JP6462531B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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本発明は、車体前部構造の改良技術に関する。
車体前部構造に関する従来技術として、特許文献1に開示される技術がある。
特許文献1に示されるような車体前部構造は、車両前後方向に左右のフロントサイドフレームが延び、これらのフロントサイドフレームの前端部且つ車幅方向外面側に平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材が設けられ、これらのフロントサイドフレームの前端及び第1の荷重伝達部材の前端が連結部材により連結され、これらの連結部材から前方に向かってバンパービームエクステンションが延び、これらのバンパービームエクステンション間にバンパービームが渡されると共に、左右のフロントサイドフレーム間にパワーユニットが位置してなる。荷重伝達部材は、前方から後方に向かって幅が狭くなっている。
このような車体に対して、車幅外方から衝突荷重が入力されることがある。いわゆるナローオフセット衝突において、衝突荷重は、荷重伝達部材を介してフロントサイドフレームに伝わる。フロントサイドフレームへ伝わった衝突荷重は、パワーユニットを介して、逆側のフロントサイドフレームに伝わる。これにより、車体前部の全体によって衝突荷重を吸収することができる。
ところで、このような車体前部構造においては、確実に衝突荷重を伝達するために、高い強度を有した荷重伝達部材が求められる。荷重伝達部材が簡単に変形してしまうと、所望の衝突エネルギ吸収性能を得ることができないからである。一般に、荷重伝達部材の強度を高めるためには、ハイテン材等の特定の素材を用いることや、鋼板の板厚を上げる必要がある。特定の素材を用いることにより部品価格が嵩み、又は、板厚が上がることにより重量が重くなる。
特開2013−212757号公報
本発明は、安価、且つ、軽量でありながら衝撃吸収性能の高い車体前部構造の提供を課題とする。
請求項1による発明によれば、車両前後方向に延びる左右のフロントサイドフレームと、
これらのフロントサイドフレームの前端部且つ車幅方向外面側にそれぞれ接合され、前方から後方に向かって幅が狭くなる平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材と、を有する車体前部構造において、
前記第1の荷重伝達部材は、前記フロントサイドフレームに向かって開口する略U字状の部位を含み、
この略U字状の部位の底部に沿って、縦板状の第2の荷重伝達部材が接合され、
前記第1の荷重伝達部材の底部の一部には、前記第2の荷重伝達部材から離れる第1溝部が形成され、及び/又は、前記第2の荷重伝達部材の一部には、前記底部から離れる第2溝部が形成されていることにより、前記第1の荷重伝達部材の底部と前記第2の荷重伝達部材とで車体前後方向に連続して閉断面が構成されていることを特徴とする車体前部構造が提供される。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記第2の荷重伝達部材は、前記第1の荷重伝達部材から連続して前記フロントサイドフレームに接合されている。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記フロントサイドフレームの、前記第1の荷重伝達部材よりも後方の部位には、脆弱部が形成され、
前記第2の荷重伝達部材の後端は、前記第1の荷重伝達部材の後端よりも前記脆弱部の近傍まで延びている。
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記フロントサイドフレームの前端及び前記第1の荷重伝達部材の前端に連続して取り付けられ、前記フロントサイドフレーム及び第1の荷重伝達部材を連結する左右の連結部材をさらに有し、
前記第2の荷重伝達部材は、前記第1の荷重伝達部材から連続して前記連結部材に接合されている。
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記第2の荷重伝達部材の上下の端部から水平方向に延びる水平延出部が形成されている。
請求項6に記載のごとく、好ましくは、前記フロントサイドフレームの車幅外方において、前後方向に延びる左右のロアメンバをさらに有し、
前記第2の荷重伝達部材の前端且つ車幅外側の部位は、前記ロアメンバに接続されている。
請求項7に記載のごとく、好ましくは、前記フロントサイドフレームの車幅外方において、前後方向に延びる左右のロアメンバと、前記連結部材の前部にそれぞれ取り付けられ、衝撃荷重を変形しながら吸収可能な左右のバンパービームエクステンションと、をさらに有し、前記バンパービームエクステンションは、前記フロントサイドフレームの前方から、前記ロアメンバの前方まで延びている。
請求項8による発明によれば、車両前後方向に延びる左右のフロントサイドフレームと、
これらのフロントサイドフレームの前端部且つ車幅方向外面側にそれぞれ接合され、前方から後方に向かって幅が狭くなる平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材と、を有する車体前部構造において、
前記フロントサイドフレームと共に前記第1の荷重伝達部材を挟みこむように、前記第1の荷重伝達部材に沿って延びる縦板状の第2の荷重伝達部材を有し、
前記第1の荷重伝達部材は、板材によって構成され前記フロントサイドフレームの上部に接合された上部第1の荷重伝達部材と、前記板材とは異なる板材によって構成され前記フロントサイドフレームの下部に接合された下部第1の荷重伝達部材と、を含み、
前記上部第1の荷重伝達部材は、下方に向かって延びると共に前記第2の荷重伝達部材に接合された上部フランジ部を有し、
前記下部第1の荷重伝達部材は、上方に向かって延びると共に前記第2の荷重伝達部材に接合された下部フランジ部を有し、
前記フロントサイドフレーム、前記上部第1の荷重伝達部材、前記下部第1の荷重伝達部材、及び、前記第2の荷重伝達部材によって閉断面が構成され、
前記第2の荷重伝達部材の一部には、第2溝部が形成されていることを特徴とする車体前部構造が提供される。
請求項9に記載のごとく、好ましくは、前記上部第1の荷重伝達部材には、前記三角形状の各辺に沿って形成された略三角形状の上部ビードが形成され、
前記下部第1の荷重伝達部材には、前記三角形状の各辺に沿って形成された略三角形状の下部ビードが形成されている。
請求項10に記載のごとく、好ましくは、前記上部ビードの各辺に沿って略三角形状の上部孔部が形成され、
前記下部ビードの各辺に沿って略三角形状の下部孔部が形成されている。
請求項1に係る発明では、第1の荷重伝達部材は、フロントサイドフレームに向かって開口する略U字状の部位を含み、この略U字状の部位の底部に沿って、縦板状の第2の荷重伝達部材が接合されている。そして、底部と第2の荷重伝達部材とによって、前後方向に連続して閉断面が形成されている。車幅外方に衝突荷重が入力されるナローオフセット衝突時には、衝突荷重は、第1の荷重伝達部材の底部及び第2の荷重伝達部材からフロントサイドフレームに伝わる。第1の荷重伝達部材の底部及び第2の荷重伝達部材によって閉断面が形成されていることにより、衝突荷重によるこれらの部位の変形を抑制することができる。変形を抑制するために、第1の荷重伝達部材や第2の荷重伝達部材に高価な素材を用いる必要がない。加えて、板厚が厚い荷重伝達部材を用いた場合に比べて、底部に第2の荷重伝達部材を接合するだけで良いため、重量の増加も抑制することができる。安価、且つ、軽量でありながら衝撃吸収性能の高い車体前部構造を提供することができる。
請求項2に係る発明では、第2の荷重伝達部材は、平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材から連続してフロントサイドフレームに接合されている。平面視において第1の荷重伝達部材の頂点となる部分は、フロントサイドフレームから剥離しやすい。第2の荷重伝達部材をフロントサイドフレームまで延ばすことにより、第2の荷重伝達部材とフロントサイドフレームとによって、第1の荷重伝達部材の後頂点部を挟み込むことができる。これにより第1の荷重伝達部材のフロントサイドフレームからの剥離を抑制し、衝突荷重をより確実にフロントサイドフレームに伝達させることができる。
請求項3に係る発明では、第2の荷重伝達部材は、フロントサイドフレームに形成された脆弱部の近傍まで延びている。衝突荷重をより確実に脆弱部の近傍まで伝達させ、脆弱部においてフロントサイドフレームを折り曲げることができる。これにより、安定的に衝突によるエネルギを吸収することができる。仮に、パワーユニットを利用して衝撃を吸収する場合には、パワーユニットの種類毎によるセッティングの変更を行う必要がある。本発明においては、脆弱部からフロントサイドフレームを変形させるため、パワーユニットの種類毎にセッティングを変形する必要がない。このため、汎用性に優れる。
請求項4に係る発明では、第2の荷重伝達部材は、平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材から連続して連結部材に接合されている。平面視において第1の荷重伝達部材の頂点となる部分は、連結部材から剥離しやすい。第2の荷重伝達部材を連結部材まで延ばすことにより、第2の荷重伝達部材と連結部材とによって、第1の荷重伝達部材の前外頂点部を挟み込むことができる。これにより第1の荷重伝達部材の連結部材からの剥離を抑制し、衝突荷重をより確実にフロントサイドフレームに伝達させることができる。
請求項5に係る発明では、第2の荷重伝達部材の上下の端部から水平方向に延びる水平延出部が形成されている。第2の荷重伝達部材の曲げ剛性を高め、衝突荷重による変形を抑制し、より確実に衝突荷重をフロントサイドフレームへ伝達させることができる。
請求項6に係る発明では、第2の荷重伝達部材の前端且つ車幅外側の部位は、ロアメンバに接続されている。フロントサイドフレームと同時にロアメンバも巻き込んで変形させることにより、より多くの衝突エネルギを吸収することができる。
請求項7に係る発明では、バンパービームエクステンションは、フロントサイドフレームの前方から、ロアメンバの前方まで延びている。第1及び第2の荷重伝達部材の前方にバンパービームエクステンションを配置することにより、ナローオフセット衝突時に、第1及び第2の荷重伝達部材からフロントサイドフレームへ、より確実に衝撃荷重を伝達させることができる。加えて、ロアメンバへの荷重伝達を行うことができる。
請求項8に係る発明では、フロントサイドフレーム、板状の上部第1の荷重伝達部材、板状の下部第1の荷重伝達部材、及び、縦板状の第2の荷重伝達部材によって閉断面が構成されている。車幅外方に衝突荷重が入力されるナローオフセット衝突時には、衝突荷重は、第1の荷重伝達部材及び第2の荷重伝達部材からフロントサイドフレームに伝わる。閉断面が形成されていることにより、衝突荷重によるこれらの部位の変形を抑制することができる。変形を抑制するために、第1の荷重伝達部材や第2の荷重伝達部材に高価な素材を用いる必要がない。加えて、板厚が厚い荷重伝達部材を用いた場合に比べて、3枚の板材を接合するだけで良いため、重量の増加も抑制することができる。安価、且つ、軽量でありながら衝撃吸収性能の高い車体前部構造を提供することができる。
加えて、第1の荷重伝達部材は、共に板状の上部及び下部第1の荷重伝達部材によって構成される。2枚の板材によって第1の荷重伝達部材を構成することにより、プレス成形のみによって簡便に成形することができる。
請求項9に係る発明では、上部及び下部第1の荷重伝達部材には、三角形状の各辺に沿って形成された略三角形状の上部及び下部ビードがそれぞれ形成されている。これにより、第1の荷重伝達部材の曲げ剛性を高めることができ、衝突荷重による変形を抑制することができる。より確実に、衝突荷重をフロントサイドフレームへ伝達させることができる。
加えて、ビードが形成されることにより発生する稜線を介して、衝突荷重をフロントサイドフレームへ伝達させることができる。この点からも、より確実に、衝突荷重をフロントサイドフレームへ伝達させることができる。
請求項10に係る発明では、上部及び下部ビードの各辺に沿って略三角形状の上部及び下部孔部がそれぞれ形成されている。衝突荷重の伝達への寄与度が小さい上部及び下部ビードの内部には、上部及び下部孔部が形成されている。荷重の伝達効率の低下を抑制しつつ、軽量化を図ることができる。
本発明の実施例1による車体前部構造の平面図である。 図1の2部拡大図である。 図2に示されたフロントサイドフレーム、第1の荷重伝達部材、第2の荷重伝達部材、及び、連結部材の斜視図である。 図2の4−4線断面図である。 図3の5−5線断面図である。 本発明の実施例2による車体前部構造の平面図である。 図6の7部拡大図である。 図7に示されたフロントサイドフレーム、第1の荷重伝達部材、第2の荷重伝達部材、及び、連結部材の斜視図である。 図7の9−9線断面図である。 図8の10−10線断面図である。 図6に示された車体前部構造の作用を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、Upは上、Dnは下、Ceは車幅中央を示している。
<実施例1>
図1を参照する。図1に示されるように、車体10の内側には、前部のエンジンルーム12と、このエンジンルーム12の真後ろに位置する車室13とが、形成されている。車体10は、モノコックボディから成り、車幅方向の中心を通って車両前後方向へ延びる車幅中心線CLに対し略左右対称形に形成されている。
エンジンルーム12と車室13とは、ダッシュボードロアパネル15によって仕切られている。ダッシュボードロアパネル15の左右両端は、左右のフロントピラー16,16に結合されている。
車体10は、左右のフロントサイドフレーム30,30と、平面視において左右のフロントサイドフレーム30,30の車外側に位置する左右のロアメンバ60,60と、を含む。左右のフロントサイドフレーム30,30は、車体10の前部の左右両側に位置し、車体10の前後方向に延びている。左右のフロントサイドフレーム30,30の間には、パワーユニット19が配置されている。
左右のフロントサイドフレーム30,30と、左右のロアメンバ60,60と、の間には、それぞれ左右のダンパハウジング22,22が掛け渡されている。
図2〜図5には、車体前部構造のなかの、右前部が示されている。左前部についても、右前部と同じ構造が採用されている。右前部について説明し、左前部については、説明を省略する。右前部についての説明は、適宜、左前部についての説明に読み替えることができる。
図2及び図3を参照する。フロントサイドフレーム30の前端部且つ車幅方向外面側には、平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材40が接合されている。この第1の荷重伝達部材40に沿って、縦板状の第2の荷重伝達部材50が接合されている。この第2の荷重伝達部材50の前端且つ車幅外側の部位は、ロアメンバ60に接続されている。これらのフロントサイドフレーム30の前端、第1の荷重伝達部材40の前端、第2の荷重伝達部材50の前端、及び、ロアメンバ60の前端は、金属板製の連結部材26に接合されている。連結部材26の前部には、衝撃荷重を変形しながら吸収可能なバンパービームエクステンション27が接合されている。
図1に戻る。左右のバンパービームエクステンション27,27間には、バンパービーム28が渡されている。
フロントサイドフレーム30には、パワーユニット19を締結するためのマウント締結部30aと、このマウント締結部30aよりも前方且つ第1の荷重伝達部材よりも後方に位置する脆弱部30bと、が形成されている。
脆弱部30bは、平面視において略U字状を呈する部位であり、この前後の部位に比べて、幅が狭く形成されている。脆弱部30bは、フロントサイドフレーム30の他の部位に比べて断面積を小さくすることにより、曲げ剛性を低下させた部位である。
図4を参照する。フロントサイドフレーム30は、車幅中心側に配置されているフレームインナ31と、このフレームインナ31の車外側に重ね合わされているフレームアウタ32と、からなる。フロントサイドフレーム30は、フレームインナ31及びフレームアウタ32によって、略矩形状の閉断面に形成されている。
フレームインナ31は、フレームアウタ32に向かって開口する略U字状を呈し、車幅中心側に位置するフレームインナ底部31aと、このフレームインナ底部31aの両端からそれぞれ車幅外方に延びるフレームインナ壁部31b,31cと、下側のフレームインナ壁部31bの先端から下方に延びるフレームインナ下フランジ31dと、上側のフレームインナ壁部31cの先端から上方に延びるフレームインナ上フランジ31eと、からなる。下側のフレームインナ壁部31bと、上側のフレームインナ壁部31cとでは、上側のフレームインナ壁部31cの方が長い。
フレームアウタ32は、略L字状を呈し、フレームインナ底部31aに対向しているフレームアウタ縦壁部32aと、このフレームアウタ縦壁部32aの下端から下側のフレームインナ壁部31bに向かって延びるフレームアウタ横壁部32bと、フレームアウタ横壁部32bの先端から下方に延びフレームインナ下フランジ31dに溶接されるフレームアウタ下フランジ32dと、からなる。フレームアウタ縦壁部32aの上端は、フレームインナ上フランジ31eに溶接されている。
第1の荷重伝達部材40は、車幅方向に沿った断面視において略U字状を呈しており、フロントサイドフレーム30に向かって開口している。第1の荷重伝達部材40は、車幅外方に位置しフレームアウタ縦壁部32aに対向している底部41と、この底部41の両端からそれぞれ車幅中心に向かって延びる壁部42,43と、上側の壁部43の先端から上方に且つフレームアウタ縦壁部32aに沿って延びる第1フランジ45と、からなる。
底部41の上下方向の略中央には、第2の荷重伝達部材50から離れる第1溝部41aが形成されている。第1溝部41aは、前後方向に連続して形成されている。
図3を併せて参照する。上側の壁部43は、前方から後方に向かって幅が狭くなる平面視略三角形状を呈している。下側の壁部42についても同様である。
第2の荷重伝達部材50は、底部41に沿って接合されており、底部41に接合されている補強部51と、この補強部51の上下の端部からそれぞれ車外側に折り曲げられた折り曲げ部52,53(水平延出部52,53)と、上側の折り曲げ部53から上方に折り曲げられロアメンバ60に接合されている第2フランジ55と、からなる。
補強部51には、底部41から離れる第2溝部51aが形成されている。第2溝部51aは、前後方向に連続して形成されている。
図5を参照する。図5には、フロントサイドフレーム30、第1の荷重伝達部材40、及び第2の荷重伝達部材50が前方から見た状態において示されている。このため、図2〜図4に対して、左右が逆となっている。
第1溝部41aと、第2溝部51aと、が対向していることにより、略六角形の閉断面が形成されている。第1溝部41a及び第2溝部51aは、共に車体前後方向に連続して形成されている。これにより、閉断面も車体前後方向に連続している。
図3及び図4に戻る。第2の荷重伝達部材50の前端は、連結部材26及びロアメンバ60に接合され、後端は、フロントサイドフレーム30に接合されている。第2の荷重伝達部材50の後端は、第1の荷重伝達部材40の後端よりも後方、且つ、脆弱部30b(図1参照)の近傍に位置している。
図4を参照する。ロアメンバ60は、車幅中心側に配置されているロアメンバインナ61と、このロアメンバインナ61の車外側に重ね合わされているロアメンバアウタ62と、からなる。ロアメンバ60は、ロアメンバインナ61及びロアメンバアウタ62によって、略矩形状の閉断面に形成されている。
ロアメンバインナ61は、略L字状を呈し、第2の荷重伝達部材50の補強部51に対向しているインナ縦壁部61aと、このインナ縦壁部61aの下端から車幅外方に向かって延びるインナ横壁部61bと、からなる。
ロアメンバアウタ62は、略L字状を呈し、インナ縦壁部61aに対向しているアウタ縦壁部62aと、このアウタ縦壁部62aの上端からインナ縦壁部61aに向かって延びるアウタ横壁部62bと、アウタ横壁部62bの先端から上方に延びインナ縦壁部61aの先端に溶接されているロアメンバ上部フランジ部62cと、アウタ縦壁部62aの先端から車幅外方に延びインナ横壁部61bの先端に溶接されているロアメンバ下部フランジ部62dと、からなる。
以上の構成からなる実施例1による発明によれば、以下の効果を得ることができる。
図5を参照する。第1の荷重伝達部材40は、フロントサイドフレーム30に向かって開口する略U字状の部位を含み、この略U字状の部位の底部41に沿って、縦板状の第2の荷重伝達部材50が接合されている。そして、底部41と第2の荷重伝達部材50とによって、前後方向に連続して閉断面が形成されている。
図3も併せて参照する。車幅外方に衝突荷重が入力されるナローオフセット衝突時には、衝突荷重は、第1の荷重伝達部材40の底部41及び第2の荷重伝達部材50からフロントサイドフレーム30に伝わる。第1の荷重伝達部材40の底部41及び第2の荷重伝達部材50によって閉断面が形成されていることにより、衝突荷重によるこれらの部位の変形を抑制することができる。変形を抑制するために、第1の荷重伝達部材40や第2の荷重伝達部材50に高価な素材を用いる必要がない。加えて、板厚が厚い荷重伝達部材を用いた場合に比べて、底部41に第2の荷重伝達部材50を接合するだけで良いため、重量の増加も抑制することができる。安価、且つ、軽量でありながら衝撃吸収性能の高い車体前部構造を提供することができる。
特に、第1及び第2の荷重伝達部材40,50の両方に溝部41a,51aを形成し、これらが向かい合うようにして閉断面を形成することが望ましい。第1及び第2の荷重伝達部材40,50を大型化することなく、大きな閉断面を確保することができる。
さらに、第2の荷重伝達部材50の上下の端部から水平方向に延びる上下の折り曲げ部52,53(水平延出部52,53)が形成されている。第2の荷重伝達部材50の曲げ剛性を高め、衝突荷重による変形を抑制し、より確実に衝突荷重をフロントサイドフレーム30へ伝達させることができる。
図2を参照する。第2の荷重伝達部材50は、平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材40から連続してフロントサイドフレーム30に接合されている。平面視において第1の荷重伝達部材40の頂点となる部分は、フロントサイドフレーム30から剥離しやすい。第2の荷重伝達部材50をフロントサイドフレーム30まで延ばすことにより、第2の荷重伝達部材50とフロントサイドフレーム30とによって、第1の荷重伝達部材40の後頂点部P1を挟み込むことができる。これにより第1の荷重伝達部材40のフロントサイドフレーム30からの剥離を抑制し、衝突荷重をより確実にフロントサイドフレーム30に伝達させることができる。
さらに、第2の荷重伝達部材50は、平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材40から連続して連結部材26に接合されている。平面視において第1の荷重伝達部材40の頂点となる部分は、連結部材26から剥離しやすい。第2の荷重伝達部材50を連結部材26まで延ばすことにより、第2の荷重伝達部材50と連結部材26とによって、第1の荷重伝達部材40の前外頂点部P2を挟み込むことができる。これにより第1の荷重伝達部材40の連結部材26からの剥離を抑制し、衝突荷重をより確実にフロントサイドフレーム30に伝達させることができる。
さらに、第2の荷重伝達部材50は、フロントサイドフレーム30に形成された脆弱部30bの近傍まで延びている。衝突荷重をより確実に脆弱部30bの近傍まで伝達させ、脆弱部30bにおいてフロントサイドフレーム30を折り曲げることができる。これにより、安定的に衝突によるエネルギを吸収することができる。仮に、パワーユニット19(図1参照)を利用して衝撃を吸収する場合には、パワーユニット19の種類毎によるセッティングの変更を行う必要がある。本発明においては、脆弱部30bからフロントサイドフレーム30を変形させるため、パワーユニット19の種類毎にセッティングを変形する必要がない。このため、汎用性に優れる。
さらに、第2の荷重伝達部材50の前端且つ車幅外側の部位は、ロアメンバ60に接続されている。フロントサイドフレーム30と同時にロアメンバ60も巻き込んで変形させることにより、より多くの衝突エネルギを吸収することができる。
さらに、バンパービームエクステンション27は、フロントサイドフレーム30の前方から、ロアメンバ60の前方まで延びている。第1及び第2の荷重伝達部材40,50の前方にバンパービームエクステンション27を配置することにより、ナローオフセット衝突時に、第1及び第2の荷重伝達部材40,50からフロントサイドフレーム30、及びロアメンバ60へ、より確実に衝撃荷重を伝達させることができる。
さらに、バンパービームエクステンション27の前面は、平面視において、車幅中央よりも車幅外方が後方に位置している。ナローオフセット衝突時に、第1及び第2の荷重伝達部材40,50からフロントサイドフレーム30へ、より確実に衝撃荷重を伝達させることができる。
図3を併せて参照する。第2溝部51aは、連結部材26の後面まで形成されていることにより、第2溝部51aと、連結部材26の後面とによって閉断面が形成されている。第2の荷重伝達部材50が変形することを抑制し、連結部材26から後方に向かってより確実に衝撃荷重を伝達させることができる。
さらに、第2の荷重伝達部材50の上下の端部から水平方向に延びる水平延出部52,53の幅は、第2の荷重伝達部材50の前端において最も広く形成されている。ロアメンバ60に接続される部位において最も幅が広くなる。これにより、衝突荷重を、より確実にロアメンバ60へ伝達させることができる。
<実施例2>
図6を参照する。図6に示されるように、車体110には、前部のエンジンルーム12と、このエンジンルーム12の真後ろに位置する車室13とが、形成されている。車体110は、モノコックボディから成り、車幅方向の中心を通って車両前後方向へ延びる車幅中心線CLに対し略左右対称形に形成されている。
エンジンルーム12と車室13とは、ダッシュボードロアパネル15によって仕切られている。ダッシュボードロアパネル15の左右両端は、左右のフロントピラー16,16に結合されている。
車体110は、左右のフロントサイドフレーム30,30と、平面視において左右のフロントサイドフレーム30,30の車外側に位置する左右のロアメンバ60,60と、を含む。左右のフロントサイドフレーム30,30は、車体110の前部の左右両側に位置し、車体110の前後方向に延びている。左右のフロントサイドフレーム30,30の間には、パワーユニット19が配置されている。
左右のフロントサイドフレーム30,30と、左右のロアメンバ60,60と、の間には、それぞれ左右のダンパハウジング22,22が掛け渡されている。
図7〜図11には、車体前部構造のなかの、右前部が示されている。左前部についても、右前部と同じ構造が採用されている。右前部について説明し、左前部については、説明を省略する。右前部についての説明は、適宜、左前部についての説明に読み替えることができる。
図7及び図8を参照する。フロントサイドフレーム30の前端部且つ車幅方向外面側には、平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材140が接合されている。この第1の荷重伝達部材140に沿って、縦板状の第2の荷重伝達部材50が接合されている。この第2の荷重伝達部材50の前端且つ車幅外側の部位は、ロアメンバ60に接続されている。これらのフロントサイドフレーム30の前端、第1の荷重伝達部材140の前端、第2の荷重伝達部材50の前端、及び、ロアメンバ60の前端は、金属板製の連結部材26に接合されている。連結部材26の前部には、衝撃荷重を変形しながら吸収可能なバンパービームエクステンション27が接合されている。
図6に戻る。左右のバンパービームエクステンション27,27間には、バンパービーム28が渡されている。
フロントサイドフレーム30には、パワーユニット19を締結するためのマウント締結部30aと、このマウント締結部30aよりも前方且つ第1の荷重伝達部材よりも後方に位置する脆弱部30bと、が形成されている。
脆弱部30bは、平面視において略U字状を呈する部位であり、この前後の部位に比べて、幅が狭く形成されている。脆弱部30bは、フロントサイドフレーム30の他の部位に比べて断面積を小さくすることにより、曲げ剛性を低下させた部位である。
図9を参照する。フロントサイドフレーム30は、車幅中心側に配置されているフレームインナ31と、このフレームインナ31の車外側に重ね合わされているフレームアウタ32と、からなる。フロントサイドフレーム30は、フレームインナ31及びフレームアウタ32によって、略矩形状の閉断面に形成されている。
フレームインナ31は、フレームアウタ32に向かって開口する略U字状を呈し、車幅中心側に位置するフレームインナ底部31aと、このフレームインナ底部31aの両端からそれぞれ車幅外方に延びるフレームインナ壁部31b,31cと、下側のフレームインナ壁部31bの先端から下方に延びるフレームインナ下フランジ31dと、上側のフレームインナ壁部31cの先端から上方に延びるフレームインナ上フランジ31eと、からなる。下側のフレームインナ壁部31bと、上側のフレームインナ壁部31cとでは、上側のフレームインナ壁部31cの方が長い。
フレームアウタ32は、略L字状を呈し、フレームインナ底部31aに対向しているフレームアウタ縦壁部32aと、このフレームアウタ縦壁部32aの下端から下側のフレームインナ壁部31bに向かって延びるフレームアウタ横壁部32bと、フレームアウタ横壁部32bの先端から下方に延びフレームインナ下フランジ31dに溶接されるフレームアウタ下フランジ32dと、からなる。フレームアウタ縦壁部32aの上端は、フレームインナ上フランジ31eに溶接されている。
第1の荷重伝達部材140は、板材によって構成されフロントサイドフレーム30の上部に接合された上部第1の荷重伝達部材170と、この上部第1の荷重伝達部材170とは異なる板材によって構成されフロントサイドフレーム30の下部に接合された下部第1の荷重伝達部材180と、からなる。
図8を併せて参照する。上部第1の荷重伝達部材170は、略三角形状の上部本体部171と、この上部本体部171の各辺に沿って下方に凹まされた上部ビード172と、この上部ビード172の各辺に沿って空けられた略三角形状の上部孔部173と、上部本体部171の車幅中央側の端部から上方に向かって折り曲げられフレームアウタ32に接合されている上部第1フランジ部174と、上部本体部171の車外側の端部から下方に向かって折り曲げられ第2の荷重伝達部材50に接合されている上部第2フランジ部175(上部フランジ部175)と、からなる。上部第2フランジ部175は、下方に向かって延びると共に第2の荷重伝達部材50に接合されている。
下部第1の荷重伝達部材180は、略三角形状の下部本体部181と、この下部本体部181の各辺に沿って上方に凹まされた下部ビード182と、この下部ビード182の各辺に沿って空けられた略三角形状の下部孔部183と、下部本体部181の車外側の端部から上方に向かって折り曲げられ第2の荷重伝達部材50に接合されている下部フランジ部185と、からなる。下部フランジ部185は、上方に向かって延びると共に第2の荷重伝達部材50に接合されている。
第2の荷重伝達部材50は、第1の荷重伝達部材140に沿って接合されており、上部第2フランジ部175及び下部フランジ部185に接合されている補強部51と、この補強部51の上下の端部からそれぞれ車外側に略水平に折り曲げられた折り曲げ部52,53(水平延出部52,53)と、上側の折り曲げ部53から上方に折り曲げられロアメンバ60に接合されている第2フランジ55と、からなる。
補強部51には、第1の荷重伝達部材140から離れる第2溝部51aが形成されている。第2溝部51aは、前後方向に連続して形成されている。
図10を併せて参照する。図10には、フロントサイドフレーム30、第1の荷重伝達部材140、及び第2の荷重伝達部材50が前方から見た状態において示されている。このため、図7〜図9に対して、左右が逆となっている。
フロントサイドフレーム30(フレームアウタ32)、上部第1の荷重伝達部材170、下部第1の荷重伝達部材180、及び、第2の荷重伝達部材50によって閉断面が構成されている。この閉断面は、前後方向に連続している。
図8及び図9に戻る。第2の荷重伝達部材50の前端は、連結部材26及びロアメンバ60に接合され、後端は、フロントサイドフレーム30に接合されている。第2の荷重伝達部材50の後端は、第1の荷重伝達部材140の後端よりも後方、且つ、脆弱部30b(図6参照)の近傍に位置している。
図9を参照する。ロアメンバ60は、車幅中心側に配置されているロアメンバインナ61と、このロアメンバインナ61の車外側に重ね合わされているロアメンバアウタ62と、からなる。ロアメンバ60は、ロアメンバインナ61及びロアメンバアウタ62によって、略矩形状の閉断面に形成されている。
ロアメンバインナ61は、略L字状を呈し、第2の荷重伝達部材50の補強部51に対向しているインナ縦壁部61aと、このインナ縦壁部61aの下端から車幅外方に向かって延びるインナ横壁部61bと、からなる。
ロアメンバアウタ62は、略L字状を呈し、インナ縦壁部61aに対向しているアウタ縦壁部62aと、このアウタ縦壁部62aの上端からインナ縦壁部61aに向かって延びるアウタ横壁部62bと、アウタ横壁部62bの先端から上方に延びインナ縦壁部61aの先端に溶接されているロアメンバ上部フランジ部62cと、アウタ縦壁部62aの先端から車幅外方に延びインナ横壁部61bの先端に溶接されているロアメンバ下部フランジ部62dと、からなる。
以上の構成からなる実施例2による発明によれば、以下の効果を得ることができる。
フロントサイドフレーム30(フレームアウタ32)、板状の上部第1の荷重伝達部材170、板状の下部第1の荷重伝達部材180、及び、縦板状の第2の荷重伝達部材50によって閉断面が構成されている。図11も併せて参照する。車幅外方に衝突荷重が入力されるナローオフセット衝突時には、衝突荷重は、第1の荷重伝達部材140及び第2の荷重伝達部材50からフロントサイドフレーム30に伝わる。閉断面が形成されていることにより、衝突荷重によるこれらの部位の変形を抑制することができる。変形を抑制するために、第1の荷重伝達部材140や第2の荷重伝達部材50に高価な素材を用いる必要がない。加えて、板厚が厚い荷重伝達部材を用いた場合に比べて、3枚の板材を接合するだけで良いため、重量の増加も抑制することができる。安価、且つ、軽量でありながら衝撃吸収性能の高い車体前部構造を提供することができる。
加えて、第1の荷重伝達部材140は、共に板状の上部及び下部第1の荷重伝達部材170,180によって構成される。2枚の板材によって第1の荷重伝達部材140を構成することにより、プレス成形のみによって簡便に成形することができる。即ち、深絞りが必要な第1の荷重伝達部材(図5、符号40参照)に比べて、加工が容易である。
さらに、上部及び下部第1の荷重伝達部材170,180には、三角形状の各辺に沿って形成された略三角形状の上部及び下部ビード172,182がそれぞれ形成されている。これにより、第1の荷重伝達部材140の曲げ剛性を高めることができ、衝突荷重による変形を抑制することができる。より確実に、衝突荷重をフロントサイドフレーム30へ伝達させることができる。
加えて、上部及び下部ビード172,182が形成されることにより発生する稜線を介して、衝突荷重をフロントサイドフレーム30へ伝達させることができる。この点からも、より確実に、衝突荷重をフロントサイドフレーム30へ伝達させることができる。
上部及び下部ビード172,182の各辺に沿って略三角形状の上部及び下部孔部173,183がそれぞれ形成されている。衝突荷重の伝達への寄与度が小さい上部及び下部ビード172,182の内部には、上部及び下部孔部173,183が形成されている。荷重の伝達効率の低下を抑制しつつ、軽量化を図ることができる。
図10を参照する。第2の荷重伝達部材50の上下の端部から水平方向に延びる上下の折り曲げ部52,53(水平延出部52,53)が形成されている。第2の荷重伝達部材50の曲げ剛性を高め、衝突荷重による変形を抑制し、より確実に衝突荷重をフロントサイドフレーム30へ伝達させることができる。
図7を参照する。第2の荷重伝達部材50は、平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材140から連続してフロントサイドフレーム30に接合されている。平面視において第1の荷重伝達部材140の頂点P1となる部分は、フロントサイドフレーム30から剥離しやすい。第2の荷重伝達部材50をフロントサイドフレーム30まで延ばすことにより、第2の荷重伝達部材50とフロントサイドフレーム30とによって、第1の荷重伝達部材40の後頂点部P1を挟み込むことができる。これにより第1の荷重伝達部材40のフロントサイドフレーム30からの剥離を抑制し、衝突荷重をより確実にフロントサイドフレーム30に伝達させることができる。
さらに、第2の荷重伝達部材50は、平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材40から連続して連結部材26に接合されている。平面視において第1の荷重伝達部材40の頂点となる部分は、連結部材26から剥離しやすい。第2の荷重伝達部材50を連結部材26まで延ばすことにより、第2の荷重伝達部材50と連結部材26とによって、第1の荷重伝達部材140の前外頂点部P2を挟み込むことができる。これにより第1の荷重伝達部材140の連結部材26からの剥離を抑制し、衝突荷重をより確実にフロントサイドフレーム30に伝達させることができる。
さらに、第2の荷重伝達部材50は、フロントサイドフレーム30に形成された脆弱部30bの近傍まで延びている。衝突荷重をより確実に脆弱部30bの近傍まで伝達させ、脆弱部30bにおいてフロントサイドフレーム30を折り曲げることができる。これにより、安定的に衝突によるエネルギを吸収することができる。仮に、パワーユニット19(図6参照)を利用して衝撃を吸収する場合には、パワーユニット19の種類毎によるセッティングの変更を行う必要がある。本発明においては、脆弱部30bからフロントサイドフレーム30を変形させるため、パワーユニット19の種類毎にセッティングを変形する必要がない。このため、汎用性に優れる。
さらに、第2の荷重伝達部材50の前端且つ車幅外側の部位は、ロアメンバ60に接続されている。フロントサイドフレーム30と同時にロアメンバ60も巻き込んで変形させることにより、より多くの衝突エネルギを吸収することができる。
さらに、バンパービームエクステンション27は、フロントサイドフレーム30の前方から、ロアメンバ60の前方まで延びている。第1及び第2の荷重伝達部材140,50の前方にバンパービームエクステンション27を配置することにより、ナローオフセット衝突時に、第1及び第2の荷重伝達部材40,50からフロントサイドフレーム30、及びロアメンバ60へ、より確実に衝撃荷重を伝達させることができる。
さらに、バンパービームエクステンション27の前面は、平面視において、車幅中央よりも車幅外方が後方に位置している。ナローオフセット衝突時に、第1及び第2の荷重伝達部材140,50からフロントサイドフレーム30へ、より確実に衝撃荷重を伝達させることができる。
図8を併せて参照する。第2溝部51aは、連結部材26の後面まで形成されていることにより、第2溝部51aと、連結部材26の後面とによって閉断面が形成されている。第2の荷重伝達部材50が変形することを抑制し、連結部材26から後方に向かってより確実に衝撃荷重を伝達させることができる。
さらに、第2の荷重伝達部材50の上下の端部から水平方向に延びる水平延出部52,53の幅は、第2の荷重伝達部材50の前端において最も広く形成されている。ロアメンバ60に接続される部位において最も幅が広くなる。これにより、衝突荷重を、より確実にロアメンバ60へ伝達させることができる。
本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
本発明の車体前部構造は、乗用車の車体に好適である。
10,110…車体
26…連結部材
27…バンパービームエクステンション
30…フロントサイドフレーム
30b…脆弱部
40,140…第1の荷重伝達部材
41…底部
41a…第1溝部
50…第2の荷重伝達部材
51a…第2溝部
52…下側の折り曲げ部(水平延出部)
53…上側の折り曲げ部(水平延出部)
60…ロアメンバ
170…上部第1の荷重伝達部材
172…上部ビード
173…上部孔部
175…上部第2フランジ部(上部フランジ部)
180…下部第1の荷重伝達部材
182…下部ビード
183…下部孔部
185…下部フランジ部

Claims (10)

  1. 車両前後方向に延びる左右のフロントサイドフレームと、
    これらのフロントサイドフレームの前端部且つ車幅方向外面側にそれぞれ接合され、前方から後方に向かって幅が狭くなる平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材と、を有する車体前部構造において、
    前記第1の荷重伝達部材は、前記フロントサイドフレームに向かって開口する略U字状の部位を含み、
    この略U字状の部位の底部に沿って、縦板状の第2の荷重伝達部材が接合され、
    前記第1の荷重伝達部材の底部の一部には、前記第2の荷重伝達部材から離れる第1溝部が形成され、及び/又は、前記第2の荷重伝達部材の一部には、前記底部から離れる第2溝部が形成されていることにより、前記第1の荷重伝達部材の底部と前記第2の荷重伝達部材とで車体前後方向に連続して閉断面が構成されていることを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記第2の荷重伝達部材は、前記第1の荷重伝達部材から連続して前記フロントサイドフレームに接合されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記フロントサイドフレームの、前記第1の荷重伝達部材よりも後方の部位には、脆弱部が形成され、
    前記第2の荷重伝達部材の後端は、前記第1の荷重伝達部材の後端よりも前記脆弱部の近傍まで延びていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造。
  4. 前記フロントサイドフレームの前端及び前記第1の荷重伝達部材の前端に連続して取り付けられ、前記フロントサイドフレーム及び第1の荷重伝達部材を連結する左右の連結部材をさらに有し、
    前記第2の荷重伝達部材は、前記第1の荷重伝達部材から連続して前記連結部材に接合されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  5. 前記第2の荷重伝達部材の上下の端部から水平方向に延びる水平延出部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  6. 前記フロントサイドフレームの車幅外方において、前後方向に延びる左右のロアメンバをさらに有し、
    前記第2の荷重伝達部材の前端且つ車幅外側の部位は、前記ロアメンバに接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  7. 前記フロントサイドフレームの車幅外方において、前後方向に延びる左右のロアメンバと、
    前記連結部材の前部にそれぞれ取り付けられ、衝撃荷重を変形しながら吸収可能な左右のバンパービームエクステンションと、をさらに有し、
    前記バンパービームエクステンションは、前記フロントサイドフレームの前方から、前記ロアメンバの前方まで延びていることを特徴とする請求項4記載の車体前部構造。
  8. 車両前後方向に延びる左右のフロントサイドフレームと、
    これらのフロントサイドフレームの前端部且つ車幅方向外面側にそれぞれ接合され、前方から後方に向かって幅が狭くなる平面視略三角形状の第1の荷重伝達部材と、を有する車体前部構造において、
    前記フロントサイドフレームと共に前記第1の荷重伝達部材を挟みこむように、前記第1の荷重伝達部材に沿って延びる縦板状の第2の荷重伝達部材を有し、
    前記第1の荷重伝達部材は、板材によって構成され前記フロントサイドフレームの上部に接合された上部第1の荷重伝達部材と、前記板材とは異なる板材によって構成され前記フロントサイドフレームの下部に接合された下部第1の荷重伝達部材と、を含み、
    前記上部第1の荷重伝達部材は、下方に向かって延びると共に前記第2の荷重伝達部材に接合された上部フランジ部を有し、
    前記下部第1の荷重伝達部材は、上方に向かって延びると共に前記第2の荷重伝達部材に接合された下部フランジ部を有し、
    前記フロントサイドフレーム、前記上部第1の荷重伝達部材、前記下部第1の荷重伝達部材、及び、前記第2の荷重伝達部材によって閉断面が構成され、
    前記第2の荷重伝達部材の一部には、第2溝部が形成されていることを特徴とする車体前部構造。
  9. 前記上部第1の荷重伝達部材には、前記三角形状の各辺に沿って形成された略三角形状の上部ビードが形成され、
    前記下部第1の荷重伝達部材には、前記三角形状の各辺に沿って形成された略三角形状の下部ビードが形成されていることを特徴とする請求項8に記載の車体前部構造。
  10. 前記上部ビードの各辺に沿って略三角形状の上部孔部が形成され、
    前記下部ビードの各辺に沿って略三角形状の下部孔部が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の車体前部構造。
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