JP5919946B2 - 紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法及び紙粉除去方法 - Google Patents

紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法及び紙粉除去方法 Download PDF

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Description

本発明は,衛生用紙に付着した紙粉を除去するための紙粉除去装置,及び紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法に関する。具体的に説明すると,本発明の紙粉除去装置は,エアを吐出可能なエア吐出部と,エアを吸引可能なエア吸引部とによって,衛生用紙に付着した紙粉を除去する。
従来から,ティシュペーパーやトイレットペーパーのような衛生用紙の製造工程では,例えば,消費者による衛生用紙の使用時等に紙面から紙粉が落ちることを防止するために,紙粉除去装置を用いて,衛生用紙に付着した紙粉の除去が行われている。
この種の紙粉除去装置としては,連続紙の搬送路を境として,その片側に,連続紙の紙面に臨むエア吐出口及びエア吸引口を設け,連続紙の片側において,エア吐出口からエアを吐出して紙粉を連続紙の紙面から離脱させるとともに,連続紙の紙面から離脱した紙粉をエア吸引口から吸引して,紙粉を除去するようにしたものが知られている(特許文献1,特許文献2)。
また,紙粉除去装置としては,連続紙が巻き掛けられて連続紙の移送方向を変換する丸棒状の案内体を中空とするとともに,この案内体の外周面に吸引口を形成し,連続紙の紙面に付着した紙粉を当該吸引口から吸引して除去するようにしたものが知られている(特許文献3)。
特開2002−200591号公報 特開2007− 22710号公報 特開2006−219208号公報
しかしながら,特許文献1及び特許文献2に開示された紙粉除去装置を用いて,連続紙の両面各面に付着した紙粉を除去するためには,連続紙の両面各面に対応して,それぞれエア吐出口とエア吸引口を設ける必要があり,大きな設置スペースを要するだけでなく,部品点数が増加し,コスト高になるという問題があった。
また,特許文献3に開示された紙粉除去装置を用いて,連続紙の両面各面に付着した紙粉を除去するためには,吸引口を有する案内体を少なくとも2つ設ける必要があるだけでなく,それぞれの案内体の外周面に連続紙の各面が接するように,連続紙の搬送経路を設定する必要があり,大きな設置スペースを要するという問題があった。また,特許文献3の紙粉除去装置は,連続紙に付着した紙粉のうち,案内体の吸引口に対応した部分の紙粉は除去し得るものの,それ以外の部分の紙粉を除去することができず,連続紙に付着した紙粉を確実に除去し得ないという問題があった。
このため,現在では,コンパクトかつ低コストな構成で,衛生用紙の両面に付着した紙粉を確実に除去できる紙粉除去装置,及び当該紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法が求められている。
そこで,本発明の発明者らは,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,衛生用紙の搬送経路の片側にエア吐出口を設け,搬送経路の他側にエア吸引口を設けて,エア吐出口から衛生用紙の一方の紙面に対して吹きつけたエアを,衛生用紙を通して,エア吸引口により衛生用紙の他方の紙面側から吸引することで,衛生用紙の両面に付着した紙粉を,コンパクトかつ低コストな構成で,確実に除去できるという知見を得た。そして,本発明者らは,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に本発明は,以下の構成を有する。
本発明の第1の側面は,衛生用紙に付着した紙粉を除去するための紙粉除去装置1に関する。
紙粉除去装置1は,エアを吐出可能なエア吐出部10と,エアを吸引可能なエア吸引部20を備える。
エア吐出部10は,衛生用紙の搬送経路の片側であって,衛生用紙の一方の紙面に対向する位置に,エア吐出口11を有する。
エア吸引部20は,衛生用紙の搬送経路の他側であって,衛生用紙の他方の紙面に対向する位置に,エア吸引口21を有する。
このエア吐出口11とエア吸引口21は,衛生用紙の搬送経路を挟んで互いに対向した位置に設けられている。
そして,紙粉除去装置1は,エア吐出口11から吐出されたエアを,衛生用紙を通して,エア吸引口21から吸引することで,衛生用紙に付着した紙粉を除去する。
上記構成のように,衛生用紙の搬送経路を挟んで対向する位置にエア吐出口11とエア吸引口21を設けて,エアが衛生用紙を通気するようにして紙粉を除去することにより,少なくともエア吐出口11とエア吸引口21を一台ずつ設けるだけで,衛生用紙の両面に付着した紙粉を除去できる。
また,本発明の紙粉除去装置において,エア吐出部10は,エア吐出口11を介して衛生用紙の面に対してエアを吹きつけるものであるため,この吹きつけられたエアを,エア吸引口21を介してエア吸引部20によって吸引することにより,衛生用紙の全体に付着した紙粉を確実に除去できる。
さらに,本発明は,エアが衛生用紙を通気するようにして紙粉を除去するものであるため,衛生用紙が複数プライにより構成されたものである場合,衛生用紙の層間に介在する紙粉をも除去できる。
本発明の紙粉除去装置において,エア吐出口11は,衛生用紙の水平搬送経路の下側に設けられ,エア吸引口21は,衛生用紙の水平搬送経路の上側に設けられていることが好ましい。
上記構成のように,エア吐出口11を衛生用紙の水平搬送経路の下側に設けることにより,例えば,エア吐出口11側の紙面に付着した紙粉であっても,衛生用紙の構成繊維間を通過可能な程度に微細なものであれば,エアによって押し出して,反対側に設けられたエア吸引口21から吸引することで除去できる。また,エア吐出口11側の紙面に,衛生用紙の構成繊維間を通過できない程度の大きさを持つ紙粉が付着している場合であっても,エア吐出口11を衛生用紙の水平搬送経路の下側に設けてエアを吹きつけることで,大きい紙粉を衛生用紙の紙面から離脱させて,重力に従って鉛直方向下方に落下させることができる。このため,上記構成によれば,より確実に,衛生用紙の両面に付着した紙粉を除去できる。
本発明の紙粉除去装置は,エア吐出口11及びエア吸引口21の搬送経路上流側に,衛生用紙に帯電した静電気を除電するための除電部30を,さらに備えることが好ましい。
上記構成のようにエア吐出口11及びエア吸引口21よりも上流に除電部30を設けることで,静電気の影響によって衛生用紙に付着した紙粉を紙面から離脱させることができる。このため,除電部3を設けることで,衛生用紙に付着した紙粉をより確実に除去できる。
本発明の紙粉除去装置において,上記除電部30は,衛生用紙の紙面に接する除電ブラシであることが好ましい。
上記構成のように,衛生用紙の紙面に除電ブラシを接触させて除電を行うことにより,紙粉に帯電した静電気を除電すると同時に,衛生用紙に付着した紙粉を除電ブラシによって掻き落として除去することができる。このため,より確実に,衛生用紙に付着した紙粉を除去できる。
本発明の第2の側面は,上記第1の側面に係る紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法に関する。
本発明の製造方法は,第1の側面に係る紙粉除去装置1によって,衛生用紙に付着した紙粉を除去する工程と,
紙粉を除去した後,衛生用紙を複数層に重ね合わせる重ね合せ部2によって,衛生用紙を重ね合わせる工程と,を含むことが好ましい。
上記構成に従って衛生用紙を製造することにより,紙粉が確実に除去され,層間に紙粉が滞留することなく積層された衛生用紙を得ることができる。
本発明の製造方法は,第1の側面に係る紙粉除去装置1によって,衛生用紙に付着した紙粉を除去する工程と,
紙粉を除去した後,衛生用紙に印刷を施す印刷部3によって,衛生用紙に印刷を施す工程と,を含むことが好ましい。
上記工程のように,紙粉を除去した後に衛生用紙の紙面上に印刷を施すことにより,衛生用紙に対する印刷がより鮮明になる。
本発明の製造方法は,第1の側面に係る紙粉除去装置1によって,衛生用紙に付着した紙粉を除去する工程と,
紙粉を除去した後,衛生用紙に保湿剤を塗布する保湿剤塗布部4によって,衛生用紙に保湿剤を塗布する工程と,を含むことが好ましい。
上記工程のように,紙粉を除去した後に衛生用紙に対して保湿剤を塗布することにより無駄やムラが生じることなく保湿剤を塗布できる。
本発明は,衛生用紙の搬送経路を挟んで対向する位置にエア吐出口11とエア吸引口21を設けて,エアが衛生用紙を通気するようにして紙粉を除去するものであるため,少なくともエア吐出口11とエア吸引口21を一台ずつ設けるだけで,衛生用紙の両面に付着した紙粉を除去できる。従って,本発明によれば,コンパクトかつ低コストな構成を持つ紙粉除去装置を提供できる。
本発明は,エア吐出部10がエア吐出口11を介して,衛生用紙の面に対してエアを吹きつけるものであるため,この吹きつけられたエアを,エア吸引口21を介してエア吸引部20によって吸引することにより,衛生用紙の面全体に付着した紙粉を除去できる。従って,本発明によれば,衛生用紙の両面に付着した紙粉を,確実に除去することができる。
図1は,本発明に係る紙粉除去装置を示す概念図である。 図2は,本発明に係る紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法の第1の実施形態を示すブロック図である。 図3は,本発明に係る紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法の第2の実施形態を示すブロック図である。 図4は,本発明に係る紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法の第3の実施形態を示すブロック図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
(1.紙粉除去装置)
図1は,本発明の紙粉除去装置の構成を示す概念図である。紙粉除去装置1は,例えば連続して走行する衛生用紙Pに付着した紙粉を除去する用途に用いられる。図1において,衛生用紙Pの搬送方向は矢印によって示されている。紙粉が除去される衛生用紙は,特に限定されるものではないが,衛生用紙の例としては,ティシュペーパー,トイレットペーパー,キッチンタオル,及びちり紙があげられる。また,本発明の紙粉除去装置1は,1プライの衛生用紙だけでなく,複数プライ(例えば2〜4プライ)の衛生用紙であっても,その紙面に付着した紙粉を除去できる。
図1に示されるように,紙粉除去装置1は,エアを吐出可能なエア吐出部10と,エアを吸引可能なエア吸引部20と,衛生用紙に帯電した静電気を除電するための除電部30を備える。
エア吐出部10は,エア吐出口11と,電動送風機12と,吐出用配管13を有している。
エア吐出口11は,吐出用配管13を介して,電動送風機12に接続され,電動送風機12によって送り込まれたエアを,衛生用紙Pの紙面に対して吹きつける。本実施形態において,エア吐出口11は,水平に走行する衛生用紙Pの水平搬送経路の鉛直方向下方に設けられ,衛生用紙Pの下面に対してエアを吹きつける。エア吐出口11によってエアが吹きつけられる領域の幅は,衛生用紙Pの幅とほぼ同じか,衛生用紙Pの幅より大きくなるように構成されており,衛生用紙Pが搬送方向に沿って走行すると,エアが衛生用紙の全幅に亘って吹きつけるものであることが好ましい。また,例えば,エア吐出口11の先端にノズル部品を取り付け,ノズル部品の開口を狭くすることにより,エア吐出口11に取り付けられたノズルから,加圧エアが吐出されることとしてもよい。エア吐出口11から吐出されるエアを効率的に衛生用紙Pに対して吹きつけるために,エア吐出口11の先端(ノズルが取り付けられる場合にはノズルの先端)から衛生用紙Pの紙面までの距離は,例えば1mm〜100mm,10mm〜80mm,又は20mm〜60mmとすることが好ましい。
電動送風機12は,例えばモータの駆動によりファンを回転させて外気を吸引し,吸引した外気を吐出用配管13内に送り込む。電動送風機12におけるモータの回転数を調節することにより,エア吐出口11から吐出されるエアの吐出圧力を調節可能である。エア吐出口11から吐出されるエアの吐出圧力は,例えば1.5kPa〜5.5kPa,2kPa〜5kPa,又は2.5kPa〜4.5kPa程度であることが好ましい。ただし,エアの吐出圧力は,紙粉を除去する衛生用紙Pの性質(例えば坪量,厚み,又は素材)や,エア吐出口11の先端から衛生用紙Pの紙面までの距離等に応じて,適宜調整することができる。
吐出用配管13は,エア吐出口11と電動送風機12を接続するための要素であり,気密性を有する公知のダクトやホースなどを用いればよい。
エア吸引部20は,エア吸引口21と,電動吸引機22と,集塵機23と,吸引用配管24を有している。
エア吸引口21は,吸引用配管24を介して電動吸引機22に接続され,吸引用配管24内を負圧とすることにより,外気を吸引する。本実施形態において,エア吸引口21は,水平に走行する衛生用紙Pの水平搬送経路の鉛直方向上方に位置し,水平搬送経路を挟んで,エア吐出口11と対向する位置に設けられている。このため,エア吐出口11から吐出されたエアが衛生用紙Pを透過すると,当該透過したエアは,エア吸引口21から吸引されるようになっている。エア吸引口21によってエアが吸引される領域の幅は,衛生用紙Pの幅とほぼ同じか,衛生用紙Pの幅より大きくなるように構成されていることが好ましい。また,衛生用紙Pを透過したエアを,エア吸引口21を介して効率的に吸引するために,エア吸引口21の先端から衛生用紙Pの紙面までの距離は,例えば1mm〜100mm,10mm〜80mm,又は20mm〜60mmとすることが好ましい。
電動吸引機22は,一方側が吸引用配管24を介してエア吸引口21に接続されるとともに,他方側が吸引用配管24を介して集塵機23に接続されている。電動吸引機22は,例えばモータの駆動によりファンを回転させてエア吸引口21から外気を吸引し,吸引した外気を集塵機23へと送り込む。これにより,エア吸引口21から外気と共に取り込まれた紙粉が,吸引用配管24を介して集塵機23へと送出される。また,電動吸引機22におけるモータの回転数を調節することにより,エア吸引口21から吸引されるエアの吸引圧力を調節可能である。エア吸引口21から吸引されるエアの吸引圧力は,例えば1.5kPa〜5.5kPa,2kPa〜5kPa,又は2.5kPa〜4.5kPa程度であることが好ましい。ただし,エアの吸引圧力は,紙粉を除去する衛生用紙Pの性質(例えば坪量,厚み,又は素材)や,エア吸引口21の先端から衛生用紙Pの紙面までの距離等に応じて,適宜調整することができる。
集塵機23は,電動吸引機22により吸引用配管24内に送り込まれたエアに含まれる紙粉を集塵する。集塵機23としては,公知のものを採用することができ,例えば重力集塵機,慣性集塵機,サイクロン,バグフィルター,又は電気集塵機を使用できる。
吸引用配管24は,エア吸引口21と電動吸引機22,及び電動吸引機22と集塵機23を接続するための要素であり,気密性を有する公知のダクトやホースなどを用いればよい。また,吸引用配管24には,吸引用配管の断面積を変化させて空気の流れを調節可能なダンパーを設けて,エア吸引口21から吸引されるエアの吸引圧力を調節することとしてもよい。
除電部30は,図1に示されるように,衛生用紙Pの搬送経路において,エア吐出口11とエア吸引口21の上流側に設けられる。特に,除電部30は,衛生用紙の搬送経路のうち,エア吸引口21が設けられた側であって,衛生用紙の紙面に対向する位置に設けられることが好ましい。除電部30は,衛生用紙Pの電荷を除電し得る構成であれよく,例えば,衛生用紙Pに当接して除電するものであってもよいし,自己放電することにより衛生用紙Pとは非接触で除電するものであってもよい。衛生用紙Pに当接して除電を行う除電手段30としては,例えば除電ブラシを採用できる。他方,衛生用紙Pとは非接触で除電を行う除電手段30としては,イオナイザーを採用できる。なお,イオナイザーとは,例えば,電極針に高電圧発生部からの直流高電圧又は交流高電圧を印加してコロナ放電させて,その電極針により正又は負極性のイオンを発生させる装置である。イオナイザーは,発生したイオンを衛生用紙に吹き付けることにより,衛生用紙の帯電量をゼロに近づけることができる。
本実施形態において除電部30は,除電ブラシである,除電ブラシ30は,衛生用紙Pとほぼ同一の幅を有する基体31と,基体31に繊維状に植設されたブラシ部32とを有している。ブラシ部32が設けられる領域の幅は,衛生用紙Pの幅とほぼ同じか,衛生用紙Pの幅より大きくなるように構成されており,衛生用紙Pが搬送方向に従って走行すると,除電ブラシ30のブラシ部32が用紙の全幅に亘って当接するように構成されていることが好ましい。除電ブラシ30は,少なくともブラシ部32が,好ましくは基体31及びブラシ部32の両方が,導電性材料によって構成される。例えば,基体31は,アルミニウムやステンレス鋼(SUS)のような導電性材料で形成し,ブラシ部32は,スチレン系,オレフィン系,塩ビ系,ウレタン系,ポリエステル系,又はポリアミド系のような導電性を付与した熱可塑性エラストマー樹脂で形成すればよい。
続いて,図1を参照して,上記構成を有する紙粉除去装置1の動作原理について説明する。
連続する衛生用紙Pには,通常,紙粉が付着している。図1において,紙粉は,薄墨を施した円形で概念的に示されている。衛生用紙Pは,搬送方向(図中右方向から左方向)に従って搬送されると,まず,除電ブラシ30のブラシ部32に当接する。このため,除電ブラシ30によって,衛生用紙Pに帯電した静電気が除去されるとともに,衛生用紙Pの紙面に付着した紙粉が掻き出される。これにより,衛生用紙Pに付着した紙粉は,紙面から離脱するか,紙面から離脱し易い状態となる。
除電ブラシ30の下流側には,衛生用紙Pの搬送経路を挟んで,上下に対向する位置に,衛生用紙Pの下面に臨むエア吐出口11と,衛生用紙Pの上面に臨むエア吸引口21が設けられている。すなわち,エア吐出口11とエア吸引口21は,衛生用紙Pの平面に対し直交する位置に設けられる。
エア吐出口11は,吐出用配管13を介して電動送風機12から送り込まれたエアを吐出する。エア吐出口11から吐出されたエアは,エア吐出口11の向きに従い,上方に向かって上昇する。エア吐出口11の上方には衛生用紙Pの搬送経路が位置しているため,エア吐出口11から吐出されたエアは,衛生用紙Pの下面に吹きつけられる。衛生用紙Pに吹きつけられたエアは,衛生用紙Pの下面から上面まで透過する。このとき,衛生用紙Pの下面側に紙粉が付着している場合,当該紙粉が衛生用紙Pの構成繊維間よりも小さく微細なものであれば,当該紙粉は,吹きつけられたエアと共に,衛生用紙Pを通過して上面側へと送り出される。また,衛生用紙Pの下面側に付着している紙粉が,衛生用紙Pの構成繊維間より大きいものである場合であっても,衛生用紙Pに吹きつけられたエアの圧力によって,衛生用紙Pの下面から離脱し,重力に従って鉛直方向下方へ落下する。さらに,衛生用紙Pの上面側に紙粉が付着している場合,当該紙粉は,下方から吹きつけられるエアに押し出されて,衛生用紙Pの上面から離脱して上昇する。
また,衛生用紙Pの搬送経路の上方には,エア吸引口21が位置している。エア吸引口21は,エア吐出口11から吐出され衛生用紙Pを透過したエアを,吸引する。エア吐出口11から吐出されたエアには,衛生用紙Pの下面側に付着していた紙粉や,衛生用紙Pの上面側に付着していた紙粉が含まれているため,エア吸引口21を介して,紙粉を含むエアを吸引することにより,衛生用紙Pの紙面上から紙粉を除去できる。電動吸引機22は,エア吸引口21から吸引したエアを,吸引用配管24を介して,集塵機23へと送出する。集塵機23は,エアに含まれる紙粉を回収し,所定の箇所に蓄積する。このため,集塵機23によって蓄積された紙粉を廃棄することで,紙粉を容易にかつ確実に除去できる。
上記の通り,本発明の紙粉除去装置1は,エア吐出口11から吐出したエアを,衛生用紙Pを透過させて,エア吸引口21によって吸引することで,紙粉を除去するものである。このため,紙粉除去装置1は,通気性を有する衛生用紙Pから紙粉を除去する用途で,好適に用いることができる。例えば,ティシュペーパー,トイレットペーパー,キッチンタオル,又はちり紙のような衛生用紙は,通常,通気性を有するものであるため,紙粉除去装置1は,これらの衛生用紙の紙粉除去に用いることができる。具体的に説明すると,紙粉除去対象の衛生用紙は,坪量が10〜50g/m,又は20〜40g/mであり,紙の総厚が80〜200μm,又は100〜160μm(40〜100μm/1枚,50〜80μm/1枚)であることが好ましい。
以上,本発明に係る紙粉除去装置の好ましい実施形態について説明したが,本発明の紙粉除去装置は,上記実施形態に限定されるものではない。
例えば,紙粉除去装置は,衛生用紙の搬送経路の上側に設けられたエア吐出口11からエアを吐出し,搬送経路の下側に設けられたエア吸引口21からエアを吸引することで,紙粉を除去するものであってもよい。
また,紙粉除去装置は,衛生用紙の水平搬送経路を挟んで対向する位置にエア吐出口11とエア吸引口21を設けた上記の構成に限定されない。例えば,紙粉除去装置は,衛生用紙Pの搬送経路が水平方向に対して所定角度傾斜している場合であっても,当該衛生用紙の一方の紙面に対向するようにエア吐出口11を設け,当該衛生用紙の他方の紙面に対向するようにエア吸引口21を設けることで,紙粉を除去することが可能である。
(2.紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法)
次に,上記構成を有する紙粉除去装置1を用いた衛生用紙の製造方法について説明する。
(2−1.製造方法の第1の実施形態)
図2は,第1の実施形態に係る衛生用紙の製造方法を実行するための装置を示すブロック図である。図2において,右側の装置上流から左側の装置下流に向かって,衛生用紙Pが搬送される。第1の実施形態に係る製造方法は,例えば,ティシュペーパーの製造方法に適用することができる。
図2に示されるように,装置上流には,第1の原反ロール51と第2の原反ロール52が位置している。第1の原反ロール51には長尺の第1の原紙P1が巻回されており,第2の原反ロール52には長尺の第2の原紙P2が巻回されている。第1の原反ロール51及び第2の原反ロール52から,ガイドローラ53を介して,第1の原紙P1及び第2の原紙P2が繰り出されると,第1の原紙P1及び第2の原紙P2は,重ね合せ部2(重ね合わせローラ)において,互いに重ね合わされる。ここで,第1の原紙P1及び第2の原紙P2が重ね合わされた複数層のシートを衛生用紙Pと称する。衛生用紙Pは,搬送方向に従って,装置下流側へと搬送される。
重ね合せ部2の装置下流には,カレンダー部54が位置する。カレンダー部54は,例えば1本の金属ローラ54aと1本の弾性ローラ54bとにより,衛生用紙Pを挟持して加圧することにより,ウェブのテンションや線圧を調節して,衛生用紙Pに強度とソフトネスを持たせるカレンダー処理を行う。
カレンダー部54の装置下流には,第1の紙粉除去装置1aが位置している。ここで,第1の紙粉除去装置1aが設けられる領域においては,第1の紙粉除去装置1aの上流側及び下流側に位置するガイドローラ53の位置を調節することにより,衛生用紙Pの搬送経路が水平に保たれていることが好ましい。衛生用紙Pは,装置下流側に搬送されると,まず,除電ブラシ30a(除電部)によって,静電気の除去と紙面上に付着する紙粉の掻き出しが施される。なお,除電ブラシ30aに代えて,公知のイオナイザーを採用することもできる。ここで,第1の実施形態では,除電ブラシ30aの装置下流側において,第1の紙粉除去装置1aは,衛生用紙Pの水平搬送経路の上方に設けられ衛生用紙Pの上面に臨むエア吐出口11aから,吐出用配管13aを介して,電動送風機12aの駆動によりエアを送り込んでいる。エア吐出口11aから衛生用紙Pの上面に吹きつけられたエアは,衛生用紙Pを透過して,衛生用紙Pの水平搬送経路の下方に設けられ衛生用紙Pの下面に臨むエア吸引口21aから吸引される。エア吸引口21aによって紙粉を含むエアが吸引されると,吸引されたエアは,電動吸引機22aの駆動により,吸引用配管24aを介して,集塵機23aへと送出される。このように,紙粉除去装置は,エア吐出口11aが衛生用紙Pの水平搬送経路の上側に設けられ,エア吸引口21aが衛生用紙Pの水平搬送経路の下側に設けられた構成であってもよい。カレンダー処理によって衛生用紙Pの紙面上に生じた紙粉は,第1の紙粉除去装置1aによって除去される。
第1の紙粉除去装置1aの装置下流には,印刷部3が位置している。印刷部3は,衛生用紙Pに対して,印刷を施す処理を行う。印刷部3としては,例えば,公知の回転印刷塗布装置を採用できる。例えば,印刷部3は,印刷ドラム3aと,印刷ドラム3aの円周上に配置された複数のプリンタ3a,3bを有する。そして,印刷部3は,印刷ドラム3aに衛生用紙Pを巻きつけながら,複数のプリンタ3a,3bによって,搬送されてくる衛生用紙Pに対して,順次印刷インクを塗布していく。この印刷部3による印刷処理は,第1の紙粉除去装置1aによる紙粉除去処理の直後に行われるものであり,衛生用紙Pの紙面に残存する紙粉は殆ど無く,紙粉の影響を受けないため,鮮明な印刷を施すことができる。
印刷部3の下流側には,第2の紙粉除去装置1bが位置している。第2の紙粉除去装置1bの構成は,第1の紙粉除去装置1aの構成と異なり,エア吐出口11bが衛生用紙Pの水平搬送経路の下側に設けられ,エア吸引口21bが衛生用紙Pの水平搬送経路の上側に設けられている。すなわち,衛生用紙Pが装置下流側に搬送されると,まず,除電ブラシ30b(除電部)によって,静電気の除去と紙面上に付着する紙粉の掻き出しが施される。除電ブラシ30bの装置下流側において,第2の紙粉除去装置1bは,衛生用紙Pの水平搬送経路の下方に設けられ衛生用紙Pの下面に臨むエア吐出口11bから,吐出用配管13bを介して,電動送風機12bの駆動によりエアを送り込んでいる。エア吐出口11bから衛生用紙Pの下面に吹きつけられたエアは,衛生用紙Pを透過して,衛生用紙Pの水平搬送経路の上方に設けられ衛生用紙Pの上面に臨むエア吸引口21bから吸引される。エア吸引口21bによって紙粉を含むエアが吸引されると,吸引されたエアは,電動吸引機22bの駆動により,吸引用配管24bを介して,集塵機23bへと送出される。このように,第2の紙粉除去装置1bは,印刷部3による印刷処理によって衛生用紙Pの紙面上に生じた紙粉を除去することができる。また,印刷部3の下流側に第2の紙粉除去装置1bを設けることで,第2の紙粉除去装置1bによって吐出及び吸引されたエアを利用して,印刷部3によって塗布されたインクの乾燥を促進できる。後述するように,第2の紙粉除去装置1bの下流側には保湿剤塗布部4が位置しているが,印刷部3と保湿剤塗布部4の間に,第2の紙粉除去装置1bを設けて,インクの乾燥を促進することにより,衛生用紙Pに保湿剤を塗布した際に,当該インクが滲むことを防止できる。
第1の実施形態においては,図2に示されるように,第1の紙粉除去装置1aによって衛生用紙Pに吹きつけられるエアの通気方向と,第2の紙粉除去装置1bによって衛生用紙Pに吹きつけられるエアの通気方向が,衛生用紙Pの水平搬送経路を挟んで,上下に反転している。このように第1の紙粉除去装置1aと第2の紙粉除去装置1bを配置することにより,衛生用紙Pの上面と下面のそれぞれに対して,エアを吹きつけることができる。従って,衛生用紙Pの上面と下面のそれぞれに付着した紙粉を,さらに確実に除去することができる。
なお,図2に示された例では,第1の紙粉除去装置1aのエア吐出口11aに接続された電動送風機12aと,第2の紙粉除去装置1bのエア吐出口11bに接続された電動送風機12bは,別に設けられている。ただし,第1の紙粉除去装置1aのエア吐出口11aと,第2の紙粉除去装置1bのエア吐出口11bは,同一の吐出用配管を介して,同一の電動送風機に接続される構成としてもよい。
同様に,図2に示された例では,第1の紙粉除去装置1aのエア吸引口21aに接続された電動吸引機22aと,第2の紙粉除去装置1bのエア吸引口21bに接続された電動送風機22bは,別に設けられている。ただし,第1の紙粉除去装置1aのエア吸引口21aと,第2の紙粉除去装置1bのエア吸引口21bは,同一の吸引用配管を介して,同一の電動吸引機に接続される構成としてもよい。
このように,複数の紙粉除去装置1a,1bによって電動送風機及び電動吸引機を共有して利用することで,衛生用紙の製造装置のコンパクト化,及び低コスト化を実現できる。
第2の紙粉除去装置1bの装置下流には,保湿剤塗布部4が位置している。保湿剤塗布部4は,衛生用紙Pに対して保湿剤を塗布する処理を行う。保湿剤塗布部4は,例えば衛生用紙Pに対して保湿剤を供給する転写ロー4aと,転写ローラ4aとの間で衛生用紙Pを挟持する支持ローラ4bを備え,転写ローラ4aと支持ローラ4bを回転させて,その間に衛生用紙Pを導入することで,衛生用紙Pに保湿剤を塗布する。保湿剤塗布部4が塗布する保湿剤としては,一般的な保湿ペーパーに用いられる各種の液体を用いることができる。保湿剤としては,例えば,グリセリン,ジグリセリン,プロピレングリコール又は1.3−ブチレングリコール等を一種又は二種以上の成分として含む液体を用いることができる。この保湿剤塗布部4による保湿剤の塗布処理は,第2の紙粉除去装置1bによる紙粉除去処理の直後に行われるものであり,衛生用紙Pの紙面に残存する紙粉は殆ど無く,紙粉の影響を受けないため,保湿剤をムラなく塗布することができる。
上記工程によれば,効率的に紙粉が除去され,印刷と保湿剤の塗布が施された2プライの衛生用紙を得ることができる。
また,保湿剤塗布部4の装置下流には,カッター55と,巻き取りローラ56が位置しており,衛生用紙Pは,カッター55により所定幅に切断された後,巻き取りローラ56によって巻き取られるものであってもよい。また,巻き取られた衛生用紙Pは,公知の折畳加工部(図示省略)により折畳加工された後,公知のカートン詰め部(図示省略)によってティシュカートンに詰め込まれるものであってもよい。
(2−2.製造方法の第2の実施形態)
図3は,第2の実施形態に係る衛生用紙の製造方法を実行するための装置を示すブロック図である。第2の実施形態については,上記した第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
第2の実施形態は,第1の実施形態とは異なり,第1の原反ロール51から繰り出した第1の原紙P1と,第2の原反ロール52から繰り出した第2の原紙P2を,重ね合せ部2において重ね合わせる前に,第1の原紙P1及び第2の原紙P2のそれぞれについて,紙粉除去装置1a,1bを用いた紙粉除去処理を行う。
具体的に説明すると,第1の原反ロール51の下流には,第1の紙粉除去装置1aが配置されている。ここで,第1の紙粉除去装置1aは,図3に示されるように,吐出用配管13aを介して電動送風機12aに接続されたエア吐出口11aが第1の原紙P1の水平搬送経路の下側に設けられており,吸引用配管24aを介して電動吸引機22aと集塵機23aに接続されたエア吸引口21aが第1の原紙P1の水平搬送経路の上側に設けられている。除電手段30aは,エア吸引口21aと共に,第1の原紙P1の水平搬送経路の上側に配置される。また,第2の原反ロール52の下流には,第2の紙粉除去装置1bが配置されている。ここで,第2の紙粉除去装置1bは,図3に示されるように,吐出用配管13bを介して電動送風機12bに接続されたエア吐出口11bが第2の原紙P2の水平搬送経路の上側に設けられており,吸引用配管24bを介して電動吸引機22bと集塵機23bに接続されたエア吸引口21bが第2の原紙P2の水平搬送経路の下側に設けられている。除電手段30bは,エア吸引口21bと共に,第2の原紙P1の水平搬送経路の下側に配置される。そして,第1の紙粉除去装置1aを用いて紙粉を除去した第1の原紙P1と,第2の紙粉除去装置1bを用いて紙粉を除去した第2の原紙P2を,重ね合せ部2において互いに重ね合せて,2プライの衛生用紙Pを得る。
衛生用紙をなす原紙は,原反ロールに巻回されている段階において,少なからずその紙面上に紙粉が付着している。このため,原反ロールから繰り出した原紙を,すぐに重ね合わせてしまうと,原紙の層間に紙粉が介在することとなる。一旦,原紙の層間に挟み込まれた紙粉を,後の紙粉除去処理において除去することは比較的困難である。そこで,原紙を重ね合わせる前に,原反ロールから 繰り出されたそれぞれの原紙に対し,本発明の紙粉除去装置を用いて,紙面両面の紙粉を確実に除去することで,原紙の層間に紙粉が滞留する事態を効率的に防止できる。特に,第1の紙粉除去装置1aによって第1の原紙P1の下面にエアを吹きつけて紙粉を除去し,第2の紙粉除去装置1bによって第2の原紙P2の上面にエアを吹きつけて紙粉を除去した後,第1の原紙P1の下面と第2の原紙P2の上面を重ね合わせることにより,衛生用紙Pの紙層の間に紙粉が滞留する事態を,さらに確実に防止できる。
また,図3に示されるように,第2の実施形態では,第1の実施形態と異なり,印刷部3の下流であって保湿剤塗布部4の上流に,第3の紙粉除去装置1c及び第4の紙粉除去装置1dが配置されている。ここで,第3の紙粉除去装置1cは,図3に示されるように,吐出用配管13cを介して電動送風機12cに接続されたエア吐出口11cが衛生用紙Pの水平搬送経路の上側に設けられており,吸引用配管24cを介して電動吸引機22cと集塵機23cに接続されたエア吸引口21cが衛生用紙Pの水平搬送経路の下側に設けられている。除電手段30cは,エア吸引口21cと共に,衛生用紙Pの水平搬送経路の下側に配置される。また,第4の紙粉除去装置1dは,図3に示されるように,吐出用配管13dを介して電動送風機12dに接続されたエア吐出口11dが衛生用紙Pの水平搬送経路の下側に設けられており,吸引用配管24dを介して電動吸引機22dと集塵機23dに接続されたエア吸引口21dが衛生用紙Pの水平搬送経路の上側に設けられている。除電手段30dは,エア吸引口21dと共に,衛生用紙Pの水平搬送経路の上側に配置される。
第2の実施形態のように,衛生用紙Pの水平搬送経路を挟んでエア吐出口とエア吸引口が上下に反転した第3の紙粉除去装置1cと第4の紙粉除去装置1dを,並べて配置することにより,衛生用紙Pの上面と下面のそれぞれに付着した紙粉を,さらに確実に除去することができる。また,印刷部3の下流側に第3の紙粉除去装置1cと第4の紙粉除去装置1dを設けることで,印刷部3によって塗布されたインクの乾燥を促進でき,これらの紙粉除去装置1c,1dの下流側において,衛生用紙Pに保湿剤を塗布することにより,当該インクが滲むことを防止できる。
なお,第2の実施形態においても,第1の実施形態と同様に,複数の紙粉除去装置1a,1b,1c,1dは,一の電動送風機と一の電動吸引機を共有して利用するものであってもよい。
(2−3.製造方法の第3の実施形態)
図4は,第3の実施形態に係る衛生用紙の製造方法を実行するための装置を示すブロック図である。第3の実施形態に係る製造方法は,例えば,トイレットロールの製造方法に適用することができる。
図4に示されるように,第1の原反ロール51と第2の原反ロール52には,それぞれ第1の原紙P1と第2の原紙P2が巻回されており,これらの原反ロール51,52は,製品となるトイレットロールの幅の数倍から数十倍の幅を有している。
第1の原反ロール51と第2の原反ロール52の下流側には,重ね合せ部2(重ね合わせローラ)が位置しており,重ね合せ部2において,ガイドローラ53を介して搬送された第1の原紙P1と第2の原紙P2を重ね合わせて,衛生用紙Pとする。
重ね合せ部2の下流には,エンボス加工部57が位置している。エンボス加工部57は,例えば,衛生用紙Pの搬送経路を挟んで対向する位置に,エンボスローラ57aと,受けローラ57bを備える。エンボスローラ57aは,衛生用紙Pに対して付与するエンボスのパターンに応じた複数の凸部を有する。他方,受けローラ57bには,例えばエンボスローラ57aの凸部のパターンと相補的な凹パターンが外周面に形成された金属製のローラや,ローラの外周面がゴムで被覆されたラバー製のローラを用いることができる。エンボス加工部57においては,エンボスローラ57aと受けローラ57bとの間に衛生用紙Pを導入し,衛生用紙Pを挟みこんで押圧することにより,エンボスローラ57aの凸部に応じたパターンのエンボスを,衛生用紙Pの紙面に施すことができる。エンボス加工を施すことにより,第1の原紙P1と第2の原紙P2の結合力が向上するとともに,エンボスパターンによって衛生用紙Pの意匠性を向上させることができる。
エンボス加工部57の下流側には,第1の紙粉除去装置1a及び第2の紙粉除去装置1bが位置している。ここで,第1の紙粉除去装置1aは,図4に示されるように,吐出用配管13aを介して電動送風機12aに接続されたエア吐出口11aが衛生用紙Pの水平搬送経路の上側に設けられており,吸引用配管24aを介して電動吸引機22aと集塵機23aに接続されたエア吸引口21aが衛生用紙Pの水平搬送経路の下側に設けられている。除電手段30aは,エア吸引口21aと共に,衛生用紙Pの水平搬送経路の下側に配置される。また,第2の紙粉除去装置1bは,図4に示されるように,吐出用配管13bを介して電動送風機12bに接続されたエア吐出口11bが衛生用紙Pの水平搬送経路の下側に設けられており,吸引用配管24bを介して電動吸引機22bと集塵機23bに接続されたエア吸引口21bが衛生用紙Pの水平搬送経路の上側に設けられている。除電手段30bは,エア吸引口21bと共に,衛生用紙Pの水平搬送経路の上側に配置される。
紙粉除去装置1の下流側には,長尺の衛生用紙Pを巻き取るための巻き取りローラ56が位置しており,紙粉除去処理が施された衛生用紙Pは,巻き取りローラ56に巻回される。このように,巻き取りローラ56の近くに,紙粉除去装置1a,1bを配置することにより,より効率的に紙粉が除去された衛生用紙を得ることができる。すなわち,紙粉を除去する工程を行った後に,衛生用紙Pを搬送する距離が長いと,衛生用紙Pの表面に抵抗が掛かり,衛生用紙Pの巻き取りを行う前に紙粉が再発生することが懸念される。そこで,衛生用紙Pから紙粉を除去した直後(例えば1m〜20m以内)に,衛生用紙Pの巻き取りを行うことで,衛生用紙Pに紙粉が再発生することを防止できる。
巻き取りローラ56に巻き取られた衛生用紙Pは,その後,切断部(図示省略)へと搬出され,ログソーによって,長尺の衛生用紙Pが所定幅に切断されて,個々のトイレットロールとなる。
本発明は,衛生用紙に付着した紙粉を除去するための紙粉除去装置,及び紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法に関する。このため,本発明は,衛生用紙の製造産業において好適に利用し得る。
1 紙粉除去装置
2 重ね合せ部
3 印刷部
4 保湿剤塗布部
10 エア吐出部
11 エア吐出口
12 電動送風機
13 吐出用配管
20 エア吸引部
21 エア吸引口
22 電動吸引機
23 集塵機
24 吸引用配管
30 除電部(除電ブラシ)
31 基体
32 ブラシ部
51 第1の原反ロール
52 第2の原反ロール
53 ガイドローラ
54 カレンダー部
55 カッター
56 巻き取りローラ
57 エンボス加工部

Claims (7)

  1. 衛生用紙に付着した紙粉を除去するための紙粉除去装置(1)を用いた衛生用紙の製造方法において,
    前記紙粉除去装置(1)は,
    エアを吐出可能なエア吐出部(10)と,エアを吸引可能なエア吸引部(20)を備え,
    前記エア吐出部(10)は,前記衛生用紙の搬送経路の片側であって,前記衛生用紙の一方の紙面に対向する位置に,エア吐出口(11)を有し,
    前記エア吸引部(20)は,前記衛生用紙の搬送経路の他側であって,前記衛生用紙の他方の紙面に対向する位置に,エア吸引口(21)を有し,
    前記エア吐出口(11)と前記エア吸引口(21)は,前記衛生用紙の搬送経路を挟んで互いに対向した位置に設けられており,
    前記エア吐出口(11)から吐出されたエアを,前記衛生用紙を通して,前記エア吸引口(21)から吸引することで,前記紙粉を除去するものであり,
    前記紙粉除去装置(1)によって,前記衛生用紙に付着した紙粉を除去する工程と,
    前記紙粉を除去した後,前記衛生用紙を複数層に重ね合わせる重ね合せ部(2)によって,前記衛生用紙を重ね合わせる工程と,を含む
    紙粉除去装置を用いた衛生用紙の製造方法。
  2. 前記エア吐出口(11)は,前記衛生用紙の水平搬送経路の下側に設けられ,
    前記エア吸引口(21)は,前記衛生用紙の水平搬送経路の上側に設けられている
    請求項1に記載の製造方法
  3. 前記紙粉除去装置は,前記エア吐出口(11)及び前記エア吸引口(21)の搬送経路上流側には,前記衛生用紙に帯電した静電気を除電するための除電部(30)を,さらに備える
    請求項1又は請求項2に記載の製造方法
  4. 前記除電部(30)は,前記衛生用紙の紙面に接する除電ブラシである
    請求項3に記載の製造方法
  5. 前記紙粉を除去した後,前記衛生用紙に印刷を施す印刷部(3)によって,前記衛生用紙に印刷を施す工程をさらに含む
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記紙粉を除去した後,前記衛生用紙に保湿剤を塗布する保湿剤塗布部(4)によって,前記衛生用紙に保湿剤を塗布する工程をさらに含む
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  7. 紙粉除去装置(1)を用いて,通気性を有する衛生用紙に付着した紙粉を除去するための紙粉除去方法において,
    前記紙粉除去装置(1)は,
    エアを吐出可能なエア吐出部(10)と,エアを吸引可能なエア吸引部(20)を備え,
    前記エア吐出部(10)は,前記衛生用紙の搬送経路の片側であって,前記衛生用紙の一方の紙面に対向する位置に,エア吐出口(11)を有し,
    前記エア吸引部(20)は,前記衛生用紙の搬送経路の他側であって,前記衛生用紙の他方の紙面に対向する位置に,エア吸引口(21)を有し,
    前記エア吐出口(11)と前記エア吸引口(21)は,前記衛生用紙の搬送経路を挟んで互いに対向した位置に設けられており,
    前記エア吐出口(11)から吐出されたエアを,前記衛生用紙を通して,前記エア吸引口(21)から吸引することで,前記紙粉を除去するものであり,
    前記紙粉除去装置(1)によって前記衛生用紙に付着した紙粉を除去する工程であって,前記衛生用紙の前記エア吐出口(11)側の紙面に付着した紙粉のうち,当該衛生用紙の構成繊維間を通過可能な微細な紙粉を,前記エア吐出口(11)から吐出したエアによって押し出して,紙面の反対側に設けられた前記エア吸引口(21)によって吸引することで除去する工程を含む,
    紙粉除去方法。
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