JP5920161B2 - 異種金属部材の接合構造 - Google Patents

異種金属部材の接合構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5920161B2
JP5920161B2 JP2012228062A JP2012228062A JP5920161B2 JP 5920161 B2 JP5920161 B2 JP 5920161B2 JP 2012228062 A JP2012228062 A JP 2012228062A JP 2012228062 A JP2012228062 A JP 2012228062A JP 5920161 B2 JP5920161 B2 JP 5920161B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dissimilar metal
flange portion
bulging
flange
joining structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012228062A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014080063A (ja
Inventor
貴広 木村
貴広 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2012228062A priority Critical patent/JP5920161B2/ja
Publication of JP2014080063A publication Critical patent/JP2014080063A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5920161B2 publication Critical patent/JP5920161B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、自動車等の車両における、異種金属部材の接合構造に関するものである。
従来から、車両のサイドドアやバックドアでは、インナパネルを鋼板で構成する一方で、アウタパネルをアルミニウム合金板で構成することにより、ドアの剛性を確保しながらその軽量化を図ることが考えられている。この場合、検討すべき事項として異種金属接合による変形の問題がある。すなわち、鋼板とアルミニウム合金板とは熱膨張率が異なるため、製造時の塗装焼付け工程や炎天下での駐車などにより車体が加熱されると、熱膨張率の差により接合部分に撓みなどの熱歪みが発生することがある。そこで最近では、異種金属部材の接合構造として、特許文献1に開示される技術が提案されている。この文献には、アルミルーフパネルと、鋼板からなるサイドルーフレールとを車両前後方向の複数の位置において非貫通型リベットで接合するとともに、アルミルーフパネルにその接合部に沿って(車両前後方向に沿って)延びるビードを形成することが記載されている。つまり、アルミルーフパネルとサイドルーフレールとの熱膨張率の相違により発生する車幅方向の歪みを、アルミルーフパネルに形成されたビード部分で吸収させるというものである。
特開2005−119577号公報
しかし、アルミルーフパネルには車両前後方向の熱膨張も生じるため、特許文献1に開示される技術では、接合部の並び方向(車両前後方向)におけるアルミルーフパネルの歪みを解消することは困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、特定方向の複数の位置で互いに接合された異種金属部材において、その剛性を確保しつつ、前記特定方向の熱歪みが発生することを抑制する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の異種金属部材の接合構造は、金属板からなる第1部材と、前記金属板よりも熱膨張率の大きい金属板からなり、前記第1部材に重ね合わされる第2部材とを含み、前記第1部材は、前記第2部材から離反する方向に膨出して第1方向に延びる第1膨出部と、この第1膨出部の頂部からさらに前記第2部材と離反する方向に膨出して前記第1方向に延びる第2膨出部と、前記第1方向と直交する第2方向において前記第1膨出部の両端にそれぞれ繋がる第1フランジ部および第2フランジ部とを備え、前記第2部材は、前記第1方向の複数の位置に形成されかつ各々前記第2方向に延びる複数のビード部を有し、前記第1部材および前記第2部材は、当該第2部材のうち、互いに隣接する前記ビード部の間の部分と前記第1部材の各フランジ部のうち少なくとも第1フランジ部とが点接合されることで、互いに接合されているものである。
この構造によれば、第1部材に第1膨出部および第2膨出部が形成されていることで、第1部材と第2部材との接合部分における曲げ剛性が向上する。しかも、接合部の間に形成された各ビード部が第2部材の第1方向の熱膨張を吸収することで、第1部材と第2部材との熱膨張率の差による当該第1部材と第2部材との接合部分の歪み、特に、第2部材における点接合部の並び方向(第1方向)の歪の発生が抑制される。
より具体的に、前記第2部材は、前記第1膨出部に対向する位置で前記第1部材から離反する方向に膨出しかつ前記第1方向に延びる第3膨出部と、前記第2方向において前記第3膨出部の一方側の端部に繋がって第1部材の前記第2フランジ部に重なる第3フランジ部と、前記第2方向において前記第3膨出部の他方側の端部に繋がって前記第2方向に延びかつ第1部材の前記第1フランジ部に重なる延設部とを有し、当該延設部にのみ前記ビード部が形成されており、前記第1部材および前記第2部材は、前記延設部のうち、互いに隣接する前記ビード部の間の部分と前記第フランジ部が接合されるとともに、前記第2フランジ部と前記第3フランジ部とが前記第1方向の複数の位置で点接合されることで、互いに接合されているものである。
この接合構造によれば、第2部材に第3膨出部が形成されていることで、第1部材と第2部材との接合部分が中空断面となるため、当該接合部分の曲げ剛性が効果的に高められる。加えて、第2部材の膨出部が第2方向の熱膨張を吸収することで、当該第2方向についても、第1部材と第2部材との接合部分における歪みの発生が抑制される。
また、上記の接合構造において、前記第2部材は、前記第1方向に近接しかつ前記第2方向に互いに平行に延びる一組の前記ビード部をビード部対として、前記第1方向に所定間隔を隔てて並ぶ複数のビード部対を備え、互いに隣接するビード部対の間の位置で前記第1部材の第1フランジ部に接合されているものであってもよい。
この構造によれば、ビード部対の部分が局所的に変形し易くなり、第1方向における第2部材の熱膨張をより効果的に吸収させることが可能となる。
また、上記の接合構造において、前記第1部材は、前記第1膨出部の頂部に、前記第2膨出部に隣接して前記第1方向に延びかつ前記第2膨出部とは反対側に凹む溝部を備えているものであってもよい。
この接合構造によれば、第1部材と第2部材との接合部分の曲げ剛性をより一層高めることが可能となる。
なお、より具体的な構成として、前記第1部材および前記第2部材は、互いに接合されることにより、車両のリアシート後方に配置されるリアパッケージトレイを構成するものであり、車幅方向を前記第1方向として、前記複数の位置で互いに点接合されているものである。
この接合構造によれば、第1部材と第2部材との熱膨張率の差により、車両の製造過程、例えば塗装焼付け工程などにおいて、リアパッケージトレイに歪みが発生することを効果的に抑制することが可能となる。この場合、前記第1部材は、前記第2部材の上側に重ねられているのが好適である。
なお、具体的な材料としては種々考えられるが、例えば前記1部材は鋼板からなり、前記第2部材はアルミ合金板からなるものが考えられる。つまり、アルミ合金板は鋼板よりも熱膨張率が大きいため、上記のような接合構造によれば、第1部材と第2部材との接合部分の歪みを抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明の異種金属部材の接合構造によれば、第1部材に第1膨出部および第2膨出部が形成されていることで、第1部材と第2部材との接合部分における曲げ剛性が向上する。しかも、点接合部の間に形成された各ビード部が第2部材の第1方向の熱膨張を吸収することで、第1部材と第2部材との熱膨張率の差による当該第1部材と第2部材との接合部分の歪み、特に、第2部材における点接合部の並び方向(第1方向)の歪の発生が効果的に抑制される。
本発明が適用されたリアパッケージトレイを示す斜視図である。 車両におけるリアパッケージトレイの位置を説明するための説明図である。 リアパッケージトレイを構成するサイド/リアパネルとセンタパネルとの接合部分を示す斜視図である(第1実施形態)。 リアパッケージトレイの断面図であり、(a)は図3のIVa−IVa線断面図であり、(b)は図3のIVb−IVb線断面図であり、(c)は図3のIVc−IVc線断面図である。 リアパッケージトレイを構成するサイド/リアパネルとセンタパネルとの接合部分を示す斜視図である(第2実施形態)。 リアパッケージトレイの断面図であり、(a)は図5のVIa−VIa線断面図であり、(b)は図3のVIb−VIb線断面図であり、(c)は図3のVIc−VIc線断面図である。 リアパッケージトレイをサイド/リアパネルとセンタパネルとの接合部分を示す斜視図である(第3実施形態)。 リアパッケージトレイの断面図であり、(a)は図7のVIIIa−VIIIa線断面図であり、(b)は図7のVIIIb−VIIIb線断面図であり、(c)は図7のVIIIc−VIIIc線断面図である。 リアパッケージトレイを構成するサイド/リアパネルとセンタパネルとの接合部分を示す斜視図である(第4実施形態)。 リアパッケージトレイの断面図であり、(a)は図9のXa−Xa線断面図であり、(b)は図9のXb−Xb線断面図である。 リアパッケージトレイの熱歪みに関するCAE解析の結果を示す表である。 「比較例」にかかるリアパッケージトレイの接合部分の構造を示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1は、本発明が適用された車両のリアパッケージトレイを示す斜視図である。リアパッケージトレイ3は、図2に示すように、車体1における後部座席2の後方において、トランクルームと車室との隔壁を構成するパネル部材である。なお、以下の説明において、「前後」は車体1の前後方向を基準とし、また、単に幅方向というときには車体1の幅方向を基準とする。
リアパッケージトレイ3は、図1に示すように、車体1の後方に位置する第1水平部3aと、その前端から下方に延びる第1垂下部3bと、この第1垂下部3bの前端から前側に水平に伸びる第2水平部3cと、この第2水平部3cの前端から下方に延びる第2垂下部3dとを含む。
このリアパッケージトレイ3は、主にその外縁部を構成するサイド/リアパネル10(本発明の第1部材に相当する)と、このサイド/リアパネル10の内側の部分を構成するセンタパネル20(本発明の第2部材に相当する)とを含み、これら両パネル10、20が接合一体化された構成を有する。詳しくは、サイド/リアパネル10は、車体1の幅方向両端部に位置して前後方向に延びる一対のサイド部12と、これらサイド部12の後端部同士を繋ぐリア部14とを備えた、平面視コ字形に形成されている。一方、センタパネル20は、前後方向に延びるフランジ部22を幅方向両端に備えた平面視略矩形に形成されている。そして、同図に示すように、センタパネル20の各フランジ部22をサイド/リアパネル10の各サイド部12の上面に重ね合わせるとともに、当該センタパネル20の後端部24をサイド/リアパネル10の前記リア部14の下側に潜り込ませた状態で当該リア部14に下側から重ね合わせ、この状態でこれらの重ね合わせ部分が互いに接合されることにより、サイド/リアパネル10とセンタパネル20とが一体化された上記リアパッケージトレイ3が構成されている。なお、一対のサイド部12やリア部14はそれぞれ分割して成形された後に溶接等で接合されて平面視コ字形に一体的にされているものでもよい。
サイド/リアパネル10は、鋼板から構成されており、センタパネル20は、アルミニウム合金板から構成されている。これにより、リアパッケージトレイ3は、全体としての剛性を確保しつつ軽量化が図られた構造となっている。
なお、鋼板とアルミニウム合金板からなる前記リアパッケージトレイ3は、サイド/リアパネル10(鋼板)に比べてセンタパネル20(アルミニウム合金)の熱膨張率が大きい(線膨張係数が大きい)ため、塗装焼付け工程などにおいてリアパッケージトレイ3が加熱されると、サイド/リアパネル10とセンタパネル20との接合部分、特に、熱膨張率の大きいセンタパネル20側に歪みが生じることが考えられる。そこで、このリアパッケージトレイ3では、前記リアパッケージトレイ3のうち、サイド/リアパネル10のリア部14とセンタパネル20の後端部24との接合部分Pについては、以下のような接合構造が採用されている。
図3は、前記リアパッケージトレイ3のうち、サイド/リアパネル10のリア部14とセンタパネル20の後端部24との接合部分P(第1実施形態)を斜視図で示しており、図4(a)〜(c)は、当該接合部分Pの断面図を示している。
同図に示すように、サイド/リアパネル10のリア部14は、上向きに膨出して幅方向(本発明の第1方向に相当する)に延びる第1膨出部16と、その頂部からさらに上方に膨出して幅方向に延びる、前記第1膨出部16よりも狭幅の第2膨出部17と、第1膨出部16の前後方向(本発明の第2方向に相当する)両端に連続して各々幅方向に延びるフランジ部18a、18bとを備えた断面略ハット形の形状を有している。各膨出部16、17は断面コ字形であり、第2膨出部17は、第1膨出部16の頂部のうち、その前後方向中心よりも後側寄りに形成されている。
一方、センタパネル20の後端部24には、前後方向における前記リア部14の第1膨出部16と同位置に、当該第1膨出部16と反対向き(下向き)に膨出して幅方向に延びる断面コ字形の膨出部26(本発明の第3膨出部に相当する)が形成されるとともに、この膨出部26の後端に繋がって幅方向に延びるフランジ部28bが形成されている。また、センタパネル20のうち、前記膨出部26よりも前側の部分(延設部28aと称す)には、幅方向に一定の間隔で並んで前後方向に互いに平行に延びる複数のビード部30が形成されている。各ビード部30は、前記膨出部26と同様に下向きに膨出する断面コ字形の形状であるが、膨出部26よりも膨出の程度(側壁の上下方向の寸法)が小さく、また膨出部26よりも狭幅(すなわち側壁の間隔が狭い)である。
サイド/リアパネル10のリア部14とセンタパネル20の後端部24とは、同図に示すように、リア部14の各膨出部16、17と後端部24の膨出部26とが互いに離反する方向に膨出するように重ね合わされ、これら膨出部16、17、26により中空断面を形成した状態で、各膨出部16、26の両側の位置であって幅方向の複数の位置(図3中に×印で示す位置)で互いに点接合されている。詳しくは、前記膨出部16、26の前側においては、リア部14の前側のフランジ部18aとセンタパネル20の延設部28aとが重ね合わされ、当該延設部28aの幅方向両端近傍の位置および各ビード部30の間の位置で、前記フランジ部18aと延設部28aとが互いにスポット溶接により接合されている。一方、前記膨出部16、26の後側においては、リア部14の後側のフランジ部18bとセンタパネル20のフランジ部28bとが重ねられ、幅方向の複数の位置であってかつ前記フランジ部18aと前記延設部28aとの接合位置と同じ位置で、これらフランジ部18b、28bが互いにスポット溶接により接合されている。なお、以下の説明では、各スポット溶接の位置を点接合部と称する。
当例では、リア部14のフランジ部18とセンタパネル20とは、スポット溶接で接合されているが、その他の接合手段、リベット接合などのカシメ手段や摩擦撹拌接合などの手段により接合されていてもよい。
このようなサイド/リアパネル10のリア部14とセンタパネル20の後端部24との接合構造によれば、各パネル10、20の膨出部16、17、26により接合部分Pが中空断面となるため、当該接合部分Pの曲げ剛性が高められる。特に、リア部14に、二段の膨出部16、17が形成されていることで曲げ剛性が効果的に高められる。また、リア部14に比して熱膨張率が大きいセンタパネル20に、上記のような膨出部26が形成されていることで、塗装焼付け工程などにおいてリアパッケージトレイ3が加熱された場合でも、この膨出部26により後端部24の前後方向の熱膨張が吸収される。そのため、サイド/リアパネル10とセンタパネル20との熱膨張率の差により接合部分Pに前後方向の歪が発生することが抑制される。しかも、センタパネル20(延設部28a)の互いに隣接する点接合部の間の位置にビード部30が存在するため、これらビード部30により前記後端部24の幅方向の熱膨張、つまり点接合部の並び方向における当該後端部24の熱膨張も効果的に吸収される。そのため、幅方向についても、接合部分Pに歪が発生することが抑制される。従って、この接合構造によれば、サイド/リアパネル10とセンタパネル20との接合部分Pの曲げ剛性を効果的に高めながら、サイド/リアパネル10とセンタパネル20との熱膨張率の差に起因した接合部分Pの歪の発生を抑制することができる。
図5は、サイド/リアパネル10のリア部14とセンタパネル20の後端部24との接合構造(接合部分P)の他の実施形態(第2実施形態)を斜視図で示しており、図6(a)〜(c)は、この接合部分Pを断面図で示している。
第2実施形態の接合構造は、以下の点で、第1実施形態と構造が相違している。すなわち、第2実施形態では、同図に示すように、センタパネル20の延設部28aに、幅方向に近接して並びかつ前後方向に互いに平行に延びる狭幅のビード部31a、31bを一組として(ビード部対31という)、複数のビード部対31が幅方向に一定の間隔で形成されている。そして、リア部14の前側のフランジ部18aとセンタパネル20の延設部28aとが、これらの幅方向両端近傍の位置および各ビード部対31の間の位置で、互いにスポット溶接により点接合されている(図中の×印の位置参照)。
また、センタパネル20の膨出部26には、前後方向に延びる複数の溝部26aが形成されている。各溝部26aは、幅方向において前記ビード部30に対応する位置に各々形成されており、その幅はビード部対31の幅、つまり各ビード部31a、31bの外側の側面間の間隔と同等の寸法に設定されている。
この第2実施形態の接合構造においても、基本的な構造は第1実施形態の接合構造と共通するため、後記熱歪み解析の結果に示すように、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、サイド/リアパネル10とセンタパネル20との接合部分Pの曲げ剛性を高めながら、サイド/リアパネル10とセンタパネル20との熱膨張率の差に起因した接合部分Pの歪の発生を抑制することができる。
図7および図8は、第2実施形態の接合構造(接合部分P)の変形例(第3実施形態)を示している。すなわち、第2実施形態の接合構造では、上記の通り、ビード部対31と同等の幅を有する溝部26aが膨出部26のうち各ビード部対31に対応する位置に形成されていたが、第3実施形態の接合構造では、膨出部26のうち各ビード部31a、31bにそれぞれ対応する位置に、ビード部対31を構成する各ビード部31a、31bと同等の幅を有する溝部26a、26bが形成されている。このような接続構造によっても、後記熱歪み解析の結果に示すように、第3実施形態と同等の作用効果を奏することができる。
図9は、サイド/リアパネル10のリア部14とセンタパネル20の後端部24との接合構造(接合部分P)の第4実施形態を斜視図で示しており、図10(a)、(b)は、この接合部分Pを断面図で示している。同図に示すように、第4実施形態の接合構造は、第2実施形態の接合構造と同様に、センタパネル20の延設部28aに、幅方向に一定の間隔で複数のビード部対31が形成され、サイド/リアパネル10(リア部14)の後側のフランジ部18bとセンタパネル20のフランジ部28bとが幅方向の複数の位置で互いにスポット溶接により点接合される一方、リア部14の前側のフランジ部18aとセンタパネル20(延設部28a)とがこれらの幅方向両端近傍の位置および各ビード部対31の間の位置で、互いにスポット溶接により点接合されている。但し、第4実施形態では、同図に示すようにビード部対31を構成するビード部31a、31bが第2実施形態のビード部31a、31bに比べてより接近するように形成されている。
また、センタパネル20の膨出部26には、この膨出部26の頂部から下向きに膨出して前後方向に延びる複数の膨出部27が形成されている。各膨出部27は、幅方向における前記ビード部対31に対応する位置に形成されており、その幅はビード部31a(31b)と同等又は僅かに大きい寸法に設定されている。また、サイド/リアパネル10の前記第1膨出部16の頂部には、第2膨出部17に隣接して幅方向に延びかつ第2膨出部17とは反対側に凹む溝部19が形成されている。
このような第4実施形態の接合構造においても、後記熱歪み解析の結果に示すように、第1〜第3実施形態と同様の作用効果を奏する。しかし、この第4実施形態の接合構造によれば、特に、センタパネル20が各ビード部対31の位置で幅方向に変形し易くなるため、点接合部の並び方向におけるセンタパネル20(後端部24)の熱膨張がより効果的に吸収される。また、サイド/リアパネル10の第1膨出部16に溝部19が形成されていることで、当該接合部分の曲げ剛性がさらに高められる。
図11は、上述したサイド/リアパネル10(リア部14)とセンタパネル20(後端部24)との接合部分Pにおける熱歪み解析の結果を示している。すなわち、図11は、第1〜第4実施形態の各接合構造が適用されたリアパッケージトレイ3と、後述する第5実施形態の接合構造および所定の比較例に係る接合構造がそれぞれ適用されたリアパッケージトレイとについて、当該リアパッケージトレイを、a)想定される車内温度(80°C)まで加熱した際の接合部分Pにおける上下方向の最大変位量(mm)、b)塗装焼付け温度(170°C)まで加熱した後に常温(20°C)まで自然冷却したときの接合部分Pにおける上下方向の残留最大変位量(mm)、および、c)幅方向両端に位置する点接合部(スポット溶接部分)に生じる最大剪断荷重をそれぞれ解析した結果である。変位量は、接合部分Pの中央部を通る直線に沿った位置で解析した。また、最大剪断荷重は、塗装焼付け温度(170°C)で加熱した状態での荷重と、塗装焼付け温度(170°C)まで加熱した後に常温(20°C)まで自然冷却したときの残留荷重の2種類について解析を行った。なお、同図中の第5実施形態の接合構造は、第1実施形態の接合構造と同等の構造であり、膨出部16の高さ寸法が当該第1実施形態のものよりも若干大きく形成された構造である。同図中の「比較例」の接合構造は、図12に示すように、第1実施形態の接合構造においてサイド/リアパネル10の膨出部17とセンタパネル20のビード部30とを省略した構造、つまり、単純な断面ハット形に形成されたリア部14と、同じく単純な断面ハット方に形成されたセンタパネル20の後端部24を重ね合わせて、サイド/リアパネル10の前側のフランジ部18aとセンタパネル20の延設部28aとを幅方向の複数の位置でスポット溶接するとともに、サイド/リアパネル10の後側のフランジ部18bとセンタパネル20のフランジ部28bとを幅方向の複数の位置でスポット溶接したものである。
この結果に示すように、センタパネル20の延設部28aにビード部30が形成されている実施形態1〜5の接合構造によれば、a)〜c)の何れの結果についても、センタパネル20にビード部30が形成されていない「比較例」の接合構造に比べて数値が低く、ビード部30によってサイド/リアパネル10とセンタパネル20との熱膨張差による接合部分Pの歪み、具体的には、点接合部の並び方向(幅方向)における歪みが効果的に抑制されていることが考察できる。特に、サイド/リアパネル10の膨出部16に溝部19が形成され、サイド/リアパネル10の膨出部26に前後方向に延びる膨出部27が形成された第4実施形態の接合構造によれば、a)〜c)の何れの結果についても数値が非常に低く、従って、溝部19や膨出部27が、接合部分Pの曲げ剛性の向上と、点接合部の並び方向における歪みの抑制に大きく寄与していることが考察できる。
なお、上述したサイド/リアパネル10(リア部14)とセンタパネル20(後端部24)との接合構造は、本発明にかかる異種金属部材の接合構造の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構造は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した各実施形態では、センタパネル20に形成されるビード部30の形状は、何れも断面コ字形であるが、これらの形状は、断面円弧状や三角形状であってもよい。
例えば、上述した実施形態では、本発明の異種金属部材の接合構造がリアパッケージトレイ3に適用された例について説明したが、本発明の接合構造の適用は、リアパッケージトレイ3に限定されるものではなく、サイドドア、バックドア、ボンネット、トランクリッド等についても適用可能である。
また、上記第1〜第5各実施形態では、サイド/リアパネル10が鋼板から構成され、センタパネル20がアルミニウム合金板から構成されているが、サイド/リアパネル10とセンタパネル20との金属材料の組み合わせはこれに限定されるものではない。例えばサイド/リアパネル10が鋼板から構成される一方で、センタパネル20が鋼板よりも熱膨張率の大きいマグネシウム合金板等であってもよい。この場合も、上記第1〜第5実施形態の接合構造と同等の作用効果を奏することができる。
また、上記第1〜第5実施形態では、センタパネル20のフランジ部28bにはビード部30が形成されていないが、これは、当該部分がリアパッケージトレイ3の後端部となるため、できるだけ開放部分が形成されることを避けるためである。しかし、特に支障がなければ、フランジ部28bについても、延設部28aのビード部30に対応する位置に同様のビード部を形成し、幅方向の両端近傍の位置および隣接するビード部の間の位置で当該フランジ部28bとリア部14のフランジ部18bとを接合するようにしてもよい。
3 リアパッケージトレイ
10 サイド/リアパネル
12 サイド部
14 リア部
16 第1膨出部
17 第2膨出部
18a、18b フランジ部
20 センタパネル
24 後端部
26 膨出部
28a 延設部
28b フランジ部
30 ビード部

Claims (7)

  1. 金属板からなる第1部材と、前記金属板よりも熱膨張率の大きい金属板からなり、前記第1部材に重ね合わされる第2部材とを含み、
    前記第1部材は、前記第2部材から離反する方向に膨出して第1方向に延びる第1膨出部と、この第1膨出部の頂部からさらに前記第2部材と離反する方向に膨出して前記第1方向に延びる第2膨出部と、前記第1方向と直交する第2方向において前記第1膨出部の両端にそれぞれ繋がる第1フランジ部および第2フランジ部とを備え、
    前記第2部材は、前記第1方向の複数の位置に形成されかつ各々前記第2方向に延びる複数のビード部を有し、
    前記第1部材および前記第2部材は、当該第2部材のうち、互いに隣接する前記ビード部の間の部分と前記第1部材の各フランジ部のうち少なくとも第1フランジ部とが点接合されることで、互いに接合されていることを特徴とする異種金属部材の接合構造。
  2. 請求項1に記載の異種金属部材の接合構造において、
    前記第2部材は、前記第1膨出部に対向する位置で前記第1部材から離反する方向に膨出しかつ前記第1方向に延びる第3膨出部と、前記第2方向において前記第3膨出部の一方側の端部に繋がって第1部材の前記第2フランジ部に重なる第3フランジ部と、前記第2方向において前記第3膨出部の他方側の端部に繋がって前記第2方向に延びかつ第1部材の前記第1フランジ部に重なる延設部とを有し、当該延設部にのみ前記ビード部が形成されており、
    前記第1部材および前記第2部材は、前記延設部のうち、互いに隣接する前記ビード部の間の部分と前記第フランジ部が接合されるとともに、前記第2フランジ部と前記第3フランジ部とが前記第1方向の複数の位置で点接合されることで、互いに接合されていることを特徴とする異種金属部材の接合構造。
  3. 請求項2に記載の異種金属材の接合構造において、
    前記第2部材は、前記第1方向に近接しかつ前記第2方向に互いに平行に延びる一組の前記ビード部をビード部対として、前記第1方向に所定間隔を隔てて並ぶ複数のビード部対を備え、互いに隣接するビード部対の間の位置で前記第1部材の第1フランジ部に接合されていることを特徴とする異種金属部材の接合構造。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の異種金属部材の接合構造において、
    前記第1部材は、前記第1膨出部の頂部に、前記第2膨出部に隣接して前記第1方向に延びかつ前記第2膨出部とは反対側に凹む溝部を備えていることを特徴とする異種金属部材の接合構造。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の異種金属部材の接合構造において、
    前記第1部材および前記第2部材は、互いに接合されることにより、車両のリアシート後方に配置されるリアパッケージトレイを構成するものであり、車幅方向を前記第1方向として、前記複数の位置で互いに点接合されていることを特徴とする異種金属部材の接合構造。
  6. 請求項5に記載の異種金属部材の接合構造において、
    前記第1部材は、前記第2部材の上側に重ねられていることを特徴とする異種金属部材の接合構造。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の異種金属部材の接合構造において、
    前記1部材は鋼板からなり、前記第2部材はアルミ合金板からなることを特徴とする異種金属部材の接合構造。
JP2012228062A 2012-10-15 2012-10-15 異種金属部材の接合構造 Active JP5920161B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012228062A JP5920161B2 (ja) 2012-10-15 2012-10-15 異種金属部材の接合構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012228062A JP5920161B2 (ja) 2012-10-15 2012-10-15 異種金属部材の接合構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014080063A JP2014080063A (ja) 2014-05-08
JP5920161B2 true JP5920161B2 (ja) 2016-05-18

Family

ID=50784691

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012228062A Active JP5920161B2 (ja) 2012-10-15 2012-10-15 異種金属部材の接合構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5920161B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6881251B2 (ja) 2017-11-21 2021-06-02 トヨタ自動車株式会社 車両後部構造

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6213750U (ja) * 1985-07-11 1987-01-27
JP4575810B2 (ja) * 2005-03-10 2010-11-04 本田技研工業株式会社 車両のリアトレイ構造
JP2006326631A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Nissan Motor Co Ltd 異種金属板の接合構造及びその接合方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014080063A (ja) 2014-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5907147B2 (ja) 車体下部構造
KR100998455B1 (ko) 차체 하부 구조
JP5382271B1 (ja) 継手構造
JP5929693B2 (ja) 異種金属部材の接合構造
WO2016035501A1 (ja) 車両用バンパービーム
JP2009214561A (ja) 自動車の車体構造
JP6816698B2 (ja) サイドレールおよびサイドレールの製造方法
JP2014073769A (ja) 車体構造
JP5299170B2 (ja) 車体構造
JP4523976B2 (ja) 車体前部構造
JP2018149828A (ja) 車両上部構造
JP5957721B2 (ja) 車両構造
JP5920161B2 (ja) 異種金属部材の接合構造
JP2013103650A (ja) 車体フロア構造
JP6462531B2 (ja) 車体前部構造
JP6206372B2 (ja) 車両用ルーフ構造、及び車両用ルーフパネルの製造方法
JP5922064B2 (ja) 車両のフェンダーパネル支持構造
JP6558779B2 (ja) 車体後部構造
JP2014080064A (ja) 異種金属部材の接合構造
JP5880068B2 (ja) 車両用ルーフ構造
JP6141789B2 (ja) 車両用ルーフリインフォース
JP5776528B2 (ja) 車体のフロア構造
JP6819517B2 (ja) 車体構造
JP5692187B2 (ja) 車体前部構造
JP2016120862A (ja) 車両用フード構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5920161

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150