随振幅特性の極値とは、最大値と最小値の両方を含む。最大値の周波数は、いわゆる、共振周波数とも呼ばれる。
本発明においては、 前記モニター位置における、前記トロリ線と前記パンタグラフからなる振動系への加振周波数が場所によって変化するように電車線が構成されていることが好ましい。
追随振幅特性の極値の周波数に近い加振周波数のときに、トロリ線の振動に、パンタグラフ動特性変化に伴う有意差が出やすい。この周波数の付近で測定することにより、パンタグラフ動特性変化をより正確に捉えることができる。
この場合の具体的な構成例としては、 前記モニター位置における、前記トロリ線と前記パンタグラフからなる振動系への加振力が、通常のトロリ線部分よりも大きくなるように構成されていることとできる。
振動系への加振力が大きくなると、トロリ線の振動も大きくなり、計測される値も大きくなる。これにより、異常時の変化が強調されるので、精密な測定が可能になる。
他の例として、 前記モニター位置において、トロリ線のハンガ間隔を不均一としたり、 前記モニター位置において、トロリ線のハンガ間隔を一定の割合で連続的に変化させてもよい。
このように、ハンガ間隔を不均一にした場合やスイープした場合は、いろいろな周波数の振動をパンタグラフとトロリ線に加えることができる。
あるいは、 前記モニター位置において、トロリ線高さを意図的に不整としてもよい。
この場合は、トロリ線の振動が極度に大きくなる。
あるいは、 トロリ線のセクションインシュレータ又はその同等物の、車両進行方向の奥に前記モニター位置を設置してもよい。
セクションインシュレータとトロリ線との境目には、一般に剛性や線密度の不連続点が生じる。パンタグラフがこの不連続点を通過する際に、トロリ線にインパルス入力が入り、広帯域の周波数領域に加振力が作用する。
上記の方法によって、トロリ線に様々な周波数を加えてパンタグラフの追随振幅特性を求めておくことによって、観測対象となる極値付近の周波数範囲の振動が大きくなり、パンタグラフの動特性変化が求めやすくなる。前述したように、追随振幅特性の極値の周波数に近い加振周波数のときに、トロリ線の振動にパンタグラフ動特性変化に伴う有意差が出やすいので、この周波数付近で測定することにより、パンタグラフ動特性変化を効率的に検知できる。
本発明においては、 前記モニター位置の近傍に、原点位置及び車両速度計測手段を設置することもできる。
本発明においては、 前記モニター位置に、トロリ線の振動を計測するセンサを複数個設置し、 所定数以上の前記センサの計測結果が異常であるときに、パンタグラフ動特性異常と判断することもできる。
パンタグラフのバネの折損や連結部の固渋が生じると、パンタグラフの動特性が変動し、この変動に伴いパンタグラフが摺動するトロリ線の振動(加速度)も変動する。そこで、正常なパンタグラフがトロリ線のモニター位置を通過する際の加速度と、監視されるパンタグラフがモニター位置を通過する際の加速度を検知し、参照加速度と監視加速度を比較することにより、監視されるパンタグラフの動特性が異常であるかどうかを検出できる。このようなモニター位置を設けて適宜な時期に測定すれば、パンタグラフの異常を早期に発見できるので、パンタグラフや架線設備の重大な事故を未然に防ぐことができる。
本発明の実施の形態に係るパンタグラフの動特性異常検知方法において、トロリ線に加速度計を取り付けた状態を示す図である。 図2(A)は、図1のパンタグラフの動特性異常検知方法における処理方法を示すブロック図、図2(B)は、処理結果の一例を示す二次元プロット図である。 バネ定数を変化させた場合の、パンタグラフの追随振幅特性を示すグラフである。 トロリ線に加速度計を取り付けた状態の他の例を示す図である。 パンタグラフの構造の一例を示す側断面図である。 パンタグラフの構造の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図5、図6を参照して、パンタグラフの構造の一例を説明する。
この図に示すパンタグラフ1はシングルアーム式であり、トロリ線Tと摺動するすり板体11を保持する舟体10と、舟体10を支持し、電気鉄道車両の屋根に起立倒伏可能に設置された枠組20とを主に備える。これらは、車両の屋根に碍子を介して固定されたフレームに取り付けられている。
舟体10は、車体の幅方向(左右方向)に沿って延びる箱状体であり、一例でアルミニウム合金等で作製される。この例では、2個の舟体10が、走行方向(前後方向)に平行に並んでいる。各舟体10の上面には、すり板11が取り付けられている。すり板11は、一例で鉄系や銅系の焼結合金、あるいは、カーボン系材料等で作製される。このすり板11がトロリ線Tに直接接触する。この例のように舟体10を2個備えることにより、いずれかのすり板11を確実にトロリ線Tに着線させることができる。
2個の舟体10は、図6に示すように、両端付近で左右の舟支え13に連結されている。さらに、各舟体10は復元バネ15によって舟支え13に弾性支持されている。各復元バネ15はベローバネ等からなり、上端が各舟体10から水平に突き出た張り出し部10aの下面に連結されているとともに、下端が舟支え13に連結されている。この例では、図6に示すように、復元バネ15は計8個設けられている。左右の舟支え13は、左右方向に延びる天井管17に連結されている。この天井管17には、枠組20の上端が連結されている。
このようなパンタグラフにおいては、復元バネ15の折損やヘタリ、コロなどの摺動部位Cなどに固渋が生じると、パンタグラフのバネ定数や減衰特性等や動特性が変化する。
次に、図1を参照して、本発明の実施の形態に係るパンタグラフの動特性異常検出方法を説明する。
図1は、架線設備の一例を示す図である。トロリ線Tを支持する支柱51は、図の左右方向に延びる軌道53に沿って、所定の間隔で立てられている。支柱51には、軌道53と直交する方向に延びるアーム55が、碍子を介して取り付けられている。このアーム55には、吊架線57が架けられている。トロリ線Tは、吊架線57に所定の間隔で設けられたハンガ59によって吊り下げられている。トロリ線Tには、パンタグラフ1のすり板11が下方から押し付けられながら摺動する。
軌道53上には、動特性異常検出位置P1(モニター位置)が設けられており、同位置P1におけるトロリ線Tの上面に加速度計30が取り付けられている。加速度計30は、トロリ線Tの上下方向加速度を検出する。加速度計30で検出された加速度は、有線31又は無線で処理部33に送られて、後述するように処理される。
図5、図6に示したパンタグラフにおいては、舟体10と舟支え13との摺動部(図5の符号Cで示す)の固渋や、復元バネ15が折損したり、ヘタリが生じると、動特性に異常が生じる。このように異常が生じたパンタグラフがトロリ線Tと摺動すると、トロリ線Tの振動は正常な場合と異なり、トロリ線Tの上下加速度が変動する。
そこで、本発明においては、正常なパンタグラフがトロリ線のモニター位置P1を通過する際の加速度(参照加速度)と、監視されるパンタグラフがモニター位置P1を通過する際の加速度(監視加速度)を加速度計30で検知し、参照加速度と監視加速度を比較することにより、監視されるパンタグラフの動特性が異常であるかどうかを検出する。
図2(A)は、本発明のパンタグラフの動特性異常検知方法を説明するブロック図である。
まず、監視されるパンタグラフと同じ種類の、正常なパンタグラフ(参照パンタグラフ)を搭載した車両を用いて、同車両のパンタグラフがモニター位置P1を通過する際の、所定速度における加速度a(t)を計測する。計測は、例えば、試験走行時に行うことができる。そして、計測された加速度a(t)に対して、短時間フーリエ変換を行って振動スペクトルを得る。フーリエ変換の時間幅をTとすると、トロリ線の上下加速度の短時間フーリエ変換STFTa(t、ω)は、数1で表わされる。

数1における窓関数ω(t)は様々な関数が適用可能であるが、一例として、数2に示すハニングウィンドウなどを使用する。

数1の結果得られる短時間フーリエ変換STFTa(t、ω)は、時間tと周波数ωに分解能を持つ複素数として得られる。
このデータを、様々な走行速度で計測しておく。
次に、監視されるパンタグラフ(監視パンタグラフ)を有する車両のパンタグラフがモニター位置P1を通過する際の監視加速度a(t)を加速度計30で計測する。計測された加速度を、前述の方法と同様で短時間フーリエ変換を行い、STFTa(t、ω)を算出する。この際、該車両の走行速度も求めておく。
そして、監視パンタグラフの短時間フーリエ変換STFTa(t、ω)と、監視用パンタグラフと同じ走行速度における参照パンタグラフの加速度の短時間フーリエ変換STFTa(t、ω)と、複素空間における差の絶対値を数3から算出する。
算出された値Ya(t、ω)が、ある閾値θを超えた場合にパンタグラフの動特性異常が発生したと判定する。閾値θは、許容できない程度の動特性異常が生じているパンタグラフを使用した試験を行い、事前に求めておく。この際、走行速度やパンタグラフの種別ごとに閾値を求めておく。
Ya(t、ω)の算出結果の一例を図2(B)の二次元プロット図に示す。図の横軸は時間(s)、縦軸は周波数(Hz)を示す。Ya(t、ω)の強度が高いほど赤く表示され、小さいほど青く表示される。
ここで、検知対象とする周波数は、パンタグラフの追随振幅特性の極値付近の周波数とする。パンタグラフの追随振幅特性の例を図3のグラフに示す。グラフの横軸は周波数(Hz)、縦軸は追随振幅(mm)を示す。バネ定数K1が通常時のもの(10720N/m)、通常より軟らかいもの(7063N/m、4000N/m)の各々について、追随振幅を計算した。
グラフからわかるように、通常時のものは、周波数5Hz付近に極小値を持ち、周波数7Hz付近に極大値をもつ。バネ定数が小さくなるほど、極小値、極大値は低い周波数にシフトする。この例では、極値の変動範囲は2〜8Hzである。この変動範囲以外は、バネ定数が変わっても振動特性はほとんど変わらない。
つまり、バネ定数の変動をパンタグラフの動特性の変動によるものとすると、パンタグラフの動特性が変動すると、追随振幅の極値の周波数がシフトすることとなる。このため、動特性異常による追随振幅の極値の周波数のシフト範囲を予め求めておき、同範囲内の周波数で検知することが効果的である。つまり、図2(B)の二次元プロット図において、前述の周波数の変動範囲である2〜8Hzの範囲をみると、時間が約7秒の時点で特に赤く表示されている。つまり、この時点で通過したパンタグラフに動特性異常が生じていることになる。この範囲以外はバネ定数が変わっても振動特性はほとんど変わらないので、測定・比較の対象とする必要はない。
なお、この範囲も、予めパンタグラフの種別ごとに求めておく。
なお、加速度a(t)、a(t)の時間tの原点は、それぞれデータ取得時のパンタグラフの位置に対して同期がとれている必要がある。このため、時間tをゼロとする位置を予め設定しておき、同位置を通過した時点でt=0とする。この位置は、例えば、所定の加速度計の直下位置や、加速度計の手前に検知箇所を別に設けて、ここを車両が通過したことを検知するセンサ(レーザ変位計や光電センサなど)を設置する。また、これらのセンサを軌道に沿って2か所に設置すれば、車両速度を検出することもできる。
具体的な方法の一例を説明する。
モニター位置を、電車の基地や駅などとし、同位置に加速度計を設置しておく。そして、定期点検後などのパンタグラフ正常時において、所定の速度(何種類かの速度でもよい)で電車をモニター位置で走行させる。そして、パンタグラフがモニター位置を通過する時のトロリ線の加速度(参照加速度)を測定しておく。一方、監視されるパンタグラフにおいては、通常運行時、例えば電車が基地に帰るときや、基地を出るときに上記モニター位置を通過させて、トロリ線の加速度(監視加速度)を計測する。そして、前述の方法でパンタグラフの動特性を判定する。
本発明においては、パンタグラフの異常を検出しやすくするため、トロリ線の振動が励起されやすい状態を想定したモデル区間を設けることもできる。
モデル区間の一例を図4に示す。
図4に示すように、モニター位置P1の周辺、特にモニター位置P1の手前のハンガ59の間隔を不均一にする(図のR1で示す範囲)、あるいは、ハンガ間隔をスイープする(徐々に減少又は増加する)。あるいは、モニター位置P1の周辺、特にモニター位置P1の手前のトロリ線Tの高さを不整にする(図のR2で示す範囲)。あるいは、これらを組み合わせる。トロリ線高さを不整にした場合は、トロリ線の振動が極度に大きくなる。また、ハンガ間隔を不均一にした場合やスイープした場合は、いろいろな周波数をパンタグラフへ加えることができる。
あるいは、トロリ線に設けられているセクションインシュレータ(無電区間を形成するためにFRP等で作製されたインシュレータ)の進行方向前方をモニター位置とする。セクションインシュレータとトロリ線との境目には、剛性や線密度の不連続点があるため、パンタグラフがこの不連続点を通過する際に、トロリ線にインパルス入力が入り、広帯域の周波数領域に加振力が作用する。
このように、トロリ線に様々な周波数を加えてパンタグラフの追随振幅特性を求めておくことによって、観測対象となる極値付近の周波数範囲の振動が大きくなり、パンタグラフの動特性変化が求めやすくなる。前述したように、追随振幅特性の極値の周波数に近い加振周波数のときに、トロリ線の振動にパンタグラフ動特性変化に伴う有意差が出やすいので、この周波数付近で測定することにより、パンタグラフ動特性変化を効率的に検知できる。
また、モニター位置P1に、複数個の加速度計を取り付けてもよい。この場合、いずれかの加速度計が一定の割合で異常を検知した場合、動特性異常とする。
1 パンタグラフ 10 すり板
11 舟体 13 舟支え
15 復元バネ 17 天井管
20 枠組
30 加速度計 31 有線
33 処理部
51 支柱 53 軌道
55 アーム 57 吊架線
59 ハンガ

Claims (11)

  1. トロリ線から電車に給電するパンタグラフの動特性の異常を検出する方法であって、
    対象となるパンタグラフが正常な状態において、該パンタグラフが前記トロリ線の所定の位置を所定の速度で通過する際の該トロリ線の振動(参照振動という)を測定しておき、
    前記電車の運行状態において、前記パンタグラフが前記トロリ線の所定の位置を所定の速度で通過する際の該トロリ線の振動(監視振動という)を測定し、
    前記参照振動と前記監視振動とを比較して、前記運行状態における前記パンタグラフの動特性が正常であるか異常であるかを検出することを特徴とするパンタグラフの動特性の異常検出方法。
  2. 前記トロリ線の振動測定として前記トロリ線の参照振動と監視振動の上下加速度を測定し、
    測定された上下加速度を短時間フーリエ変換し、
    フーリエ変換後の前記参照振動と前記監視振動の複素空間における差の絶対値を算出し、
    該値が所定のしきい値未満の場合は正常、該値が所定のしきい値以上の場合は異常と判定することを特徴とする請求項1に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
  3. 前記トロリ線の振動のうち、前記パンタグラフの追随振幅特性の極値周辺の周波数の振動のみを測定又は比較の対象とする請求項2に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
  4. 前記モニター位置における、前記トロリ線と前記パンタグラフからなる振動系への加振周波数が場所によって変化するように電車線が構成されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
  5. 前記モニター位置における、前記トロリ線と前記パンタグラフからなる振動系への加振力が、通常のトロリ線部分よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
  6. 前記モニター位置において、トロリ線のハンガ間隔が不均一であることを特徴とする請求項4又は5に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
  7. 前記モニター位置において、トロリ線のハンガ間隔を一定の割合で連続的に変化させたことを特徴とする請求項4又は5に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
  8. 前記モニター位置において、トロリ線高さを意図的に不整としたことを特徴とする請求項4又は5に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
  9. トロリ線のセクションインシュレータ又はその同等物の、車両進行方向の奥に前記モニター位置を設置したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
  10. 前記モニター位置の近傍に、原点位置及び車両速度計測手段を設置したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
  11. 前記モニター位置に、トロリ線の振動を計測するセンサを複数個設置し、
    所定数以上の前記センサの計測結果が異常であるときに、パンタグラフ動特性異常と判断することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のパンタグラフの動特性の異常検知方法。
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