しかし、上述した従来における射出成形機の表示装置は、次のような解決すべき課題も存在した。
即ち、オペレータがディスプレイに表示された信号の波形に対する監視中に、異常らしき大きさ又は変化した特定の波形を確認しても、その大きさ又は変化がどの動作時点(動作工程)で発生したものかを把握しにくい。この場合、通常、波形の前後の変化等を確認することにより、どの動作時点であるかを判別することになるが、見慣れているオペレータの場合には比較的容易かつ正確に判別できるものの、見慣れていない初心者等にとって、正確かつ迅速に判別することは容易でない。このように、従来の表示装置により波形の表示を行う場合、異常等が発生したときの動作時点を正確かつ速やかに判別することにより異常等の状況を的確に把握する観点からは更なる改善の余地があった。
特に、オペレータが自らはトラブルシューティングを行うことができない場合、或いはトラブルシューティングを行ったが自らでは手に負えないような場合、波形を表示した画面の一部をハードコピー等によりデータ化し、テクニカルセンター側に送信することにより、専門技術者にトラブルシューティングを依頼することになるが、この際、データ量を軽くするため、通常、波形を表示した画面の一部のみを送信する。したがって、テクニカルセンターにおいて、波形を表示した画面の一部を再表示しても、どの動作時点の波形であるかの判別は容易でない。結局、能率的かつ的確なトラブルシューティングを行う観点からは無視できない阻害要因となっていた。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した成形機の表示装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、成形機コントローラ2に付属して成形機Mの動作物理量に係わるグラフィックデータを表示するディスプレイ3を備える成形機の表示装置1を構成するに際して、ディスプレイ3の表示画面Vに、横軸に時間又は位置を設定し、かつ縦軸に動作物理量に係わる大きさを設定することにより、当該動作物理量の変化波形W1,W2,W3…をグラフィック表示する第一グラフィック表示エリアAw,及びこの第一グラフィック表示エリアAwの中に又はその近傍に、動作物理量が発生した動作工程(Pi…)の種類を当該動作物理量の変化波形W1…に対応させ、かつ動作工程(Pi…)の種類毎に異ならせた領域部B…を連ねることにより、第一グラフィック表示エリアAwの横軸に沿わせるとともに、同時に進行する複数の動作工程(Prm…)の種類を多層化して表示する工程表示部Epを有する第二グラフィック表示エリアApを備えるグラフィック表示部Aと、このグラフィック表示部Aに動作物理量の変化波形W1…及び動作工程(Pi…)の種類を同時に表示するデータ処理を行うとともに、外部付帯装置の動作工程(Pu…)を含む動作工程(Pi…)の種類を追加又は削除により任意に設定可能にする工程設定機構Fsを備える表示処理部4とを設けてなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、ディスプレイ3における表示画面Vの第一グラフィック表示エリアAwには、動作物理量の変化波形W1…を線グラフにより表示するグラフ表示部Ewを設けることができる。一方、領域部B…は、動作工程(Pi…)の種類毎に、当該種類を示す配色により色分けして表示,及び(又は)当該種類を示す文字又は記号を表示することができる。なお、動作工程(Pi…)の種類には、少なくとも、射出工程Pi,計量工程Pm,冷却工程Pr,型開工程Po,エジェクタ工程Pe,型締工程Pcの一又は二以上を含ませることができる。さらに、動作物理量には、一又は二以上のトラブルシューティングに関連する物理量を用いることができるとともに、この物理量には動作に係わる信号Sm…を含ませることができる。
一方、表示処理部4には、第二グラフィック表示エリアApを表示する表示モード又は第二グラフィック表示エリアApを非表示にする非表示モードに切換可能な表示モード切換機能Fcを設けることができるとともに、動作工程(Pi…)の種類を、設定された成形条件に基づいて判別処理し、この判別処理の結果に基づいて動作工程(Pi…)の種類を表示する自動工程表示機能Faを設けることができる。さらに、表示処理部4には、第一グラフィック表示エリアAw及び第二グラフィック表示エリアApに表示される双方のグラフィックデータを所定の採取条件データDiにより一緒に採取可能なデータ採取機能Fdを設けることがでる。なお、この採取条件データDiには、少なくとも、動作物理量の、種類,表示範囲(表示倍率・表示0位置),採取を開始するトリガ条件の一又は二以上を含ませることができる。
このような構成を備える本発明に係る成形機の表示装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) オペレータが、ディスプレイ3に表示された変化波形W1…の監視中に、異常らしき大きさ又は変化した特定の変化波形W1…を確認した場合、その特定の変化波形W1…がどの動作時点(動作工程(Pi…))で発生したかを、初心者(非熟練者)であっても迅速かつ正確に判別できるとともに、成形条件の設定者以外の専門技術者等であっても容易に判別できる。したがって、特に、変化波形W1…に係わる一部区間のみのデータに対して、オペレータ以外の専門技術者等がトラブルシューティング等を行う場合であっても、能率的かつ的確なトラブルシューティング等を行うことができる。
(2) 表示処理部4に、表示させる動作工程(Pi…)の種類を追加又は削除により任意に設定可能にする工程設定機構Fsを設けたため、第二グラフィック表示エリアApのカスタマイズが可能になり、動作時点(動作工程(Pi…))をより把握(判別)しやすくできるなど、より効果を高めることができる。
(3) 追加する動作工程(Pi…)の種類には、外部付帯装置の動作工程(Pu…)を含ませたため、新たに追加する外部付帯装置に対しても柔軟に対応できるなど、発展性に優れる。
(4) 第二グラフィック表示エリアApには、動作工程(Pi…)の種類毎に異ならせた領域部B…を連ねることにより、第一グラフィック表示エリアAwの横軸に沿った工程表示部Epを設けたため、第一グラフィック表示エリアAwにおける変化波形W1…の動作時点が把握しにくい場合であっても、変化波形W1…とタイミングが一致する工程表示部Epにより、動作時点(動作工程(Pi…))を視覚的観点から容易に把握することができる。
(5) 工程表示部Epを表示するに際し、同時に進行する複数の動作工程(Prm…)の種類を多層化して表示するため、工程表示部Epの全体の形状及び大きさを変更することなく容易かつ確実に目的の表示を行うことができるとともに、複数の動作工程(Prm…)であっても容易に把握することができる。
(6) 好適な態様により、第一グラフィック表示エリアAwに、動作物理量の変化波形W1…を線グラフにより表示するグラフ表示部Ewを設ければ、特に、動作時点を把握しにくい線グラフによる変化波形W1…であっても、動作工程(Pi…)の種類を示す第二グラフィック表示エリアApと組合わさることにより、動作時点を容易に把握できるという表示装置1を用いたことによる最も望ましい相乗的効果を得ることができる。
(7) 好適な態様により、領域部B…を、動作工程(Pi…)の種類毎に、当該種類を示す配色により色分けすれば、オペレータ等は、動作工程(Pi…)の種類を直感的かつ迅速に把握できる。一方、領域部B…を、動作工程(Pi…)の種類毎に、当該種類を示す文字又は記号を表示すれば、設定者以外の専門技術者等であっても、読取ることにより動作工程(Pi…)の種類を確実に把握できる。さらに、色分けと文字又は記号は双方を組合わせて一緒に表示可能なため、双方における各効果を同時に得れることに加え、双方を組合わせたことに基づく相乗効果を得ることができる。
(8) 好適な態様により、動作工程(Pi…)の種類に、少なくとも,射出工程Pi,計量工程Pm,冷却工程Pr,型開工程Po,エジェクタ工程Pe,型締工程Pcの一又は二以上を含ませれば、特に、射出成形機(M)における基本的な動作工程(Pi…)を網羅できるため、射出成形機用の表示装置1として最適となる。
(9) 好適な態様により、動作物理量として、一又は二以上のトラブルシューティングに関連する物理量を含ませるとともに、この物理量に、動作に係わる信号Sm…を含ませれば、ディスプレイ3を、トラブルシューティングを行うための実質的な測定器として機能させることができるため、ディスプレイ3を測定器に兼用できるという基本的な作用効果を享受できる。
(10) 好適な態様により、表示処理部4に、第二グラフィック表示エリアApを表示する表示モード又は第二グラフィック表示エリアApを非表示にする非表示モードに切換可能な表示モード切換機能Fcを設ければ、トラブルシューティングを目的とした表示以外のデータ及びグラフィックを表示する際に、第二グラフィック表示エリアApを非表示にできるため、不要表示を無くして第一グラフィック表示エリアAwをより広いエリアに拡大することができる。
(11) 好適な態様により、表示処理部4に、動作工程(Pi…)の種類を、設定された成形条件に基づいて判別処理し、この判別処理の結果に基づいて動作工程(Pi…)の種類を表示する自動工程表示機能Faを設ければ、成形条件を変更した場合であっても、第二グラフィック表示エリアApに表示する動作工程(Pi…)の開始位置及び終了位置等を自動でマッチングさせることができるため、オペレータ等にとっての煩わしさを解消して利便性を高めることができるとともに、人為的なミスを防止することができる。
(12) 好適な態様により、表示処理部4に、第一グラフィック表示エリアAw及び第二グラフィック表示エリアApに表示される双方のグラフィックデータを所定の採取条件データDiにより一緒に採取可能なデータ採取機能Fdを設ければ、特に、当該グラフィックデータをテクニカルセンター等に送信してトラブルシューティング等を行う場合における、動作時点の判別しにくさを有効に解消できる。
(13) 好適な態様により、採取条件データDiに、少なくとも、動作物理量の、種類,表示範囲(表示倍率・表示0位置),採取を開始するトリガ条件の一又は二以上を含ませれば、異常等の認識、更にはその異常等の程度や挙動を速やかに把握するための最低限の情報を容易に確保できる。
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る表示装置1を備える成形機Mの全体の概略構成について、図4及び図5を参照して説明する。なお、例示の成形機Mは射出成形機である。
図4中、仮想線で示す射出成形機Mは、機台Mbと、この機台Mb上に設置された射出装置Mi及び型締装置Mcを備える。射出装置Miは、加熱筒10を備え、この加熱筒10の前端に、図に現れない射出ノズルを有するとともに、加熱筒10の後部には成形材料を供給するホッパ11を備える。一方、型締装置Mcには可動型と固定型からなる金型12を備える。また、機台Mb上には、起設した側面パネル13を利用して、本実施形態に係る表示装置1を構成するディスプレイ3を配設する。例示のディスプレイ3は、図5に示すように、タッチパネル3tを付設したカラー液晶ディスプレイ等のディスプレイ本体3dを備える。そして、このディスプレイ3は成形機コントローラ2(図5)に接続する。したがって、成形機コントローラ2の一部(又は全部)は、本実施形態に係る表示装置1における表示処理部4として機能する。
図5は、成形機コントローラ2のブロック回路図を示す。21はCPUであり、このCPU21には内部バス22を介してチップセット23を接続する。チップセット23には、PCIバス等のローカルバスを用いたバスライン24を接続してHMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)制御系を構成する。このため、バスライン24には、各種メモリ類を含む内部メモリ25を接続する。さらに、バスライン24には、表示インタフェース26を介して上述したディスプレイ3を接続するとともに、入出力インターフェイス27を介してメモリカード等の記憶メディア28に対する読出及び書込を行うドライブユニット29を接続する。
また、チップセット23には、バスライン24と同様のバスライン30を接続してPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)制御系を構成する。このため、バスライン30には、スイッチ等の切換データ(入力)をCPU21に付与し、かつCPU21から得る制御指令データ(出力)を対応するアクチュエータに付与する入出力インターフェイス31を接続するとともに、各種センサの検出信号(入力)を、アナログ−ディジタル変換してCPU21に付与し、かつCPU21から得る制御指令データをディジタル−アナログ変換して得た制御信号(出力)を対応するアクチュエータに付与する入出力インターフェイス32を接続する。これにより、所定のフィードバック制御系及びオープンループ制御系が構成される。
したがって、前述した内部メモリ25には、PLCプログラムとHMIプログラムをはじめ、各種処理プログラムを格納する。なお、PLCプログラムは、射出成形機Mにおける各種工程のシーケンス動作や射出成形機Mの監視等を実現するためのソフトウェアであり、HMIプログラムは、射出成形機Mの動作パラメータの設定及び表示,射出成形機Mの動作監視データの表示等を実現するためのソフトウェアである。
一方、本実施形態では、射出成形機Mの動作に係わる信号Sm…であって、所定の目的に係わる信号であるトラブルシューティングに関連する複数の信号Sm…を検出し、この信号Sm…を、入力として入出力インターフェイス31及び32に付与する。なお、本実施形態では、内部メモリ25に記憶されている設定値や入出力インターフェイス31,32を介さずに付与される内部信号等も、検出される信号Sm…として扱う。このような複数の信号Sm…には、射出工程,計量工程,型締工程,型開工程,冷却工程及びエジェクタ工程に係わる信号Sm…であって、少なくとも速度設定値信号,速度検出信号,圧力設定値信号,圧力検出信号,電流指令値信号,現位置検出信号,速度指令値信号,位置偏差値信号,サーボON信号,過負荷検出信号から選択した複数の信号Sm…が含まれるとともに、各種の入出力信号が信号Sm…に含まれる。
なお、本実施形態に係る成形機コントローラ2は通信機能を備えており、少なくとも外部におけるテクニカルセンター側と通信することができる。このため、バスライン24には、通信インターフェイス35を接続し、この通信インターフェイス35は、外部の通信端末36に接続する。この場合の通信端末36は、ルータ等の狭義の通信端末をはじめ、通信端末を内蔵し又は通信端末に接続したパーソナルコンピュータやモバイル等の広義の各種機器が含まれる。したがって、通信端末36は、図5に示すように、インターネット等の通信ネットワーク37に接続することにより、少なくとも、成形機コントローラ2を通信ネットワーク37に接続する機能と、通信ネットワーク37から受信したデータを記憶メディア28に書込み又は記憶メディア28から読出して通信ネットワーク37に送信する機能を有している。
他方、91はテクニカルセンターに備える処理コンピュータ(サーバ)を示す。この処理コンピュータ91は、コンピュータ本体92及びこのコンピュータ本体92に内蔵するハードディスク等のメモリ手段93を備え、このメモリ手段93は、データベースを含む各種データを書込むデータ書込エリア93d及び各種プログラムを格納したプログラム格納エリア93pを有する。なお、コンピュータ本体92は、ディスプレイ,キーボード,マウス,プリンタ等の、通常、コンピュータシステムに必要な各種周辺装置が付属する。一方、コンピュータ本体92は、外部の通信端末94に接続するとともに、この通信端末94は上述したインターネット等の通信ネットワーク37に接続する。この場合の通信端末94は、ルータ等の狭義の通信端末を意味する。
次に、本実施形態に係る表示装置1の具体的構成について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、ディスプレイ3の表示画面Vを示す。例示の表示画面Vは、モニタ画面の一つとして使用する信号レコーダ画面Vsであり、この信号レコーダ画面Vsに、本発明の要部を構成するグラフィック表示部Aを設ける。このグラフィック表示部Aは、第一グラフィック表示エリアAwと第二グラフィック表示エリアApの組合わせからなり、第一グラフィック表示エリアAwは下側に配するとともに、第二グラフィック表示エリアApは第一グラフィック表示エリアAwの直ぐ上側に配して構成する。これにより、第一グラフィック表示エリアAwと第二グラフィック表示エリアApの横軸の位置関係及び物理量は一致する。以下、第一グラフィック表示エリアAwと第二グラフィック表示エリアApの具体的な構成について説明する。
第一グラフィック表示エリアAwは、グラフ表示部Ewとして構成し、横軸に時間(又は位置)を設定するとともに、縦軸に動作物理量に係わる大きさを設定する。これにより、当該動作物理量が変化する変化波形W1,W2,W3…をグラフィック表示、即ち、線グラフにより表示する。このようなグラフ表示部Ewを設ければ、特に、動作時点を把握しにくい線グラフによる変化波形W1,W2…であっても、後述する動作工程(Pi…)の種類を示す第二グラフィック表示エリアApと組合わさることにより、動作時点を容易に把握できるという表示装置1を用いたことによる最も望ましい相乗的効果を得れる利点がある。
この場合、動作物理量には、一又は二以上のトラブルシューティングに関連する物理量が含まれるとともに、この物理量には、前述した動作に係わる信号Sm…、即ち、少なくとも、速度設定値信号,速度検出信号,圧力設定値信号,圧力検出信号,電流指令値信号,現位置検出信号,速度指令値信号,位置偏差値信号,サーボON信号,過負荷検出信号から選択した一又は二以上の信号Sm…が含まれる。動作物理量として、一又は二以上のトラブルシューティングに関連する物理量を含ませるとともに、この物理量に、動作に係わる信号Sm…を含ませれば、ディスプレイ3を、トラブルシューティングを行うための実質的な測定器として機能させることができるため、ディスプレイ3を測定器に兼用できるという基本的な作用効果を享受できる。
また、グラフ表示部Ewは、信号レコーダ画面Vsの一部として設けられるため、図1には、グラフ表示部Ewの下方に、チャンネル設定画面Vsc及び詳細設定画面Vssをそれぞれウィンドウ表示した態様を示している。グラフ表示部Ewは、前述した信号Sm…から選択した一又は二以上の信号Sm…の変化波形W1…を表示することができ、例示は、CH1(1チャンネル)〜CH6(6チャンネル)に設定した六つの信号Sm…を表示した態様を示す。グラフ表示部Ewは、横軸40tに時間を設定し、かつ縦軸40vに信号Sm…の大きさを、表示倍率・表示0位置により設定する。
このため、信号レコーダ画面Vsの上位置には、横軸設定部41,縦軸設定部42を表示するとともに、横位置には、各CH1〜CH6のチャンネル表示幅設定部43を設けている。これにより、グラフ表示部Ewには、CH1〜CH6に設定した6種類の信号Sm…が、変化波形W1,W2,W3,W4,W5,W6により表示される。この場合、チャンネル表示幅設定部43におけるCH1〜CH6の表示部分は色分けされており、CH1〜CH6の色と、これに対応する各変化波形W1…の色はそれぞれ一致する。実施形態の場合、W1は射出速度設定信号(CH1)、W2は射出速度モニタ信号(CH2)、W3は射出速度指令信号(CH3)、W4は射出電流指令信号(CH4)、W5は射出現在位置信号(CH5)、W6は入力X013信号(CH6)をそれぞれ示している。このような各変化波形W1…は、6チャンネル分を同時に表示できるとともに、7チャンネル(CH7)〜12チャンネル(CH12),13チャンネル(CH13)〜18チャンネル(CH18)…と順次設定すれば、一定時間間隔で順次表示チャンネルを変更して表示できる。46はチャンネル設定キーであり、このチャンネル設定キー46のONにより、チャンネル設定画面Vscがウィンドウ表示されるため、色設定部51により配色を、信号種類設定部52により信号Sm…の種類を、信号項目設定部53により信号Sm…の項目を、回路線番設定部54により回路の線番を、それぞれチャンネル毎に設定できる。
47は詳細設定キーであり、この詳細設定キー47のONにより、詳細設定画面Vssがウィンドウ表示される。図3(a)に、詳細設定画面Vssを抽出して示す。なお、図3(a)に示す詳細設定画面Vssは、図1に示す詳細設定画面Vssに対して全体の形状を変えることにより見易くしている。この詳細設定画面Vssでは、トリガ条件の設定、即ち、トリガ種類設定部66によりトリガの種類の設定を、トリガのチャンネル設定部67によりトリガのチャンネルの設定を、トリガのレベル設定部68によりトリガのレベルの設定等を行うことができる。
トリガ条件を設定した場合の具体例は次のようになる。今、信号の大きさによりトリガ条件を設定したものとする。一例として、トリガ条件を、縦軸のレベルLu〔%〕に設定すれば、設定したレベルLuを越えた部分だけ表示され、他は表示されなくなる。同様に、レベルLuに達しない部分のみを表示することもでき、これらは任意に選択できる。さらに、レベルLuに加えて、このレベルLuよりも小さいレベルLdを設定することにより、レベルLd〜レベルLuの範囲に入る変化波形W1…のみを表示することもできる。信号の大きさ(又は範囲)によりトリガ条件を設定すれば、特に、トラブルシューティングに有効である。即ち、レベルLuを任意の信号Sm…に対する異常レベルに設定すれば、異常が発生ときのみ各変化波形W1…が表示されるため、異常の認識、更にはその異常の程度や挙動を容易かつ速やかに把握できる。
また、トリガ条件として、区間により設定、具体的には、トリガ条件を、横軸において開始時間と終了時間により設定すれば、設定した区間だけ表示されることになり、他の時間では表示されない。同様に、開始時間又は終了時間の一方設定し、開始時間になったら表示を開始し、又は終了時間になったら表示を終了させることもできる。なお、開始時間及び終了時間は、必ずしも時刻を意味するものではなく、例えば、工程開始等のタイミング等、時間又は区間により任意のトリガ条件を設定できる。さらに、前述したプリトリガのタイミングを設定すれば、トリガ条件よりも一定時間前又は一定の大きさだけ手前の変化波形から表示(記録)することができ、トリガ条件を満たす直前の状態を確認することができる。
その他、詳細設定画面Vssにおいては、波形描画モード選択部61により波形描画モードの選択を、重ね書きのON/OFF切換部62により重ね書きのON/OFFを、記録長さ設定部63により記録長さの設定を、プリトリガ設定部64によりプリトリガのタイミングの設定を、それぞれ行うことができる。
一方、第二グラフィック表示エリアApは、図1に示すように、第一グラフィック表示エリアAwの直ぐ上の位置に配し、各動作工程(Pi…)の種類を第一グラフィック表示エリアAwiおける動作物理量(信号Sm…)の変化波形W1,W2…に対応させて表示する。
第二グラフィック表示エリアApは、図2に抽出して示すように、動作工程(Pi…)の種類毎に異ならせたブロック状の領域部B…を連ねることにより、第一グラフィック表示エリアAwの横軸に沿った工程表示部Epとして設ける。このため、工程表示部Epは一定の上下幅を有するバンド状のパターンとなる。なお、図2に示す工程表示部Epは、図1に示す工程表示部Epに対して上下幅を広く描くことにより見易くしている。このような工程表示部Epを設ければ、上述した第一グラフィック表示エリアAwにおける変化波形W1…の動作時点が把握しにくい場合であっても、変化波形W1…とタイミングが一致する工程表示部Epにより、動作時点(動作工程(Pi…))を視覚的観点から容易に把握できる利点がある。
図2に例示する工程表示部Epは、六つの領域部B…により構成し、左側から、エジェクタ工程Pe,型締工程Pc,射出工程Pi,冷却工程Pr/計量工程Pm,型開工程Poを示す。このように、表示する動作工程(Pi…)の種類として、少なくとも、射出工程Pi,計量工程Pm,冷却工程Pr,型開工程Po,エジェクタ工程Pe及び型締工程Pcを含ませれば、特に、射出成形機Mにおける基本的な動作工程(Pi…)を網羅できるため、射出成形機用の表示装置1として最適となる。例示の場合、計量工程Pmと冷却工程Prは、一部区間が同時に進行するため、同時進行区間は、上下幅をそれぞれ1/2幅にすることにより二層化(多層化)して表示する。このように、工程表示部Epを表示するに際し、同時に進行する複数の動作工程(Prm…)の種類を多層化して表示すれば、工程表示部Epの全体の形状及び大きさを変更することなく容易かつ確実に目的の表示を行うことができるとともに、複数の動作工程(Prm…)であっても容易に把握することができる。
また、各領域部B…は、各動作工程(Pi…)の種類毎に、当該種類を示す配色により色分けする。このような色分けを行えば、オペレータ等は、動作工程(Pi…)の種類を直感的かつ迅速に把握できる利点がある。この場合、配色の設定は、図1に示す信号レコーダ画面Vsにおける前述した詳細設定キー47のONによりウィンドウ表示される詳細設定画面Vssを用いて行うことができる。まず、図3(a)に示す詳細設定画面Vssにおける工程色設定キー60をONにすれば、図3(b)に示す工程色設定画面Vcがウィンドウ表示される。そして、工程色設定画面Vcに表示される各動作工程(Pi…)の種類に対応した、任意の工程表示欄Cpを選択(タッチ)すれば、図示を省力した色リスト画面がウィンドウ表示されるため、希望する色を選択(タッチ)することにより、任意の色を設定できる。なお、配色は、成形機コントロール2において、予め固定した色(共通色)を設定し、工程色設定画面Vcは工程色確認画面として機能させてもよい。
他方、表示装置1には、少なくとも、このグラフィック表示部Aに動作物理量の変化波形W1…と動作工程(Pi…)の種類を同時に表示するデータ処理を行う表示処理部4を備える。この表示処理部4は、成形機コントローラ2の有するデータ処理機能を用いて構成し、特に、各動作工程(Pi…)の種類、即ち、射出工程Pi,計量工程Pm,冷却工程Pr,型開工程Po,エジェクタ工程Pe及び型締工程Pcを、設定された成形条件データに基づいて判別処理し、この判別処理の結果に基づいて各動作工程(Pi…)の種類を表示する自動工程表示機能Faを備えている。このような自動工程表示機能Faを設ければ、成形条件を変更した場合であっても、第二グラフィック表示エリアApに表示する各動作工程(Pi…)の開始位置及び終了位置等を自動でマッチングさせることができるため、オペレータ等にとっての煩わしさを解消して利便性を高めることができるとともに、人為的なミスを防止できる利点がある。
以上の構成が本実施形態に係る表示装置1の要部構成となる。したがって、このような本実施形態に係る表示装置1によれば、基本構成として、ディスプレイ3の表示画面Vに、横軸に時間又は位置を設定し、かつ縦軸に動作物理量に係わる大きさを設定することにより、当該動作物理量の変化波形W1,W2,W3…をグラフィック表示する第一グラフィック表示エリアAw,及びこの第一グラフィック表示エリアAwの中に又はその近傍に、動作物理量が発生した動作工程(Pi…)の種類を当該動作物理量の変化波形W1…に対応させて表示する第二グラフィック表示エリアApを有するグラフィック表示部Aを設けるとともに、少なくとも、このグラフィック表示部Aに動作物理量の変化波形W1…と動作工程(Pi…)の種類を同時に表示するデータ処理を行う表示処理部4を備えるため、オペレータが、ディスプレイ3に表示された変化波形W1…の監視中に、異常らしき大きさ又は変化した特定の変化波形W1…を確認した場合、その特定の変化波形W1…がどの動作時点(動作工程(Pi…))で発生したかを、初心者(非熟練者)であっても迅速かつ正確に判別できるとともに、成形条件の設定者以外の専門技術者等であっても容易に判別できる。したがって、特に、変化波形W1…に係わる一部区間のみのデータに対して、オペレータ以外の専門技術者等がトラブルシューティング等を行う場合であっても、能率的かつ的確なトラブルシューティング等を行うことができる。
ところで、信号レコーダ画面Vsは、実質的な測定器として機能させることができるものの、初心者等のように知識や経験等が無い場合には、動作に係わる信号Sm…を表示する機能に留まるため、自ら信号Sm…の変化波形を見てトラブルに対する的確な診断及びトラブルに的確に対処することは容易でない。したがって、このような診断,解析及び対処を自らできない場合、通常、テクニカルセンターにデータを送信し、サポートを仰ぐことができる。本実施形態に係る表示装置1は、この場合にも有効に機能する。
即ち、この場合、オペレータは、そのトラブルに係わる情報(トラブル情報)をテクニカルセンターに送信する。テクニカルセンターは、少なくともトラブルを診断する機能を備えるため、ユーザーからトラブル情報を受信したなら、処理コンピュータ(サーバ)91により、トラブル情報に対応する採取条件データDiを作成処理し、ユーザーに送信(返信)する。この採取条件データDiは、射出成形機Mの成形機コントローラ2により、トラブル情報に対応した動作信号データを採取するための条件を設定したデータであり、具体的には、信号レコーダ画面Vsにおけるトラブル情報に関連する画面領域を採取するためのデータである。
したがって、採取条件データDiには、少なくとも、前述した信号Sm…の、種類,表示範囲(表示倍率・表示0位置),採取を開始するトリガ条件の一又は二以上を含ませることが望ましい。表示範囲(表示倍率・表示0位置)は、いわばグラフ表示部Ewにおける縦軸の設定情報となる。さらに、採取を開始するトリガ条件とは、いわば横軸の設定情報となる。このような採取条件データDiにより様々な設定を行うことができ、特に、トリガ条件には前述した様々な条件を設定できる。このように、採取条件データDiとして、少なくとも、信号Sm…の、種類,表示範囲(表示倍率・表示0位置),採取を開始するトリガ条件の一又は二以上を含ませれば、トラブルの認識、更にはその異常の程度や挙動を速やかに把握するための最低限の情報を容易に確保できる。
また、採取条件データDiを作成するに際しては、ディスプレイ3に表示される信号レコーダ画面Vsをハードコピーにより採取して作成することができる。即ち、採取条件データDiに基づく動作信号データの採取は、信号レコーダ画面Vsの採取となるため、信号レコーダ画面Vsに対して作成した条件によりそのままハードコピーして採取可能である。このように採取すれば、テクニカルセンターにおける専門技術者は、実際の射出成形機Mのディスプレイ3を見ている状態とほぼ同様の態様において対処できる。一方、採取条件データDiは、データファイルとして作成する。採取条件データDiを、このようなデータファイルとして作成すれば、一般のデータファイルと同様に、容易かつ汎用的に扱うことができるため、テクニカルセンターにおける専門技術者は、処理コンピュータ91にそのまま読み込ませ、シミュレーター機能等を利用して、容易かつ詳細な診断及び解析等が可能になるとともに、迅速かつ正確な診断及び解析等を行うことができるなど、採取条件データDiの使い勝手をより高めることができる。このデータファイル(採取条件データDi)は、射出成形機Mに備えるディスプレイ3にも表示(再表示)することができる。このような表示(再表示)を可能にすれば、例えば、ユーザーや現場に居合わせた専門技術者等がディスプレイ3に表示されたデータファイルの波形データを確認し、実機に対する必要なトラブルシューティングを行うことができる。
一方、ユーザーが採取条件データDiを受信した際には、採取条件データDiを成形機コントローラ2に読込処理する。この場合、前述したように、通信インタフェース35により直接取込み、又は記憶メディア28を介して取込み可能なため、取込み可能になったなら、成形条件の設定等を行うファイル表示画面を表示し、ファイル名を入力することによりデータファイルとして読込処理を行う。これにより、採取条件データDiは成形機コントローラ2の内部メモリ25にファイル名の付いたデータファイルとして取込まれる。したがって、通常の生産活動で使用している成形条件ファイルやプログラムファイル等の各種条件ファイルと同様に、容易に利用できる。
次いで、採取条件データDiのファイルを開いて採取処理を実行する。即ち、信号レコーダ画面Vsの一部をハードコピー処理するとともに、さらに、ハードコピーしたデータ(コピーデータ)のデータファイルを作成する。この場合、第一グラフィック表示エリアAw及び第二グラフィック表示エリアApに表示される双方のグラフィックデータを当該採取条件データDiにより一緒に採取する。したがって、表示処理部4は、第一グラフィック表示エリアAw及び第二グラフィック表示エリアApに表示される双方のグラフィックデータを所定の採取条件データDiにより一緒に採取可能なデータ採取機能Fdを有することになる。
作成したデータファイルはテクニカルセンターに送信処理する。テクニカルセンターでは、受信した動作信号データ(コピーデータ)に基づき、専門技術者が、トラブルを診断し、解析するとともに、必要な対応策等の情報を含むテクニカル情報をデータファイルとして作成する。この後、作成したデータファイル(テクニカル情報)は、ユーザーに送信処理する。これにより、オペレータは、受信したテクニカル情報に基づいて必要な処置、即ち、トラブルを解消するための必要な処置(対応策)を講じることができる。
このようなトラブルシューティングを行えば、ユーザーが使用している射出成形機Mの成形機コントローラ2に備えるディスプレイ3に表示される信号レコーダ画面Vsの動作信号データを、いわばそのままテクニカルセンターに送り、かつテクニカルセンターの専門技術者による診断や解析等が可能になるため、ユーザーサイドのオペレータが初心者等のように知識や経験等が無い場合であっても、トラブルに対して的確に対処することができ、信号レコーダ画面Vsのトラブルシューティング用ツールを有効に活用できる。加えて、オペレータが射出成形機Mの成形機コントローラ2の操作に不慣れの場合や言語に不自由な外国人等の場合であってもトラブルに対して、的確かつ円滑(迅速)に対応することができる。
また、前述したデータ採取機能Fdにより、テクニカルセンター側においても表示装置1の保有する作用効果をそのまま享受できる。即ち、表示される動作信号データの表示画面を確認する際における動作時点の判別しにくさを有効に解消できる。この結果、異常らしき変化波形W1…の大きさ又は変化がどの動作時点で生じているかを、特に、オペレータ以外の専門技術者等がトラブルシューティングを行う場合であっても容易かつ確実に動作時点を把握し、能率的で的確なトラブルシューティングを行うことができる。
次に、本実施形態に係る表示装置1における各部の変更例について、図6〜図9を参照して説明する。
図6は、グラフィック表示部Aの変更例を示す。この変更例は、工程表示部Epにおける各動作工程(Pi…)の切換タイミングに対応した補助カーソルLi,Lc,Lm,Lc,Lmc,Loをグラフ表示部Ew内に表示したものである。これにより、グラフ表示部Ewに表示される各変化波形W1…における各動作工程(Pi…)の切換点をより容易かつ正確に把握することができる。
図7は、第二グラフィック表示エリアApの変更例を示す。図7(a)は、工程表示部Epを表示するに際し、同時に進行する三つの動作工程(Pr,Pm,Px)がある場合であり、三つの同時進行区間を、図7(a)中、Prmxで示す。この場合、各動作工程(Pr,Pm,Px)の上下幅をそれぞれ1/3幅に設定し、三層化(多層化)により表示することができる。例示の場合、同時に進行する三つの動作工程(Pm…)は、冷却工程Pr,計量工程Pm,ノズル前進工程Pxである。この場合であっても、工程表示部Epの全体の形状及び大きさを変更することなく容易かつ確実に目的の表示を行うことができるとともに、三層化(一般的には多層化)により表示する場合であっても容易に把握することができる。
また、図7(b)は、領域部B…を、動作工程(Pi…)の種類毎に、当該種類を示す文字又は記号を表示したものであり、例示は記号による表示を示す。これにより、設定者以外の専門技術者等であっても、読取ることにより動作工程(Pi…)の種類を確実に把握できる。さらに、前述した色分けと文字又は記号の双方を組合わせて一緒に表示してもよい。これにより、双方における各効果を同時に得ることができることに加え、双方を組合わせたことに基づく相乗効果を得ることができる。
図8は、工程色設定画面Vcの変更例を示す。図8は、表示処理部4に、表示させる動作工程(Pi…)の種類を、追加又は削除により任意に設定可能にする工程設定機構Fsを設けたものである。例示の場合、図8に示すように、予め、工程色設定画面Vcに、工程表示欄Cpを空欄とした空工程表示欄Cpo…を設け、追加キー101をONにした後、空工程表示欄Cpo…を選択してONにすれば、追加用リストがウィンドウ表示されるため、追加したい動作工程を選択すればよい。例示は、コア後退工程Pfと取出機動作工程Pu(図9参照)を追加した場合を示す。また、削除キー102をONにした後、削除したい工程表示欄Cpを選択してONにすれば、選択した動作工程を削除することができる。このような工程設定機構Fsを設ければ、第二グラフィック表示エリアApのカスタマイズが可能になるため、動作時点(動作工程(Pi…))をより把握(判別)しやすくできるなど、より効果を高めることができる。
さらに、表示処理部4には、第二グラフィック表示エリアApを表示する表示モード又は第二グラフィック表示エリアApを非表示にする非表示モードに切換可能な表示モード切換機能Fcを設けることができ、図8には、上述した削除キー102の下方に、表示モード(ON)又は非表示モード(OFF)に切換えるモード切換キー103を設けた場合を示している。このような表示モード切換機能Fcを設ければ、トラブルシューティングを目的とした表示以外のデータ及びグラフィックを表示する際に、第二グラフィック表示エリアApを非表示にできるため、不要表示を無くして第一グラフィック表示エリアAwをより広いエリアに拡大できる利点がある。
図9は、図8の変更例に基づいて表示される第二グラフィック表示エリアApに表示される工程表示部Epを示す。図9(a)は、図8において追加したコア後退工程Pfを工程表示部Epに追加表示したものであり、例示の場合、計量工程Pm,コア後退工程Pf,型開工程Poの順に表示されている。図9(b)は、図8において追加した取出機動作工程Puを工程表示部Epに追加表示したものであり、例示の場合、型開工程Po,取出機動作工程Pu,エジェクタ工程Peの順に表示されている。
また、図9(a)と図8は、追加する動作工程の種類に、取出機動作工程Pu…を含ませた例を示している。成形品を取出すための取出機は、射出成形機Mに対して、外部付帯装置として位置付けられる。したがって、このように外部付帯装置に係わる動作工程(Pu)についても追加可能に構成すれば、新たに追加する外部付帯装置に対しても柔軟に対応できるなど、発展性に優れる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、第二グラフィック表示エリアApを、第一グラフィック表示エリアAwの上(近傍)に表示した場合を示したが、第一グラフィック表示エリアAwの中に表示してもよい。この場合、第一グラフィック表示エリアAw内の全域を比較的薄い色により色分けする等、各種表示形態を適用できる。また、線グラフにより表示するグラフ表示部Ewを例示したが、他のグラフ形式を排除するものではない。さらに、所定の目的に係わる信号Sm…として、トラブルシューティングに関連する信号Sm…を例示したが、他の目的に係わる信号Sm…を適用することもできる。特に、例示は一例であり、例示以外の各種信号Sm…を適用することができ、本来、テスター等で測定する回路上の直流電圧に係る単純な信号Sm…であってもよい。なお、ユーザー及びテクニカルセンターの用語は、理解を容易にするための便宜上の使用であり、要は、任意の射出成形機Mと外部の処理コンピュータ(サーバ)91との対応関係にあればよい。一方、動作信号データとして、信号レコーダ画面Vsをハードコピーしたデータを例示したが、トラブルシューティングに関連する信号Sm…であれば、各種信号及び各種方法により採取する他種のデータを排除するものではなく、例えば、データファイルであってもよい。また、動作信号データとして、時間に対する信号の変化に係わるデータを用いたが、時間の代わりに位置等の他の物理量を用いてもよい。